JPH10198930A - 導電体の形成方法及び磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

導電体の形成方法及び磁気ヘッドの製造方法

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JPH10198930A
JPH10198930A JP35070396A JP35070396A JPH10198930A JP H10198930 A JPH10198930 A JP H10198930A JP 35070396 A JP35070396 A JP 35070396A JP 35070396 A JP35070396 A JP 35070396A JP H10198930 A JPH10198930 A JP H10198930A
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layer
conductive film
film
mask
forming
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JP35070396A
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Shinichirou Ashisaka
真一郎 足坂
Satoshi Terui
聡 照井
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造過程において、ウエットエッチング液に
より侵食されることのない導電体の形成方法及び薄膜磁
気ヘッドの製造方法を提供すること。 【解決手段】 下地膜17上に形成するレジストフレー
ム18の幅W2 を5〜20μmに形成してめっき層20
を形成する。従って、このレジストフレーム18Aを除
去すれば5〜20μm幅の溝21が形成され、コアカバ
ー24形成用のフォトレジストが溝21の中へ満遍なく
充填され、残されるべきめっき膜20及び下地膜17、
16、15が十分に被覆され、ウエットエッチング液で
侵食されることがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電体(例えば薄
膜磁気ヘッドの上層コア)の形成方法及び磁気ヘッドの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、薄膜磁気ヘッドは、磁性膜、絶
縁膜等の薄膜層が多層に積層され、さらに導体コイルや
リード線が形成されてなる磁気ヘッドである。
【0003】この薄膜磁気ヘッドは、真空薄膜形成技術
により形成されるため、狭トラック化や狭ギャップ化等
の微細寸法化が容易であり、また高分解能記録が可能で
あるという特徴を有しており、高密度記録化に対応した
磁気ヘッドとして注目されている。
【0004】上記した薄膜磁気ヘッドの中でも、インダ
クティブ型薄膜ヘッドは、薄膜磁気ヘッドとして好適な
ものである。具体的には、このインダクティブヘッド
は、フェライト等の酸化物磁性材料からなる基板上に軟
磁性体層よりなる下層コアが形成され、この上に下層コ
アと導体コイルとの絶縁を図るための絶縁層又は平坦化
層が成膜され、さらにこの表面上に導体コイルがスパイ
ラル状に形成されている。
【0005】そして、表面の平坦化を図るために上記の
平坦化層がレジスト等の高分子材料によって成膜され、
平坦化された前記平坦化層の上に軟磁性体層よりなる上
層コアが形成されて、上記インダクティブヘッドが構成
されている。
【0006】このようなインダクティブ型磁気ヘッドは
記録用として、例えば再生用の磁気抵抗効果型薄膜磁気
ヘッド(薄膜MRヘッド又は薄膜磁気抵抗効果ヘッド)
と共に複合型の薄膜磁気ヘッドを構成し、ハードディス
クドライブに搭載され、利用されているが、この製造方
法においては改善の余地が多い。
【0007】図16は、上記したような複合型の薄膜磁
気ヘッドの一部を省略して図示した平面図、そして、図
17はその断面図(図16のXVII−XVII線断面図)であ
る。
【0008】このような薄膜磁気ヘッドにおける上層コ
ア13の形成は、一般に図18に示す平面図の如きレジ
ストフレーム18Aによるフレームめっきの技術が用い
