JPH10195773A - スプレー型衣料用仕上剤組成物 - Google Patents

スプレー型衣料用仕上剤組成物

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JPH10195773A
JPH10195773A JP34739596A JP34739596A JPH10195773A JP H10195773 A JPH10195773 A JP H10195773A JP 34739596 A JP34739596 A JP 34739596A JP 34739596 A JP34739596 A JP 34739596A JP H10195773 A JPH10195773 A JP H10195773A
Authority
JP
Japan
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monomer
polymer
acid
salt
molecule
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Pending
Application number
JP34739596A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Hasegawa
美貴 長谷川
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
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Publication of JPH10195773A publication Critical patent/JPH10195773A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプレー噴霧やアイロン処理により刺激臭や
異臭が発生しないスプレー型の衣料用仕上剤組成物を提
供する。 【解決手段】 分子内に二重結合を1つ以上有し、且つ
親水性の官能基を有するモノマーから得られる(共)重
合物であって、当該モノマーの残留濃度が当該(共)重
合物中1000ppm 以下である(共)重合物と、分子中の非
共役系不飽和結合の数が1以下である香料化合物を含む
香料成分とを含有するスプレー型衣料用仕上剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衣料用仕上剤組成
物、特にスプレーで衣料に噴霧し、アイロンで乾燥して
仕上げるスプレー型の衣料用仕上剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスプレー型衣料用仕上剤は、主に
糊剤として使用され、主成分は化工澱粉であることが多
かった。しかし、化工澱粉はアイロンに付着し、焦げて
黄変し、衣類を汚してしまうことがしばしばあった。そ
こで、化工澱粉にかわり、耐熱性の高い、アイロンの表
面温度である 200℃付近では熱分解しない合成系のポリ
マーを使用することがある。
【0003】合成系のポリマーは、マレイン酸もしくは
その無水物、アクリル酸、メタクリル酸等の各種モノマ
ーから合成されるが、スプレー型衣料用仕上剤組成物に
は親水性の官能基を有するモノマーの(共)重合物が好
ましく使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、合成系
のポリマーを用いた衣料用仕上剤組成物をスプレー噴霧
しアイロン処理をすると残存モノマーに由来すると考え
られる刺激臭・異臭が発生し、作業者に不快感を与える
ことがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、衣料用仕上剤組成物に配合する合成系のポリマー
中の残存モノマー濃度を1000ppm 以下、好ましくは800p
pm以下、さらに好ましくは500ppm以下とし、また香料成
分として分子中に非共役系不飽和結合の数が1以下であ
る香料化合物を配合することにより、スプレー噴霧、ア
イロン処理された場合でもモノマーの刺激臭・異臭が抑
制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、分子内に二重結合を1
つ以上有し、且つ親水性の官能基を有するモノマーから
得られる(共)重合物であって、当該モノマーの残留濃
度が当該(共)重合物中1000ppm 以下である(共)重合
物と、分子中の非共役系不飽和結合の数が1以下である
香料化合物の一種以上を含む香料成分とを含有すること
