JPH10186499A - カメラのプラスチック製圧板及びその成形方法並びに 射出成形型 - Google Patents

カメラのプラスチック製圧板及びその成形方法並びに 射出成形型

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JPH10186499A
JPH10186499A JP35074896A JP35074896A JPH10186499A JP H10186499 A JPH10186499 A JP H10186499A JP 35074896 A JP35074896 A JP 35074896A JP 35074896 A JP35074896 A JP 35074896A JP H10186499 A JPH10186499 A JP H10186499A
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pressure plate
molding
film
mold
plastic
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JP35074896A
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Kazuya Hirose
量哉 広瀬
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムが吸着することなく、小さな力で巻
き上げ、巻き戻しができる圧板とする。 【解決手段】 フィルムとの当接面を裏面に凹形状又は
凸形状を複数形成し、これらに対応する部位のフィルム
との当接面に微小凸部又は微小凹部を形成する。微小凸
部又は微小凹部により圧板とフィルムとの間に空気層が
でき、フィルムが圧板に吸着することがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックから
なるカメラの圧板及びその成形方法並びに成形に使用さ
れる射出成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラのプラスチック製圧板100は、
図11に示すように、フィルム当接面110に球状突起
101を複数形成したものが用いられている。これは、
従来の射出成形技術では十分な平面度が得られいところ
から、球状突起101の高さhを微妙に調整することに
よってフィルム当接面の平面性を確保するためである。
【0003】しかし、圧板100を射出成形で製作する
際、球状突起101部分がショートショットとなった
り、しわが生じ、これらが原因となって、フィルムを巻
き上げまたは巻き戻しする際に、フィルムの表面に損傷
を与えることがある。また球状突起101とフィルムの
接触面積が小さいため、接触荷重が局部的に大きくなっ
て、球状突起101の先端が削れ、削れた部分に埃が挟
まり、同様にフィルムに損傷を与える問題があった。
【0004】実開平4−85431号公報は上記の問題
を解決すべく、球状突起101の形状を次のように最適
化したものである。すなわち、図12に示すように、圧
板100の平面部分102と球状突起101の始点にお
ける接線103とがなす角度αを10°≦α≦15°の
範囲内としすると共に、圧板の平面部分102から見た
球状突起101の高さhを0.05mm≦h≦0.08
mmの範囲内としている。これにより、成形時における
圧板100の球状突起101部分へのしわや粗面の発生
を防止すると共に、各球状突起101への接触荷重を小
さくしている。
【0005】ところで、近年は射出成形機の性能が向上
して精密制御が可能となったため、球状突起101を設
けずにフィルムとの当接面を平面としても、十分な平面
性(平面度0.03mm以内)を得ることが可能になっ
ている。これに加えて、特公平7−25103号公報に
示された技術を用いることで、さらに平面性に優れる圧
板の成形が可能となっている。
【0006】特公平7−25103号公報に示された技
術は、片面が鏡面で、その反対面が粗面の射出成形用金
型を用いて成形するものであり、金型のキャビティ流路
の末端部にオーバーフロー部を設け、金型内に低圧で溶
融樹脂を射出し、オーバーフロー部内を樹脂が充填し始
めた時点で射出を停止した後、保持圧力を加えずに冷却
