JP3431046B2 - 光導波路、その導波路部材、及びその製造方法 - Google Patents
光導波路、その導波路部材、及びその製造方法Info
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Description
波路等の光導波路に関し、特に、所定部位に周期的にそ
の屈折率を変化させて回折格子を作り込むための導波路
部材、該回折格子が作り込まれた光導波路、及びその製
造方法に関するものである。
まれたものには種々の態様のものがあるが、光通信シス
テム等に利用する場合には、特に、他の光導波路との接
続が容易で、かつ挿入損失を低くするために回折格子が
作り込まれた光導波路型のものが好適である。
製造方法としては、例えば特開昭62−500052号
公報に記載のものが知られている。これは、酸化ゲルマ
ニウムを添加して高屈折率のコアを形成した石英系光フ
ァイバに強力な紫外光を照射することより、コアに周期
的な屈折率変化を生じさせ、回折格子を形成する方法で
ある。
製造方法では、得られる回折格子の反射率は必ずしも十
分でない。すなわち、回折格子が作り込まれた光導波路
では、その反射率が重要な特性であるが、この反射率は
以下の式(1)のように、回折格子長(コア内におい
て、屈折率が周期的に変化している領域の長さ)と光誘
起屈折率変化に依存する。
子長、ΔnUVは紫外光に対する屈折率変化(光誘起屈折
率変化)、λは反射波長である。
ゲルマニウム関連のガラス欠陥に起因することが知られ
ているが、従来のように通信用光ファイバを用いたので
はクラッド部分でのガラス欠陥が少ないために、この部
分における紫外光による屈折率変化ΔnUVはコアでの屈
折率変化ΔnUVに比べて小さい。したがって、導波路全
体として十分な反射率が得られないという課題があっ
た。
のコア(回折格子が作り込まれた部位)の屈折率は高く
なるため、この部位のモードフィールド径は他の紫外光
が照射されていないコアのモードフィールド径より小さ
くなる。このモードフィールド径の変化がコア内に生じ
ると、モードミスマッチによりコア内を伝搬している光
がクラッド側へ放射され、伝送損失が増加するという課
題がある。
めになされたもので、反射率の十分大きな回折格子を有
する光導波路を実現するとともに、この光導波路を容易
に製造するための方法を提供することを目的とする。
は、光導波部であるコアと、このコアよりも低屈折率で
あって、このコアを密着して覆っているクラッドとを有
し、その所定部位のコア及びクラッドのそれぞれに、回
折格子として周期的に屈折率が変化した屈折率変化部が
形成されていることを特徴としている。なお、この屈折
率変化部は1つには限定されず、光の伝搬方向に沿っ
て、所定の間隔をおいて複数形成してもよい。
両方に作り込まれる導波路部材には、いずれの領域にも
酸化ゲルマニウムが予め添加され、主にガラス材料から
なる光導波路を利用するが、この導波路部材には石英
(SiO2 )を主成分とする石英ガラス導波路や、該石
英を主体にして、Na2 O、CaO等を加えたガラスか
らなる多成分ガラス導波路が含まれる。また、導波路と
は、コアとクラッドとの屈折率差を利用して光を一定領
域に閉じ込めて伝送する回路または線路をいい、これに
は光ファイバや薄膜導波路等が含まれる。
ッドの屈折率をコアの屈折率よりも低くする必要がある
が、その態様としては、例えば、クラッドへ添加する酸
化ゲルマニウムの濃度をコアへ添加する酸化ゲルマニウ
ムの濃度よりも低く設定する場合(1)、コアに添加す
る酸化ゲルマニウムの濃度がクラッドに添加する酸化ゲ
