JP3803988B2 - 浴湯循環濾過装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に濾過器内に繁殖しやすい病原菌を熱殺菌することのできる浴湯循環濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴湯を循環させながら浴湯を浄化可能とし、長時間浴湯の入れ替えをすることなく、常時、入浴可能な状態を保つことのできる浴湯循環濾過装置の一形態として浴室内に簡易に設置可能としたものがあり、風呂準備の手間がかからずかつ節水効果もあることから需要を伸ばしてきた。
【0003】
その一般的な構成は、浴槽の近傍に設置できるようにコンパクトに構成した装置本体内に、浴湯流路を介して連通連結する循環ポンプと濾過器とヒータとを配設し、前記浴湯流路の両端に、浴槽内に開口した浴湯吸入口と浴湯吐出口とをそれぞれ連通連結して浴湯循環流路を形成したものとなっており、かかる構成により浴槽内の浴湯を循環させながら加温・濾過可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記浴湯循環濾過装置について下記の問題が指摘されて社会問題化してきた。
【0005】
すなわち、浴湯循環流路中に配設された濾過器内の濾過材に浴湯中の塵や垢が付着すると雑菌が増殖しやすくなり、その中でもレジオネラ菌は肺炎を引き起こすおそれがあるというものである。
【0006】
かかるレジオネラ菌には、60℃以上の熱による熱殺菌、もしくは塩素消毒が有効であることが知られているが、塩素消毒を用いると浴湯の生物濾過に必要な有益な菌も死滅させるおそれがあり、また、単に菌を死滅させたとしても、これらが前述の塵や垢とともに濾過器内に堆積すると濾過能力が大幅に低下してしまうという課題が残る。
【0007】
そこで、本発明では、入浴者が火傷することのないように安全性を保持しながら熱殺菌を用いてレジオネラ菌等を完全に死滅させ、かつ、濾過器内に菌の死骸等が堆積することのない浴湯循環濾過装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、浴湯循環流路中に配設した循環ポンプと濾過器とヒータとを装置本体内に収納配設し、浴槽内の浴湯を循環しながら加温・濾過可能とした浴湯循環濾過装置において、前記循環ポンプと濾過器との間に、排水パイプを介して浴湯を系外に排出可能とした流路切換弁を設けるとともに、前記浴湯循環流路の往路側と復路側との間に設けたバイパス流路と前記浴湯循環流路の往路側との分岐部に三方弁を配設して、前記装置本体内に、バイパス流路と循環ポンプと濾過器とヒータとを含む循環閉流路を形成し、前記流路切換弁及び三方弁により流路を切り換えて、浴槽→三方弁→循環ポンプ→流路切換弁→濾過器の上部→濾過器の下部→流路切換弁→浴槽と浴湯を循環させる濾過運転と、浴槽→三方弁→循環ポンプ→流路切換弁→濾過器の下部→濾過器の上部→流路切換弁→排水パイプと浴湯を通す逆洗運転と、浴槽→三方弁→循環ポンプ→流路切換弁→濾過器の上部→濾過器の下部→流路切換弁→排水パイプと浴湯を通す洗浄運転と、を行えるようにする一方、前記循環閉流路内の浴湯を、一定温度以上で一定時間循環させる熱殺菌運転を行えるようにし、しかも、前記熱殺菌運転の終了後、一定時間濾過運転を行った後に逆洗運転を行い、その後洗浄運転を行うようにした。
【0009】
請求項2記載の本発明では、請求項1記載の浴湯循環濾過装置において、前記流路切換弁を、浴湯を系外に排出可能とした五方弁から構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の本発明では、請求項1又は2に記載の浴湯循環濾過装置において、前記ヒータを濾過器の底部に取付けたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の本発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の浴湯循環濾過装置において、前記ヒータをパイプヒータとし、少なくとも前記流路切換弁の上流側に配設したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明は、浴湯循環流路中に配設した循環ポンプと濾過器とヒータとを、浴槽の近傍、例えば浴槽の縁等に設置可能としたコンパクトな装置本体内に収納配設し、浴槽の浴湯を循環しながら加温・濾過可能とした浴湯循環濾過装置に好適に適用することができる。
