JPH07244209A - 光ファイバ型回折格子の作製方法 - Google Patents

光ファイバ型回折格子の作製方法

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JPH07244209A
JPH07244209A JP6035799A JP3579994A JPH07244209A JP H07244209 A JPH07244209 A JP H07244209A JP 6035799 A JP6035799 A JP 6035799A JP 3579994 A JP3579994 A JP 3579994A JP H07244209 A JPH07244209 A JP H07244209A
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JP
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diffraction grating
optical fiber
fiber type
type diffraction
grating
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Application number
JP6035799A
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English (en)
Inventor
Masumi Ito
真澄 伊藤
Maki Inai
麻紀 稲井
Susumu Inoue
享 井上
Masaichi Mobara
政一 茂原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光軸に沿って反射波長が連続的に変化する光
ファイバ型回折格子を作製する方法を提供する。 【構成】 本発明の作製方法は、複数の屈折率変化部
(42)が光軸に沿って等間隔に配列された回折格子領
域を有する光ファイバ型回折格子(44)を用意する第
一の工程と、回折格子領域の少なくとも一部を延伸する
第二の工程とを備えている。延伸の程度に応じて相隣る
屈折率変化部(42)の間隔、すなわち格子間隔が拡大
されるので、本発明の方法により作製された光ファイバ
型回折格子(46)は、格子間隔が光軸に沿って徐々に
変化する部分を有している。反射波長は、コアの屈折率
と格子間隔とに依存するので、格子間隔が光軸に沿って
徐々に変化すれば、反射波長も光軸に沿って連続的に変
化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ内に回折格
子が形成された領域を有する光ファイバ型回折格子の作
製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光ファイバ型回折格子の作製方法
としては、特許出願公表昭62−500052に記載の
ものが知られている。これは、酸化ゲルマニウムを添加
して高屈折率のコアを形成した石英系光ファイバに強力
な紫外光を照射することにより、等間隔に配列された屈
折率変化部をコアに生じさせて、コアに回折格子を形成
する方法である。
【0003】この従来方法により作製された光ファイバ
型回折格子は格子間隔が一定であるため、単一の反射波
長を中心とした幅の狭い反射スペクトルを示す。したが
って、光ファイバ型回折格子を用いて、光ファイバを伝
搬する光の波長分散を補償する場合には、例えば、互い
に反射波長の異なる光ファイバ型回折格子を複数作製
し、これらを伝送路に、信号光が進行する向きに沿って
反射波長が小さいものから大きいものへと順次挿入して
いた。こうすることにより、長波長の光ほど光路が長く
なるので、長波長の光ほど速く伝搬する条件での信号光
の波長分散を補償することができる。
【0004】一方、波長幅を持った光を反射する反射フ
ィルターとして光ファイバ型回折格子を用いる場合は、
反射スペクトルの幅が比較的広いほうが好ましいことが
ある。このようなときは、従来方法により光軸に沿って
極めて長い回折格子領域を有する長尺の光ファイバ型回
折格子を作製することが考えられる。これは、回折格子