ルマニウムの濃度と等しいか、あるいはそれよりも高い
場合であってもさらに屈折率低下剤を添加する場合
(2)がある。ここで、屈折率低下剤としては、例えば
酸化ボロンやフッ素が一般的である。
導波路の製造方法は、酸化ゲルマニウムがドープされた
コアと、酸化ゲルマニウムがドープされ、コアよりも低
屈折率のクラッドとを備えるガラス導波路部材を用意
し、このガラス導波路部材の所定部位(コア及びクラッ
ドの両方を含む領域)に対して紫外光を照射し、この所
定部位の屈折率を変化させることを特徴としている。
り込むためには、この所定部位において上記紫外光の干
渉縞を生じさせる必要がある。この方法としては、例え
ば、上記紫外光を2本のコヒーレント光とし、この2本
のコヒーレントな紫外光を、ガラス導波部材におけるコ
アの光軸に対し互いに補角の関係にある角度をもって照
射することにより干渉縞を生じさせてもよい。また、上
記紫外光を位相格子に照射し、この位相格子を透過させ
ることにより干渉縞を生じさせてもよい。
た複数の光導波領域(コア)を有する場合には、光透過
用窓を有するマスク、さらには所定の光学系を利用し、
上記紫外光の透過を制限することにより、回折格子の微
細加工に応用するすることもできる。
が移動している場合、例えば光ファイバの線引工程にお
いても適用することができる。
が作り込まれた所定部位(屈折率変化部)のみならず、
この部位を密着して覆うクラッドにも回折格子が作り込
まれている。すなわち、この部位では光導波路のコアを
伝搬する導波光のみならず、導波光のうち導波中にクラ
ッドへ放射される光も反射され、モードフィールド全域
にわたって導波光が反射される構造となっている。それ
ゆえ、この発明のにおける光導波路は高い反射率を有す
る。
れる光は、コアからわずかにクラッド側へ漏出している
だけなので、クラッドにおける屈折率変化部がコアとク
ラッドとの境界面付近にのみ存在する場合でも、十分に
高い反射率を有する。
は、上述したガラス欠陥を増やすことが重要である。そ
れにはコアにおける酸化ゲルマニウムの添加濃度を増や
すことが効果的であるが、この場合、コアの紫外光照射
領域における紫外光照射前後の屈折率の変化量が非常に
大きくなると、同一コア内における各領域でのモードミ
スマッチによる伝送損失が問題となる。
位では屈折率が高くなりモードフィールド径は小さくな
るが、他の紫外光照射がなされていない部位でのモード
フィールド径は変化しない。このように同一コア内でモ
ードフィールド径の変化が生じると、コア内を伝搬して
いる導波光のクラッドへの放射が生じ、伝送損失が増加
するという結果を招く。
路は、コア及びクラッドのそれぞれに酸化ゲルマニウム
が添加されており、紫外光が照射されればいずれの領域
にも屈折率変化が生じるため、コア及びクラッド間の屈
折率差に実質的な変化を生じない構造を備えている。し
たがって、紫外光照射前後で光の伝搬方向にモードフィ
ールド径の周期的な変化が生じることはなく、上述のモ
ードミスマッチによる伝送損失(導波光がクラッド側へ
放射されることにより生じる伝送損失)は回避される。
光導波路の製造方法は、酸化ゲルマニウムがドープされ
たコアと、酸化ゲルマニウムがドープされ、コアよりも
低屈折率のクラッドとを備えるガラス導波路部材を用意
し、このガラス導波路部材の所定部位(コア及びクラッ
ドの両方を含む領域)に対して紫外光を照射し、この所
定部位の屈折率を変化させる。また、この製造方法は、
回折格子を作り込む導波路部材として集積化して複数の
コアが形成された光導波路型の光機能部品や、光ファイ
バの製造工程への適用も想定している。
率が変化するメカニズムは、完全には解明されてはいな
