JPH08113757A - 塗料用樹脂組成物及び塗料 - Google Patents

塗料用樹脂組成物及び塗料

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JPH08113757A
JPH08113757A JP25051194A JP25051194A JPH08113757A JP H08113757 A JPH08113757 A JP H08113757A JP 25051194 A JP25051194 A JP 25051194A JP 25051194 A JP25051194 A JP 25051194A JP H08113757 A JPH08113757 A JP H08113757A
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JP
Japan
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group
weight
resin composition
coating
double bond
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Application number
JP25051194A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Ito
敏彦 伊藤
Kazuo Aizu
和郎 会津
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Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩素含有率50重量%以下の塩素化ポリオレ
フィン系樹脂の存在下に、一般式(I) 【化1】 (但し、式中、Xは共重合可能な二重結合を有する基で
あり、Yは加水分解可能な基又はハロゲン原子であり、
Rは不活性な有機基であり、mはRの結合数で0、1又
は2、nはYの結合数で1、2又は3であってm+nが
3となるように選択される)で表される不飽和有機シラ
ン化合物を含む不飽和二重結合を有する重合性単量体配
合物を重合して得られるビニル変性塩素化ポリオレフィ
ン系重合体と、直鎖状の脂肪族ポリエステル樹脂とを含
有してなる塗料用樹脂組成物及びこの塗料用樹脂組成物
を含有してなる塗料。 【効果】 未処理ポリオレフィンなどのプラスチックへ
の密着性、耐塩ビ可塑剤移行性、耐アルコール性及びワ
ニスの貯蔵安定性の特性がバランスよく優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料用樹脂組成物及び
塗料に関する。本発明は、塗装性を付与するための種々
の表面処理が何等施されていないポリオレフィン等のプ
ラスチックからなる成形品、シート、フィルム等のプラ
スチック基材に対してプライマー処理を施さなくても密
着性、ワニスの貯蔵安定性、耐塩ビ可塑剤移行性、耐ア
ルコール性等の性能に優れた塗膜を形成できる塗料用樹
脂組成物及び塗料に関する。また、本発明は、特にラッ
カー塗料に適した塗料用樹脂組成物及び塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家庭電化製品、その他種
々の産業分野において軽量化、防錆、その他の目的から
金属に代わってポリオレフィン等の合成樹脂が使用され
ている。この場合、成形品の表面には通常、塗装が施さ
れるので成形品表面の塗装性が良好であることが要求さ
れている。ところが、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィンからなるプラスチック成形品に塗装さ
れた塗膜は、塗料の密着性、耐溶剤性等に劣るか又は密
着性を確保しようとした結果、耐塩ビ可塑剤移行性、耐
アルコール性等の他特性に劣っている。従って、ポリオ
レフィンからなるプラスチック成形品への密着性、ワニ
スの貯蔵安定性、耐塩ビ可塑剤移行性、耐アルコール性
等の塗膜特性を改善するため、従来から数多くの試みが
提案されている。例えば、これら成形品の表面の脱脂処
理、クロム酸処理等の表面処理を施して密着性を改善す
る方法がある。また、該成形品の表面に塩素化ポリオレ
フィン又はマレイン酸若しくはその無水物で変性したポ
リオレフィン類を溶液状態又は分散状態で塗布してプラ
イマー処理した後、塗膜性能の優れた塗料を塗装する方
法がある(例えば、特開昭58−83042号公報、特
開昭58−118809号公報、特開昭59−3083
0号公報等参照)。
【0003】一方、ポリオレフィン成形品への塗装塗膜
の密着性を改善する塗料組成物としてエポキシ樹脂、エ
ポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ基と反応する官能基を
有するポリオレフィン又はポリエチレン共重合体からな
るエポキシ系組成物が提案されている(例えば、特開昭
56−72053号公報、特開昭56−50971号公
報、特開昭58−101122号公報等参照)。また、
アクリル系樹脂と塩素化ポリオレフィンからなるアクリ
ル変性塩素化ポリオレフィン樹脂組成物が提案されてい
る(例えば、特開昭58−183718号公報、特開昭
58−194959号公報、特開昭59−30830号