られる。以下、図19〜図26により上層コア13の従
来の製造工程の一部を示す。なお、以下の各図において
第2平坦化膜以下の各層は図示省略する。
【0009】図19は、従来のレジストフレーム18
A’の断面図(図18の XIX−XIX 線断面に相当)であ
り、図示の如く、レジストフレーム18A’は最上部の
下地導電膜17の上に形成される。そして、このレジス
トフレーム18A’を用いて形成するめっきの核となる
下地材としては、通常はそのめっき物と同様の材料を支
持体上にスパッタ法により全面に成膜するが、支持体と
の密着性を考慮して多層とすることが多い。
【0010】即ち、めっき物をNi−Fe合金とすれ
ば、下地を3層とする場合は、図示の如く、最上層をN
i−Fe合金とし、基板との密着を考慮して下から上へ
Cr/Ti/Ni−Feの順に積層して下地導電膜1
5、16、17(以下、単に下地膜と称することがあ
る。)を形成する。
【0011】そして、図示の如く、第3平坦化膜6上の
第4平坦化膜8の上に上記の下地膜15、16、17が
スパッタリングにより形成され、この上にフォトレジス
ト層を形成し、このフォトレジスト層を選択露光及び現
像処理して図19のようにフレーム幅W1 =1〜3μm
のレジストフレーム18A’が形成される。
【0012】次いで、図20のように、レジストフレー
ム18A’が形成された下地膜17上に、電解めっき法
によりNi−Fe合金のめっき層20が形成され、この
レジストフレーム18A’で囲まれた領域内のめっき層
20が後述する上層コアとなる。
【0013】次いで、図21のように、有機溶剤を用い
てレジストフレーム18A’を除去して溝21’を形成
し、更に、図22のようにこの溝21’直下の下地膜1
7、16、15をイオンミリング装置によりエッチング
して除去する。
【0014】次いで、図23のように、上記によって形
成した溝21’を含むめっき層20の上をフォトレジス
ト膜22’で被覆する。これにより溝21’の中へもフ
ォトレジストが充填される。そして、このフォトレジス
ト膜22’上に図23に示す如くマスク23’を掛け、
非マスク部23a’を上記の溝21’で囲まれた領域に
位置させて露光する。ここでLは露光の光を示す。
【0015】次いで、これを現像処理して図24に示す
ようなコアカバー24’が形成されるが、溝21’の底
部までフォトレジストが充填されず、溝21’の底部に
空洞31が発生することがある。これは溝21’の幅W
1 が狭いことに起因するものである。
【0016】コアカバー24’を形成後は、このコアカ
バー24’をマスクとしてこのコアカバー24’で被覆
された以外の部分を図25のように除去する。この除去
にはそれぞれ専用のウエットエッチング液を用い、めっ
き層20、下地膜17、16、15の順にウエットエッ
チングにより除去する。
【0017】従って、上記した空洞部31にはコアカバ
ー24’が形成されていないため、ウエットエッチング
の際、図25に示すように、その部分のめっき層20及
び下地膜15、16、17がウエットエッチング液によ
って侵食32される。
【0018】最後にコアカバー24’を有機溶剤で溶解
除去することにより、図26の如く、上層コア13が形
成されるが、図示のように上層コア13の側面に欠落部
33を有する不良品が発生することがある。
【0019】この原因は上記の如く、コアカバー24’
を形成するための溝21’の幅が狭いため、フォトレジ
ストが溝21’の全般に亘って充填されていないことに
起因するものであるが、溝21’の全般にフォトレジス
トを充填させるため、単にこの溝21’の幅を広げれば
後述する磁区の乱れを伴うため、従来から1〜3μmが
最も妥当な溝幅と考えられていたものである。
【0020】しかし、このような侵食による欠落部33
は外部からも観察されるため、製品の外観性(商品価
値)を損ねるばかりでなく、磁場の乱れなど製品の性能
上にも重大な支障となるため、不良率の原因となり歩留
りの低下を招くことがある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みてなされたものであって、性能に支障を及ぼす欠
陥を発生させることのない信頼性の高い導電体の形成方
法を提供することを目的とするものである。