固化させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
4−85431号公報の手段では、フィルム表面への損
傷は軽減されるものの、各球状突起101に接触加重が
集中することには変わりなく、フィルムの損傷を皆無と
することができない。また圧板100を成形する金型
に、球状突起101に相当する形状を多数加工する必要
があり、そのため金型製作が面倒で、かつコストも高く
なる問題も有している。
【0008】これに対して、フィルムとの当接面を平面
にした場合において、フィルムとの当接面が鏡面の場合
では、フィルムが吸着されるため、フィルムの巻き上げ
及び巻き戻しに大きな力が必要になる。そのためフィル
ムとの当接面は微粒面にすることが望ましい。しかし微
粒面を粗くしすぎると、逆にフィルムに傷を付ける恐れ
がある。このようなことからフィルムに傷を付けない程
度の微粒面が成形できる型を加工するのは極めて困難で
ある。
【0009】また特公平7−25103号公報の技術を
用いて成形する場合は、フィルムとの当接面は鏡面のみ
となり、上述した同様な問題を有している。本発明は上
記のような問題に対し、フィルムに損傷を与えず、かつ
十分な平面性を有するプラスチック製圧板、およびそれ
を低コストで成形できる方法さらには、成形に使用する
成形型を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明のプラスチック製圧板は、プラスチック
の射出成形によって作製されるカメラのプラスチック製
圧板において、フィルムとの当接面の裏面には凹形状ま
たは凸形状のうちの少なくともどちらか一方が複数形成
され、フィルムとの当接面には前記凹形状との対応部位
に微小凸部または微小凹部が形成されているとともに、
前記凸形状との対応部位に微小凸部または微小凹部が形
成されていることを特徴とする。
【0011】請求項2の発明の射出成形型は、カメラの
プラスチック製圧板を成形するための射出成形型におい
て、圧板のフィルムとの当接面を形成する成形面の表面
が平面であり、フィルムとの当接面の裏面を形成する成
形面の表面に、複数個の凸形状または凹形状が設けられ
ていることを特徴とする。
【0012】請求項1および2記載の発明では、溶融し
たプラスチック材料を型内に射出して冷却固化する時、
プラスチック材料は成形収縮するが、型の凸形状または
凹形状では、成形品(圧板)の肉厚が違うため、成形収
縮量に差が生じる。これによって圧板のフィルムとの当
接面に微小凸部または微小凹部が形成される。この微小
凸部または微小凹部によって圧板とフィルムとの間に薄
い空気の層が生じるため、フィルムは圧板に吸着するこ
となく、小さな力で巻き上げ及び巻き戻しができる。ま
た微小凸部には接触加重がほとんど集中しないため、フ
ィルムに損傷を与えない。
【0013】請求項3の発明の成形方法は、圧板のフィ
ルムとの当接面を形成する成形面の表面が平面かつ鏡面
であり、圧板のフィルムと当接しない面を成形する成形
面の表面は複数個の凸形状または凹形状が形成された粗
面となっている射出成形型を用い、この射出成形型内に
低圧で溶融プラスチック材料を射出し、射出成形型のキ
ャビティにプラスチック材料が充填完了する直前に射出
を停止した後、保持圧力を加えずに冷却固化させること
を特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明によると、低圧で溶融
プラスチック材料を型内に射出し、溶融プラスチック材
料が充填完了直前に射出を停止した後、保持圧力を加え
ず冷却固化させると、型の粗面の凹凸に溶融プラスチッ
ク材料が転写されず、成形時における溶融プラスチック
材料の密着力は、鏡面に比べて粗面への方が弱くなり、
溶融プラスチック材料の収縮により生ずるヒケは粗面側
に集中する。従って、鏡面側すなわちフィルムとの当接
面は金型の平面性を極めて正確に転写し、ほとんどソリ
を有していない圧板となる。また圧板のフィルムとの当
接面には、請求項1および2記載の発明と同様の作用に
より微小凸部が生じる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1はプラスチック製圧板1を成形す
る射出成形型2の要部断面図、図2(a)は、圧板1の
表面13(フィルムと当接する面)の斜視図であり、
(b)は裏面14(フィルムと当接しない面)の斜視図