い。しかしながら、重要な原因として、ガラス中のゲル
マニウムに関連した酸素欠損型の欠陥が考えられてお
り、Si−GeまたはGe−Geなどの中性酸素モノ空
孔が想定されている。
いるクラマース・クローニッヒ機構によれば、屈折率変
化は以下のように説明される。すなわち、上記の欠陥は
波長240〜250nmの紫外光を吸収する。そして、
この吸収によりSi−GeまたはGe−Ge結合が切れ
ることに起因して、新たな欠陥が生じる。この新たな欠
陥は、波長210nmおよび280nm付近を中心に吸
収帯を形成する。その結果、クラマース・クローニッヒ
の関係に従いガラスの屈折率が変化する。
の双方に酸化ゲルマニウムがドープされた光導波路を第
一の工程で用意し、これに紫外光を入射させるので、コ
ア及びクラッドの双方において紫外光が入射した部分の
屈折率が変化する。したがって、本発明の方法により製
造される光導波路は、光軸方向に沿って複数の屈折率変
化部が配列された回折格子領域を、コアのみならずクラ
ッドにおいても有している。
施例を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一
の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略す
る。
では、まず、回折格子形成に用いる導波路部材として、
石英(SiO2 )ガラスを主成分とする石英系光ファイ
バを用意した。この光ファイバは、石英ガラスに20w
t%の酸化ゲルマニウム(GeO2 )が添加されたコア
と、石英ガラスに10wt%の酸化ゲルマニウム及び2
0wt%の酸化ボロン(B2 O3 )が添加されたクラッ
ドとを備えている。ここで、酸化ゲルマニウムは屈折率
を高めるための添加物であり、酸化ボロンは屈折率を低
下させるための添加物である。
加された石英ガラスと純粋な石英ガラスとの間の比屈折
率差は、1.5%であり、10wt%の酸化ゲルマニウ
ム及び20wt%の酸化ボロンが添加された石英ガラス
と純粋な石英ガラスとの間の比屈折率差は、0.5%で
ある。
(導波路部材)は、いかなる製造方法により製造された
ものであっても良い。例えば、公知のMCVD法、VA
D法、OVD法、ロッドインチューブ法等により製造さ
れた光ファイバ母材を、電気炉で加熱して線引きするこ
とにより製造できる。
中心棒をターゲットとし、その上に火炎中で生成したS
iO2 とGeO2 のガラス微粒子を堆積させて、スート
プリフォームを形成する。具体的には、コア用バーナー
に原料となる四塩化ケイ素(SiCl4 )及び四塩化ゲ
ルマニウム(GeCl4 )、燃料となる水素、並びに酸
素(以上は、すべて気体である。)を同時に送り込む。
一方、クラッド用バーナーには、上記気体に加えてさら
に臭化ボロン(BBr3 )を送り込む。そして、水素の
燃焼による各バーナーの火炎を中心棒にあてて、スート
プリフォームを形成する。
高温で完全脱水して不純物を飛散させてから、さらに温
度を上げて焼結する。以上でプリフォーム(光ファイバ
母材)が完成するので、線引炉でさらに高温にして溶か
し、線引きすれば光ファイバが得られる。
された光ファイバに紫外光を照射する。ここで、紫外光
の照射は、所望の長さに切り取った光ファイバに対して
行ってもよいし、線引された光ファイバを巻き取る途中
に行うなど、光ファイバの製造工程に組み込んで行って
もよい。
ァイバ内に形成することとし、このために、等間隔の干
渉縞を生じさせながら紫外光を光ファイバに照射した。
以下、紫外光の照射方法について詳しく説明する。
る。図1に示されるように、紫外光光源10から出力さ
れた紫外光は、所定の光学系として干渉手段20により
