JPH10189524A - 洗浄処理装置および洗浄処理方法 - Google Patents

洗浄処理装置および洗浄処理方法

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JPH10189524A
JPH10189524A JP35002896A JP35002896A JPH10189524A JP H10189524 A JPH10189524 A JP H10189524A JP 35002896 A JP35002896 A JP 35002896A JP 35002896 A JP35002896 A JP 35002896A JP H10189524 A JPH10189524 A JP H10189524A
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cleaning liquid
cleaning
processing tank
hole
tank
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JP35002896A
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English (en)
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Kazumi Asada
和己 浅田
Kiyoshi Kurosawa
清志 黒沢
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理槽内における洗浄液の滞留や淀みの発生
を防止し、洗浄液中の汚染物の被処理面への再付着を防
止するとともに洗浄液中の汚染物量を効率良く低減す
る。 【解決手段】 底板2aと底板2aの周縁から立ち上が
った側壁2bとからなるもので洗浄液を満たす処理槽2
と、この処理槽2から洗浄液がオーバーフローするよう
に処理槽に洗浄液を供給する供給部4とを備えた洗浄処
理装置1において、処理槽2の側壁2bに、洗浄液を流
出させるための貫通孔5が形成されている。貫通孔5の
径rは、この貫通孔5から流出する洗浄液の単位時間当
たりの液量が、処理槽2からオーバーフローする洗浄液
の単位時間当たりの液量以下になる大きさに形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
の洗浄処理工程に用いられる洗浄処理装置および洗浄処
理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、半導体装置の製造プロセスでは、
被処理物であるウエハを洗浄してこのウエハ表面に付着
している不要な物質(汚染物)を除去する洗浄処理が何
度も行われる。例えば不純物の拡散の前やCVD(化学
的気相成長)の前、RIE(反応性イオンエッチング)
加工後のレジスト除去(後処理)の際といった具合であ
る。このように洗浄処理を何度も行うのは、ウエハ表面
が汚染された状態で半導体装置の製造を進めていくと、
その汚染が原因になって様々な半導体装置の不良が生
じ、製品化された半導体装置の電気的信頼性および製造
歩留りが著しく低下するからである。したがって、半導
体装置の製造プロセスの中で洗浄処理工程の占める割合
は大きいものとなっている。
【0003】上記の洗浄処理工程では、例えば薬液槽お
よび水洗槽からなる処理槽と乾燥ユニットとを備えて構
成された洗浄処理装置が用いられている。薬液槽は、ウ
エハ表面から主にパーティクルや重金属、アルカリ金
属、有機物等の汚染物を除去することを目的とした槽で
あり、洗浄液として除去対象の汚染物に応じた薬液が満
たされるものである。また水洗槽は、上記汚染物の除去
の他にウエハ表面に残留している薬液の除去と乾燥前の
最終水洗とを目的として設けられた槽で、洗浄液として
純水が供給されるようになっている。また上記の洗浄処
理装置では、処理方式として、バッチ処理するディップ
式や、枚葉処理するスピン式、スプレー式等が採用され
ているが、現在のところ汚染物除去、ウォータマーク、
ウエハ裏面汚染といった観点からディップ式が主流とな
っている。
【0004】このディップ式を採用した洗浄処理装置で