を特徴とするスプレー型衣料用仕上剤組成物を提供する
ものである。以下、本発明の衣料用仕上剤組成物の各成
分について説明する。
【0007】〔(共)重合物〕本発明において用いられ
る(共)重合体は、衣料に好ましい張りや手触りを付与
するための仕上処理の基剤となるものであり、分子内に
二重結合を1つ以上有し、且つ親水性の官能基を有する
モノマーから得られる。具体的には下記に示される各種
ポリマー又はコポリマーが挙げられる。
【0008】<ポリマー(I) >少なくともビニル基及び
/又は芳香族環を有する1種又は2種以上のモノマーを
重合して得られ、且つスルホン酸基を含有するポリマー
もしくはその塩このポリマー(I) は、例えば以下の
(イ)、(ロ)の方法等によりホモポリマー又はコポリ
マーとして得られる。
【0009】(イ)ビニル基及び/又は芳香族環を有
し、且つスルホン酸基を有するモノマー(A) を重合する
か、又は該モノマー(A) と共重合可能な他のモノマー
(B) とを共重合する。
【0010】(ロ)ビニル基及び/又は芳香族環を有
し、スルホン酸基を有しない少なくとも1種又は2種以
上のモノマー(A')を重合した後スルホン化するか、又は
該モノマー(A')と共重合可能な他のモノマー(C) とを共
重合した後スルホン化する。
【0011】上記方法(イ)において使用されるモノマ
ー(A) としては、例えばスチレンスルホン酸、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルス
ルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ス
ルホプロピルメタクリレート、α−メチルスチレンスル
ホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、ビニルナフタレン
スルホン酸、インデンスルホン酸等、及びこれらの塩が
挙げられる。
【0012】また、モノマー(B) としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒド
ロキシエチルアクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル
酸、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン、
ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、n−
ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−
1−ブテン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、ビニルナフタレン、インデン、ブタジエン、シ
クロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等が挙げられ
る。これらの中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル酸、
ヒドロキシエチルメタクリル酸等の水溶性モノマー及び
これらのモノマーの塩が好ましい。特にアクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸及びそれらの塩とスチレンが好
ましい。
【0013】(イ)の方法においてポリマー(I) をコポ
リマーとして得る場合には、スルホン酸基を有している
上記モノマー(A) の割合は、重合に供する全モノマー中
の 30mol%以上、好ましくは 50mol%以上配合される。
【0014】上記モノマー(A) と(B) とを組合せてポリ
マー(I) (コポリマー)を得る場合には、上記(A) 及び
(B) 中、特にスチレンスルホン酸とアクリル酸ナトリウ
ム、スチレンスルホン酸とスチレンの組合せが好まし
い。
【0015】一方(ロ)の方法により、ポリマー(I) を
コポリマーとして得る場合には、スルホン酸基を有しな
い上記モノマー(A')は、重合に供する全モノマー中の60
〜100 モル%、特に85〜100 モル%の配合量とすること
が好ましい。
【0016】上記(ロ)の方法に於いて使用するモノマ
ー(A')としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、ビニルナフタレン、インデン等が挙げら
れ、これらの1種又は2種以上を重合することができ
る。これらの中でも特にスチレンが好ましい。
【0017】また(ロ)の方法においては、モノマー
