JPH10193490A - 水性液状物質の包装方法 - Google Patents
水性液状物質の包装方法Info
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- JPH10193490A JPH10193490A JP9000315A JP31597A JPH10193490A JP H10193490 A JPH10193490 A JP H10193490A JP 9000315 A JP9000315 A JP 9000315A JP 31597 A JP31597 A JP 31597A JP H10193490 A JPH10193490 A JP H10193490A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 酸素吸収層を備えた酸素吸収性多層体を用い
た包装容器内に水性液状物質を密封した成形容器を水分
を添加することなく密封して、簡単に包装することがで
き、包装容器内の酸素を容易に除去して水性液状物質を
無酸素状態に保存することができる水性液状物質の包装
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 水性液状物質を密封したポリオレフィン
又は塩化ビニルの成形容器を、ハロゲン化金属を被覆し
た鉄粉からなる高酸素吸収性能の鉄系酸素吸収剤とアル
カリ土類金属酸化物とを含有する酸素吸収層を備えた酸
素吸収性多層体を用いた包装容器の外装容器内に密封す
ることにより、上記課題を達成する。
た包装容器内に水性液状物質を密封した成形容器を水分
を添加することなく密封して、簡単に包装することがで
き、包装容器内の酸素を容易に除去して水性液状物質を
無酸素状態に保存することができる水性液状物質の包装
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 水性液状物質を密封したポリオレフィン
又は塩化ビニルの成形容器を、ハロゲン化金属を被覆し
た鉄粉からなる高酸素吸収性能の鉄系酸素吸収剤とアル
カリ土類金属酸化物とを含有する酸素吸収層を備えた酸
素吸収性多層体を用いた包装容器の外装容器内に密封す
ることにより、上記課題を達成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は水性液状物質の包装
方法に関する。更に詳しくは水性液状物質を密封した成
形容器を酸素吸収性多層体を用いた外包容器に密封する
水性液状物質の包装方法に関する。本発明の包装方法
は、酸素により成分変化を起こし易い液状の医薬品、化
粧品、食品等の保存に適する。ここで水性液状物質と
は、水分含有量が多く水分活性の高い液状物質をいう。
方法に関する。更に詳しくは水性液状物質を密封した成
形容器を酸素吸収性多層体を用いた外包容器に密封する
水性液状物質の包装方法に関する。本発明の包装方法
は、酸素により成分変化を起こし易い液状の医薬品、化
粧品、食品等の保存に適する。ここで水性液状物質と
は、水分含有量が多く水分活性の高い液状物質をいう。
【０００２】
【従来の技術】酸素により変質する、輸液、注射液、点
眼薬、服用薬等の液体医薬品、液体化粧品、液体食品等
を無酸素下で保存する方法として、これらの液体物質を
酸素透過性の容器に密封し、更にこの密封容器を脱酸素
剤包装体と共にガスバリア性の袋に密封して外包装する
方法が知られている。しかしながら、医薬品、化粧品、
食品等の液体は、液体自体はもとより、液体を充填する
容器の安全衛生性を厳しく管理することが必要とされる
ものが多い。このため、従来の脱酸素剤包装体を用いる
方法では、殺菌、洗浄等によって脱酸素剤包装体表面の
清浄性を確保することが難しく、また、液体容器を外包
装した密封袋の開封時に誤って脱酸素剤を切断するなど
して、脱酸素剤内容物により内包の液体容器を汚染する
危険がつきまとう。
眼薬、服用薬等の液体医薬品、液体化粧品、液体食品等
を無酸素下で保存する方法として、これらの液体物質を
酸素透過性の容器に密封し、更にこの密封容器を脱酸素
剤包装体と共にガスバリア性の袋に密封して外包装する
方法が知られている。しかしながら、医薬品、化粧品、
食品等の液体は、液体自体はもとより、液体を充填する
容器の安全衛生性を厳しく管理することが必要とされる
ものが多い。このため、従来の脱酸素剤包装体を用いる
方法では、殺菌、洗浄等によって脱酸素剤包装体表面の
清浄性を確保することが難しく、また、液体容器を外包
装した密封袋の開封時に誤って脱酸素剤を切断するなど
して、脱酸素剤内容物により内包の液体容器を汚染する
危険がつきまとう。
【０００３】また、脱酸素剤包装体を用いる代わりに、
脱酸素剤を熱可塑性樹脂中に分散した酸素吸収層を備え
る包装材料を用いた外包用の袋内に、輸液を充填した酸
素透過性容器を収納し、水分を添加したのち、外包の袋
を密封する包装方法が提案されている。しかしながら、
この酸素吸収層を備えた包装材料を用いた外包袋に密封
する方法にしても、外包袋内に添加した水分によって輸
液を充填した液体容器が濡れ、開封使用時に不快感を伴
うばかりか、濡れのために取り扱い難いという問題もあ
る。また、外包袋内に添加される水は酸素吸収層の酸素
吸収反応を促進するためのものであるが、前記問題を解
消しようとして水分量を少なくすると、吸収速度が極端
に遅くなり、無酸素状態になるまでには時間がかかる。
この間には、例えば、容器に貼付したラベルの糊等を栄
養にして微生物が繁殖するようなことが起こり、産生物
等で液体容器の外面を汚染する危険も生じてくる。この
ため、このような問題のない最小限の水量を見つけよう
とすると、見つける手間がかかる上、適切な水量の計量
管理、衛生管理と、色々工程管理には手間がかかること
になる。
脱酸素剤を熱可塑性樹脂中に分散した酸素吸収層を備え
る包装材料を用いた外包用の袋内に、輸液を充填した酸
素透過性容器を収納し、水分を添加したのち、外包の袋
