JPH10183053A - 塗料用樹脂組成物及び塗料 - Google Patents

塗料用樹脂組成物及び塗料

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JPH10183053A
JPH10183053A JP35160496A JP35160496A JPH10183053A JP H10183053 A JPH10183053 A JP H10183053A JP 35160496 A JP35160496 A JP 35160496A JP 35160496 A JP35160496 A JP 35160496A JP H10183053 A JPH10183053 A JP H10183053A
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resin composition
examples
paint
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JP35160496A
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Inventor
Kazuo Aizu
和郎 会津
Toshihiko Ito
敏彦 伊藤
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 難塗装性プラスチックへの密着性に優れる塗
料に好適な塗料用樹脂組成物及び塗料を提供する。 【解決手段】 (A)塩素含有率50重量%以下の塩素
化ポリオレフィン系樹脂の存在下に、(B)(b1)一
般式(I) (式中、Xは共重合可能な二重結合を有する基を示し、
Yは加水分解可能な基を示し、Rは不活性な一価の有機
基を示し、mは0〜2であり、nは1〜3であり、mと
nの和は3である)で表される不飽和有機シラン化合
物、(b2)一般式(II) (式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素
数1〜3のアルキル基を示し、pは1〜3の整数であ
る)で表される水酸基を有する重合性単量体を含む不飽
和二重結合を有する重合性単量体混合物を重合して得ら
れるビニル変性塩素化ポリオレフィン系重合体を含有し
てなる塗料用樹脂組成物並びにこの塗料用樹脂組成物と
硬化剤を組み合わせてなる塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料用樹脂組成物
及び塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電製品、その他種々の
産業分野において軽量化、防錆、その他の目的から、金
属に代わってポリオレフィン等の合成樹脂が広く使用さ
れている。この場合、成形品の表面には、通常、塗装が
施されるので、成形品表面の塗装性が良好であることが
要求されている。ところが、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィンからなるプラスチック成形品
は、一般に難塗装性であり、密着性に劣ることが知られ
ている。そのため、特に非極性のポリオレフィン系樹脂
を用いたプラスチック成形品に対しては、この密着性を
改善するため、塗装前に前処理としてクロム酸処理やプ
ライマー処理等の表面処理が施されてきた(特開昭58
−83042号公報、特開昭58−118809号公報
及び特開昭59−30830号公報)。しかしながら、
これらの表面処理は操作が煩雑であり、また、多くの時
間と労力を要するため、ひいては塗装コストが上昇につ
ながるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、難塗装性プラスチックへの密着性に優れる塗料に好
適な塗料用樹脂組成物を提供するものである。請求項2
記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、熱硬
化性と耐候性に優れる塗料に好適な塗料用樹脂組成物を
提供するものである。請求項3記載の発明は、難塗装性
プラスチックへの密着性に優れる塗料を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)塩素含
有率50重量%以下の塩素化ポリオレフィン系樹脂の存
在下に、 (B)(b1)一般式(I)
【化4】 (式中、Xは共重合可能な二重結合を有する基を示し、
Yは加水分解可能な基又はハロゲン原子を示し、Rは不
活性な一価の有機基を示し、mは0〜2の整数であり、
nは1〜3の整数であり、mとnの和は3である)で表
される不飽和有機シラン化合物、(b2)一般式(II)
【化5】 (式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素
数1〜3のアルキル基を示し、pは1〜3の整数であ
る)で表される水酸基を有する重合性単量体及び
(b′)不飽和二重結合を有する他の重合性単量体を含
む不飽和二重結合を有する重合性単量体混合物を重合し
て得られるビニル変性塩素化ポリオレフィン系重合体を
含有してなる塗料用樹脂組成物に関する。
【0005】また、本発明は、(b′)不飽和二重結合
を有する他の重合性単量体が、(b3)カルボキシル基
を有する重合性単量体並びに(b4)一般式(III)
【化6】 (式中、R′は水素原子又はメチル基を示し、R″は二
価の有機基を示し、kは0又は1の整数である)で表さ
れる単量体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸
シクロアルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、アクリル酸
