JP3458870B2 - 光ファイバ型回折格子の形成方法 - Google Patents

光ファイバ型回折格子の形成方法

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JP3458870B2
JP3458870B2 JP08914995A JP8914995A JP3458870B2 JP 3458870 B2 JP3458870 B2 JP 3458870B2 JP 08914995 A JP08914995 A JP 08914995A JP 8914995 A JP8914995 A JP 8914995A JP 3458870 B2 JP3458870 B2 JP 3458870B2
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昌行 重松
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光誘起屈折率変化を用
いて光ファイバ内に回折格子を形成する技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、光ファイバに紫外光の干渉縞
を照射することで光ファイバのコアに光誘起屈折率変化
を生じさせ、光ファイバ型の回折格子を形成する方法が
知られている。例えば、特許出願公表昭和62−500
052号公報には、二光束干渉計を用いて光ファイバの
コアに一定周期の光ファイバ型回折格子(等格子間隔の
回折格子)を形成する方法が記載されている。
【0003】この光ファイバ型回折格子は、光ファイバ
のコアの一領域であって実効屈折率が軸方向に沿って周
期的に変化しているものであり、コアの実効屈折率と格
子周期とから定まるブラッグ反射波長を中心とした比較
的狭い波長域の光を反射する。このような光ファイバ型
回折格子は、波長選択性の良い単波長フィルタとして用
いることができる。
【0004】多チャンネル通信システム等では、波長の
異なる複数の光を反射する多波長反射の光ファイバ型回
折格子が必要となる場合がある。従来では、一本の光フ
ァイバの複数の領域に周期の異なる干渉縞をそれぞれ照
射し、ブラッグ反射波長の異なる複数の回折格子を直列
に形成することで、全体として多波長反射を行う光ファ
イバ型回折格子を形成している。
【0005】また、帯域フィルタとして好適な光ファイ
バ型回折格子が必要な場合には、上述の方法において、
各干渉縞の周期の差を十分に小さくすれば良い。これに
より、連続的な反射波長域を有する光ファイバ型回折格
子が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、周期の異なる回折格子を複数形成する必要が
あり、干渉縞の周期を変更するたびに干渉計を構成する
ビームスプリッタや反射鏡の配置を調整する必要がある
ため、回折格子の形成に手間がかかり、十分な生産性を
得ることが困難であった。また、光学系の微調整を必要
とすることから、所望の光ファイバ型回折格子を再現性
良く形成することも困難であった。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、多波長反射の光ファイバ型回折格子や
連続的な反射波長域を有する光ファイバ型回折格子を効
率良く優れた再現性をもって形成する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明の光ファイバ型回折格子の形成方法は、
互いに実効屈折率の異なるコアを備える第1及び第2の
感光性ファイバを端面同士で接続して連続した光ファイ
バを形成する第1の工程と、この光ファイバのうち第1
感光性ファイバと第2感光性ファイバとの接続部を含む
箇所に干渉縞を照射する第2の工程とを備えている。
【0009】第1及び第2感光性ファイバのコアは、と
もに酸化ゲルマニウムが添加された石英ガラスから構成
されており、上記の干渉縞は紫外光であっても良い。
【0010】この場合、第1の工程又は第2の工程に先
立って、第1感光性ファイバを加熱して酸化ゲルマニウ
ムを拡散させる工程をさらに備えていても良い。
【0011】また、第1感光性ファイバのコア及び、ク
ラッドの少なくとも一方には、このコアの実効屈折率を
変化させる添加物が酸化ゲルマニウムに加えて添加され
ていても良い。この添加物としては、例えば、フッ素を
用いることができる。
【0012】この場合、第1の工程又は第2の工程に先
立って、第1感光性ファイバを加熱して添加物を拡散さ
せる工程をさらに備えていても良い。
【0013】
【作用】本発明の光ファイバ型回折格子の形成方法で
は、干渉縞が光ファイバに照射されることで、第1及び
第2の感光性ファイバの内部に干渉縞に対応した屈折率
変化が生じる。このようにして、第1感光性ファイバか
ら第2感光性ファイバにまたがって形成される屈折率変
化領域が、本発明により形成される光ファイバ型回折格
子である。
