JPH10191974A - ヒト成長ホルモンに特異的に反応するモノクローナル抗体 - Google Patents

ヒト成長ホルモンに特異的に反応するモノクローナル抗体

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JPH10191974A
JPH10191974A JP9005728A JP572897A JPH10191974A JP H10191974 A JPH10191974 A JP H10191974A JP 9005728 A JP9005728 A JP 9005728A JP 572897 A JP572897 A JP 572897A JP H10191974 A JPH10191974 A JP H10191974A
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hgh
monoclonal antibody
growth hormone
antibody
human growth
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JP9005728A
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Naoko Kono
直子 河野
Ichiro Ikeda
一郎 池田
Tadashi Makino
正 槇野
Yoshihide Hashimoto
吉秀 橋本
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト成長ホルモンに特異的に反応しサル成長
ホルモンと実質的に反応しないモノクローナル抗体、該
抗体を産生するハイブリドーマ、及びサルに投与したヒ
ト成長ホルモンを血中で測定し得る該抗体を用いたヒト
成長ホルモンの高感度免疫測定方法を提供する。 【解決手段】 ヒト成長ホルモンを免疫したマウスの脾
臓細胞を細胞融合しハイブリドーマを得、クローニン
グ、スクリーニング行うことで最終的に得られる細胞か
ら、ヒト成長ホルモンに反応しサル成長ホルモンに実質
的に反応しないモノクローナル抗体を調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒト成長ホルモンの
測定等に利用されるモノクローナル抗体、該モノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマ、及び該モノクロー
ナル抗体を用いるヒト成長ホルモンの高感度免疫測定法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒト成長ホルモン(以下hGHと略記す
ることもある)はアミノ酸191個からなるペプチドホ
ルモンである。サルもやはり同様の成長ホルモンを有し
ているが、ヒトとの差異はわずかアミノ酸4個と酷似し
ている。ヒト成長ホルモンを医薬品として開発する場合
の非臨床試験や、体内での生理的意義を探索するために
は、動物モデルを用いた試験が必須となってくる。なか
でもヒトに類似した動物としてサルを使用する必要性は
大である。これまでに、サルの成長ホルモン(以下mG
Hと略記することもある)とヒト成長ホルモンの類似性
を利用して、サル体内のmGHをhGHの測定法を用い
て測定した例はあった(Laudenslager et al.,Developm
ental Psychobiology,vol.28(4) p.119(1995)等)。し
かし、mGHの混在する中で交差反応することなく、h
GHのみを正確に定量できる直接的な測定方法は未だ知
られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、hG
Hに特異的に反応しmGHと実質的に反応しないモノク
ローナル抗体、該抗体を産生するハイブリドーマ、及び
サルに投与したhGHを血中で正確にかつ直接定量し得
る該抗体を用いたhGHの高感度免疫測定方法を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな課題を解決するために鋭意検討を行なった結果、m
GHと実質的に反応しないモノクローナル抗体を取得し
た。そして、更に該抗体を用いればサルに投与したhG
Hを血中で特異的かつ高感度に測定可能であることを見
いだし、本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、hGHに特異的に反応しm
GHと実質的に反応しないことを特徴とするモノクロー
ナル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマ、及び該モノクローナル抗体を用いることを特徴と
