JP3431048B2 - 光導波路、その導波路部材、及びその製造方法 - Google Patents

光導波路、その導波路部材、及びその製造方法

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JP3431048B2
JP3431048B2 JP08916995A JP8916995A JP3431048B2 JP 3431048 B2 JP3431048 B2 JP 3431048B2 JP 08916995 A JP08916995 A JP 08916995A JP 8916995 A JP8916995 A JP 8916995A JP 3431048 B2 JP3431048 B2 JP 3431048B2
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麻紀 稲井
正 榎本
享 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光ファイバ、薄膜導
波路等の光導波路に関し、特に、所定部位に周期的にそ
の屈折率を変化させて回折格子を作り込むための導波路
部材、該回折格子が作り込まれた光導波路、及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学部品の一種として回折格子が作り込
まれたものには種々の態様のものがあるが、光通信シス
テム等に利用する場合には、特に、他の光導波路との接
続が容易で、かつ挿入損失を低くするために回折格子が
作り込まれた光導波路型のものが好適である。
【0003】また、回折格子を有する光導波路の従来の
製造方法としては、例えば特開昭62−500052号
公報に記載のものが知られている。これは、酸化ゲルマ
ニウムを添加して高屈折率のコアを形成した石英系光フ
ァイバに強力な紫外光を照射することより、コアに周期
的な屈折率変化を生じさせ、回折格子を形成する方法で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
製造方法では、得られる回折格子の反射率は必ずしも十
分でない。すなわち、回折格子が作り込まれた光導波路
では、その反射率が重要な特性であるが、この反射率は
以下の式(1)のように、回折格子長(コア内におい
て、屈折率が周期的に変化している領域の長さ)と光誘
起屈折率変化に依存する。
【0005】 R=tanh2(L・π・ΔnUV/λ) …(1) ここで、Rは反射率、Lはコア内に作り込まれた回折格
子長、ΔnUVは紫外光に対する屈折率変化(光誘起屈折
率変化)、λは反射波長である。
【0006】紫外光照射による屈折率変化はガラス中の
ゲルマニウム関連のガラス欠陥に起因することが知られ
ているが、従来のように通信用光ファイバを用いたので
はクラッド部分でのガラス欠陥が少ないために、この部
分における紫外光による屈折率変化ΔnUVはコアでの屈
折率変化ΔnUVに比べて小さい。したがって、導波路全
体として十分な反射率が得られないという課題があっ
た。
【0007】さらに、紫外光が照射されると、その部位
のコア(回折格子が作り込まれた部位)の屈折率は高く
なるため、この部位のモードフィールド径は他の紫外光
が照射されていないコアのモードフィールド径より小さ
くなる。このモードフィールド径の変化がコア内に生じ
ると、モードミスマッチによりコア内を伝搬している光
がクラッド側へ放射され、伝送損失が増加するという課
題がある。
【0008】この発明は以上のような課題を解決するた
めになされたもので、反射率の十分大きな回折格子を有
する光導波路を実現するとともに、この光導波路を容易
に製造するための方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光導波路は、
(a)石英ガラスを主材とし、酸化ゲルマニウムが添加
され、所定の屈折率を有する光導波領域としてのコア
と、(b)石英ガラスを主材とし、コアの径の6倍以内
の領域に酸化ゲルマニウムが添加され、コアよりも低い
屈折率を有し、かつコアを密着して覆っているクラッド
と、を備え、所定部位におけるコア及びクラッドには、
それぞれ、光の伝搬方向に沿って周期的にその屈折率が
変化した回折格子が形成されており、紫外光照射により
コア及びクラッド間の屈折率差に実質的な変化を生じな
い構造を有していることを特徴とする。なお、この屈折
率変化部は1つには限定されず、光の伝搬方向に沿っ
て、所定の間隔をおいて複数形成してもよい。
【0010】特に、この回折格子がコア及びクラッドの
