JPH10182332A - 両親媒性キトサン誘導体及びこれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents
両親媒性キトサン誘導体及びこれを含有する皮膚外用剤Info
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- JPH10182332A JPH10182332A JP8354854A JP35485496A JPH10182332A JP H10182332 A JPH10182332 A JP H10182332A JP 8354854 A JP8354854 A JP 8354854A JP 35485496 A JP35485496 A JP 35485496A JP H10182332 A JPH10182332 A JP H10182332A
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Abstract
分散安定化剤及び乳化剤として好適な両親媒性キトサン
誘導体を得、それを含有させることにより、安定性及び
安全性が高く、良好な抗菌性及び保湿性を有する皮膚外
用剤を得る。 【解決手段】 N-アシルアミノ糖,N-アルキルアミノ
糖,N-アルケニルアミノ糖又は糖エステルを、キトサン
又は部分脱アセチル化キチンのアミノ基に導入して、両
親媒性キトサン誘導体を得る。また、これらの1種又は
2種以上を含有させて、皮膚外用剤とする。皮膚外用剤
中の両親媒性キトサン誘導体の含有量としては、0.0
1〜10.0重量%が適当である。
Description
乳化剤として有用な両親媒性キトサン誘導体、及びそれ
らの1種又は2種以上を含有して成る、保湿性,抗菌性
及び安定性に優れる皮膚外用剤に関する。さらに詳しく
は、キトサン又は部分脱アセチル化キチンのアミノ基に
N-アシルアミノ糖,N-アルキルアミノ糖,N-アルケニル
アミノ糖又は糖エステルを導入して成る両親媒性キトサ
ン誘導体、及びこれらの1種又は2種以上を含有する皮
膚外用剤に関する。
腱等に豊富に存在するキチンを脱アセチル化して得られ
る、アミノ基を含有する多糖類である。キトサンについ
ては、抗菌性を有することが知られており、抗菌剤とし
ての利用が開示されている(特公平1−56755)。
また、う蝕や歯槽膿漏等の防止効果を目的とした口腔用
組成物への応用(特公平3−15604,同7−721
23)も提案されている。その他、毛髪用組成物や浴用
剤への応用もなされている(特公平4−60570,同
4−53844,同7−68114)。
ヒドロキシプロピル基,ヒドロキシブチル基,アルキル
ヒドロキシプロピル基等を導入したもの(特公平4−1
7928,同6−67966)や、4級化キトサン誘導
体(特公平6−27121,同6−67965)の毛髪
或いは皮膚用組成物への応用が知られている。
れ、キトサン又はキトサングリコール誘導体を用いた乳
化組成物も開示されている(特公平4−5489)。ま
た、キトサンのアミノ基に還元糖を導入して成る誘導体
について、増粘剤及びゲル化剤としての利用が検討され
ており、皮膚化粧料,皮膚洗浄料,毛髪用洗浄料に応用
されている(特開平2−133401,同2−1343
08,同2−134310,同2−134312)。
溶性に乏しく、また種々の誘導体が合成されているが、
それらの多くは水溶性又は親油性を付与したり、陽電荷
を付与するものであり、皮膚外用剤において安定な乳化
物を得るのに十分な両親媒性を有するキトサン誘導体は
知られていない。
は、十分な両親媒性を有し、皮膚外用剤において分散安
定化剤又は乳化剤として好適に使用でき、安全で抗菌性
及び保湿性も期待できる新規な両親媒性キトサン誘導体
を得ること、及びその利用により、安定性及び安全性が
高く、良好な抗菌性及び保湿性を有する皮膚外用剤を得
ることを目的とした。
め、本発明においては、キトサン又は部分脱アセチル化
キチンのアミノ基に親油性基を有する糖類を導入するこ
とを試みた。その結果、本発明の目的に適う両親媒性キ
トサン誘導体を得ることができた。
誘導体は、N-アシルアミノ糖,N-アルキルアミノ糖,N-
アルケニルアミノ糖又は糖エステルを、キトサン又は部
分脱アセチル化キチンのアミノ基に導入して成り、それ
ぞれ次の式で表される。 (RCO-NH-X-NH)n-Y (R-NH-X-NH)n-Y (RCO-X-NH)n-Y (式中Rは炭素数2〜22のアルキル又はアルケニル
基,Xは糖,Yはキトサン又は部分脱アセチル化キチ
ン,nは1以上の整数を示す)
の両親媒性キトサン誘導体より選択された1種又は2種
