JPH10175993A - 制癌性抗生物質フタロシン及び6−o−メチルフタロシン又はそれらのエステル類 - Google Patents

制癌性抗生物質フタロシン及び6−o−メチルフタロシン又はそれらのエステル類

Info

Publication number
JPH10175993A
JPH10175993A JP33706196A JP33706196A JPH10175993A JP H10175993 A JPH10175993 A JP H10175993A JP 33706196 A JP33706196 A JP 33706196A JP 33706196 A JP33706196 A JP 33706196A JP H10175993 A JPH10175993 A JP H10175993A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
methylphthalosin
phthalosine
compound
methyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33706196A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
Makoto Hori
誠 堀
Masa Hamada
雅 浜田
Hiroshi Osanawa
博 長縄
Nobuo Hosokawa
信夫 細川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Microbial Chemistry Research Foundation
Original Assignee
Microbial Chemistry Research Foundation
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Microbial Chemistry Research Foundation filed Critical Microbial Chemistry Research Foundation
Priority to JP33706196A priority Critical patent/JPH10175993A/ja
Publication of JPH10175993A publication Critical patent/JPH10175993A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト癌細胞に対して制癌活性を有し、特にヒ
ト・パピローマ・ウイルス(HPV)に感染し、その遺伝
子の発現が認められる子宮頸部癌細胞(HPV+)の増殖を
選択的に阻害する制癌活性を有する新規な抗生物質を提
供する。 【解決手段】 フタロシン生産菌の培養によって、一般
式(I)で表わされるフタロシンを得る。フタロシンは
その制癌活性及びその他の上記の生物活性が弱いが、フ
タロシンから誘導されたジメチルフタロシンは、ヒトの
子宮頸部癌でも特にHPV+の子宮頸部癌に選択的な作用を
有して、その増殖を阻害するすぐれた制癌作用を有す
る。また、フタロシンアルキルエステル、6-O-メチル
フタロシン及びこれのアルキルエステルも得られた。 一般式(I): 〔式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、フタロシ
ンではR1は水素原子であり、6-O-メチルフタロシン
ではR1はメチル基である〕で表される化合物である制
癌性抗生物質フタロシン又は6-O-メチルフタロシン、
あるいはこれらの低級アルキルエステル又は塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制癌活性を有する
新規な抗生物質であるフタロシン及び6-O-メチルフタ
ロシン、あるいは、これらの低級アルキルエステル又は
塩に関する。さらに詳しく言えば、本発明の抗生物質の
うち、6-O-メチルフタロシンは癌細胞に対する制癌活
性を有し、特にヒト子宮頸部癌細胞に対する制癌作用を
有するものであり、殊にヒト・パピローマ・ウイルス(H
PV)の遺伝子発現が認められないヒトの子宮頸部癌株(HP
V-)であるC-33A、HT-3細胞株の増殖を阻害するが、それ
よりも、HPVの遺伝子発現が認められるヒトの子宮頸部
癌株(HPV+)であるHeLa-S3、CaSki細胞株の増殖を強く阻
害する制癌活性を有する新規な抗生物質である。
【0002】また本発明は、これら新規な制癌性抗生物
質フタロシン又は6-O-メチルフタロシン、あるいはそ
れらのアルキルエステル又は塩を有効成分とする制癌剤
に関する。さらに本発明はそれらフタロシン類の製造法
にも関する。
【0003】
【従来の技術】微生物が生産する抗生物質であって制癌
活性を有するヌクレオシド系抗生物質は数多く知られて
いる。また、本発明の新規抗生物質フタロシン又はその
6-O-メチル誘導体に近似する化学構造を有して且つ微
生物の生産する既知の抗生物質には、これまでにフオル
マイシンB〔G.Koyama,「テトラヒドロン.レター」6
巻、第597〜602頁(1966)〕、グリセオール酸〔F.Nakag
awa,「ザ.ジャーナル.オブ.アンチビオテックス」38
巻、第823〜829頁(1985)〕およびシネフジン〔R.Nagar
ajan,「プログラム.アンド.アブストラクト.オブ.1
7回インターサイエンス.カンファレンス.オン.アン
チマイクロバイオロジー.エージェンツ.ケモテラピ
ー」50巻、ニューヨーク、12〜14頁(1977)〕が報告さ
れている。また、合成品としては、イノシンプラノベク
ス〔Deborach M.Campoli-Richards,「ドラッグズ」32
巻、第383〜444頁(1986)〕およびイノシプレクス〔三
好ら、「癌と化学療法」11巻、第441〜444頁(昭和59
年)〕が報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来知られた制癌性抗
生物質は完全には満足できるものではなく、新しい制癌
性抗生物質を提供することは常に要望されている。他
方、ヒト子宮頸部癌の約70%には造腫瘍型のヒト・パピ
ローマ・ウイルス(HPV)のE6遺伝子、E7遺伝子が組み
込まれていて、それらの遺伝子産物が癌抑制遺伝子産物
Rbやp53の働きを阻害することが癌化の一因であると考
えられている。そして、ヒト子宮頸部癌の治療に有効な
制癌剤を開発することも従来から要望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、HPV遺伝
子の発現や、その遺伝子産物の機能を阻害する物質の発
見を目指して、微生物の生産する新規な抗生物質を取得
し、その生理活性を調べる研究を行っている。その結
果、土壌より分離された放線菌であり、ストレプトミセ
ス属に属しているMK359-NF1の菌株番号を付した新規な
菌株を培養し、得られた培養液中に上記のとおりの選択
的な癌細胞増殖阻害活性を有する制癌性抗生物質の1種
が産生されていることを見いだした。また、本発明者ら
はその物質を単離して、化学構造を決定することに成功
した。今回単離された制癌性抗生物質は、後記の式(I
a)で表される新規な化合物であると認めたので、それ
をフタロシン(Futalosine)と命名した。更に、このフ
タロシンから出発して6-O-メチルフタロシン並びにフ
タロシン又は6-O-メチルフタロシンの各種の低級アル