【0022】また、本発明の他の目的は、このような形
成方法を磁気ヘッドに応用して不良品の発生を抑制し、
歩留りの低下を低減させると共に、品質及び特性面でも
信頼性の高い磁気ヘッドの製造方法を提供することにあ
る。
【0023】本発明における磁気ヘッドとは、複合型の
薄膜磁気ヘッドのみならず、記録用又は再生用の薄膜磁
気ヘッド等をも包含する意味である。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、上述した欠落
部の如き不良品を発生させない効果的な方法を見出し、
本発明に到達したものである。
【0025】即ち、本発明は、支持体上に下地導電膜を
介して所定パターンの導電体を形成するに際し、前記下
地導電膜上に導電体材料層を形成する工程と、前記導電
体材料層と前記下地導電膜とを通して所定パターンの溝
を5〜20μmの幅に形成する工程と、前記溝にマスク
層を充填すると共に、残されるべき前記導電体材料層上
も前記マスク層によって被覆する工程と、前記マスク層
を用いて、このマスク層のない非マスク領域に存在する
前記導電体材料層及び前記下地導電膜を除去する工程と
を行う、導電体の形成方法に係るものである。
【0026】また、本発明は、下層コアと導体コイルと
上層コアとからなる記録ヘッド部と、磁気抵抗効果素子
を有する再生ヘッド部とが一体化された薄膜磁気ヘッド
の製造方法に係るものである。
【0027】これにより、例えばコアカバーを形成する
ための溝幅が大きく形成されるため、コアカバーの材料
であるフォトレジストが溝の全般に充填され、空洞が形
成されることがない。従って、非マスク部のないコアカ
バーによって被覆され、残されるべきめっき層20を正
常に形成することができ、これによって薄膜磁気ヘッド
の上層コアが正常に形成されることになり歩留りも向上
する。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の導電体の形成方法におい
ては、支持体上に下地導電膜を介して所定パターンの導
電体を形成するに際し、前記下地導電膜上に第1のマス
ク材料層を形成する工程と、この第1のマスク材料層を
選択的に加工して5〜20μmの幅の第1のマスク層を
形成する工程と、この第1のマスク層のない非マスク領
域において前記下地導電膜上に導電体材料層を被着する
工程と、前記第1のマスク層を除去し、更にこの除去部
分直下の前記下地導電膜を除去して、前記導電体材料層
と前記下地導電膜とを通して所定パターンの溝を前記第
1のマスク層の幅に対応した幅で形成する工程と、前記
溝に第2のマスク層を充填すると共に、残されるべき前
記導電体材料層上も前記第2のマスク層で被覆する工程
と、前記第2のマスク層を用いて、この第2のマスク層
のない非マスク領域に存在する前記導電体材料層及び前
記下地導電膜を除去する工程とを行うことが望ましい。
【0029】この場合、溝に充填されたマスク層のない
非マスク領域における導電体材料層及び下地導電膜をウ
エットエッチングによって除去することが望ましい。
【0030】また、上記の方法においては、下地導電膜
をスパッタリングによって形成し、マスク層をフォトリ
ソグラフィによって形成し、導電体材料層をめっきによ
って形成し、前記下地導電膜をイオンミリングによって
除去することが望ましい。
【0031】また、マスク層を感光材料のフォトリソグ
ラフィによって形成し、導電体材料層を下地導電膜上に
選択的にめっきした後に、第2のマスク層を除去する工
程を更に行うことが望ましい。
【0032】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
においては、導電体材料層をめっきする際に、この導電
体材料層の面内において所定方向に磁場を作用させるこ
とが望ましい。
【0033】そして、この場合、下層コア上に導体コイ
ルを設け、この導体コイル上に絶縁層を介して下地導電
膜を形成し、この下地導電膜上に導電体としての上層コ
アを形成することが望ましい。
【0034】そして、下層コアと導体コイルと上層コア
とからなる記録ヘッド部と、磁気抵抗効果素子を有する
再生ヘッド部とが一体化された薄膜磁気ヘッドの上層コ
アを形成することが望ましい。
【0035】これにより下層コア上に導体コイルを設