【0016】
すなわち、前記循環ポンプと濾過器との間に、排水パイプを介して浴湯を系外に排出可能とした流路切換弁を設けるとともに、前記浴湯循環流路の往路側と復路側との間に設けたバイパス流路と前記浴湯循環流路の往路側との分岐部に三方弁を配設して、前記装置本体内に、バイパス流路と循環ポンプと濾過器とヒータとを含む循環閉流路を形成し、前記流路切換弁及び三方弁により流路を切り換えて、浴槽→三方弁→循環ポンプ→流路切換弁→濾過器の上部→濾過器の下部→流路切換弁→浴槽と浴湯を循環させる濾過運転と、浴槽→三方弁→循環ポンプ→流路切換弁→濾過器の下部→濾過器の上部→流路切換弁→排水パイプと浴湯を通す逆洗運転と、浴槽→三方弁→循環ポンプ→流路切換弁→濾過器の上部→濾過器の下部→流路切換弁→排水パイプと浴湯を通す洗浄運転と、を行えるようにする一方、前記循環閉流路内の浴湯を、一定温度以上で一定時間循環させる熱殺菌運転を行えるようにし、しかも、前記熱殺菌運転の終了後、一定時間濾過運転を行った後に逆洗運転を行い、その後洗浄運転を行うようにしたものである。
【0017】
一定温度以上とは、人体に悪影響を及ぼすレジオネラ菌を死滅させることができる60℃以上とし、かつ、構成機器類に悪影響を与えないように、上限を略80℃とする60〜80℃の温度とすることが好ましい。そして、かかる60〜80℃に加熱した浴湯を循環させる一定時間は、レジオネラ菌を完全に死滅させるに十分な5〜10分程度とするとよい。
【0020】
上記構成において、熱殺菌運転の終了後、一定時間濾過運転を行った後に逆洗運転を行い、その後洗浄運転を行うように制御した構成に特徴がある。
【0021】
すなわち、熱殺菌した後の高温の湯を直接洗い場等の系外に流すと、入浴者が火傷したりするおそれがあるので、熱殺菌運転後は先ず通常の濾過運転を行い浴槽内の浴湯と混ぜて湯温を下げ、その後に逆洗運転して濾過器内の濾過材を洗浄してその汚れを洗い場に流し、さらに、洗浄運転により浴湯循環流路内に付着したりする菌や汚れを洗い場に排出するものである。
【0022】
このように、本発明によれば、入浴者が火傷することのないように安全性を保持しながら熱殺菌を用いてレジオネラ菌を完全に死滅させるこができ、かつ、濾過器内に菌の死骸等が堆積することもなく、循環ポンプの能力低下を招くことなく浴湯の循環濾過を円滑に行わせることができる。
【0023】
上記した熱殺菌運転を行うために、前記浴湯循環流路の往路側とバイパス流路との分岐部に三方弁を配設している。
【0024】
すなわち、三方弁を切換えることにより、通常の浴湯循環流路が切換えられて濾過運転や逆洗、洗浄運転の際に浴槽から吸水された浴湯が循環閉流路中のみで循環することになる。
【0025】
さらに、前記流路切換弁は、浴湯を系外に排出可能とした五方弁から構成し、同五方弁を切換えることにより、逆洗運転や洗浄運転をした場合の汚れた浴湯を系外、例えば浴室の排出口に容易に排水可能としている。
【0026】
また、浴湯を加熱する前記ヒータの取付け場所は、浴湯循環流路中であることは当然であるが、特に、濾過器の底部、あるいは、流路切換弁の上流側に取付けることが好ましい。
【0027】
すなわち、濾過器の底部に取付けた場合、上記したレジオネラ菌等が棲息しやすいこの濾過器内を効率的に加熱することができるので殺菌効果を向上させることができる。
【0028】