は、洗浄液中に存在している汚染物がウエハ表面に付着
することによりウエハ表面を再汚染させないことが重要
である。そこで従来では、洗浄の際、次のように処理槽
内の洗浄液を循環させて洗浄液中に存在する汚染物量の
低減を図っている。すなわち、図9に示すように処理槽
31からこの内部の洗浄液20を処理槽31の外周に設
けられた外槽32へとオーバーフローさせ、洗浄液20
とともに洗浄液20中の汚染物を処理槽31外の外槽3
2に排出する。そして洗浄液20を外槽32からポンプ
33を介してフィルタ(図示略)に導き、そこで炉過し
て清浄化した後にバルブ34を介して再び処理槽31内
に供給する。または処理槽31からオーバーフローさせ
た洗浄液20を外槽32から排出し、その分清浄な洗浄
液20を処理槽31に供給している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来の洗浄処理装置では、図9中矢印にて示すごとく洗浄
液20が処理槽31の外壁31aを乗り越えようとする
際に、表面張力によって洗浄液20が外壁31aに沿っ
て下方に潜り込むような水流が発生する。その結果、処
理槽31の上部に洗浄液20の乱流が発生して滞留や淀
み21が生じる。また通常、処理槽31は平面視略矩形
をなすことから、この構造によって図10に示すように
処理槽31の下部の四隅にも洗浄液20の乱流による滞
留や淀み21が生じる。
【0006】このように洗浄液20の滞留や淀み21が
生じると、洗浄液20の循環効率が悪くなって洗浄液2
0に浸漬させたウエハとウエハとの間やウエハと処理槽
31との間を洗浄液20が循環しなくなり、または循環
する洗浄液20の量が不足する。そして洗浄液20中に
取り込まれた汚染物がウエハ表面に再付着し、また処理
槽31自体も汚染されるといった不具合が生じる。前述
したようにウエハ表面が汚染された状態で半導体装置が
製造されると、半導体装置の電気的信頼性および製造歩
留りが著しく低下することになる。
【0007】また滞留や淀み21が生じている処理槽3
1の上部や下部では洗浄液20が循環しないため、その
部分での汚染物の蓄積が起こる。結果として、液中ダス
ト数の経時変化を示す図11のグラフからも明らかなよ
うに、長時間洗浄液20を循環させて清浄化を図って
も、ある一定のレベルから汚染物量が低下しないという
不都合も生じる。ここで図11は、オーバーフロー流量
を30(l/min)とし、ダミーウエハ50枚を洗浄
液20中に浸漬させたときの結果である。なお、従来で
は洗浄液20の表面張力の影響を減少させて洗浄液20
が処理槽31の外壁31aを乗り越え易くするために外
壁31aの上端縁に、一般にノッチと呼ばれる切欠き部
を所定の間隔で形成している。しかしながら、ノッチが
形成されている箇所では乱流の発生が抑制されるもの
の、ノッチ間では依然として上記と同様の不具合が発生
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る洗浄処理装置は、底板と底板の周縁から
立ち上がった側壁とからなるもので洗浄液を満たす処理
槽と、この処理槽から洗浄液がオーバーフローするよう
に処理槽に洗浄液を供給する供給部とを備えたものにお
いて、処理槽の側壁に、洗浄液を流出させるための貫通
孔が形成されているものである。このときの貫通孔の径
は、ここから流出する洗浄液の単位時間当たりの液量
が、処理槽からオーバーフローする洗浄液の単位時間当
たりの液量以下になる大きさに形成されている。
【0009】本発明装置では、処理槽の側壁に貫通孔が
形成されているため、処理槽内において処理槽からオー
バーフローする洗浄液の流れが形成されると同時に、貫
通孔から外部へと流出する洗浄液の流れが形成される。
この結果、洗浄液が外壁に沿って下方に潜り込むような
流れが抑制されて滞留や淀みの発生が抑えられるため、
処理槽内を洗浄液が効率良く流れることになる。また貫
通孔を形成しても、貫通孔から流出する洗浄液の単位時
間当たりの液量が、処理槽からオーバーフローする洗浄
液の単位時間当たりの液量以下になるので、オーバーフ
ローによって洗浄液中の汚染物が除去される効果が損な
われない。
【0010】また本発明に係る洗浄処理方法は、底板と