するhGHの免疫測定方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細について述べ
る。本発明のモノクローナル抗体が反応するhGHと
は、ヒト下垂体由来のhGH、ヒト血中のhGH、遺伝
子組換えで生産されたhGH等であり、本発明のモノク
ローナル抗体が実質的に反応しないmGHとは、サル下
垂体由来mGH、サル血中のmGH等である。
【0007】本発明のモノクローナル抗体が、hGHと
特異的に反応しmGHと実質的に反応しないとは、モノ
クローナル抗体を用いた通常の免疫測定においてhGH
と十分な反応性を示しmGHとは極めて低いか殆ど反応
性を示さないことを示し、例えば以下に例示するサンド
イッチ酵素免疫測定法においてその交差反応性が1%以
下であることを指している。
【0008】本発明のモノクローナル抗体のグロブリン
タイプは、hGHに特異的に反応しmGHと実質的に反
応しないモノクローナル抗体である限り特に限定されな
い。例えばIgG、IgM、IgA、IgE、IgD等
が挙げられる。
【0009】本発明のモノクローナル抗体を産生する細
胞株は、hGHに特異的に反応しmGHと実質的に反応
しないモノクローナル抗体を産生する限り制限はない
が、抗体産生細胞とミエローマ細胞株との細胞融合によ
りハイブリドーマとして得ることができる。そのような
ハイブリドーマの例としては、例えばMTC6B株(F
ERM P−15663)が挙げられる。本発明のhG
Hに特異的に反応しmGHと実質的に反応しないモノク
ローナル抗体を産生するハイブリドーマは、具体的には
次のような細胞融合法によって得られる。
【0010】抗体産生細胞としては、免疫された動物か
らの脾細胞、リンパ節細胞、B−リンパ球が使用され
る。抗原としては、例えば下垂体から抽出されたhG
H、遺伝子組換えで生産されたhGH等が例示される。
免疫される動物としてはマウス、ラット等が使用され、
これらの動物への抗原の投与は常法に従って行われる。
例えば完全フロインドアジュバント、不完全フロインド
アジュバントなどのアジュバントと抗原であるhGHと
の懸濁液もしくは乳化液を調製し、これを動物の静脈、
皮下、皮内、腹腔内等に数回投与することによって動物
を免疫化する。免疫化した動物から抗体産生細胞として
例えば脾細胞を取得し、これとミエローマ細胞とをそれ
自体公知の方法(G.Kohler et al .,Nature,256 495(19
75))により融合することにより、本発明のハイブリド
ーマを作製することができる。
【0011】細胞融合に使用するミエローマ細胞株とし
ては、例えばマウスではP3X63Ag8、P3U1
株、Sp2/0株などが挙げられる。細胞融合を行なう
に際しては、ポリエチレングリコール、センダイウイル
スなどの融合促進剤を用い、細胞融合後のハイブリドー
マの選抜にはヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジ
ン(HAT)培地が常法により使用できる。
【0012】細胞融合により得られたハイブリドーマを
限界希釈法等によりクローン化する。更に、その中でh
GH及びmGHを用いた酵素免疫測定法によりスクリー
ニングを行なうことで、本発明のhGHに特異的に反応
しmGHに実質的に反応しないモノクローナル抗体産生
細胞株を得ることができる。
【0013】このようにして得られたハイブリドーマか
ら目的とするモノクローナル抗体を製造するには、通常
の細胞培養法や腹水形成法により該ハイブリドーマを培
養し、培養上清あるいは腹水から該モノクローナル抗体
を精製すればよい。培養上清もしくは腹水からのモノク
ローナル抗体の精製は、常法により行なうことができ
る。例えば、硫安分画、ゲルろ過、イオン交換クロマト
グラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを
適宜組み合わせて使用できる。
【0014】本発明のモノクローナル抗体を用いるhG
Hの免疫測定方法としては、該モノクローナル抗体を利
用した、例えば酵素免疫測定法、ラジオイムノアッセ
イ、蛍光免疫測定法、発光免疫測定法等が例示され、好
ましくは酵素免疫測定法があげられる。特に酵素免疫測
定法において、該モノクローナル抗体を不溶性担体に結
合させてモノクローナル抗体結合不溶性担体を得、この
モノクローナル抗体結合不溶性担体を用いた、いわゆる
サンドイッチ酵素免疫測定法が好ましい。
【0015】以下、サンドイッチ酵素免疫測定法に基づ
いて本発明の測定方法を説明する。第(1)の工程とし
て、本発明のモノクローナル抗体を不溶性担体に結合さ
せたモノクローナル抗体結合不溶性担体と、ヒト成長ホ
ルモンを含む被検液を反応させて、hGHのみを特異的
に該モノクローナル抗体結合不溶性担体に結合させた結
合体を形成する。該不溶性担体としては、マイクロプレ