両方に作り込まれる導波路部材には、いずれの領域にも
酸化ゲルマニウムが予め添加され、主にガラス材料から
なる光導波路を利用するが、この導波路部材には石英
(SiO2 )を主成分とする石英ガラス導波路や、該石
英を主体にして、Na2 O、CaO等を加えたガラスか
らなる多成分ガラス導波路が含まれる。また、導波路と
は、コアとクラッドとの屈折率差を利用して光を一定領
域に閉じ込めて伝送する回路または線路をいい、これに
は光ファイバや薄膜導波路等が含まれる。
【0011】また、導波路として機能するためにはクラ
ッドの屈折率をコアの屈折率よりも低くする必要がある
が、その態様としては、例えば、クラッドへ添加する酸
化ゲルマニウムの濃度をコアへ添加する酸化ゲルマニウ
ムの濃度よりも低く設定する場合(1)、コアに添加す
る酸化ゲルマニウムの濃度がクラッドに添加する酸化ゲ
ルマニウムの濃度と等しいか、あるいはそれよりも高い
場合であってもさらに屈折率低下剤を添加する場合
(2)がある。ここで、屈折率低下剤としては、例えば
酸化ボロンやフッ素が一般的である。
【0012】次に、この発明に係る回折格子を有する光
導波路の製造方法は、酸化ゲルマニウムがドープされた
コアと、コア径の6倍以内の領域に酸化ゲルマニウムが
ドープされ、コアよりも低屈折率のクラッドとを備え、
紫外光照射によりコア及びクラッド間の屈折率差に実質
的な変化を生じない構造を有するガラス導波路部材を用
意し、このガラス導波路部材の所定部位(コア及びクラ
ッドの両方を含む領域)に対して紫外光を照射し、この
所定部位の屈折率を変化させることを特徴としている。
【0013】上記導波路部材の所定部位に回折格子を作
り込むためには、この所定部位において上記紫外光の干
渉縞を生じさせる必要がある。この方法としては、例え
ば、上記紫外光を2本のコヒーレント光とし、この2本
のコヒーレントな紫外光を、ガラス導波部材におけるコ
アの光軸に対し互いに補角の関係にある角度をもって照
射することにより干渉縞を生じさせてもよい。また、上
記紫外光を位相格子に照射し、この位相格子を透過させ
ることにより干渉縞を生じさせてもよい。
【0014】また、上記導波路部材として、集積かされ
た複数の光導波領域(コア)を有する場合には、光透過
用窓を有するマスク、さらには所定の光学系を利用し、
上記紫外光の透過を制限することにより、回折格子の微
細加工に応用するすることもできる。
【0015】さらに、当該製造方法は、上記導波路部材
が移動している場合、例えば光ファイバの線引工程にお
いても適用することができる。
【0016】
【作用】この発明における光導波路は、コアの回折格子
が作り込まれた所定部位(屈折率変化部)のみならず、
この部位を密着して覆うクラッドにも回折格子が作り込
まれている。すなわち、この部位では光導波路のコアを
伝搬する導波光のみならず、導波光のうち導波中にクラ
ッドへ放射される光も反射され、モードフィールド全域
にわたって導波光が反射される構造となっている。それ
ゆえ、この発明のにおける光導波路は高い反射率を有す
る。
【0017】なお、上記導波光のうちクラッドへ放射さ
れる光は、コアからわずかにクラッド側へ漏出している
だけなので、クラッドにおける屈折率変化部がコアとク
ラッドとの境界面付近にのみ存在する場合でも、十分に
高い反射率を有する。
【0018】一方、屈折率の変化量を大きくするために
は、上述したガラス欠陥を増やすことが重要である。そ
れにはコアにおける酸化ゲルマニウムの添加濃度を増や
すことが効果的であるが、この場合、コアの紫外光照射
領域における紫外光照射前後の屈折率の変化量が非常に
大きくなると、同一コア内における各領域でのモードミ
スマッチによる伝送損失が問題となる。
【0019】すなわち、コア内の紫外光が照射された部
位では屈折率が高くなりモードフィールド径は小さくな
るが、他の紫外光照射がなされていない部位でのモード
フィールド径は変化しない。このように同一コア内でモ
ードフィールド径の変化が生じると、コア内を伝搬して
いる導波光のクラッドへの放射が生じ、伝送損失が増加
するという結果を招く。
【0020】この発明における回折格子を有する光導波
路は、コア及びクラッドのそれぞれに酸化ゲルマニウム
が添加されており、紫外光が照射されればいずれの領域
にも屈折率変化が生じるため、コア及びクラッド間の屈
折率差に実質的な変化を生じない構造を備えている。し
たがって、紫外光照射前後で光の伝搬方向にモードフィ
ールド径の周期的な変化が生じることはなく、上述のモ
ードミスマッチによる伝送損失(導波光がクラッド側へ
放射されることにより生じる伝送損失)は回避される。