(A')の1種又は2種以上と、該モノマー(A') と共重合
し得る他のモノマー(C) とを重合することもできる。こ
の場合、モノマー(C) としては、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒドロキ
シエチルアクリル酸、エチレン、ヒドロキシエチルメタ
クリル酸、プロピレン、ブテン、ペンテン、イソプレ
ン、2−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチ
ル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ブタジ
エン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等が
挙げられる。
【0018】上記(ロ)の方法では、例えばポリスチレ
ン、スチレン・エチレンコポリマー、スチレン・ジイソ
ブチレンコポリマー、スチレン・ジシクロペンタジエン
コポリマー、スチレン・ビニルトルエン・α−メチルス
チレン・インデンコポリマーのようなポリマー(就中ポ
リスチレンが最も好ましい。)を得た後、得られたポリ
マーを更にスルホン化する。スルホン化は、無水硫酸、
クロルスルホン酸、無水硫酸・ルイス塩基錯体等のスル
ホン化剤を用い、任意のスルホン化方法を適用すること
により行うことができる。
【0019】スルホン化に際して、ポリマー(I) のスル
ホン化率(ビニル基及び/又は芳香族環を有するモノマ
ーに起因する骨格1個に対して、スルホン酸基が1個つ
いている場合をスルホン化率 100%とする。)は、一層
水溶性を向上させて、洗濯の際に容易に除去可能とする
ことに鑑みれば60%以上とすることが好ましく、更に好
ましくは85%以上である。
【0020】このようにして得られたスルホン酸基を含
有するポリマー(I) は、そのまま本発明組成物中に含有
することができるが、更に塩として用いることもでき
る。このような塩としては、1価の塩としてリチウム、
ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩、又はモノ、ジあるいはトリエタノールアミン、モ
ルホリン、エチルアミン、ブチルアミン等の有機アミン
塩が挙げられ、2価の塩としてカルシウム、マグネシウ
ム、バリウム等のアルカリ土類金属塩、エチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン等の有機アミン塩があり、
3価の塩としてはアルミニウム塩、ジエチレントリアミ
ン等の有機アミン塩、又はポリエチレンイミン等の多価
有機アミン等が挙げられる。塩としては特にナトリウム
塩が好ましい。
【0021】本発明組成物に使用されるポリマー(I) の
分子量は、一層衣料の風合いを向上させる為に1000以上
であることが望ましく、また粘度を適度なものとして、
より使用勝手の良いものとするためには 600万以下であ
ることが望ましい。かかる観点から、該ポリマー(I) の
分子量は1000〜600 万が好ましく、更に好ましくは5000
〜100 万、特に好ましくは1万〜50万である。
【0022】<ポリマー(II)>アクリル酸もしくはメ
タクリル酸のホモポリマー及び/又はアクリル酸もしく
はメタクリル酸と他のビニル系モノマーの1種又は2種
以上とのコポリマー並びにこれらの塩 本発明の組成物に用いられるポリマー(II)は、アクリ
ル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマー及び/又はア
クリル酸もしくはメタクリル酸と他のビニル系モノマー
の1種又は2種以上とのコポリマー並びにこれらの塩で
ある。その他のビニル系モノマーとしては、<ポリマー
(I) >でモノマー(B) として例示したものと同じモノマ
ーが使用できる。ポリマー(II)の分子量は 100〜100
万、好ましくは 500〜50万、特に好ましくは1000〜10万
である。
【0023】<ポリマー(III)>アクリル酸及び/又は
メタクリル酸とそれらのアルキルエステルの1種又は2
種以上とを重合して得られるコポリマー又はその塩 本発明の組成物に用いられるポリマー(III) は、アクリ
ル酸及び/又はメタクリル酸とそれらのアルキルエステ
ルの1種又は2種以上とを重合して得られるコポリマー
又はその塩であり、アルキルエステルのアルキル基の炭
素数は1〜20、好ましくは2〜18である。ポリマー(II
I) の分子量は、100 〜100 万、好ましくは 500〜50