け、この導体コイル上に絶縁層を介して下地導電膜を形
成し、上記した方法によりこの下地導電膜上に導電体と
しての上層コアを形成することにより好適な磁気ヘッド
を製造することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
が以下の実施例に限定されるものでないことは勿論であ
る。
【0037】図1〜図12は、本実施例による導電体の
形成方法による製造工程を示す要部の断面図であるが、
前述した従来例の場合と同様に第2平坦化膜以下の層は
省略して図示する。なお、前述した従来例と共通の部材
については同じ符号を使用する。
【0038】図1は、上層コアを形成するためのレジス
トフレーム形成に係る最初の工程であり、第3平坦化膜
3上の第4平坦化膜8上に、後述するNi−Fe合金め
っき層の下地膜となる例えば膜厚20〜100nmのC
r膜15、例えば膜厚50〜200nmのTi膜16、
例えば膜厚約100nmのNi−Fe合金膜17を、そ
れぞれスパッタ成膜して下地膜を形成する。
【0039】次いで、図2のように、下地膜17上に均
一にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層18を
形成する。
【0040】次いで、図3のように、フォトレジスト層
18の上に露光マスク19(例えば、ネガ型)を掛けて
露光する。これにより、所定幅に形成した非マスク部1
9a直下にフォトレジスト層18が光Lによって露光さ
れる。図3におけるフォトレジスト層18中の破線は露
光部と非露光部との境界を示している。
【0041】次いで、図4(図18のIV−IV線断面図)
のように、露光マスク19を除去して現像処理する。こ
れにより、露光部のフォトレジスト層が残り、レジスト
フレーム18Aが形成される。そして、このレジストフ
レーム18Aの幅W2 は上記した非マスク部の幅に対応
して5〜20μmに形成している。そして、このレジス
トフレーム18Aの幅及びこのレジストフレーム18A
によって形成される後述の溝幅が本実施例の特筆すべき
特徴である。
【0042】次いで、図5のように、レジストフレーム
18A形成後の下地膜17上に、電解めっき法によりN
i−Fe合金めっきによりめっき層20を成膜する。
【0043】次いで、図6のように、有機溶剤を用いて
不要となったレジストフレーム18Aを溶解して除去
し、溝21を形成する。
【0044】更に、図7のように、レジストフレーム1
8Aの除去により形成された溝21直下の下地膜17、
16、15をイオンミリング装置によりエッチングして
除去する。この際、めっき層20の上面も若干エッチン
グされるが特に問題とはならない。これにより、5〜2
0μm幅の溝が完成するが、この幅が後述するコアカバ
ーを正常に形成するための重要な要素であると共に、更
に後述する磁場形成上の特に重要な要素となる。
【0045】次いで、図8のように、上記した溝21を
含めてめっき層20の上に、コアカバー形成のためのフ
ォトレジスト膜22を成膜するが、図示の如く、溝21
全体に充填される。
【0046】次いで、図9のように、フォトレジスト膜
22上に露光マスク23(例えば、ネガ型)を掛け、非
マスク部23aを溝21で囲まれた領域に位置させて露
光する。図9において、Lは露光光を示す。
【0047】次いで、図10のように、露光マスクを除
去後、現像処理によりコアカバー24が形成される。
【0048】次いで、図11のように、上記のコアカバ
ー24をマスクとして、非マスク部のめっき層20及び
下地膜17、16、15をそれぞれ専用のウエットエッ
チング液を用いてウエットエッチングして除去する。
【0049】最後に、コアカバー24を有機溶剤を用い
て溶解除去して図12に示すような正常な上層コア13
が完成する。
【0050】上記の導電体形成方法により薄膜磁気ヘッ
ドを作製する場合には、前記したように、磁気ヘッドの
上層コア13上の磁区の向き(即ち、磁区の着磁方向)
が一定であることが重要である。
【0051】この磁区の向きを一定方向にさせるために
は、上記したレジストフレーム18Aの幅W2 は限度を
超えてはならず、上記の溝の幅にも限界があって、本実
施例における溝幅5〜20μmは上記の磁区の向きを一
定方向に揃える上で必須不可欠であることが、本発明者
