JPH10186717A - トナー用樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー - Google Patents

トナー用樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー

Info

Publication number
JPH10186717A
JPH10186717A JP35700996A JP35700996A JPH10186717A JP H10186717 A JPH10186717 A JP H10186717A JP 35700996 A JP35700996 A JP 35700996A JP 35700996 A JP35700996 A JP 35700996A JP H10186717 A JPH10186717 A JP H10186717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
toner
resin
stearic acid
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP35700996A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Nakayama
幸治 中山
Haruo Okuya
晴夫 奥谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP35700996A priority Critical patent/JPH10186717A/ja
Publication of JPH10186717A publication Critical patent/JPH10186717A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、低い定着温度で定着するこ
とができ、転写紙への定着強度が優れ、保存性において
も問題のない電子写真用トナーを提供することにある。 【構成】 2価のカルボン酸と、2価のアルコールと、
3価以上の多価カルボン酸および3価以上の多価アルコ
ールから選ばれた少なくとも1種と、ステアリン酸とを
含有したポリエステル樹脂であって、ステアリン酸以外
のモノマー成分の合計100重量部に対するステアリン
酸の含有量X重量部が、下記の関係を同時に満足するト
ナー用樹脂を含有した電子写真用トナー。 4≦≦X≦≦28 a−28≦X≦a−41 X:ステアリン酸の含有量(重量部) a:ステアリン酸以外のモノマー成分で合成した複合ポ
リエステル樹脂のTg(℃)×0.55

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル系のトナー
用樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用ト
ナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた複写機及び
プリンターはその普及が広まるにつれて、家庭への普及
及び複写機又はプリンターの多機能化を主な目的とした
低エネルギー化(消費電力の削減)、印刷機と複写機と
の境に位置するいわゆるグレイエリアへの普及を目的と
した高速化、あるいは機械コストを下げるための定着ロ
ールの簡素化のための低ロール圧力化が望まれており、
また、複写機の高級化にともない両面コピー機能や原稿
自動送り装置の搭載された複写機が広く普及されてきた
ため、複写機及びプリンターに使用される電子写真用ト
ナーには定着温度が低く、耐オフセット性が優れて、且
つ両面コピー時の汚れや、原稿自動送り装置における汚
れの発生を防止するため転写紙への定着強度の優れた電
子写真用トナーが要求されている。
【0003】上記の要求に対して従来技術では、下記の
ように結着樹脂の分子量や分子量分布を改良したもの等
の提案がなされている。具体的には、結着樹脂を低分子
量化し、定着温度を低くしようとする試みがなされてい
た。しかしながら、従来から広く用いられているスチレ
ン−アクリル酸エステル系樹脂では低分子量化すること
によりトナー自体が脆くなり、現像機中でのストレスに
よりトナーが粉砕され、粒度分布の変化を招いたり、キ
ャリアまたは現像スリーブに融着するなどして長期の複
写においては帯電特性の変化による画質劣化が避けられ
なかった。また、両面コピー時の汚れや、原稿自動送り
装置における汚れが発生していた。一方ポリエステル樹
脂では低分子量化することにより、融点は低下したが同
時に粘度も低下したため定着ロールへのオフセット現象
が発生する問題が生じていた。このオフセット現象を防
ぐため、ポリエステル樹脂の分子量分布を広くするため
に、架橋構造を導入することが行なわれていた。しかし
ながら、この方法に於いては架橋により分子量分布は広
がり、オフセット減少は防止できるものの、全体の分子
量も大きくなり、低温定着性が悪化する問題があった。
したがって、定着性を充分に持たせるためには、樹脂の
ガラス転移温度(以下、Tgと略す)を下げざるを得
ず、トナーとしたときの保存性を損なうことが避けられ
なかった。このように従来技術では耐オフセット性、保
存性を満足しながら、低温定着性を達成することができ
なかった。またポリエステル樹脂は末端のカルボン酸や
水酸基の影響で耐湿性に問題があり、特に残存水酸基が
多いと高温高湿下で、トナーのブロッキング現象や帯電
量の低下が発生していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は上述のような公知のトナーにおける問題点を改良
し、低い定着温度で定着することができ、オフセット
性、保存性においても実用上なんら問題を発生せず、転
写紙への定着強度の優れた電子写真用トナーを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、2価のカルボ
ン酸と、2価のアルコールと、3価以上の多価カルボン
酸および3価以上の多価アルコールから選ばれた少なく