万、特に好ましくは1000〜10万である。
【0024】<ポリマー(IV)>N−ビニル−2−ピロ
リドンモノマー(以下、モノマー(A) という)の重合
物。
【0025】ポリマー(IV)はモノマー(A) の重合物であ
り、その重量平均分子量は、1,000〜6,000,000 が好ま
しく、更に好ましくは 2,000〜1,000,000 である。ポリ
マー(IV)の分子量が 1,000より小さい場合、糊剤処理
された衣料において、十分な張り性能が得られず、又、
6,000,000 より大きい場合には、得られる糊剤をスプレ
ーする際、スプレー性(スプレーした場合の霧の状態)
が良好でなく、その結果、糊剤が被処理体である衣料に
むら付きする等の現象が生じる為、好ましくない。
【0026】モノマー(A) の重合物として、例えばアイ
エスピー・ジャパン(株)のPVP Kホモポリマーシリー
ズ PVPK-15, K-30, K-60, K-90(いずれも商標)等が挙
げられる。これらの化学構造は例えば次のようなもので
ある。
【0027】
【化1】
【0028】<ポリマー(V)>前記モノマー(A) と、モ
ノマー(A) と共重合し得るモノマー(A) 以外のビニル系
モノマー(以下、モノマー(B) という)の少なくとも1
種との共重合物又はその塩(但し、共重合物又はその塩
のモノマー組成において、モノマー(A) のモル分率は30
%以上である)。
【0029】本発明においては、モノマー(A) とモノマ
ー(B) の共重合物又はその塩(ポリマー(V) )も使用し
得る。この場合、このポリマー(V) の分子量の好ましい
範囲及び好ましい理由については<ポリマー(IV)>の
説明において述べた通りである。
【0030】モノマー(B) として使用し得るモノマーと
しては水溶性ビニルモノマー、水不溶性ビニルモノマー
又は両者の混合モノマーが挙げられる。
【0031】ここで水溶性ビニルモノマーとしては、具
体的には下記 (a)〜(k) からなるモノマー群より選ばれ
る少なくとも一種が使用される。
【0032】(a) アクリル酸及びその塩 (b) メタクリル酸及びその塩 (c) マレイン酸及びその塩 (d) 無水マレイン酸 (e) 2−ヒドロキシエチルアクリル酸及びその塩 (f) 2−ヒドロキシエチルメタクリル酸及びその塩 (g) 2−ヒドロキシプロピルアクリル酸及びその塩 (h) 2−ヒドロキシプロピルメタクリル酸及びその塩 (i) アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N −ジアル
キルアクリルアミド及びN,N −ジアルキルメタクリルア
ミド(アルキル基;炭素数1〜4のアルキル基) (j) 一般式(i) で表されるモノマー、並びにその酸塩及
びその第4級アンモニウム塩
【0033】
【化2】
【0034】〔式中、 R :水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。 R1,R2:同一又は異なって水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピ
ル基を示す。 x :1〜5の数を示す。〕 (k) 一般式(ii)で表されるモノマー、並びにその酸塩
及びその第4級アンモニウム塩
【0035】
【化3】
【0036】〔式中、 R ,R1,R2:前記の意味を示す。 y :1〜5の数を示す。〕 この場合において一般式(i) で表されるモノマーの具体
例として、N,N −ジメチルアミノプロピルアクリル酸
(またはメタクリル酸)アミド、N,N −ジメチルアミノ
メチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N
−ジメチルアミノエチルアクリル酸(またはメタクリル
酸)アミド、N,N −ジメチルアミノブチルアクリル酸
(またはメタクリル酸)アミド等が挙げられる。
【0037】一般式(i) で表されるモノマーを酸塩で使
用する場合、例えばHCl 、H2SO4 、H3PO4 等の無機酸
塩、又はp−トルエンスルホン酸塩、グリコール酸、ク
エン酸、コハク酸等の有機酸塩が使用され、又、第4級
アンモニウム塩として使用する場合、一般式(i) で表さ
れるモノマーを従来公知の方法でCH3Cl 、(CH3)2SO4
のアルキル化剤にて、第4級アンモニウム塩化したもの
が使用される。
【0038】一般式(ii)で表されるモノマーの例とし
て、アクリル酸−N,N −ジメチルアミノエチル、アクリ
ル酸−N,N −ジメチルアミノメチル、アクリル酸−N,N
−ジメチルアミノブチル、アクリル酸−N,N −ジメチル