領域が長いほど反射率が全体的に向上し、反射スペクト
ルの幅が広くなることに基づく。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来方法で作
製した複数の光ファイバ型回折格子を伝送路に挿入して
分散補償を行うと、一つ一つの光ファイバ型回折格子の
長さは一般的なものであっても、それが複数接続される
ことで伝送路長が非常に長くなるとともに、各接続部で
の接続損失も累積するので、伝送路全体の伝送損失が大
きくなり過ぎるという問題点があった。
【0006】また、従来方法で作製した長尺の光ファイ
バ型回折格子を用いて波長幅を持った光を反射する場合
も、回折格子の挿入による伝送路長の増加が著しいた
め、伝送損失の増加が大きくなり過ぎる。
【0007】このように、従来の方法で作製した光ファ
イバ型回折格子は格子間隔が一定であったため、分散補
償器や反射フィルターとして必ずしも適当でない場合が
あった。
【0008】このような場合に有用な光ファイバ型回折
格子として、光軸に沿って反射波長が連続的に変化する
ものが考えられる。この光ファイバ型回折格子を伝送路
に挿入すれば、伝搬光は波長により異なった位置で反射
される。この結果、波長ごとに光路長が異なることとな
るので、これを利用すれば波長分散を補償することがで
きる。この光ファイバ型回折格子は長尺である必要は必
ずしもなく、複数接続して用いる必要もないので、分散
補償器として用いれば、挿入損失を低減することができ
る。また、この光ファイバ型回折格子は、反射波長が連
続的に変化することに起因して比較的幅の広い反射スペ
クトルを示すので、反射フィルターとしても有用であ
る。このため、かかる光ファイバ型回折格子を作製する
方法の実現が要望されている。
【0009】本発明は、上記の要望に応えるためなされ
たもので、光軸に沿って反射波長が連続的に変化する光
ファイバ型回折格子を作製する方法を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明の光ファイバ型回折格子の作製方法は、
光導波部であるコアと、このコアに接していてこのコア
より低屈折率のクラッドとを有し、複数の屈折率変化部
が光軸に沿って等間隔に配列された回折格子領域を有す
る光ファイバ型回折格子を用意する第一の工程と、回折
格子領域の少なくとも一部を延伸する第二の工程とを備
えている。ここで、第二の工程は、回折格子領域の少な
くとも一部を加熱する処理を含んでもよい。
【0011】また、本発明に係るさらに具体的な作製方
法は、酸化ゲルマニウムがドープされたコアと、このコ
アよりも低屈折率のクラッドとを備えるガラス光ファイ
バを用意する第一の工程と、ガラス光ファイバに紫外光
を照射し、コアにおいて光軸に沿って等間隔に位置する
複数の部分に紫外光を入射せしめて、複数の屈折率変化
部が光軸に沿って等間隔に配列された回折格子領域を形
成する第二の工程と、回折格子領域の少なくとも一部を
延伸する第三の工程とを備えている。
【0012】なお、ガラス光ファイバには、石英(Si
2 )を主成分とする石英系ガラス光ファイバや、石英
を主体に、Na2 O、CaO等を加えたガラスからなる
多成分ガラス光ファイバが含まれる。
【0013】また、第二の工程における前記紫外光の照
射は、前記紫外光を干渉させて生じた干渉縞を前記ガラ
ス光ファイバに照射することにより行うことができる。
この場合、干渉縞は、2本のコヒーレントな紫外光を、
前記ガラス光ファイバの光軸に対し互いに補角の関係に
ある角度をもって、ガラス光ファイバに照射することに
より生じたものであってもよい。また、紫外光を位相格
子に照射することにより、紫外光が位相格子を透過して
生じたものであってもよいまた、上記第三の工程は、回
折格子領域の少なくとも一部を加熱する処理を含んでも
よい。
【0014】
【作用】本発明の第一の工程では、複数の屈折率変化部
が光軸に沿って等間隔に配列された回折格子領域を有す
る光ファイバ型回折格子を用意する。
【0015】この光ファイバ型回折格子は、例えば、酸
化ゲルマニウムがドープされたコアを備えるガラス光フ
ァイバに紫外光を照射して、コアに紫外光を入射させる