【0014】第1及び第2の感光性ファイバはコアの実
効屈折率が互いに異なるため、第1感光性ファイバに形
成された屈折率変化領域と第2感光性ファイバに形成さ
れた屈折率変化領域とでは、ブラッグ反射波長が異な
る。このため、本発明で形成される光ファイバ型回折格
子は、多波長反射の回折格子あるいは連続的な反射波長
域を有する回折格子となる。
【0015】本発明によれば、多波長反射の光ファイバ
型回折格子や連続的な反射波長域を有する光ファイバ型
回折格子が、一回の干渉縞照射により形成されるので効
率が良い。また、干渉縞照射のための光学系を調整する
必要もないので、この点からも効率が良いうえ、同じ光
ファイバ型回折格子を繰り返し形成する際の再現性にも
優れている。
【0016】本発明において第1感光性ファイバのコア
及びクラッドの少なくとも一方にコアの実効屈折率を変
化させる添加物が添加されていると、例えば第1工程に
おいて第1及び第2感光性ファイバを融着により接続す
る場合等にこの添加物が拡散して第1感光性ファイバの
コアに軸方向に沿って滑らかに変化する実効屈折率分布
が形成される。この後、第2工程で干渉縞を照射すると
連続的な反射波長域を有する回折格子がコアに形成され
る。
【0017】第1又は第2工程に先立って第1感光性フ
ァイバの加熱により上記添加物を拡散させておく場合
も、同様に第1感光性ファイバのコアに軸方向に沿って
滑らかに変化する実効屈折率分布が形成され、第2工程
で干渉縞が照射されると連続的な反射波長域を有する回
折格子がコアに形成される。
【0018】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明の実施
例を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の
要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
また、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致して
いない。
【0019】実施例1 図1は、本実施例の回折格子形成方法を説明するための
図である。この図を参照しながら、本実施例の回折格子
形成方法を説明する。
【0020】本実施例では、まず、異なる実効屈折率の
コアを有する二つの光ファイバ10及び20を用意す
る。本実施例で用意する光ファイバ10及び20は、と
もに石英系の光ファイバであり、酸化ゲルマニウム(G
eO2 )が添加された石英ガラス(SiO2 )からなる
コアと、ほぼ純粋な石英ガラスからなるクラッドとを備
えている。GeO2 は、SiO2 の屈折率を高める添加
物(ドーパント)であり、これが添加されていることに
よって、コアの屈折率は、純石英からなるクラッドの屈
折率よりも高くなる。
【0021】光ファイバ10と20とではGeO2 の添
加量が異なっており、この結果、光ファイバ10及び2
0のコアは互いに異なる実効屈折率を有することにな
る。図2は、光ファイバ10及び20について、ファイ
バ断面内の実効屈折率分布を示す図であり、(a)が光
ファイバ10の実効屈折率分布を、(b)が光ファイバ
20の実効屈折率分布を示している。光ファイバ10の
比屈折率差は0.3%であり、光ファイバ20の比屈折
率差は1.0%である。本実施例では、光ファイバ20
の方が光ファイバ10よりもGeO2 の添加量が多く、
このため、コアの実効屈折率も光ファイバ20の方が高
くなっている。
【0022】次に、本実施例の方法では、この光ファイ
バ10と20を公知の放電融着法により融着接続する。
具体的には、図1に示されるように、光ファイバ10及
び20の端部の被覆を除去し、露出した裸部分11及び
21の端面同士を突き合わせてから、融着接続する。こ
れにより、光ファイバ10と20とは接続部30を介し
て永久的に接続され、連続した一本の光ファイバ100
となる。
【0023】続いて、図1に示されるように、光ファイ
バ100に公知の二光束干渉露光法を用いて一定周期の
紫外光干渉縞を照射する。紫外光の光源としては、Kr
Fエキシマレーザ光源を用いている。この光源は、約2
40nmのコヒーレントな紫外光を、2.2J/cm2
の強さで発振するものである。この紫外光は、図示しな
いビームスプリッタにより透過光と反射光の2光束に分
岐された後、図示しない反射鏡によってそれぞれ反射さ
れ、図示の光束40及び41として裸部分11及び21
の所定箇所に照射される。なお、上記の二光束干渉露光
法は、特許出願公表昭和62−500052号公報に記
載されている。
【0024】光束40と41は、相互に干渉して干渉空
間45を生成する。この干渉空間では、縞間隔の一定な
干渉縞、すなわち一定周期の干渉縞が生成される。この
干渉縞は、裸部分11及び21のうち接続部30を含む
箇所に照射される。
【0025】公知の通り、GeO2 が添加された石英ガ
ラスに紫外光を照射すると実効屈折率が上昇する。この