とも1種と、ステアリン酸とを含有したポリエステル樹
脂であって、ステアリン酸以外のモノマー成分の合計1
00重量部に対するステアリン酸の含有量X重量部が、
下記の関係を同時に満足することを特徴とするトナー用
樹脂と、その製造方法およびそれを含有した電子写真用
トナーである。 4≦X≦28 a−28≦X≦a−41 X:ステアリン酸の含有量(重量部) a:ステアリン酸以外のモノマー成分で合成した複合ポ
リエステル樹脂のTg(℃)×0.55
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、2価のカルボン酸(イ)と、2価のアルコール
(ロ)と、3価以上の多価カルボン酸および3価以上の
多価アルコールから選ばれた少なくとも1種(ハ)とか
ら合成される末端に水酸基を有する複合ポリエステル樹
脂に、さらにステアリン酸を反応させ末端にステアリン
酸が結合した構造を有するポリエステル樹脂である。ス
テアリン酸と反応させる前の複合ポリエステル樹脂の組
成は、モル比で酸モノマーよりもアルコールモノマーの
方を多くする。本発明でいう複合ポリエステル樹脂は、
酸モノマーに対するアルコールモノマーの比率を増やせ
ば増やすほど末端水酸基の量は多くなる。したがって、
ステアリン酸を適切量結合させ低温定着性と保存性の両
立した本発明のトナー樹脂を製造するためには水酸基価
が10mgKOH/g以上になるようにモノマー組成を
適宜調整しステアリン酸を末端に結合させるものであ
る。3価以上の多価カルボン酸および3価以上の多価ア
ルコールからなる架橋剤を用いた複合ポリエステル樹脂
にステアリン酸を共重合する理由は、ステアリン酸共重
合後のポリエステル樹脂の軟化点が下がり、このポリエ
ステル樹脂を結着剤として得た電子写真用トナーが良好
な低温定着性を有することができるためである。また、
複合ポリエステル樹脂末端の水酸基がステアリン酸との
反応で封鎖されるため、水酸基が原因であった高温高湿
におけるブロッキング現象や帯電量の低下等の問題を改
善することができ耐環境特性が向上する。ステアリン酸
の配合量は多ければ多いほど軟化点は低下するが、Tg
も同時に低下するため、電子写真用トナーの保存性を良
好に保つためにはステアリン酸を重合した後の樹脂のT
gが50℃以上75℃以下であることが好ましい。Tg
が50℃より低いと保存性が悪化して夏期の高温ではト
ナー粒子がブロッキングしやすく、75℃より高いと低
温での定着性が悪化しやすいので好ましくない。
【0007】本発明においては、トナー用ポリエステル
樹脂におけるTgとステアリン酸の含有量との関係を検
討した結果、ステアリン酸を反応させたポリエステル樹
脂のTgをY(℃)、ステアリン酸以外のモノマー成分
の合計100重量部に対するステアリン酸の配合量をX
(重量部)、ステアリン酸を共重合する前の複合ポリエ
ステル樹脂のTgをb(℃)とした場合、以下の関係が
あることを見いだした。 Y=−1.814X+b そして、このステアリン酸の含有量とポリエステル樹脂
のTgの関係から、保存性を悪化させないで低温定着性
を向上させるためには、ステアリン酸の含有量を下記の
関係を満足するように調整することが必要であることを
導きだしたのである。 4≦X≦28 a−28≦X≦a−41 X:ステアリン酸の含有量(重量部) a:ステアリン酸以外のモノマー成分で合成した複合ポ
リエステル樹脂のTg(℃)×0.55 ステアリン酸の含有量Xが4重量部より少ないと定温定
着性および環境特性の改善に効果がなく、28重量部を
越えるとTgが下がりすぎて保存性が悪化したり、軟化
点が下がりすぎて耐オフセット性が悪化する。また、ス
テアリン酸の含有量Xが(a−28)重量部より少ない
とステアリン酸の含有効果がなく低温定着性および保存
性や環境特性が悪化する。また、(a−41)重量部を
越えるとTgが下がりすぎて保存性が悪化したり、軟化
点が下がりすぎて耐オフセット性が悪化する。更にステ
アリン酸の含有量Xはa−33≦X≦a−38であるこ
とが低温定着性、環境特性、保存性のバランスが良好と
なるので最も好ましい。
【0008】前記TgはDSCを用いて測定することが
でき、DSCの測定装置としては、例えばセイコー電子
工業社製の示差走査熱量計SSC−5200が挙げられ
る。測定条件としては、トナーを約10mg計量してD
SCに載置し、1分間に50ミリリットルのN2ガスを
吹き込む。そして、20℃から150℃の間を1分間あ
たり10℃の割合で昇温させ、次に150℃から20℃
に急冷させる過程を2回繰り返してその時の吸収開始温
度を測定するものである。Tgの値は2回目の昇温時の
チャートから吸熱開始と吸熱終了の中点の温度を読みと
るものとする。
【0009】本発明のトナー用樹脂は、架橋剤である3
価以上の多価カルボン酸および3価以上の多価アルコー
ルから選ばれた少なくとも1種から合成する分岐型ポリ
エステル樹脂であるが、電子写真用トナーとしたときに
架橋によるゲル分(=溶剤不溶分)が発生しないように
合成することが好ましい。すなわちトナー中の樹脂のテ
トラヒドロフラン(以下、THFと略す)不溶分は5重
量%以下となるように調製することが好ましい。トナー
中の樹脂のTHF不溶分が5重量%より多いと、トナー
の溶融粘度が上がりすぎ低温での定着強度が悪化するの
で好ましくない。低温定着性を良好にするためにはTH
F不溶分は極力少ない方が好ましく、0重量%であるこ
とが最も好ましい。THF不溶分の測定は、着色剤等の
添加剤を添加しない処方で溶融混練した疑似トナーを用
いて実施する。疑似トナー0.5gをTHF50ml中
に投入し、60℃で3時間加熱溶解し、不溶樹脂分をセ
ライト#545を敷き詰めたガラスフィルターでろ過
し、真空乾燥機で80℃で乾燥する。乾燥した樹脂の重
量をWdとすると、不溶分(重量%)=Wd/0.5×
100で計算した値を言う。
【0010】以下、本発明のポリエステル系のトナー用
樹脂に用いられる成分について説明する。本発明のトナ
ー用樹脂に用いられる2価のカルボン酸としては、フマ