【0021】次に、この発明における回折格子を有する
光導波路の製造方法は、酸化ゲルマニウムがドープされ
たコアと、酸化ゲルマニウムがドープされ、コアよりも
低屈折率のクラッドとを備えるガラス導波路部材を用意
し、このガラス導波路部材の所定部位(コア及びクラッ
ドの両方を含む領域)に対して紫外光を照射し、この所
定部位の屈折率を変化させる。また、この製造方法は、
回折格子を作り込む導波路部材として集積化して複数の
コアが形成された光導波路型の光機能部品や、光ファイ
バの製造工程への適用も想定している。
【0022】ここで、紫外光の入射によりガラスの屈折
率が変化するメカニズムは、完全には解明されてはいな
い。しかしながら、重要な原因として、ガラス中のゲル
マニウムに関連した酸素欠損型の欠陥が考えられてお
り、Si−GeまたはGe−Geなどの中性酸素モノ空
孔が想定されている。
【0023】屈折率変化のメカニズムとして提案されて
いるクラマース・クローニッヒ機構によれば、屈折率変
化は以下のように説明される。すなわち、上記の欠陥は
波長240〜250nmの紫外光を吸収する。そして、
この吸収によりSi−GeまたはGe−Ge結合が切れ
ることに起因して、新たな欠陥が生じる。この新たな欠
陥は、波長210nmおよび280nm付近を中心に吸
収帯を形成する。その結果、クラマース・クローニッヒ
の関係に従いガラスの屈折率が変化する。
【0024】本発明の製造方法では、コア及びクラッド
の双方に酸化ゲルマニウムがドープされた光導波路を第
一の工程で用意し、これに紫外光を入射させるので、コ
ア及びクラッドの双方において紫外光が入射した部分の
屈折率が変化する。したがって、本発明の方法により作
製される光導波路型回折格子は、光軸方向に沿って複数
の屈折率変化部が配列された回折格子領域を、コアのみ
ならずクラッドにおいても有している。
【0025】本発明者らの知見によれば、高い反射率を
得るには、コア径の小さなシングルモードファイバであ
ってもコア径に対して6倍の外径の領域に回折格子を形
成すればよい。また、クラッド全体を紫外光の照射によ
る屈折率変化が発生する酸化ゲルマニウムの添加状態に
すると光導波路の強度が低減することが知られている。
そこで、本発明では、クラッドの酸化ゲルマニウム添加
領域を、外径がコアの直径の6倍とし、光導波路の強度
を維持している。
【0026】
【実施例】以下、添付図面を参照しながらこの発明の実
施例を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一
の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略す
る。
【0027】本実施例では、まず、回折格子形成に用い
る導波路部材として、石英(SiO2 )ガラスを主成分
とする石英系光ファイバを用意した。この光ファイバ
は、石英ガラスに6wt%の酸化ゲルマニウム(GeO
2 )が添加された直径=8μmのコアと、石英ガラスに
6wt%の酸化ゲルマニウム及び1wt%のフッ素
(F)が外径=50μmの領域に添加された内層クラッ
ドと、実質的に石英ガラスのみから成る外層クラッドと
を備えている。そして、外層クラッドの外径は125μ
mに設定される。ここで、酸化ゲルマニウムは屈折率を
高めるための添加物であり、フッ素は屈折率を低下させ
るための添加物である。
【0028】なお、6wt%の酸化ゲルマニウムが添加
された石英ガラスと純粋な石英ガラスとの間の比屈折率
差は、0.4%であり、6wt%の酸化ゲルマニウム及
び1wt%のフッ素が添加された石英ガラスと純粋な石
英ガラスとの間の比屈折率差は、約0%である。
【0029】この回折格子を作り込むための光ファイバ
(導波路部材)は、いかなる製造方法により製造された
ものであっても良い。
【0030】次に、製造された光ファイバに紫外光を照
射する。ここで、紫外光の照射は、所望の長さに切り取
った光ファイバに対して行ってもよいし、線引された光
ファイバを巻き取る途中に行うなど、光ファイバの製造
工程に組み込んで行ってもよい。
【0031】本実施例では、等ピッチの回折格子を光フ
ァイバ内に形成することとし、このために、等間隔の干
渉縞を生じさせながら紫外光を光ファイバに照射した。
以下、紫外光の照射方法について詳しく説明する。
【0032】図1は、照射方法を説明するための図であ
る。図1に示されるように、紫外光光源10から出力さ
れた紫外光は、所定の光学系として干渉手段20により
干渉させられ、干渉縞を生じながら光ファイバ40に照
射される。なお、この光学系はレンズを備えてもよい。