アミノプロピル、メタクリル酸−N,N −ジメチルアミノ
エチル、メタクリル酸−N,N −ジメチルアミノメチル、
メタクリル酸−N,N −ジメチルアミノブチル、メタクリ
ル酸−N,N −ジメチルアミノプロピル、アクリル酸−N,
N −ジエチルアミノエチル、アクリル酸−N,N−ジエ
チルアミノメチル、アクリル酸−N,N −ジエチルア
ミノブチル、アクリル酸−N,N −ジエチルアミノプロピ
ル、メタクリル酸−N,N −ジエチルアミノエチル、メタ
クリル酸−N,N −ジエチルアミノメチル、メタクリル酸
−N,N −ジエチルアミノブチル、メタクリル酸−N,N −
ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。
【0039】更に、一般式(ii)で表されるモノマー
は、一般式(i) で表されるモノマーの場合と同様に酸塩
又は第4級アンモニウム塩として使用し得る。
【0040】また、モノマー(B) における水不溶性モノ
マーとしては、例えば、酢酸ビニル、N−ビニル−2−
カプロラクタム、エチレン、プロピレン、n−ブチレ
ン、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン、2−メ
チル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、2−エチル−1−ブテン等が挙げられる。こ
の中で、特に酢酸ビニル、N−ビニル−2−カプロラク
タムが好ましい。
【0041】上記のような2種のモノマーからなるポリ
マー(V) のモノマー組成において、モノマー(A) のモル
分率は30%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましく
は50%以上である。ポリマー(V) のモノマー組成におい
てモノマー(A) のモル分率が30%未満の共重合物又はそ
の塩の場合、良好な水への溶解性が達成されず、結果と
して糊剤組成物において本発明の目的を達成することが
出来ない。
【0042】モノマー(B) としては、水溶性ビニルモノ
マー、水不溶性ビニルモノマー又は両者の混合モノマー
が使用されるが、水溶性ビニルモノマーを使用する方
が、共重合物又はその塩の水に対する良好な溶解性を達
成する為好ましい。
【0043】本発明の仕上剤の主成分であるポリマー
(V) は、モノマー(A) とモノマー(B)の共重合物の塩を
用いることができる。
【0044】このような塩としては、1価の塩としてリ
チウム、ナトリウム、カリウム等の金属塩、アンモニウ
ム塩、又はモノ、ジあるいはトリエタノールアミン、モ
ルホリン、エチルアミン、ブチルアミン等の有機アミン
塩が挙げられ、2価の塩としてカルシウム、マグネシウ
ム、バリウム等のアルカリ土類金属塩、エチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン等の有機アミン塩があり、
3価の塩としてはアルミニウム塩、ジエチレントリアミ
ン等の有機アミン塩、又はポリエチレンイミン等の多価
有機アミン等が挙げられる。塩としては共重合物塩の水
に対する溶解性及び製造経済上の観点より特にナトリウ
ム塩が好ましい。
【0045】モノマー(A) とモノマー(B) の共重合物
は、常圧下又は加圧下での従来公知のラジカル重合等に
より得ることができる。重合溶媒としてアセトン等が、
又重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル等が
使用できる。重合温度及び時間は、使用する重合溶媒や
モノマーの組み合わせによって異なるが、一般的には40
〜90℃で5〜20時間が適当である。
【0046】また本発明で使用されるポリマー(V) は市
販品として入手することも出来、例えばアイエスピー・
ジャパン(株)の PVP/VA コポリマーシリーズ PVP/VA7
35(いずれも商標)等が挙げられ、化学構造は例えば次
のようなものである。
【0047】
【化4】
【0048】また、同社のコポリマーシリーズ Copolym
er 845, Copolymer 937, Copolymer958(いずれも商
標)等が挙げられ、化学構造は例えば次の様である。
【0049】
【化5】
【0050】さらにGAFQUAT 734, GAFQUAT 755N (いず
れもアイエスピー・ジャパン(株)製、商標)等も挙げ
られ、化学構造は例えば次の様である。
【0051】
【化6】
【0052】又、次のものも例示される(いずれもアイ
エスピー・ジャパン(株)製、商標)。