干渉させられ、干渉縞を生じながら光ファイバ40に照
射される。なお、この光学系はレンズを備えてもよい。
より2本のコヒーレントな紫外光を干渉させた。この方
法では、干渉手段20は、図1のように、ビームスプリ
ッタ21aと反射鏡21b、21cとから構成される。
また、紫外光光源10には、アルゴンレーザ光源11を
用いた。
コヒーレントな紫外光を連続発振する。この紫外光は、
ビームスプリッタ21aにより透過光と反射光の2光束
に分岐される。分岐された各光束は、それぞれ反射鏡2
1b及び21cによって反射され、コア41の軸方向に
対し互いに補角の関係にある74゜(図1における
α)、106゜(図1における180゜−α)の角度を
もって光ファイバに照射される。
し、所定間隔の干渉縞を形成しつつ、光ファイバ40に
照射される。照射された紫外光は、コア41及びクラッ
ド42に入射して、入射部の屈折率を変化させる。
を示した図である。光ファイバ40の径方向に対する紫
外光の入射角度θ(=90°−α)と紫外光の波長λと
を用いると、干渉縞の間隔Λは、 Λ=λ/(2sinθ) …(2) のように表される。したがって、コア41及びクラッド
42の紫外光が入射した領域には、屈折率の変化した部
分が干渉縞の間隔Λを周期として光ファイバ40の光軸
方向に沿って配列されるので、ピッチΛの回折格子4
3,44が、それぞれコア41、クラッド42に形成さ
れることになる。こうして、コア41及びクラッド42
に回折格子を有する光導波路としての光ファイバが得ら
れた。
チΛを用いると、周知なブラッグの回折条件により、こ
の回折格子の反射波長λR は、 λR =2nΛ =λn/sinθ …(3) のように表される。なお、本実施例では、この反射波長
λR を1300nmに設定した。
折率とコア41の屈折率は異なるので、クラッド42に
形成された回折格子44の反射波長は1300nmから
ずれるが、屈折率の差は大きくないのでずれ量は大きく
ない。そして、回折格子の反射スペクトルは反射波長を
中心に拡がりを持つので、回折格子44は反射波長に近
い1300nmの光を十分に反射する。
LED光源からの光を光ファイバの一端から入射させ、
他端に接続されたスペクトルアナライザによりこの光の
透過スペクトルを測定することにより、回折格子の形成
をリアルタイムでモニターした。ここで、スペクトルア
ナライザは、回折格子43,44を透過した光について
波長と光強度との関係を検出する。
3,44の形成が進むので、透過スペクトルにおいて透
過光の強度が反射波長を中心に減少する。透過スペクト
ルに変化がなくなれば、回折格子43,44の形成が飽
和したと考えられるので、この時点で紫外光の照射を停
止する。なお、本実施例では、飽和時間は約40〜50
分であった。
の透過スペクトルから、反射波長に対する反射率を算出
することができる。これによると、回折格子が作り込ま
れた上記光ファイバの反射率は約75%であり、良好な
結果を得た。
渉法を用いて紫外光の干渉縞を形成したが、代わりに位
相格子法を用いることもできる。
ある。まず、導波路部材としての光ファイバ40に干渉
手段20たる位相格子22を密着固定する。位相格子2
2には、等間隔で溝を形成した石英板を用いることがで
きる。位相格子22の溝は、リソグラフィーと化学エッ
チングにより形成できるため、格子間隔は自由に選択で
き、複雑な形状も可能である。
2(紫外光光源10)をパルス光源として用い、波長2
48nmの所定強度の紫外域パルス光を所定の周波数で
出力させ、図のように位相格子の上面から所定時間照射
する。なお、紫外光は連続発振させてもよい。