【0033】本実施例では、ホログラフィック干渉法に
より2本のコヒーレントな紫外光を干渉させた。この方
法では、干渉手段20は、図1のように、ビームスプリ
ッタ21aと反射鏡21b、21cとから構成される。
また、紫外光光源10には、アルゴンレーザ光源11を
用いた。
【0034】アルゴンレーザ光源11は、244nmの
コヒーレントな紫外光を連続発振する。この紫外光は、
ビームスプリッタ21aにより透過光と反射光の2光束
に分岐される。分岐された各光束は、それぞれ反射鏡2
1b及び21cによって反射され、コア41の軸方向に
対し互いに補角の関係にある74゜(図1における
α)、106゜(図1における180゜−α)の角度を
もって光ファイバに照射される。
【0035】分岐された各光束は干渉領域30にて干渉
し、所定間隔の干渉縞を形成しつつ、光ファイバ40に
照射される。照射された紫外光は、コア41及び内層ク
ラッド42に入射して、入射部の屈折率を変化させる。
なお、外層クラッド45には紫外光は入射するが、実質
的に石英ガラスのみから成るので、実質的に屈折率変化
は発生しない。
【0036】図2は、光ファイバ40への紫外光の照射
を示した図である。光ファイバ40の径方向に対する紫
外光の入射角度θ(=90°−α)と紫外光の波長λと
を用いると、干渉縞の間隔Λは、 Λ=λ/(2sinθ) …(2) のように表される。したがって、コア41及び内層クラ
ッド42の紫外光が入射した領域には、屈折率の変化し
た部分が干渉縞の間隔Λを周期として光ファイバ40の
光軸方向に沿って配列されるので、ピッチΛの回折格子
43,44が、それぞれコア41、内層クラッド42に
形成されることになる。こうして、コア41及び内層ク
ラッド42に回折格子を有する光導波路としての光ファ
イバが得られた。
【0037】コア41の屈折率nと回折格子43のピッ
チΛを用いると、周知なブラッグの回折条件により、こ
の回折格子の反射波長λR は、 λR =2nΛ =λn/sinθ …(3) のように表される。なお、本実施例では、この反射波長
λR を1300nmに設定した。
【0038】上記式(2)によれば、内層クラッド42
の屈折率とコア41の屈折率は異なるので、内層クラッ
ド42に形成された回折格子44の反射波長は1300
nmからずれるが、屈折率の差は大きくないのでずれ量
は大きくない。そして、回折格子の反射スペクトルは反
射波長を中心に拡がりを持つので、回折格子44は反射
波長に近い1300nmの光を十分に反射する。
【0039】上述の製造方法による紫外光の照射中は、
LED光源からの光を光ファイバの一端から入射させ、
他端に接続されたスペクトルアナライザによりこの光の
透過スペクトルを測定することにより、回折格子の形成
をリアルタイムでモニターした。ここで、スペクトルア
ナライザは、回折格子43,44を透過した光について
波長と光強度との関係を検出する。
【0040】紫外光の照射が開始されると回折格子4
3,44の形成が進むので、透過スペクトルにおいて透
過光の強度が反射波長を中心に減少する。透過スペクト
ルに変化がなくなれば、回折格子43,44の形成が飽
和したと考えられるので、この時点で紫外光の照射を停
止する。なお、本実施例では、飽和時間は約40〜50
分であった。
【0041】回折格子43,44の形成が飽和した時点
の透過スペクトルから、反射波長に対する反射率を算出
することができる。これによると、回折格子が作り込ま
れた上記光ファイバの反射率は約75%であり、良好な
結果を得た。
【0042】なお、上記実施例ではホログラフィック干
渉法を用いて紫外光の干渉縞を形成したが、代わりに位
相格子法を用いることもできる。
【0043】図3は、位相格子法を説明するための図で
ある。まず、導波路部材としての光ファイバ40に干渉
手段20たる位相格子22を密着固定する。位相格子2
2には、等間隔で溝を形成した石英板を用いることがで
きる。位相格子22の溝は、リソグラフィーと化学エッ
チングにより形成できるため、格子間隔は自由に選択で
き、複雑な形状も可能である。
【0044】次に、例えばKrFエキシマレーザ光源1
2(紫外光光源10)をパルス光源として用い、波長2
48nmの所定強度の紫外域パルス光を所定の周波数で
出力させ、図のように位相格子の上面から所定時間照射
する。なお、紫外光は連続発振させてもよい。
【0045】紫外光が位相格子22を透過すると、所定
間隔の干渉縞が形成され、干渉縞を形成したままコア4
1及び内層クラッド42に入射するので、周期的な屈折
率変化、すなわち回折格子43、44がそれぞれコア4
1、内層クラッド42に生じる。こうして、コア41及