を密封する包装方法が提案されている。しかしながら、
この酸素吸収層を備えた包装材料を用いた外包袋に密封
する方法にしても、外包袋内に添加した水分によって輸
液を充填した液体容器が濡れ、開封使用時に不快感を伴
うばかりか、濡れのために取り扱い難いという問題もあ
る。また、外包袋内に添加される水は酸素吸収層の酸素
吸収反応を促進するためのものであるが、前記問題を解
消しようとして水分量を少なくすると、吸収速度が極端
に遅くなり、無酸素状態になるまでには時間がかかる。
この間には、例えば、容器に貼付したラベルの糊等を栄
養にして微生物が繁殖するようなことが起こり、産生物
等で液体容器の外面を汚染する危険も生じてくる。この
ため、このような問題のない最小限の水量を見つけよう
とすると、見つける手間がかかる上、適切な水量の計量
管理、衛生管理と、色々工程管理には手間がかかること
になる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題を解決して、水性液状物質を密封した成
形容器を酸素吸収層を備える酸素吸収性多層体を用いた
外包の包装容器内に水分を添加することなく密封するだ
けで、簡単に包装することができ、しかも包装容器内の
酸素を容易に除去して無酸素状態に水性液状物質を保存
することができる、衛生的で実用的に優れた水性液状物
質の包装方法を提供することにある。
従来技術の問題を解決して、水性液状物質を密封した成
形容器を酸素吸収層を備える酸素吸収性多層体を用いた
外包の包装容器内に水分を添加することなく密封するだ
けで、簡単に包装することができ、しかも包装容器内の
酸素を容易に除去して無酸素状態に水性液状物質を保存
することができる、衛生的で実用的に優れた水性液状物
質の包装方法を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の水性
液状物質の包装方法は、水性液状物質を密封したポリオ
レフィンまたは塩化ビニルからなる成形容器を、さらに
粒状の鉄系酸素吸収剤とアルカリ土類金属酸化物とを熱
可塑性樹脂中に分散してなる酸素吸収層Ａと、少なくと
も、酸素吸収層Ａの内側に配されたシーラント樹脂層Ｂ
と酸素吸収層Ａの外側に配されたガスバリア層Ｃとを備
える酸素吸収性多層体を用いてなる包装容器内に水分を
添加することなく密封することを特徴とする方法であ
る。
液状物質の包装方法は、水性液状物質を密封したポリオ
レフィンまたは塩化ビニルからなる成形容器を、さらに
粒状の鉄系酸素吸収剤とアルカリ土類金属酸化物とを熱
可塑性樹脂中に分散してなる酸素吸収層Ａと、少なくと
も、酸素吸収層Ａの内側に配されたシーラント樹脂層Ｂ
と酸素吸収層Ａの外側に配されたガスバリア層Ｃとを備
える酸素吸収性多層体を用いてなる包装容器内に水分を
添加することなく密封することを特徴とする方法であ
る。
【０００６】ここで、本発明の方法に係る前記酸素吸収
性多層体が備える酸素吸収層Ａには粒状の鉄系酸素吸収
剤とアルカリ土類金属酸化物とが含まれるが、酸素吸収
層Ａが好適に酸素吸収性能を発揮するためには、粒状の
鉄系酸素吸収剤がハロゲン化金属を被覆した鉄粉であ
り、かつ該鉄粉の金属鉄含量が９５％以上である酸素吸
収剤であることが特に好ましい。
性多層体が備える酸素吸収層Ａには粒状の鉄系酸素吸収
剤とアルカリ土類金属酸化物とが含まれるが、酸素吸収
層Ａが好適に酸素吸収性能を発揮するためには、粒状の
鉄系酸素吸収剤がハロゲン化金属を被覆した鉄粉であ
り、かつ該鉄粉の金属鉄含量が９５％以上である酸素吸
収剤であることが特に好ましい。
【０００７】本発明の方法においては、水性液状物質を
密封した成形容器がさらに、前記酸素吸収層Ａと、少な
くとも、酸素吸収層Ａの内側に配されたシーラント樹脂
層Ｂと酸素吸収層Ａの外側に配されたガスバリア層Ｃと
を備える酸素吸収性多層体を用いてなる包装容器内に密
封されることによって外包装される。外包の包装容器
は、酸素吸収層Ａを備えた酸素吸収性多層体からなるこ
とによって酸素吸収性能を備えるが、この包装容器は全
体が酸素吸収性多層体からなる容器であっても、また酸
素吸収性多層体とシーラント層を備えたガスバリア性多
層体とからなる容器であってもよい。包装容器の形態
は、袋状容器、又は、トレイ、カップ、ブリスター等に
例示されるような成形容器が好ましい。
密封した成形容器がさらに、前記酸素吸収層Ａと、少な
くとも、酸素吸収層Ａの内側に配されたシーラント樹脂
層Ｂと酸素吸収層Ａの外側に配されたガスバリア層Ｃと
を備える酸素吸収性多層体を用いてなる包装容器内に密
封されることによって外包装される。外包の包装容器
は、酸素吸収層Ａを備えた酸素吸収性多層体からなるこ
とによって酸素吸収性能を備えるが、この包装容器は全
体が酸素吸収性多層体からなる容器であっても、また酸
素吸収性多層体とシーラント層を備えたガスバリア性多
層体とからなる容器であってもよい。包装容器の形態
は、袋状容器、又は、トレイ、カップ、ブリスター等に
例示されるような成形容器が好ましい。
【０００８】また本発明では、水性液状物質はポリオレ
フィンまたは塩化ビニルからなる成形容器に密封される
が、水性液状物質の水分が内装の成形容器の器壁を透過
して外装の包装容器の酸素吸収層Ａに容易に達し、該酸
素吸収層Ａが好適に酸素吸収性能を発揮するためには、
水性液状物質は水分活性０．７以上のものが好ましく、
水分活性０．８以上のものがより好ましい。水性液状物
質は多量に水分を含む液状物質であって上記の水分活性
を満たすものであればよく、水溶液のような液体に限ら
ず、エマルジョン、更にはクリーム状、又は固体粒子を
含む半液体のものであってもよい。
フィンまたは塩化ビニルからなる成形容器に密封される
が、水性液状物質の水分が内装の成形容器の器壁を透過
して外装の包装容器の酸素吸収層Ａに容易に達し、該酸
素吸収層Ａが好適に酸素吸収性能を発揮するためには、
水性液状物質は水分活性０．７以上のものが好ましく、
