JPH10185307A - 循環温浴機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 夏季等自然放熱量が少ない場合でも、加熱手
段による殺菌量を増やすことができ、温水貯留槽には適
温の温水を吐出することができる循環温浴機を提供する
こと。 【解決手段】 浴槽１内の浴用水を循環経路外に排水す
ると共に、殺菌槽１２以降に配設された給水弁１５から
水道水を給水し、殺菌槽１２から流出する浴用水を冷却
することにより、殺菌槽１２へ流入する浴用水の流量を
増やし、殺菌能力を高め、浴槽１には適温の温水を吐出
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、温水の循環温浴
機に関し、さらに詳細には、浴槽中の浴用水やプール中
の温水のように、使用により経時的に水温が低下すると
ともに汚染される液体を循環させながら、昇温や保温を
するとともに殺菌や制菌をするための家庭用、業務用の
循環温浴機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、加熱手段により殺菌を行う循環温
浴機においては、温水を摂氏７５度程度まで加熱して殺
菌を行っていた。

【０００３】即ち、温水貯留槽と加熱手段との間におい
て温水を循環させつつ加熱手段により温水を高温（例え
ば摂氏７５度程度）に加熱して温水を殺菌するのであ
る。循環温浴機においては、常に入浴等に適当な温度に
温水を保温するものであるが、前記したように温水の加
熱殺菌を、無制限に行うと温水の温度が適温から上昇し
てしまい、好ましくはない。そこで、従来の循環温浴機
では温水の循環系からの自然放熱分の熱量だけ加熱殺菌
に使用することとしていた。ここで、具体的な加熱手段
の動作としては、ＯＮ／ＯＦＦ制御による断続的な加熱
殺菌動作である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、夏季等
自然放熱量が少ないときは、加熱量が少なくなり、殺菌
量が少なくなったり、加熱手段がＯＮになると温水貯留
槽に高温の湯が流入するといった問題点があった。

【０００５】そこで、本発明は、自然放熱量が少ない場
合でも、加熱手段による殺菌量を増やすことができ、温
水貯留槽には適温の温水を吐出することができる循環温
浴機を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を好適に達成するためのなされた請求項１記載の
発明は、温水を温水貯留槽に貯留し、この温水を循環ポ
ンプで循環させるとともに、加熱手段により前記温水を
昇温し殺菌を行う循環温浴機において、循環経路内の温
水を経路外に排水する排水手段と、前記加熱手段以降の
循環経路内に給水する給水手段とを備えた。

【０００７】排水手段により温水を経路外に排水すると
共に、加熱手段により経路内に残留する温水を加熱殺菌
し、給水手段により、加熱殺菌後の経路内に給水する。
これにより温水貯留槽内には十分に殺菌された適温の温
水が吐出される。

【０００８】同じく、前記課題を克服し、所期の目的を
好適に達成するためのなされた請求項２記載の発明は、
請求項１の構成において、前記循環経路に前記加熱手段
により前記温水を昇温し殺菌を行う第一の流路と、前記
加熱手段を回避して下流側に連通するバイパス流路を備
えた。第一の流路の流路を流れる一部の温水は加熱殺菌
され、バイパス流路には多量の温水を流すことができ
る。

【０００９】また、前記課題を克服し、所期の目的を好
適に達成するためのなされた請求項３記載の発明は、請
求項１または２の構成において、前記排水手段は、前記
温水貯留槽内への細菌混入時に排水する。このため細菌
が増殖を開始する前に循環経路外に排水することができ
る。

【００１０】更に、前記課題を克服し、所期の目的を好
適に達成するためのなされた請求項４記載の発明は、請
求項１乃至３のいずれかの構成において、前記循環経路
に浄化槽と、浄化槽の逆洗手段を備え、前記排水手段
は、前記浄化槽の逆洗に利用した温水を排水する。逆洗
手段により浄化槽は洗浄され、浄化槽は高い浄化能力を
保つことができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の循環温浴機につ
いて、好適な実施の形態を挙げて、添付図面を参照しな
がら以下説明する。

【００１２】図１は、発明の一実施の形態の循環温浴機
の概略構成を示している。この装置は、浴槽１に貯留さ
れて経時的に汚染される浴用水を、この浴槽１の外部で
ポンプ循環させながら浄化と殺菌を行なうものである。

【００１３】すなわち、本実施の形態の循環温浴機は、
温水貯留槽としての浴槽１に着脱自在に配設される給排
水ユニット２と、この給排水ユニット２に給水ホース３
と排水ホース４を介して接続する装置本体５とから基本
的に構成されている。

【００１４】給排水ユニット２は、浴槽１の内壁面に着
脱自在に取り付けられ、浴用水の一般的な貯留水位より
下方に位置している。この給排水ユニット２は、装置本
体５内で浄化、殺菌された浴用水を浴槽１に戻す吐出口
２ａと浴槽１より浴用水を吸い出す吸い込み口２ｂとか
ら構成されている。