キルエステルを合成することに成功した。
【0006】本発明者らにより今回得られた6-O-メチ
ルフタロシンのメチルエステルは、後記では、単にジメ
チルフタロシンと略記することがあり、またフタロシン
のメチルエステルは単にメチルフタロシンと略記するこ
とがある。なお、本発明者らによって今回得られたフタ
ロシン及びこれの誘導体のうち、ジメチルフタロシン
は、特にヒトの子宮頸部癌に選択的に細胞毒性を示す制
癌性物質であり、その中でもHPV-の子宮頸部癌株C-33A
やHT-3の増殖を阻害する活性を有するが、この場合の活
性に比べ、HPV+の子宮頸部癌株であるHeLa-S3細胞、CaS
ki細胞の増殖を10〜20倍も強く阻害する活性を有するこ
とが認められた。
【0007】更に、最も細胞毒性が強いジメチルフタロ
シンはHeLa細胞の核酸合成を25μg/mlの濃度で30〜40%
程度阻害する活性を有した。しかし、同じ濃度で蛋白質
合成を阻害する作用は認められなかった。
【0008】従って、第1の本発明によれば、新規な抗
生物質として、次の一般式(I) 〔式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、フタロシ
ンではR1は水素原子であるが、6-O-メチルフタロシ
ンではR1はメチル基である〕で表される制癌性抗生物
質フタロシン又は6-O-メチルフタロシン、あるいはこ
れらの低級アルキルエステル又は薬学的に許容できる塩
が提供される。
【0009】第1の本発明によるフタロシン又は6-O-
メチルフタロシンの低級アルキルエステルの低級アルキ
ル基は(C1〜C4)アルキル基、好ましくはメチル、エチ
ル、n-プロピル又はn-ブチル基であることができる。ま
た、フタロシン又は6-O-メチルフタロシンの薬学的に
許容できる塩には、フタロシン又は6-O-メチルフタロ
シンのカルボキシル基を薬学的に許容できるカチオン、
例えばナトリウム又はカリウムのようなアルカリ金属の
カチオン、あるいはアンモニウムイオン、もしくはカル
シウムのようなアルカリ土類金属のカチオンと反応させ
て形成される塩がある。
【0010】第1の本発明による一般式(I)で表され
るフタロシン又は6-O-メチルフタロシン、あるいはこ
れらのエステルの例としては、下記の4種の化合物を包
含する。
【0011】(1) 次式(Ia) で表されるフタロシン。フタロシンのIUPAC名は、5′-
〔2-(3-カルボニルフェニル)-2-オキソエチル〕-5′-デ
オキシイノシンである。
【0012】(2) 次式(Ib) で表されるフタロシン・メチルエステル(すなわちメチ
ルフタロシン)。このメチルフタロシンのIUPAC名は、
5′-〔2-〔3-(メトキシカルボニル)フェニル〕-2-オキ
ソエチル〕-5′-デオキシイノシンである。
【0013】(3) 次式(Ic) で表される6-O-メチルフタロシン。6-O-メチルフタ
ロシンのIUPAC名は、5′-〔2-(3-カルボニルフェニル)-
2-オキソエチル〕-5′-デオキシ-6-O-メチルイノシン
である。
【0014】(4) 次式(Id) で表される6-O-メチルフタロシン・メチルエステル
(すなわちジメチルフタロシン)。このジメチルフタロ
シンのIUPAC名は5′-〔2-〔3-(メトキシカルボニル)フ
ェニル〕-2-オキソエチル〕-5′-デオキシ-6-O-メチル
イノシンである。
【0015】第1の本発明によるフタロシン、メチルフ
タロシン及び6-O-メチルフタロシンの3種類は、弱酸
性物質であって、例えば薬学的に許容できるアルカリ金
属の塩基性塩、例えば炭酸水素ナトリウムと反応させて
塩にすることができる。ジメチルフタロシンは中性物質
である。
【0016】第1の本発明によるフタロシン、6-O-メ
チルフタロシン又はこれらの低級アルキルエステル又は
塩は、前記のとおりすぐれた制癌活性を有するものであ
り、また免疫調節活性、抗原虫活性及び(又は)抗ウイ
ルス活性を有することが期待される。
【0017】次に、本発明のフタロシン及び6-O-メチ
ルフタロシンあるいはこれらのメチルエステルの物理化
学的性質を詳しく記載する。
【0018】1.フタロシン〔式(Ia)の化合物〕 (1) 性状: 微黄色粉末 (2) 分子式: C191847 (3) 分子量: 414 (4) 比旋光度: 〔α〕D 24=+1.57°(c 0.40, MeOH) (5) 質量分析: FAB-MS (m/z): 413 (M-H)- (6) 溶解性: 水、ジメチルスルホキシドに可溶である
が、メタノール、アセトン、クロロホルム、ヘキサンに
難溶である。
【0019】(7) 酸性、中性、塩基性の区別: 弱酸性物
質 (8) TLCのRf値: (i) シルカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社 Art
5715: プロパノール-水-1Nアンモニア=10:1:1で展
開); 0.57 (ii) シルカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社 Art
5715: n-ブタノール-メタノール-水=5:1:2で展開);
0.48 (9) HPLC(高速液体カラムクロマトグラフィー) カラム; センシューパック(2151-A) 6φ-150mm 流液; 30%メタノール/12mMリン酸バッファー(pH 2.8) 流速; 2ml/min 検出波長; 250nm カラム温度; 40℃ 保持時間: 7.2分
【0020】(10) 紫外部吸収スペクトルのピーク (i) 水溶液中波 長(nm) (log ε) 245 3.96 (ii) 水-0.1N水酸化ナトリウム溶液中波 長(nm) (log ε) 250 3.99 (iii) 水-0.1N塩酸溶液中波 長(nm) (log ε) 220 4.17 243 3.93 (11) 赤外吸収スペクトル(KBr錠); 添付図面の図1に示
す。 ピーク波数(cm-1): 3200, 1700, 1605, 1560, 1395 (12) 1H-核磁気共鳴スペクトル(重水中); 添付図面の図
2に示す。 (13) 13C-核磁気共鳴スペクトル(重水中); 添付図面の
図3に示す。
【0021】2.フタロシンメチルエステル(略称:メ
チルフタロシン)〔式(Ib)の化合物〕 (1) 性状: 白色粉末 (2) 分子式: C202047 (3) 分子量: 428 (4) 比旋光度: 〔α〕D 24=+25.7°(c 0.27, MeOH) (5) 質量分析: FAB-MS(m/z): 427 (M-H)- (6) 溶解性: メタノール、エタノール、ジメチルスルホ
キシドに可溶であるが、水、クロロホルム、アセトン、
ヘキサンに難溶である。
【0022】(7) 酸性、中性、塩基性の区別: 弱酸性物
質 (8) TLCのRf値 (i) シリカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社 Art
5715:n-ブタノール−メタノール−水=5:1:2で展
開); 0.62 (ii) シリカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社 Ar
t 5715:クロロホルム−メタノール=5:1で展開); 0.32 (9) HPLC(高速液体カラムクロマトグラフィー) カラム: センシューパック(2151-A)6φ-150mm 流液: 40%メタノール/12mM リン酸バッファー(pH 2.