該底板の周縁から立ち上がった側壁とからなりかつその
側壁に貫通孔が形成されてなる処理槽内に洗浄液を満た
し、続いて処理槽から洗浄液をオーバーフローさせつつ
かつ貫通孔から洗浄液を流出させつつ、処理槽内に被処
理物を浸漬させることにより被処理物の被処理面を洗浄
する方法である。
【0011】本発明方法では、洗浄処理の際、処理槽か
ら洗浄液をオーバーフローさせるとともに洗浄液を貫通
孔から流出させるので、処理槽内にて滞留や淀みを発生
することなく効率良く流れる洗浄液によって被処理面が
洗浄されることになる。よって洗浄液中の汚染物が被処
理面に再付着したり、処理槽自体を汚染するのが防止さ
れる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る洗浄処理装置
および洗浄処理方法の実施の形態を図面に基づいて説明
する。なお、本実施形態では、本発明の被処理物をウエ
ハとするとともに被処理面をウエハ表面とした場合につ
いて述べる。図1は本発明装置の一実施形態の概略構成
を示す模式図である。この洗浄処理装置1は、処理槽2
から洗浄液をオーバーフローさせつつウエハを洗浄液に
浸漬させてウエハ表面を洗浄処理するもので、洗浄液を
満たす上記処理槽2と、処理槽2の外周に設けられた外
槽3と、処理槽2に洗浄液を供給する供給部4とを備え
て構成されている。なお、本明細書中において洗浄液と
は、半導体装置の製造の洗浄工程で用いる薬液や純水を
意味することとする。前記薬液としては、例えばアンモ
ニア−過酸化水素の混合液(APM)、硫酸−過酸化水
素の混合液(SPM)、塩酸−過酸化水素の混合液(H
PM)、フッ酸−過酸化水素の混合液(FPM)、熱燐
酸、発煙硝酸、フッ酸水溶液(DHF)系、緩衝フッ酸
(BHF)系等が挙げられる。
【0013】処理槽2は、底板2aと底板2aの周縁か
ら立ち上がった側壁2bとから平面視略矩形状に形成さ
れてなるもので、各側壁2bの上部側に、洗浄液を流出
させるための複数の貫通孔5が形成されている。また各
側壁2bの上端縁に、所定間隔で切欠き部(以下、ノッ
チと記す)6が形成されている。この実施形態では、ノ
ッチ6が正面視した状態でV字状に形成されており、上
記した貫通孔5が、ノッチ6の最下端よりも下方でしか
も互いに隣合うノッチ6間における略中間位置の下方に
形成された状態になっている。つまり互いに隣合うノッ
チ6間の寸法wの1/2が、貫通孔5の略中心からノッ
チ6の略中心までの寸法になっている。
【0014】ここで、ノッチ6の最下端から貫通孔5の
略中心までの寸法hは、使用する洗浄液の種類に応じて
例えば5(mm)〜20(mm)程度の範囲に設定され
るのが好適である。このようにノッチ6間でかつノッチ
6の最下端よりも5(mm)〜20(mm)程度下方に
貫通孔5を形成するのは、そこが乱流による洗浄液の滞
留や淀みが発生し易い箇所であるためである。またノッ
チ6間の略中心位置に貫通孔5を設けると、貫通孔5か
らの洗浄液の流出が効率良くなされ、したがって乱流の
発生が極めて効果的に抑制されるからである。
【0015】また各貫通孔5の径rは、全ての貫通孔5
から流出する洗浄液の単位時間当たりの液量の合計が、
処理槽2からオーバーフローする洗浄液の単位時間当た
りの液量以下になる大きさに形成されている。これは、
オーバーフローする洗浄液の単位時間当たりの液量より
も、全ての貫通孔5から流出する洗浄液の単位時間当た
りの液量の合計が多いと、オーバーフローによって洗浄
液とともに洗浄液中に存在している汚染物を除去する効
果が薄くなる恐れがあるためである。
【0016】上記のような条件を満たす貫通孔5の径r
としては、例えば1.0(mm)〜4.0(mm)程度
の範囲に形成されていることが望ましい。1.0(m
m)未満であると、洗浄液の表面張力によって洗浄液が
流出しなくなる可能性があり、4.0(mm)を越える
とオーバーフローする洗浄液の液量よりも貫通孔5から
流出する液量が多くなる恐れがあるからである。また貫
通孔5の径rは、1.0(mm)〜4.0(mm)程度
の範囲において洗浄液の粘性等に応じて設定する。例え
ば粘性の高いSPM、DHF、熱燐酸等からなる洗浄液
を用いる場合には径rを大きく設定し、粘性の低い純水
やAPM、HPM等からなる洗浄液を用いる場合には径