水分活性０．８以上のものがより好ましい。水性液状物
質は多量に水分を含む液状物質であって上記の水分活性
を満たすものであればよく、水溶液のような液体に限ら
ず、エマルジョン、更にはクリーム状、又は固体粒子を
含む半液体のものであってもよい。
【０００９】前記水性液状物質は、酸化劣化、力価の減
少等、酸素の存在によって不都合な変質が生じる可能性
のある液状物質であり、具体的には、輸液、注射液、点
眼薬、内服薬、外用薬その他液状医薬品、化粧水、香
水、化粧クリーム等の化粧品、栄養補給飲料、清涼飲
料、嗜好飲料、果汁、調味液、煮物や漬け物の汁等の液
状食品が適する。
少等、酸素の存在によって不都合な変質が生じる可能性
のある液状物質であり、具体的には、輸液、注射液、点
眼薬、内服薬、外用薬その他液状医薬品、化粧水、香
水、化粧クリーム等の化粧品、栄養補給飲料、清涼飲
料、嗜好飲料、果汁、調味液、煮物や漬け物の汁等の液
状食品が適する。
【００１０】さらに本発明においては、上記水性液状物
質を密封したポリオレフィンまたは塩化ビニルからなる
成形容器はその器壁を通して水蒸気及び酸素が透過する
必要があり、成形容器の水蒸気透過度は１００cc／m2・
atm ・ day （２３℃）以上であり、酸素透過度は１００
cc／m2・ atm ・ day （２３℃）以上であることが好まし
い。
質を密封したポリオレフィンまたは塩化ビニルからなる
成形容器はその器壁を通して水蒸気及び酸素が透過する
必要があり、成形容器の水蒸気透過度は１００cc／m2・
atm ・ day （２３℃）以上であり、酸素透過度は１００
cc／m2・ atm ・ day （２３℃）以上であることが好まし
い。
【００１１】
【作用】本発明の水性液状物質の包装方法においては、
水蒸気透過性の成形容器に密封された水分活性の高い水
性液状物質の水分が成形容器を透過して外包の包装容器
内に蒸散してくるが、外包の包装容器を構成する酸素吸
収性体の酸素吸収層Ａが鉄粉にハロゲン化金属を被覆し
た粒状の鉄系酸素吸収剤とアルカリ土類金属酸化物とを
含有する樹脂組成物の層からなるために酸素吸収性能が
高く、酸素吸収層Ａは蒸散してきたわずかな水分によっ
て容易に活性化され、外包の包装容器内の酸素を速やか
に吸収除去することができる。したがって、水性液状物
質を密封した成形容器を外包するに際し、包装容器の酸
素吸収層Ａの酸素吸収能を促進するために、予め包装容
器内に水分を添加する必要が全くない。
水蒸気透過性の成形容器に密封された水分活性の高い水
性液状物質の水分が成形容器を透過して外包の包装容器
内に蒸散してくるが、外包の包装容器を構成する酸素吸
収性体の酸素吸収層Ａが鉄粉にハロゲン化金属を被覆し
た粒状の鉄系酸素吸収剤とアルカリ土類金属酸化物とを
含有する樹脂組成物の層からなるために酸素吸収性能が
高く、酸素吸収層Ａは蒸散してきたわずかな水分によっ
て容易に活性化され、外包の包装容器内の酸素を速やか
に吸収除去することができる。したがって、水性液状物
質を密封した成形容器を外包するに際し、包装容器の酸
素吸収層Ａの酸素吸収能を促進するために、予め包装容
器内に水分を添加する必要が全くない。
【００１２】さらに酸素吸収性能に優れた酸素吸収層Ａ
は、単に外包の包装容器内の酸素にとどまらず、内包の
成形容器の器壁を介し、内包容器内の空間に存在する酸
素のみならず、水性液状物質中に溶存する酸素をも短期
間の間に吸収除去することができる。
は、単に外包の包装容器内の酸素にとどまらず、内包の
成形容器の器壁を介し、内包容器内の空間に存在する酸
素のみならず、水性液状物質中に溶存する酸素をも短期
間の間に吸収除去することができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳しく説
明する。水性液状物質を内包装する容器は、密封性有す
る樹脂製の成形容器である。成形容器には各種樹脂が用
いられるが、内包容器は水蒸気及び酸素が透過する必要
があり、材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン類またはポ
リ塩化ビニルが好適に用いられる。特に安全衛生上、水
性液状物質への成分溶出が実質的にないものが好まし
い。なお、前記の水性液状物質を成形容器に密封する際
には、成形容器内に空間が残らないように容器容積一杯
に水性液状物質を充填するか、または空間が残っても空
間内の残存酸素を最小限とするために、窒素ガス、炭酸
ガス、水蒸気等で空間内をガス置換することが好まし
い。
明する。水性液状物質を内包装する容器は、密封性有す
る樹脂製の成形容器である。成形容器には各種樹脂が用
いられるが、内包容器は水蒸気及び酸素が透過する必要
があり、材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン類またはポ
リ塩化ビニルが好適に用いられる。特に安全衛生上、水
性液状物質への成分溶出が実質的にないものが好まし
い。なお、前記の水性液状物質を成形容器に密封する際
には、成形容器内に空間が残らないように容器容積一杯
に水性液状物質を充填するか、または空間が残っても空
間内の残存酸素を最小限とするために、窒素ガス、炭酸
ガス、水蒸気等で空間内をガス置換することが好まし
い。
【００１４】外包装用の包装容器に用いられる酸素吸収
性多層体は、粒状の鉄系酸素吸収剤とアルカリ土類金属
酸化物とを熱可塑性樹脂中に分散してなる酸素吸収層Ａ
と、少なくとも、酸素吸収層Ａの内側に配されたシーラ
ント樹脂層Ｂと酸素吸収層Ａの外側に配されたガスバリ
ア層Ｃとを備えた多層体であり、フィルム状又はシート
状の多層体である。
性多層体は、粒状の鉄系酸素吸収剤とアルカリ土類金属
酸化物とを熱可塑性樹脂中に分散してなる酸素吸収層Ａ
と、少なくとも、酸素吸収層Ａの内側に配されたシーラ
ント樹脂層Ｂと酸素吸収層Ａの外側に配されたガスバリ
ア層Ｃとを備えた多層体であり、フィルム状又はシート
状の多層体である。
【００１５】酸素吸収層Ａに含まれる粒状の鉄系酸素吸
