JP3026862B2 - 新規アントラサイクリン化合物 - Google Patents
新規アントラサイクリン化合物Info
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- JP3026862B2 JP3026862B2 JP21804191A JP21804191A JP3026862B2 JP 3026862 B2 JP3026862 B2 JP 3026862B2 JP 21804191 A JP21804191 A JP 21804191A JP 21804191 A JP21804191 A JP 21804191A JP 3026862 B2 JP3026862 B2 JP 3026862B2
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗腫瘍作用を有する新規
なアントラサイクリン系化合物に関する。さらに詳しく
は、下記式
なアントラサイクリン系化合物に関する。さらに詳しく
は、下記式
【0002】
【化10】
【0003】式中、Rは水素原子またはダウノサミニル
基を表わす、で示される化合物およびその塩並びにそれ
らの製造法に関する。
基を表わす、で示される化合物およびその塩並びにそれ
らの製造法に関する。
【0004】
【従来の技術および課題】抗腫瘍作用をもつアントラサ
イクリン系の化合物として、従来、ダウノマイシン(米
国特許第3,616,242号明細書参照)及びアドリ
アマイシン(米国特許第3,590,028号明細書参
照)が知られており、これらの化合物は臨床的に広く用
いられているが、心毒性、骨髄抑制作用等の重篤な副作
用があるため、抗腫瘍剤として決して満足できるもので
はない。
イクリン系の化合物として、従来、ダウノマイシン(米
国特許第3,616,242号明細書参照)及びアドリ
アマイシン(米国特許第3,590,028号明細書参
照)が知られており、これらの化合物は臨床的に広く用
いられているが、心毒性、骨髄抑制作用等の重篤な副作
用があるため、抗腫瘍剤として決して満足できるもので
はない。
【0005】 そのため、かかる副作用が少なく且つ抗
腫瘍作用の優れた薬剤の開発が強く望まれており、従来
から、酸酵法、微生物変換法、化学合成法等の各種の手
段で創製されたアントラサイクリン系化合物が幾つか提
案されている。例えば、アクラシノマイシンA及びB
(特公昭51−34914号公報参照)、ロドマイシン
群抗生物質(特開昭56−15299号公報参照)、4
−O−テトラヒドロピラニルアドリアマイシン(特公昭
57−13558号公報参照)等がその例である。さら
にまた、ダウノマイシン及びアドリアマイシンの誘導体
についてはTopics in Antibiotic
Chemistry,Vol. 12、102〜27
9頁(Ellis Horwood Limited
発行)及びThe Chemistry of Ant
itumorAntibiotics, Vol.
1、63〜132頁(Wiley Interscie
nce 発行)に紹介されている。
腫瘍作用の優れた薬剤の開発が強く望まれており、従来
から、酸酵法、微生物変換法、化学合成法等の各種の手
段で創製されたアントラサイクリン系化合物が幾つか提
案されている。例えば、アクラシノマイシンA及びB
(特公昭51−34914号公報参照)、ロドマイシン
群抗生物質(特開昭56−15299号公報参照)、4
−O−テトラヒドロピラニルアドリアマイシン(特公昭
57−13558号公報参照)等がその例である。さら
にまた、ダウノマイシン及びアドリアマイシンの誘導体
についてはTopics in Antibiotic
Chemistry,Vol. 12、102〜27
9頁(Ellis Horwood Limited
発行)及びThe Chemistry of Ant
itumorAntibiotics, Vol.