の各種の実験の結果、はじめて得られた値である。これ
について、以下に詳述する。
【0052】図13及び図14は、上記した磁区の向き
と溝幅との関係を示す模式図である。
【0053】上記したように磁区の向きを上層コアに生
ぜしめるには、めっき層20の形成時(図5参照)に磁
場をかけて磁区の向きを整えて異方性を持たせてめっき
を行う。
【0054】そして、図13は、5〜20μmの幅に形
成したレジストフレーム18Aとその周辺のめっき層2
0、及びこれらに形成された磁区の向き25を示してい
る。そしてこの場合、磁区の向き25は図示の如く一定
に形成されている。このように、上層コア上の磁区の向
き25が整っていることが、薄膜磁気ヘッドとして良好
な特性の重要な条件である。
【0055】一方、図14は、20μmを超える幅、例
えば25μmに形成したレジストフレーム18Bとその
周辺のめっき層20及び磁区の向き25、25’を示し
ている。しかし、この場合、レジストフレーム18Bの
外にあるめっき層20は連続膜であるためにその磁区の
向き25は一定に整うが、レジストフレーム18Bの中
の磁区の向き25’は、その外とは非磁性材であるレジ
スト18Bによって分断されているために、このレジス
トフレーム18Bを超える漏洩磁束が不均一若しくは弱
くなってしまう。この結果、レジストフレーム18Bの
内にあるめっき層20の異方性が弱くなり、向きが乱れ
ている。この原因はレジストフレーム18Bの幅に依る
ものであり、この幅が20μmを超えるとレジストフレ
ーム内において磁場に乱れが生じることが判明した。
【0056】ところで、図13及び図14において下側
のF面は複合磁気ヘッドの記録ヘッド部のメディア対向
面となる。従って、磁気ヘッドの記録、再生時には、上
層コア13の磁区の向きをメディア対向面Fに対して所
定方向(図13ではメディア対向面Fと平行な方向で表
した)に向いていることが必要である。
【0057】図13の場合はメディア対向面Fに対し所
定方向に磁区の向きが整列しているが、図14の場合は
そうではなく、上層コア13として機能し得なくなるこ
とがある。
【0058】上記した製造工程に示した如く、図13及
び図14のような製造段階以後にレジストフレーム18
A及び18Bの領域外のめっき層や下地膜は除去される
が、レジストフレーム18A及び18Bが溶解除去さ
れ、上層コアとして完成後も磁区の向きは上記の状態の
ままである。従って、図14の如きものは不良品となる
ことがある。
【0059】図15は、上記のように、コアカバー形成
時にフォトレジストが溝内に完全に充填され得る最大限
の溝幅を求めるために、各種の実験を行った結果得られ
たデータを基に、スリット幅(溝幅)と上層コアの形状
性及び磁気異方性の傾向を示すグラフである。
【0060】このグラフにおいて、形状性及び磁気異方
性の評価基準は次のとおりである。 形状性 評 価 評価基準 ×: 溝内へのレジストの充填が不十分で不良品が多く発生する △: 製造のバラツキによって、不良品が発生する ○: ほぼ100%良品となる 磁気異方性 評 価 評価基準 ×: 所定の磁気異方性が得られず、ヘッド特性が悪くなる △: ある程度の異方性を示すが、○印よりヘッド特性が劣る ○: 良い磁気異方性を示し、良いヘッド特性が得られる
【0061】上記の結果から、図15のグラフにおける
幅W2 は5〜20μmが有効な溝幅と言える。なお、磁
気ヘッドの特性を満足し、かつ製造の安定性を考慮する
と、7〜13μmの範囲が好ましい溝幅である。
【0062】上記のように形成した上層コア13を有す
る薄膜磁気ヘッドは、その他の製造工程を経て図17の
ように複合型の磁気ヘッドとして完成する。図17は図
16のXVII−XVII線断面図であるが、図16は、導体コ
イル7を明示するために、図17における導体コイル7
より上部の層を省略して示したものである。
【0063】図17に示すように、本実施例の薄膜磁気
ヘッドは、例えばガラス基板1上に例えばFe−Niの
混合物からなる下層シールドコア2及び例えばアルミナ
からなる非磁性再生ギャップ材3が積層され、メディア
対向面Fに臨むように設けた再生ヘッド部28を構成す
るNi−Fe系等のMR膜14がスパッタ成膜され、こ
の上に中間コア11、Tiからなる記録ギャップ材1