他方、流路切換弁の上流側に取付けた場合は、流路切換弁が誤動作して浴湯が直接浴槽へ還流するようになってしまっても、ヒータの空焚きなどのおそれがなく安全である。また、この場合はヒータをパイプヒータとすると、循環する浴湯を効率良く加熱することが可能となる。
【0029】
【実施例】
この発明の実施例を図面に基づき以下に説明する。
【0030】
図1は本実施例に係る浴湯循環濾過装置Aの使用状態を示す説明図、図2は同浴湯循環濾過装置Aの構造を示す説明図、図3は浴湯循環流路Rの模式的な説明図である。
【0031】
図1に示すように、本浴湯循環濾過装置Aは、浴室B内に設けた浴槽Cの縁部C1のコーナー部分に載置できるように、装置本体1を平面視で略三角形形状としたコンパクトな構成としており、図2に示すように、前記装置本体1の内部に、循環ポンプP、濾過器Q、ヒータH、紫外線殺菌装置S、制御装置E等の各装置を収納配設している。
【0032】
また、装置本体1の下部から、浴湯吸込パイプ2及び浴湯吐出パイプ3を浴槽C内部へ伸延させるとともに、浴湯吸込パイプ2の先端には内部にフィルターFを収納したボックス状の浴湯吸込部20を、浴湯吐出パイプ3の先端には浴湯吐出部31を取付けている。
【0033】
なお、図1中、11は装置本体1から伸延させるとともに、その先端開口を浴室Bの洗い場B1に設けた排出口B2に臨ませた排水パイプ、12は前記制御装置Eと電気的に接続して浴湯循環濾過装置Aの起動・停止、その他の操作を行うスイッチ類を配した操作パネルであり、装置本体1の前面に設けている。また、15は前記浴湯吐出パイプ3を浴槽Cの内壁に固定するための吸盤であり、同吸盤15は、浴湯吸込部20の裏面にも配設されている。
【0034】
また、本実施例では、前記浴湯吐出部31を空気取込パイプ30と連通連結した噴出ノズルにより構成し、気泡混じりの浴湯を噴出可能としているが、浴湯のみを噴出する形態であって構わない。
【0035】
図2及び図3に示すように、前記循環ポンプP、濾過器Q、紫外線殺菌装置Sは互いに連結パイプで連通連結されて浴湯流路10を形成しており、同浴湯流路10の始端10a と終端10b に、前記浴湯吸込パイプ2と浴湯吐出パイプ3の基端をそれぞれ連通連結して浴湯循環流路Rを形成し、浴槽C内の浴湯を循環させながら濾過可能としている。
【0036】
なお、濾過器Q内に収納する濾過材Q1は、種々の素材のものを利用することができるが、本実施例では、下方から珪石、麦飯石、活性炭を積層したものとし、しかも、最上層に配設した活性炭は細粒炭E1を使用して濾過性能を向上させている。
【0037】
また、本実施例では、前記ヒータHを前記濾過器Qの下部に取付け、濾過器Qの内部に流入した浴湯を加温可能としている。
【0038】
さらに、浴湯循環濾過装置Aは、図3に示すように、前記循環ポンプPと濾過器Qとを連通連結する浴湯流路10の中途に流路切換弁として、装置本体1の外部に浴湯を排水可能な五方弁Vを配設しており、浴湯の流れる方向を適宜切換えて濾過運転、逆洗運転、洗浄運転を行えるようにしている。
【0039】
図3において、V1,V2,V3,V4 は五方弁Vの第1〜第4連通口、V5は同五方弁Vの流入口であり、第1連通口V1と紫外線殺菌装置Sを連通連結し、同紫外線殺菌装置Sと濾過器Qとを連通連結するとともに、同濾過器Qと五方弁Vの第2連通口V2とを連通連結し、さらに、第3連通口V3と浴湯吐出パイプ3とをフロースイッチ4を介して連通連結するとともに、五方弁Vの第4連通口V4に前記排水パイプ11を連通連結している。
【0040】
上記構成の浴湯循環濾過装置Aにおいて、本発明の特徴をなすのは、循環ポンプPの上流側で、前記浴湯循環流路Rの往路側と復路側との間にバイパス流路R1を設け、同バイパス流路R1と循環ポンプPと濾過器QとヒータHとを含む循環閉流路R2を形成し、同循環閉流路R2内の浴湯を、一定温度以上で一定時間循環させて熱殺菌運転を行えるようにしたことにある。
【0041】