【0053】
【化7】
【0054】上記した本発明の(共)重合体は、分子内
に二重結合を1つ以上有し、且つ親水性の官能基を有す
るモノマーから得られるものであるが、本発明では原料
モノマーの残留濃度がポリマー中1000ppm 以下、好まし
くは800ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下のものが
使用される。ポリマー中のモノマー濃度を低減する方法
としては、揮発性の差を利用する蒸留法や、適当な溶媒
を選択し、溶解させて分離する溶媒抽出法や、活性炭、
滑石などの多孔性物質の吸着特性を利用し、分子ふるい
として使用する吸着法や、多孔質のフィルターを通過さ
せることにより、液体又は気体からその中に含まれる固
体を分離するろ過法などが挙げられる。合成系ポリマー
中に残存するモノマーは、一般に刺激臭・異臭を有し、
これを含むポリマーを配合した衣料用仕上剤組成物をス
プレーし、更にアイロン等により熱を加えられることに
より、その匂いは増幅され、作業者に与える不快感も増
す。本発明では残留モノマー量を低減させた合成ポリマ
ーを用いるため、匂いの抑制が達成される。
【0055】本発明において、上記の如き特定の(共)
重合物は、組成物中に0.01〜20重量%、好ましくは0.1
〜10重量%配合される。
【0056】〔香料成分〕本発明に用いられる香料成分
は、分子中の非共役系不飽和結合の数が1以下である香
料化合物の一種以上を含む。具体的な香料化合物を下記
に示す。
【0057】本発明に用いられる不飽和結合の数が1以
下の香料化合物としては、ベンジルアセテート、3,7 −
ジメチルオクタノール、2−フェニルエタノール、4−
t−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−t−ブチル
シクロヘキシルアセテート、2−メチル−3−(p−イ
ソプロピルフェニル)プロピオンアルデヒド、p−t−
ブチル−α−メチルハイドロシンナミックアルデヒド、
オクチルアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、1−ノナ
ノール、1,3,3 −トリメチル−2−ノルボナノール、p
−メチル−イソ−プロピルベンゼン、5−メチル−2−
イソプロピルシクロヘキサノール、1,3,4,6,7,8 −ヘキ
サハイドロ−4,6,6,7,8,8 −ヘキサメチルシクロペンタ
−γ−2−ベンゾピラン、7−アセチル−1,1,3,4,4,6
−ヘキサメチルテトラハイドロナフタレン、エチレンウ
ンデカンジカルボキシレート、2,6 −ジニトロ−3,5 −
ジメチル−4−アセチル−t−ブチルベンゼン、セドロ
ール、2,6 −ジメチルオクタン−1−オール、フェニル
エチルフェニルアセテート、3−(イソカンフィル−
5)−シクロヘキサン−1−オール、α−メチル−3,4
−メチレン−ジオキシハイドロシンナミックアルデヒ
ド、ベンジルベンゼンカルボキシレート、1,7,7 −トリ
メチルビシクロ−(2,2,1) −2−ヘプタノン、1,7,7 −
トリメチルビシクロ−1,2,2 −ヘプタノール−2、メチ
ルサリシレート、ジフェニルエーテル、2−メチルウン
デカナール、メチルフェニルアセテート、エチルブチレ
ート、メチル−2−アミノベンゾエート、ウンデシルラ
クトン、シクロペンタデカノリッドでありこれらの化合
物は、分子内の不飽和結合数0の香料化合物である。
【0058】又、2−イソプロペニル−5−メチル−5
−ビニルテトラハイドロフラン、ヘキシルシンナミック
アルデヒド、シス−3−ヘキサノール、メチル−(2−
アミル−3−オキソシクロペンチル)アセテート、ベン
ゾピロール、2−メトキシ−4−アリルフェノール、3,
7 −ジメチル−6−オクテン−1−オール、3,7 −ジメ
チル−6−オクテン−1−イルアセテート、1−メチル
−4−イソプロピル−シクロヘキセン−8−オール、1,
2 −ベンゾピロン、9−デセン−1−オール、シス−2
−(2’−メチル−1’−プロペニル)−4−メチルテ
トラハイドロピラン、1−ブロモ−2−フェニルエチレ
ン、4−(4−メチル−4−ヒドロキシアミル)−3−
シクロヘキセンカルボキシアルデヒド等であり、これら
の化合物は、分子内の不飽和結合数1の香料化合物であ
る。本発明では、上記香料化合物を単独で又は2種以上
組み合せて用いることができる。ここに記載した香料の
化学名及び慣用名は、Steffen Arctander, Perfume and
Flavor Chemicals,(AromaChemicals), Montclair, N.