ール酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、イタコ
ン酸、メサコニン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、テ
レフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、
アジピン酸、ドデカン二酸、ナフタレンジカルボン酸、
ビフェニル−4,4−ジカルボン酸、2,3−ピペラジ
ン−ジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、
イミノジカルボン酸、イミダゾール−4,5−ジカルボ
ン酸、ピペリジンジカルボン酸、N−フェニルピラゾー
ルジカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、カルバゾール
−3,6−ジカルボン酸、9−メチルカルバゾール−
3,6−ジカルボン酸、カルバゾール−3,6−ジ酪
酸、カルバゾール−3,6−γ,γ´−ジケト酪酸、5
−ヒドロキシイソフタル酸、2,5−ヒドロキシ−1,
4−ベンゼン二酢酸、ケリダム酸、ビス(2−ヒドロキ
シ−3−カルボキシフェニル)メタン等を挙げることが
でき、更にこれらの酸無水物または低級アルキルエステ
ル等を包含するものである。
【0011】本発明のトナー用樹脂に用いられる2価の
アルコールとしてはジオール成分が挙げられ具体的には
次の化合物が例示される。ポリオキシプロピレン化ビス
フェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノール
A、ポリオキシエチレン化ビフェノール、ポリオキシプ
ロピレン化ビフェノール、ポリエキシエチレン化ビスフ
ェノールS、ポリオキシプロピレン化ビスフェノール
S、ジエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレ
ングリコール、オクタンジオール、2,2−ジエチル−
1.3−プロパンジオール、スピログリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1.3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロ
パンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキシレン
グリコール、1.5−ペンタンジオール、3−メチル
1,5−ペンタンジオール、ヒドロベンゾイン、ビス
(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、ビス(ヒド
ロキシブチル)テレフタレート、等が挙げられる。
【0012】また、3価以上の多価カルボン酸成分とし
ては、トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサント
リカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、2,5,7−ナフタレンジカルボン酸、ピリジント
リカルボン酸、ピリジン−2,3,4,6−テトラカル
ボン酸、1,2,7,8−ブタンテトラカルボン酸等を
挙げることができ、更にこれらの酸無水物または低級ア
ルキルエステル等を包含するものである。
【0013】また、3価以上の多価アルコールの例とし
ては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロ
ール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、
1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタン
トリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチ
ルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタ
ントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙
げられる。
【0014】本発明のトナー用樹脂の製造方法は、2価
のカルボン酸(イ)、2価のアルコール(ロ)、3価以
上の多価カルボン酸および3価以上の多価アルコールか
ら選ばれた少なくとも1種(ハ)、すなわち上記
(イ)、(ロ)及び(ハ)の3成分を反応させて複合ポ
リエステル樹脂を合成した後、該複合ポリエステル樹脂
のモノマー成分の合計100重量部に対して下記の関係
を満足するようにステアリン酸を添加し反応させること
を特徴とするものである。この場合、複合ポリエステル
樹脂は線状と架橋が複合して共存する構造(線状/架
橋)を有する。 4≦X≦28 a−28≦X≦a−41 X:ステアリン酸の添加量(重量部) a:複合ポリエステル樹脂のTg(℃)×0.55 更に具体的には、前記2価のカルボン酸と2価のアルコ
ールとから1×103以上1×104以下の領域に分子量
の極大値を有し、酸価と水酸基価の合計が100mgK
OH/g以下の線状ポリエステル樹脂を得た後該樹脂の
存在下で、3価以上の多価カルボン酸および3価以上の
多価アルコールから選ばれた少なくとも1種を含有する
複合ポリエステル樹脂を一旦合成し、更にステアリン酸
を添加して反応を継続することが好ましい。なお、ステ
アリン酸の添加量Xは線状樹脂と架橋樹脂とにおける合
成用モノマーの総和に対する重量部を示すものである。
【0015】前記線状ポリエステル樹脂の分子量の極大
値が1×103未満では、Tgが低くなり、その後の複
合ポリエステル樹脂合成後のTgも低下するため保存性
が悪くなりやすい。一方、1×104を越えた場合は複
合ポリエステル樹脂合成後の分子量が高くなりすぎて、
樹脂の溶融粘度が上昇し、低温定着性が悪くなりやす
い。更に本発明のトナー用樹脂の分子量を低く抑え、溶
融開始温度を低くして低温定着性を良好に保つために
は、前記線状ポリエステル樹脂の酸価と水酸基価の合計
は50mgKOH/g以下が最も好ましい。なお、前記