2、第2平坦化膜5、導体コイル7、第3平坦化膜6、
第4平坦化膜8、Fe−Ni合金からなる共通コアとな
る上層コア13をこの順に、積層したものである。
【0064】図17において、MR膜14上の中間コア
11との間には、例えばSiO2 からなる絶縁層、Cu
からなるリード電極やバイアス媒体及びSiO2 からな
る絶縁層の積層体が形成されているが細部については図
示省略してある。
【0065】このように構成することにより、磁気記録
媒体の記録トラックに対向する対向面Fにおいて、上記
した中間コア11を境に下側の再生ヘッド28と上側の
記録ヘッド29とが一体化された複合型の薄膜磁気ヘッ
ド30を形成している。
【0066】そして、再生ヘッド28においては、セン
ス電流がトラック幅方向と直交する方向に流れる、いわ
ゆる縦型のMRヘッドとして、その長手方向が磁気記録
媒体との対向面(磁気記録媒体摺動面)に対して垂直に
なり、かつその一方の端面が対向面に露出する状態にな
っている。
【0067】上記コアの材質としては、軟磁性を示すも
のであれば、従来公知の材料が使用可能であるが、特
に、Ni−Fe系合金から構成されるのがよい。
【0068】また、上記したような各膜の成膜方法とし
ては、従来公知のものがいずれも使用可能である。例え
ば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等が挙げられるが、合金膜を成膜する場合には、
この合金の組成比に等しいターゲットを使用したスパッ
タリング法によって成膜することが好ましい。このスパ
ッタリング法としては、RFマグネトロン方式、DCマ
グネトロン方式、対向ターゲット方式等が有効である。
【0069】本実施例によれば、レジストフレーム18
Aの幅が5〜20μmに形成されているので、これに対
応してコアカバー24形成用の溝21の幅が形成され
る。従って、コアカバー24を形成時にフォトレジスト
が溝21の中へ満遍なく充填されるので、残されるべき
めっき層20及び下地膜17、16、15を確実に被覆
することができる。
【0070】従って、その後のウエットエッチング工程
においても、被覆された部分の残されるべき各層がウエ
ットエッチング液によって侵食されることがなく正常に
形成されるので、良好な製品が得られ、歩留りが向上す
る。
【0071】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
した実施例は本発明の技術的思想に基づいて種々変形が
可能である。
【0072】例えば、上述の実施例における使用材料や
構成は種々であってよく、また、製造工程やエッチング
方法及び成膜方法も上述した実施例で述べたものに限定
されず、種々採用することができる。
【0073】また、レジストフレーム形成の際のレジス
トは、ポジ型、ネガ型のいずれでもよい。下地導電膜や
めっき層の材質や層構成についても変更してよい。
【0074】また、コアカバー形成の際のレジスト材料
は、例えば、下地膜及びめっき層に接する部分に低粘度
の材料を用い、その上に高粘度の材料を用いて所定の膜
厚に成膜することもできる。これにより、濡れ性の良い
低粘度のレジスト材料によって、狭い幅の溝の中の全般
に亘ってレジスト材料が十分に充填されると共に、溝部
の平坦性も高められ、またその上の高粘度のレジスト材
料の塗布性も向上する。従って、これの露光には露光時
間の調整により対応することができる。
【0075】なお、本発明は、上述した実施例の複合型
薄膜磁気ヘッド以外の複合型薄膜磁気ヘッド、例えばG
MRヘッド(巨大磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッ
ド)又はスピンバルブ膜を有するスピンバルブ型ヘッド
を組み込んだヘッドや、種類の異なるインダクティブヘ
ッドの複合体にも適用することが可能である。
【0076】また、上述の実施例の如きフレームめっき
による薄膜磁気ヘッド以外に、上述した実施例と同様の
工程を適用すれば、例えば半導体デバイスの配線等の導
電体の作製にも適用が可能である。
【0077】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、下地導電膜
上に導電体材料層を形成し、この導電体材料層と下地導