rを小さく設定する。
【0017】上記のように複数の貫通孔5が形成された
処理槽2の底板2aの上方には、底板2aと略平行に整
流板(図示略)が設けられている。整流板は、供給部4
から処理槽2に供給される洗浄液を底板2a全面に均一
に広げた状態で吹き出させるもので、洗浄液を吹き出す
複数の円形の孔およびスリット状の孔が形成されてい
る。スリット状の孔は、処理槽2内にウエハを浸漬させ
た場合に隣合うウエハとウエハとの間を洗浄液が流れる
ようウエハ表面に沿う状態で形成されている。一方、外
槽3は、処理槽2からオーバーフローした洗浄液および
貫通孔5から流出した洗浄液を受けるもので、処理槽2
の上部側に外周に沿って設けられている。また、配管7
を介して排水系(Drain)および供給部4の上流側にそれ
ぞれ接続されている。
【0018】供給部4は、処理槽2からオーバーフロー
するように洗浄液を供給するもので、洗浄液を循環させ
るためのポンプ8と、洗浄液を炉過して汚染物を取り除
くためのフィルタ(図示略)と、バルブ9と、新しい清
浄な洗浄液を供給する洗浄液供給系(図示略)とを備え
て構成されている。そして供給部4の下流側が処理槽2
と排水系とを接続する配管10に接続されている。
【0019】上記のごとく構成された洗浄処理装置1で
は、図2中矢印にて示すように、処理槽2内に満たされ
た洗浄液20が処理槽2から外槽3へとオーバーフロー
すると同時に、ノッチ6間に設けられた各貫通孔5から
外槽3へ流出する。そして外槽3からポンプ8を介して
フィルタに導かれ、そこで炉過されて清浄化された後に
バルブ9を介して再び処理槽3内に供給される。または
洗浄液20が外槽3から排出され、その分清浄な洗浄液
20が処理槽2に供給される。
【0020】このような洗浄処理装置1を用いてウエハ
表面を洗浄処理する場合には、まず処理槽2内に洗浄液
20を満たす。そして、処理槽2から洗浄液20をオー
バーフローさせつつかつ貫通孔5から洗浄液20を流出
させつつ、キャリアに収納したウエハをキャリアごと処
理槽2内に浸漬させて、ウエハ表面を洗浄処理する。こ
のとき、貫通孔5から流出する洗浄液20の単位時間当
たりの液量が、処理槽2からオーバーフローする洗浄液
20の単位時間当たりの液量以下になるように貫通孔5
から洗浄液20を流出させる。所定時間が経過した後
は、キャリアを処理槽2から搬出し、ウエハを乾燥させ
る。
【0021】図3(a)は本実施形態の洗浄処理装置1
にてウエハ50を洗浄処理する際の洗浄液の流れをシミ
ュレーションした結果を示す図であり、同図(b)は従
来の洗浄処理装置における洗浄液の流れをシミュレーシ
ョンした結果を示す図である。この結果から、貫通孔5
が形成されていない従来の装置では、ノッチ6間におい
て洗浄液20が処理槽31の外壁31aに沿って下方に
潜り込み、さらに回り込んで滞留や淀み21が発生して
いる。これに対し、貫通孔5が形成された本実施形態の
装置1では、処理槽2の上部だけでなく中間部、下部に
おいても洗浄液20が回り込むような流れがほとんど発
生しておらず、滞留および淀み21がなくなっているこ
とが確認される。
【0022】また図示しないが、整流板から吹き出され
た洗浄液のノッチ6間での流れを本実施形態の洗浄処理
装置1と従来の装置とでシミュレーションした結果、従
来の装置ではウエハ間に若干淀みが存在し、ウエハ間を
スムーズに洗浄液が流れていないことが認められた。こ
れに対して本実施形態の装置1では、淀みの発生が見ら
れず、ウエハ間を洗浄液がスムーズに効率良く流れてい
ることが確認された。
【0023】図4は、径が0.309(μm)のポリス
チレン標準粒子を7.3(l)の処理槽2内の洗浄液に
10(μl)添加し、その後純水で置換した場合の処理
槽2内におけるダスト数の経時変化を測定した結果を示
すグラフである。この結果は、キャリアおよびウエハを
洗浄液内に浸漬しない状態(無負荷)で測定し、また洗
浄液のオーバーフロー流量を15.2(l/min)と
したときの結果である。図4において△は本実施形態の
装置1の結果、○は従来の装置の結果を示している。ま
た、従来の装置は、一方向から何点か洗浄液をウエハ表
面に平行に吹き出すことによりウエハ表面付近の汚染物