樹脂の分子量の極大値は、GPCによって次の条件で測
定された値である。すなわち、温度25℃においてTH
Fを毎分1mlの流速で流し、濃度0.4gr/dlの
THF試料溶液を試料重量として8mg注入し測定す
る。又、試料の分子量測定にあたっては、該試料の有す
る分子量分布が、数種の単分散ポリスチレン標準試料に
より作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直
線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。又、
本測定にあたり、測定の信頼性は上述の測定条件で行っ
たNBS706ポリスチレン標準試料(Mw=28.8
×104,Mn=13.7×104,Mw/Mn=2.1
1)のMw/Mnが、2.11±0.10となる事によ
り確認し得る。また、酸価および水酸基価の測定はJI
S K0070に示される方法で行うものである。
【0016】次に前記工程で得られた線状ポリエステル
樹脂の80重量部から95重量部を180℃〜230℃
の温度で加熱溶融し、3価以上の多価カルボン酸および
3価以上の多価アルコールから選ばれた少なくとも1種
を5重量部から20重量部混合して、更に重縮合反応を
進めて線状と架橋が複合した複合ポリエステル樹脂を得
る。更にステアリン酸を所定量投入し、同様の温度で反
応を進めることにより、3価以上の多価モノマーを使用
しても分子量の増大が少ない、すなわち分子量が低くい
本発明のトナー用樹脂を形成することができる。
【0017】本発明の電子写真用トナーは前記トナー用
樹脂成分の他に樹脂、着色剤、磁性体、または帯電制御
剤、流動化剤等の特性改良剤を含有して得たものであ
る。本発明の電子写真用トナーの製造方法は前記トナー
用樹脂、着色剤、帯電制御剤等をあらかじめスーパーミ
キサーで混合する。混合した材料はバンバリーミキサ
ー、ロールミル、ニーダー、エクストルーダー等を用い
て溶融混練する。混練物はカッターミル、ハンマーミル
等で粗粉砕され、その後ジェットミル等で微粉際する。
分級は風力分級機等を用いて所定の粒度分布に調整され
る。分級後のトナーは流動性調整のため外添剤等と混合
して本発明の電子写真用トナーが得ることができる。
【0018】本発明の電子写真用トナーの結着樹脂とし
ては前記本発明のトナー用樹脂の他にスチレン系樹脂、
スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹
脂を配合してもよい。
【0019】本発明の電子写真用トナーに用いられる着
色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、ア
ニリンブルー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、
ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリ
ンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニ
ンブルー、マラカイトグリーンオクサレート、ランプブ
ラック、ローズベンガル、これらの混合物、その他を挙
げることができる。これらの着色剤は、十分な濃度の可
視像が形成されるに十分な割合で含有されることが必要
であり、通常結着樹脂100重量部に対して1〜20重
量部程度の割合とされる。
【0020】本発明の電子写真用トナーに用いられる磁
性体としては、フェライト、マグネタイトを始めとする
鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属若しく
は合金又はこれらの元素を含む化合物、或いは強磁性元
素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性
を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミニ
ウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホ
イスラー合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化クロ
ム、その他を挙げることができる。これらの磁性体は平
均粒径0.1〜1ミクロンの微粉末の形で結着樹脂中に
均一に分散される。そしてその含有量は、トナー100
重量部当り20〜70重量部、好ましくは40〜70重
量部である。
【0021】本発明の電子写真用トナーは、フェライト
粉や鉄粉等より成るキャリアと混合されて二成分系現像
剤とされる。また磁性体が含有されるときはキャリアと
混合しないでそのまま一成分系現像剤として静電荷像の
現像に使用されるか、あるいはキャリアと混合されて二
成分系現像剤として使用してもよい。さらには非磁性一
成分の現像方法にも適用可能である。
【0022】また本発明の電子写真トナーの溶融特性と
しては、より低温での定着性を向上させるために、その
溶融開始温度は60℃以上105℃以下が好ましい。溶
融開始温度が60℃未満であると、トナーのブロッキン
グ性が悪化し保存性に問題が生じる場合があり好ましく
ない。また、105℃を越えると低温定着性が悪化する
ので好ましくない。また、充分な定着オフセット幅を持
たせるために、高温での溶融粘度の低下が少ない方が好
ましく、軟化点と溶融開始温度の差は15℃以上45℃
以下であることが好ましい。15℃未満であると、定着
オフセット幅(非オフセット温度幅)が狭くなり、45
℃を越えると、耐オフセット性は良好に維持できるが、
低温定着性が悪化するので好ましくない。より低温定着
性を良好にするためにはその溶融開始温度は60℃以上
100℃以下が最も好ましい。
【0023】上記溶融開始温度とは下記測定機および測
定条件におけるプランジャーの降下開始温度のことをさ
すこととする。また軟化点とはプランジャーの降下開始
温度から降下終了温度までの中点の温度のことをさすこ
ととする。 測定機;島津製作所製 高化式フローテスターCF−