8) 流速: 2ml/min カラム温度: 40℃ 保持時間: 5.3分
【0023】(10) 紫外部吸収スペクトルのピーク (i) メタノール溶液中波 長 (nm) (log ε) 215 4.41 242 4.04 275(sh) 3.34 (ii) メタノール−0.1N水酸化ナトリウム溶液中波 長 (nm) (log ε) 250 4.04 (iii) メタノール−0.1N塩酸溶液中波 長 (nm) (log ε) 215 4.37 242 4.08 (11) 赤外吸収スペクトル (KBr錠): 添付図面の図4に
示す。 ピーク波数(cm-1): 3300, 2950, 1720, 1695, 1600, 1
560, 1520 (12) 1H-核磁気共鳴スペクトル(重メタノール中); 添付
図面の図5に示す。 (13) 13C-核磁気共鳴スペクトル(重メタノール中); 添
付図面の図6に示す。
【0024】3.6-O-メチルフタロシン〔式(Ic)の化
合物〕 (1) 性状: 白色粉末 (2) 分子式: C202047 (3) 分子量: 428 (4) 比旋光度: 〔α〕D 24=−33.6°(c 0.19, H2O) (5) 質量分析: FAB-MS(m/z): 427 (M-H)- (6) 溶解性: 水、ジメチルスルホキシドに可溶である
が、メタノール、アセトン、クロロホルム、ヘキサンに
難溶である。
【0025】(7) 酸性、中性、塩基性の区別: 弱酸性物
質 (8) TLCのRf値 (i) シリカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社 Art
5715: プロパノール−水−1N アンモニア=10:1:1で
展開); 0.59 (ii) シリカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社 Ar
t 5715:n-ブタノール−メタノール−水=5:1:2で展
開); 0.44 (9) HPLC(高速液体カラムクロマトグラフィー) カラム: センシューパック(2151-A)6φ-150mm 流液: 40%メタノール/12mM リン酸バッファー(pH 2.
8) 流速: 2ml/min カラム温度: 40℃ 保持時間: 5.3分
【0026】(10)紫外部吸収スペクトルのピーク (i) 水溶液中(中性)波 長 (nm) (log ε) 245 4.21 (ii) 水−0.1N水酸化ナトリウム溶液中波 長 (nm) (log ε) 245 4.20 (iii) 水−0.1N塩酸溶液中波 長 (nm) (log ε) 242 4.19 280(sh) 3.55 (11)赤外吸収スペクトル (KBr錠): 添付図面の図7に
示す。 ピーク波数(cm-1): 3400, 2820, 1700, 1620, 1570, 1
400 (12)1H-核磁気共鳴スペクトル(重水中); 添付図面の図
8に示す。 (13)13C-核磁気共鳴スペクトル(重水中); 添付図面の
図9に示す。
【0027】4.6-O-メチルフタロシンメチルエステ
ル(略称: ジメチルフタロシン)〔式(Id)の化合物〕 (1) 性状: 白色粉末 (2) 分子式: C212247 (3) 分子量: 442 (4) 比旋光度: 〔α〕D 24=+4.77°(c 0.18, MeOH) (5) 質量分析: FAB-MS (m/z): 443 (M+H)+ (6) 溶解性: メタノール、エタノール、ジメチルスルホ
キシドに可溶であるが、水、クロロホルム、アセトン、
ヘキサンに難溶である。
【0028】(7) 酸性、中性、塩基性の区別: 中性物質 (8) TLCのRf値 (i) シリカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社 Art
5715:n-ブタノール−メタノール−水=5:1:2で展
開); 0.57 (ii) シリカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社 Ar
t 5715:クロロホルム−メタノール=5:1で展開); 0.6
1
【0029】(9) HPLC(高速液体カラムクロマトグ
ラフィー) (i) カラム: センシューパック(2151-A)6φ-150mm 流液: 30% メタノール/12mMリン酸バッファー(pH 2.
8) 流速: 2ml/min カラム温度: 40℃ 保持時間: 18分 (ii) カラム: センシューパック(2151-A)6φ-150mm 流液: 40%メタノール/12mMリン酸バッファー(pH 2.
8) 流速: 2ml/min カラム温度: 40℃ 保持時間: 7.6分 (10) 紫外部吸収スペクトルのピーク (i) メタノール溶液中波 長 (nm) (log ε) 210 4.55 240 4.20 275 3.60 (ii) メタノール−0.1N水酸化ナトリウム溶液中波 長 (nm) (log ε) 210 4.73 240 4.20 275 3.60 (iii) メタノール−0.1N塩酸溶液中波 長 (nm) (log ε) 210 4.55 240 4.18 275 3.60 (11) 赤外吸収スペクトル (KBr錠): 添付図面の図10に
示す。 ピーク波数(cm-1) : 3400, 2950, 2835, 1720, 1700,
1530, 1440 (12) 1H-核磁気共鳴スペクトル(重メタノール中); 添付
図面の図11に示す。 (13) 13C-核磁気共鳴スペクトル(重メタノール中); 添
付図面の図12に示す。
【0030】次に、第1の本発明による式(Ia)のフタロ
シン、式(Ib)のメチルフタロシン(すなわち、フタロシ
ンメチルエステル)、式(Ic)の6-O-メチルフタロシン
及び式(Id)のジメチルフタロシン(すなわち、6-O-メ
チルフタロシンメチルエステル)の制癌活性を後記の試
験例1、試験例2により例証する。
【0031】試験例1 第1の本発明によるフタロシンと、それの各種のメチル
化誘導体の制癌活性を評定するために、ヒト子宮頸部癌
細胞株であるHeLa-S3、CaSki, C-33A, HT-3の各細胞に
対する細胞毒性を下記の試験法で測定した。
【0032】試験法 24穴のプレート(ファルコン社製3047)中に供試癌細胞
を、10%(v/v)の子牛胎児の血清(FBS, バイオシーラ
ム Lot. 20341-01, ニチレイ社製)を含むpH7.2のME
M培地(ギブコ社製) 1ml当たり1万個撒く。翌日、ジ
メチルスルホキシド溶液とした本発明の供試化合物を加
えた。さらに3日間、37℃、5%炭酸ガス培養装置中で
癌細胞を培養した。
【0033】細胞数測定用ウエルの全てに5mg/mlのM
TT〔3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェ
ニルテトラゾリウム ブロマイド〕溶液100μlを加え
た。プレートを軽く揺らして混和した後、5%炭酸ガス
培養装置中で癌細胞を2時間培養した。
【0034】培養された癌細胞のミトコンドリアの脱水
素酵素によりMTTが分解されてフォルマザンが生成さ
れるが、この結晶を溶解するために、20%SDS溶液50
0μlを全てのウエルに加えた。前記の雰囲気下にインキ
ュベーター中で、14〜16時間放置し、フェルマザンの結
晶を溶解した。ウエル中の溶液の濃度を均一にするため