である。図3は圧板1の凹形状11付近の断面図であ
る。射出成形型2は、主に固定型3と可動型4とで構成
され、固定型3及び可動型4には圧板1を成形するため
のキャビティ5、キャビティ5に溶融プラスチックを供
給するゲート6、ランナ7が形成されている。
【0016】この成形型2では、キャビティ5における
固定型3側の成形面が平面8となっている。一方、キャ
ビティ5の可動型4側の成形面には、平面34と、平面
34に突起9が複数設けられてることにより構成されて
いる。なお、射出成形するときにプラスチック材料が流
れやすくするために、突起9の側面は斜めに加工するこ
とによって円錐台状としてある。10は可動型4に設け
られたエジェクタピンである。この場合、キャビティ5
の平面8と平面34間の寸法をt0、平面8と突起9間
の寸法t1とする。
【0017】成形においては、溶融したプラスチック材
料(ポリカーボネート)を、ランナ7及びゲート6を経
由してキャビティ5内に射出し、圧力をかけて冷却固化
させ、キャビティ5の形状をプラスチック材料に転写さ
せる。その後、固化したプラスチック材料を射出成形型
2から取り出し、ゲート及びランナを切断除去すること
により、図2(a),(b)に示す圧板1を得る。圧板
1の裏面14には、突起9(図1参照)の形状が転写さ
れた円錐状の凹形状11が形成されているとともに、圧
板1の表面13には微小凸部12が形成されている。微
小凸部12は、図3に示すように凹部11と対になって
形成されるものであり、その形状は円弧状となってい
る。
【0018】次に、この微小凸部12の形成過程を説明
する。射出成形をして冷却固化する時、プラスチック材
料は成形収縮する。このようにして、寸法t0は収縮し
て寸法t0′になり、t1がt1′になる。
【0019】ここで、t0を1.6mm、t1を0.9
mm、プラスチック材料であるポリカーボネートの成形
収縮率を5/1000とすると、t0は1.6mm×5
/1000=0.008mm小さくなり、t1は0.9
mm×5/1000=0.0045mm小さくなる。こ
こで収縮による寸法の変化量がt0とt1とでは異なる
ため、(0.008mm−0.0045mm)/2=
0.0035mm=Sだけ凹形状11の固定型3側(即
ち、圧板におけるフィルムとの接触面側)が円弧状に盛
り上がって微小凸部12が生じる。
【0020】この微小凸部12は、成形収縮量の差によ
って自然に出来たものであるため、傾斜が極めて滑ら
で、且つ連続的である。また微小凸部12は、本実施の
形態では凸量が0.0035mmと極めて微小であるた
め、圧板1の平面性に悪影響を及ぼすほどの量とはなら
ない。
【0021】このような本実施の形態における圧板1に
よると、カメラに組み込んで使用する際、フィルムは圧
板1の微小凸部12に当接し、フィルムと圧板1の平面
部15(図3参照)との間には、薄い空気の層が生じ
る。そのためフィルムは、圧板に吸着(密着)すること
なく、小さな力で巻き上げ及び巻き戻しができる。
【0022】また、微小凸部12は、傾斜が極めて滑ら
か、且つ連続的であり、またその凸量Sも極めて微小で
あることより、接触荷重がほとんど集中しないため、フ
ィルムに損傷を与えない。
【0023】さらに、このような微小凸部12を得るた
めの射出成形型においては、キャビティ5の固定型3側
の成形面が平面8であるため、射出成形型2を簡単にか
つ低コストで製作することが可能となる。
【0024】なお圧板1の裏面14の形状は、図2に示
すような円錐台の凹形状11に限定するものではなく、
凹凸があれば他の形状でも良く、図4に示すように円錐
台の凸形状16のような形状や、図5に示すリブ18な
どの凸形状などであっても良い。凸形状16とした場合
は、表面13に微小凹部17が生じる一方、リブ18と
した場合も、表面15に微小凹部19が生じる。微小凹
部の場合、微小凹部とフィルムとの間に薄い空気の層が
形成されるため、フィルムと圧板とが吸着することが無
い。そのため、小さな力でフィルムを巻き上げ、巻き戻
しできる。さらに裏面14には凹形状と凸形状とが混在
していても良い。
【0025】また、t0を1.6mm、t1を0.9m
mに限定するものではなく、部分的に偏肉になっていれ
ば、これ以外の寸法でも良い。最適な寸法は、製品とし
ての大きさの制限や、成形に用いるプラスチック材料等
の各種条件に応じて変更するものである。そしてこれら