500 測定条件; プランジャー:1cm2 ダイの直径 :1mm ダイの長さ :1mm 荷重 :20KgF 予熱温度 :50〜80℃ 予熱時間 :300sec 昇温速度 :6℃/min
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
なお、実施例において部とは重量部を示す。 <実施例1>ポリオキシエチレン化ビスフェノールA3
16g(1モル)とイソフタル酸133g(0.8モ
ル)および触媒としてジブチル錫オキシド0.005g
を撹拌機、コンデンサーおよび窒素導入官を備えた4つ
口丸底フラスコに入れ、窒素ガス導入官から窒素ガスを
導入しながら200℃で加熱撹拌した。水の流出が終了
した後、約1時間かけて230℃まで昇温し、2時間加
熱撹拌し、溶融状態で取り出し、冷却して線状ポリエス
テル樹脂を得た。この線状ポリエステル樹脂の分子量の
極大値は6.1×103であった。前記線状ポリエステ
ル樹脂100gを撹拌機、コンデンサーおよび窒素導入
官を備えた4つ口丸底フラスコに入れ、窒素ガス導入官
から窒素ガスを導入しながら180℃で1時間加熱撹拌
した。その後、ペンタエリスリトール6.4gと1,1
2−ドデカンジカルボン酸6.0g、ジブチル錫ジラウ
レート0.3gを一括して投入し、200℃に昇温して
約1時間加熱撹拌し粘度が上昇し、撹拌機に巻き付いた
時点で反応を止め、複合ポリエステル樹脂を得た。こ
の複合ポリエステル樹脂は、分子量の極大値=4.9×
103、Tg=60.1℃、溶融開始温度=101℃、
軟化点=131℃、水酸基価=52mgKOH/gであ
った。この複合ポリエステル樹脂にさらにステアリン
酸を5.6g(モノマー成分100部に対して5.0
部)添加し200℃で約1時間加熱撹拌し、本発明のト
ナー用樹脂Aを得た。このトナー用樹脂Aは分子量の極
大値=5.0×103、Tg=51.0℃、溶融開始温
度=92℃、軟化点=124℃、水酸基価=25mgK
OH/gであった。
【0025】<実施例2>ポリオキシエチレン化ビスフ
ェノールA190g(0.6モル)とポリオキシエチレ
ン化ビフェノール110g(0.4モル)、イソフタル
酸133g(0.8モル)および触媒としてジブチル錫
オキシド0.005gを撹拌機、コンデンサーおよび窒
素導入官を備えた4つ口丸底フラスコに入れ、窒素ガス
導入官から窒素ガスを導入しながら200℃で加熱撹拌
した。水の流出が終了した後、約1時間かけて230℃
まで昇温し、2時間加熱撹拌し、溶融状態で取り出し、
冷却して線状ポリエステル樹脂を得た。この線状ポリエ
ステル樹脂の分子量の極大値は6.3×103であっ
た。前記線状ポリエステル樹脂100gを撹拌機、コン
デンサーおよび窒素導入官を備えた4つ口丸底フラスコ
に入れ、窒素ガス導入官から窒素ガスを導入しながら1
80℃で1時間加熱撹拌した。その後、ペンタエリスリ
トール6.4gと1,12−ドデカンジカルボン酸6.
0g、ジブチル錫オキシド0.3gを一括して投入し、
200℃に昇温して約1時間加熱撹拌し粘度が上昇し、
撹拌機に巻き付いた時点で反応を止め、複合ポリエステ
ル樹脂を得た。この複合ポリエステル樹脂は、分子量
の極大値=5.1×103、Tg=64.3℃、溶融開
始温度=105℃、軟化点=129℃、水酸基価=56
mgKOH/gであった。この複合ポリエステル樹脂
にさらにステアリン酸を5.6g(モノマー成分100
部に対して5.0部)添加し200℃で約1時間加熱撹
拌し、本発明のトナー用樹脂Bを得た。このトナー用樹
脂Bは分子量の極大値=5.0×103、Tg=55.
3℃、溶融開始温度=99℃、軟化点=128℃、水酸
基価=20mgKOH/gであった。
【0026】<実施例3>ポリオキシエチレン化ビフェ
ノール274g(1.0モル)、イソフタル酸133g
(0.8モル)および触媒としてジブチル錫オキシド
0.005gを撹拌機、コンデンサーおよび窒素導入官
を備えた4つ口丸底フラスコに入れ、窒素ガス導入官か
ら窒素ガスを導入しながら200℃で加熱撹拌した。水
の流出が終了した後、約1時間かけて230℃まで昇温
し、2時間加熱撹拌し、溶融状態で取り出し、冷却して
線状ポリエステル樹脂を得た。この線状ポリエステル樹
脂の分子量の極大値は4.9×103であった。前記線
状ポリエステル樹脂100gを撹拌機、コンデンサーお
よび窒素導入官を備えた4つ口丸底フラスコに入れ、窒
素ガス導入官から窒素ガスを導入しながら180℃で1
時間加熱撹拌した。その後、ペンタエリスリトール6.
4gと1,12−ドデカンジカルボン酸6.0g、ジブ
チル錫オキシド0.3gを一括して投入し、200℃に
昇温して約1時間加熱撹拌し粘度が上昇し、撹拌機に巻
き付いた時点で反応を止め、複合ポリエステル樹脂を
得た。この複合ポリエステル樹脂は、分子量の極大値=
5.5×103、Tg=79.1℃、溶融開始温度=1
18℃、軟化点=139℃、水酸基価=49mgKOH
/gであった。この複合ポリエステル樹脂にさらにス
テアリン酸を5.6g(モノマー成分100部に対して
5.0部)添加し200℃で約1時間加熱撹拌し、本発
明のトナー用樹脂Cを得た。このトナー用樹脂Cは分子
量の極大値=5.2×103、Tg=69.9℃、溶融
開始温度=110℃、軟化点=135℃、水酸基価=2
4mgKOH/gであった。
【0027】<実施例4>ポリオキシエチレン化ビフェ
ノール274g(1.0モル)、テレフタル酸133g
(0.8モル)および触媒としてジブチル錫オキシド
0.005gを撹拌機、コンデンサーおよび窒素導入官
を備えた4つ口丸底フラスコに入れ、窒素ガス導入官か
ら窒素ガスを導入しながら200℃で加熱撹拌した。水
の流出が終了した後、約1時間かけて230℃まで昇温
し、2時間加熱撹拌し、溶融状態で取り出し、冷却して
線状ポリエステル樹脂を得た。この線状ポリエステル樹
脂の分子量の極大値は6.0×103であった。前記線
状ポリエステル樹脂100gを撹拌機、コンデンサーお
よび窒素導入官を備えた4つ口丸底フラスコに入れ、窒
素ガス導入官から窒素ガスを導入しながら180℃で1
時間加熱撹拌した。その後、ペンタエリスリトール6.