に、溶液を泡立てないように気をつけながら、ピペット
マンで十分攪拌後、分光光度計(U-1100スペクトロフォ
トメーター、日立社製)を用いて、培養液全体の波長 5
40nmにおける吸光度を測定した。下記の計算式により、
供試化合物の癌細胞の増殖に対する阻害率(%)を算定す
る。
【0035】計算式: 〔(C−D1)−(D4−D1)〕÷(C
−D1)×100=増殖阻害率(%) 但し上記の計算式でCは供試化合物の非存在下に4日間
培養後の吸光度値であり、D1は供試化合物の非存在下
に1日間培養後の吸光度値であり、D4は供試化合物の
存在下に4日間培養後の吸光度値を示す。
【0036】上記のように算定した癌細胞増殖の阻害率
(%)は、供試化合物の癌細胞に対する細胞毒性として
制癌活性を表し得る。
【0037】上記の試験法で測定すると、本発明の式(I
d)の純粋なジメチルフタロシンは、HeLa-S3細胞の増殖
を50%阻止する濃度、すなわち50%増殖阻害を与える濃
度(IC50)が2μg/mlであり、CaSkiに対するIC50値が1
μg/mlであった。また、C-33A細胞にたいするIC50値が2
5μg/mlであり、HT-3に対するIC50値が17μg/mlであっ
た。他方、本発明による式式(Ia)のフタロシン、式(Ib)
のメチルフタロシン及び式(Ic)の6-O-メチルフタロシ
ンは何れの供試癌細胞に対してもIC50値が>100μg/ml
(100μg/ml以上)であった。なお、供試化合物は全てを
ジメチルスルホキシドに溶解させた溶液として用い、希
釈も全てジメチルスルホキシドで行った。なお、供試化
合物に対するジメチルスルホキシドの細胞毒性は、1%
(v/v)まで認められなかった。
【0038】本発明による式(Id)のジメチルフタロシン
は、特にヒトの子宮頸部癌由来細胞株に選択的に細胞毒
性を示す物質である。更にHPV-のヒト子宮頸部癌株であ
る、HT-3, C-33A細胞の増殖を阻害する場合よりも、HPV
+の子宮頸部癌株であるHeLa-S3, CaSkiの各細胞の増殖
を10〜20倍強く阻害することから、ヒトの子宮頸部癌株
の間で選択性のある細胞毒性を示し得るものと認められ
る。
【0039】試験例2 マウス白血病L1210細胞、ヒトの大腸癌株CoLo201細胞及
びヒトの乳癌株MCF7細胞を試供癌細胞として用いて、こ
れら癌細胞に対する本発明化合物の細胞毒性(制癌活
性)を試験例と同様にして評定した。
【0040】本発明による式(Id)のジメチルフタロシン
は、上記の種類の癌細胞に対するIC50値がマウス白血病
L1210細胞に対しては3.5μg/mlであり、ヒトの大腸癌株
CoLo201に対しては2.5μg/mlであり、ヒトの乳癌株MCF7
に対しては7μg/mlであった。また、フタロシン、メチ
ルフタロシン及び6-O-メチルフタロシンは、100μg/m
lに近い濃度では、マウス白血病L1210細胞の増殖を50%
以上の有意な程度に阻害した。
【0041】試験例3 本例は、本発明のジメチルフタロシンがHeLa細胞におけ
る蛋白質生合成、核酸生合成又はリボ核酸生合成を阻害
する活性を有するかを試験するものである。
【0042】この目的のため、蛋白質、核酸又はリボ核
酸のような高分子の生合成阻害の試験法として、インタ
クトセルにアイソトープでラベルした前駆化合物が外か
ら取り込まれるのを供試化合物が阻害するかを調べた。
すなわちHeLa細胞を24穴のプレートに2万個/1mlにな
るように撒き、37℃で1日培養後、血清なしのMEM培
地に本発明の供試化合物としてジメチルフタロシンを10
〜25μg/mlの濃度になるように加え、37℃で20分間イン
キュベートした。次に、アイソトープでラベルしたロイ
シン(1.16ミクロキュリー)、チミジン(0.25ミクロキ
ュリー)、又はウリジン(0.125ミクロキュリー)を混
ぜ合わせ反応を開始した。
【0043】反応終了後に、氷冷したリン酸バッファー
で洗った。次に5%のトリクロロ酢酸を0.5ml加え氷中
に40分間放置した。0.5Nの水酸化ナトリウム0.5mlをさ
らに加え、溶解した画分を酸不溶画分とし、溶解しない
画分を酸可溶画分とした。それぞれにアクアゾールII
(第一化学製)を加え、細胞内へのロイシン、チミジン
又はウリジンの取り込みをシンチレーションカウンター
で測定した。
【0044】チミジンの取り込みは、25μg/mlのジメチ
ルフタロシンで酸可溶画分では21%阻害され、酸不溶画
分では31%阻害された。又、ウリジンの取り込みは、25
μg/mlのジメチルフタロシンで酸可溶画分では37%阻害
され、酸不溶画分では38%阻害された。しかしロイシン
の取り込みは25μg/mlのジメチルフタロシンで両画分と
も全く阻害されなかった。
【0045】なお、フタロシンの類似物質であるフォル
マイシンBは、キサントモナス・オリゼに抗菌活性があ
るが、本発明のフタロシンとそのメチル化誘導体は、何
れもカビのピリキュラリア・オリゼに対して100μg/ml
の濃度でも、抗菌活性が認められなかった。更に、グラ
ム陽性菌であるミクロクロコカス・ルテウスやグラム陰
性菌である大腸菌K-12に対しても100μg/mlの濃度で
も、本発明化合物は有意の抗菌活性を示さなかった。従
って、本発明のフタロシン又はそのメチル化誘導体は抗
菌活性が極めて弱いか又は全くないという特色がある。
【0046】さらに、第2の本発明によると、前記の一
般式(I)で表されるフタロシン又はそのメチル化誘導
体あるいはその薬学的に許容できる塩を有効成分として
含有することを特徴とする制癌剤が提供される。
【0047】本発明による一般式(I)のフタロシン又
は6-O-メチルフタロシンあるいはこれらのエステル又
は塩を医薬として用いる場合には、一般に、経口的に又
は非経口的に投与できる。フタロシン又は6-O-メチル
フタロシン、あるいはそれらのエステル又は薬学的に許
容できる塩は、賦形剤又は担体と混合して注射剤、経口
剤または、座剤などの製剤化した組成物の形で投与され
る。賦形剤又は担体としては製薬学的には、許容される
固体又は液状のものが選ばれ、その種類及び組成は投与
経路や投与方法によって決まる。例えば、液状担体とし
て水、アルコールもしくは大豆油、ミネラル油、ゴマ油
などの動植物油、または合成油などが用いられる。固体
担体としては、マルトース、シュークロースなどの糖
類、リジンなどのアミノ酸類、ヒドロキシプロピルセル
ロースなどのセルロース誘導体、シクロデキストリンな
どの多糖類、ステアリン酸マグネシウムなどの有機酸塩
などが使用される。
【0048】注射剤として製剤する場合には、液状担体
には一般に生理食塩水、各種緩衝液、グルコース、イノ
シトール、マンニトールなどの糖類溶液、エチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、などのグリコール類
であることができる。また、イノシトール、マンニトー
ル、グルコース、マンノース、マルトース、シュークロ
ースなどの糖類、フェニルアラニンなどのアミノ酸類な
どの賦形剤と共に凍結乾燥製剤として製剤し、それを投
与時に注射用の適当な溶剤、例えば滅菌水、生理食塩
水、ブドウ糖液、電解質溶液、アミノ酸などの静脈投与
用液体に溶解して使用できる。
【0049】製剤された組成物中における本発明による
一般式(I)のフタロシン、又はそのメチル化誘導体の含