【００１５】この給排水ユニット２内部では、浴用水を
装置本体５へ供給する給水ホース３が吸い込み口２ｂ
に、また、装置本体５から浄化された浴用水を還流させ
るための排水ホース４が吐出口２ａにそれぞれ接続され
て構成されている。これにより、後述の循環温浴機を稼
働させた際に、浴槽１中の浴用水が循環ポンプ６により
吸い込み口２ｂと給水ホース３を介して装置本体５に流
入し、ここで浄化及び殺菌された後に、排水ホース４及
び吐出口２ａを介して再び浴槽１に戻って循環するよう
になっている。

【００１６】装置本体５は、図１に示すように、浴槽１
から浴用水を汲み上げ循環させる循環ポンプ６と、浴用
水に含まれる有機物やその他の汚染物質を吸着、分解、
濾過等により浄化する浄化槽７を備え、浄化槽７を逆洗
するために配設された浄化槽７をバイパスする逆洗流路
８と、通常流路と逆洗流路８とを切り換えるための切換
弁９ａ〜９ｃを備え、逆洗に利用した温水を排水するた
めの排水手段としての排水路１０を備えている。

【００１７】切換弁により通常流路が設定されていると
きは、循環ポンプ６から吐出された温水は、切換弁９
ａ、９ｂを通って浄化槽７に流入し、そこで不純物が除
去された後、切換弁９ｃを通って後述の流量調節弁１６
に至る。一方、逆洗流路が設定されているときは、循環
ポンプ６から吐出された温水は、切換弁９ａから逆洗流
路８、切換弁９ｃ、浄化槽７、切換弁９ｂ、排水路１０
と流れ、温水は浄化槽７を逆に流れて浄化槽７のフィル
タなどに目詰まりした不純物を除去し、これと共に外部
に流出していくのである。この切換弁９ａ〜ｃ、逆洗流
路８、浄化槽７により逆洗手段が構成されている。

【００１８】また、装置本体５には、通常循環する浴用
水の一部を殺菌温度摂氏７５度以上に加熱する加熱手段
としての加熱槽１１と、加熱された浴用水を所定時間１
分間以上殺菌温度に保持し殺菌を行う殺菌手段としての
殺菌槽１２を配設した第一の流路１３を備え、この加熱
槽１１を回避して殺菌槽１２より下流側に連通するバイ
パス流路１４及び、殺菌槽１２以降に配設された給水手
段としての給水弁１５を備えている。第一の流路１３と
バイパス流路１４との分岐点には流量調節弁１６が設け
られており、この流量調節弁１６により第一の流路１
３、バイパス流路１４への流量がそれぞれ調節される。
給水弁１５には装置外から給水するための給水路１７が
接続されており給水弁１５は常には給水路１７を遮断す
る状態に設定されている。前記給水弁１５、切換弁９ａ
〜ｃ、循環ポンプ６、加熱槽１１は図示外の制御回路に
接続されており、装置の起動停止、温水の殺菌処理、逆
洗排水処理、給水処理等、種々の目的のために個別に制
御される。

【００１９】ところで、本実施の形態では、加熱槽１１
内に設置されたヒーター１１ａへの通電時は常に摂氏７
５度以上の浴用水が生成されるとともに、バイパス流路
１４を流れる浴用水との合流後には、入浴可能な適温と
なるように、第一の流路１３とバイパス流路１４に対す
る浴用水の分配比が流量調節弁１６により調節され、ヒ
ーター１１ａに印可する電圧あるいは電流の値が制御さ
れる。

【００２０】また、装置本体５の操作パネル（図示せ
ず）には、入浴の終了を認識させるためのスイッチ１８
が配設されている。このスイッチ１８は温水に細菌が混
入したとき（すなわち入浴の終了、または、浴槽１から
入浴者が一時的に出たときなど）に操作されるものであ
る。

【００２１】次に、前記各構成の動作について説明す
る。

【００２２】図１において、装置本体５に電源が投入さ
れると、通常使用状態で循環ポンプ６が稼働し、浴槽１
中の浴用水が、吸い込み口２ｂから給水ホース３を通り
吸い込まれ、浄化槽７に送られ浄化される。

【００２３】浄化された浴用水の一部は、第一の流路１
３を通り、加熱槽１１で所定の殺菌温度７５度以上に加
熱され、殺菌槽１２に一時的に貯留される。このため、
加熱槽１１で加熱されてからバイパス流路１４に合流す
るまでの時間（例えば１分間以上）殺菌温度の摂氏７５
度に維持することができるので、確実に殺菌することが
できる。

【００２４】一方、バイパス流路１４を通る浴用水は、
殺菌槽１２の下流で第一の流路１３と合流し、入浴可能
な適温４０度程度になり、排水ホース４を通り、吐出口
２ａから浴槽１へと環流する。このため、熱殺菌を行い
ながら、多量の浴用水を循環させることができる。

【００２５】また、使用者が入浴終了時にスイッチ１８
を押下すると、切換弁９が作動し、浴用水は逆洗流路８
を流れ、浄化槽７を洗浄した後、排水路１０から循環経
路外に排水される。この場合、身体に付着した菌類が浴
槽１内に混入し、増殖が進行する前に循環経路外へ排水
されるため、制菌効率が良い。