ことにより作製することができる。これは、紫外光の入
射により、酸化ゲルマニウムがドープされたガラスの屈
折率が変化(上昇)することに基づく。
【0016】ここで、紫外光の入射によりガラスの屈折
率が変化するメカニズムは、完全には解明されてはいな
い。しかしながら、重要な原因として、ガラス中のゲル
マニウムに関連した酸素欠損型の欠陥が考えられてお
り、Si−GeまたはGe−Geなどの中性酸素モノ空
孔が想定されている。
【0017】屈折率変化のメカニズムとして提案されて
いるクラマース・クローニッヒ機構によれば、屈折率変
化は以下のように説明される。すなわち、上記の欠陥は
波長240〜250nmの紫外光を吸収し、この吸収に
よりSi−GeまたはGe−Ge結合が切れて、新たな
欠陥が生じる。この新たな欠陥は、波長210nmおよ
び280nm付近を中心に吸収帯を形成する。その結
果、クラマース・クローニッヒの関係に従いガラスの屈
折率が変化する。
【0018】したがって、酸化ゲルマニウムがドープさ
れたガラスからなるコアに、紫外光を、光軸に沿って等
間隔に並んだ部分に入射させれば、コアに複数の屈折率
変化部が光軸に沿って等間隔に形成される。
【0019】次に、第一の工程で用意した等格子間隔の
光ファイバ型回折格子のうち、屈折率変化部が等間隔に
配列された回折格子領域を延伸する。これにより回折格
子領域が塑性変形すると、延伸の程度に応じて相隣る屈
折率変化部の間隔、すなわち格子間隔が拡大される。こ
れにより、格子間隔が光軸に沿って徐々に変化する部分
が回折格子領域に形成される。
【0020】光ファイバ型回折格子の反射波長は、コア
の屈折率と、格子間隔とに依存するので、格子間隔が光
軸に沿って徐々に変化すれば、反射波長も光軸に沿って
連続的に変化する。したがって、本発明の方法により、
反射波長が光軸に沿って連続的に変化する光ファイバ型
回折格子が作製される。
【0021】上記の作製方法において回折格子領域を延
伸する方法としては、例えば、回折格子領域を加熱しな
がら延伸する方法がある。これによれば、加熱により回
折格子領域の少なくとも一部が軟化するので、光ファイ
バを両端から引っ張ることにより軟化した部分が延伸さ
れ、格子間隔が光軸に沿って徐々に変化する部分が形成
されて、反射波長が光軸に沿って連続的に変化する光フ
ァイバ型回折格子となる。
【0022】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明の実施
例を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の
要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】図1は、本実施例の作製工程を示す概略図
である。図1に示されるように、本実施例では、屈折率
変化部42が光軸に沿って等間隔に配列されてなる回折
格子43を有する光ファイバ型回折格子44を用意し、
回折格子43が形成された回折格子領域をその中央付近
で延伸して、その格子間隔が光軸に沿って徐々に変化す
る回折格子45を有する光ファイバ型回折格子46を作
製する。ここで、光ファイバ型回折格子46の格子間
隔、すなわち回折格子45の格子間隔は、回折格子45
の中央付近で最大であり、回折格子45の両端では延伸
前と同程度である。以下、この光ファイバ型回折格子4
6の作製方法について、具体的に説明していく。
【0024】第一の工程として、まず、複数の屈折率変
化部42が光軸に沿って等間隔に配列された回折格子4
3を有する光ファイバ型回折格子44を用意する。ここ
で、等格子間隔の光ファイバ型回折格子44は、例え
ば、以下のように作製することができる。
【0025】初めに、石英(SiO2 )ガラスを主成分
とする石英系光ファイバを用意する。この光ファイバ
は、石英ガラスに酸化ゲルマニウム(GeO2 )がドー
プされたコアと、純石英ガラスからなるクラッドとを有
している。
【0026】この光ファイバは、いかなる作製方法によ
り作製されたものであっても良い。例えば、公知のMC
VD法、VAD法、OVD法、ロッドインチューブ法等
により作製された光ファイバ母材を、電気炉で加熱して