を除去する機構を備えた装置である。
【0024】図4から本実施形態の洗浄処理装置1で
は、時間の経過とともに処理槽2内のダスト数が急激に
かつ直線的に減少しているのに対して従来の装置では、
本実施形態の装置1に比較してダストの減少が緩やかで
長時間置換を行ってもある一定のレベルからダスト数が
減少していないことが確認される。そして、本実施形態
の装置1では従来の装置に比べて、同じレベルのダスト
数(例えば100個)で純水置換時間が約1/2に短縮
されていることが認められる。
【0025】図5は本実施形態の洗浄処理装置1にて、
径が0.309μmのポリスチレン標準粒子を7.3リ
ットルの処理槽2内の洗浄液に10μl添加し、ウエハ
を収納したキャリアを洗浄液内に浸漬させて洗浄処理し
た場合の処理槽2内におけるダスト数の経時変化を測定
した結果を示したグラフである。図5において●はキャ
リアに収納した4.25インチのウエハを洗浄液内に浸
漬させたときの結果、○はキャリアおよびウエハを洗浄
液内に浸漬しないときの結果である。またオーバーフロ
ー流量を15.2(l/min)の流量としている。
【0026】この結果から本実施形態の装置1において
は、洗浄液内にウエハ収容したキャリアを浸漬させるさ
せないにかかわらず、つまり負荷のあるなしにかかわら
ず、洗浄液内のダスト数を低減させる能力が変わらない
ことがわかる。また、ウエハ面に沿って洗浄液を吹き出
すスリット状の孔を有する整流板がダストの低減に効果
的に働いていることが知見される。
【0027】さらに実際の半導体装置の製造工程に配置
されている従来の洗浄装置を第1実施形態の洗浄処理装
置1に替えて洗浄液中のダストの推移を追ったところ、
約1か月の期間での洗浄液中のダスト(0.3μm以
上)数の平均値が従来では約70(個/10ml)であ
ったのに対し、第1実施形態の装置1では約39(個/
10ml)と大幅な低減が確認された。
【0028】以上の結果からも明らかなように本実施形
態の洗浄処理装置1では、処理槽2の外壁2bに形成さ
れた貫通孔5から洗浄液を流出させることができるの
で、ノッチ6間に貫通孔5へと流出する新たな洗浄液の
流れ(以下、これを制御流と記す)を形成できる。よっ
て、処理槽2の上部側にて表面張力により洗浄液が外壁
3bに沿って下方に潜り込むような流れが発生し難くな
り、このことにより洗浄液の滞留や淀みの発生を大幅に
抑制できるので、処理槽2内にて洗浄液を効率良く循環
させることができる。よって、ウエハとウエハとの間や
ウエハと処理槽2との間を十分な量の洗浄液が流れるこ
とになるため、洗浄液中の汚染物がウエハ表面に再付着
したり、処理槽2自体を汚染するのを防止することがで
きる。
【0029】また制御流によって洗浄液を効率良く循環
させることができるので、洗浄液中に存在する汚染物の
排出を促進させることができ、洗浄液中の汚染物量を効
率良く十分に低いレベルまで低減することができる。こ
のため、例えば洗浄液に薬液を用いてウエハ表面を洗浄
した後に洗浄液に純水を用いてウエハ表面を洗浄した場
合において、ウエハやキャリアに残留し純水中に持ち込
まれた薬液を効率良く純水置換することができる。また
極めて低いレベルまで汚染物量を低減できることから洗
浄液の寿命を延ばすことができる。さらに短時間で低レ
ベルまで汚染物量を低減できるので、洗浄処理における
タクトタイムを短縮できるとともに、設定する洗浄タク
トを従来と同じとした場合には非常に汚染されている洗
浄液であっても設定時間内に確実に所望のレベルまで汚
染物量を低減することができる。
【0030】また本実施形態の洗浄処理方法では、洗浄
処理の際、処理槽2から洗浄液をオーバーフローさせる
とともに洗浄液を貫通孔から流出させるので、処理槽2
の上部やウエハ間で滞留や淀みなくスムーズに流れる洗
浄液によってウエハ表面を洗浄することができる。また
ウエハ表面の洗浄の際、貫通孔5から流出する洗浄液の
液量が、処理槽2からオーバーフローする洗浄液の液量
以下になるようにするので、オーバーフローによって洗
浄液中に存在している汚染物を除去する効果を損なうこ
となく洗浄液のスムーズな流れを形成できる。よって、
洗浄液中の汚染物がウエハ表面に再付着するのを防止で
きるので、洗浄したウエハ表面の清浄度を保持すること