の条件によって微小凸部12の凸量も異なる。実験の結
果、最大凸量が0.010mmを超えるとフィルムを損
傷しやすく、最大凸量が0.002mmを下まわるとフ
ィルムの巻き上げ巻き戻しに大きな力が必要となる。こ
のため、最大凸量は0.010mm以下であり、また、
凸量は少なくとも0.002mm以上が好適である。
【0026】成形に用いるプラスチック材料は、ポリカ
ーボネートに限定するものではなく、例えばABS、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート、PMM
A等の各種熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0027】図6はプラスチック製圧板を成形する別の
射出成形型2の要部断面図である。この成形型2では、
図1の突起9に替えてエジェクタピン20の先端をキャ
ビティ5内に突出させている。エジェクタピン20の先
端は、突起9と同様に円錐台状となっている。このよう
にキャビティ5内に突出したエジェクタピン20は突起
9と同様な作用を行うため、実施の形態1の圧板と同様
の効果が得られる。なおエジェクタピン20の先端をキ
ャビティ5内に突出させるのではなく、図6の破線で示
すように、エジェクタピン20の先端をキャビティ5か
ら凹ませて設置しても、同様の効果が得られる。
【0028】従って、この構造では可動型4に突起9を
加工しなくても、実施の形態1と同様の効果を得ること
ができるため、成形型の制作費を安価に抑えることがで
きる。さらに、突起9のかわりにエジェクタピン20を
用いているため、交換が容易であり、突出量または凹み
量を容易に変更すること、即ち、圧板に形成する凹形状
の深さや凸形状の高さを容易に変更することが可能とな
るため、凹形状と対の微小凸部の高さ、凸形状と対の微
小凹部の深さを適宜適切なものに変更することができ
る。
【0029】(実施の形態2)図7はプラスチック製圧
板21を成形するための射出成形型22の要部断面図て
あり、実施の形態1と同じ機能を有する部材は、同じ符
号を付し、その説明を省略する。
【0030】キャビティ5の可動型4側の成形面は、粗
面23に仕上げられている。これに対し、対向するキャ
ビティ5の固定側3側の成形面は、平面且つ鏡面28に
仕上げられている。ゲート6の反対側には、キャビティ
5と連通したオーバーフロー部24が設けられている。
【0031】成形においては、キャビティ5内に低圧で
溶融プラスチック材料を射出し、オーバーフロー部24
内に溶融プラスチック材料が充填され始めた時点で射出
を停止した後、保持圧力を加えず冷却固化させる。
【0032】このような成形により、オーバーフロー部
24には溶融プラスチック材料が完全には充填されず、
図8に示すように、オーバーフロー27には前記オーバ
ーフロー部24の形状が完全に転写されない。また、キ
ャビティ5の粗面23の凹凸に溶融プラスチック材料が
転写されることがない。従って、成形時における溶融プ
ラスチック材料の密着力は、鏡面28に比べて粗面23
への方が弱くなる。これにより、溶融プラスチック材料
の収縮により生ずるヒケは粗面23側に集中するため
に、鏡面28側は金型の平面性を極めて正確に転写し、
ほとんどソリを有さない圧板21を得ることができる。
【0033】圧板21の表面には、実施の形態1と同様
の作用により、微小凸部12が生じる。成形後において
は、ゲート26とオーバーフロー27を切断除去して、
圧板21とする。
【0034】本実施の形態によると実施の形態1と同様
に、フィルムは圧板21の微小凸部12で当接し、フィ
ルムと圧板21の平面部15の間には、薄い空気の層が
生じる。そのためフィルムは、圧板に吸着することな
く、小さな力で巻き上げ及び巻き戻しできる。また、微
小凸部12は、傾斜が極めて滑らかでかつ連続的であ
り、その凸量Sも極めて微小であるところから、接触荷
重がほとんど集中しないため、フィルムに損傷を与えな
い。
【0035】また、本実施の形態による圧板は、ヒケを
裏面に集中させたことにより従来のものよりも、平面部
(フィルムとの接触面)の平面性に優れるため、高精度
が要求される高級カメラのプラスチック製圧板として使
用することが可能となっている。なお実施の形態1の場
合と同様に、圧板21の裏面の形状は、図4や図5に示
すような形状などでも良い。
【0036】この実施の形態2では、射出成形型22か