線引きすることにより作製できる。
【0027】例えばVAD法では、まず、回転している
中心棒をターゲットとし、その上に火炎中で生成したS
iO2 とGeO2 のガラス微粒子を堆積させて、スート
プリフォームを形成する。具体的には、コア用バーナー
に原料となる四塩化ケイ素(SiCl4 )及び四塩化ゲ
ルマニウム(GeCl4 )、燃料となる水素、並びに酸
素(以上は、すべて気体である。)を同時に送り込む。
一方、クラッド用バーナーには、四塩化ケイ素(SiC
4 )、水素及び酸素を同時に送り込む。そして、水素
の燃焼による各バーナーの火炎を中心棒にあてて、スー
トプリフォームを形成する。
【0028】次いで、形成されたスートプリフォームを
高温で完全脱水して不純物を飛散させてから、さらに温
度を上げて焼結する。以上でプリフォーム(光ファイバ
母材)が完成するので、線引炉でさらに高温にして溶か
し、線引きすれば光ファイバが得られる。
【0029】次に、上記のような公知方法により作製さ
れ、酸化ゲルマニウムがドープされたコアを有する光フ
ァイバに紫外光を照射して、コアに屈折率変化部を光軸
に沿って等間隔に形成する。
【0030】本実施例では、コアに酸化ゲルマニウムが
20wt%ドープされた石英系光ファイバに紫外光を照
射した。ここで、紫外光の照射は、所望の長さに切り取
った光ファイバに対して行ってもよいし、線引された光
ファイバを巻き取る途中に行うなど、光ファイバの作製
工程に組み込んで行ってもよい。
【0031】本実施例では、紫外光を、等間隔の干渉縞
を生じさせながら光ファイバに照射した。以下、この照
射方法について詳しく説明する。
【0032】図2は、本実施例で用いた紫外光の照射方
法の説明図である。図2に示されるように、紫外光光源
10から出力された紫外光は、干渉手段20により干渉
させられ、干渉縞を生じながら光ファイバ40に照射さ
れる。
【0033】本実施例では、ホログラフィック干渉法に
より紫外光を干渉させた。この方法では、干渉手段20
は、図2のように、ビームスプリッタ21aと反射鏡2
1b、21cとから構成される。また、紫外光光源10
には、アルゴンレーザ光源11を用いた。
【0034】アルゴンレーザ光源11は、244nmの
コヒーレントな紫外光を連続発振する。この紫外光は、
ビームスプリッタ21aにより透過光と反射光の2光束
に分岐される。分岐された各光束は、それぞれ反射鏡2
1b及び21cによって反射され、コア41の軸方向に
対し互いに補角の関係にある74゜(図2における
α)、106゜(図2における180゜−α)の角度を
もって光ファイバ40に照射される。
【0035】分岐された各光束は干渉領域30にて干渉
し、所定間隔の干渉縞を形成しつつ、光ファイバ40に
照射される。そして、照射された紫外光は、クラッド4
7を透過し、コア41に入射して、入射した部分の屈折
率を変化させる。
【0036】図3は、光ファイバ40への紫外光の照射
を示した図である。光ファイバ40の径方向に対する紫
外光の入射角度θ(=90°−α)と紫外光の波長λと
を用いると、干渉縞の間隔Λは、 Λ=λ/(2sinθ) …(1) のように表される。したがって、コア41には、複数の
屈折率変化部42が干渉縞の間隔Λを周期として光ファ
イバ40の光軸に沿って配列され、格子間隔Λの回折格
子43がコア41に形成されることになる。こうして、
等格子間隔の回折格子43をコア41に有する光ファイ
バ型回折格子44が完成する。なお、回折格子43が形
成された領域(回折格子領域)の光軸に沿った長さは、
約4mmであった。
【0037】図4は、回折格子43が形成されたコア4
1の光軸に沿った屈折率分布を示した図である。この図
には、紫外光照射前のコア41の屈折率n1 より屈折率
が上昇した部分、すなわち屈折率変化部42が、光軸に
沿って等間隔に配列されていることとともに、紫外光の
入射部分以外は当初の屈折率n1 を維持していることが
示されている。
【0038】コア41の当初の屈折率n1 と回折格子4
3の格子間隔Λを用いると、周知なブラッグの回折条件
により、この光ファイバ型回折格子44の反射波長λR
は、 λR =2・n1 ・Λ =λ・n1 /sinθ …(2) のように表される。なお、本実施例では、この反射波長