ができる。したがって本実施形態によれば、信頼性が向
上した洗浄処理装置1を実現できるとともに、製造され
る半導体装置の電気的信頼性および製造歩留りの向上を
図ることができる。
【0031】なお、上記実施形態の洗浄処理装置1で
は、処理槽の上端縁にノッチが形成されている例につい
て述べたが、本発明装置においてノッチは必ずしも形成
されている必要はない。ただしノッチが形成されていれ
ば、洗浄液の表面張力の影響が減少して洗浄液が処理槽
の外壁を乗り越え易くなるので、洗浄液の効率の良い循
環および汚染物量の低減を一層効果的に図ることができ
る。
【0032】また処理槽の上端縁にノッチを設ける場合
には、上記実施形態のようにV字状のノッチが所定間隔
で形成されている例に限定されないのはもちろんであ
る。例えば図6(a)に示すようにV字状のノッチ6を
連続して形成してもよく、また同図(b)に示すように
U字状のノッチ6を所定間隔で形成してもよい。これら
の場合にも貫通孔5は、互いに隣合うノッチ6間におけ
る略中間位置の下方に形成され、ノッチ6の最下端から
貫通孔5の略中心までの寸法hが例えば5(mm)〜2
0(mm)程度の範囲に設定されるのが好適である。ま
た貫通孔5の径rが、例えば1.0(mm)〜4.0
(mm)程度の範囲に形成されていることが好ましい。
またこのようなノッチ6形状においても、当然のことな
がら上記実施形態の洗浄処理装置1と同様の効果が得る
ことができる。
【0033】次に、本発明装置の他の実施形態を説明す
る。図7はこの実施形態に係る洗浄処理装置における処
理槽の模式図であり、図8はこの実施形態の洗浄処理装
置において洗浄液の流れを示す図である。この実施形態
の洗浄処理装置11において、上記実施形態の洗浄処理
装置1と相違するところは、貫通孔5が処理槽2の下部
側に形成されていることにある。すなわち、貫通孔5は
処理槽2の各側壁2bの下部側に底板2aの周縁に沿っ
てほぼ等しい間隔で複数形成されている。なお、図7で
は最も洗浄液の滞留や淀みが発生し易い各四隅と、隅部
間の略中心位置とにそれぞれ形成されている場合が示さ
れている。
【0034】上記貫通孔5は、0.0(mm)〜5.0
(mm)程度の高さh1 の範囲に形成されるのが好適で
ある。ここで、0.0(mm)とは処理槽2内の底板2
aの上面に貫通孔5が接する状態である。このように処
理槽2の下部側に貫通孔5を形成するのは、そこが洗浄
液の乱流による滞留や淀みが生じ易い箇所であるためで
ある。また底板2aの周縁に沿ってほぼ等しい間隔で貫
通孔5を設けると、貫通孔5からの洗浄液の流出が効率
良くなされ、したがって乱流の発生が極めて効果的に抑
制されるからである。
【0035】また各貫通孔5の径rは、上記実施形態と
同様に、全ての貫通孔5から流出する洗浄液の単位時間
当たりの液量の合計が、処理槽2からオーバーフローす
る洗浄液の単位時間当たりの液量以下になる大きさに形
成されている。このような条件を満たす貫通孔5の径r
としては、処理槽2の下部側においては、例えば洗浄液
の粘性に応じて1.0(mm)〜1.5(mm)程度の
範囲に形成されていることが望ましい。1.0(mm)
未満であると、洗浄液の表面張力によって洗浄液が流出
しなくなる可能性があるためであり、また処理槽2の下
部側に設けることから1.5(mm)を越えるとオーバ
ーフローする洗浄液の液量よりも貫通孔5から流出する
液量が多くなる恐れがあるためである。
【0036】さらにこの洗浄処理装置11では、処理槽
2の上部側に外周に沿って設けられている外槽3の他
に、貫通孔5から流出した洗浄液を受けるための第2の
外槽(図示略)が、処理槽2の下部側の外周に沿って設
けられている。第2の外槽は、上記外槽3と同様、配管
7を介して供給部4に接続されている。なお、処理槽2
の上部側に設けた外槽3と下部側に設けた外槽とを連続
形成して一つ外槽を構成することも可能である。
【0037】上記のごとく構成された洗浄処理装置11
では、図8中矢印にて示すように、処理槽2内に満たさ
れた洗浄液20が処理槽2から外槽3へとオーバーフロ
ーすると同時に、各貫通孔5から第2の外槽へ流出す
る。そして外槽3および第2の外槽からポンプ8を介し
てフィルタに導かれ、そこで炉過されて清浄化された後