アミノアルキルエステル、メタクリル酸アミノアルキル
エステル、スチレン系単量体、ビニル誘導体及び不飽和
二塩基酸のジアルキルエステルからなる群から選択され
る少なくとも1種類の単量体の少なくともいずれか一方
の単量体を含有するものである前記塗料用樹脂組成物に
関する。また、本発明は、前記塗料用樹脂組成物と硬化
剤を組み合わせてなる塗料に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における(A)塩素含有率
50重量%以下の塩素化ポリオレフィン系樹脂として
は、例えば、塩素含有率が50重量%以下の塩素化ポリ
エチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化エチ
レン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等が挙げられる。塩素含有率が50重量%を
超えると、ポリオレフィン系基材に対する塗料用樹脂組
成物又はそれを含む塗料の密着性が低下する。塩素含有
率は、目的とする種々の塗膜性能を考慮して適宜定めら
れ、塗膜性能が著しく低下しない限り、その下限は特に
制限されるものではないが、塗膜性能とポリオレフィン
系基材に対する塗料用樹脂組成物又はそれを含む塗料の
密着性と、(A)成分と(B)成分である不飽和二重結
合を有する重合性単量体混合物の重合性のバランスの点
から、15〜40重量%とすることが好ましく、20〜
30重量%とすることがより好ましい。塩素含有率が1
5重量%未満であると、(A)成分と(B)成分の重合
性が低下する傾向がある。なお、本明細書において、塩
素含有率は燃焼法によって測定された値である。
【0007】また、(A)成分の重量平均分子量は、1
0,000〜300,000であることが好ましく、5
0,000〜200,000がより好ましい。なお、本
明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー法を用いて測定され、標準ポリス
チレンで換算された値である。
【0008】本発明における(B)不飽和二重結合を有
する重合性単量体混合物は、(b1)成分、(b2)成
分及び(b′)成分を必須成分として含有するものであ
る。(b1)成分は、一般式(I)
【化7】 (式中、Xは共重合可能な二重結合を有する基を示し、
Yは加水分解可能な基又はハロゲン原子を示し、Rは不
活性な一価の有機基を示し、mは0〜2の整数であり、
nは1〜3の整数であり、mとnの和は3である)で表
される不飽和有機シラン化合物である。
【0009】一般式(I)において、Xの共重合可能な
二重結合を有する基としては、例えば、アルケニル基、
シクロアルケニル基、不飽和アシロキシアルキル基、不
飽和アシロキシアルコキシ基及び下記化8で示される基
等が挙げられる。
【化8】 アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、
ブテニル基等の炭素数2〜6の基が挙げられ、シクロア
ルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル基、シ
クロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基等の炭
素数3〜18の基が挙げられ、不飽和アシロキシアルキ
ル基としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピル基
等の炭素数3〜10の基が挙げられ、不飽和アシロキシ
アルコキシ基としては、例えば、γ−メタクリロキシエ
チルプロピルエーテル基等の炭素数3〜10の基が挙げ
られる。これらの基の中では、密着性の点から、γ−メ
タクリロキシプロピル基等の炭素数3〜10の不飽和ア
シロキシアルキル基及びγ−メタクリロキシエチルプロ
ピルエ−テル基等の炭素数3〜10の不飽和アシロキシ
アルコキシ基が好ましい。
【0010】一般式(I)において、Yの加水分解可能
な基としては、例えば、加水分解して水酸基を形成する
基が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素が挙げられる。加水分解して水酸基を形成
する基としては、例えば、アルコキシ基、アシルオキシ
基、オキシモ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基
が挙げられる。
【0011】これらの基又はハロゲン原子の中では、密
着性及び塩素化ポリオレフィン系樹脂との相溶性の点か
ら、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシ
ルオキシ基、炭素数1〜14のオキシモ基、炭素数1〜
6のアルキルアミノ基、炭素数3〜10のアリールアミ
ノ基及び塩素が好ましい。炭素数1〜6のアルコキシ基
としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ
基等が挙げられ、炭素数1〜6のアシルオキシ基として
は、例えば、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピ
レンオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜14のオキシモ
基としては、例えば、下記化9で示される基等が挙げら
れ、
【化9】 炭素数1〜6のアルキルアミノ基又は炭素数3〜10の
アリールアミノ基としては、例えば、下記化10で示さ
れる基等が挙げられる。
【化10】 一般式(I)において、nが2又は3のとき、複数のY