以上を含有して成る。
水溶性と親油性を示し、油性物質の可溶化能に優れ、乳
化安定化剤として有用である。また、皮膚親和性が高く
且つ低刺激性で、さらに高分子であるため経皮吸収性が
低く、皮膚に対する一次刺激反応,感作反応を示さな
い。さらに良好な抗菌性,保湿性を有する。
導体の1種又は2種以上を含有して成る皮膚外用剤は、
安定性及び安全性に優れ、良好な抗菌性,皮膚親和性及
び保湿性を有する。
ン誘導体を調製するのに用いるキトサンは、キチンを脱
アセチル化して得られる。また完全に脱アセチル化して
得られるキトサンの他、脱アセチル化度が45%以上の
部分脱アセチル化キチンをも用いることができる。これ
らキトサン又は部分脱アセチル化キチンとしては、分子
量1,000〜1,000,000程度のものが物性等
の面で好適である。
シルアミノ糖を調製するのに用いるアミノ糖としては、
D-グリセルアルデヒドといったアルドトリオース、D-エ
リスロース,D-トレオース等のアルドテトロース、D-及
びL-アラビノース,D-キシロース,D-リキソース,D-リ
ボース等のアルドペントース、D-グルコース,D-及びL-
ガラクトース,D-マンノース,D-タロース等のアルドヘ
キソース、ジヒドロキシアセトンといったケトトリオー
ス、D-及びL-エリスロロースといったケトテトロース、
D-及びL-リブロース,D-及びL-キシルロースといったケ
トペントース、D-フルクトース,D-プシコース,L-ソル
ボース,D-タガトース等のケトヘキソース、セドヘプツ
ロース等のケトヘプトースといった単糖類及びこれらの
誘導体のアミノ化生成物、前記単糖類及びその誘導体の
アミノ化生成物より成る二糖類,三糖類といったオリゴ
糖類、前記単糖類及びその誘導体のアミノ化生成物を1
種以上含む二糖類,三糖類といったオリゴ糖類などで、
還元性を有するものが使用される。
ミン,3-アミノ-3-デオキシ-D-リボース,カノサミン,
D-グロサミン,D-タロサミン,ノイモサミン,D-フコサ
ミン,L-フコサミン,D-マンノサミン,ミコサミン,D-
ムラミン酸,D-ガラクトサミヌロン酸,D-グルコサミヌ
ロン酸,D-マンノサミヌロン酸,ノイラミン酸,キトビ
オース,キトトリオース,ヒアロビオウロン酸,ヘパロ
シン,コンドロシン,ラクトサミン,ラクトビオース,
ラクトトリオース,ラクトテトラオース,ラクトフコペ
ンタオース等が挙げられる。
基としては、プロピオニル,ブチリル,ペンタノイル
(バレリル),オクタノイル,デカノイル,ヘキサデカ
ノイル(パルミトイル),オクタデカノイル(ステアロ
イル),エイコサノイル,ドコサノイル,トリコサノイ
ル等の炭素数3〜23の直鎖アルキロイル基、イソプロ
ピオニル,イソブチリル,イソペンタノイル,イソパル
ミトイル,イソステアロイル等の炭素数3〜23の分岐
鎖を有するアルキロイル基、プロペノイル,ヘキセノイ
ル,デセノイル,ウンデセノイル,オレオイル等の炭素
数3〜23のアルケノイル基が、アルキル基としては、
エチル,プロピル,ブチル,オクチル,デシル,ドデシ
ル(ラウリル),テトラデシル(ミリスチル),ヘプタ
デシル(パルミチル),オクタデシル(ステアリル),
エイコシル,ドコセニル(ベヘニル),イソプロピル,
イソブチル,イソパルミチル,イソステアリル等の炭素
数2〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基が、アルケニル
基としては、エテニル(ビニル),プロペニル,ブテニ
ル,オクテニル,デセニル,オクタデセニル(オレイ
ル),ドコセニル等の炭素数2〜22のアルケニル基が
挙げられる。
は、酸塩化物,酸無水物等のアシル化試薬を用いて行う
ことができ、アルキル基及びアルケニル基の導入は、シ
アノ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤の存在下に、ア
ルデヒドと反応させることにより容易に行うことができ
る。
る糖エステルとしては、D-グリセルアルデヒドといった
アルドトリオース、D-エリスロース,D-トレオース等の
アルドテトロース、D-及びL-アラビノース,D-キシロー
ス,D-リキソース,D-リボース等のアルドペントース、
D-グルコース,D-及びL-ガラクトース,D-マンノース,
D-タロース,L-ラムノース等のアルドヘキソース、ジヒ
ドロキシアセトンといったケトトリオース、D-及びL-エ
リスロロースといったケトテトロース、D-及びL-リブロ
ース,D-及びL-キシルロースといったケトペントース、
D-フルクトース,D-プシコース,L-ソルボース,D-タガ