公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の表面処
理方法では、密着性等の塗膜性能を充分に向上させるこ
とはできない。また、プライマー処理を施す方法では、
塩素化ポリオレフィン及び変性ポリオレフィンの種類に
よっては密着性の優れた塗膜が得られるものもあるが、
プライマーを塗布する操作が煩雑であること、プライマ
ー処理に多くの時間と労力を要すること、ひいては塗装
コストが上昇することなどの欠点がある。更に、前記の
エポキシ系組成物は、ポリオレフィン等のプラスチック
成形品に対する密着性が充分であるとは言い難い。ま
た、前記アクリル変性塩素化ポリオレフィン組成物は、
塩素化ポリオレフィンの量に密着性が影響を受け、充分
な密着性を得ようとすると塩素化ポリオレフィンの量を
増大させる必要があり、このためにワニスの貯蔵安定
性、耐塩ビ可塑剤移行性等の性能が低下する。従って、
密着性、ワニスの貯蔵安定性、耐塩ビ可塑剤移行性、耐
アルコール性等といった性能を同時に改善するのは困難
であるという欠点がある。本発明は、前記の欠点を解消
し、表面処理を行うことなく直接成形品の表面に塗装す
ることができ、塗膜の密着性、ワニスの貯蔵安定性、耐
塩ビ可塑剤移行性、耐アルコール性等の性能において優
れた塗膜を生じる塗料用樹脂組成物及びこれを用いた塗
料を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩素含有率5
0重量%以下の塩素化ポリオレフィン系樹脂の存在下
に、一般式(I)
【化3】 (但し、式中、Xは共重合可能な二重結合を有する基で
あり、Yは加水分解可能な基又はハロゲン原子であり、
Rは不活性な有機基であり、mはRの結合数で0、1又
は2、nはYの結合数で1、2又は3であってm+nが
3となるように選択される)で表される不飽和有機シラ
ン化合物を含む不飽和二重結合を有する重合性単量体配
合物を重合して得られるビニル変性塩素化ポリオレフィ
ン系重合体と、直鎖状の脂肪族ポリエステル樹脂とを含
有してなる塗料用樹脂組成物並びにこの樹脂組成物を含
有してなる塗料に関する。
【0006】本発明で使用する塩素化ポリオレフィン系
樹脂としては、塩素含有率が50重量%以下のポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ
る。塩素含有率が50重量%を超えるとポリオレフィン
系基材に対する密着性が低下する。塩素含有率の決定
は、種々の塗膜性能を考慮しつつなされるべきである
が、好ましくは20重量%以上、より好ましくは25〜
35重量%である。
【0007】前記塩素化ポリオレフィン系樹脂の存在下
に重合する重合性単量体配合物は、前記一般式(I)で
表される不飽和有機シラン化合物を必須成分として含
む。この不飽和有機シラン化合物を使用することによ
り、塗膜の密着性及びワニスの貯蔵安定性を改善するこ
とができる。これは、重合性単量体配合物総量中に0.
1〜3重量%配合されるのが好ましく、0.3〜1.5
重量%配合されるのがより好ましい。この不飽和有機シ
ラン化合物が0.1重量%未満では前記の改善効果が小
さく、3重量%を超えると重合中に加水分解可能な基が
加水分解して架橋反応し重合中にゲル化しやすくなる。
【0008】前記一般式(I)において、Xは共重合可
能な二重結合を有する基であり、例えばビニル基、アリ
ル基、ブテニル基等のアルケニル基、シクロヘキセニル
基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基
等のシクロアルケニル基、γ−メタクリロキシプロピル
基等の不飽和アシロキシアルキル基、γ−メタクリロキ
シエチルプロピルエーテル基等の不飽和アシロキシアル
コキシ基、
【化4】 等がある。これらのうち好ましいものはγ−メタクリロ
キシプロピル基等の不飽和アシロキシアルキル基又はγ
−メタクリロキシエチルプロピルエ−テル基等の不飽和
アシロキシアルコキシ基である。
【0009】また、Yは加水分解可能な基又はハロゲン
原子であり、中でも、塩素、炭素数1〜6のアルコキシ
基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、炭素数1〜14の
オキシモ基などが好ましく、具体的には、メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、ホルミルオ
キシ基、アセトキシ基、プロピレンオキシ基等のアシル
オキシ基、
【化5】 等のオキシモ基などの加水分解して水酸基を形成する
基、
【化6】 等のアルキルアミノ基又はアリールアミノ基などが好ま
しいものとして挙げられる。Yはnが2又は3のとき同
一であってもよいし、異なっていてもよい。Rは不活性
な一価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜18の炭
化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、テトラデシル基、オクタデシル基等の
アルキル基、フェニル基、ベンジジル基、トリル基等の
アリ−ル基、アラルキル基、アルカリール基などであ
る。
【0010】一般式(I)で表される不飽和有機シラン
化合物の具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(2−
メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリク
ロロシラン、γ−メタクリロキシラウリルプロポキシジ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシヘキシルトリエト
キシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキ
シエチルメトキシエトキシブトキシシラン、γ−アクリ
ロキシオクチルブトキシメトキシシラン、γ−アクリロ
キシブチルメトキシジブトキシシラン等がある。
【0011】一般式(I)で表わされる不飽和有機シラ
ン化合物中のYは、使用する原料、重合溶媒中の水分と
反応し、加水分解又は置換反応して水酸基等又は水酸基
等を有する基となり重合反応中及び/又は塗料の乾燥時
にこのような水酸基等の官能基同士が架橋反応するもの
と考えられる。前記重合性単量体配合物に配合される重
合性単量体としては、一般式(I)で表される不飽和有
機シラン化合物以外に、一般式(II)
【化7】 (但し、式中、R′は水素原子又は低級アルキル基であ
り、R″は二価の有機基であり、1は0又は1である)
で表される単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリ
ル酸シクロヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル又
はアクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル等のメタクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸
シクロアルキルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のメタ
クリル酸ヒドロキシアルキル、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のアク
リル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸アミノメチ
ル、メタクリル酸N−メチルアミノメチル、メタクリル
酸N,N−ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸アミ
ノアルキル、アクリル酸アミノメチル、アクリル酸N−
メチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミ
ノエチル等のアクリル酸アミノアルキル、メタクリル酸
グリシジル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸、ア
クリル酸、メタクリルアミド、アクリルアミド、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン
系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、
酢酸イソプロペニル等のビニル誘導体、マレイン酸、フ
マル酸等の不飽和二塩基酸、その酸無水物、そのモノメ
チルエステル、モノメチルエステル等のモノエステル、
そのジメチルエステル、ジエチルエステル等のジエステ
ルなどがある。
【0012】前記一般式(II)において、R″は二価の
有機基であるが、その炭素原子数は好ましくは1〜1
8、より好ましくは2〜12であり、アルキレン基又は
一般式(III)
【化8】 (式中Z及びZ′は同一の又は異なる炭素原子数2以上
のアルキレン基であり、mは繰返し数であって1以上の
整数である)で表される基であるのが好ましい。前記一
般式(II)で表される単量体としては、トリシクロデシ
ルアクリレート、トリシクロデシルメタクリレート、ト
リシクロデシロキシエチルアクリレート、トリシクロデ
シロキシエチルメタクリレート、トリシクロデシロキシ
プロピルアクリレート、トリシクロデシロキシプロピル
メタクリレート等のトリシクロデシロキシアルキルアク
リレート又はメタクリレート、ジエチレングリコールト
リシクロデシルモノエーテルのアクリレート又はメタク
リレート等のポリアルキレングリコ−ルトリシクロデシ
ルモノエーテルのアクリレート又はメタクリレートなど
がある。
【0013】これらの、前記一般式(I)で表される不
飽和有機シラン化合物以外の単量体としては、前記一般
式(II)で表される単量体、アクリル酸アルキルエステ
ル、アクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸
アルキルエステル及びメタクリル酸シクロアルキルエス
テルから選ばれる少なくとも1種以上の単量体を必須成
分として使用するのが、塗膜の密着性、耐アルコ−ル
性、耐塩ビ可塑剤移行性等の塗膜特性に優れるので好ま
しい。この場合、前記重合性単量体配合物は、(a)一
般式(I)で表される不飽和有機シラン化合物0.1〜
3重量%、(b)一般式(II)で表される単量体、アク
リル酸アルキルエステル、アクリル酸シクロアルキルエ
ステル、メタクリル酸アルキルエステル及びメタクリル
酸シクロアルキルエステルから選ばれる単量体50〜9
9.9重量%並びに(c)その他の不飽和二重結合を有
する重合性単量体0〜49.9重量%を、合計が100
重量%になるように配合されるのが好ましい。