び内層クラッド42の双方に回折格子が作り込まれた光
導波路としての光ファイバが得られた。
【0046】こうして得られた光ファイバでは、コアと
クラッドとのカップリングによる過剰ロスは検出され
ず、良好な特性を示した。
【0047】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、様々な変形が可能である。例えば、光導波
路は光ファイバに限られず、薄膜導波路であってもよ
い。また、紫外光の照射方法は、上記実施例の以外にも
種々の方法が可能であり、例えば、光導波路を図1の矢
印Aで示された光軸方向に沿って移動させながら紫外域
パルス光を照射しても回折格子を作り込むことができ
る。
【0048】また、図4に示すように、導波路部材が集
積化された複数のコアを有する場合には、紫外光(U.
V)の照射領域を制限するように所定形状の窓201を
有するマスク200を利用して、導波路部材の所定部位
に回折格子を作り込んでもよい。なお、図4に示した導
波路部材は導波路基板100上に複数のコア101を所
定形状に整形し、さらにこのコア101を内層クラッド
102で覆った光合分波機能を有する光機能部品であ
る。
【0049】次に、この発明に係る導波路部材の不純物
プロファイルを図5及至図7を用いて説明する。
【0050】この発明に係る導波路部材は、コア及び内
層クラッドの両方に酸化ゲルマニウムが添加されている
が、一般にこの酸化ゲルマニウムはコア内の屈折率を高
くするための材料として知られている。したがって、光
導波路として機能させるためには、コアよりも内層クラ
ッドの酸化ゲルマニウムの添加濃度を低く設定する、あ
るいは内層クラッドに屈折率を低下させる屈折率低下剤
(例えば、B2 3 、F等)をさらに加える等、添加物
濃度の調整を行わなければならない。
【0051】図5は、第1の態様として内層クラッドの
酸化ゲルマニウムの添加濃度よりもコアの酸化ゲルマニ
ウムの添加濃度を高く設定する例である。図6は、図5
に示したような濃度分布の酸化ゲルマニウムとともに、
屈折率低下剤としてフッ素を内層クラッドのみに添加す
る第2の態様を示した例である。さらに、図7は、コア
及び内層クラッドにおける酸化ゲルマニウムの濃度を同
じに設定し、さらに内層クラッドのみに屈折率低下剤と
してフッ素を添加する第3の態様を示した例である。な
お、この発明ではコア及び内層クラッドの各領域におい
て各添加物の添加濃度は一定の方がよい。
【0052】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、コア及
びコアの直径の6倍以内のクラッド領域の双方に回折格
子が形成されるので、この回折格子が形成された領域で
はコアを伝搬する導波光のみならず、導波光のうちクラ
ッド側へ放射される光も反射され、モードフィールド全
域にわたって導波光が反射されるとともに光導波路の強
度が維持される。したがって、この発明に係る回折格子
を有する光導波路は高い反射率を有する。
【0053】また、この発明に係る回折格子を有する光
導波路の製造方法では、コア及びコアの直径の6倍以内
のクラッド領域の双方に酸化ゲルマニウムが添加された
導波路部材の所定部位に紫外光を入射させるので、得ら
れる光導波路にはコア及びクラッドの双方において回折
格子が作り込まれる。この回折格子が形成された領域で
はコアを伝搬する導波光のみならず、導波光のうちクラ
ッド側へ放射される光も反射され、モードフィールド全
域にわたって導波光が反射されるので、従来の光導波路
と比べ高い反射率を有する。したがって、この発明の製
造方法によれば、反射率の十分大きな光導波路型回折格
子を容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例として、紫外光の照射方法及
び得られた光導波路の構造を説明するための図である。
【図2】紫外光の照射方法として、ホログラフィック干
渉法による光ファイバ(導波路部材)への紫外光を照射
を示した図である。
【図3】紫外光の照射方法として、位相格子法による光
ファイバ(導波路部材)への紫外光照射を示した図であ
る。
【図4】紫外光の照射方法として、マスクを利用して照
射領域を制限する実施例を示した図である。
【図5】導波路部材における不純物プロファイルの第1
の態様として、酸化ゲルマニウムの添加濃度を示す図で
ある。
【図6】導波路部材における不純物プロファイルの第2
の態様として、酸化ゲルマニウム及び屈折率低下剤(フ
ッ素)の添加濃度を示す図である。
【図7】導波路部材における不純物プロファイルの第3
