JP2000104011A - 水性樹脂組成物及び水性塗料 - Google Patents

水性樹脂組成物及び水性塗料

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JP2000104011A
JP2000104011A JP10275910A JP27591098A JP2000104011A JP 2000104011 A JP2000104011 A JP 2000104011A JP 10275910 A JP10275910 A JP 10275910A JP 27591098 A JP27591098 A JP 27591098A JP 2000104011 A JP2000104011 A JP 2000104011A
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polymerizable
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JP10275910A
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Kazuo Aizu
和郎 会津
Tsutomu Mamiya
勉 間宮
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 貯蔵安定性に優れ、未処理の難塗装性ポリオ
レフィン素材への密着性と耐水性に優れ、塗装性ポリオ
レフィン素材にプライマーを必要とせずに直接塗装、ま
たはプライマーとして使用しうる水性塗料。 【解決手段】 塩素化ポリオレフィン系樹脂3〜40重
量%の存在下に、(a)式(I)で表される不飽和有機
シラン化合物、(b)ノニオン性及び/又はアニオン性
の重合性界面活性剤及び(c)重合性単量体を重合させ
て得られる変性塩素化ポリオレフィン系重合体を含有し
てなる水性樹脂組成物、それと硬化剤としてポリイソシ
アネート化合物を組み合わせた水性塗料。 (Xは二重結合を有する基、Yは加水分解可能な基又は
ハロゲン原子、Rは不活性な有機基、mは0〜2、nは
1〜3、mとnの和は3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性樹脂組成物及
び水性塗料に関する。本発明は、特に、塗装性を付与す
るための種々の表面処理が何等施されてないような、ポ
リオレフィン等のプラスチックからなる成形品、シ−
ト、フィルム等のプラスチック素材の表面に塗布する水
性塗料として好適な水性樹脂組成物及び水性塗料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家庭電化製品、その他種
々の産業分野において軽量化、低コスト化、リサイクル
化、その他の目的からポリオレフィン等の合成樹脂が使
用されている。この場合、成形品の表面には通常、塗装
が施されるので成形品表面の塗装性が良好で有ることが
要求されている。ところが、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィンからなるプラスチック成形品の
表面に施された塗膜は、一般的に、密着性の性能に劣っ
ている。従って、ポリオレフィンからなるプラスチック
成形品への密着性を改良するため、従来から数多くの試
みが提案されている。例えば、これらの成形品の表面に
脱脂処理、コロナ処理、火炎処理等の表面処理を施して
密着性を改良する方法がある。
【0003】しかし、これらの表面処理方法では、密着
性が不十分であり、密着性を改善する方法として、成形
品の表面にプライマーを塗装する方法が一般的である。
このプライマーには、塩素化ポリオレフィン、マレイン
酸又はその酸無水物を塩素化ポリオレフィンに反応させ
した塩素化ポリオレフィン、ヒドロキシル基を有する重
合性単量体を導入した塩素化ポリオレフィンとイソシア
ネート化合物との反応生成物からなるウレタン樹脂組成
物、塩素化ポリオレフィンとアクリル樹脂との反応生成
物からなるアクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂組成
物等が使用される。また、これらの組成物は、トルエン
やキシレンなどの芳香族系有機溶剤にしか溶解しないた
め、多量の芳香族系有機溶剤を使用せざるを得ず、安全
衛生上、環境保全上の問題があった。
【0004】そこで、塩素化ポリオレフィンの水性分散
化の試みが提案されている(例えば、特開昭59−47
244号公報、特開平1−153778号公報、特開平
2−284973号公報、特開平2−286724号公
報、特開平6−80844号公報等参照)。しかし、こ
れらの水性樹脂組成物は水性分散化の際、界面活性剤が
重合性でないためにポリオレフィンからなるプラスチッ
ク成形品に塗装した場合、密着性、耐水性が不十分など
の欠点があり、このような課題を解消し、難塗装性ポリ
オレフィン素材からなるプラスチック成形品に表面処理
を施さずに直接塗装することができる水性樹脂組成物は
得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】請求項1及び2記載の
発明は、貯蔵安定性に優れ、更に未処理の難塗装性ポリ
オレフィン素材への密着性と耐水性に優れ、塗装性ポリ
オレフィン素材にプライマーを必要とせずに直接塗装す
ること或いは本水性塗料をプライマーとして使用するこ
とができ、しかも、有機溶剤の使用を削減できる環境保
全上有用な水性樹脂組成物を提供するものである。請求
項3及び4記載の発明は、貯蔵安定性に優れ、更に未処
理の難塗装性ポリオレフィン素材への密着性と耐水性に
優れ、塗装性ポリオレフィン素材にプライマーを必要と
せずに直接塗装すること或いは本水性塗料をプライマー
として使用することができ、しかも、有機溶剤の使用を
削減できる環境保全上有用な水性塗料を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)〜
(4)に関する。 (1)塩素化ポリオレフィン系樹脂3〜40重量%の存
在下に、(b1)一般式(I)
【化2】 (式中、Xは共重合可能な二重結合を有する基を示し、
Yは加水分解可能な基又はハロゲン原子を示し、Rは不
活性な有機基を示し、mは0〜2の整数であり、nは1
〜3の整数であり、mとnの和は3である)で表される
不飽和有機シラン化合物、(b2)ノニオン性及び/又
はアニオン性の重合性界面活性剤及び(b3)1分子中
に少なくとも1個の重合性二重結合を有する重合性単量
体を重合させて得られる変性塩素化ポリオレフィン系重
合体を含有してなる水性樹脂組成物。
【0007】(2)1分子中に少なくとも1個の重合性
二重結合を有する重合性単量体(b3)が、2個以上の
重合性二重結合を有する重合性単量体、カルボキシル基
を有する重合性単量体、ヒドロキシル基を有する重合性