トース等のケトヘキソース、セドヘプツロース等のケト
ヘプトース、D-アピオース,D-ハマメロース等の分枝糖
類といった単糖類、キシロビオース,キシロトリオー
ス,キシロテトラオース,キシロペンタオース,アガロ
ビオース,カラビオース,マルトース,マルトトリオー
ス,マルトテトラオース,マルトペンタオース,マルト
ヘキサオース,ソホロース,ソホロトリオース,セロビ
オース,セロトリオース,セロテトラオース,マンノビ
オース,マンノトリオース,イヌロビオース,イヌロト
リオース,ラクトース,マルツロース,ラクツロース等
のホモ又はヘテロオリゴ糖で還元性を有するものと、炭
素数3〜23の直鎖又は分岐鎖飽和もしくは不飽和脂肪
酸とのエステルを用いることができる。
の水酸基をベンジル基等で保護した後、酸塩化物,酸無
水物等を用いてエステル化する方法や、エステル交換法
等により合成することができる。
アルキル又はN-アルケニルアミノ糖、或いは糖エステル
をキトサン又は部分脱アセチル化キチンの遊離アミノ基
に導入する。これらN-アシルアミノ糖,N-アルキルアミ
ノ糖,N-アルケニルアミノ糖及び糖エステルは還元性を
有し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤の存在
下に、一段階でキトサン等に導入することができる。キ
トサン又は部分脱アセチル化キチンに対するこれら還元
糖の導入は、置換度が0.1〜1.0の範囲で行うこと
ができる。導入する糖鎖の種類,長さ、アシル,アルキ
ル又はアルケニル基の鎖長及びキトサン等における置換
度により、両親媒性キトサン誘導体の親水性及び親油性
(HLB値),増粘性,レオロジー的挙動等を制御でき
る。
調製される両親媒性キトサン誘導体より選択される1種
又は2種以上を含有させ、皮膚外用剤とする。本発明
は、油性成分や粉体等の不溶性成分、難溶性成分を乳化
或いは分散して成る皮膚外用剤、又は適度な粘性を必要
とする皮膚外用剤に好適に応用でき、ローション剤,乳
剤,ゲル剤,クリーム剤,軟膏剤等の剤型で提供し得
る。さらに、化粧水,乳液,ゲル,クリーム,パック等
の皮膚用化粧料、メイクアップベースローション又はク
リーム,乳液状又はクリーム状ファンデーション,乳化
型アイカラー,乳化型チークカラー,乳化型口紅等のメ
イクアップ化粧料、ヘアーシャンプー,ヘアーリンス,
ヘアートリートメント等の毛髪用化粧料,クレンジング
ローション,ゲル,クリーム等の洗浄用化粧料などの形
態で提供することができる。かかる皮膚外用剤への両親
媒性キトサン誘導体の配合量としては、0.01〜1
0.0重量%程度が適当である。
的に他の界面活性剤や分散安定化剤、水溶性高分子化合
物等の増粘剤を含有させることもできる。その他、油脂
類,ロウ類,炭化水素類,脂肪酸類,低級アルコール
類,高級アルコール類,多価アルコール類,エステル
類,皮膚細胞賦活剤,抗炎症剤,抗酸化剤,美白剤,保
湿剤,紫外線吸収剤,防腐防黴剤,香料等、通常皮膚外
用剤に用いられる成分を含有させることができる。
説明する。
て、実施例1〜実施例10を調製した。主鎖として用い
たキトサン類,導入した糖鎖及び置換度について、表1
に示した。なお、表1中のキトサンとしては、分子量1
0,000程度のものを、部分脱アセチル化キチンとし
ては、分子量30,000程度のキチンを脱アセチル化
したものを用いた。これらは、1容量%の酢酸・メタノ
ール1:1混合溶液中において、シアノ水素化ホウ素ナ
トリウムの存在下に、室温で48時間〜144時間反応
させて生成させた。これら両親媒性キトサン誘導体の化
学構造の一例として、実施例1について化学式1に示し
た。
0〜65,n/(m+n)=0.68である。)
て、各1.0重量%水溶液の25℃における粘度をブル
ックフィールド型粘度計により測定した。また、実施例
1〜実施例10のそれぞれについて1.0重量%と、流
動パラフィン25.0重量%及び精製水74.0重量%
を含有する乳化組成物を調製し、−5℃,25℃及び5
0℃で3カ月間保存した際の状態変化を観察した。結果
は、「○;良好な乳化物が得られ、保存期間中状態の変
化が見られない」,「△;乳化物は得られたが、保存期
間中に若干の分離等の状態変化が見られた」,「×;乳
化物が得られない、或いは保存期間中の分離等の状態変
化が著しい」として表した。なお、本発明の実施例の替
わりにキトサン塩酸塩を用いた比較例についても、同時
に前記測定及び評価を行った。結果は表2に示した。
例1〜実施例10の水溶液はいずれも良好な増粘性を示
し、また良好な両親媒性を有しており、流動パラフィン
を安定に乳化することができた。これに対し、本発明に