ート、プラスティックビーズ、ガラスビーズ、磁性微粒
子等が挙げられる。モノクローナル抗体をこれらの不溶
性担体に結合させる方法は、公知の化学的結合方法でも
よいが物理的吸着方法で十分である。即ち、本発明のモ
ノクローナル抗体を炭酸緩衝液やリン酸緩衝液等に溶解
し、前記不溶性担体を加えて、0℃〜室温にて1時間以
上放置した後、Tween20(ポリオキシエチレン・
ソルビタール・モノラウレート)、アジ化ナトリウム等
を添加したTris塩酸緩衝液、リン酸緩衝液等により
洗浄して未結合の抗体を除去する。次に、得られたモノ
クローナル抗体結合不溶性担体にヒト成長ホルモンを含
む被検液を反応させ、被検液中のhGHを結合させる。
【0016】さらに第(2)の工程として、第(1)の
工程で得られた結合体に抗hGH抗体を酵素標識したも
の(以下抗hGH酵素標識抗体と略す)を反応させ、モ
ノクローナル抗体結合不溶性担体上に本発明の抗hGH
モノクローナル抗体−hGH−抗hGH酵素標識抗体と
いうサンドイッチ状複合体を形成させる。ここで抗hG
H酵素標識抗体に用いる抗hGH抗体は、前記の抗hG
Hモノクローナル抗体とは認識するエピトープの異なる
hGHのみに反応する抗体もしくはhGHとmGHの両
方に反応する抗体のいずれでもよく、モノクローナル抗
体またはポリクローナル抗体のいずれでもよい。特に、
好ましくはアフィニティ精製した抗hGHウサギポリク
ローナル抗体であり、しかも非特異的吸着を減少させる
ためにF(ab’)2、Fab’フラグメント等が望ま
しい。更に、標識される酵素としては西洋ワサビペルオ
キシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコースオ
キシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。こ
れらの酵素を抗hGH抗体または抗体のF(ab’)
2、Fab’フラグメントに標識する方法は、酵素の糖
鎖を過ヨウ素酸で酸化し、生成したアルデヒド基に抗h
GH抗体などのアミノ酸を結合させる方法や、酵素にマ
レイミド基あるいはピリジルスルフィド基等を導入し、
抗hGH抗体のFab’フラグメントに存在するチオー
ル基と結合させる方法等の公知の方法で実施することが
できる。
【0017】第(3)の工程として、第(2)の工程で
得られたサンドイッチ状複合体中の標識に用いた酵素の
活性量を測定する。すなわち該酵素の活性量は、最初に
反応させたhGH量に依存するので、被検液中のhGH
量のみを測定することができる。該酵素の活性測定はそ
の酵素の基質となる物資を添加することにより行なわれ
る。また、抗hGH酵素標識抗体の代わりに、ビオチン
標識抗体を使用し、モノクローナル抗体結合不溶性担体
上に本発明の抗hGHモノクローナル抗体−hGH−抗
hGHビオチン標識抗体というサンドイッチ状複合体を
形成さた後、酵素標識アビジンまたは酵素標識ストレプ
トアビジンを反応させ、本発明の抗hGHモノクローナ
ル抗体−hGH−抗hGHビオチン標識抗体−酵素標識
アビジンまたは酵素標識ストレプトアビジンというサン
ドイッチ状複合体を形成させ、該サンドイッチ状複合体
中の酵素活性量を測定する方法でもよい。
【0018】なお、上記サンドイッチ酵素免疫測定法に
おいて、本発明の抗hGHモノクロ−ナル抗体と抗hG
H酵素標識抗体とを入れ代えて用いる測定法も当然なが
ら可能であり、そのような方法も上記サンドイッチ酵素
免疫測定法と同等の効果を有するがゆえに、本発明の範
疇である。
【0019】このように本発明の酵素免疫測定法におい
ては、mGHの影響なしにhGHを特異的に測定するこ
とが可能である。検量線作製に用いる標準hGHとして
は、遺伝子組換えによって作製されたhGHを用いるこ
とができる。このようにして本発明の測定方法により、
サル血中においてhGHのみの直接的かつ正確な定量が
可能となる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に限られるものではない。 実施例1 抗hGHモノクローナル抗体の作製 (1)免疫 遺伝子組換えで生産され、精製されたhGH(特開平6
−269292に記載の方法で調製された)を抗原とし
て、Balb/c系マウス(5週令、メス)に対し、計
5回の免疫を行なった。初回は、フロインドの完全アジ
ュバント(Complet Freund’s Aju
vant、DIFCO製)と混和したhGH100μgを腹
腔内に投与した。その後2週間隔で3回、フロインドの
不完全アジュバント(Incomplet Freun
d’s Ajuvant、DIFCO 製)と混和したhG
H 50μgを腹腔内に投与した。最終免疫は、4回目
の免疫の2週間後に生理食塩水に溶解したhGH 50
μgを尾静脈内に投与し、その3日後に免疫したマウス
の脾臓細胞を細胞融合に用いた。