単量体及びその他の重合性単量体を含み、塩素化ポリオ
レフィン系樹脂、不飽和有機シラン化合物(b1)、ノ
ニオン性及び/又はアニオン性の重合性界面活性剤(b
2)及び1分子中に少なくとも1個の重合性二重結合を
有する重合性単量体(b3)の総量100重量%に対し
て、塩素化ポリオレフィン系樹脂が3〜40重量%、
(b1)成分、(b2)成分及び(b3)成分からなる
重合性単量体が60〜97重量%の割合で配合され、し
かも、(b1)成分、(b2)成分及び(b3)成分か
らなる重合性単量体の総量100重量%に対して、(b
1)成分が0.1〜3重量%、(b2)成分が0.5〜
15重量%、(b3)成分が82.0〜99.4重量%
の割合で配合されてなる上記(1)記載の水性樹脂組成
物。
【0008】(3)上記(1)又は(2)に記載の水性
樹脂組成物と硬化剤としてポリイソシアネート化合物を
組み合わせてなる水性塗料。 (4)水性樹脂組成物とポリイソシアネート化合物との
混合比が、水性樹脂組成物のヒドロキシル基とポリイソ
シアネート化合物のイソシアネート基の当量比(OH/
NCO)が1.0/0.5〜1.0/2.0である上記
(3)の水性塗料。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における塩素化ポリオレフ
ィン系樹脂(A)(以下、(A)成分と略すことがあ
る)としては、塗膜特性のバランスに優れる点から塩素
含有率が50重量%以下のものが好ましい。好ましい塩
素含有率が50重量%以下の(A)成分としては、塩素
化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素
化ポリブタジエン樹脂等の塩素化ポリオレフィン系樹
脂、前記塩素化ポリオレフィン系樹脂に無水マレイン酸
を反応させた無水マレイン酸変性塩素化オレフィン系樹
脂、ヒドロキシル基含有塩素化ポリオレフィン系樹脂と
イソシアネート化合物との反応生成物であるウレタン変
性塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−プロピ
レン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体等
が挙げられる。なお、これらの(A)成分としては、既
知のものであり、例えば、ハードレン14LLB(商品
名、東洋化成工業(株)製)などの市販品を利用すること
ができる。(A)成分の塩素含有量が50重量%を超え
ると、ポリオレフィン系素材に対する密着性、耐水性が
低下する傾向となる。
【0010】(A)成分の塩素含有率は目的とする種々
の塗膜性能を考慮して適宜定められ、塗膜性能が著しく
低下しない限り、その下限は制限されるものではない
が、ポリオレフィン系素材に対する樹脂組成物の密着
性、変性塩素化ポリオレフィン系重合体の分散安定性と
のバランスの点から、15〜40重量%とすることが好
ましく、15〜35重量%とすることがより好ましい。
なお、本明細書において、塩素含有率は燃焼法によって
測定された値である。
【0011】本発明に用いられる塩素化ポリオレフィン
系樹脂(A)は、重量平均分子量(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算
値)が10,000〜300,000であることが好ま
しく、30,000〜250,000であることがより
好ましい。10,000未満であると、得られる塗膜の
耐溶剤性が低下する傾向にあり、300,000を超え
ると、得られる水性樹脂組成物及び水性塗料の塗装性が
低下する傾向にある。
【0012】本発明に用いられる重合性単量体混合物
(B)(以下、(B)成分と略すことがある)は、(b
1)不飽和有機シラン化合物(以下、(b1)成分と略
すことがある)、(b2)ノニオン性及び/又はアニオ
ン性の重合性界面活性剤(以下、(b2)成分と略すこ
とがある)、(b3)1分子中に少なくとも1個の重合
性二重結合を有する前記以外の重合性単量体(以下、
(b3)成分と略すことがある)を成分として使用する
ものである。
【0013】(b1)成分は、一般式(I)
【化3】 (式中、Xは共重合可能な二重結合を有する基を示し、
Yは加水分解可能な基又はハロゲン原子を示し、Rは不
活性な有機基を示し、mは0〜2の整数であり、nは1
〜3の整数であり、mとnの和は3である)で表される
不飽和有機シラン化合物である。
【0014】一般式(I)において、Xで示される共重
合可能な二重結合を有する基としては、例えば、アルケ
ニル基、シクロアルケニル基、不飽和アシロキシアルキ
ル基、不飽和アシロキシアルコキシアルキル基及び下記
で示される基等が好ましいものとして挙げられる。
【化4】
【0015】アルケニル基としては、例えば、ビニル
基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基等の炭素
数2〜6の基が挙げられ、シクロアルケニル基として
は、例えば、シクロヘキセニル基、シクロペンタジエニ
ル基、シクロヘキサジエニル基等の炭素数3〜18の基
が挙げられ、不飽和アシロキシアルキル基としては、例
えば、β−アクリロキシエチル基、メタクリロキシメチ
ル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アクリロキ
シプロピル基、δ−アクリロキシブチル基、μ−メタク
リロキシラウリル基、ζ−メタクリロキシヘキシル基、
θ−アクリロキシオクチル基等の炭素数3〜18のアク
リロキシアルキル基及びメタクリロキシアルキル基が挙
げられ、不飽和アシロキシアルコキシアルキル基として
は、例えば、γ−(β−メタクリロキシエトキシ)プロ
ピル基等の炭素数3〜10のアクリロキシアルコキシア
ルキル基及びメタクリロキシアルコキシアルキル基が挙
げられる。
【0016】これらの基の中では、ポリオレフィン系素
材との密着性の点から、γ−メタクリロキシプロピル基
等の炭素数3〜10の不飽和アシロキシアルキル基及び
γ−(β−メタクリロキシエトキシ)プロピル基等の炭
素数3〜10の不飽和アシロキシアルコキシアルキル基
が好ましい。
【0017】一般式(I)において、Yで示される加水
分解可能な基としては、例えば、加水分解して水酸基を
形成する基が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。加水分解して、
水酸基を形成する基としては、例えば、アルコキシ基、
アシロキシ基、オキシモ基、アルキルアミノ基、アリー
ルアミノ基が挙げられる。これらの基又はハロゲン原子
の中では、ポリオレフィン系素材との密着性及び塩素化
ポリオレフィン系樹脂との相溶性の点から、炭素数1〜
6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシロキシ基、炭素
数1〜14のオキシモ基、炭素数1〜6アルキルアミノ