1、63〜132頁(Wiley Interscie
nce 発行)に紹介されている。
【0006】抗腫瘍剤としてのアントラサイクリン系抗
生物質には、前記の如く各種の類縁化合物が提案され、
その中には既に臨床的にも使用されているものや治験中
のものもある。しかしながら、それらは毒性、抗腫瘍作
用のいずれの面でも充分に満足できるものではない。
生物質には、前記の如く各種の類縁化合物が提案され、
その中には既に臨床的にも使用されているものや治験中
のものもある。しかしながら、それらは毒性、抗腫瘍作
用のいずれの面でも充分に満足できるものではない。
【0007】しかも抗腫瘍剤は試験管内試験及び動物実
験の成績が必ずしもヒト癌に対する制癌作用と直接相関
しないことが多く、多角的な研究が要求される。そのた
め抗腫瘍剤として一応の評価がなされているアントラサ
イクリン系抗生物質についても、臨床薬としてさらに有
効な新薬の開発が強く望まれているというのが実情であ
る。
験の成績が必ずしもヒト癌に対する制癌作用と直接相関
しないことが多く、多角的な研究が要求される。そのた
め抗腫瘍剤として一応の評価がなされているアントラサ
イクリン系抗生物質についても、臨床薬としてさらに有
効な新薬の開発が強く望まれているというのが実情であ
る。
【0008】一方、一般的にアントラサイクリン系抗生
物質は、4位の水酸基をメチル化するとその毒性が低下
するといわれており、微生物変換による特異的な4−O
−メチル化についてはすでに知られている(特開平3−
17093号公報参照)。しかしβ−ロドマイシノング
リコシドあるいはβ−ロドマイシノンにおいては、4−
O−メチル化と同時に9位のエチル基を1−ヒドロキシ
エチル基に変換することは従来知られていない。
物質は、4位の水酸基をメチル化するとその毒性が低下
するといわれており、微生物変換による特異的な4−O
−メチル化についてはすでに知られている(特開平3−
17093号公報参照)。しかしβ−ロドマイシノング
リコシドあるいはβ−ロドマイシノンにおいては、4−
O−メチル化と同時に9位のエチル基を1−ヒドロキシ
エチル基に変換することは従来知られていない。
【0009】本発明者らは、アントラサイクリン系抗生
物質は一般に4位の水酸基をメチル化すると毒性が低下
するという現象があることに着目し、各種のアントラサ
イクリン系化合物の4−O−メチル化について鋭意研究
を行なっている程度で、ストレプトマイセス属に属する
或る種の微生物がβ−ロドマイシノンまたはβ−ロドマ
イシノングリコシドの4−O−メチル化と同時に9位の
エチル基を1−ヒドロキシエチル基に変換する能力を有
することを見い出し、該微生物を用いることにより、低
毒性で且つ抗腫瘍作用に優れた前記式(I)の化合物を
製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
物質は一般に4位の水酸基をメチル化すると毒性が低下
するという現象があることに着目し、各種のアントラサ
イクリン系化合物の4−O−メチル化について鋭意研究
を行なっている程度で、ストレプトマイセス属に属する
或る種の微生物がβ−ロドマイシノンまたはβ−ロドマ
イシノングリコシドの4−O−メチル化と同時に9位の
エチル基を1−ヒドロキシエチル基に変換する能力を有
することを見い出し、該微生物を用いることにより、低
毒性で且つ抗腫瘍作用に優れた前記式(I)の化合物を
製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の開示】本発明により提供される前記式(I)の
化合物には次の2種の化合物が包含される。
化合物には次の2種の化合物が包含される。
【0011】
【化11】
【0012】(以下、この化合物をMC−7と称する)
【0013】
【化12】
【0014】 本発明の式(I)の化合物のうち、MC
−7は、塩基性のアミノ糖を含有するため、薬理学的に
許容しうる酸付加塩の形で存在することができ、そのよ
うな酸付加塩の例には、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸
との塩;酢酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマール
酸、マレイン酸、プロピオン酸、リンゴ酸、シュウ酸、
ステアリン酸、リノレイン酸、ラウリルスルホン酸なで
の有機酸との塩;グルタミン酸、アスパラギン酸等のア
ミノ酸との塩;パントテン酸塩、アスコルビン酸塩等が
挙げられる。
−7は、塩基性のアミノ糖を含有するため、薬理学的に
許容しうる酸付加塩の形で存在することができ、そのよ
うな酸付加塩の例には、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸
との塩;酢酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマール
酸、マレイン酸、プロピオン酸、リンゴ酸、シュウ酸、
ステアリン酸、リノレイン酸、ラウリルスルホン酸なで
の有機酸との塩;グルタミン酸、アスパラギン酸等のア
ミノ酸との塩;パントテン酸塩、アスコルビン酸塩等が
挙げられる。
【0015】本発明の前記式(I)の化合物は、それ自
体優れた抗腫瘍活性を有し抗腫瘍剤としての有用性が期
待されるのみならず、糖鎖の結合、低分子又は高分子活
性物質との結合等の化学的修飾を施しさらに活性の高い
誘導体を合成するための中間体としても有用である。
体優れた抗腫瘍活性を有し抗腫瘍剤としての有用性が期
待されるのみならず、糖鎖の結合、低分子又は高分子活
性物質との結合等の化学的修飾を施しさらに活性の高い
誘導体を合成するための中間体としても有用である。
【0016】本発明の前記式(I)の化合物のうちMC
−7は例えば、下記式
−7は例えば、下記式
【0017】
【化13】
【0018】で示される化合物を基質とし、4−O−メ
チル化と同時に9位のエチル基を1−ヒドロキシエチル
基に水酸化する能力(以下、4M9H化能と称する)を
有する微生物を培養することにより製造することができ
る。
チル化と同時に9位のエチル基を1−ヒドロキシエチル
基に水酸化する能力(以下、4M9H化能と称する)を
有する微生物を培養することにより製造することができ
る。
【0019】出発原料として使用される上記式(II)
の化合物、すなわちオキサノマイシンは、例えば、オキ
サノマイシン生産菌として提案されているストレプトミ
セス・エスピー(Streptomyces sp.)