【0021】(2)細胞融合による抗体産生ハイブリドー
マの作製 免疫した脾臓細胞と、マウス骨髄腫細胞P3X63Ag
8を約5:1〜10:1の割合で混合し、50%(W/
V)ポリエチレングリコール溶液(GIBCO製、平均分子
量4000)を融合促進剤として使用し、常法に従い細
胞融合を行なった。融合後の細胞は、脾臓細胞換算で1
×106個/mlになるように20%ウシ胎児血清含有
IMDM培地(GIBCO製)にヒポキサンチン、アミノプ
テリン、チミジンを加えた培地(HAT培地)に懸濁
し、96ウエルマイクロプレート(Corning製)に1ウ
エル当たり0.1mlずつ分注した。該融合細胞をCO
2インキュベーター(37℃、5%CO2)で、3〜5日
毎に半量ずつ培地交換を行ないながら培養した。HAT
培地で増殖可能なハイブリドーマのみ選択培養した。
【0022】(3)スクリーニング コロニー形成の確認されたウエルについて、培養上清中
のhGHに対する抗体の有無を確認するために、酵素免
疫測定法によるスクリーニングを行なった。0.1M炭
酸緩衝液(pH9.6)で10μg/mlに希釈したh
GHを96ウエルマイクロプレート(GREINER製)に、
1ウエル当たり50μlずつ分注し、4℃で1晩放置し
固定させた。このプレートを洗浄液(0.02%アジ化
ナトリウム、0.05%Tween20を含む10mM
トリス塩酸緩衝液(pH8.0))で洗浄後、ブロック液
1(0.5%ウシ血清アルブミンを含むPBS)を10
0μlずつ加えブロッキングした。ブロック液1を除去
し、上記(2)でコロニー形成の確認されたウエルの培養
上清を各ウエルに50μlずつ添加し、室温で2時間振
とうした。洗浄後、ブッロク液1で500倍に希釈した
アルカリホスファターゼ標識抗マウスIgs-抗体(DAKO
製)をウエル当たり100μlずつ分注し、室温で2時
間振とうした。洗浄液で洗浄後、基質溶液(0.6%p
−ニトロフェニルリン酸、0.5mM塩化マグネシウム
を含む9.6%ジエタノールアミン緩衝液(pH9.
6))50μlを加え、室温で30分間振とうした。反
応液に3N水酸化ナトリウム50μlを加え反応を停止
させ、405nmにおける吸光度をイムノリーダー(日
本インターメッド製)にて測定し、hGHに反応するコ
ロニーを選択し、クローニングに供した。
【0023】(4)ハイブリドーマのクローニング、mG
Hとの反応性の確認 hGHに反応する抗体を産生するハイブリドーマについ
て、限界希釈法によるクローニングを3回繰り返し行な
った。得られた抗hGH抗体産生ハイブリドーマの培養
上清を上記(3)と同様の試験に供した。ただし今回は既
報の方法(Chohet al.,Science,124(1956)等)に準じて
サル下垂体より精製し作製したmGHを固定し、mGH
との反応性を調べた。この結果、hGHに特異的に反応
しmGHに実質的に反応しない抗体を産生するハイブリ
ドーマ、MTC6B株を取得した。MTC6B株は、茨
城県つくば市東1丁目1番3号の通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所に受託番号FERM P−15
663として寄託されている。
【0024】(5)ハイブリドーマが産生するモノクロー
ナル抗体のサブクラスの決定 得られたハイブリドーマMTC6B株の産生する抗hG
Hモノクローナル抗体のサブクラスをマウスモノクロー
ナル抗体アイソタイピング用試験紙(ISO Strip、ベー
リンガー・マンハイム製)を使用し決定した。MTC6
B株の産生する抗hGHモノクローナル抗体のサブクラ
スは、H鎖はIgG1、L鎖はκであった。
【0025】(6)モノクローナル抗体の調製 MTC6B株を培養し増殖させ、1×107個の細胞を
2週間前にプリスタンを投与したBalb/cマウスの
腹腔内に接種した。接種から10〜14日後、マウスの
腹腔から腹水を採取した。採取した腹水はプロテインA
(BIO RAD製)を用いたアフィニティークロマトグラフ
ィーで精製し、本発明の抗hGHモノクローナル抗体で
あるMTC6Bモノクローナル抗体を得た。
【0026】参考例1 抗hGHウサギポリクローナル
抗体及び抗hGH標識抗体の作製 (1)免疫 遺伝子組換えで生産し、精製されたhGH(特開平6−
269292記載の方法で調製された)100μgをフ
ロインドの完全アジュバント(CompletFreu
nd’s Ajuvant、DIFCO製)と混和し、ウサ
ギ背部数カ所に投与し、初回免疫を行なった。その後2
週間隔で同様の投与法により計5回追加免疫を行なっ
た。
【0027】(2)抗血清の精製 上記(1)で得られたウサギ抗血清を硫酸ナトリウム分画
(18%飽和)後、17.5mMリン酸緩衝液(pH
6.3)で平衡化したDEAE−セルロース(DE−5
2、Whattman製)に通し、非吸着画分を分取し、抗hG