収剤は、鉄粉を主剤とし酸素吸収促進剤としてハロゲン
化金属を配合したものが用いられる。鉄粉としては、例
えば、噴霧鉄粉、海綿鉄粉、電解鉄粉、鉄研削粉、粉砕
鉄等が用いられるが、不純物としての酸素及び珪素等の
含量が少なく、金属鉄含量９５％以上の鉄粉が特に好ま
しい。また鉄粉の粒子径は、平均粒径１〜５０μｍの範
囲に選ぶことが好ましい。またハロゲン化金属として
は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物、臭化
物又はヨウ化物が好ましく、特にアルカリ金属又はアル
カリ土類金属の塩化物が好ましい。本発明では粒状の鉄
系酸素吸収剤として、酸素吸収能力の点から、鉄粉とハ
ロゲン化金属水溶液を混合した後乾燥して水分を除去し
て調製されるところの、表面にハロゲン化金属を被覆し
た鉄粉が好適に用いられる。
収剤は、鉄粉を主剤とし酸素吸収促進剤としてハロゲン
化金属を配合したものが用いられる。鉄粉としては、例
えば、噴霧鉄粉、海綿鉄粉、電解鉄粉、鉄研削粉、粉砕
鉄等が用いられるが、不純物としての酸素及び珪素等の
含量が少なく、金属鉄含量９５％以上の鉄粉が特に好ま
しい。また鉄粉の粒子径は、平均粒径１〜５０μｍの範
囲に選ぶことが好ましい。またハロゲン化金属として
は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物、臭化
物又はヨウ化物が好ましく、特にアルカリ金属又はアル
カリ土類金属の塩化物が好ましい。本発明では粒状の鉄
系酸素吸収剤として、酸素吸収能力の点から、鉄粉とハ
ロゲン化金属水溶液を混合した後乾燥して水分を除去し
て調製されるところの、表面にハロゲン化金属を被覆し
た鉄粉が好適に用いられる。
【００１６】また、アルカリ土類金属酸化物としては、
酸化カルシウム又は酸化マグネシウムが好適に用いられ
る。アルカリ土類金属酸化物は、その粒子径が粒状酸素
吸収剤と同等若しくはそれより細かい粉粒体であること
が好ましい。尚、アルカリ土類金属酸化物は酸素吸収層
Ａの酸素吸収能力に直接影響するものではないが、酸素
吸収性多層体の積層加工を容易にすると共に、酸素吸収
層Ａの酸素吸収能力を高いままに維持して酸素吸収性多
層体の保存性を高めるためには、これを添加することが
必須である。
酸化カルシウム又は酸化マグネシウムが好適に用いられ
る。アルカリ土類金属酸化物は、その粒子径が粒状酸素
吸収剤と同等若しくはそれより細かい粉粒体であること
が好ましい。尚、アルカリ土類金属酸化物は酸素吸収層
Ａの酸素吸収能力に直接影響するものではないが、酸素
吸収性多層体の積層加工を容易にすると共に、酸素吸収
層Ａの酸素吸収能力を高いままに維持して酸素吸収性多
層体の保存性を高めるためには、これを添加することが
必須である。
【００１７】酸素吸収層Ａに用いる熱可塑性樹脂として
は、酸素透過性が良好なポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン等
のポリオレフィン及びこれらの変性物、ＥＶＡ、ＥＭＭ
Ａ、ＥＡＡ、ＥＰＡ等の各種エチレン共重合体、アイオ
ノマーが好ましく、これらの樹脂は単独または適宜ブレ
ンドして用いられる。酸素吸収層Ａには、上記粒状の鉄
系酸素吸収剤及びアルカリ土類金属酸化物の他、活性
炭、モレキュラーシーブ等の脱臭剤、酸化チタン顔料等
の着色剤等、各種の添加剤を加えることができる。
は、酸素透過性が良好なポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン等
のポリオレフィン及びこれらの変性物、ＥＶＡ、ＥＭＭ
Ａ、ＥＡＡ、ＥＰＡ等の各種エチレン共重合体、アイオ
ノマーが好ましく、これらの樹脂は単独または適宜ブレ
ンドして用いられる。酸素吸収層Ａには、上記粒状の鉄
系酸素吸収剤及びアルカリ土類金属酸化物の他、活性
炭、モレキュラーシーブ等の脱臭剤、酸化チタン顔料等
の着色剤等、各種の添加剤を加えることができる。
【００１８】シーラント層Ｂに用いる樹脂としては、酸
素吸収層Ａに用いられる各種の酸素透過性樹脂が使用で
きるが、ヒートシール性、ピール性、さらには酸素吸収
層Ａとの熱接着性を考慮して適宜選択される。またシー
ラント層Ｂにも、その酸素透過性、熱接着性を妨げない
範囲で、酸化チタン顔料等の添加剤を加えることができ
る。
素吸収層Ａに用いられる各種の酸素透過性樹脂が使用で
きるが、ヒートシール性、ピール性、さらには酸素吸収
層Ａとの熱接着性を考慮して適宜選択される。またシー
ラント層Ｂにも、その酸素透過性、熱接着性を妨げない
範囲で、酸化チタン顔料等の添加剤を加えることができ
る。
【００１９】ガスバリア層Ｃとしては、アルミ箔等の金
属箔、アルミ、酸化アルミ、酸化珪素等の金属又は金属
酸化物を蒸着した樹脂フィルム、ＭＸナイロン等のナイ
ロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化
ビニリデン等のガスバリア性フィルムが好適に用いら
れ、ガスバリア性が損なわれない限り必要に応じて、延
伸したり、また他の樹脂との積層等により複合化しても
良い。
属箔、アルミ、酸化アルミ、酸化珪素等の金属又は金属
酸化物を蒸着した樹脂フィルム、ＭＸナイロン等のナイ
ロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化
ビニリデン等のガスバリア性フィルムが好適に用いら
れ、ガスバリア性が損なわれない限り必要に応じて、延
伸したり、また他の樹脂との積層等により複合化しても
良い。
【００２０】上記の酸素吸収層Ａ、シーラント層Ｂ及び
ガスバリア層は共押出し、ラミネート等の公知の積層方
法で積層され、酸素吸収性多層体が形成されるが、これ
らの層以外にも更に別の層を、必要に応じて、強度保
持、接着、表面平滑化等の目的で、組み合わせ積層する
ことができる。ただし、酸素吸収性多層体は、酸素吸収
層Ａを中間層として、シーラント層Ｂが層Ａに直接隣接