量は製剤型により種々異なるが、通常は0.1〜99重量
%、好ましくは1〜90重量%である。例えば注射液の場
合には、通常、0.1〜5重量%の含量でフタロシン又はそ
の誘導体を含むようにすることが良い。経口投与の場合
には、前記固体担体もしくは液状担体と共に錠剤、カプ
セル剤、粉剤、顆粒剤、ドライシロップ剤、液剤、シロ
ップ剤などの形態で用いられる。カプセル、錠剤、顆粒
剤、ドライシロップ剤、液剤、シロップ剤などの形態で
用いられる。カプセル、錠剤、顆粒剤、粉剤の場合、一
般にフタロシン又はその誘導体の含量は、3〜99重量
%、好ましくは5〜90重量%であり、残部は担体であ
る。
【0050】本発明によるフタロシン又はそのメチル化
誘導体、あるいはその塩の投与量は、患者の年齢、体
重、症状、治療目的などにより決定される。しかし、そ
の投与量は動物試験の結果などの種々の状況を勘案して
総投与量が一定量を越えない範囲で、連続的または間欠
的に投与できる。一定条件下における投与の適量と投与
回数は、専門医の決定による。
【0051】更に、第3の本発明によると、ストレプト
ミセス属に属するフタロシン生産菌を培養し、その培養
物からフタロシンを採取することを特徴とする、フタロ
シンの製造法が提供される。
【0052】第3の本発明の方法に用いるフタロシン生
産菌は、以下では単にフタロシン生産菌という。これの
好ましい例としては、前記したストレプトミセス属のMK
359-NF1株がある。このフタロシン生産菌としての MK35
9-NF1株の菌は、平成6年12月、微生物化学研究所にお
いて、藤沢市本鵠沼の土壌より分離された放線菌で、MK
359-NF1の菌株番号が付されたものである。
【0053】MK359-NF1株の菌学的性状を次に記載す
る。 1.形態 よく分枝した基生菌糸よりらせん状の気菌糸を伸長す
る。輪生枝及び胞子のうは、認められない。成熟した胞
子鎖は、20〜50個の胞子を着生し、その形は長円形であ
る。胞子の大きさは約0.45〜0.55×0.78〜0.88ミクロン
で、その表面は、とげ状である。
【0054】2.各種培地における生育状態 色の記載について[ ]内に示す標準は、コンティナー
・コーポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハーモ
ニー・マニュアル(Container Corporation ofAmerica
のcolor harmony manual)を用いた。 (1)シュクロース・硝酸塩寒天培地(27℃培養) うす黄[1 ba, Yellow Tint〜2 ba, Pearl]の発育上
に、白の気菌糸をわずかにうっすらと着生し、溶解性色
素は認められない。 (2)グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP-培地
5、27℃培養) うす黄[2 ea, Lt Wheat〜2 gc, Bamboo]の盛り上がっ
た発育上に、白の気菌糸を着生し、溶解性色素は、かす
かに茶色味を帯びる。 (3)スターチ・無機塩寒天培地(ISP-培地4、27℃培
養) うす黄[2 ea, Lt Ivory〜2 ea, Lt Wheat]の発育上
に、白〜ピンク白[5 ba, Shell Pink]〜明るい茶灰
[3 dc, Natural]の気菌糸をうっすらと着生し、溶解
性色素は、かすかに茶色味を帯びる。
【0055】(4)イースト・麦芽寒天培地(ISP-培地
2、27℃培養) うす黄茶[2 gc, Bamboo]〜うす茶[3 gc, Lt Tan]の
盛り上がった発育上に、白〜うす黄の気菌糸を着生し、
溶解性色素は、かすかに茶色味を帯びる。 (5)オートミル寒天培地(ISP-培地3、27℃培養) うす黄[1 ba, Yellow Tint〜2 ea, Lt Wheat]の発育
上に、白〜ピンク白[5 ba, Shell Pink]の気菌糸を着
生し、溶解性色素は、かすかに茶色味を帯びる。 (6)チロシン寒天培地(ISP-培地7、27℃培養) 茶灰[3 ni, Clove Brown]の発育上に、白〜うす黄の
気菌糸をうっすらと着生し、溶解性色素は、暗い茶を呈
する。
【0056】3.生理的生質 (1)生育温度範囲 イースト・スターチ寒天培地(溶性デンプン1.0%、イ
ースト・エキス0.2%、ひも寒天 3.0%、pH 7.0)を用
い、10℃、20℃、24℃、27℃、30℃、37℃および50℃の
各温度で試験した結果、10℃、50℃を除き、そのいずれ
の温度でも生育したが、生育至適温度は30℃付近と思わ
れる。 (2)スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒天培
地、ISP-培地4;27℃培養)培養後3日目頃より水解性が
認められ、その作用は強い方である。 (3)メラニン様色素の生成(トリプトン・イースト・
ブロス、ISP-培地1; ペプトン・イースト・鉄寒天培
地、ISP-培地6; チロシン寒天培地、ISP-培地7;いず
れも27℃培養) いずれの培地においても陽性である。
【0057】(4)炭素源の利用性(プリドハム・ゴド
リーブ寒天培地、ISP-培地9;27℃培養) D−グルコース、D−キシロース、D−フルクトース、
ラムノース、D−マンニトール、L−アラビノース、シ
ュクロース、イノシトール、ラフィノースの全てを利用
して発育する。 (5)硝酸塩の還元反応(0.1%硝酸カリウム含有ペプ
トン水、ISP-培地8;27℃培養) 陰性である。
【0058】以上の性状を要約すると、MK359-NF1株
は、その形態上、よく分枝した基生菌糸よりらせん状の
気菌糸を伸長する。気菌糸の先端には長円形の胞子の連
鎖を認める。輪生枝、胞子のう及び運動性胞子は認めら
れない。種々の培地で、うす黄〜うす黄茶〜茶灰の発育
上に白〜ピンク白〜明るい茶灰の気菌糸を着生する。溶
解性色素は、チロシン寒天培地(ISP-培地7)で暗い茶
を呈するが、他の培地では、かすかに茶色味を帯びる程
度である。この菌株の生育至適温度は、30℃付近であ
る。スターチの水解性は、強い方、メラニン様色素の生
成は陽性、硝酸塩の還元反応は陰性である。
【0059】ところで、MK359-NF1株は、細胞壁に含ま
れる2,6-ジアミノピメリン酸がLL型であった。さらに
主要なメナキノンは、MK-9(H6) 及び MK-9(H8)であっ
た。
【0060】これらの性状より、MK359-NF1株は、スト
レプトミセス(Streptomyces)属に属すると考えられ
る。そこでストレプトミセス属の既知菌種を検索した結
果、近縁の種として、胞子の表面がとげ状を呈する2
種、ストレプトミセス・ロンギスポルス(Streptomyces
longisporus)〔文献,Shirling, E. B. and D. Gottlie
b,International Journal of Systematic Bacteriolog
y, 18巻, 342頁,(1968年)〕及びストレプトミセス・サー
モトレランス(Streptomyces thermotolerans)〔文献,
Shirling, E. B. and D. Gottlieb, International Jou
rnal of SystematicBacteriology, 19巻, 483頁,(1969
年)〕があげられた。それらの菌株を入手次第、MK359-N