係る両親媒性キトサン誘導体の替わりにキトサン塩酸塩
を用いた比較例では、増粘効果は認められるものの、流
動パラフィンの乳化安定化作用は十分ではなく、−5℃
及び50℃に保存した場合は著しい分離を呈した。
実施例の処方を示す。
る。
し、70℃に保つ。一方、(5)〜(8)の水相成分を混合,
加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に前記
油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却す
る。
え、さらに(1)に(5)を溶解させて添加する。
熱する。一方、(6)〜(11)の水相成分を混合,溶解して
75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分を
添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化
し、冷却する。
し、75℃に保つ。一方、(3)〜(7)の水相成分を混合,
加熱して均一とし、75℃とする。この水相成分に前記
油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却後
40℃にて(8)を添加,溶解する。
た後、(1)〜(3)に(6),(7)を溶解して添加,混合する。
れに、(5),(6)を(3),(4)に溶解して添加,混合する。
これに(7),(8)を(6)に溶解させて添加,混合する。
(6)で練って添加,混合し、70℃に加熱する。一方、
(1)〜(3)の油相成分を混合,加熱して70℃とし、これ
を前記水相に攪拌しながら添加して乳化する。乳化後冷
却して40℃にて(8)を添加,混合する。
る。(12)を70℃に加熱し、(9)を加えてよく膨潤さ
せ、これに(8)を加え、さらに(10),(11)を添加し、溶
解させる。(1)〜(7)の油相は混合し、加熱,融解して8
0℃とする。前記顔料を水相に攪拌しながら加え、コロ
イドミルを通して75℃とし、前記油相を攪拌しながら
加えて乳化し、冷却後40℃にて(13)を添加する。
させる。
方、(1)〜(3)を混合,溶解し、70℃に加熱する。この
油相を攪拌しながら先に調製した水相に徐々に加えて予
備乳化し、ホモミキサーを加えて均一とした後冷却し、
40℃にて(7)を添加,混合する。
まず乳化安定性及び抗菌活性を評価した。その際、各実
施例において、両親媒性キトサン誘導体を、表3に示す
ようにそれぞれキトサン塩,非イオン性又は陰イオン性
界面活性剤或いは陽イオン性ポリマーに代替して調製し
た比較例11〜比較例22についても、同時に評価し
た。
の各試料を−5℃,25℃及び50℃で3カ月間保存
し、状態の変化を観察した。評価結果は、「○;状態の
変化を認めない」,「△;配合成分の分離,凝集,析出
等がわずかに認められる」,「×;配合成分の分離,凝
集,析出等が顕著に認められる」として表し、表4に示
した。
(Escherichia coli),黄色ブドウ球菌(Staphylococc
us aureus),緑濃菌(Pseudomonas aeruginosa)及び
アクネ菌(Propionibacterium acnes)を、真菌として
カンジダ菌(Candida albicans),黒カビ(Aspergillu
s niger)及びフケ菌(Pityrosporum ovale)を用い、
試料1g当たり細菌は1×106個,真菌は1×105個
を植菌し、37℃及び25℃でそれぞれ培養して、2週
間後の生菌数を測定した。結果は表5において、細菌に
ついては生菌が認められなかった場合を○、真菌につい
ては生菌が植菌数の1/1000に相当する102個以
下となった場合を○として示した。
施例22は、−5℃,25℃及び50℃の各試験温度に
おいて、すべて良好な安定性を示した。これに対し、本
発明に係る両親媒性キトサン誘導体をキトサン塩に代替
して調製した乳化組成物である比較例12及び比較例2
0では、各試験温度において顕著な状態変化を認め、安
定性は悪かった。また、両親媒性キトサン誘導体の替わ
りにキトサン塩を用いて調製したゲル剤である比較例1
3では、−5℃及び50℃において若干の状態変化を認
めており、同じくキトサン塩で増粘させた比較例16及
び比較例17では、−5℃において若干の状態変化を示
していた。
22は、一般の防腐剤を全く含有しないか、或いは低濃
度含有するのみであるにもかかわらず、いずれもすべて
の試験菌に対して十分な抗菌活性を示していた。これに
対し、本発明に係る両親媒性キトサン誘導体を従来の非
イオン性又は陰イオン性界面活性剤に代替した比較例1
