JP3974243B2 - レンズ成形方法およびレンズ成形金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は各種機器の光学系に用いられる歪がなく高精度な成形レンズの成形方法および成形金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の樹脂成形レンズの一例を図4の断面図に示す。図4に示すように樹脂成形レンズ(以下、単にレンズという)1は、外形が円形な部分(説明の便宜上、断面から見て平行部1Aという)と、レンズ面1Cの平坦部外縁とが連なり、断面が直角形の角部を形成していた。これは、図示せざる金型固定側の形状により決まるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示す形状のレンズであると、金型移動側を分割面から外し金型固定側の中子でレンズ1の底部1Dを矢印A方向に脱型する際、平行部1A、つまりレンズ1の外周部全周が金型固定側と接触しているため脱型抵抗が大きく、その結果、レンズ面1Cの変形や内部歪が発生しやすいという課題があった。
【0004】
本発明はこのような課題を解決し、高精度で低歪のレンズを得るための脱型抵抗を少なくしたレンズ成形方法および成形金型の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のレンズ成形方法の発明は、レンズ基部を形成する円形孔の高さ方向の断面における対向側壁が平行な平行部および前記平行部に連なりかつレンズ面の外縁部に対して径が次第に拡がるテーパー孔が形成された金型固定側と、前記円形孔に移動可能に設けられ、かつ前記平行部の高さを定め、先端部に前記レンズ基部の底面と同形状を有する金型固定側中子と、先端部に前記レンズ面の形状を有する金型移動側中子と、前記金型移動側中子を有する金型移動側と、により構成されたレンズ成形金型を用いて行うレンズ成形方法であって、前記金型移動側と前記金型固定側とを合わせてレンズ成形孔を形成し、前記レンズ成形孔に樹脂を圧入して冷却した後、前記金型移動側を前記樹脂から離型し、前記金型固定側に残った前記樹脂が前記金型固定側から脱型する方向に前記金型固定側中子を移動して、前記金型固定側から前記樹脂を脱型することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載のレンズ成形金型の発明は、レンズ基部を形成する円形孔の高さ方向の断面における対向側壁が平行な平行部および前記平行孔に連なりかつレンズ面の外縁部に対して径が次第に拡がるテーパー孔が形成された金型固定側と、前記円形孔に移動可能に設けられ、かつ前記平行部の高さを定め、先端部に前記レンズ基部の底面と同形状を有する金型固定側中子と、先端部に前記レンズ面の形状を有する金型移動側中子と、前記金型移動側中子を有する金型移動側と、により構成したことを特徴とする。
【0007】
本発明によればレンズを成形した場合、まず金型分割面が開くときにはレンズ基部の外形円形部分(断面から見て平行部分)の抵抗によって金型固定側に確実に残すことができ、かつレンズ外径のテーパー部分によって脱型時の抵抗を小さくすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
【0009】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態における樹脂成形レンズの断面図を示し、レンズ1を形成するレンズ基部は高さ1Eを有する円形部(説明の便宜上、断面から見て平行部1Aという)と、この高さ1E部分に連なるテーパー部1Bとでなる。このテーパー部1Bはレンズ面1Cの外縁部に対して円形部外径が次第に拡がっており、高さ1Eを有する円形部1Aとテーパー部1Bは一体に成形された形状である。
【0010】
レンズ1を成形する金型固定側、移動側の構造と成形動作について図2及び図3を用いて説明する。図2はレンズ成形中の要部状態断面図、図3は成形後の金型移動側を脱型した要部状態断面図である。図2及び図3において、2は金型移動側であり、中子3を有し、中子3の先端部3Aは図1のレンズ面1Cと同形状に成形されている。
【0011】
4は金型固定側であり、中子5を有し、この中子に接する面からレンズ1の高さ1Eと対応する高さ4Eを有する円形孔(以下、説明の便宜上、断面から見て平行部4Aという)と、レンズ1のテーパー部1Bと対応形状のテーパー孔(以下、説明の便宜上、テーパー部4Bという)とで形成される。
【0012】
レンズ1の樹脂成形は、図2に示すように金型移動側3と金型固定側4の合わせ面に設けたランナー部6及びゲート部7を通過した樹脂が、円形孔(平行部4A)とテーパー孔(テーパー部4B)でなるレンズ成形孔に圧入されレンズ1の原型が成形され、両金型2と4にて冷却される。
【0013】
次に図3に示すように、金型移動側2を矢印B方向に離型し、金型固定側4が開きランナー部6,ゲート部7及びレンズ1が中子5の矢印C方向の移動によって脱型される。
【0014】
この場合、レンズ1の平行部1Aと金型固定側4の平行部4Aは摩擦抵抗によって金型固定側4に残り、かつ、中子5によってレンズ1が脱型される時に、レンズ1のテーパー部1Bと金型のテーパー部4Bによってその脱型抵抗は軽減される。したがって、レンズ1へ余分な圧力がかからず円滑に脱型されるので歪発生をなくすことができる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように本発明はレンズの基部外形形状を円形とし、それに連なるテーパー形状とし、そのような形状の金型を用いることにより脱型抵抗が小さくなるため、レンズの歪は小さくなり高精度で低歪のレンズを得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における樹脂成形レンズの断面図
【図2】本発明の実施の形態における樹脂レンズ成形中の要部状態断面図
【図3】本発明の実施の形態における成形・金型開き後脱型をしている要部状態断面図
【図4】従来の樹脂成形レンズの一例の断面図
【符号の説明】
1 樹脂成形レンズ
1A 円形部(平行部)
1B テーパー部
1C レンズ面
1D 底部
1E,4E 高さ
2 金型移動側
3,5 中子
4 金型固定側
4A 円形孔(平行部)
4B テーパー孔(テーパー部)
6 ランナー部
7 ゲート部
Claims (2)
- レンズ基部を形成する円形孔の高さ方向の断面における対向側壁が平行な平行部および前記平行部に連なりかつレンズ面の外縁部に対して径が次第に拡がるテーパー孔が形成された金型固定側と、
前記円形孔に移動可能に設けられ、かつ前記平行部の高さを定め、先端部に前記レンズ基部の底面と同形状を有する金型固定側中子と、
先端部に前記レンズ面の形状を有する金型移動側中子と、
前記金型移動側中子を有する金型移動側と、により構成されたレンズ成形金型を用いて行うレンズ成形方法であって、
前記金型移動側と前記金型固定側とを合わせてレンズ成形孔を形成し、前記レンズ成形孔に樹脂を圧入して冷却した後、前記金型移動側を前記樹脂から離型し、前記金型固定側に残った前記樹脂が前記金型固定側から脱型する方向に前記金型固定側中子を移動して、前記金型固定側から前記樹脂を脱型することを特徴とするレンズ成形方法。 - レンズ基部を形成する円形孔の高さ方向の断面における対向側壁が平行な平行部および前記平行孔に連なりかつレンズ面の外縁部に対して径が次第に拡がるテーパー孔が形成された金型固定側と、
前記円形孔に移動可能に設けられ、かつ前記平行部の高さを定め、先端部に前記レンズ基部の底面と同形状を有する金型固定側中子と、
先端部に前記レンズ面の形状を有する金型移動側中子と、
前記金型移動側中子を有する金型移動側と、により構成したことを特徴とするレンズ成形金型。
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JP34475697A JP3974243B2 (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | レンズ成形方法およびレンズ成形金型 |
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