間隔の干渉縞が形成され、干渉縞を形成したままコア4
1及びクラッド42に入射するので、周期的な屈折率変
化、すなわち回折格子43、44がそれぞれコア41、
クラッド42に生じる。こうして、コア41及びクラッ
ド42の双方に回折格子が作り込まれた光導波路として
の光ファイバが得られた。
実施例では、回折格子を作り込むための光ファイバとし
て、石英ガラスに20wt%の酸化ゲルマニウムが添加
されたコアと、石英ガラスに10wt%の酸化ゲルマニ
ウム及び10wt%のフッ素(F)が添加されたクラッ
ドを備えるものを用意した。
加された石英ガラスと純粋な石英ガラスとの間の比屈折
率差は、1.5%であり、10wt%の酸化ゲルマニウ
ム及び10wt%のフッ素が添加された石英ガラスと純
粋な石英ガラスとの間の比屈折率差は、0.1%であ
る。
て回折格子を書き込み、反射波長1300nmの回折格
子を有する光ファイバを製造した。第1実施例と同様に
反射率を測定したところ、反射率約75%と良好な結果
を得た。
の比較のため、コアにのみ回折格子が書き込まれた光導
波路としての光ファイバを製造した。用意した導波路部
材としての光ファイバとしては、石英ガラスに20wt
%の酸化ゲルマニウムが添加されたコアと、純石英ガラ
スからなるクラッドを備えるものを用意した。なお、比
屈折率差は1.5%であった。
と同様に反射波長1300nmの回折格子を有する光フ
ァイバを製造し、実施例と同様に反射率を測定したとこ
ろ、反射率は約50%であり、実施例より劣っていた。
のではなく、様々な変形が可能である。例えば、光導波
路は光ファイバに限られず、薄膜導波路であってもよ
い。また、紫外光の照射方法は、上記実施例の以外にも
種々の方法が可能であり、例えば、光導波路を図1の矢
印Aで示された光軸方向に沿って移動させながら紫外域
パルス光を照射しても回折格子を作り込むことができ
る。
積化された複数のコアを有する場合には、紫外光(U.
V)の照射領域を制限するように所定形状の窓201を
有するマスク200を利用して、導波路部材の所定部位
に回折格子を作り込んでもよい。なお、図4に示した導
波路部材は導波路基板100上に複数のコア101を所
定形状に整形し、さらにこのコア101をクラッド10
2で覆った光合分波機能を有する光機能部品である。
送損失の本発明における影響について第3の実施例を示
して説明する。本実施例では、回折格子を作り込むため
の光ファイバとして、石英ガラスに40wt%の酸化ゲ
ルマニウムが添加されたコアと、石英ガラスに30wt
%の酸化ゲルマニウム及び20wt%の酸化ボロン(B
2 O3 )が添加されたクラッドを備えるものを用意し
た。
加された石英ガラスと純粋な石英ガラスとの間の比屈折
率差は、2.9%であり、30wt%の酸化ゲルマニウ
ム及び20wt%の酸化ボロン(B2 O3 )が添加され
た石英ガラスと純粋な石英ガラスとの間の比屈折率差
は、2.0%である。また、この光ファイバには光反応
性を高めるために水素処理を施した。
て回折格子を書き込み、反射波長1300nmの回折格
子を有する光ファイバを製造した。第1実施例と同様に
反射率を測定したところ、その反射率は約99.9%で
あり、伝送損失は約0.1dBという結果を得た。
比較のため、40w%の酸化ゲルマニウムが添加された
コアと、純石英ガラスからなるクラッドを備えるものを
用意した。なお、40w%の酸化ゲルマニウムが添加さ
れたコアと純石英ガラスとの比屈折率差は2.9%であ
った。
と同様に反射波長1300nmの回折格子を有する光フ
ァイバを製造し、実施例と同様に反射率を測定したとこ
ろ、その反射率は約98%であったが、伝送損失は0.