場合、照射する紫外光の波長は、通常、約150nm〜
約300nmの波長域から選択される。
【0026】上述のとおり、光ファイバ10及び20の
コアはGeO2 が添加された石英ガラスから構成されて
いるので、裸部分11及び12のコアの双方に上記干渉
縞に応じた屈折率変化が生じる。図1において、裸部分
11に生じた屈折率変化領域は符号51で、裸部分21
に生じた屈折率変化領域は符号52で、それぞれ図示さ
れている。これらの屈折率変化領域は、各伝搬モードに
対する実効屈折率が光ファイバ10、20の軸方向に沿
って変化する領域である。これらは、一つの干渉縞を照
射することにより同時に形成されたものであるから、屈
折率変化の周期は互いに等しくなっている。
【0027】屈折率変化領域51及び52から構成さ
れ、光ファイバ10のコアから光ファイバ20のコアに
またがる屈折率変化領域50が、本実施例で形成された
光ファイバ型回折格子である。この回折格子50は、光
ファイバ100のコアの一領域であって、伝搬モードに
対する実効屈折率が軸方向に沿って最小屈折率と最大屈
折率の間で周期的に変化している領域である。なお、最
小屈折率は、コアの当初の実効屈折率(紫外光照射前の
実効屈折率)にほぼ等しい。
【0028】回折格子50を構成する屈折率変化領域5
1及び52も、伝搬モードに対する実効屈折率が軸方向
に沿って最小屈折率と最大屈折率の間で周期的に変化し
ており、それぞれが一つの回折格子である。すなわち、
回折格子50は、回折格子51及び52が光ファイバ1
00内に直列に配列されたものであり、回折格子51及
び52は回折格子50の一部をなしている。したがっ
て、以下では、屈折率変化領域51及び52を、回折格
子50を構成する部分格子と呼ぶことする。
【0029】部分格子51及び52は、それぞれブラッ
グ波長λB を中心とする比較的狭い波長域にわたって所
定の反射率で光を反射する単波長フィルタとして機能す
る。ここで、部分格子の最小屈折率nMIN =n0 、最大
屈折率nMAX =n0 +Δnとし、回折格子の屈折率変化
の周期(以下、単に、回折格子の周期と呼ぶ。)をΛと
表すと、部分格子のブラッグ波長λB は、 λB =2・n0 ・Λ のように表される。
【0030】図3は、本実施例の方法により形成された
光ファイバ型回折格子50の反射スペクトルを示す図で
ある。この反射スペクトルには、部分格子51及び52
の反射スペクトルがそれぞれ独立して現れている。部分
格子51及び52は、それぞれコアの実効屈折率の異な
る光ファイバ10及び20に形成されたものであるた
め、ブラッグ反射波長λB も互いに異なっている。具体
的には、部分格子51のブラッグ反射波長は約1550
nmであり、部分格子52のブラッグ反射波長は約15
60nmである。このため、本実施例で形成された光フ
ァイバ型回折格子50は、1550nm及び1560n
mの波長の光を反射する多波長反射の回折格子となって
いる。
【0031】上述のように本実施例の方法によれば、一
回の干渉縞照射により多波長反射の光ファイバ型回折格
子を形成することができるので、効率が良い。また、各
部分格子のブラッグ反射波長に応じて干渉光学系を構成
するビームスプリッタや反射鏡野の配置調整を行う必要
がないことからも、極めて効率が良く、再現性に優れた
回折格子形成が可能である。
【0032】実施例2 本実施例も、実施例1と同様に、異なる実効屈折率のコ
アを有する光ファイバ10と20を融着接続して一本の
連続した光ファイバ100を形成した後、その接続部3
0を含む領域に紫外光干渉縞を照射して回折格子を形成
する。但し、光ファイバ10のコアの組成は、実施例1
と異なっている。
【0033】図4は、本実施例の光ファイバ10及び2
0についてファイバ断面内の実効屈折率分布を示す図で
あり、(a)が光ファイバ10の実効屈折率分布を、
(b)が光ファイバ20の実効屈折率分布を示してい
る。屈折率分布自体は実施例1と同様であるが、光ファ
イバ10のコアにはGeO2 のほかにF(フッ素)が添
加されており、この点で実施例1と異なっている。
【0034】Fは、GeO2 とは逆に、SiO2 の屈折
率を低くする添加物である。本実施例の光ファイバ10
のコアには、1.0%の比屈折率差を生じさせる量のG
eO2 と、−0.7%の比屈折率差を生じさせる量のF
が添加されている。一方、光ファイバ20のコアの組成
は実施例1と同様であり、1.0%の比屈折率差を生じ
させる量のGeO2 のみが添加されている。このよう
に、本実施例では、光ファイバ10と20とで、コアに
添加されるGeO2 の量を同一としている。
【0035】光ファイバ10のコアに添加されたFは、
融着時の加熱により、主として光ファイバの径方向に拡
散する。これによって、コアの実効屈折率分布が変化す
る。Fは屈折率を低くする添加物であるから、拡散度が
大きいほどコアの実効屈折率は上昇する。GeO2 はF
に比べて拡散が非常に遅いため、本実施例における屈折
率分布変化には殆ど寄与しない。