らオーバーフロー部24をなくした射出成形型を用いる
ことができる。この射出成形型を用いる場合は、キャビ
ティ内に低圧で溶融プラスチック材料を射出し、溶融プ
ラスチック材料がキャビティ内に充填完了する直前で射
出を停止した後、保持圧力を加えず冷却固化させる。
【0037】これにより、実施の形態2の場合と同様
に、ほとんどソリを有さず、図9に示すような表面には
微小凸部12を有する圧板29を得ることができる。
【0038】このような成形では、キャビティに溶融プ
ラスチック材料が充填完了する直前で射出を停止するた
め、圧板29のゲートから遠い部分はキャビティ形状3
0が完全に転写されておらず、ショートショット31と
なっている。このショートショット31の大きさは、圧
板としての機能を損なわないようにするため、フィルム
が当接する部分へかからないように射出成形時における
溶融プラスチック材料の射出量を制御することで調整で
きる。
【0039】このような成形においても、実施の形態2
と同様の効果が得られ、かつ圧板の機能として不要なオ
ーバーフロー27を有さず、射出成形後にオーバーフロ
ー27を切断除去する必要がないため、平面度に優れる
圧板を更に低コストで得ることができる。
【0040】(実施の形態3)図10はプラスチック製
圧板を成形するための射出成形型32の要部断面図であ
り、実施の形態1と同じ機能を有する部材は、同じ記号
を付し、その説明を省略する。
【0041】この実施の形態における固定型3及び可動
型4は、鋼により作製されている。また、キャビティ5
の可動型4には、セラミックからなる入子33が接着や
ネジや圧入等の手段で複数個固定されている。
【0042】成形においては、キャビティ5内に溶融し
たプラスチック材料を射出し、冷却固化させ、キャビテ
ィ形状をプラスチック材料に転写させる。セラミックは
熱伝導率が低いため、セラミックからなる入子33付近
のプラスチック材料よりも、鋼からなる固定型3及び可
動型4付近の方が早く冷却し固化する。これにより固定
型3及び可動型4付近のプラスチック材料が冷却固化し
て成形収縮するとき、まだ固化しきっていない入子33
付近のプラスチック材料を引き寄せる。そのため入子3
3に接した部分は、わずかにヒケ、即ち凹形状を生じ
る。このヒケは成形された圧板の裏面に生じるが、この
影響で表面にも微小な凹部を生じる。
【0043】このような実施の形態では、実施の形態1
と同様の効果が得られると共に、圧板の裏面に凹形状や
リブ等の凸形状を設ける必要がないため、圧板の形状の
自由度が増す。
【0044】なお、固定型3および可動型4と入子33
との間に熱伝導率に相違があれば良く、入子33の材質
としては、セラミック以外で熱伝導率の低い部材、例え
ばエポキシ樹脂等を用いても良い。
【0045】また固定型3及び可動型4よりも入子33
の熱伝導率を低くするのではなく、逆に熱伝導率の良い
アルミニウム合金や銅合金からなる入子33を用いても
良い。この場合は、入子33と接している部分には微小
な凸形状が、入子33と接している部分に対応する圧板
の表面には微小凸部が生じる。更に、固定型3および可
動型4の材質をセラミックとする一方、入子33の材質
を鋼にしても良く、前者を銅合金とし、後者をセラミッ
クとしても良い。
【0046】以上の実施の形態から本発明は以下の発明
を包含するものである。
【0047】(1)プラスチックの射出成形によって作
製されるカメラの圧板であり、フィルムとの当接面に
は、平面上に複数の微小凸部または微小凹部が形成され
る一方、フィルムとの当接面の裏面には、前記複数の微
小凸部または微小凹部との対応部位に、凹形状または凸
形状が形成されていることを特徴とするカメラのプラス
チック製圧板。
【0048】(2)上記(1)項において、前記微小凸
部の凸量または微小凹部の凹量は、0.002mm以上
0.010mm以下であることを特徴とするカメラのプ
ラスチック製圧板。
【0049】(3)カメラのプラスチック製圧板を成形
するための射出成形型において、圧板のフィルムとの当
接面を形成する成形面の表面が平面であり、フィルムと
の当接面の裏面を形成する成形面の表面に、複数個の凸
形状または凹形状が設けられていると共に、この複数個
の凸形状または凹形状部分に、エジェクタピンが設けら
れていることを特徴とする射出成形型。
【0050】(4)カメラのプラスチック製圧板を成形