4dBであり、第3実施例よりも伝送損失が増加する結
果を得た。この伝送損失の増加は、前述したモードミス
マッチによりコア内を伝搬している導波光がクラッド側
に放射されたためであると考えられる。
プロファイルを図5及至図7を用いて説明する。
ラッドの両方に酸化ゲルマニウムが添加されているが、
一般にこの酸化ゲルマニウムはコア内の屈折率を高くす
るための材料として知られている。したがって、光導波
路として機能させるためには、コアよりもクラッドの酸
化ゲルマニウムの添加濃度を低く設定する、あるいはク
ラッドに屈折率を低下させる屈折率低下剤(例えば、B
2 O3 、F等)をさらに加える等、添加物濃度の調整を
行わなければならない。
ゲルマニウムの添加濃度よりもコアの酸化ゲルマニウム
の添加濃度を高く設定する例である。図6は、図5に示
したような濃度分布の酸化ゲルマニウムとともに、屈折
率低下剤として酸化ボロンをクラッドのみに添加する第
2の態様を示した例である。さらに、図7は、コア及び
クラッドにおける酸化ゲルマニウムの濃度を同じに設定
し、さらにクラッドのみに屈折率低下剤として酸化ボロ
ンを添加する第3の態様を示した例である。なお、この
発明ではコア及びクラッドの各領域において各添加物の
添加濃度は一定の方がよい。
びクラッドの双方に回折格子が形成されるので、この回
折格子が形成された領域ではコアを伝搬する導波光のみ
ならず、導波光のうちクラッド側へ放射される光も反射
され、モードフィールド全域にわたって導波光が反射さ
れる。したがって、この発明に係る回折格子を有する光
導波路は高い反射率を有する。
導波路の製造方法では、コア及びクラッドの双方に酸化
ゲルマニウムが添加された導波路部材の所定部位に紫外
光を入射させるので、得られる光導波路にはコア及びク
ラッドの双方において回折格子が作り込まれる。この回
折格子が形成された領域ではコアを伝搬する導波光のみ
ならず、導波光のうちクラッド側へ放射される光も反射
され、モードフィールド全域にわたって導波光が反射さ
れるので、従来の光導波路と比べ高い反射率を有する。
したがって、この発明の製造方法によれば、反射率の十
分大きな光導波路型回折格子を容易に作製することがで
きる。
び得られた光導波路の構造を説明するための図である。
渉法による光ファイバ(導波路部材)への紫外光を照射
を示した図である。
ファイバ(導波路部材)への紫外光照射を示した図であ
る。
射領域を制限する実施例を示した図である。
の態様として、酸化ゲルマニウムの添加濃度を示す図で
ある。
の態様として、酸化ゲルマニウム及び屈折率低下剤(酸
化ボロン)の添加濃度を示す図である。
の態様として、酸化ゲルマニウム及び屈折率低下剤(酸
化ボロン)の添加濃度を示す図である。
プリッタ、21b,21c…反射鏡、22…位相格子、
30…干渉領域、40…光ファイバ、41…コア、42
…クラッド、43,44…回折格子、200…マスク。
Claims (14)
- 【請求項1】 所定の屈折率を有する光導波領域として
のコアと、該コアよりも低い屈折率を有し、かつ該コア
を密着して覆っているクラッドを備え、 前記光導波路の所定部位におけるコア及びクラッドに
は、それぞれ、紫外線照射により光の伝搬方向に沿って
周期的にその屈折率が変化した回折格子が形成された光
導波路であって、 前記コア及びクラッドは、いずれも酸化ゲルマニウムが
添加された石英ガラスであり、該コアにおけるゲルマニ
ウム濃度に対する該クラッドにおける酸化ゲルマニウム
濃度は、前記所定部位における該コア及びクラッド間の
屈折率差と該所定部位以外の領域におけるコア及びクラ
ッド間の屈折率差との比較において、紫外線照射前後で
実質的な変化を生じないよう調節されている ことを特徴
とする光導波路。 - 【請求項2】 前記クラッドは、酸化ゲルマニウムとと
もに屈折率低下剤が添加されていることを特徴とする請
求項1記載の光導波路。 - 【請求項3】前記屈折率低下剤は、酸化ボロンあるいは
フッ素のいずれかであることを特徴とする請求項2記載
の光導波路。 - 【請求項4】 請求項1記載の光導波路を得るための導
波路部材であって、 所定の屈折率を有する光導波領域であるコアと、 前記コアよりも低い屈折率を有しかつ該コアを密着して
覆っている領域であるクラッドを備え、 前記コア及びクラッドは、いずれも酸化ゲルマニウムが
添加された石英ガラスであり、該コアにおけるゲルマニ
ウム濃度に対する該クラッドにおける酸化ゲルマニウム
濃度が、紫外線照射前後で該コア及びクラッド間の屈折
率差に実質的な変化を生じないよう調節された 導波路部
材。 - 【請求項5】 前記クラッドは、酸化ゲルマニウムとと