F1株と実地に比較検討する予定である。現時点では、MK
359-NF1株をストレプトミセス・エスピー(Streptomyce
s sp.)MK359-NF1株とする。
【0061】なお、MK359-NF1株を工業技術院生命工学
工業技術研究所に寄託申請し、平成8年10月1日、FERM
P-15887として寄託された。
【0062】第1の本発明による抗生物質フタロシン
は、フタロシン生産菌を本抗生物質の生産に適した培地
に接種し、さらに培養することにより生産される。培地
としては通常の放線菌の培養に用いられる栄養源含有培
地でよい。その栄養源としては、例えば市販されている
ペプトン、肉エキス、コーン・スチープ・リカー、綿実
粉、落花生粉、酵母エキス、NZ-アミン、カゼイン水解
物、硝酸ソーダ、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム
などの窒素源、ならびに市販されているグリセリン、し
ょ糖、でん粉、グルコース、ガラクトース、マンノー
ス、糖蜜などの炭水化物、あるいは脂肪などの炭素源が
用いられる。また食塩、リン酸塩、炭酸カルシウム、硫
酸マグネシウムなどの無機塩を添加できる。その必要に
応じて微量の金属塩、消泡剤としての動・植、鉱物油な
どを添加することもできる。これらのものはフタロシン
生産菌が利用し、抗生物質フタロシンの生産に役立つも
のであれば良く、放線菌の公知の培養材料は全て用いる
ことができる。
【0063】フタロシンの大量生産には液体培地が好ま
しく、培養温度はフタロシンを生産できる範囲の温度、
例えば25℃〜35℃を適用できる。培養は以上に述べた条
件を適用して、使用されるフタロシン生産菌の性質に応
じて適宜に選択して行うことができる。好ましい培養方
法としては、フタロシン生産菌を栄養源含有培地に接種
して好気的に発育させるが、このことにより、フタロシ
ンを含む培養物が得られる。下記の組成をもつ培地が好
適である。すなわち、スターチ(小宗化学薬品)3.0%、
コーンスチープリカー(日本食品)0.5%、イーストエ
キス(日本製薬)0.2%、トーストソーヤ(日清製油)
1.5%、塩化ナトリウム(和光純薬)0.3%、硫酸マグネ
シウム(和光純薬)0.05%、硫酸銅(和光純薬)0.0005
%、硫酸亜鉛(和光純薬)0.005%、塩化マンガン(和光
純薬)0.0005%、炭酸カルシウム(小宗化学薬品)0.3
%を含み且つpHを1Nの塩酸で7.0に調整した培地が好適
に使用できる。フタロシンの生産は、ワッフル付 500ml
のエルレンマイヤーフラスコ46本に上記培地を1本当た
り110mlずつ加え、さらに5日間、27℃でロータリーシ
ェイカーで振とう培養して行うのが好ましい。なお通常
は、培養5日目から14日目まで培養物のフタロシンの生
産量は同じであった。
【0064】フタロシンは、培養濾液にその殆どが存在
する。これを水溶性物質の採取に用いられる公知の方
法、例えば吸着クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマト
グラフィー、高速液体クロマトグラフィー等を適宜組み
合わせ、あるいは繰り返すことにより純粋な形でフタロ
シンを採取することができる。培養工程並びに精製工程
でフタロシンの追跡は、TLC(シリカゲル薄層クロマ
トグラフィー)やHPLC(高速液体クロマトグラフィ
ー)を用いて物理化学的に測定することで行うことがで
きる。
【0065】第1の本発明による一般式(I)で表わさ
れるフタロシン又は6-O-メチルフタロシンの低級アル
キルエステルは、一般には、フタロシン又は6-O-メチ
ルフタロシンを出発物質として用い、5〜10重量%の塩
化水素ガスを含む(C1〜C4)低級アルカノール、例えば
メタノール、エタノール、プロパノール又はブタノール
にとかし、室温又はそれ以下の温度で1日又はそれ以上
長くフタロシン又は6-O-メチルフタロシンを該アルカ
ノールと反応させることにより、通常のエステル化反応
で製造できる。生成したエステル化反応生成物は、エス
テル化の反応液を吸着性樹脂に通して目的物を吸着さ
せ、次いで樹脂を水洗し、さらにアンモニア性メタノー
ルで溶出することにより回収できる。
【0066】更に、本発明者の研究によると、ジメチル
フタロシン(すなわち、6-O-メチルフタロシン・メチ
ルエステル)は、フタロシンをメタノール又はエタノー
ルのような有機溶媒にとかし、フタロシンの2倍又はそ
れ以上のモル量のトリメチルジアゾメタンを加えて室温
又はそれ以下の温度で1〜2時間にわたりメチル化反応
させることによって、効率よく合成できることが知見さ
れた。また、6-O-メチルフタロシンは、ジメチルフタ
ロシンを水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液
中で室温又はそれ以下の温度で加水分解することにより
製造できることが認められた。
【0067】従って、第4の本発明においては、ジメチ
ルフタロシン、すなわち6-O-メチルフタロシンのメチ
ルエステルを水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの存
在下に室温又はそれ以下の温度で水と反応させて加水分
解することから成る、6-O-メチルフタロシンの製造法
が提供される。
【0068】第4の本発明の方法は、エステル化合物を
アルカリ性条件下で加水分解して対応のカルボン酸化合
物を生成する場合に一般に用いられる常法で実施でき
る。
【0069】また、第5の本発明においては、フタロシ
ンをトリメチルジアゾメタンと有機溶媒中で室温又はそ
れ以下の温度で、反応させることから成る、6-O-メチ
ルフタロシンのメチルエステルの製造法が提供される。
【0070】第5の本発明の方法は、トリメチルジアゾ
メタンを用いるメチル化反応の常法で実施できる。
【0071】
【発明の実施の形態】以下に第3の本発明の方法の実施
例1を示し、また第4及び第5の本発明の方法のそれぞ
れの実施例3及び4を示す。フタロシン及びそのメチル
化誘導体の性状が本発明によって明らかにされたので、
それらの性状に基きフタロシン又はそのメチル化誘導体
の製造法を種々考察することができる。従って本発明は
後記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例
中で%は重量%である。
【0072】実施例1 本例はフタロシンの醗酵的製造を例示するものである。
寒天斜面培地で培養したストレプトミセスMK359-NF1株
(FERM P-15887号)を、スターチ 3.0%、コーンスチー
プリカー 0.5%、イーストエキス 0.2%、トーストソー
ヤ 1.5%、塩化ナトリウム 0.3%、硫酸マグネシウム
0.05%、硫酸銅 0.0005%、硫酸亜鉛 0.005%、塩化マ
ンガン 0.0005%、炭酸カルシウム 0.3%の組成からな
る液体培地(pH 7.0)をワッフル付きの500mlのエルレン
マイヤーフラスコに培地を110ml入れた三角フラスコ2
本に1白金耳ずつ接種した。そして27℃で2日間振とう
培養した。それを種培養(種母)として上記と同じ培地
を110mlずつ分注した上記の三角フラスコ46本に2mlず
つ接種し、27℃で5日間振とう培養した。5日間培養後
のpHは8.6であった。
【0073】得られた培養液を濾過し、培養濾液、約4.