電膜とを通して所定パターンの溝を5〜20μmの幅に
形成し、この溝にマスク層を充填すると共に、残される
べき導電体材料層上もこのマスク層によって被覆するの
で、マスク層を溝の中の全般に十分に充填でき、残され
るべき導電体材料層及び下地導電膜を十分に被覆するこ
とができる。また、上記のマスク層を用いて、このマス
ク層のない非マスク領域に存在する導電体材料層及び下
地導電体膜を除去するので、残されるべき導電体材料層
及び下地導電膜を十分に保護することができる。
【0078】従って、例えば、これを磁気ヘッドの上層
コア形成に応用すれば、ウエットエッチング液による侵
食のない正常な形状の導電体が形成され、歩留りの向上
と共に磁気ヘッドの品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による導電体の形成方法を示す
製造工程における要部の概略断面図である。
【図2】同、他の一工程における要部の概略断面図であ
る。
【図3】同、他の一工程における要部の概略断面図であ
る。
【図4】同、他の一工程における要部の概略断面図(図
18のIV−IV線断面相当)である。
【図5】同、他の一工程における要部の概略断面図であ
る。
【図6】同、他の一工程における要部の概略断面図であ
る。
【図7】同、他の一工程における要部の概略断面図であ
る。
【図8】同、他の一工程における要部の概略断面図であ
る。
【図9】同、他の一工程における要部の概略断面図であ
る。
【図10】同、他の一工程における要部の概略断面図で
ある。
【図11】同、他の一工程における要部の概略断面図で
ある。
【図12】同、更に他の一工程における要部の概略断面
図である。
【図13】レジストフレームの幅(20μm以内)と磁
区の向きを示す模式図である。
【図14】レジストフレームの幅(20μm以上)と磁
区の向きを示す模式図である。
【図15】スリット幅と上層コア及び磁気異方性の傾向
を示すグラフである。
【図16】薄膜磁気ヘッドの一部を省略した平面図であ
る。
【図17】複合型薄膜磁気ヘッドの断面図(図16のXV
II−XVII線断面相当)である。
【図18】レジストフレームの平面図(図4の平面図に
相当)である。
【図19】従来例による導電体の製造工程における要部
の概略断面図(図18の XIX−XIX 線断面に相当)であ
る。
【図20】同、他の一工程における要部の概略断面図で
ある。
【図21】同、他の一工程における要部の概略断面図で
ある。
【図22】同、他の一工程における要部の概略断面図で
ある。
【図23】同、他の一工程における要部の概略断面図で
ある。
【図24】同、他の一工程における要部の概略断面図で
ある。
【図25】同、他の一工程における要部の概略断面図で
ある。
【図26】同、更に他の一工程における要部の概略断面
図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…下層シールドコア、3…非磁性
層、4…第1平坦化膜、5…第2平坦化膜、6…第3平
坦化膜、7…導体コイル、8…第4平坦化膜、9…端子
リード線、10…コイルリード線、11…中間コア、1
2…記録ギャップ材、13…上層コア、14…MR膜、
15…Cr下地膜、16…Ti下地膜、17…Ni−F
e合金下地膜、18…フォトレジスト層、18A、18
B…レジストフレーム、19、23…マスク、19a、
23a…非マスク部、20…Ni−Fe合金めっき層、
21…溝、22…フォトレジスト膜、24…コアカバ
ー、25…磁区の向き、26…形状性、27…磁気異方
性、28…再生ヘッド、29…記録ヘッド、30…複合
型薄膜磁気ヘッド、31…空洞、32…侵食、33…欠
落部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に下地導電膜を介して所定パタ
    ーンの導電体を形成するに際し、 前記下地導電膜上に導電体材料層を形成する工程と、 前記導電体材料層と前記下地導電膜とを通して所定パタ
    ーンの溝を5〜20μmの幅に形成する工程と、 前記溝にマスク層を充填すると共に、残されるべき前記
    導電体材料層上も前記マスク層によって被覆する工程
    と、 前記マスク層を用いて、このマスク層のない非マスク領