にバルブ9を介して再び処理槽3内に供給される。また
は洗浄液20が外槽3および第2の外槽から排出され、
その分清浄な洗浄液が処理槽2に供給される。このよう
に洗浄処理装置11によっても、貫通孔5から洗浄液2
0を流出させることができ、滞留や淀みが形成され易い
箇所に制御流を形成できる。よって、処理槽2内にて洗
浄液20を効率良く循環させることができるので、前述
した実施形態の洗浄処理装置1と同様の効果を得ること
ができる。
【0038】なお、本実施形態では貫通孔を上部、下部
のいずれかに設けた場合について述べたが、処理槽の強
度および貫通孔から流出する液量等を考慮すれば、処理
槽の外壁のいずれの箇所に設けてもよい。例えば上部お
よび下部の双方に設けてもよく、また上部あるいは下部
に上下に複数段設けることも可能である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る洗浄処
理装置によれば、処理槽の側壁に形成された貫通孔によ
り処理槽内に洗浄液を効率良く流すことができるので、
処理槽内の洗浄液に被処理物を浸漬させた場合、被処理
物の被処理面に洗浄液中に存在する汚染物が再付着した
り処理槽に付着して汚染するのを防止できる。また洗浄
液中に存在する汚染物の排出を促進できるため、洗浄液
中の汚染物量を効率良く十分に低いレベルまで効率良く
低減できる。この結果、洗浄処理工程におけるタクトタ
イムを短縮することができる。また本発明に係る洗浄処
理方法によれば、処理槽内にて滞留や淀みを発生するこ
となく効率良く流れる洗浄液によって被処理面を洗浄で
きるので、洗浄液中の汚染物が被処理面に再付着した
り、処理槽自体を汚染するのを防止できる。したがって
本発明によれば、信頼性が向上した洗浄処理装置を実現
できるとともに、製造される半導体装置の電気的信頼性
および製造歩留りの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る洗浄処理装置の一実施形態の概略
構成を示す模式図である。
【図2】一実施形態の洗浄処理装置における洗浄液の流
れを説明するための図である。
【図3】(a)は実施形態の洗浄処理装置にてウエハを
洗浄処理する際の洗浄液の流れをシミュレーションした
結果を示す図であり、(b)は従来の洗浄処理装置にお
ける洗浄液の流れをシミュレーションした結果を示す図
である。
【図4】ポリスチレン標準粒子を処理槽内の洗浄液に添
加した後、純水で置換した場合の処理槽内におけるダス
ト数の経時変化を示すグラフ図である。
【図5】ポリスチレン標準粒子を処理槽内の洗浄液に添
加した後、ウエハを洗浄処理した場合の処理槽内におけ
るダスト数の経時変化を示すグラフ図である。
【図6】(a)、(b)はノッチの他の形成例を示す図
である。
【図7】本発明に係る洗浄処理装置の他の一実施形態の
要部を示す模式図である。
【図8】他の実施形態の洗浄処理装置における洗浄液の
流れを説明するための図である。
【図9】従来の洗浄処理装置における洗浄液の流れを説
明する図(その1)である。
【図10】従来の洗浄処理装置における洗浄液の流れを
説明する図(その2)である。
【図11】従来の洗浄処理装置の処理槽内の洗浄液中に
おけるダスト数の経時変化を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1、11 洗浄処理装置 2 処理槽 2b 外壁
4 供給孔 5 貫通孔 6 ノッチ 20 洗浄液 30
ウエハ R 洗浄液の流れ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】さらに実際の半導体装置の製造工程に配置
されている従来の洗浄装置を第1実施形態の洗浄処理装
置1に替えてウエハを洗浄処理しウエハに付着したダス
トの推移を追ったところ、約1か月の期間での洗浄液中
のダスト(0.3μm以上)数の平均値が従来では約7
0(個/ウエハ)であったのに対し、第1実施形態の装
置1では約39(個/ウエハ)と大幅な低減が確認され
た。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底板と該底板の周縁から立ち上がった側
    壁とからなるもので洗浄液を満たす処理槽と、この処理