5リットルと菌体1.2kgに分けた。目的とする物質は培養濾液
にあるので、これを800mlのカラムに詰めた500mlの吸着
性樹脂HP20(日本錬水)を通すことにより目的物質を吸
着させた。次に、このカラムに詰めた500mlの樹脂を3リ
ットルの水で洗った後に、50%の含水メタノール(pH9.0)
3リットルを通すことにより目的物質を溶出させた。
【0074】この溶出液を減圧濃縮しメタノールをおお
よそ除いた後、500mlのカラムに詰めた陰イオン交換樹
脂(アンバーライト IRA 400、オルガノ)450mlに通し
た。この樹脂を3リットルの水で洗った後、1Nの塩酸3リットル
で目的物質を溶出させた。次に、10Nの水酸化ナトリウ
ムで、この溶出液を中和した後、吸着性樹脂 HP20によ
るカラムクロマトグラフィーを上記と同じ方法で行うこ
とにより、目的画分の脱塩をおこなった。この画分を減
圧乾固すると、200mgの茶色の粉状物質が得られた。次
に、これを5mlの水に溶かし、350mlのセファデックス
LH20(ファルマシア)カラムクロマトグラフィーを行い
5mlずつ試験管に分取した。47番から65番のフラクショ
ンに目的とする物質を溶出させた。このフラクションを
回収し減圧乾固すると80mgの茶色の粉状物質が得られ
た。
【0075】更に、この粉状物質を5mlの水に溶解し、
18低圧分取カラムクロマトグラフィー(ODS-7515-12
A、センシュー科学社製、3.5×30cm)にかけて、12mMリ
ン酸バッファー(pH2.89)/30%メタノール水で溶出さ
せ、10mlずつ分画した。目的とする30番から60番のフラ
クションを集めて減圧乾固すると、20mgの微黄色粉末が
得られた。更に、この粉末を高速液体クロマトグラフィ
ー(カプセルパック、資生堂社製、20mm×150mm)にか
け、12mMリン酸バッファー(pH 2.89)/30%メタノール
水を9.9ml/minの流速で流し、目的とするピークを分取
した。カラムの温度は40℃で、1回のチャージ量は2mg
とした。同じ操作を10回繰り返し、保持時間16分のピー
クを分取した。減圧濃縮により、この画分のメタノール
を除いた後、15mlのカラムに詰めた10mlの吸着性樹脂CH
P20P(日本錬水)に通過させ、目的物質を吸着させた。
この樹脂を50mlの水で洗った後、30%メタノール−アン
モニア水(pH 9.0)で溶出させた。この溶出液を減圧乾
固すると、微黄色粉末としてフタロシン10mgが得られ
た。
【0076】実施例2 本例はフタロシンのメチルエステル化反応を例示する。
フタロシン5.5mgを0.5mlの5〜10重量%塩酸−メタノー
ル溶液(東京化成工業)に溶解させ、その溶液を室温で1
日間攪拌してエステル化の反応を行わせた。反応終了
後、反応液を高速液体クロマトグラフィーにかけ目的物
質を含む画分を分取した。これを減圧濃縮して吸着性樹
脂CHP20Pカラムクロマトグラフィーを行い脱塩を行っ
た。更に、減圧乾固した後、少量のメタノールに溶か
し、20mlのLH20カラムクロマトグラフィーを行い、目的
物質としてメチルフタロシン(すなわちフタロシン・メ
チルエステル)2.7mgが得られた。
【0077】実施例3 本例は、6-O-メチルフタロシンの合成を例示する。6
-O-メチルフタロシンのメチルエステル、すなわちジメ
チルフタロシン6.5mgを1当量(27.3mM)の水酸化ナト
リウム0.5mlに溶かしその溶液を室温で1日間攪拌し
た。この加水分解の反応終了後、反応液に50mlの水を加
え希釈した反応溶液を10mlの吸着性樹脂CHP20Pに通過さ
せ目的物質を吸着させた。この樹脂を50mlの水で洗った
後、50%のMeOH−アンモニア水(pH 9.0)で溶出させ
た。溶出液を減圧乾固すると白色粉末として6-O-メチ
ルフタロシン4.0mgが得られた。
【0078】実施例4 本例はフタロシンから6-O-メチルフタロシンのメチル
エステルの合成を例示するものである。フタロシン10mg
を0.5mlのジメチルフォルムアミドに溶かし、更にメタ
ノール0.5mlとトリメチルジアゾメタン(チッソ社製)
0.4mlを加え、室温(24℃)で1時間攪拌し反応を行わ
せた。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、高速液体クロ
マトグラフィーにかけ目的の物質を含む画分を分取し
た。これを減圧濃縮して、メタノールを除いた後、15ml
のカラムに詰めた10mlのCHP20P(日本錬水)を通過さ
せ、目的物質を吸着させた。この樹脂を50mlの水で洗っ
た後、これをメタノール−アンモニア水(pH 9.0)で溶
出させた。この溶出液を減圧乾固し、白色粉末として6
-O-メチルフタロシンメチルエステル、すなわちジメチ
ルフタロシン 5.0mgが得られた。
【0079】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による新規な
制癌性抗生物質として、フタロシン又はその6-O-メチ
ル誘導体あるいはそれらのアルキルエステル又は塩が提
供された。その中で、最も細胞毒性が強いジメチルフタ
ロシンは、ヒトの癌細胞の核酸合成を選択的に阻害する
高い活性を有することも認められたことから、ヒトの癌
細胞に対するすぐれた制癌活性を有すると考えられる。
特にヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)に感染後、そ
の遺伝子産物により引き起こされる子宮頸部癌に対して
強い制癌活性をジメチルフタロシンは有すると考えられ
る。
【0080】また、本発明の抗生物質は5-FUなどの代謝
拮抗剤の効果を高めて且つ強い制癌活性を示すイノシプ
レクスに構造が類似していることから、イノシプレクス
と同様の作用を発揮することが期待される。
【0081】更に、既知の構造類似物質イノシンプラノ
ベクスより推定して、免疫をモジュレートする活性や抗
原虫活性、更には抗ウイルス活性をも有することが期待
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】KBr錠法で測定したフタロシンの赤外吸収スペ
クトルを表す。
【図2】重水中(内部標準はテトラメチルシラン)で50
0MHzで測定したフタロシンの1H-NMRスペクトルを表す。
【図3】重水中(内部標準はテトラメチルシラン)で12
5MHzで測定したフタロシンの13C-NMRスペクトルを表
す。
【図4】KBr錠法で測定したメチルフタロシン(すなわ
ちフタロシンメチルエステル)の赤外吸収スペクトルを
表す。
【図5】重メタノール中(内部標準はテトラメチルシラ
ン)で500MHzで測定したメチルフタロシンの1H-NMRスペ
クトルを表す。
【図6】重メタノール中(内部標準はテトラメチルシラ
ン)で125MHzで測定したメチルフタロシンの13C-NMRス
ペクトルを表す。
【図7】KBr錠法で測定した6-O-メチルフタロシンの
赤外吸収スペクトルを表す。
【図8】重水中(内部標準はテトラメチルシラン)で50
0MHzで測定した6-O-メチルフタロシンの1H-NMRスペク
トルを表す。
【図9】重水中(内部標準はテトラメチルシラン)で12
5MHzで測定した6-O-メチルフタロシンの13C-NMRスペ
クトルを表す。
【図10】KBr錠法で測定したジメチルフタロシン(す
なわち6-O-メチルフタロシンメチルエステル)の赤外
吸収スペクトルを表す。
【図11】重水中(内部標準はテトラメチルシラン)で