4gと1,12−ドデカンジカルボン酸6.0g、ジブ
チル錫オキシド0.3gを一括して投入し、200℃に
昇温して約1時間加熱撹拌し粘度が上昇し、撹拌機に巻
き付いた時点で反応を止め、複合ポリエステル樹脂を
得た。この複合ポリエステル樹脂は、分子量の極大値=
5.6×103、Tg=84.0℃、溶融開始温度=1
22℃、軟化点=146℃、水酸基価=48mgKOH
/gであった。この複合ポリエステル樹脂にさらにス
テアリン酸を5.9g(モノマー成分100部に対して
5.2部)添加し200℃で約1時間加熱撹拌し、本発
明のトナー用樹脂Dを得た。このトナー用樹脂Dは分子
量の極大値=5.2×103、Tg=73.8℃、溶融
開始温度=115℃、軟化点=143℃、水酸基価=2
3mgKOH/gであった。
【0028】<実施例5>ポリオキシエチレン化ビスフ
ェノールS338g(1.0モル)、5−ヒドロキシイ
ソフタル酸145g(0.8モル)および触媒としてジ
ブチル錫オキシド0.005gを撹拌機、コンデンサー
および窒素導入官を備えた4つ口丸底フラスコに入れ、
窒素ガス導入官から窒素ガスを導入しながら200℃で
加熱撹拌した。水の流出が終了した後、約1時間かけて
230℃まで昇温し、2時間加熱撹拌し、溶融状態で取
り出し、冷却して線状ポリエステル樹脂を得た。この線
状ポリエステル樹脂の分子量の極大値は7.5×103
であった。前記線状ポリエステル樹脂100gを撹拌
機、コンデンサーおよび窒素導入官を備えた4つ口丸底
フラスコに入れ、窒素ガス導入官から窒素ガスを導入し
ながら180℃で1時間加熱撹拌した。その後、ペンタ
エリスリトール6.4gと1,12−ドデカンジカルボ
ン酸6.0g、ジブチル錫オキシド0.3gを一括して
投入し、200℃に昇温して約1時間加熱撹拌し粘度が
上昇し、撹拌機に巻き付いた時点で反応を止め、複合ポ
リエステル樹脂を得た。この複合ポリエステル樹脂
は、分子量の極大値=7.2×103、Tg=100.
1℃、溶融開始温度=143℃、軟化点=170℃、水
酸基価=51mgKOH/gであった。この複合ポリエ
ステル樹脂にさらにステアリン酸を15.8g(モノ
マー成分100部に対して14.0部)添加し200℃
で約1時間加熱撹拌し、本発明のトナー用樹脂Eを得
た。このトナー用樹脂Eは分子量の極大値=6.5×1
3、Tg=74.5℃、溶融開始温度=113℃、軟
化点=139℃、水酸基価=19mgKOH/gであっ
た。
【0029】<実施例6>実施例5で使用した複合ポリ
エステル樹脂にステアリン酸を27.5g(モノマー
成分100部に対して24.5部)添加し200℃で約
1時間加熱撹拌し、本発明のトナー用樹脂Fを得た。こ
のトナー用樹脂Fは分子量の極大値=5.2×103
Tg=50.5℃、溶融開始温度=90℃、軟化点=1
20℃、水酸基価=5mgKOH/gであった。
【0030】<実施例7>実施例3で使用した複合ポリ
エステル樹脂にステアリン酸を9.0g(モノマー成
分100部に対して8.0部)添加し200℃で約1時
間加熱撹拌し、本発明のトナー用樹脂Gを得た。このト
ナー用樹脂Gは分子量の極大値=4.8×103、Tg
=62.9℃、溶融開始温度=103℃、軟化点=12
9℃、水酸基価=20mgKOH/gであった。
【0031】<実施例8>実施例4で使用した複合ポリ
エステル樹脂にステアリン酸を15.0g(モノマー
成分100部に対して13.3部)添加し200℃で約
1時間加熱撹拌し、本発明のトナー用樹脂Hを得た。こ
のトナー用樹脂Hは分子量の極大値=4.5×103
Tg=56.8℃、溶融開始温度=98℃、軟化点=1
26℃、水酸基価=15mgKOH/gであった。
【0032】<比較例1>実施例1で使用したステアリ
ン酸添加前の複合ポリエステル樹脂をそのまま用い
た。 <比較例2>実施例2で使用したステアリン酸添加前の
複合ポリエステル樹脂をそのまま用いた。 <比較例3>実施例3で使用したステアリン酸添加前の
複合ポリエステル樹脂をそのまま用いた。 <比較例4>実施例4で使用したステアリン酸添加前の
複合ポリエステル樹脂をそのまま用いた。
【0033】<比較例5>実施例5で使用したステアリ
ン酸添加前の複合ポリエステル樹脂をそのまま用い
た。 <比較例6>実施例1で使用した複合ポリエステル樹脂
にステアリン酸を2.0g(モノマー成分100部に
対して1.8部)添加し200℃で約1時間加熱撹拌
し、トナー用樹脂Iを得た。このトナー用樹脂Iは分子
量の極大値=4.9×103、Tg=56.1℃、溶融
開始温度=97℃、軟化点=121℃、水酸基価=43
mgKOH/gであった。 <比較例7>実施例1で使用した複合ポリエステル樹脂
にステアリン酸を7.0g(モノマー成分100部に
対して6.2部)添加し200℃で約1時間加熱撹拌
し、トナー用樹脂Jを得た。このトナー用樹脂Jは分子
量の極大値=4.6×103、Tg=47.5℃、溶融
開始温度=90℃、軟化点=113℃、水酸基価=28
mgKOH/gであった。 <比較例8>実施例5で使用した複合ポリエステル樹脂
にステアリン酸を32.0g(モノマー成分100部
に対して28.5部)添加し200℃で約1時間加熱撹
拌し、トナー用樹脂Kを得た。このトナー用樹脂Kは分
子量の極大値=5.4×103、Tg=45.7℃、溶
融開始温度=88℃、軟化点=102℃、水酸基価=7
mgKOH/gであった。 <比較例9>実施例5で使用した複合ポリエステル樹脂
にステアリン酸を7.0g(モノマー成分100部に
対して6.2部)添加し200℃で約1時間加熱撹拌
し、トナー用樹脂Lを得た。このトナー用樹脂Lは分子
量の極大値=5.8×103、Tg=87.2℃、溶融
開始温度=129℃、軟化点=152℃、水酸基価=2
3mgKOH/gであった。