して最外面に位置し、ガスバリア層Ｃが層Ａの他面側に
位置するように構成される。勿論、包装容器を形成する
場合には、酸素吸収性多層体はシーラント層Ｂ側が容器
の内面側に位置するようにして用いられる。
ガスバリア層は共押出し、ラミネート等の公知の積層方
法で積層され、酸素吸収性多層体が形成されるが、これ
らの層以外にも更に別の層を、必要に応じて、強度保
持、接着、表面平滑化等の目的で、組み合わせ積層する
ことができる。ただし、酸素吸収性多層体は、酸素吸収
層Ａを中間層として、シーラント層Ｂが層Ａに直接隣接
して最外面に位置し、ガスバリア層Ｃが層Ａの他面側に
位置するように構成される。勿論、包装容器を形成する
場合には、酸素吸収性多層体はシーラント層Ｂ側が容器
の内面側に位置するようにして用いられる。
【００２１】外包装用の包装容器は必ずしも全体が酸素
吸収性多層体からなる容器である必要はなく、酸素吸収
性多層体とシーラント層を備えたガスバリア性多層体と
からなる容器であってもよい。この場合のガスバリア性
多層体は、少なくとも外面にシーラント層を備えるもの
であって、ガスバリア性多層体を構成するガスバリア層
及びシーラント層は、前記した酸素吸収性多層体のガス
バリア層Ｃ及びシーラント層Ｂと同じものでも、異なる
ものでもよい。酸素吸収性多層体及びガスバリア性多層
体は、それぞれ、シーラント層を備えることにより、ヒ
ートシールによる容器形成や密封が可能となる。
吸収性多層体からなる容器である必要はなく、酸素吸収
性多層体とシーラント層を備えたガスバリア性多層体と
からなる容器であってもよい。この場合のガスバリア性
多層体は、少なくとも外面にシーラント層を備えるもの
であって、ガスバリア性多層体を構成するガスバリア層
及びシーラント層は、前記した酸素吸収性多層体のガス
バリア層Ｃ及びシーラント層Ｂと同じものでも、異なる
ものでもよい。酸素吸収性多層体及びガスバリア性多層
体は、それぞれ、シーラント層を備えることにより、ヒ
ートシールによる容器形成や密封が可能となる。
【００２２】外包の包装容器の好ましい形態が、以下に
例示される。尚、包装容器は、酸素吸収性多層体からな
る部分が少なくて酸素吸収能力が十分に発揮されず、水
性液状物質の保存性に支障をきたすことのないように容
器を構成する必要がある。（１）全体がフィルム状酸素
吸収性多層体からなる密封性袋。（２）一面がフィルム
状酸素吸収性多層体からなり、他面がフィルム状ガスバ
リア性多層体からなる密封性袋。（３）ガスバリア性多
層体からなる成形容器（例えば、トレイ、カップ、ブリ
スター等）とフィルム状酸素吸収性多層体からなる蓋材
とで構成される密封性容器。（４）酸素吸収性多層体か
らなる成形容器（例えば、トレイ、カップ、ブリスター
等）とフィルム状酸素吸収性多層体又はガスバリア性多
層体からなる蓋材とで構成される密封性容器。
例示される。尚、包装容器は、酸素吸収性多層体からな
る部分が少なくて酸素吸収能力が十分に発揮されず、水
性液状物質の保存性に支障をきたすことのないように容
器を構成する必要がある。（１）全体がフィルム状酸素
吸収性多層体からなる密封性袋。（２）一面がフィルム
状酸素吸収性多層体からなり、他面がフィルム状ガスバ
リア性多層体からなる密封性袋。（３）ガスバリア性多
層体からなる成形容器（例えば、トレイ、カップ、ブリ
スター等）とフィルム状酸素吸収性多層体からなる蓋材
とで構成される密封性容器。（４）酸素吸収性多層体か
らなる成形容器（例えば、トレイ、カップ、ブリスター
等）とフィルム状酸素吸収性多層体又はガスバリア性多
層体からなる蓋材とで構成される密封性容器。
【００２３】
【実施例】実施例１鉄粉として、金属鉄９８％以上、不
純物としての珪素０．５％以下である平均粒度２５μｍ
のトンネルキルン還元鉄粉（鉄粉Ｉと称す）を用い、こ
の鉄粉を加熱ジャケット付き撹拌型真空乾燥混合機に入
れた後、塩化カルシウム水溶液を添加し、更に乾燥して
塩化カルシウムを被覆した鉄粉（酸素吸収剤Ｉ）を得
た。次にベント付き２軸押出機を用いて低密度ポリエチ
レン（ＬＤＰＥ、ＭＩ（メルトフローインデックス）＝
９）、酸素吸収剤Ｉ、及び酸化カルシウム（平均粒度２
０μｍ）を、それぞれ、重量比５９：４０：１で混練押
し出しし、ストランドを冷却、細断してコンパウンドＩ
を得た。
純物としての珪素０．５％以下である平均粒度２５μｍ
のトンネルキルン還元鉄粉（鉄粉Ｉと称す）を用い、こ
の鉄粉を加熱ジャケット付き撹拌型真空乾燥混合機に入
れた後、塩化カルシウム水溶液を添加し、更に乾燥して
塩化カルシウムを被覆した鉄粉（酸素吸収剤Ｉ）を得
た。次にベント付き２軸押出機を用いて低密度ポリエチ
レン（ＬＤＰＥ、ＭＩ（メルトフローインデックス）＝
９）、酸素吸収剤Ｉ、及び酸化カルシウム（平均粒度２
０μｍ）を、それぞれ、重量比５９：４０：１で混練押
し出しし、ストランドを冷却、細断してコンパウンドＩ
を得た。
【００２４】まず延伸ポリプロピレンフィルム（厚さ；
２０μｍ）にアルミ箔（厚さ；９μｍ）をウレタン系接
着剤でドライラミネーターを用いて積層し基材フィルム
Ｉを作製した。次いでタンデム式押出しラミネーターを
用い、第一の押出機からＬＤＰＥ（ＭＩ＝８、厚さ；２
０μｍ）を前記の基材フィルムＩのアルミ箔側に押し出
し、続いて、第二の押出機から、基材フィルムに積層し
たＬＤＰＥと新たに繰り出した白色ＬＬＤＰＥフィルム
（厚さ；３０μｍ）との間に、前記コンパウンドＩを押
し出して、コンパウンドＩからなる酸素吸収層Ａと、ア
ルミ箔からなるガスバリア層Ｃと、白色ＬＬＤＰＥから
なるシーラント層Ｂとを備えたフィルム状の酸素吸収多
層体Ｉを得た。一方では、ナイロン６及びＭＸナイロン
からなる市販のガスバリア性複合ナイロンフィルム（出
光石油化学製「ユニアスロン」、厚さ；１５μｍ）にＬ
ＬＤＰＥ層（厚さ；５０μｍ）をドライラミネートした
透明なガスバリア性フィルムＩを準備した。
２０μｍ）にアルミ箔（厚さ；９μｍ）をウレタン系接