するための射出成形型において、圧板のフィルムとの当
接面を形成する成形面の表面が平面かつ鏡面であり、フ
ィルムとの当接面の裏面を形成する成形面の表面に、複
数個の凸形状または凹形状が設けられる共に粗面となっ
ており、キャビティにオーバーフロー部が設けられてい
ることを特徴とする射出成形型。
【0051】(5)圧板のフィルムとの当接面を形成す
る成形面の表面が平面かつ鏡面であり、フィルムとの当
接面の裏面を形成する成形面型の表面に、複数個の凸形
状または凹形状が設けられると共に粗面となっており、
キャビティにオーバーフロー部が設けられた射出成形型
を用い、この射出成形型内に低圧で溶融プラスチック材
料を射出し、前記オーバーフロー部内をプラスチック材
料が充填し始めた時点で射出を停止した後、保持圧力を
加えずに冷却固化させることを特徴とするカメラのプラ
スチック製圧板の成形方法。
【0052】(6)カメラのプラスチック製圧板を成形
するための射出成形型において、圧板のフィルムとの当
接面を形成する成形面の表面が平面であり、フィルムと
の当接面の裏面を形成する型に複数の入子部材が配置さ
れ、前記圧板のフィルムと当接しない面を成形する型の
熱伝導率と前記入子部材の熱伝導率とが異なることを特
徴とする射出成形型。
【0053】
【発明の効果】本発明によると、フィルムに損傷を与え
ず、かつ十分な平面性を有するプラスチック製圧板およ
びそれを成形する金型を簡単に且つ低コストで得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の射出成形型の断面図である。
【図2】(a)は実施の形態1の圧板の表面からの斜視
図、(b)は裏面からの斜視図である。
【図3】圧板の断面図である。
【図4】(a)は圧板の変形例の表面からの斜視図、
(b)は裏面からの斜視図である。
【図5】(a)は圧板のさらに別の変形例の表面からの
斜視図、(b)は裏面からの斜視図である。
【図6】実施の形態1の射出成形型の変形例の断面図で
ある。
【図7】実施の形態2の射出成形型の断面図である。
【図8】実施の形態2の圧板の正面図である。
【図9】実施の形態2の圧板の変形例の正面図である。
【図10】実施の形態3の射出成形型の断面図である。
【図11】従来の圧板の斜視図である。
【図12】改良された従来の圧板の斜視図である。
【符号の説明】
1 圧板 2 射出成形型 3 固定型 4 可動型 8 平面 9 突起 12 微小凸部 13 表面 14 裏面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックの射出成形によって作製さ
    れるカメラのプラスチック製圧板において、 フィルムとの当接面の裏面には凹形状または凸形状のう
    ちの少なくともどちらか一方が複数形成され、 フィルムとの当接面には前記凹形状との対応部位に微小
    凸部または微小凹部が形成されているとともに、前記凸
    形状との対応部位に微小凸部または微小凹部が形成され
    ていることを特徴とするカメラのプラスチック製圧板。
  2. 【請求項2】 カメラのプラスチック製圧板を成形する
    ための射出成形型において、 圧板のフィルムとの当接面を形成する成形面の表面が平
    面であり、フィルムとの当接面の裏面を形成する成形面
    の表面に、複数個の凸形状または凹形状が設けられてい
    ることを特徴とする射出成形型。
  3. 【請求項3】 圧板のフィルムとの当接面を形成する成
    形面の表面が平面かつ鏡面であり、圧板のフィルムと当
    接しない面を成形する成形面の表面は複数個の凸形状ま
    たは凹形状が形成された粗面となっている射出成形型を
    用い、 この射出成形型内に低圧で溶融プラスチック材料を射出
    し、射出成形型のキャビティにプラスチック材料が充填
    完了する直前に射出を停止した後、保持圧力を加えずに
    冷却固化させることを特徴とするカメラのプラスチック
    製圧板の成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103042652A (zh) * 2013-01-15 2013-04-17 黄锦泽 串珠式塑料装饰件的免抽芯成型工艺

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