D788、RPM−5(FERM P−7703,FE
RM BP−811)を培養することにより調製するこ
とができる(特開昭61−33194号公報参照)。
の化合物、すなわちオキサノマイシンは、例えば、オキ
サノマイシン生産菌として提案されているストレプトミ
セス・エスピー(Streptomyces sp.)
D788、RPM−5(FERM P−7703,FE
RM BP−811)を培養することにより調製するこ
とができる(特開昭61−33194号公報参照)。
【0020】 また、4M9H化能を有する微生物は、
例えば、ストレプトミセス属に属するダウノマイシン、
カルミノマイシン又はバウマイシン類及びその類縁化合
物を生産する能力を有する微生物菌株(これは新たに土
壌から分離した菌株であってもよく、或いは公知菌株で
あってもよい)を、変異源として例えば紫外線又はN−
メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NT
G)を用いる通常の変異処理に付し、そしてアントラサ
イクリン系色素非生産性で且つ前記式(II)の化合物
の4M9H化能を有する変異菌株を単離することにより
取得することができる。
例えば、ストレプトミセス属に属するダウノマイシン、
カルミノマイシン又はバウマイシン類及びその類縁化合
物を生産する能力を有する微生物菌株(これは新たに土
壌から分離した菌株であってもよく、或いは公知菌株で
あってもよい)を、変異源として例えば紫外線又はN−
メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NT
G)を用いる通常の変異処理に付し、そしてアントラサ
イクリン系色素非生産性で且つ前記式(II)の化合物
の4M9H化能を有する変異菌株を単離することにより
取得することができる。
【0021】そのような4M9H化能を有する微生物変
異菌株の具体例には、特開昭3−17093号公報に記
載されたアントラサイクリン系抗生物質MC−1および
MC−4を製造するためのストレプトミセス・エスピー
(Streptomycessp.)D788、DKN
−1菌株(FERM P−10643)などが挙げられ
る。
異菌株の具体例には、特開昭3−17093号公報に記
載されたアントラサイクリン系抗生物質MC−1および
MC−4を製造するためのストレプトミセス・エスピー
(Streptomycessp.)D788、DKN
−1菌株(FERM P−10643)などが挙げられ
る。
【0022】以下に上記ストレプトミセス・エスピーD
788、DKN−1菌株の菌学的性状を示す。
788、DKN−1菌株の菌学的性状を示す。
【0023】(i) 形態 分枝した基中菌糸より、直線状の気中菌糸を伸長し、輪
生枝は認められない。成熟した胞子鎖は10ヶ以上の胞
子の連鎖が認められ胞子の大きさは0.6〜0.8×
0.9〜2.5ミクロン位で胞子の表面は平滑である。
子のう胞子、硬毛胞子などは認められない。
生枝は認められない。成熟した胞子鎖は10ヶ以上の胞
子の連鎖が認められ胞子の大きさは0.6〜0.8×
0.9〜2.5ミクロン位で胞子の表面は平滑である。
子のう胞子、硬毛胞子などは認められない。
【0024】(ii) 各種培地における生育状態 下記第1表に示す。色の記載について( )内に示す標
準はH.D.Tresner & E.J.Backu
s著、System of Color Wheels
for Streptomyces Taxonom
y (J.Appl. Microbiol., 11
巻、335〜338頁、1963年)を用い、補足的に
日本色彩研究所出版の「色の標準」を用いた。
準はH.D.Tresner & E.J.Backu
s著、System of Color Wheels
for Streptomyces Taxonom
y (J.Appl. Microbiol., 11
巻、335〜338頁、1963年)を用い、補足的に
日本色彩研究所出版の「色の標準」を用いた。
【0025】
【表1】
【0026】(iii) 生理的性質 (1)生育温度範囲(イースト、麦芽寒天培地を使用、
pH6.0で20℃、28℃、33℃、37℃、42℃
の各温度で実験):20℃〜37℃までは生育が認めら
れた。
pH6.0で20℃、28℃、33℃、37℃、42℃
の各温度で実験):20℃〜37℃までは生育が認めら