着剤でドライラミネーターを用いて積層し基材フィルム
Ｉを作製した。次いでタンデム式押出しラミネーターを
用い、第一の押出機からＬＤＰＥ（ＭＩ＝８、厚さ；２
０μｍ）を前記の基材フィルムＩのアルミ箔側に押し出
し、続いて、第二の押出機から、基材フィルムに積層し
たＬＤＰＥと新たに繰り出した白色ＬＬＤＰＥフィルム
（厚さ；３０μｍ）との間に、前記コンパウンドＩを押
し出して、コンパウンドＩからなる酸素吸収層Ａと、ア
ルミ箔からなるガスバリア層Ｃと、白色ＬＬＤＰＥから
なるシーラント層Ｂとを備えたフィルム状の酸素吸収多
層体Ｉを得た。一方では、ナイロン６及びＭＸナイロン
からなる市販のガスバリア性複合ナイロンフィルム（出
光石油化学製「ユニアスロン」、厚さ；１５μｍ）にＬ
ＬＤＰＥ層（厚さ；５０μｍ）をドライラミネートした
透明なガスバリア性フィルムＩを準備した。
【００２５】上記フィルム状酸素吸収多層体Ｉとガスバ
リア性フィルムＩを用い、周辺をシーラント層同志をヒ
ートシールして、一面が酸素吸収多層体Ｉ、他面が透明
なガスバリア性フィルムからなる４方シール袋Ｉ（１８
cm×２５cm）を作成した。
リア性フィルムＩを用い、周辺をシーラント層同志をヒ
ートシールして、一面が酸素吸収多層体Ｉ、他面が透明
なガスバリア性フィルムからなる４方シール袋Ｉ（１８
cm×２５cm）を作成した。
【００２６】次に、ポリプロピレン製の扁平型ブロー成
形ボトル（容量２５０ml）に、用いる電解質の種類とそ
の濃度を変えて水分活性（ＡＷ）を調整した電解質水溶
液２００mlを窒素置換下で充填、密封したもの（容器内
の残存酸素濃度０．１〜０．２％）を４方シール袋Ｉに
窒素ガス／炭酸ガス＝１／１の混合ガス置換下で密封し
た。この場合、密封直後の４方シール袋Ｉ内の酸素濃度
１．９〜２．１％であった。ＡＷの異なる電解質水溶液
を封入したボトルを密封した４方シール袋を２５℃で保
存しておき、この間、４方シール袋内の酸素濃度を経日
的にガスクロマトグラフを用いて測定した。結果は表１
に示した。
形ボトル（容量２５０ml）に、用いる電解質の種類とそ
の濃度を変えて水分活性（ＡＷ）を調整した電解質水溶
液２００mlを窒素置換下で充填、密封したもの（容器内
の残存酸素濃度０．１〜０．２％）を４方シール袋Ｉに
窒素ガス／炭酸ガス＝１／１の混合ガス置換下で密封し
た。この場合、密封直後の４方シール袋Ｉ内の酸素濃度
１．９〜２．１％であった。ＡＷの異なる電解質水溶液
を封入したボトルを密封した４方シール袋を２５℃で保
存しておき、この間、４方シール袋内の酸素濃度を経日
的にガスクロマトグラフを用いて測定した。結果は表１
に示した。
【００２７】表１の結果に明かなように、短期間のうち
に４方シール袋内を脱酸素状態にでき、またその脱酸素
状態は２ヶ月後も継続されていた。また、電解質水溶液
のＡＷが０．７以上では、酸素吸収速度は殆どＡＷによ
る影響を受けないが、０．６以下では吸収速度が遅くな
ることが知られた。尚、４方シール袋内の酸素が０．１
％以下になった時点では、電解質水溶液の収納されてい
るブロー成形ボトル内の酸素濃度も０．１％以下であ
り、電解質水溶液の溶存酸素濃度も１ppm 以下であるこ
とが、それぞれ、ガスクロトマトグラフによる分析と溶
存酸素計による分析によって確認された。
に４方シール袋内を脱酸素状態にでき、またその脱酸素
状態は２ヶ月後も継続されていた。また、電解質水溶液
のＡＷが０．７以上では、酸素吸収速度は殆どＡＷによ
る影響を受けないが、０．６以下では吸収速度が遅くな
ることが知られた。尚、４方シール袋内の酸素が０．１
％以下になった時点では、電解質水溶液の収納されてい
るブロー成形ボトル内の酸素濃度も０．１％以下であ
り、電解質水溶液の溶存酸素濃度も１ppm 以下であるこ
とが、それぞれ、ガスクロトマトグラフによる分析と溶
存酸素計による分析によって確認された。
【００２８】
【表１】
【００２９】実施例２ 鉄粉として、全鉄含量９２％、金属鉄含量８２％、珪素
含量１％の粗還元鉄粉（平均粒度２０μｍ）（この鉄粉
を鉄粉ＩＩと名付ける。）を用いた他は実施例１と同様
にして、電解質水溶液包装体の酸素吸収テストを行っ
た。結果を表１に示した。鉄粉Ｉを用いた実施例１と比
べると、鉄粉ＩＩを実施例２では、酸素吸収速度が若干
遅いものの、袋内を脱酸素状態とすることが可能であっ
た。
含量１％の粗還元鉄粉（平均粒度２０μｍ）（この鉄粉
を鉄粉ＩＩと名付ける。）を用いた他は実施例１と同様
にして、電解質水溶液包装体の酸素吸収テストを行っ
た。結果を表１に示した。鉄粉Ｉを用いた実施例１と比
べると、鉄粉ＩＩを実施例２では、酸素吸収速度が若干
遅いものの、袋内を脱酸素状態とすることが可能であっ
た。
【００３０】比較例１ 実施例１のトンネルキルン還元鉄粉（鉄粉Ｉ）に塩化カ
ルシウムを添加被覆することなく、還元鉄粉をそのまま
酸素吸収剤として用いたこと以外は実施例１と同様にし
て、電解質水溶液包装体の酸素吸収テストを行った。結
果を表１に示した。
ルシウムを添加被覆することなく、還元鉄粉をそのまま
酸素吸収剤として用いたこと以外は実施例１と同様にし
て、電解質水溶液包装体の酸素吸収テストを行った。結
果を表１に示した。
【００３１】実施例３ ブリスター容器の蓋材として、まず、タンデム式押出し
ラミネーターを用い、ＬＤＰＥフィルム（厚さ；２５μ
ｍ）／コンパウンドＩからなる酸素吸収層Ａ（厚さ；４
０μｍ）／エチレン−酢酸ビニル共重合体（ＥＶＡ）混
合ＬＤＰＥからなるシーラント層Ｂ（厚さ；３０μｍ）
の３層構成のフィルムを作り、次に、この３層フィルム
のＬＤＰＥフィルム面側に裏面に印刷を施したＰＥＴ
（厚さ；１２μｍ）／アルミ箔（厚さ；２０μｍ）から
なる複合フィルム（ガスバリア層Ｃ）のアルミ箔側をド
ライラミネートして、フィルム状酸素吸収多層体ＩＩを
準備した。またブリスター容器用のガスバリア性多層体
として、ポリプロピレン／エチレン−ビニルアルコール
共重合体／ポリプロピレンの３層シート（厚さ；４００