本実施例では、浴湯循環流路Rの往路側とバイパス流路R1との分岐部に三方弁Dを配設し、浴湯を浴湯循環流路R中に循環させながら五方弁Vの流路を切換えることにより濾過運転、逆洗運転、洗浄運転を行えるようにするとともに、前記三方弁Dを切換えることによって浴湯を浴槽C内に還流させることなく、装置本体1内部に滞留した浴湯を循環閉流路R2内のみで循環可能とし、同循環閉流路R2内の浴湯を熱殺菌するようにしている。
【0042】
図3において、D1,D2,D3は三方弁Dの第1〜第3連通口であり、第1連通口D1と浴湯吸込パイプ2を連通連結するとともに、第2連通口D2と循環ポンプPとを連通連結し、さらに、第3連通口D3とバイパス流路R1とを連通連結している。
【0043】
上記熱殺菌運転は、マイクロコンピュータからなる制御装置E(図2参照)に予め組まれたプログラムに従って一日に一回行うようにしており、しかも、本実施例では、熱殺菌運転を開始すると、その熱殺菌運転の終了後、一定時間濾過運転を行って逆洗運転を行い、その後洗浄運転を行うように制御している。なお、熱殺菌運転の開始時刻等は適宜設定可能であり、また、前記操作パネル12に設けた殺菌運転スイッチ13の操作で随時行うこともできるようにしている。
【0044】
図4〜図7に、濾過運転、熱殺菌運転、逆洗運転、洗浄運転時の浴湯の流れを示しており、これらを参照しながら、熱殺菌運転を実際に行う場合について説明する。
【0045】
通常、浴湯循環濾過装置Aは、図4に示すように濾過運転を行っており、浴湯は、浴湯吸込部20→三方弁D(第1連通口D1→第2連通口D2)→循環ポンプP→五方弁V(流入口V5→第1連通口V1)→紫外線殺菌装置S→濾過器Q→五方弁V(第2連通口V2→第3連通口V3)→浴湯吐出部31と循環している。このときに、浴湯の温度は、制御装置Eに接続した温度センサ(図示せず)により監視されており、設定温度以下であれば、制御装置EよりヒータHへの通電信号が出力されて加温し、浴湯は常時設定温度に保たれることになる。
【0046】
所定時刻になると、熱殺菌運転が開始されるが、このとき、制御装置Eは三方弁Dに流路切換信号を出力して浴湯を装置本体1内の循環閉流路R2で循環させるとともにヒータHへ温度上昇信号を出力し、浴湯温度を60℃に上昇させ、かつ、この温度を10分間保つよう制御する。
【0047】
すなわち、浴湯は、図5に示すように、バイパス流路R1→三方弁D(第3連通口D3→第2連通口D2)→循環ポンプP→五方弁V(流入口V5→第1連通口V1)→紫外線殺菌装置S→濾過器Q→五方弁V(第2連通口V2→第4連通口V4)→バイパス流路R1という循環閉流路R2内のみで循環している。
【0048】
このときに、ヒータHを濾過器Qの下部に設けているので、濾過材Q1中に増殖しやすい雑菌に対して熱殺菌が有効に行え、特に、肺炎を引き起こすことで問題となるレジオネラ菌は60℃で5分間加熱すると死滅することが知られているので本発明によれば確実に死滅させることができる。
【0049】
熱殺菌運転が終了すると、制御装置Eは、三方弁Dに流路切換信号を出力して図4に示した濾過運転の流路に復帰させるとともに、ヒータHへの温度上昇信号出力を停止する。
【0050】
そして、例えば1分程度浴湯を浴湯循環流路Rを循環させて60℃に昇温されて殺菌された浴湯を浴槽C内に還流させ、浴槽C内の浴湯と混合することにより温度を低下させる。
【0051】
その後、制御装置Eは五方弁Vに流路切換信号を出力して流路を切換えさせ、逆洗運転を開始する。
【0052】
逆洗運転時は、図6に示すように、浴湯は、浴湯吸込部20→三方弁D(第1連通口D1→第2連通口D2)→循環ポンプP→五方弁V(流入口V5→第2連通口V2)→濾過器Q→紫外線殺菌装置S→五方弁V(第1連通口V1→第4連通口V4)→排水パイプ11と流れ、洗い場B1の排出口B2から排出される。
【0053】
かかる逆洗運転は略45秒程度行うように制御されており、逆洗運転が終了すると、制御装置Eは、さらに五方弁Vに流路切換信号を出力して流路を切換えさせて洗浄運転を開始する。
【0054】