λR を1300nmに設定した。
【0039】なお、紫外光の照射中は、LED光源から
の光を光ファイバ40の一端から入射させ、他端に接続
されたスペクトルアナライザでこの光の透過スペクトル
を測定して、回折格子43の形成をリアルタイムでモニ
ターした。ここで、スペクトルアナライザは、回折格子
43を透過した光について波長と透過率との関係を測定
する。
【0040】紫外光の照射が開始されると回折格子43
の形成が進むので、透過スペクトルにおいて透過光の強
度が反射波長を中心に減少する。透過スペクトルに変化
がなくなれば、回折格子43の形成が飽和したと考えら
れるので、この時点で紫外光の照射を停止する。なお、
本実施例では、飽和時間は約40〜50分であった。
【0041】反射率は、100%から透過率を差し引い
て求まるので、回折格子43の形成が飽和した時点の透
過スペクトルから、波長と反射率との関係を示した反射
スペクトルを求めることができる。図5は、こうして求
めた光ファイバ型回折格子44の反射スペクトルを示し
たものである。
【0042】次に、第2の工程として、光ファイバ型回
折格子44のうち、回折格子43が形成された領域(回
折格子領域)を加熱しながら、この領域を延伸する。図
6は、光ファイバ型回折格子44の回折格子領域を加熱
延伸する様子を示した図である。この図を参照しなが
ら、以下、具体的に説明する。
【0043】まず、光ファイバ型回折格子44を両側か
ら引っ張ってたるみを取り除く。次に、マイクロバーナ
50によるバーナ火炎で、直接、回折格子領域を加熱し
ながら、光ファイバ型回折格子44を両側から引っ張
り、回折格子領域を約10mm延伸した。これにより、
回折格子領域の光軸に沿った長さは、約14mmとなっ
た。
【0044】なお、マイクロバーナ50には、同心円状
バーナ51とマルチノズルバーナ52の2種類がある。
図7、図8は同心円状バーナ51及びマルチノズルバー
ナ52のガス噴出ノズルの先端面をそれぞれ示した図で
ある。
【0045】図7に示されるように、同心円状バーナ5
1は、噴出口52からO2 ガスを、また、噴出口53か
ら燃焼ガスとしてH2 、CH4 、C3 8 等の気体を噴
出し、点火によりバーナ火炎を放射する。マルチノズル
バーナ54の場合もほぼ同様だが、この場合は複数の小
噴出口55からO2 ガスが噴出される。
【0046】また、光ファイバ型回折格子44の溶解に
よる断線を防止しつつ、適切な延伸を行うためには、加
熱温度は約1200℃〜1700℃程度が好ましい。ま
た、引張張力は、加熱温度によって多少変動するもの
の、約3〜10g程度が好ましいと思われる。なお、本
実施例では、引張張力は約5gであった。
【0047】上記のように光ファイバ型回折格子44の
回折格子領域を加熱延伸することで、回折格子43に、
格子間隔が光軸に沿って徐々に変化する部分が形成され
る。こうして、図1の光ファイバ型回折格子46が完成
する。なお、加熱延伸する際にドーパントの拡散も生じ
ると考えられるが、加熱延伸に要する時間は短いのでほ
とんど無視することができる。
【0048】図9は、光ファイバ型回折格子46のコア
41について、光軸に沿った屈折率分布を示した図であ
る。この図からも、光ファイバ型回折格子46が回折格
子領域において格子間隔が拡大した部分を有しており、
この部分では光軸に沿って格子間隔が徐々に変化してい
ることは明らかである。
【0049】本実施例で作製した光ファイバ型回折格子
46は、そのコア41に形成された回折格子45の格子
間隔が光軸に沿って徐々に拡がる領域を有している。光
ファイバ型回折格子の反射波長λR は、既に述べたよう
に、λR =2・n1 ・Λ(n1 は紫外光照射前のコアの
屈折率を、Λは格子間隔を表す)で示される。この式か
ら明らかなように、反射波長λR は回折格子の格子間隔
Λに依存し、格子間隔Λが大きいほど反射波長λR も大
きくなる。したがって、回折格子領域の一端から一定の
波長幅を有する光が進行してきた場合、長波長の光ほど
光路が長くなる。このため、光ファイバ型回折格子46
を伝送路に挿入すれば、長波長の信号光ほど速く伝搬す