4,比較例15,比較例18,比較例19,比較例2
2、及び陽イオン性ポリマーに代替した比較例21で
は、一部の試験菌或いはすべての試験菌について十分な
抗菌活性が認められていなかった。
例11〜比較例15について使用試験を行い、保湿性,
皮膚との馴染み,皮膚刺激性及び皮膚の異常症状発生状
況について評価した。使用試験は20才〜50才代の女
性パネラー20名を1群とし、各群に実施例及び比較例
のそれぞれをブラインドにて1週間使用させて行った。
保湿性については「高い;5点」,「やや高い;4
点」,「普通;3点」,「やや低い;2点」,「低い;
1点」、皮膚との馴染みについては「良い;5点」,
「やや良い;4点」,「普通;3点」,「やや悪い;2
点」,「悪い;1点」として官能評価させて点数化し、
20名の平均値を求めた。また皮膚刺激性は、使用試験
期間中に痛みやかゆみ、或いはヒリヒリ感,チクチク感
といった不快感を感じたか否かを回答させ、その程度を
表6に示す基準に従って点数化させて20名の平均値を
求めて評価した。皮膚の異常症状についても、使用試験
期間中に発赤,発疹,浮腫等の異常症状が生じたか否か
を回答させ、その程度を表7に示す基準に従って点数化
させ、各パネラーの合計点の平均値を算出して評価し
た。以上の結果は表8にまとめて示した。
いずれも保湿性及び皮膚との馴染みについて非常に高い
評価が得られている。各実施例は両親媒性キトサン誘導
体をキトサン塩又は非イオン性或いは陰イオン性界面活
性剤に代替した各比較例に比べて有意に高い評価を得て
いた。また、本発明の実施例については、いずれにおい
ても明確な皮膚刺激性や皮膚異常は認められていない。
これに対し、両親媒性キトサン誘導体を非イオン性或い
は陰イオン性界面活性剤に代替した比較例14及び比較
例15では、若干の皮膚刺激性及び皮膚異常症状の発生
を認めていた。
分な両親媒性を有し、皮膚外用剤において分散安定化剤
又は乳化剤として好適に使用でき、安全で抗菌性及び保
湿性も期待できる新規な両親媒性キトサン誘導体を得る
ことができ、さらにそれらを含有させることにより、安
定性及び安全性が高く、良好な抗菌性及び保湿性を有す
る皮膚外用剤を得ることができた。
Claims (5)
- 【請求項1】 式 (RCO-NH-X-NH)n-Y (式
中Rは炭素数2〜22のアルキル又はアルケニル基,X
は糖,Yはキトサン又は部分脱アセチル化キチン,nは
1以上の整数を示す) で表されるN-アシルアミノ糖を
アミノ基に導入して成る両親媒性キトサン誘導体。 - 【請求項2】 式 (R-NH-X-NH)n-Y (式中R
は炭素数2〜22のアルキル又はアルケニル基,Xは
糖,Yはキトサン又は部分脱アセチル化キチン,nは1
以上の整数を示す) で表されるN-アルキルアミノ糖又
はN-アルケニルアミノ糖をアミノ基に導入して成る両親
媒性キトサン誘導体。 - 【請求項3】 式 (RCO-X-NH)n-Y (式中Rは
炭素数2〜22のアルキル又はアルケニル基,Xは糖,
Yはキトサン又は部分脱アセチル化キチン,nは1以上
の整数を示す) で示される糖エステルをアミノ基に導
入して成る両親媒性キトサン誘導体。 - 【請求項4】 請求項1のN-アシルアミノ糖をアミノ基
に導入して成る両親媒性キトサン誘導体,請求項2のN-
アルキルアミノ糖又はN-アルケニルアミノ糖をアミノ基
に導入して成る両親媒性キトサン誘導体及び請求項3の
糖エステルをアミノ基に導入して成る両親媒性キトサン
誘導体より成る群から選ばれる1種又は2種以上を含有
して成る、皮膚外用剤。 - 【請求項5】 皮膚外用剤が化粧料であることを特徴と
する、請求項4に記載の皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP35485496A JP3977470B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 両親媒性キトサン誘導体及びこれを含有する皮膚外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH10182332A true JPH10182332A (ja) | 1998-07-07 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3977470B2 (ja) |
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1996
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