基、炭素数3〜10のアリールアミノ基及び塩素が好ま
しい。
【0018】炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例
えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−メト
キシエトキシ等が挙げられ、炭素数1〜6のアシロキシ
基としては、例えば、ホルミルオキシ基、アセトキシ
基、プロピルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜14の
オキシモ基としては、例えば、下記で示される基等が挙
げられる。
【化5】
【0019】炭素数1〜6のアルキルアミノ基又は炭素
数6〜10のアリールアミノ基としては、例えば、下記
で示される基等が挙げられる。
【化6】 一般式(I)において、nが2又は3のとき、複数のY
は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0020】一般式(I)において、Rで示される不活
性な一価の有機基としては、例えば、アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基等の一価の炭化水素基が挙げられ
る。アルキル基としては、例えば、炭素数1〜18のア
ルキル基が挙げられ、このようなアルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
テトラデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。アリ
ール基としては、例えば、炭素数6〜18のアリール基
が挙げられ、このようなアリール基としては、例えば、
フェニル基、トリル基等が挙げられる。アラルキル基と
しては、例えば、炭素数7〜18のアラルキル基が挙げ
られ、このようなアラルキル基としては、例えば、ベン
ジル基等が挙げられる。一般式(I)において、mが2
のとき、2つのRは同一であってもよいし、異なってい
てもよい。
【0021】一般式(I)で表される不飽和有機シラン
化合物の具体例として、例えば、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(2−メ
トキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシ
ラン、(μ−メタクリロキシラウリル)プロポキシジメ
トキシシラン、(ζ−メタクリロキシヘキシル)トリエ
トキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、メタク
リロキシメチルトリメトキシシラン、(β−アクリロキ
シエチル)メトキシエトキシブトキシシラン、(θ−ア
クリロキシオクチル)ブトキシメトキシシラン、(δ−
アクリロキシブチル)メトキシジブトキシシラン等が挙
げられる。
【0022】なお、一般式(I)において、Yで表され
る加水分解可能な基又はハロゲン原子は、使用する原料
又は重合溶媒中の水分と反応し、加水分解又は置換反応
して水酸基等を有する基となり、重合反応中又は塗料の
乾燥時において、このような水酸基等の官能基同士が架
橋反応するものと考えられる。前記(b1)成分の中で
は、密着性の点から、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン及びγ−メタクリロキシプロピルトリエ
トキシシランが好ましく、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシランがより好ましい。前記(b1)成分
は、単独で又は、2種類以上を組み合わせて使用され
る。
【0023】(b2)成分は、分子内に重合性の炭素−
炭素二重結合を有するノニオン及び/またはアニオン性
の重合性の界面活性剤である。本発明において、(b
2)成分としては、分子内に重合性の炭素−炭素二重結
合を有するノニオン性及び/またはアニオン性の重合性
界面活性剤であれば、特に、制限されるものではない
が、重合性の炭素−炭素二重結合を有する基としては、
例えば、アクリロイル基、メタクロイル基、ビニル基等
が挙げられる。
【0024】分子内に重合性の炭素−炭素二重合結合を
有する(b2)成分のノニオン性重合性界面活性剤とし
ては、例えば、一般式(V)または(VI)
【化7】 (R1は炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル基又
はアラルキル基を表し、R2は水素原子または炭素数1
〜18のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を
表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アル
キレン基を表し、nは正の整数を意味する)で表される
ものが挙げられる。
【0025】また、分子内に重合性の炭素−炭素二重結
合を有する(b2)成分のアニオン性重合性界面活性剤
としては、例えば、一般式(VII)
【化8】 (R3は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基を
表し、R4は水素原子または炭素数4〜18のアルキル
基を表し、R5は水素原子またはメチル基を表し、Aは
炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基を
表し、n及びmは0または正の整数であり、Mはアルカ
リ金属原子、アンモニウム有機アミン塩基、有機第4級
アンモニウム塩基などを意味する)で表されるものが挙
げられる。
【0026】また、一般式(VIII)または(IX)
【化9】 (R6は炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル基又
はアラルキル基を表し、R7は水素原子または炭素数1
〜18のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を
表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アル
キレン基を表し、nは正の整数であり、Mはアルカリ金
属原子、アンモニウム有機アミン塩基、有機第4級アン
モニウム塩基などを意味する)で表されるものなどが挙
げられる。
【0027】また、一般式(X)または(XI)
【化10】 (R8は水素またはメチル基を表し、R9は炭化水素基、
置換基を有する炭化水素基またはオキシアルキレン基を
含む有機基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基ま
たは置換アルキレン基を表し、nは正の整数であり、M
はアルカリ金属原子、アンモニウム有機アミン塩基、有
機第4級アンモニウム塩基などを意味する)で表される