μｍ）を準備した。
ラミネーターを用い、ＬＤＰＥフィルム（厚さ；２５μ
ｍ）／コンパウンドＩからなる酸素吸収層Ａ（厚さ；４
０μｍ）／エチレン−酢酸ビニル共重合体（ＥＶＡ）混
合ＬＤＰＥからなるシーラント層Ｂ（厚さ；３０μｍ）
の３層構成のフィルムを作り、次に、この３層フィルム
のＬＤＰＥフィルム面側に裏面に印刷を施したＰＥＴ
（厚さ；１２μｍ）／アルミ箔（厚さ；２０μｍ）から
なる複合フィルム（ガスバリア層Ｃ）のアルミ箔側をド
ライラミネートして、フィルム状酸素吸収多層体ＩＩを
準備した。またブリスター容器用のガスバリア性多層体
として、ポリプロピレン／エチレン−ビニルアルコール
共重合体／ポリプロピレンの３層シート（厚さ；４００
μｍ）を準備した。
【００３２】ブロー成形充填機を用い、ポリエチレンか
らなる円筒状容器（直径１cm×長さ５cm）にコンタクト
レンズ消毒液３．９ml（水分活性０．９５）を窒素置換
下で充填密封した。次に、前記３層シートを真空成形に
よって円筒状容器が丁度収まる大きさのブリスター容器
に成形し、このブリスター容器内に前記のコンタクトレ
ンズ消毒液を封入した円筒状容器を装填した後、フィル
ム状酸素吸収多層体ＩＩを蓋材としてヒートシールし、
易開封性密封包装体を作製した。
らなる円筒状容器（直径１cm×長さ５cm）にコンタクト
レンズ消毒液３．９ml（水分活性０．９５）を窒素置換
下で充填密封した。次に、前記３層シートを真空成形に
よって円筒状容器が丁度収まる大きさのブリスター容器
に成形し、このブリスター容器内に前記のコンタクトレ
ンズ消毒液を封入した円筒状容器を装填した後、フィル
ム状酸素吸収多層体ＩＩを蓋材としてヒートシールし、
易開封性密封包装体を作製した。
【００３３】コンタクトレンズ消毒液入り容器を密封し
たブリスター容器を２５℃で保存し、１週間後に密封し
たブリスター容器内の酸素濃度をガスクロマトグラフを
用いて分析したところ、０．１％以下であった。更に２
５℃で６ヶ月保存したが、ブリスター容器内の酸素濃度
は０．１％以下に維持され、コンタクトレンズ消毒液の
品質も劣化していなかった。
たブリスター容器を２５℃で保存し、１週間後に密封し
たブリスター容器内の酸素濃度をガスクロマトグラフを
用いて分析したところ、０．１％以下であった。更に２
５℃で６ヶ月保存したが、ブリスター容器内の酸素濃度
は０．１％以下に維持され、コンタクトレンズ消毒液の
品質も劣化していなかった。
【００３４】比較例２ 蓋材として、酸素吸収層Ａを有しない、ＰＥＴ（厚さ；
１２μｍ）／アルミ箔（厚さ；２０μｍ）／ＬＤＰＥ
（厚さ；２５μｍ）／ＥＶＡ混合ＬＤＰＥ（厚さ；３０
μｍ）の層構成の多層体を用いたこと以外は、実施例３
と同様にして、コンタクトレンズ消毒液包装体の保存テ
ストを行った。６ヶ月間保存後の外装のブリスター容器
内の酸素濃度は２０．２％であり、また内装容器内のコ
ンタクトレンズ消毒液も薄褐色に着色して成分の変質が
認められた。
１２μｍ）／アルミ箔（厚さ；２０μｍ）／ＬＤＰＥ
（厚さ；２５μｍ）／ＥＶＡ混合ＬＤＰＥ（厚さ；３０
μｍ）の層構成の多層体を用いたこと以外は、実施例３
と同様にして、コンタクトレンズ消毒液包装体の保存テ
ストを行った。６ヶ月間保存後の外装のブリスター容器
内の酸素濃度は２０．２％であり、また内装容器内のコ
ンタクトレンズ消毒液も薄褐色に着色して成分の変質が
認められた。
【００３５】
【発明の効果】本発明の方法によれば、成形容器に充填
した水性液状物質を包装容器に外包装して無酸素状態に
保持するのに、従来のように外包装に際して、脱酸素剤
包装体を外包容器内に封入するような手間を必要とせ
ず、また、酸素吸収性能を備えた包装容器を用いて外包
装するにしても、この酸素吸収性能を促進するために、
包装容器内に更めて水分を添加する必要もなく、或いは
レトルト処理等の加熱処理をする必要もない。このた
め、内包装した水性液状物質を簡便に外包装することが
でき、また、開封使用時に内包容器が濡れているような
ことがなく衛生的で、結局、酸素によって成分変化を起
こし易い水性液状物質を、簡便かつ安全に、長期間保存
することができる。
した水性液状物質を包装容器に外包装して無酸素状態に
保持するのに、従来のように外包装に際して、脱酸素剤
包装体を外包容器内に封入するような手間を必要とせ
ず、また、酸素吸収性能を備えた包装容器を用いて外包
装するにしても、この酸素吸収性能を促進するために、
包装容器内に更めて水分を添加する必要もなく、或いは
レトルト処理等の加熱処理をする必要もない。このた
め、内包装した水性液状物質を簡便に外包装することが
でき、また、開封使用時に内包容器が濡れているような
ことがなく衛生的で、結局、酸素によって成分変化を起
こし易い水性液状物質を、簡便かつ安全に、長期間保存
することができる。
【００３６】更に本発明の方法によれば、外包の包装容
器は酸素吸収能力に優れるために、あえてガス置換して
外包容器内の残存酸素量を減少させようとしなくとも、
短期間のうちに容器内の酸素を吸収し、脱酸素保存する
ことが可能である。従って、本発明の方法は、特にアミ
ノ酸輸液、脂肪乳剤輸液等のような薬効成分や栄養成分
を含有する液体医薬品、保存剤が含まれていないために
品質変化し易くなっている化粧品をはじめ、各種の液状
食品、飲料等、広く水性液状物質の脱酸素保存に用いる
ことができる。
器は酸素吸収能力に優れるために、あえてガス置換して
外包容器内の残存酸素量を減少させようとしなくとも、
短期間のうちに容器内の酸素を吸収し、脱酸素保存する
ことが可能である。従って、本発明の方法は、特にアミ
ノ酸輸液、脂肪乳剤輸液等のような薬効成分や栄養成分
を含有する液体医薬品、保存剤が含まれていないために
品質変化し易くなっている化粧品をはじめ、各種の液状
食品、飲料等、広く水性液状物質の脱酸素保存に用いる
ことができる。
Claims (5)
- 【請求項１】 水性液状物質を密封したポリオレフィン
または塩化ビニルからなる成形容器を、さらに粒状の鉄