る条件の下で生じる波長分散を補償することができる。
【0050】また、図10は、本実施例で作製した光フ
ァイバ型回折格子46の反射スペクトルを示すグラフで
ある。反射スペクトルの測定方法は、等格子間隔の光フ
ァイバ型回折格子44について測定した場合と同様であ
る。図10と図4を比較すれば明らかなように、本実施
例で作製した光ファイバ型回折格子46の反射スペクト
ルは、等格子間隔の光ファイバ型回折格子44に較べ
て、長波長側に拡がっている。
【0051】このため、本実施例の光ファイバ型回折格
子46は、波長幅を持った光を反射する反射フィルター
として用いることもできる。例えば、既存のレーザ光源
から出射した波長1.3μmのレーザ光は、通常は1.
29〜1.31μm程度のスペクトル幅を持った光であ
るので、このような光を反射するには、幅広の反射スペ
クトルを示す光ファイバ型回折格子46が有用である。
【0052】また、図11は、本実施例の方法による光
ファイバ型回折格子44の回折格子領域の延伸長と、延
伸により作製された光ファイバ型回折格子46の反射ス
ペクトル幅との関係を示したグラフである。このグラフ
に示されるように、本実施例の方法によれば、回折格子
領域を延伸することで、反射スペクトル幅を3nm程度
まで拡げることが可能である。
【0053】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実
施例ではホログラフィック干渉法を用いて紫外光を光フ
ァイバ40に照射したが、代わりに位相格子法を用いる
こともできる。
【0054】図12は、位相格子法を説明するための図
である。まず、光ファイバ40に干渉手段20たる位相
格子22を密着固定する。位相格子22には、等間隔で
溝を形成した石英板を用いることができる。位相格子2
2の溝は、リソグラフィーと化学エッチングにより形成
できるため、格子間隔は自由に選択でき、複雑な形状も
可能である。
【0055】次に、例えばKrFエキシマレーザ光源1
2(紫外光光源10)をパルス光源として用い、波長2
48nmの所定強度の紫外域パルス光を所定の周波数で
出力させ、図12の様に位相格子の上面から所定時間照
射する。なお、紫外光は連続発振させてもよい。
【0056】紫外光が位相格子22を透過すると、所定
間隔の干渉縞が形成され、紫外光は干渉縞を形成しなが
らクラッド47を透過してコア41に入射するので、等
間隔に屈折率変化部42が配列され、等間隔の回折格子
43がコア41に形成される。こうして、等格子間隔の
回折格子43を有する光ファイバ型回折格子44が完成
する。
【0057】また、上記実施例では、コアのみに酸化ゲ
ルマニウムがドープされた光ファイバに紫外光を照射し
て、コアのみに回折格子を形成したが、コアだけでなく
クラッドにも酸化ゲルマニウムがドープされた光ファイ
バに紫外光を照射して、コアとクラッドの双方に回折格
子を有する光ファイバ型回折格子を作製し、この光ファ
イバ型回折格子の回折格子領域を延伸しても良い。この
様にして作製された光ファイバ型回折格子は、実施例の
ものと同様の効果を有するとともに、コア及びクラッド
の双方に回折格子を有するので、高い反射率を示す。
【0058】さらに、本実施例では回折格子領域の加熱
をマイクロバーナを用いて行ったが、代わりに放電電極
やヒーターなどを用いることもできる。
【0059】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の光
ファイバ型回折格子の作製方法によれば、等格子間隔の
光ファイバ型回折格子の回折格子領域が延伸され、延伸
の程度に応じて格子間隔が拡大されるので、格子間隔が
光軸に沿って徐々に変化する部分を有する光ファイバ型
回折格子が作製される。光ファイバ型回折格子の反射波
長は、コアの屈折率と格子間隔とに依存するので、格子
間隔が光軸に沿って徐々に変化すれば、反射波長も光軸
に沿って連続的に変化する。したがって、本発明の方法
により、反射波長が光軸に沿って連続的に変化する光フ
ァイバ型回折格子が作製される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の作製工程を示す図である。