ものが挙げられる。
【0028】なお、前記分子内に重合性の炭素−炭素二
重合結合を有するノニオン性及びアニオン性の重合性界
面活性剤(b5)としては、これらは、既知のものであ
り、例えば、ANTOX MS60(商品名、日本乳化
剤(株)製)、アデカリアソープSEシリーズ(商品名、
旭電化工業(株)製)、アクアロンHSシリーズ(商品
名、第一工業製薬(株)製)、エレミノールJS−2(商
品名、三洋化成工業(株)製)、アデカリアソープNEシ
リーズ(商品名、旭電化工業(株)製)、アクアロンRN
シリーズ(商品名、第一工業製薬(株)製)などの市販品
を利用することができる。前記(b5)成分は、単独で
又は、2種類以上を組み合わせて使用される。
【0029】本発明における(b3)成分としては、1
分子中に少なくとも1個の重合性二重結合を有する重合
性単量体であって、2個以上の重合性二重結合を有する
重合性単量体、カルボキシル基を有する重合性単量体、
ヒドロキシル基を有する重合性単量体及びその他の重合
性単量体が挙げられる。
【0030】1分子中に2個以上の重合性二重結合を有
する重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、トリプロピレングリコールジメタクリレート、2,
2−ビス〔4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・
ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(アクリロキシ・エトキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(メタクリロキシ・エトキシ)フェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ポ
リエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパ
ン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリ
ロキシプロパン、2−ヒドロキシ1,3−ジメタクリロ
キシプロパン、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3
−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、テトラメチロールメタントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロ
ールメタンテトラメタクリレート等が挙げられる。前記
2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体(b
2)成分は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用さ
れる。
【0031】カルボキシル基を有する重合性単量体とし
ては、カルボキシル基は酸無水物基として含まれてもよ
く、(b3)成分としては、例えば、不飽和一塩基酸、
不飽和二塩基酸、それらの酸無水物が好ましいものとし
て挙げられる。不飽和一塩基酸としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸等の炭素数3〜20の不飽和カル
ボン酸が挙げられ、不飽和二塩基酸としては、例えば、
マレイン酸、フマル酸等の炭素数4〜10の不飽和ジカ
ルボン酸が挙げられ、前記無水物としては、例えば、無
水マレイン酸、無水フタル酸等が挙げられる。前記カル
ボキシル基を有する重合性単量体は単独で又は2種類以
上を組み合わせて使用される。
【0032】ヒドロキシル基を有する重合性単量体とし
ては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタク
リル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等
が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとして
は、例えば、アルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸
2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。メタ
クリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えば、アルキ
ル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ヒドロキシ
ブチル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキ
シアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラク
トン変性物の例としては、ラクトン変性アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル等が挙げられる。前記ヒドロキシル基を有
する重合性単量体は単独で又は2種類以上を組み合わせ
て使用される。
【0033】(b3)成分としては、変性塩素化ポリオ
レフィン系重合体の合成の際における重合性単量体混合
物(B)と塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)の相溶性
を向上させ、それにより、得られる水性樹脂組成物の長
期の貯蔵安定性及び塗膜の耐久性を向上させる観点か
ら、前記以外の1分子中に少なくとも1個有する重合性
二重結合を有する重合性単量体(b3)を用いることが
好ましい。その他の1分子中に少なくとも1個有する重
合性二重結合を有する重合性単量体(b3)成分として
は、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸シクロア
ルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタ
クリル酸シクロアルキルエステル、アクリル酸アミノア
ルキルエステル、メタクリル酸アミノアルキルエステ
ル、スチレン系単量体、その他のビニル誘導体及び不飽
和二塩基酸のジアルキルエステル等が挙げられる。
【0034】アクリル酸アルキルエステルとしては、例
えば、アルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アル
キルエステルが挙げられ、その具体例としては、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ラウリル等が挙げられ、アクリル酸シクロア
ルキルエステルとしては、例えば、シクロアルキル基の
炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルが挙げら
れ、その具体例としては、アクリル酸シクロヘキシル等
が挙げられる。
【0035】メタクリル酸アルキルエステルとしては、
例えば、アルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸
アルキルエステルが挙げられ、その具体例としては、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。
メタクリル酸シクロアルキルエステルとしては、例え
ば、シクロアルキル基の炭素数3〜20のメタクリル酸
シクロアルキルエステルが挙げられ、その具体例として
は、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。
【0036】アクリル酸アミノアルキルエステルとして
は、例えば、アルキル基の炭素数が1〜20のアクリル
酸アミノアルキルエステルが挙げられ、その具体例とし
て、アクリル酸アミノメチル、アクリル酸N−メチルア
ミノメチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル
等が挙げられる。メタクリル酸アミノアルキルエステル
としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜20のメ
タクリル酸アミノアルキルエステルが挙げられ、その具
体例としては、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル
酸N−メチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジエ
チルアミノエチル等が挙げられる。スチレン系単量体と
しては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチ
ルスチレン等が挙げられる。
【0037】ビニル誘導体としては、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、酢酸ビニル、メタクリル酸グリシジル、ア
クリル酸グリシジル、メタクリルアミド、アクリルアミ
ド、酢酸イソプロペニル等が挙げられる。不飽和二塩基
酸のジアルキルエステルとしては、例えば、マレイン酸
ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマ
ル酸ジメチルエステル、フマル酸ジエチルエステル等の
炭素数4〜15の不飽和ジカルボン酸のジ−C14−ア
ルキルエステルが挙げられる。
【0038】その他の重合性単量体(b3)成分の中で
は、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸シクロア
ルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタ
クリル酸シクロアルキルエステル、スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロ
ペニル、マレイン酸フマル酸等の不飽和ジカルボン酸の
ジメチルエステル、ジエチルエステル等のジエステルが
好ましい。その他の重合性単量体(b3)成分は単独で
又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0039】本発明の水性樹脂組成物において、変性塩
素化ポリオレフィン系重合体の製造に用いる(A)成分
の配合量は、ポリオレフィン素材に対する密着性、貯蔵
安定性の点から、(A)成分、重合性単量体混合物
(B)成分の総量100重量%に対して3〜40重量%
とすることが好ましく、5〜30重量%とすることがよ
り好ましく、5〜15重量%とすることがさらに好まし
い。この配合量が3重量%未満であると得られる水性樹
脂組成物のポリオレフィン素材に対する密着性が低下す
る傾向にあり、40重量%を越えると、得られる水性樹
脂組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。
【0040】一方、変性塩素化ポリオレフィン系重合体
に用いる(B)成分の配合量は、ポリオレフィン素材に
対する密着性、耐水性及び水分散性のバランスの点か
ら、(A)成分及び(B)成分の総量100重量%に対
して60〜97重量%とすることが好ましく、70〜9
5重量%とすることがより好ましく、85〜95重量%
とすることがさらに好ましい。この配合量が60重量%
未満であると、得られる水性樹脂組成物の耐水性、塗装
性が低下する傾向にあり、97重量%を越えると、得ら
れる水性樹脂組成物のポリオレフィン素材に対する密着
性及び貯蔵安定性が低下する傾向にある。
【0041】(B)成分中における(b1)成分の配合
量は、得られる水性樹脂組成物のポリオレフィン素材に
対する密着性及び得られる重合体のゲル化抑制のバラン
スの点から、(B)成分の総量100重量%に対して、
0.1〜3重量%にすることが好ましく、0.3〜2重
量%とすることがより好ましく、0.3〜1.5重量%
とすることがさらに好ましい。この配合量が0.1重量
%未満であると得られる樹脂組成物のポリオレフィン素
材に対する密着性及び貯蔵安定性が低下する傾向にあ
り、3重量%を越えると、加水分解可能な基が重合中に
加水分解して架橋反応し、得られる重合体が重合中にゲ
ル化する傾向にある。
【0042】(B)成分中における(b2)成分の配合
量は、得られる水性樹脂組成物のポリオレフィン素材に
対する密着性、耐水性、貯蔵安定性のバランスの点か
ら、(B)成分の総量100重量%に対して、0.5〜
15重量%とすることが好ましく、2〜13重量%とす
ることがより好ましく、3〜9重量%とすることがさら
に好ましい。この配合量が0.5重量%未満であると、
得られる水性樹脂組成物の貯蔵安定性が低下する傾向に
あり、15重量%を越えると、ポリオレフィン素材に対
する密着性及耐水性が低下する傾向にある。
【0043】(B)成分中における(b3)成分の配合
量としては、ポリオレフィン素材に対する密着性、耐水
性及び水分散性のバランスの点から、(B)成分の総量
100重量%に対して、82〜99.4重量とすること
が好ましく、85〜97.7重量%とすることがより好
ましく、89.5〜96.7重量%とすることがさらに
好ましい。この配合量が82重量%未満であると、得ら
れる重合体が合成中にゲル化したり、得られる水性樹脂
組成物の耐水性が低下する傾向にあり、99.4重量%
を越えると、得られる水性樹脂組成物の長期の貯蔵安定
性が低下する傾向にある。
【0044】(b3)成分のうち1分子中に2個以上の
重合性二重結合を有する重合性単量体成分の配合量は、
得られる水性樹脂組成物の耐水性、耐溶剤性及び重合安
定性のバランスの点から、(B)成分の総量100重量
%に対して、0.01〜1.5重量%とすることが好ま