    槽から洗浄液がオーバーフローするように該処理槽に洗
    浄液を供給する供給部とを備えた洗浄処理装置におい
    て、 前記処理槽の側壁に、洗浄液を流出させるための貫通孔
    が形成され、 該貫通孔の径は、この貫通孔から流出する洗浄液の単位
    時間当たりの液量が、前記処理槽からオーバーフローす
    る洗浄液の単位時間当たりの液量以下になる大きさに形
    成されていることを特徴とする洗浄処理装置。
  2. 【請求項2】 前記貫通孔は、前記側壁に複数形成され
    ており、 該貫通孔のそれぞれの径は、これら貫通孔から流出する
    洗浄液の単位時間当たりの液量の合計が、前記処理槽か
    らオーバーフローする洗浄液の単位時間当たりの液量以
    下になる大きさに形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の洗浄処理装置。
  3. 【請求項3】 前記貫通孔は、前記側壁の上部側に形成
    されていることを特徴とする請求項2記載の洗浄処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記側壁の上端縁には、切欠き部が形成
    され、 前記貫通孔は、前記切欠き部の最下端よりも下方に形成
    されていることを特徴とする請求項3記載の洗浄処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記切欠き部は前記側壁の上端縁に所定
    間隔で形成され、 前記貫通孔は、互いに隣合う前記切欠き部間における略
    中間位置の下方にそれぞれ形成されていることを特徴と
    する請求項4記載の洗浄処理装置。
  6. 【請求項6】 前記貫通孔は、前記側壁の下部側に形成
    されていることを特徴とする請求項2記載の洗浄処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記貫通孔は、前記側壁の下部側に前記
    底板の周縁に沿ってほぼ等しい間隔で形成されているこ
    とを特徴とする請求項6記載の洗浄処理装置。
  8. 【請求項8】 底板と該底板の周縁から立ち上がった側
    壁とからなりかつその側壁に貫通孔が形成されてなる処
    理槽内に洗浄液を満たし、 前記処理槽から洗浄液をオーバーフローさせつつかつ前
    記貫通孔から洗浄液を流出させつつ前記処理槽内に被処
    理物を浸漬させることにより該被処理物の被処理面を洗
    浄することを特徴とする洗浄処理方法。
  9. 【請求項9】 前記被処理面を洗浄する際には、前記貫
    通孔から流出する洗浄液の単位時間当たりの液量が、前
    記処理槽からオーバーフローする洗浄液の単位時間当た
    りの液量以下になるように前記貫通孔から洗浄液を流出
    させることを特徴とする請求項8記載の洗浄処理方法。
JP35002896A 1996-12-27 1996-12-27 洗浄処理装置および洗浄処理方法 Pending JPH10189524A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016219674A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 株式会社プレテック 洗浄装置及び洗浄方法
JP2020107744A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 東京エレクトロン株式会社 基板液処理装置

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JP2016219674A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 株式会社プレテック 洗浄装置及び洗浄方法
JP2020107744A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 東京エレクトロン株式会社 基板液処理装置

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