【図2】本実施例で用いた紫外光の照射方法の説明図で
ある。
【図3】光ファイバ40への紫外光の照射を示した図で
ある。
【図4】光ファイバ型回折格子44のコア41につい
て、光軸に沿った屈折率分布を示した図である。
【図5】光ファイバ型回折格子44の反射スペクトルを
示した図である。
【図6】光ファイバ型回折格子44の回折格子領域を加
熱延伸する様子を示した図である。
【図7】同心円状バーナ51のガス噴出ノズルの先端面
を示した図である。
【図8】マルチノズルバーナ52のガス噴出ノズルの先
端面を示した図である。
【図9】光ファイバ型回折格子46のコア41につい
て、光軸に沿った屈折率分布を示した図である。
【図10】光ファイバ型回折格子46の反射スペクトル
を示した図である。
【図11】光ファイバ型回折格子44の回折格子領域の
延伸長と、光ファイバ型回折格子46の反射スペクトル
幅との関係を示したグラフである。
【図12】位相格子法による紫外光照射の説明図であ
る。
【符号の説明】
10…紫外光光源、20…干渉手段、21a…ビームス
プリッタ、21b,21c…反射鏡、22…位相格子、
30…干渉領域、40…光ファイバ、41…コア、42
…屈折率変部、43,45…回折格子、44,46…光
ファイバ型回折格子、47…クラッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂原 政一 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波部であるコアと、このコアに接し
    ていてこのコアより低屈折率のクラッドとを有し、複数
    の屈折率変化部が光軸に沿って等間隔に配列された回折
    格子領域を有する光ファイバ型回折格子を用意する第一
    の工程と、 前記回折格子領域の少なくとも一部を延伸する第二の工
    程と、 を備える光ファイバ型回折格子の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記第二の工程は、前記回折格子領域の
    少なくとも一部を加熱する処理を含むことを特徴とする
    請求項1記載の光ファイバ型回折格子の作製方法。
  3. 【請求項3】 酸化ゲルマニウムがドープされたコア
    と、このコアよりも低屈折率のクラッドとを備えるガラ
    ス光ファイバを用意する第一の工程と、 前記ガラス光ファイバに紫外光を照射し、前記コアにお
    いて光軸に沿って等間隔に位置する複数の部分に紫外光
    を入射せしめて、複数の屈折率変化部が光軸に沿って等
    間隔に配列された回折格子領域を形成する第二の工程
    と、 前記回折格子領域の少なくとも一部を延伸する第三の工
    程と、 を備えることを特徴とする光ファイバ型回折格子の作製
    方法。
JP6035799A 1994-03-07 1994-03-07 光ファイバ型回折格子の作製方法 Pending JPH07244209A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006095548A1 (ja) * 2005-02-17 2006-09-14 The Furukawa Electric Co., Ltd. ファイバブラッググレーティング素子

Cited By (3)

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WO2006095548A1 (ja) * 2005-02-17 2006-09-14 The Furukawa Electric Co., Ltd. ファイバブラッググレーティング素子
JPWO2006095548A1 (ja) * 2005-02-17 2008-08-14 古河電気工業株式会社 ファイバブラッググレーティング素子
US7835604B2 (en) 2005-02-17 2010-11-16 The Furukawa Electric Co., Ltd. Fiber Bragg grating element

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