J. (1969)に記載されている名称に従って記述した。
又、本発明でいう不飽和結合を有する化合物とは、有機
化合物のうち炭素原子間の結合に二重結合(エチレン結
合)あるいは三重結合(アセチレン結合)を有する鎖式
不飽和化合物、及び環内あるいは側鎖にこれらの結合を
有する環式不飽和化合物をいう。従って、本発明には芳
香族化合物のような(4n+2)π電子系を構成する共
役二重結合や C=O、C=N 、及びN=O 等の結合は不飽和結
合には含まれない。
【0059】本発明では上記不飽和結合の数が1以下の
香料化合物以外にも不飽和結合の数が2以上の香料化合
物を用いて調合香料を調整することも出来る。但し、こ
の場合には、調合香料の少なくとも60%以上、好ましく
は70%以上が不飽和結合の数が1以下の香料化合物とす
る必要がある。不飽和結合の数が1以下の香料化合物が
60%未満では、充分な匂いの抑制効果が得られないから
である。香料化合物の配合量は、匂いの抑制効果から、
0.005〜2%、好ましくは、0.01〜0.5 %程度とするの
が効果的である。尚、香料化合物は低級アルコールやヘ
キシレングリコール(2−メチル−2,4 −ペンタンジオ
ール)のようなポリオール類に代表される溶剤類に溶解
された形態で調製して使用される場合もある。
【0060】
【発明の実施の形態】本発明のスプレー型衣料用仕上剤
組成物は、上記特定の(共)重合体及び香料成分を含有
する組成物を、適当なスプレー容器に充填してなる。ス
プレー容器としては、トリガー式、ポンプ式、エアゾー
ル式等の何れでもよい。エアゾール式とする場合、耐圧
罐等の容器に噴射剤と共に充填し製品とする。噴射剤と
しては、液化プロパン、液化ブタン及びこれらの混合
物、或いはジメチルエーテル等が使用できる。また、い
ずれの場合も、容器に充填する衣料用仕上剤組成物に
は、上記必須成分以外の成分を添加してもよい。例え
ば、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、酒石酸等の有機
酸、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリプロピ
レングリコール等のアイロン付着防止剤、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール等の低級アルコール、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル等の浸透剤、その他の蛍
光染料、殺菌剤、エアゾールとして使用する場合は罐腐
食防止剤等を添加できる。また、衣料用仕上剤組成物の
残部は、通常、水である。
【0061】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0062】実施例1 表1〜3に示す香料化合物及びポリマーから衣料用仕上
剤組成物を調製した。残部は水である。この衣料用仕上
剤組成物を手動式スプレーヤーに充填し、噴霧した際の
匂いの評価を5人のパネラーによって官能評価を行っ
た。その評価基準は以下の通りである。その結果を表1
〜3に示す。 強い刺激臭・異臭がある −2 刺激臭・異臭がある −1 やや刺激臭・異臭がある 0 ほとんど刺激臭・異臭がない 1 刺激臭・異臭がない 2
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に二重結合を1つ以上有し、且つ
    親水性の官能基を有するモノマーから得られる(共)重
    合物であって、当該モノマーの残留濃度が当該(共)重
    合物中1000ppm 以下である(共)重合物と、分子中の非
    共役系不飽和結合の数が1以下である香料化合物の一種
    以上を含む香料成分とを含有することを特徴とするスプ
    レー型衣料用仕上剤組成物。
  2. 【請求項2】 香料成分の少なくとも60重量%が、分子
    中の非共役系不飽和結合の数が1以下の香料化合物であ
    る請求項1記載のスプレー型衣料用仕上剤組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001234474A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Kao Corp スプレー用繊維製品処理剤

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JP2001234474A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Kao Corp スプレー用繊維製品処理剤

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