    域に存在する前記導電体材料層及び前記下地導電膜を除
    去する工程とを行う、導電体の形成方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に下地導電膜を介して所定パタ
    ーンの導電体を形成するに際し、 前記下地導電膜上に第1のマスク材料層を形成する工程
    と、 この第1のマスク材料層を選択的に加工して5〜20μ
    mの幅の第1のマスク層を形成する工程と、 この第1のマスク層のない非マスク領域において前記下
    地導電膜上に導電体材料層を被着する工程と、 前記第1のマスク層を除去し、更にこの除去部分直下の
    前記下地導電膜を除去して、前記導電体材料層と前記下
    地導電膜とを通して所定パターンの溝を前記第1のマス
    ク層の幅に対応した幅で形成する工程と、 前記溝に第2のマスク層を充填すると共に、残されるべ
    き前記導電体材料層上も前記第2のマスク層で被覆する
    工程と、 前記第2のマスク層を用いて、この第2のマスク層のな
    い非マスク領域に存在する前記導電体材料層及び前記下
    地導電膜を除去する工程とを行う、請求項1に記載した
    形成方法。
  3. 【請求項3】 溝に充填されたマスク層のない非マスク
    領域における導電体材料層及び下地導電膜をウエットエ
    ッチングによって除去する、請求項1に記載した形成方
    法。
  4. 【請求項4】 下地導電膜をスパッタリングによって形
    成し、マスク層をフォトリソグラフィによって形成し、
    導電体材料層をめっきによって形成し、前記下地導電膜
    をイオンミリングによって除去する、請求項3に記載し
    た形成方法。
  5. 【請求項5】 マスク層を感光材料のフォトリソグラフ
    ィによって形成し、導電体材料層を下地導電膜上に選択
    的にめっきする、請求項4に記載した形成方法。
  6. 【請求項6】 第2のマスク層を除去する工程を更に行
    う、請求項1に記載した形成方法。
  7. 【請求項7】 導電体材料層をめっきする際に、この導
    電体材料層の面内において所定方向に磁場を作用させ
    る、請求項1に記載した形成方法。
  8. 【請求項8】 下層コア上に導体コイルを設け、この導
    体コイル上に絶縁層を介して下地導電膜を形成し、この
    下地導電膜上に導電体としての上層コアを形成する、請
    求項1に記載した形成方法。
  9. 【請求項9】 下層コアと導体コイルと上層コアとから
    なる記録ヘッド部と、磁気抵抗効果素子を有する再生ヘ
    ッド部とが一体化された薄膜磁気ヘッドの前記上層コア
    を形成する、請求項8に記載した形成方法。
  10. 【請求項10】 下層コア上に導体コイルを設け、この
    導体コイル上に絶縁層を介して下地導電膜を形成し、こ
    の下地導電膜上に請求項1〜8のいずれか1項に記載し
    た方法によって導電体としての上層コアを形成する、磁
    気ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 下層コアと導体コイルと上層コアとか
    らなる記録ヘッド部と、磁気抵抗効果素子を有する再生
    ヘッド部とが一体化された薄膜磁気ヘッドを製造する、
    請求項10に記載した方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7468864B2 (en) 2004-07-01 2008-12-23 Headway Technologies, Inc. Magnetic head for perpendicular magnetic recording and method of manufacturing same
US7516538B2 (en) 2004-09-20 2009-04-14 Headway Technologies, Inc. Method of manufacturing a magnetic head for perpendicular magnetic recording

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