の態様として、酸化ゲルマニウム及び屈折率低下剤(フ
ッ素)の添加濃度を示す図である。
【符号の説明】
10…紫外光光源、20…干渉手段、21a…ビームス
プリッタ、21b,21c…反射鏡、22…位相格子、
30…干渉領域、40…光ファイバ、41…コア、42
…内層クラッド、43,44…回折格子、45…外層ク
ラッド、200…マスク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02B 6/16 G02B 6/12 M (72)発明者 井上 享 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 茂原 政一 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (56)参考文献 特開 平5−142423(JP,A) 特開 平6−281828(JP,A) 特開 昭59−18126(JP,A) 特開 平8−81231(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 G02B 5/18 G02B 5/20 G02B 6/10 G02B 6/13 G02B 6/16

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英ガラスを主材とし、酸化ゲルマニウ
    ムが添加され、所定の屈折率を有する光導波領域として
    のコアと、 石英ガラスを主材とし、前記コアの径の6倍以内の領域
    に酸化ゲルマニウムが添加され、前記コアよりも低い屈
    折率を有し、かつ該コアを密着して覆っているクラッド
    と、 を備え、 所定部位におけるコア及びクラッドには、それぞれ、光
    の伝搬方向に沿って周期的にその屈折率が変化した回折
    格子が形成されており、 紫外光照射によりコア及びクラッド間の屈折率差に実質
    的な変化を生じない構造を有している、 ことを特徴とする光導波路。
  2. 【請求項2】 前記コアは、酸化ゲルマニウムが添加さ
    れ、前記クラッドは、該酸化ゲルマニウムとともに屈折
    率低下剤が添加されていることを特徴とする請求項1記
    載の光導波路。
  3. 【請求項3】前記屈折率低下剤は、酸化ボロンあるいは
    フッ素のいずれかであることを特徴とする請求項2記載
    の光導波路。
  4. 【請求項4】 所定の屈折率を有する光導波領域であっ
    て、石英ガラスを主材として所定濃度の酸化ゲルマニウ
    ムが添加されたコアと、 前記コアよりも低い屈折率を有し、かつ該コアを密着し
    て覆っている領域であって、石英ガラスを主材として、
    前記コアの径の6倍以内の領域に所定濃度の酸化ゲルマ
    ニウムが添加されたクラッドと、 を備え、 紫外光照射によりコア及びクラッド間の屈折率差に実質
    的な変化を生じない構造を有している、 ことを特徴とする 導波路部材。
  5. 【請求項5】 前記クラッドは、酸化ゲルマニウムとと
    もに屈折率低下剤が添加されていることを特徴とする請
    求項4記載の導波路部材。
  6. 【請求項6】 前記屈折率低下剤は、酸化ボロンあるい
    はフッ素のいずれかであることを特徴とする請求項5記
    載の導波路部材。
  7. 【請求項7】 所定の屈折率を有する光導波領域であっ
    て、所定濃度の酸化ゲルマニウムが添加されたコアと、
    前記コアの径の6倍以内の領域に前記コアよりも低い屈
    折率を有し、かつ該コアを密着して覆っている領域であ
    って、所定濃度の酸化ゲルマニウムが添加されたクラッ
    ドとを備え、紫外光照射によりコア及びクラッド間の屈
    折率差に実質的な変化を生じない構造を有する導波路部
    材の所定部位に対し、 紫外光を照射して前記導波路部材の所定部位におけるコ
    ア及びクラッドそれぞれの屈折率を変化させる光導波路
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記クラッドは、酸化ゲルマニウムとと
    もに屈折率低下剤が添加されていることを特徴とする請
    求項7記載の光導波路の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記屈折率低下剤は、酸化ボロンあるい
    はフッ素のいずれかであることを特徴とする請求項8記
    載の光導波路の製造方法。
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