しく、0.03〜1.3重量%とすることがより好まし
く、0.05〜1.1重量%とすることがさらに好まし
い。この配合量が0.01重量%未満であると得られる
水性樹脂組成物の耐水性及び耐溶剤性の改善効果が小さ
くなる傾向にあり、1.5重量%を越えると得られる重
合体が合成中にゲル化する傾向にある。
【0045】(b3)成分のうちカルボキシル基を有す
る重合性単量体の配合量は、得られる水性樹脂組成物の
ポリオレフィン素材に対する密着性、耐水性、貯蔵安定
性のバランスの点から、(B)成分の総量100重量%
に対して、0.1〜10重量%とすることが好ましく、
0.5〜5重量%とすることがより好ましく、1〜3重
量%とすることがさらに好ましい。この配合量が0.1
重量%未満であると、得られる水性樹脂組成物の貯蔵安
定性の改善効果が小さくなる傾向にあり、10重量%を
越えると、ポリオレフィン素材に対する密着性及耐水性
が低下する傾向にある。
【0046】(b3)成分のうちヒドロキシル基を有す
る重合性単量体の配合量は、得られる水性樹脂組成物の
ポリオレフィン素材に対する密着性、耐溶剤性、耐水
性、貯蔵安定性のバランスの点から、(B)成分の総量
100重量%に対して、0.5〜10重量%とすること
が好ましく、1〜6重量%とすることがより好ましく、
1〜4重量%とすることがさらに好ましい。この配合量
が0.5重量%未満であると、得られる水性樹脂組成物
の耐溶剤性及び貯蔵安定性の改善効果が小さくなる傾向
にあり、10重量%を越えると、ポリオレフィン素材に
対する密着性、耐水性が低下する傾向にある。
【0047】(b3)成分のうちその他の重合性単量体
成分の配合量は、(b3)成分の全量であってもよい
が、得られる水性樹脂組成物の密着性、耐溶剤性、貯蔵
安定性、塗装性及び塗膜の耐久性等のバランスの点か
ら、(B)成分の総量100重量に対して、60.5〜
98.79重量%とすることが好ましい。この配合量が
60.5重量%未満であると、得られる水性樹脂組成物
のポリオレフィン素材に対する密着性、塗装性、耐久性
が低下する傾向にあり、98.79重量%を越えると、
得られる水性樹脂組成物の貯蔵安定性が低下する傾向に
ある。
【0048】塩素化ポリオレフィン系樹脂の存在下で前
記重合性単量体混合物を重合させる方法としては、通常
のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方
法に制限されるものではない。
【0049】前記ラジカル重合方法において、有機溶剤
としては、通常、水または水とともに芳香族系溶剤、ケ
トン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エー
テル系溶剤等を使用することができる。芳香族系溶剤と
しては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられ、ケ
トン系溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げら
れ、エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢
酸ブチル、酢酸イソブチル等が挙げられ、アルコール系
溶剤としては、例えば、メチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等が挙げられ、エーテル系溶剤としては、
例えば、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチ
ルカルビトール等が挙げられ、単独又は2種類以上の有
機溶剤を併用してもよい。
【0050】また、前記ラジカル重合法において、重合
開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化
合物等を使用することができる。有機過酸化物として
は、例えば、ベンゾイルパーオキサド、ジクミルパーオ
キサド、ジブチルパーオキサド等が挙げられ、アゾビス
系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスバレロニトリル等が挙げられ
る。重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物
とした上で反応系に添加してもよいし、別に反応系に添
加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添
加してもよい。反応温度は、70〜140℃が好まし
く、80℃〜110℃がより好ましい。反応時間は、1
〜6時間が好ましく、2〜5時間がより好ましい。反応
圧力は、特に制限はなく、通常、常圧下で行われる。
【0051】前述したように塩素化ポリオレフィン系樹
脂(A)の存在下で前記重合性単量体混合物(B)を重
合させることにより、変性塩素化ポリオレフィン系重合
体を重合し、水分散化することで本発明の水性樹脂組成
物を得ることできる。また、水性樹脂組成物と硬化剤と
してポリイソシアネート化合物を配合することで水性塗
料を得ることができる。
【0052】本発明の水性塗料に用いられる硬化剤とし
てのポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
フェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネ
ート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、
テトラメチレジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート等のイソシアネート化合物ならびにこれらのアダ
クト体、ビューレット体及びイソシアヌレート体が挙げ
られる。なお、これらポリイソシアネート化合物として
は、既知のものであり、例えば、バイジュールシリーズ
(商品名、住友バイエルウレタン(株)製)、デュラネー
トシリーズ(商品名、旭化成工業(株)製)などとして市
販されている。
【0053】本発明の水性塗料において、得られる水性
樹脂組成物とポリイソシアネート化合物との混合比は水
性樹脂組成物のヒドロキシル基とポリイソシアネート化
合物のイソシアネート基の当量比(OH/NCO)を
1.0/0.5〜1.0/2.0とすることが好まし
く、1/1.5となる割合で使用することが好ましい。
【0054】本発明の水性樹脂組成物及び水性塗料は、
必要に応じて、無機顔料、有機顔料等を含有するもので
あってもよい。無機顔料としては、例えば、チタン白、
カーボンブラック等が挙げられ、有機顔料としては、フ
タロシアニン系顔料、アゾ系顔料等が挙げられる。これ
らの無機顔料、有機顔料等を含有させる方法としては、
例えば、通常の顔料分散方法を利用することができる。
これらを用いる場合、本発明の水性樹脂組成物中、0.