系酸素吸収剤とアルカリ土類金属酸化物とを熱可塑性樹
脂中に分散してなる酸素吸収層Ａと、少なくとも、酸素
吸収層Ａの内側に配されたシーラント樹脂層Ｂと酸素吸
収層Ａの外側に配されたガスバリア層Ｃとを備える酸素
吸収性多層体を用いてなる包装容器内に水分を添加する
ことなく密封することを特徴とする水性液状物質の包装
方法。 - 【請求項２】 粒状の鉄系酸素吸収剤がハロゲン化金属
を被覆した鉄粉であり、かつ該鉄粉の金属鉄含量が９５
％以上である特許請求範囲第１項記載の水性液状物質の
包装方法。 - 【請求項３】 水性液状物質の水分活性が０．７以上で
ある特許請求範囲第１項記載の水性液状物質の包装方
法。 - 【請求項４】 水性液状物質が医薬品、化粧品又は食品
である特許請求範囲第１項記載の水性液状物質の包装方
法。 - 【請求項５】 包装容器が、前記酸素吸収性多層体とシ
ーラント層を備えたガスバリア性多層体とからなる密封
性容器である特許請求範囲第１項記載の水性液状物質の
包装方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9000315A JPH10193490A (ja) | 1997-01-06 | 1997-01-06 | 水性液状物質の包装方法 |
| US09/000,864 US6113927A (en) | 1997-01-06 | 1997-12-30 | Package and packaging method for aqueous liquid materials |
| EP97310710A EP0852206B1 (en) | 1997-01-06 | 1997-12-31 | Package and packaging method for aqueous liquid materials |
| DE69719165T DE69719165T2 (de) | 1997-01-06 | 1997-12-31 | Verpackung und Verfahren zum Verpacken für wässrige Flüssigkeiten |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9000315A JPH10193490A (ja) | 1997-01-06 | 1997-01-06 | 水性液状物質の包装方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10193490A true JPH10193490A (ja) | 1998-07-28 |
Family
ID=11470483
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9000315A Pending JPH10193490A (ja) | 1997-01-06 | 1997-01-06 | 水性液状物質の包装方法 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6113927A (ja) |
| EP (1) | EP0852206B1 (ja) |
| JP (1) | JPH10193490A (ja) |
| DE (1) | DE69719165T2 (ja) |
Cited By (5)
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|---|---|---|---|---|
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| JP2000238198A (ja) * | 1999-02-18 | 2000-09-05 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 酸素吸収性多層フィルム及び包装容器 |
| JP2003088344A (ja) * | 2001-09-17 | 2003-03-25 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 酸素吸収及び炭酸ガス吸収多層体 |
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| KR20140082825A (ko) * | 2011-10-18 | 2014-07-02 | 메니콘 싱가포르 피티이. 엘티디. | 미리 형성된 다층 구조 라미네이트를 가지는 일회용 소프트 콘택트 렌즈 패키지 |
Families Citing this family (28)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| IL128143A (en) * | 1996-09-23 | 2001-05-20 | Amoco Corp | Plastic bottle with zero oxygen permeability to beer and other uses |
| FR2797623B1 (fr) * | 1999-08-19 | 2002-04-05 | Brodart | Contenant etanche destine a un produit humide, notamment alimentaire, comprenant une partie absorbante |
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| GB0208466D0 (en) * | 2002-04-12 | 2002-05-22 | Procter & Gamble | Unit dose oral treatment products, kits and methods |
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