は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0012】一般式(I)において、Rの不活性な一価
の有機基としては、例えば、アルキル基、アリ−ル基、
アルアルキル基等の一価の炭化水素基が挙げられる。ア
ルキル基としては、例えば、炭素数1〜18のアルキル
基が挙げられ、このようなアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、テト
ラデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。アリ−ル
基としては、例えば、炭素数6〜18のアリ−ル基が挙
げられ、このようなアリ−ル基としては、例えば、フェ
ニル基、トリル基等が挙げられる。アルアルキル基とし
ては、例えば、炭素数7〜18のアルアルキル基が挙げ
られ、このようなアルアルキル基としては、例えば、ベ
ンジル基等が挙げられる。
【0013】一般式(I)で表される不飽和有機シラン
化合物の具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(2−
メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロ
シラン、γ−メタクリロキシラウリルプロポキシジメト
キシシラン、γ−メタクリロキシヘキシルトリエトキシ
シラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシエ
チルメトキシエトキシブトキシシラン、γ−アクリロキ
シオクチルブトキシメトキシシラン、γ−アクリロキシ
ブチルメトキシジブトキシシラン等が挙げられる。
【0014】なお、一般式(I)において、Yで表わさ
れる加水分解可能な基又はハロゲン原子は、使用する原
料又は重合溶媒中の水分と反応し、加水分解又は置換反
応して水酸基等を有する基となり、重合反応中又は塗料
の乾燥時において、このような水酸基等の官能基同士が
架橋反応するものと考えられる。前記(b1)成分の中
では、密着性の点から、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン及びγ−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシランが好ましく、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシランがより好ましい。前記(b1)成
分は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され
る。(b1)成分を配合することにより、塗膜の密着性
や塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性が向上する。
【0015】(b2)成分は、一般式(II)
【化11】 (式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素
数1〜3のアルキル基を示し、pは1〜3の整数であ
る)で表される水酸基を有する重合性単量体である。一
般式(II)において、R1及びR2の炭素数1〜3のア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基が挙げられ、メチル基が好ましい。一般
式(II)で表される水酸基を有する重合性単量体の具体
例としては、ジメチルトリメチレンカーボネート変性ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、ジメチルトリメチレン
カーボネート変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等
が挙げられ、ジメチルトリメチレンカーボネート変性ア
クリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。前記(b
2)成分は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。
【0016】(b′)成分は、不飽和二重結合を有する
重合性単量体であって、前記(b1)成分と(b2)成
分以外の他の重合性単量体であれば特に制限されるもの
ではないが、得られる塗料が熱硬化性と耐候性に優れる
点から、(b3)カルボキシル基を有する重合性単量体
並びに(b4)一般式(III)
【化12】 (式中、R′は水素原子又はメチル基を示し、R″は二
価の有機基を示し、kは0又は1の整数である)で表さ
れる単量体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸
シクロアルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、アクリル酸
アミノアルキルエステル、メタクリル酸アミノアルキル
エステル、スチレン系単量体、ビニル誘導体及び不飽和
二塩基酸のジアルキルエステルからなる群から選択され
る少なくとも1種類の単量体の少なくともいずれか一方
の単量体を含有するものであることが好ましい。
【0017】(b3)成分は、カルボキシル基は酸無水
物基として含まれてもよい。(b3)成分としては、例
えば、不飽和酸、不飽和二塩基酸、それらの酸無水物等
が挙げられる。不飽和酸としては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸等が挙げられ、不飽和二塩基酸として
は、例えば、マレイン酸、フタル酸等が挙げられ、前記
酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタ
ル酸等が挙げられる。前記(b3)成分は、単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。