もに屈折率低下剤が添加されていることを特徴とする請
求項4記載の導波路部材。 - 【請求項6】 前記屈折率低下剤は、酸化ボロンあるい
はフッ素のいずれかであることを特徴とする請求項5記
載の導波路部材。 - 【請求項7】 請求項1記載の光導波路を得るための製
造方法であって、 所定の屈折率を有する光導波領域であるコアと、該コア
よりも低い屈折率を有しかつ該コアを密着して覆ってい
る領域であるクラッドとを備えた導波路部材であって、
該コア及びクラッドは、いずれも酸化ゲルマニウムが添
加された石英ガラスであり、該コアにおけるゲルマニウ
ム濃度に対する該クラッドにおける酸化ゲルマニウム濃
度は、紫外線照射前後で該コア及びクラッド間の屈折率
差に実質的な変化を生じないよう調節されている導波路
部材の所定部位に対し、 紫外光を照射して前記導波路部材の所定部位におけるコ
ア及びクラッドそれぞれの屈折率を変化させる光導波路
の製造方法。 - 【請求項8】 前記クラッドは、酸化ゲルマニウムとと
もに屈折率低下剤が添加されていることを特徴とする請
求項7記載の光導波路の製造方法。 - 【請求項9】 前記屈折率低下剤は、酸化ボロンあるい
はフッ素のいずれかであることを特徴とする請求項8記
載の光導波路の製造方法。 - 【請求項10】 前記導波路部材の所定部位に照射され
る紫外光を干渉させ、干渉縞を形成させることを特徴と
する請求項7記載の光導波路の製造方法。 - 【請求項11】 前記紫外光を2本のコヒーレント光と
し、該2本のコヒーレントな紫外光を、前記導波路部材
の光軸に対し互いに補角の関係にある角度をもって、前
記導波路部材の所定部位に照射することを特徴とする請
求項10記載の光導波路の製造方法。 - 【請求項12】 前記紫外光を、所定形状の透過窓を有
するマスクを介して、前記導波路部材の所定部位に照射
することを特徴とする請求項7記載の光導波路の製造方
法。 - 【請求項13】 前記紫外光を、移動している前記導波
路部材に照射することを特徴とする請求項7記載の光導
波路の製造方法。 - 【請求項14】 前記干渉縞は、前記紫外光を所定の格
子間隔を有する位相格子に照射し、この位相格子を透過
させることにより生じさせることを特徴とする請求項7
記載の光導波路の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02660595A JP3431046B2 (ja) | 1994-02-17 | 1995-02-15 | 光導波路、その導波路部材、及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-20487 | 1994-02-17 | ||
JP2048794 | 1994-02-17 | ||
JP02660595A JP3431046B2 (ja) | 1994-02-17 | 1995-02-15 | 光導波路、その導波路部材、及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07281016A JPH07281016A (ja) | 1995-10-27 |
JP3431046B2 true JP3431046B2 (ja) | 2003-07-28 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP02660595A Expired - Lifetime JP3431046B2 (ja) | 1994-02-17 | 1995-02-15 | 光導波路、その導波路部材、及びその製造方法 |
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JP (1) | JP3431046B2 (ja) |
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JP4543551B2 (ja) * | 2000-12-22 | 2010-09-15 | 住友電気工業株式会社 | 光導波路デバイス |
JP2002258091A (ja) | 2001-02-28 | 2002-09-11 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光ファイバおよび光ファイバ型回折格子 |
-
1995
- 1995-02-15 JP JP02660595A patent/JP3431046B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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