【0036】図5は、接続部30周辺における光ファイ
バ10の一箇所について、融着後におけるファイバ断面
内での実効屈折率分布を示した図である。径方向へのF
の拡散により、融着前の実効屈折率分布(図4(a))
とは異なっている。
【0037】融着時における光ファイバ10及び20の
温度は、軸方向に沿って接続部30に近い部分ほど高
く、遠い部分ほど低くなる。Fの拡散度は温度が高いほ
ど大きいので、F添加の光ファイバ10のうち接続部に
近い部分ほど拡散度は大きく、コアの実効屈折率も大き
くなる。このようなFの拡散度の軸方向に沿った変化に
応じて、光ファイバ10の軸方向に沿った実効屈折率の
滑らかな変化が生じる。
【0038】図6は、光ファイバ10及び20のコアに
ついて軸方向の実効屈折率分布を示す図である。接続部
30のごく近傍では殆どのFが拡散してしまうので、こ
の部分において光ファイバ10は、GeO2 のみに基づ
く1.0%の比屈折率差を有することになる。このた
め、光ファイバ10及び20の各コアの実効屈折率は接
続部30にてほぼ等しくなる。また、接続部30から軸
方向に沿って遠ざかるにつれてFの拡散度は低下し、こ
れに応じて光ファイバ10のコアの実効屈折率は高くな
る。
【0039】本実施例においても、実施例1と同様にし
て、接続部30を含む箇所に紫外光の干渉縞を照射す
る。本実施例では、図6のような屈折率分布を有する箇
所に干渉縞が照射され、裸部分11及び21のそれぞれ
に部分格子51及び52が形成される。
【0040】光ファイバ20に形成された部分格子52
は実施例1と同様であるが、光ファイバ10に形成され
た部分格子51は、上述の最小屈折率が図6のように軸
方向に沿って変化している結果、ブラッグ反射波長が軸
方向に沿って変化するものとなる。具体的には、光ファ
イバ10の比屈折率差が0.3%から1.0%まで変化
しており、最小屈折率がこれに応じた変化をしている結
果、光ファイバ10に形成された部分格子51は、ブラ
ッグ反射波長が約1550nmから約1560nmまで
連続的に変化する。
【0041】図7は、本実施例で形成された光ファイバ
型回折格子50の反射スペクトルを示す図である。部分
格子51のブラッグ反射波長が軸方向に沿って変化して
いるため、回折格子50は連続的で広い反射波長域を有
している。
【0042】上述のように、本実施例の方法によれば、
一回の干渉縞照射で連続的な反射波長域を有する光ファ
イバ型回折格子を容易に形成でき、従来のように、反射
波長の異なる回折格子を複数形成する必要がないので、
極めて効率が良い。また、干渉光学系を構成するビーム
スプリッタ等の配置を調整する必要もないため、この点
からも効率が良く、再現性に優れた格子形成が可能であ
る。
【0043】以上、本発明の実施例を詳細に説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様
々な変形が可能である。例えば、上記の方法により、光
ファイバのコアのみならずクラッドにも回折格子を形成
することができる。
【0044】また、実施例2では、光ファイバ10に添
加されたFの拡散により軸方向に沿って滑らかに変化す
る実効屈折率分布を生じさせたが、GeO2 のみが添加
された光ファイバ10を用いても同様の実効屈折率分布
を生じさせることができる。この場合、GeO2 の拡散
速度は小さいので、融着時の加熱のみでは適切な実効屈
折率分布を生じさせることは難しい。このため、例え
ば、融着前に光ファイバ10にバーナなどを用いて加熱
処理を施すことでGeO2 を拡散させ、図6のような実
効屈折率分布を生じさせてから、光ファイバ20との融
着接続を行うと良い。この後、本実施例と同様にして干
渉縞の照射を行えば、本実施例と同様の光ファイバ型回
折格子50を形成することができる。なお、上記の加熱
処理は、例えば、光ファイバ10の軸方向に沿って加熱
温度に勾配をつけて行うと良い。加熱温度が高い程、G
eO2 の拡散も大きいので、温度勾配に応じて軸方向に
滑らかに変化するような実効屈折率変化を生じさせるこ
とができる。また、光ファイバ10の加熱処理は、融着
接続の後に行っても良い。さらに、この加熱処理は実施
例2のF添加の光ファイバ10に対して行っても良い。
こうすることで、所望の実効屈折率変化を生じさせるこ
とが容易になり、得られる光ファイバ型回折格子50の
反射波長域の調節も容易となる。この加熱処理は、融着
接続前であっても良いし、融着接続後であっても良い。
光ファイバに加熱処理を行うことで、所望の実効屈折率
分布を確実に得ることができ、結果として所望の反射波
長域を有する光ファイバ型回折格子を確実に得ることが
できる。
【0045】また、回折格子書き込み用の感光性光ファ
イバは、GeO2 が添加された石英ガラスを含むもので
なくても良い。例えば、強度の大きい光をガラス体に照
射するとその照射部分においてガラスが溶融するが、こ
の溶融部分が固化すると照射前よりガラス密度が上昇