5〜60重量%とすることが好ましい。
【0055】また、本発明の水性樹脂組成物及び水性塗
料は、必要に応じて各添加剤、例えば、アルミペース
ト、可塑剤、塗膜強化用樹脂、分散剤、顔料沈降防止
剤、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸
収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤等を含んでいてもよ
い。
【0056】本発明に係る水性樹脂組成物及び水性塗料
は、通常の塗装方法に従って塗装に供することができ
る。塗装に際しては、例えば、エアスプレー塗装機、エ
アレススプレー塗装機、静電塗装機、ロールコーター塗
装機、浸漬、ハケ等を用いて塗装することができる。特
に、塗装仕上り外観、膜圧の均一性の観点から、エアー
スプレー塗装機、静電塗装機を用いて塗装することが好
ましい。
【0057】本発明の水性樹脂組成物及び水性塗料は、
ポリオレフィン系の成型品、シート、フィルム等におけ
るポリオレフィン素材などに直接塗装するために供する
ことができ、プライマー、エナメル塗料、メタリック塗
料等として使用することができる。
【0058】本発明の水性樹脂組成物及び水性塗料は、
ポリオレフィン素材に塗布後、室温〜160℃で1〜1
00分間加熱乾燥することが好ましい。加熱することで
乾燥時間を短縮することができる。加熱乾燥条件は、基
材の変形温度等を考慮して適宜選択される。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、部及び%は、それぞれ重量部及び重量%を示す。
【0060】実施例1〜5 冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管およ
び撹拌機を備えた四つ口フラスコには塩素化ポリプロピ
レン樹脂溶液(商品名、ハードレン14LLB、東洋化
成工業(株)製、塩素含有率27重量%、樹脂固形分15
重量%のトルエン溶液、樹脂の重量平均分子量(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリス
チレン換算値)100,000)47重量部及びトルエ
ン47重量部を仕込み、110℃に加熱した。その後、
表1に示す配合割合(重量%)で(b1)〜(b3)成
分と2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を
均一溶解した混合物を調整し、同温度で保温しながら2
時間で滴下し、その後同温度で1時間保温した。
【0061】さらに、トルエン4重量部に2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を均一に溶解
し、その後同温度で保温しながら前記四つ口フラスコに
30分かけて滴下し、その後同温度で2時間保温した。
そして、前記四つ口フラスコを室温まで冷却して加熱残
分が50重量%の変性塩素化ポリオレフィン系重合体を
得た。次に、前記変性塩素化ポリオレフィン系重合体に
イオン交換水を100重量%加え、ホモミキサーで10
分間かけて分散し、その後減圧留去によりトルエンを完
全に除去し、イオン交換水で25重量%になるように調
整して水性樹脂組成物(R−1)〜(R−5)を得た。
【0062】
【表1】
【0063】比較例1〜4 各成分を表2に示す配合割合(重量%)で配合した以外
は、前記実施例1〜5に記載された方法に従い、樹脂組
成物(R−6)〜(R−9)を得た。
【0064】
【表2】
【0065】実施例1〜5および比較例1〜4を用いた
水性塗料の作製 前記実施例1〜5で得られた水性樹脂組成物(R−1)
〜(R−5)及び比較例1〜4で得られた水性樹脂組成
物(R−6)〜(R−9)を用い、表3(重量部)、表
4(重量部)に示すポリイソシアネート化合物を配合
し、イオン交換水でフォードカップ#4で28〜30秒
/20℃になるように希釈して水性塗料とした。
【0066】(塗膜試料の作製)前記実施例1〜5で得
られた樹脂組成物(R−1)〜(R−5)及び比較例1
〜4で得られた水性樹脂組成物(R−6)〜(R−9)
を表面処理が施されていないポリプロピレン成形板に乾
燥膜厚が10〜15μmとなるようにスプレー塗装し、
その後室温で10分間放置した。その後、80℃で30
分乾燥し、得られた塗膜板の性能を評価した。
【0067】(評価)得られた塗膜板について、下記方
法に従い、得られた水性樹脂組成物の貯蔵安定性及び水
性塗料の密着性(初期密着及び温水処理後の密着性)評
価結果を表3、表4に示した。表3及び表4に示される
ように、樹脂組成物(R−1)〜(R−5)は、貯蔵安
定性、密着性、塗膜外観性に優れるものであった。
【0068】密着性(初期密着性) JIS K−5400のゴバン目試験方法に従った。塗
膜上にナイフで1mm間隔で縦横各10本の線を引いて1
00個のゴバン目を作製し、その上にセロファンテープ
を接着させ、テープを剥がし、塗膜上に残存するゴバン
目の数を測定し、下記基準で評価した。 100/100 :密着性が良好 51〜99/100:密着性がやや劣る 50/100以下 :密着性が著しく劣る