【0018】一般式(III)において、密着性及び貯蔵
安定性のバランスの点から、R″の二価の有機基の炭素
数は1〜18とすることが好ましく、2〜12とするこ
とがより好ましく、2〜4とすることがさらに好まし
い。このような二価の有機基としては、例えば、炭素数
1〜18のアルキレン基、炭素数4〜18の基であって
一般式(IV)
【化13】 (式中、Z及びZ′は、独立に、炭素数2以上のアルキ
レン基を示し、jは繰返し数であって1以上の整数であ
る)で表される基等が挙げられる。炭素数1〜18のア
ルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基
等が挙げられる。
【0019】(b4)成分のうち、一般式(III)で表
される単量体の具体例としては、例えば、トリシクロデ
シロキシアルキルアクリレート、トリシクロデシロキシ
アルキルメタクリレート、ポリアルキレングリコ−ルト
リシクロデシルモノエーテルのアクリレート、ポリアル
キレングリコ−ルトリシクロデシルモノエーテルのメタ
クリレート等が挙げられる。トリシクロデシロキシアル
キルアクリレートとしては、例えば、トリシクロデシル
アクリレート、トリシクロデシロキシエチルアクリレー
ト、トリシクロデシロキシプロピルアクリレート等が挙
げられ、トリシクロデシロキシアルキルメタクリレート
としては、例えば、トリシクロデシルメタクリレート、
トリシクロデシロキシエチルメタクリレート、トリシク
ロデシロキシプロピルメタクリレート等が挙げられ、ポ
リアルキレングリコ−ルトリシクロデシルモノエーテル
のアクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコー
ルトリシクロデシルモノエーテルのアクリレート等が挙
げられ、ポリアルキレングリコ−ルトリシクロデシルモ
ノエーテルのメタクリレートとしては、例えば、ジエチ
レングリコールトリシクロデシルモノエーテルのメタク
リレート等が挙げられる。
【0020】アクリル酸アルキルエステルとしては、例
えば、アルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アル
キルエステルが挙げられ、その具体例としては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ラウリル等が挙げられる。アクリ
ル酸シクロアルキルエステルとしては、例えば、シクロ
アルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアル
キルエステルが挙げられ、その具体例としては、例え
ば、アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。メタク
リル酸アルキルエステルとしては、例えば、アルキル基
の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステルが
挙げられ、その具体例としては、例えば、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。メタクリル
酸シクロアルキルエステルとしては、例えば、シクロア
ルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアル
キルエステルが挙げられ、その具体例としては、例え
ば、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。アク
リル酸アミノアルキルエステルとしては、例えば、アル
キル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アミノアルキル
エステルが挙げられ、その具体例としては、例えば、ア
クリル酸アミノメチル、アクリル酸N−メチルアミノメ
チル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチルが挙げ
られる。メタクリル酸アミノアルキルエステルとして
は、例えば、アルキル基の炭素数が1〜20のメタクリ
ル酸アミノアルキルエステルが挙げられ、その具体例と
しては、例えば、メタクリル酸アミノメチル、メタクリ
ル酸N−メチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジ
エチルアミノエチルが挙げられる。スチレン系単量体と
しては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチ
ルスチレン等が挙げられる。ビニル誘導体としては、例
えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸
イソプロペニル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸
グリシジル、メタクリルアミド、アクリルアミド等が挙
げられる。不飽和二塩基酸のジアルキルエステルとして
は、例えば、マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸
ジエチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、フマル
酸ジエチルエステル等が挙げられる。
【0021】(b4)成分を配合することにより、ビニ
ル変性塩素化ポリオレフィン系重合体の合成の際におけ
る重合性単量体混合物と塩素化ポリオレフィン系樹脂の
相溶性が向上し、それにより、得られる塗料用樹脂組成
物の貯蔵安定性が優れ、また、得られる塗料の耐候性が
優れる。前記(b4)成分の中では、塗膜の密着性、耐