洗浄運転は約15秒程度行われるもので、図7に示すように、浴湯は、浴湯吸込部20→三方弁D(第1連通口D1→第2連通口D2)→循環ポンプP→五方弁V(流入口V5→第1連通口V1)→紫外線殺菌装置S→濾過器Q→五方弁V(第2連通口V2→第4連通口V4)→排水パイプ11と流れ、逆洗時に浴湯循環流路R内に付着した汚れや雑菌の死骸等を洗い流し、前記排出口B2から排出する。
【0055】
かかる洗浄運転が終了すると、制御装置Eは、五方弁Vに復帰信号を出力して通常濾過運転の流路に切換えさせ、通常の濾過運転を再び開始する。
【0056】
このように、本実施例では、熱殺菌した後の高温の湯は直接洗い場B1に流れることはなく、熱殺菌運転後は先ず通常の濾過運転を行い浴槽C内の浴湯と混ぜて湯温を下げ、その後に逆洗運転して濾過器Q内の濾過材Q1を洗浄してその汚れを洗い場B1に流し、さらに、洗浄運転により浴湯循環流路R内に付着した雑菌や汚れを洗い場B1に排出するようにしているので、入浴者が火傷したりするおそれがなく、安全性を保持しながら、熱殺菌によりレジオネラ菌等を完全に死滅させるこができ、かつ、濾過器Q内に菌の死骸等が堆積することもなく、循環ポンプPの能力低下を招くことなく浴湯の循環濾過を円滑に行わせることができる。
【0057】
ところで、上記した逆洗運転、洗浄運転は、熱殺菌運転時以外においても、操作パネル12のスイッチ操作により随時行うことができるが、逆洗運転と洗浄運転は常にセットで行われるようにしている。
【0058】
なお、図4〜図7において、Q2は循環濾過する浴湯が濾過器Q内に均一に浸透するように設けた散水ノズルであり、また、Q3は先端を浴湯流路10に連通連結した濾過器Qの空気抜きホースであり、濾過運転時に濾過器Q内に浴湯が充満すると、内部の空気を空気抜きホースQ3から浴槽C内に排出するようにしたものである。
【0059】
また、熱殺菌運転のプログラムとしては、以下のようにすることもできる。
【0060】
すなわち、先の例では、熱殺菌運転終了後は、濾過運転→逆洗運転→洗浄運転としたが、濾過運転を省略して、熱殺菌運転終了後、ただちに逆洗運転→洗浄運転とするものである。
【0061】
この場合は、排水パイプ11(図1参照)は、排出口B2に臨ませるのではなく、排水口B2の下手側の排水管に直接接続するようにして、熱湯が洗い場B1に直接流れないようにするとよい。
【0062】
さらに他の実施例として、図8に示したものを説明する。
【0063】
これは、ヒータHを、浴湯循環流路R中において、濾過器Qの下部ではなく、流路切換弁、すなわち五方弁Vの上流側に配設したものであり、本実施例では、特に、パイプヒータH'を用いてこれを循環ポンプPと五方弁Vとの間に配設している。
【0064】
したがって、先の実施例に比べて濾過器Qの外形を小さくすることができ、コンパクトな構造で効率良く浴湯を加熱することができる。
【0065】
しかも、例えば五方弁Vが誤動作して、流入口V5から入った浴湯が第3連通口V3を通って直接浴槽Cへ還流するような場合でも、浴湯は必ずパイプヒータH'を通過することになるので空焚きしたりするおそれがなく安全である。
【0066】
なお、パイプヒータH'としては、特願平7−193894において開示したものを好適に用いることができる。
【0067】
【発明の効果】
(1)請求項1に係る本発明では、循環閉流路内における雑菌、特に濾過器内に増殖したレジオネラ菌等を完全に熱殺菌することができる。
【0068】
しかも、熱殺菌運転の終了後、一定時間濾過運転を行った後に逆洗運転を行い、その後洗浄運転を行うように制御したので、熱殺菌した後の高温の湯は直接洗い場等の系外に流れることなく先ず浴槽内の浴湯と混ざり湯温が下げられることになり、浴湯が洗い場等に排出されても入浴者は火傷したりするおそれがなく安全である。また、その後に逆洗運転して濾過器内の濾過材を洗浄してその汚れを系外に流し、さらに、洗浄運転により浴湯循環流路内に付着したりする菌や汚れを系外に排出するので、浴湯循環流路内の浄化を図ることができる。
【0071】