し、屈折率も上昇する。これを利用して、十分な強度の
光を干渉させて形成した干渉縞をガラス光ファイバに照
射することにより、光ファイバ内に回折格子を形成する
ことも可能である。本発明の方法においても、光強度の
大きい干渉縞を接続部を含む箇所に照射することで、多
波長反射の回折格子や連続的な反射波長域を有する回折
格子を形成することができ、この場合、照射する干渉縞
は紫外光でなくても良い。なお、光照射によるガラス溶
融を良好に達成するには、光導波路を構成するガラスに
所定波長域の光を吸収する光吸収剤を添加し、その吸収
波長域に含まれる光で形成した干渉縞を照射すると良
い。
【0046】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明によ
れば、一回の干渉縞照射により多波長反射の光ファイバ
型回折格子や連続的な反射波長域を有する光ファイバ型
回折格子を形成することができ、干渉縞照射のための光
学系を調整する必要もないので、極めて効率が良く、再
現性にも優れた回折格子形成を実現することができる。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の光ファイバ型回折格子形成方法を説明
するための図である。
【図2】(a)は、実施例1の光ファイバ10について
ファイバ断面内における実効屈折率分布を示す図であ
り、(b)は、ファイバ断面内における実施例1の光フ
ァイバ20についてファイバ断面内における実効屈折率
分布を示す図である。
【図3】実施例1の方法により形成された光ファイバ型
回折格子50の反射スペクトルを示す図である。
【図4】(a)は、実施例2の光ファイバ10について
ファイバ断面内における実効屈折率分布を示す図であ
り、(b)は、ファイバ断面内における実施例2の光フ
ァイバ20についてファイバ断面内における実効屈折率
分布を示す図である。
【図5】実施例2に関して、融着後における光ファイバ
10のファイバ断面内での実効屈折率分布を示す図であ
る。
【図6】実施例2に関して、融着後における光ファイバ
10及び20のコアにおいて軸方向の実効屈折率分布を
示す図である。
【図7】実施例2で形成された光ファイバ型回折格子5
0の反射スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
10及び20…光ファイバ、11及び21…裸部分、3
0…接続部、40及び41…紫外光光束、45…干渉
縞、50…光ファイバ型回折格子、51及び52…部分
格子、100…光ファイバ10と20とが融着接続され
てなる光ファイバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/10 G02B 6/00 G02B 6/255 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに実効屈折率の異なるコアを備える
    第1及び第2の感光性ファイバを端面同士で接続して連
    続した光ファイバを形成する第1の工程と、 前記光ファイバのうち前記第1感光性ファイバと前記第
    2感光性ファイバとの接続部を含む箇所に干渉縞を照射
    する第2の工程と、 を備える光ファイバ型回折格子の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2感光性ファイバのコア
    は、ともに酸化ゲルマニウムが添加された石英ガラスか
    ら構成されており、 前記干渉縞は紫外光であることを特徴とする請求項1記
    載の光ファイバ型回折格子の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程又は前記第2の工程に先
    立って、前記第1感光性ファイバを加熱して前記酸化ゲ
    ルマニウムを拡散させる工程をさらに備えることを特徴
    とする請求項2記載の光ファイバ型回折格子の形成方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第1感光性ファイバのコア及びクラ
    ッドの少なくとも一方には、このコアの実効屈折率を変
    化させる添加物がさらに添加されていることを特徴とす
    る請求項2記載の光ファイバ型回折格子の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記添加物は、フッ素であることを特徴
    とする請求項4記載の光ファイバ型回折格子の形成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程又は前記第2の工程に先
    立って、前記第1の感光性ファイバを加熱して前記添加
    物を拡散させる工程をさらに備えることを特徴とする請
    求項4記載の光ファイバ型回折格子の形成方法。
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