【0034】次に前記実施例および比較例の樹脂と他の
原料とを下記のような配合比にてスーパーミキサーで混
合し、溶融混練後、粉砕分級して平均粒子径が11μm
の粒子を得た後、該粒子100部に対し疎水性シリカ
(日本アエロジル社製 商品名;R−972)0.3部
をヘンシェルミキサーによって該粒子の表面に付着させ
負帯電性の電子写真用トナーを得た。
【0035】次に前記実施例及び比較例について下記の
定着特性の試験をおこなった。 (1)非オフセット温度領域及び非オフセット温度幅 まず、前記実施例及び比較例で得た各電子写真用トナー
4部と樹脂被覆を施してないフェライトキャリア(パウ
ダーテック社製 商品名:FL−1020)96部とを
混合して二成分系現像剤を作製した。次に該現像剤を使
用して市販の複写機(シャープ社製 商品名:SF−9
800)にてA4の転写紙に縦2cm、横5cmの帯状
の未定着画像を複数作製した。次に、表層がテフロンで
形成された熱定着ロールと、表層がシリコーンゴムで形
成された圧力定着ロールが対になって回転する定着機を
ロール圧力が1Kg/cm2及びロールスピードが20
0mm/secになるように調節し、該熱定着ロールの
表面温度を段階的に変化させて、各表面温度において上
記未定着画像を有した転写紙のトナー像の定着をおこな
った。この時余白部分にトナー汚れが生じるか否かの観
察をおこない、汚れが生じない温度領域を非オフセット
温度領域とした。また、非オフセット温度領域の最大値
と最小値の差を非オフセット温度幅とした。 (2)定着強度 前記熱定着ロールの設定温度を150℃に設定し、前記
未定着画像を有した転写紙のトナー像の定着をおこなっ
た。そして、形成された定着画像に対して綿パッドによ
る摺擦を施し、下記式によって定着強度(%)を算出し
低エネルギー定着性の指標とした。 摺擦後の定着画像の画像濃度/摺擦前の定着画像の画像
濃度×100(%) (3)保存性 トナー20gをポリエチレン性100ccボトルに充填
し、開封状態で40℃、85%RHの調温調湿ボックス
中に48時間放置した。放置後のトナーをボトルから取
り出し、目視にて保存性の良否を判定した。判定基準は
以下による。 ○:充分な流動性を保持しており、固まり等の全くない
状態。 △:ソフトケーキングが発生しているが、指で押せば軽
く潰れる程度の軽微なブロッキング状態。実用上は問題
ないレベル。 ×:強固な固まりが発生しており、実用上問題になるト
ナー同士の融着が発生している。
【0036】上記のような試験によって得られた各実施
例及び比較例の結果は、表1および表2に示す通りであ
った。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1および表2の結果より明らかなとお
り、本発明の電子写真用トナーは熱定着ロールの温度が
150℃という低温度でも定着強度が60%以上有し、
保存性、非オフセット温度領域も良好であり、実用上問
題のないものであった。これに対して比較例1、2の電
子写真用トナーは保存性が悪く、比較例3〜5は定着強
度が低く、保存性も悪かった。比較例6〜8は保存性が
悪く、比較例7、8は非オフセット温度領域も狭かっ
た。比較例9のトナーは定着強度が非常に弱く、実用上
問題のあるものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明のトナー用樹脂は、ステアリン酸
を前記特定量の配合で共重合することにより、従来使用
されていたスチレン系もしくはポリエステル系樹脂を用
いたトナーでは達成できなかった低温定着性を得ること
ができる。また、ポリエステル樹脂の末端の水酸基をス
テアリン酸で封鎖することにより、水分の吸着が押さえ
られ、耐湿性すなわち高温高湿下でのブロッキング現象
や帯電性の低下を防止することができる。したがって、
本発明のトナー用樹脂を含有した電子写真用トナーは、
熱定着ロールの温度が低くても十分な定着強度を有し、
複写機あるいはプリンター等に適用した場合、消費電力
が削減することができ、低ロール圧力化による機械コス
トの低減、複写速度の高速化等の効果を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2価のカルボン酸と、2価のアルコール
    と、3価以上の多価カルボン酸および3価以上の多価ア
    ルコールから選ばれた少なくとも1種と、ステアリン酸
    とから合成されるポリエステル樹脂であって、該ステア
    リン酸以外のモノマー成分の合計100重量部に対する
    ステアリン酸の含有量X重量部が、下記の関係を同時に
    満足することを特徴とするトナー用樹脂。 4≦X≦28 a−28≦X≦a−41 X:ステアリン酸の含有量(重量部) a:ステアリン酸以外のモノマー成分で合成した複合ポ
    リエステル樹脂のTg(℃)×0.55
  2. 【請求項2】 ステアリン酸の含有量X(重量部)が下
    記の関係を同時に満足することを特徴とする請求項1記
    載のトナー用樹脂。 4≦X≦28 a−33≦X≦a−38
  3. 【請求項3】 2価のカルボン酸と、2価のアルコール
    と、3価以上の多価カルボン酸および3価以上の多価ア
    ルコールから選ばれた少なくとも1種とを反応させて複
    合ポリエステル樹脂を合成した後、該複合ポリエステル
    樹脂のモノマー成分の合計100重量部に対して下記の
    関係を満足するようにステアリン酸を添加し反応させポ
    リエステル樹脂を合成することを特徴とするトナー用樹
    脂の製造方法。 4≦X≦28 a−28≦X≦a−41 X:ステアリン酸の添加量(重量部) a:複合ポリエステル樹脂のTg(℃)×0.55
  4. 【請求項4】(1)2価のカルボン酸と2価のアルコー