【0014】前記の重合性単量体配合物には、前記
(c)成分の重合性単量体として、ジビニルベンゼン、
エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリ
コールジアクリレート、トリメチロ−ルプロパントリメ
タクリレート、トリメチロ−ルプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート等の2以上の重合性二重結合を有する単量
体、ポリビニルアルコールのジ−、トリ−、テトラ−若
しくはペンタアクリレート又は同様のメタクリレートな
どを少量配合することができる。これらを用いる場合
は、重合性単量体配合物に対して1重量%以下の量で使
用されるのが好ましい。多すぎると重合中にゲル化しや
すくなる。また、前記の重合性単量体配合物において、
前記(c)成分の重合性単量体として水酸基、グリシジ
ル基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基を有する重
合性単量体を用いる場合は、5重量%以下の量で使用す
るのが好ましい。
【0015】塩素化ポリオレフィン系樹脂(前者)と、
重合性単量体配合物(後者)との配合比は、前者/後者
で3/97〜20/80の重量比とするのが好ましい。
この重量比が20/80を超えると耐塩ビ可塑剤移行性
及びワニスの貯蔵安定性が低下する傾向にある。一方、
重量比が3/97未満の場合はポリオレフィン基材に対
する密着性が低下する傾向にある。この重量比は5/9
5〜15/85であるのがより好ましい。
【0016】塩素化ポリオレフィン系樹脂の存在下での
前記重合性単量体配合物の重合は、公知のラジカル重合
法によって行われ、特にその方法が制限されるものでは
ない。この場合、有機溶剤としてトルエン、キシレン等
の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル系溶剤、四塩化炭素等の塩素系溶剤などが使
用される。また、重合に際し、重合開始剤としては、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ
ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾビス
系化合物などが使用される。前記重合性単量体配合物
は、配合される単量体を予め混合して使用するのが好ま
しいが、重合に際し別々に添加してもよく、混合物を分
割して添加してもよい。
【0017】得られるビニル変性塩素化ポリオレフィン
系重合体は、直鎖状の脂肪族ポリエステル樹脂と配合さ
れる。前記直鎖状の脂肪族ポリエステル樹脂としては、
脂肪族又は脂環式多塩基酸成分と脂肪族又は脂環式多価
アルコール成分の縮合反応から得られる反応生成物のポ
リエステル樹脂などが使用される。前記脂肪族又は脂環
式多塩基酸成分としては、例えば、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族多塩基
酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、それらの無水物、メチ
ルヘキサヒドロフタル酸、それらの無水物等の脂環式多
塩基酸がある。また、脂肪族又は脂環式多価アルコール
成分として、例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、シクロヘ
キサンジメタノール等のグリコール類及び多価アルコー
ル類がある。中でも、水酸基及び/又はカルボキシル基
を有し、数平均分子量が500以下、より好ましくは1
50〜400の、脂環構造を有するポリエステル樹脂が
ビニル変性塩素化ポリオレフィン系重合体との相溶性と
付着性の点で好ましい。
【0018】本発明の塗料用樹脂組成物において、ビニ
ル変性塩素化ポリオレフィン系重合体(前者)と、前記
直鎖状脂肪族ポリエステル樹脂(後者)は、後者100
重量部に対して、前者が5〜20重量部となるように含
有されるのが好ましい。後者が20重量部を超えると密
着性及び耐アルコール性が低下する傾向にある。一方、
後者が5重量部未満の場合は、耐塩ビ可塑剤移行性が低
下する傾向にある。この後者は8〜15重量部であるの
が、塗膜特性のバランスに優れ、より好ましい。
【0019】直鎖状脂肪族ポリエステル樹脂と塩素化ポ
リオレフィン系重合体は、必要に応じて適当な有機溶剤
に溶解して塗料用樹脂組成物とされる。有機溶剤として
は上記の重合時の有機溶剤として例示したものが使用で
きる。更に、本発明の塗料用樹脂組成物は、必要に応じ
て、チタン白、カーボンブラック等の無機顔料、フタロ
シアニン系、アゾ系等の有機顔料、その他の添加剤など
を配合し、塗料とすることができる。
【0020】本発明に係る塗料は、スプレー塗装、ロー
ルコーター塗装等の方法で塗装でき、各塗装法に適した
適当な固形分になるように有機溶剤の量が適宜決定され
るが、スプレー塗装するときは、フォードカップ♯4
(25℃)で12〜20秒の粘度になるように調整する
のが好ましい。このようにして得られる本発明の塗料
は、ポリオレフィン系の成形品、シート、フィルム等の
ポリオレフィン基材に対するトップコート、エナメル塗
料、プライマーなどとして使用することができる。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。以下、部及び%