【0069】耐水性(温水処理後の密着性) 塗膜板を40℃の温水に240時間浸漬させた後、前記
初期密着性の評価方法に従って密着性を評価した。 100/100 :密着性が良好 51〜99/100:密着性がやや劣る 50/100以下 :密着性が著しく劣る
【0070】耐水性(温水処理後の塗膜外観) ○ :異状なし △ :僅かにブリスタあり × :ブリスタあり ××:白化及びブリスタあり
【0071】貯蔵安定性 容量50mlのガラス容器に水性樹脂組成物を入れ、5℃
及び50℃の雰囲気で1ヶ月間保存する。その後、水性
樹脂組成物の状態を目視により観察した。
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【発明の効果】請求項1及び2記載の水性樹脂組成物
は、貯蔵安定性に優れ、更に未処理の難塗装性ポリオレ
フィン素材への密着性と耐水性に優れ、塗装性ポリオレ
フィン素材にプライマーを必要とせずに直接塗装するこ
と或いは本水性塗料をプライマーとして使用することが
でき、しかも、有機溶剤の使用を削減できる環境保全上
有用である。請求項3及び4記載の水性塗料は、耐久性
に優れ、更に未処理の難塗装性ポリオレフィン素材への
密着性と耐水性に優れ、塗装性ポリオレフィン素材にプ
ライマーを必要とせずに直接塗装すること或いは本水性
塗料をプライマーとして使用することができ、しかも、
有機溶剤の使用を削減できる環境保全上有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA03 DA01 DM15 DP18 HA07 HB07 HB08 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC35 HC46 HC71 HC73 MA11 MA22 QA03 RA07 4J038 CB172 CC011 CC021 CC081 CD021 CD081 CF011 CF021 CG021 CG031 CG061 CG071 CG081 CG141 CG171 CH031 CH041 CH071 CH081 CH121 CH141 CH171 CH201 DB221 GA02 GA08 GA13 GA15 JB15 KA03 KA09 MA08 NA04 NA12 NA26 NA27 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化ポリオレフィン系樹脂3〜40重
    量%の存在下に、(b1)一般式(I) 【化1】 (式中、Xは共重合可能な二重結合を有する基を示し、
    Yは加水分解可能な基又はハロゲン原子を示し、Rは不
    活性な有機基を示し、mは0〜2の整数であり、nは1
    〜3の整数であり、mとnの和は3である)で表される
    不飽和有機シラン化合物、(b2)ノニオン性及び/又
    はアニオン性の重合性界面活性剤及び(b3)1分子中
    に少なくとも1個の重合性二重結合を有する重合性単量
    体を重合させて得られる変性塩素化ポリオレフィン系重
    合体を含有してなる水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 1分子中に少なくとも1個の重合性二重
    結合を有する重合性単量体(b3)が、 2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体、 カルボキシル基を有する重合性単量体、 ヒドロキシル基を有する重合性単量体及びその他の重合
    性単量体を含み、塩素化ポリオレフィン系樹脂、不飽和
    有機シラン化合物(b1)、ノニオン性及び/又はアニ
    オン性の重合性界面活性剤(b2)及び1分子中に少な
    くとも1個の重合性二重結合を有する重合性単量体(b
    3)の総量100重量%に対して、塩素化ポリオレフィ
    ン系樹脂が3〜40重量%、(b1)成分、(b2)成
    分及び(b3)成分からなる重合性単量体が60〜97
    重量%の割合で配合され、しかも、(b1)成分、(b
    2)成分及び(b3)成分からなる重合性単量体の総量
    100重量%に対して、(b1)成分が0.1〜3重量
    %、(b2)成分が0.5〜15重量%、(b3)成分
    が82.0〜99.4重量%の割合で配合されてなる請
    求項1記載の水性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の水性樹脂組成物
    と硬化剤としてポリイソシアネート化合物を組み合わせ
    てなる水性塗料。
  4. 【請求項4】 水性樹脂組成物とポリイソシアネート化
    合物との混合比が、水性樹脂組成物のヒドロキシル基と
    ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比
    (OH/NCO)が1.0/0.5〜1.0/2.0で
    ある請求項3記載の水性塗料。
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