【００２６】そして、逆洗が所定時間行われてから通常
使用状態に復帰すると、浴槽１内の浴用水が減量するの
で、給水弁１５が開制御されて減量分の給水が行われ
る。これにより、殺菌槽１２から流出する浴用水は更に
冷却されるため、殺菌槽１２を備えた第一の流路１３へ
流入する浴用水の流量を増やすことができ、殺菌能力を
高めることができる。

【００２７】次に、本発明の第二の実施の形態について
説明する。

【００２８】図２は、発明の一実施の形態の循環温浴機
の概略構成を示している。

【００２９】この構成は、第一の実施の形態に比して、
殺菌槽１２から流出する浴用水を冷却する部分以外は同
じであるので、この冷却部分に関してのみ説明する。

【００３０】この形態においては、給水口１５の代わり
に、殺菌槽１２から流出する浴用水を、流路の外部から
冷却するための冷却槽１９と、冷却槽１９で温められた
水道水を浴槽１に給水するための給水手段としての給水
路２０から構成されている。次に、前記各構成の動作に
ついて説明する。

【００３１】基本的な動作も第一の実施の形態とほぼ同
じである。図２において、浄化槽７の逆洗が終了し、通
常運転に復帰すると、冷却槽１９に水道水が流入し、流
路の外部から浴用水を冷却し、温められた水道水は、給
水路２０を通り、浴槽１に給水される。

【００３２】本発明の構成は以上の述べた実施形態に限
定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種
々の変更を加えることができる。例えば、第一の実施の
形態では、給水口１５を殺菌槽１２の下流側に配設した
が、バイパス流路１４に配設しても同等の効果を得るこ
とができる。また、使用者の入浴終了を装置本体５に認
識させるための手段は、スイッチ１８の押下による手動
式に限らず、超音波や光等の、反射時間や遮蔽物の有無
等を検知させるセンサを浴槽１に取り付けて入浴者の有
無を判別し、いないときに入浴終了と判別する方式を採
用することもできる。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項１記載の循環温浴機によれば、温水を温水貯留槽に
貯留し、この温水を循環ポンプで循環させるとともに、
加熱手段により前記温水を昇温し殺菌を行う循環温浴機
において、循環経路内の温水を経路外に排水する排水手
段と、前記加熱手段以降の循環経路内に給水する給水手
段を備えているので、加熱手段を通る浴用水の水量を増
やし、殺菌能力を高めることができる。

【００３４】また、請求項２記載の循環温浴機によれ
ば、請求項１の効果に加え、前記加熱手段により前記温
水を昇温し殺菌を行う第一の流路と、前記加熱手段を回
避して下流側に連通するバイパス流路を備えているの
で、浴用水の循環流量を増やし、ジェット水流によるマ
ッサージを楽しむことができる。

【００３５】また、請求項３記載の循環温浴機によれ
ば、請求項１または２の効果に加え、前記温水貯留槽内
への細菌混入時に排水するので、制菌効率を高めること
ができる。

【００３６】また、請求項４記載の循環温浴機によれ
ば、請求項１乃至３のいずれかの効果に加え、浄化槽
と、浄化槽の逆洗手段を備え、前記浄化槽の逆洗に利用
した温水を排水するので、浄化能力も高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施の形態の基本構成を示す概
略図である。

【図２】本発明の第二の実施の形態の基本構成を示す概
略図である。

【符号の説明】

１ 浴槽 ２ 給排水ユニット ２ａ 吐出口 ２ｂ 吸い込み口 ３ 給水ホース ４ 排水ホース ５ 装置本体 ６ 循環ポンプ ７ 浄化槽 ８ 逆洗流路 ９ 切換弁 １０ 排水路 １１ 加熱槽 １１ａ ヒーター １２ 殺菌槽 １３ 第一の流路 １４ バイパス流路 １５ 給水弁 １６ 流量調節弁 １８ スイッチ １９ 冷却槽 ２０ 給水路

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 温水を温水貯留槽に貯留し、この温水を
   循環ポンプで循環させるとともに、加熱手段により前記
   温水を昇温し殺菌を行う循環温浴機において、 循環経路内の温水を経路外に排水する排水手段と、前記
   加熱手段以降の循環経路内に給水する給水手段とを備え
   たことを特徴とする循環温浴機。
2. 【請求項２】 前記循環経路に前記加熱手段により前記
   温水を昇温し殺菌を行う第一の流路と、前記加熱手段を
   回避して下流側に連通するバイパス流路を備えたことを
   特徴とする請求項１記載の循環温浴機。
3. 【請求項３】 前記排水手段は、前記温水貯留槽内への
   細菌混入時に排水することを特徴とする請求項１または
   ２に記載の循環温浴機。
4. 【請求項４】 前記循環経路に浄化槽と、浄化槽の逆洗
   手段を備え、前記排水手段は、前記浄化槽の逆洗に利用
   した温水を排水することを特徴とする請求項１乃至３の
   いずれかに記載の循環温浴機。