    ルとから線状ポリエステル樹脂を合成する工程、 (2)前記線状ポリエステル樹脂に3価以上の多価カル
    ボン酸および3価以上の多価アルコールから選ばれた少
    なくとも1種とを反応させて複合ポリエステル樹脂を合
    成する工程、 (3)前記複合ポリエステル樹脂にステアリン酸を反応
    させてポリエステル樹脂を合成する工程、とからなるこ
    とを特徴とするトナー用樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のトナー用樹脂を含有する
    ことを特徴とする電子写真用トナー。
JP35700996A 1996-12-25 1996-12-25 トナー用樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー Withdrawn JPH10186717A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35700996A JPH10186717A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 トナー用樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35700996A JPH10186717A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 トナー用樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10186717A true JPH10186717A (ja) 1998-07-14

Family

ID=18451912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35700996A Withdrawn JPH10186717A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 トナー用樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10186717A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015028622A (ja) * 2013-06-26 2015-02-12 キヤノン株式会社 トナー

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015028622A (ja) * 2013-06-26 2015-02-12 キヤノン株式会社 トナー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4863824A (en) Toner for developing electrostatic latent image
US5234788A (en) Developer composition for electrophotography
JP2002287426A (ja) 電子写真用トナー
JP3589447B2 (ja) 電子写真用カラートナー
JP2002284866A (ja) 結晶性ポリエステル
JP3058828B2 (ja) 電子写真トナー用ポリエステル系樹脂、該樹脂の製造方法及び該樹脂を用いた電子写真用トナー
JP2785176B2 (ja) 電子写真用トナーおよびその製造方法
JP2004226847A (ja) 正帯電性トナー
JP2003057875A (ja) 電子写真用トナー
JP3075696B2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー
JP3703335B2 (ja) 二成分系現像剤
JPS62195678A (ja) 電子写真用現像剤組成物
JP3207558B2 (ja) トナーバインダーおよびトナー組成物
JPH11106494A (ja) ポリエステル樹脂、その製造方法およびその使用
JP3133015B2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂とその製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー
JP3217936B2 (ja) 非磁性一成分トナー
EP0464829B1 (en) Toner composition for electrophotography
JP2005300996A (ja) トナー用ポリエステル樹脂組成物およびトナー
JPH10186717A (ja) トナー用樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー
JP3982643B2 (ja) 電子写真用2成分現像剤
JPH10123756A (ja) トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー
JPH10186725A (ja) 電子写真トナー用樹脂、その製造方法およびそれを用いたトナー
JPS62195680A (ja) 電子写真用現像剤組成物
JPH11246747A (ja) ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いた電子写真用トナー
JPH09152743A (ja) トナーバインダー用ポリエステル樹脂およびその製造方法およびこれを用いたトナー

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040302