Hウサギポリクローナル抗体IgG画分を得た。
【0028】(3)抗hGH標識抗体の作製 上記(2)で得られた抗hGHウサギポリクローナル抗体
IgG画分を0.1M塩化ナトリウムを含む0.1Mク
エン酸緩衝液(pH4.5)で透析した後、1N塩酸で
pHを3.7に調整し、該抗hGHウサギポリクローナ
ル抗体IgG画分に対し3%ペプシンを加え、37℃で
3.5時間消化した。1Mトリス溶液でpHを7.5〜
8.0に調整し反応を停止した。これを2mMエチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム及び0.1M塩化ナトリウ
ムを含む0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡
化したS−200SFカラム(Pharmacia製)でゲルろ
過し、最初に溶出するピークを分取した。分取した画分
に1/50量の0.2M 2−メルカプトエチルアミン
液を加え37℃で90分反応させた。次に2mMエチレ
ンジアミン四酢酸二ナトリウム及び0.1M塩化ナトリ
ウムを含む0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平
衡化したSephadex G−25カラム(Pharmacia
製)でゲルろ過し、最初に溶出するピーク、Fab’画
分を分取した。上記の操作とは別に西洋ワサビ由来ペル
オキシダーゼ(東洋紡製、以下PODと略す)5mgを
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、それに
4.0mgのN−サクシニミジル−4−(マレイミドメ
チル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレートを50
μlのジメチルフォルムアミドに溶解したものを添加
し、30℃で60分間保温した。これを2mMエチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム及び0.1M塩化ナトリウ
ムを含む0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡
化したSephadex G−25カラム(Pharmacia
製)でゲルろ過し、最初に溶出するピーク、ピリジルジ
チオ基結合POD画分を分取した。前記Fab’画分に
対してピリジルジチオ基結合PODを等モル加え、4℃
で1夜放置した。この混合液を0.1M塩化ナトリウム
含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡化した
S−200SFカラムでゲルろ過し、最初に溶出するピ
ーク、POD標識抗hGHFab’画分を分取した。保
護安定剤としてウシ血清アルブミンを0.1%となるよ
うに添加し、使用時まで4℃で保存した。
【0029】実施例2 サンドイッチ酵素免疫測定法に
よるMTC6Bモノクローナル抗体のhGHとmGHと
の反応性 実施例1で得られたMTC6Bモノクローナル抗体を用
いてhGHとmGHに対する反応性を確認した。MTC
6Bモノクローナル抗体をPBSで10μg/mlに希
釈し、96ウエルマイクロプレート(GREINER製)に1
ウエル当たり50μlずつ分注し、4℃で1晩放置し
た。このプレートを洗浄液(0.05%Tween20
を含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0))で洗浄
後、ブロック液2(ブロックエース(雪印製)をPBS
で4倍希釈)でブッロキングした。ブロック液2を除去
した後、96ウエル中32ウエルにブッロク液2で適当
な濃度(0〜100ng/ml)に希釈したhGHを1
00μl、32ウェルに同様にブロック液2で適当な濃
度(0〜100ng/ml)に希釈したmGHを100
μl、残り32ウェルに40ng/mlのmGHを含む
サル血清(以下mSと略記することもある)で適当な濃
度(0〜100ng/ml)に希釈したhGHを100
μl添加し、室温で2時間振とうした。プレートを洗浄
液で洗浄した後、参考例1に記載のPOD標識抗hGH
抗体Fab’画分を抗体希釈液(ブロックエース(雪印
製)をPBSで10倍希釈)で500倍に希釈したもの
をウエル当たり100μlずつ分注し、室温で2時間振
とうした。洗浄操作を行なった後、基質溶液(0.67
mg/mlo−フェニレンジアミンを含む0.02%過
酸化水素水)100μlを加え、室温で30分間振とう
した。反応液に1M硫酸を100μl加え反応を停止さ
せ、490nmにおける吸光度をイムノリーダー(日本
インターメッド製)により測定した。その結果を図1
(図1)に示す。実施例1で得られたMTC6Bモノク
ローナル抗体は、mGHとは100ng/mlの場合で