アルコール性、耐塩ビ可塑剤移行性等の塗膜特性に優れ
る点から、前記一般式(III)で表される単量体、アク
リル酸アルキルエステル、アクリル酸シクロアルキルエ
ステル、メタクリル酸アルキルエステル及びメタクリル
酸シクロアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種
以上の重合性単量体を使用することが好ましい。
【0022】前記(b3)成分及び(b4)成分以外の
(b′)成分としては、例えば、2個以上の不飽和二重
結合を有する単量体、前記一般式(II)で表される水酸
基を有する重合性単量体以外の水酸基を有する重合性単
量体、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
等が挙げられる。2個以上の不飽和二重結合を有する単
量体の例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等
が挙げられ、前記一般式(II)で表される水酸基を有す
る重合性単量体以外の水酸基を有する重合性単量体の例
としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0023】本発明の塗料用樹脂組成物において、
(A)成分の配合量は、耐候性、耐ガソリン性、貯蔵安
定性及びポリオレフィン基材に対する密着性のバランス
の点から、(A)成分と(B)成分の総量100重量部
に対して3〜20重量部とすることが好ましく、5〜1
5重量部とすることがより好ましく、5〜10重量部と
することがさらに好ましい。この配合量が3重量部未満
であると、得られる塗料用樹脂組成物及びそれを含む塗
料のポリオレフィン基材に対する密着性が低下する傾向
にあり、20重量部を越えると、得られる塗料用樹脂組
成物及びそれを含む塗料の耐候性、耐ガソリン性及び貯
蔵安定性が低下する傾向にある。
【0024】(B)成分中における(b1)成分の配合
量は、得られる塗料用樹脂組成物及びそれを含む塗料の
貯蔵安定性並びに得られる塗膜の密着性と、得られる重
合体のゲル化の抑制のバランスの点から、(B)成分の
総量100重量部に対して0.1〜3重量部とすること
が好ましく、0.3〜2重量部とすることがより好まし
く、0.3〜1.5重量部とすることがさらに好まし
い。この配合量が0.1重量部未満であると、得られる
塗料用樹脂組成物及びそれを含む塗料の貯蔵安定性並び
に得られる塗膜の密着性が低下する傾向にあり、3重量
部を越えると、加水分解可能な基が重合中に加水分解し
て架橋反応し、得られる重合体が重合中にゲル化する傾
向にある。(B)成分中における(b2)成分の配合量
は、得られる塗膜の密着性、耐薬品性及び耐ガソリン性
と得られる塗料用樹脂組成物及びそれを含む塗料の貯蔵
安定性のバランスの点から、(B)成分の総量100重
量部に対して1〜20重量部とすることが好ましく、2
〜15重量部とすることがより好ましく、3〜10重量
部とすることがさらに好ましい。この配合量が1重量部
未満であると、得られる塗膜の密着性、耐薬品性及び耐
ガソリン性が劣る傾向があり、20重量部を越えると、
得られる塗料用樹脂組成物及びそれを含む塗料の貯蔵安
定性が劣る傾向にある。
【0025】なお、(B)成分中における(b′)成分
の配合量は、(B)成分の総量から前記(b1)成分と
前記(b2)成分の配合部分を除いた割合、すなわち、
(B)成分の総量100重量部に対し、77〜98.9
重量部とすることが好ましい。この配合量が77重量部
未満であると、得られる塗料の熱硬化性と耐候性が劣る
傾向にあり、98.9重量部を越えると、得られる塗膜
の密着性が劣る傾向にある。
【0026】(b3)成分を配合する場合、その配合量
は、得られる塗料用樹脂組成物及びそれを含む塗料の耐
ガソリン性と貯蔵安定性並びに得られる塗膜の密着性の
バランスの点から、(B)成分の総量100重量部に対
して0.1〜4重量部とすることが好ましく、0.5〜
3重量部とすることがより好ましく、0.5〜2重量部
とすることがさらに好ましい。この配合量が0.1重量
部未満であると、耐ガソリン性が劣る傾向にあり、4重
量部を越えると、貯蔵安定性及び密着性が劣る傾向にあ
る。また、(b4)成分を配合する場合、その配合量
は、得られる塗料用樹脂組成物及びそれを含む塗料の貯
蔵安定性と得られる塗膜の耐候性及び密着性のバランス
の点から、(B)成分の総量100重量部に対して73
〜98.8重量部とすることが好ましく、75〜98重
量部とすることがより好ましく、80〜90重量部とす
ることがさらに好ましい。この配合量が73重量部未満
であると、得られる塗料用樹脂組成物及びそれを含む塗
料の貯蔵安定性と得られる塗膜の耐候性が劣る傾向があ
り、98.8重量部を越えると、得られる塗膜の密着性
が劣る傾向にある。
【0027】塩素化ポリオレフィン系樹脂の存在下で前
記重合性単量体混合物を重合させる方法としては、通常
のラジカル重合法を利用することができ、特にその方法
が制限されるものではない。前記ラジカル重合法におい
て、有機溶剤としては、例えば、芳香族系溶剤、ケトン
系溶剤、エステル系溶剤、塩素系溶剤等を使用すること
ができる。芳香族系溶剤としては、例えば、トルエン、
キシレン等が挙げられ、ケトン系溶剤としては、例え
ば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が
挙げられ、エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等が挙げられ、塩素系溶剤としては、例
えば、四塩化炭素等が挙げられる。また、前記ラジカル
重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過
酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイ
ド等が挙げられ、アゾビス系化合物としては、例えば、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレ
ロニトリル等が挙げられる。重合に際して、前記各重合
性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加しても
よいし、別個に反応系に添加してもよく、また、この混
合物を分割して反応系に添加してもよい。
【0028】前述したように塩素化ポリオレフィン系樹
脂の存在下で前記重合性単量体混合物を重合させること
により、ビニル変性塩素化ポリオレフィン系重合体を得
ることができる。本発明のビニル変性塩素化ポリオレフ
ィン系重合体の重量平均分子量は、10,000〜30
0,000であることが好ましく、40,000〜15
0,000であることがより好ましく、80,000〜
120,000であることがさらに好ましい。得られた
ビニル変性塩素化ポリオレフィン系重合体は、有機溶剤
に溶解して塗料用樹脂組成物とすることができる。有機
溶剤としては、例えば、前述したものを使用することが
できる。この塗料用樹脂組成物は、例えば、塗料の製造
に利用することができる。
【0029】本発明の塗料は、前記塗料用樹脂組成物と
硬化剤とを組み合わせてなるものである。硬化剤として
は、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート、ブロッ
ク化ポリイソシアネート等が挙げられる。アミノ樹脂と
しては、例えば、アミノ化合物とアルデヒドを付加縮合
させて得られる化合物、これらの化合物と低級アルコー
ルを反応させて得られるエーテル化アミノ樹脂等が挙げ
られる。アミノ化合物としては、例えば、ベンゾグアナ
ミン、尿素、メラミン等が挙げられる。アルデヒドとし
ては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等
が挙げられる。低級アルコールとしては、例えば、メタ
ノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。
アミノ樹脂の具体例としては、例えば、n−ブチルエー
テル化メラミン樹脂、イソブチルエーテル化メラミン樹
脂、メチルエーテル化メラミン樹脂等が挙げられる。前
記アミノ樹脂の中では、塗料を比較的低温で焼付けでき
る点から、n−ブチルエーテル化メラミン樹脂又はイソ
ブチルエーテル化メラミン樹脂を使用することが好まし
い。前記アミノ樹脂は、単独で又は2種類以上を組み合
わせて使用される。
【0030】ポリイソシアネートとしては、例えば、イ
ソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート3モルと水1モルから生成す
るビュレット体、イソシアヌレート環を含むイソホロン
ジイソシアネートの三量体、これらのイソシアネート類
と多価アルコールとの反応により生成する2個以上のイ
ソシアネート基の残存する化合物等が挙げられる。多価
アルコールとしては、例えば、プロパンジオール、ヘキ
サンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリトリット等が挙げられる。ブロ
ック化ポリイソシアネートとしては、例えば、前記ポリ
イソシアネートをフェノール、アセト酢酸エチル、シク
ロヘキサノール、ε−カプロラクタム、アセトオキシ
ム、ジイソブチルケトオキシム等でブロック化した化合
物が挙げられる。
【0031】これらの硬化剤は、単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。硬化剤として前記アミノ樹
脂を単独で使用する場合、前記アミノ樹脂の配合量は、
塗料に要求される特性に応じて適宜選択されるが、
(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し、前
記アミノ樹脂を5〜30重量部使用することが好まし
い。硬化剤として前記ポリイソシアネートを単独で使用
する場合、得られる塗膜の基材に対する密着性の点か
ら、ビニル変性塩素化ポリオレフィン系重合体の水酸基
とポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比(O
H/NCO)が1/0.5〜1/1.5となる割合で前
記ポリイソシアネートを使用することが好ましく、1/
1となる割合で使用することがより好ましい。
【0032】硬化剤として前記ブロック化ポリイソシア
ネートを単独で使用する場合、得られる塗膜の基材に対
する密着性の点から、ビニル変性塩素化ポリオレフィン
系重合体の水酸基とブロック化ポリイソシアネートのイ
ソシアネート基の当量比(OH/NCO)が1/0.5
〜1/1.5となる割合で前記ブロック化ポリイソシア
ネートを使用することが好ましく、1/1となる割合で
使用することがより好ましい。硬化剤として前記アミノ
樹脂と前記ブロック化ポリイソシアネートを併用する場
合、得られる塗膜の基材に対する密着性の点から、
(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し、前
記アミノ樹脂を5〜30重量部及び前記ブロック化ポリ
イソシアネートを1〜20重量部使用することが好まし
い。
【0033】本発明の塗料は、必要に応じて、無機顔
料、有機顔料等を含有するものであってもよい。無機顔
料としては、例えば、チタン白、カーボンブラック等が
挙げられ、有機顔料としては、例えば、フタロシアニン
系顔料、アゾ系顔料等が挙げられる。これらの無機顔
料、有機顔料等を含有させる方法としては、例えば、通