は各々重量部及び重量%を示す。 実施例1〜7及び比較例1〜3 表1に示す固形分量の塩素化ポリプロピレン(塩素含有
率26%:固形分15%トルエン溶液)及びトルエンを
これらの合計が110重量部になるように、撹拌器及び
冷却器を備え付けた反応器に入れ110℃に加熱し、表
1に示す配合の単量体及び過酸化ベンゾイル1部を均一
に溶解した混合物を2時間で滴下し、同温度で2時間反
応させた。冷却後、表1に示す量の直鎖状脂肪族ポリエ
ステル樹脂(FLEXOREZ 188:KING INDUSTRIES社製、数平
均分子量約190、脂環構造を有する)を添加し均一に
混合し、トルエンを固形分が約40%になるように加え
た。
【0022】
【表1】
【0023】ついで、トルエン/ブチルセロソルブが9
5/5(重量比)の混合溶剤を加えてフォードカップ♯
4で12〜13秒になるように調整し塗料用樹脂組成物
を得た。この後、得られた塗料用樹脂組成物を表面処理
が施されていないポリプロピレン成形板にそのままスプ
レー塗装し、60℃で30分乾燥した後室温で24時間
放置乾燥した。塗膜の厚さは約30μmになるようにし
た。得られた塗装塗膜成形板を用いて密着性、耐塩ビ可
塑剤移行性、耐アルコール性及びワニスの安定性を試験
した。
【0024】なお、試験方法は次の通りである。 ・密着性:JIS K5400のゴバン目セロテ−プ試
験法による。 ○:100/100 △:51〜99/100 ×:50/100以下 ・耐アルコ−ル性:荷重1kgでラビング試験により測定
する。塗膜の光沢がなくなるまでのラビング回数によっ
て下記のように評価した。 ○:10回以上 ×:10回未満 ・耐塩ビ可塑剤移行性:塩ビ製の電気コードを塗装塗膜
成形板に置いて110℃で4時間、500g荷重の条件
下に放置した後、密着性試験を行った。 ○:90/100〜100/100 ×:90/100未満 ・ワニスの貯蔵安定性:−10℃で168時間放置し、
ワニス外観を評価した。 ○:異常なし ×:析出、分離等がある 試験結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明に係る塗料用樹脂組成物及び塗料
は、未処理ポリオレフィンなどのプラスチックへの密着
性、耐塩ビ可塑剤移行性、耐アルコ−ル性及びワニスの
貯蔵安定性の特性がバランスよく優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含有率50重量%以下の塩素化ポリ
    オレフィン系樹脂の存在下に、一般式(I) 【化1】 (但し、式中、Xは共重合可能な二重結合を有する基で
    あり、Yは加水分解可能な基又はハロゲン原子であり、
    Rは不活性な有機基であり、mはRの結合数で0、1又
    は2、nはYの結合数で1、2又は3であってm+nが
    3となるように選択される)で表される不飽和有機シラ
    ン化合物を含む不飽和二重結合を有する重合性単量体配
    合物を重合して得られるビニル変性塩素化ポリオレフィ
    ン系重合体と、直鎖状の脂肪族ポリエステル樹脂とを含
    有してなる塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 直鎖状の脂肪族ポリエステル樹脂が、脂
    環構造を有し数平均分子量が500以下で、水酸基及び
    /又はカルボキシル基を有するものである請求項1記載
    の塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 不飽和二重結合を有する重合性単量体配
    合物が、(a)一般式(I)で表される不飽和有機シラ
    ン化合物0.1〜3重量%、(b)一般式(II) 【化2】 (但し、式中、R′は水素原子又は低級アルキル基であ
    り、R″は二価の有機基であり、lは0又は1である)
    で表される単量体、アクリル酸アルキルエステル、アク
    リル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸アルキル
    エステル及びメタクリル酸シクロアルキルエステルから
    選ばれる単量体50〜99.9重量%並びに(c)その
    他の不飽和二重結合を有する重合性単量体0〜49.9
    重量%を、合計が100重量%になるように配合してな
    るものである請求項1又は2記載の塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 直鎖状の脂肪族ポリエステル樹脂の含有
    割合が、ビニル変性塩素化ポリオレフィン系重合体10
    0重量部に対して5〜20重量部である請求項1、2又
    は3記載の塗料用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用
    樹脂組成物を含有してなる塗料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102271100B1 (ko) * 2020-11-06 2021-06-30 유재형 합성수지계 방수시트 및 도막 방수재의 접착력 개선용 프라이머 조성물 및 이를 이용한 콘크리트 구조물의 복합방수 시공방법
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