もほとんど反応せず、そのときの吸光度をhGHの反応
曲線で計算すると、hGH換算で0.3ng/ml以下
となった。よってその交差反応性は、1%以下と計算さ
れる。また、mGHを含むサル血清が混在していてもh
GHとの反応性に影響はほとんどなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明のハイブリドーマは、hGHに特
異的に反応し、mGHと実質的に反応しないモノクロー
ナル抗体を産生する。本発明のモノクローナル抗体を利
用して、サンドイッチ酵素免疫測定法により直接サル血
中のhGHのみを正確に定量することができる。そのた
め本発明の測定方法は、これまで測定不可能であった、
サルをモデルにした場合のhGHの体内動態などの解明
にとって有効な手段となることが期待される。また本発
明の測定方法は、成長障害疾患の治療薬等として有用と
考えられるhGHの開発においても、非臨床試験等での
動物モデルの可能性を広げた。
【図面の簡単な説明】
【図1】サンドイッチ酵素免疫測定法によるMTC6B
モノクローナル抗体のhGHとmGH、サル血清に添加
したhGHとの反応性を示す図である。図中hGHは比
と成長ホルモンを、mGHはサル成長ホルモンを、Sm
はサル血清をそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 橋本 吉秀 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井東圧 化学株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト成長ホルモンに特異的に反応し、サ
    ル血中成分と実質的に反応しないことを特徴とするモノ
    クローナル抗体。
  2. 【請求項2】 サル成長ホルモンとの交差反応性が1%
    以下である請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 ハイブリドーマFERM P−1566
    3が産生する請求項1または2に記載のモノクローナル
    抗体。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載のモノクロ
    ーナル抗体を産生する細胞株。
  5. 【請求項5】 細胞株がハイブリドーマFERM P−
    15663である請求項4に記載の細胞株。
  6. 【請求項6】 請求項1、2または3に記載のモノクロ
    ーナル抗体を用いることを特徴とするヒト成長ホルモン
    の免疫測定方法。
  7. 【請求項7】 ヒト成長ホルモンの免疫測定方法が酵素
    免疫測定法である請求項6に記載の免疫測定方法。
  8. 【請求項8】 以下の(1)〜(3)の工程よりなる、
    サンドイッチ酵素免疫測定法である請求項7に記載の免
    疫測定方法。 (1) ヒト成長ホルモンに特異的に反応しサル成長ホ
    ルモンと実質的に反応しないモノクローナル抗体を不溶
    性担体に結合させたモノクローナル抗体結合不溶性担体
    と、ヒト成長ホルモンを含む被検液を反応させて、ヒト
    成長ホルモンのみを特異的に該モノクローナル抗体結合
    不溶性担体に結合させた結合体を形成し、(2) 工程
    (1)で得られた結合体と、ヒト成長ホルモンに特異的
    に反応する抗体を酵素標識した抗ヒト成長ホルモン酵素
    標識抗体とを反応させて、該モノクローナル抗体結合不
    溶性担体上にモノクローナル抗体−ヒト成長ホルモン−
    抗ヒト成長ホルモン酵素標識抗体というサンドイッチ状
    複合体を形成させ、(3) 工程(2)で得られたサン
    ドイッチ状複合体の標識として用いた酵素の活性量を測
    定する。
  9. 【請求項9】 モノクローナル抗体のサル成長ホルモン
    との交差反応性が1%以下である請求項6、7または8
    に記載の免疫測定方法。
  10. 【請求項10】 測定感度が0.001〜0.05ng
    /ml、好ましくは0.01〜0.03ng/mlであ
    る請求項6〜9のいずれかに記載の免疫測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023032955A1 (ja) * 2021-08-31 2023-03-09 大正製薬株式会社 抗成長ホルモン抗体

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WO2023032955A1 (ja) * 2021-08-31 2023-03-09 大正製薬株式会社 抗成長ホルモン抗体

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