常の顔料分散方法を利用することができる。また、本発
明の塗料は、必要に応じて各種添加剤、例えば、アルミ
ペースト、可塑剤、塗膜強化用樹脂、分散剤、塗面調整
剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、架橋反
応促進剤等を含んでいてもよい。本発明の塗料は、通常
の塗装方法に従って塗装に供することができる。塗装に
際しては、例えば、エアスプレー機、エアレススプレー
機、静電塗装機、浸漬、ロール塗装機、ハケ等を用いる
ことができる。本発明の塗料は、ポリオレフィン系の成
形品、シート、フィルム等におけるポリオレフィン基材
などを、表面処理をせずに直接塗装するために供するこ
とができ、トップクリアー、エナメル塗料、メタリック
塗料、プライマー等として使用することができる。
【0034】本発明の塗料は、硬化剤としてアミノ樹脂
とブロック化ポリイソシアネートの少なくともいずれか
一方を使用する場合、塗布後、加熱して塗膜を架橋硬化
させることが必要である。加熱条件は、基材の熱変形温
度等を考慮して適宜選択されるが、塗膜の硬化性と基材
の耐熱性のバランスの点から、80〜180℃、1〜1
00分間加熱して硬化させることが好ましい。また、硬
化剤としてポリイソシアネートを使用する場合、常温で
も充分な硬化塗膜が得られるが、加熱することによって
塗膜を早く硬化させることができる。加熱条件は、基材
の熱変形温度等を考慮して適宜選択されるが、塗膜の硬
化性と基材の耐熱性のバランスの点から、50〜100
℃、1〜60分加熱して硬化させることが好ましい。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、部及び%は、それぞれ、重量部及び重量%を示す。 製造例1〜7 冷却器、温度計、滴下ロート及び撹拌機を備えた四つ口
フラスコに、表1に示す配合割合で、かつ、合計が13
4部になるように塩素化ポリプロピレン樹脂及びトルエ
ンを仕込み、110℃に加熱した。続いて、表1に示す
割合の(B)成分と2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル1部を均一に溶解した混合物を調製し、同温度で保温
しながら前記四つ口フラスコに2時間かけて滴下し、同
温度で1時間保温した。さらに、トルエン20部に2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を均一に溶
解した混合物を調製し、同温度で保温しながら前記四つ
口フラスコに30分間かけて滴下し、その後同温度で2
時間保温して熟成させた。そして、前記四つ口フラスコ
を放置して室温まで冷却し、反応物の加熱残分が40%
になるようにトルエンを添加し、塗料用樹脂組成物(R
−1)〜(R−7)を得た。
【0036】得られた塗料用樹脂組成物(R−1)〜
(R−7)を50℃又は5℃で10日間放置し、塗料用
樹脂組成物の貯蔵安定性を調べた。その結果、表1に示
されるように、いずれの塗料用樹脂組成物も均一な溶液
状態を保ったまま変化しておらず良好であり、塗料用樹
脂組成物(R−1)〜(R−7)は貯蔵安定性に優れて
いた。
【0037】
【表1】
【0038】製造例8〜11 各成分を表2に示す配合割合で配合した以外は、前記製
造例1〜7に記載された方法に従い、塗料用樹脂組成物
(R−8)〜(R−11)を得た。得られた塗料用樹脂
組成物(R−8)〜(R−11)について、前記製造例
1〜7と同様に貯蔵安定性を調べた。表2に示されるよ
うに、塗料用樹脂組成物(R−8)及び(R−11)
は、いずれも、低温(5℃)では分離し、塗料用樹脂組
成物(R−10)は低温(5℃)でも高温(50℃)で
も分離し、これらの塗料用樹脂組成物は貯蔵安定性に劣
っていた。
【0039】
【表2】
【0040】実施例1〜14及び比較例1〜8 前記製造例1〜7で得られた塗料用樹脂組成物(R−
1)〜(R−7)を用い、表3及び表4に示される配合
割合で他の成分を配合し、常法に従って各成分を分散さ
せ、塗料を得た。シンナー(トルエン/ソルベット10
0を50/50重量比で混合した溶液)を用い、得られ
た塗料をフォードカップ#4で15秒/20℃になるよ
うに希釈し、表面処理が施されていないポリプロピレン
成形板に乾燥膜厚が15〜20μmとなるようにスプレ
ー塗装し、室温で10分間放置し、その後、120℃、
30分間の条件で焼付乾燥させ、塗装板を得た。同様
に、前記製造例8〜11で得られた塗料用樹脂組成物
(R−8)及び(R−11)を用い、表5に示される配
合割合で他の成分を配合し、塗料を調製し、塗装板を得
た。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】評価 得られた塗装板について、下記方法に従い、密着性(初
期密着性)、耐酸性、耐ガソリン性、耐水性(温水処理
後の密着性)並びに耐候性を調べ、評価結果を表6〜8
に示した。 密着性(初期密着性) JIS K−5400のゴバン目試験法に従った。塗膜
上にナイフで2mm間隔で縦横各10本の線を引いて10
0個のゴバン目を作成し、その上にセロファンテープを
接着させ、テープを剥がし、塗膜上に残存するゴバン目
の数を測定し、下記基準で評価した。 100/100 :密着性が良好 51〜99/100:密着性がやや劣る 50/100以下 :密着性が著しく劣る
【0045】耐酸性 10%硫酸水溶液を塗膜上に滴下し、塗装板を50℃に
加熱し、40分間放置して自然冷却させ、塗膜表面を観
察し、下記基準で評価した。 ◎:全く痕跡がない ○:痕跡がほとんどない △:わずかに痕跡がある ×:明らかな痕跡がある
【0046】耐ガソリン性 ガーゼに市販のガソリンを含浸させ、塗膜表面を強く2