(2)請求項2に係る本発明では、五方弁を切換えることにより、濾過運転及び熱殺菌運転、逆洗運転、洗浄運転時の浴湯流路を容易に切換えることができ、また、逆洗運転時や洗浄運転をした場合に、汚れた浴湯を系外に容易に排水することができる。
【0072】
(3)請求項3に係る本発明では、レジオネラ菌等が最も棲息しやすい濾過器内を効率的に加熱することができ、熱殺菌効果を高めることができる。
【0073】
(4)請求項4に係る本発明では、コンパクトな構造で効率良く浴湯を加熱することができ、しかも、例えば五方弁が誤動作しても空焚きしたりするおそれがなく安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浴湯循環濾過装置の使用状態を示す説明図である。
【図2】同浴湯循環濾過装置の内部構造を示す説明図である。
【図3】同浴湯循環濾過装置の模式的な説明図である。
【図4】濾過運転時の浴湯の流れを示す説明図である。
【図5】熱殺菌運転時の浴湯の流れを示す説明図である。
【図6】逆洗運転時の浴湯の流れを示す説明図である。
【図7】洗浄運転時の浴湯の流れを示す説明図である。
【図8】他の実施例に係る浴湯循環濾過装置の模式的な説明図である。
【符号の説明】
A 浴湯循環濾過装置
C 浴槽
D 三方弁
H ヒータ
H' パイプヒータ
P 循環ポンプ
R 浴湯循環流路
R1 バイパス流路
R2 循環閉流路
Q 濾過器
V 五方弁(流路切換弁)
1 装置本体
Claims (4)
- 浴湯循環流路(R)中に配設した循環ポンプ(P)と濾過器(Q)とヒータ(H)とを装置本体(1)内に収納配設し、浴槽(C)内の浴湯を循環しながら加温・濾過可能とした浴湯循環濾過装置において、
前記循環ポンプ(P)と濾過器(Q)との間に、排水パイプ (11) を介して浴湯を系外に排出可能とした流路切換弁を設けるとともに、前記浴湯循環流路(R)の往路側と復路側との間に設けたバイパス流路 (R1) と前記浴湯循環流路 (R) の往路側との分岐部に三方弁 (D) を配設して、前記装置本体(1)内に、バイパス流路(R1)と循環ポンプ(P)と濾過器(Q)とヒータ(H)とを含む循環閉流路(R2)を形成し、
前記流路切換弁及び三方弁 (D) により流路を切り換えて、
浴槽 (C) →三方弁 (D) →循環ポンプ (P) →流路切換弁→濾過器 (Q) の上部→濾過器 (Q) の下部→流路切換弁→浴槽 (C) と浴湯を循環させる濾過運転と、
浴槽 (C) →三方弁 (D) →循環ポンプP→流路切換弁→濾過器 (Q) の下部→濾過器 (Q) の上部→流路切換弁→排水パイプ (11) と浴湯を通す逆洗運転と、
浴槽 (C) →三方弁 (D) →循環ポンプ (P) →流路切換弁→濾過器 (Q) の上部→濾過器 (Q) の下部→流路切換弁→排水パイプ (11) と浴湯を通す洗浄運転と、
を行えるようにする一方、
前記循環閉流路(R2)内の浴湯を、一定温度以上で一定時間循環させる熱殺菌運転を行えるようにし、しかも、前記熱殺菌運転の終了後、一定時間濾過運転を行った後に逆洗運転を行い、その後洗浄運転を行うようにしたことを特徴とする浴湯循環濾過装置。 - 前記流路切換弁を、浴湯を系外に排出可能とした五方弁 (V) から構成したことを特徴とする請求項1記載の浴湯循環濾過装置。
- 前記ヒータ (H) を濾過器 (Q) の底部に取付けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の浴湯循環濾過装置。
- 前記ヒータ (H) をパイプヒータ (H') とし、少なくとも前記流路切換弁の上流側に配設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の浴湯循環濾過装置。
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1997
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