500MHzで測定したジメチルフタロシンの1H-NMRスペクト
ルを表す。
【図12】重水中(内部標準はテトラメチルシラン)で
125MHzで測定したジメチルフタロシンの13C-NMRスペク
トルを表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:465) (72)発明者 長縄 博 東京都大田区田園調布本町3番17号 (72)発明者 細川 信夫 東京都調布市小島町2丁目15番19号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I) 〔式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、フタロシ
    ンではR1は水素原子であり、6-O-メチルフタロシン
    ではR1はメチル基である〕で表される化合物である制
    癌性抗生物質フタロシン又は6-O-メチルフタロシン、
    あるいはこれらの低級アルキルエステル又は薬学的に許
    容できる塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I)の化合物が次式(Ia) で表されるフタロシンである請求項1に記載の化合物、
    あるいはそれの薬学的に許容できる塩。
  3. 【請求項3】 次式(Ib) で表されるフタロシンのメチルエステルである請求項1
    に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)の化合物が次式(Ic) で表される6-O-メチルフタロシンである請求項1に記
    載の化合物、あるいはそれの薬学的に許容できる塩。
  5. 【請求項5】 次式(Id) で表される6-O-メチルフタロシンのメチルエステルで
    ある請求項1に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 次の一般式(I) 〔式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、フタロシ
    ンではR1は水素原子であり、6-O-メチルフタロシン
    ではR1はメチル基である〕で表されるフタロシン又は
    6-O-メチルフタロシン、あるいはこれらの低級アルキ
    ルエステル又は薬学的に許容できる塩を有効成分として
    含有することを特徴とする制癌剤。
  7. 【請求項7】 ストレプトミセス属に属して請求項2に
    示される式(Ia)で表されるフタロシンの生産菌を培養
    し、その培養物からフタロシンを採取することを特徴と
    する、式(Ia)で表される制癌性抗生物質フタロシンの
    製造法。
  8. 【請求項8】 6-O-メチルフタロシンのメチルエステ
    ルを水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの存在下に室
    温又はそれ以下の温度で水と反応させて加水分解するこ
    とから成る、6-O-メチルフタロシンの製造法。
  9. 【請求項9】 フタロシンをトリメチルジアゾメタンと
    有機溶媒中で室温又はそれ以下の温度で反応させること
    から成る、6-O-メチルフタロシンのメチルエステルの
    製造法。
JP33706196A 1996-12-17 1996-12-17 制癌性抗生物質フタロシン及び6−o−メチルフタロシン又はそれらのエステル類 Pending JPH10175993A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33706196A JPH10175993A (ja) 1996-12-17 1996-12-17 制癌性抗生物質フタロシン及び6−o−メチルフタロシン又はそれらのエステル類

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33706196A JPH10175993A (ja) 1996-12-17 1996-12-17 制癌性抗生物質フタロシン及び6−o−メチルフタロシン又はそれらのエステル類

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10175993A true JPH10175993A (ja) 1998-06-30

Family

ID=18305070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33706196A Pending JPH10175993A (ja) 1996-12-17 1996-12-17 制癌性抗生物質フタロシン及び6−o−メチルフタロシン又はそれらのエステル類

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10175993A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1220149A (en) Rebeccamycin and process for its preparation
JPH0689017B2 (ja) Bbm−2478b抗生物質
JPH0329080B2 (ja)
WO1997041248A1 (fr) Nouveaux antibiotiques rk-1061 et procede pour leur preparation
WO1988000591A1 (en) Novel substances dc-92b and dc-92d, and process for their preparation
JPH10175993A (ja) 制癌性抗生物質フタロシン及び6−o−メチルフタロシン又はそれらのエステル類
JPH01246288A (ja) Tan−1030aおよびその誘導体,これらの製造法ならびに用途
JP4495817B2 (ja) 制癌性抗生物質チアジノトリエノマイシンf及びgと抗生物質ベンズオキサゾマイシン
JPH01149791A (ja) 化合物tan−999、その製造法および用途
JP3502655B2 (ja) 制癌性抗生物質チアジノトリエノマイシン及びその製造法
US5096817A (en) Process for producing antibiotics BU-3608 D and BU-3608 E
JPH04368388A (ja) ダイネマイシンc抗腫瘍抗生物質
JPS6212227B2 (ja)
JPH08512330A (ja) 海洋放線菌から単離した新規なチオデプシペプチド
JP2701069B2 (ja) 抗腫瘍性アントラサイクリン系化合物
JP2786219B2 (ja) Y―09194l―b物質および該物質の製造法
JP3026862B2 (ja) 新規アントラサイクリン化合物
JP2594085B2 (ja) 新規抗腫瘍抗生物質sf2575物質ならびにその製造法
US5919671A (en) Antitumor antibiotic BMS-199687
JPH0479354B2 (ja)
JPH0684366B2 (ja) 抗腫瘍抗生物質bu―3285t
JP2007131552A (ja) 新規抗生物質sf2856物質、その製造法および医薬組成物
JPH051276B2 (ja)
JPS6334159B2 (ja)
JP2001055386A (ja) 抗生物質ツベラクトマイシンb、dおよびeとその製造法