0往復擦った後、塗膜表面を観察し、下記基準で評価し
た。 ◎:塗膜表面にツヤビケ(つやの消失)が全くない ○:塗膜表面にツヤビケがほとんどない △:塗膜表面に少しツヤビケがある ×:塗膜表面に明らかなツヤビケがある 耐水性 塗装板を40℃の温水に240時間浸漬させた後、前記
密着性(初期密着性)での評価方法に従って評価した。 耐候性 サンシャインウェザオメーター(スガ試験機(株)製、W
EL−SUN−HCH型)を用い、1000時間後の塗
膜表面を前記密着性(初期密着性)での評価方法に従っ
て評価した。
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】表8によれば、比較例3及び5で得られた
塗料は、耐酸性の欄の評価結果が△(わずかに痕跡があ
る)となっており、耐酸性に劣っていた。また、比較例
3〜6で得られた塗料は、耐ガソリン性の欄の評価結果
が△(塗膜表面に少しツヤビケがある)となっており、
耐ガソリン性に劣っていた。さらに、比較例1、2、5
〜8で得られた塗料は、耐水性の欄の評価結果が50/
100以下(密着性が著しく劣る)となっていて、耐水
性に劣っており、特に比較例5及び6で得られた塗料
は、耐水性が著しく劣っていた。そして、比較例1、
2、7及び8で得られた塗料は、耐候性の欄の評価結果
が50/100以下(密着性が著しく劣る)となってい
て、耐候性に劣っており、特に比較例5及び6で得られ
た塗料は、耐候性が著しく劣っていた。
【0051】これに対し、表6及び7によれば、実施例
1〜14で得られた塗料は、耐酸性の欄の評価結果が◎
(全く痕跡がない)又は○(痕跡がほとんどない)となって
おり、耐ガソリン性の欄の評価結果が◎(塗膜表面にツ
ヤビケ(つやの消失)が全くない)又は○(塗膜表面にツ
ヤビケがほとんどない)となっており、耐水性及び耐候
性の欄の評価結果が100/100(密着性が良好)とな
っており、しかも、密着性(初期密着性)の欄の評価結
果が100/100(密着性が良好)となっていることか
ら、これらの塗料は、密着性(初期密着性)に優れるだ
けでなく、耐酸性、耐ガソリン性、耐水性及び耐候性に
も優れていた。このように、本発明の塗料用樹脂組成物
は、貯蔵安定性に優れ、また、本発明の塗料は、密着性
(初期密着性)、耐酸性、耐ガソリン性、耐水性及び耐
候性に優れていた。
【0052】
【発明の効果】請求項1記載の塗料用樹脂組成物は、難
塗装性プラスチックへの密着性に優れる塗料に好適であ
る。請求項2記載の塗料用樹脂組成物は、請求項1記載
の塗料用樹脂組成物の効果を奏し、さらに、熱硬化性と
耐候性に優れる塗料に好適である。請求項3記載の塗料
は、難塗装性プラスチックへの密着性に優れる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩素含有率50重量%以下の塩素
    化ポリオレフィン系樹脂の存在下に、 (B)(b1)一般式(I) 【化1】 (式中、Xは共重合可能な二重結合を有する基を示し、
    Yは加水分解可能な基又はハロゲン原子を示し、Rは不
    活性な一価の有機基を示し、mは0〜2の整数であり、
    nは1〜3の整数であり、mとnの和は3である)で表
    される不飽和有機シラン化合物、(b2)一般式(II) 【化2】 (式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素
    数1〜3のアルキル基を示し、pは1〜3の整数であ
    る)で表される水酸基を有する重合性単量体及び
    (b′)不飽和二重結合を有する他の重合性単量体を含
    む不飽和二重結合を有する重合性単量体混合物を重合し
    て得られるビニル変性塩素化ポリオレフィン系重合体を
    含有してなる塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (b′)不飽和二重結合を有する他の重
    合性単量体が、(b3)カルボキシル基を有する重合性
    単量体並びに(b4)一般式(III) 【化3】 (式中、R′は水素原子又はメチル基を示し、R″は二
    価の有機基を示し、kは0又は1の整数である)で表さ
    れる単量体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸
    シクロアルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステ
    ル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、アクリル酸
    アミノアルキルエステル、メタクリル酸アミノアルキル
    エステル、スチレン系単量体、ビニル誘導体及び不飽和
    二塩基酸のジアルキルエステルからなる群から選択され
    る少なくとも1種類の単量体の少なくともいずれか一方
    の単量体を含有するものである請求項1記載の塗料用樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の塗料用樹脂組成
    物と硬化剤を組み合わせてなる塗料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005048094A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Daicel Ucb Co Ltd ウレタン(メタ)アクリレート、その製造方法、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びその硬化物
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