れた。
【0027】(2)ゼラチンの液化(グルコース、ペプ
トン、ゼラチン培地を使用し、20℃で培養):陽性 (3)スターチの加水分解(スターチ、無機塩寒天培
地):陽性 (4)脱脂牛乳の凝固及びペプトン化:僅かに凝固及び
ペプトン化は陽性 (5)メラニン様色素の生成(トリプトン、イーストエ
キス、鉄寒天培地):陽性 (iv) 各種炭素源の利用性(プリドハム、マドリー
ブ寒天培地上)*: L−アラビノース + D−キシロース + D−グルコース + D−フラクトース ± シユクローズ ± イノシトール + L−ラムノース + ラフイノース ± D−マンニツト ± * +は良く生育 ±僅かに生育 本発明の式(I−a)の化合物、すなわちMC−7は、
上記の4M9H化能を有する微生物を用いて、例えば、
次のようにして式(II)の化合物から直接製造するこ
とができる。
トン、ゼラチン培地を使用し、20℃で培養):陽性 (3)スターチの加水分解(スターチ、無機塩寒天培
地):陽性 (4)脱脂牛乳の凝固及びペプトン化:僅かに凝固及び
ペプトン化は陽性 (5)メラニン様色素の生成(トリプトン、イーストエ
キス、鉄寒天培地):陽性 (iv) 各種炭素源の利用性(プリドハム、マドリー
ブ寒天培地上)*: L−アラビノース + D−キシロース + D−グルコース + D−フラクトース ± シユクローズ ± イノシトール + L−ラムノース + ラフイノース ± D−マンニツト ± * +は良く生育 ±僅かに生育 本発明の式(I−a)の化合物、すなわちMC−7は、
上記の4M9H化能を有する微生物を用いて、例えば、
次のようにして式(II)の化合物から直接製造するこ
とができる。
【0028】先ず、YS寒天斜面培地で培養しそして約
6〜7℃で保存された上記4M9H化能を有する菌株、
例えばDKN−1菌株を、例えば炭素源としてデンプ
ン、グリセリン、グルコース、マルトーズなど;窒素源
として大豆粉、肉エキス、酵母エキス、ペプトン、コー
ンスチープリカー、綿実粕、魚粉などの窒素含有有機物
及び/又は硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸
ナトリウム或いはリン酸アンモニウムなどの無機体窒
素;及び無機塩類よりなる培地に接種し、25〜35
℃、好ましくは約28℃で1〜5日間、好ましくは約3
日間振盪又は撹拌培養を行い、これに基質として前記式
(II)の化合物のメタノール溶液を最終濃度が10〜
500μg/ml、好ましくは約50μg/mlとなる
ように添加し、更に1〜3日間、好ましくは約1日間振
盪培養を続けて微生物変換を完結せしめる。なお、酸酵
中の発泡を抑制するため、消泡剤としてアデカノール
(旭電化工業社製)、シリコーン(信越化学工業社製)
等を適宜添加することができる。
6〜7℃で保存された上記4M9H化能を有する菌株、
例えばDKN−1菌株を、例えば炭素源としてデンプ
ン、グリセリン、グルコース、マルトーズなど;窒素源
として大豆粉、肉エキス、酵母エキス、ペプトン、コー
ンスチープリカー、綿実粕、魚粉などの窒素含有有機物
及び/又は硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸
ナトリウム或いはリン酸アンモニウムなどの無機体窒
素;及び無機塩類よりなる培地に接種し、25〜35
℃、好ましくは約28℃で1〜5日間、好ましくは約3
日間振盪又は撹拌培養を行い、これに基質として前記式
(II)の化合物のメタノール溶液を最終濃度が10〜
500μg/ml、好ましくは約50μg/mlとなる
ように添加し、更に1〜3日間、好ましくは約1日間振
盪培養を続けて微生物変換を完結せしめる。なお、酸酵
中の発泡を抑制するため、消泡剤としてアデカノール
(旭電化工業社製)、シリコーン(信越化学工業社製)
等を適宜添加することができる。
【0029】この培養物よりMC−7を採取するには、
例えば培養液を菌体と濾液に分離し、菌体及び濾液から
該化合物を含有する粗色素の抽出、精製を行う。抽出は
例えばアセトン、メタノール、クロロホルム、酢酸エチ
ル、トルエン、薄い鉱酸、酸性緩衝液等を用いて行なう
ことができる。精製はシリカゲル、交叉結合デキストラ
ンゲル[例えば、セファテックスLH−20(ファルマ
シア社製)]、弱酸性イオン交換樹脂、その他合成吸着
樹脂[例えば、HP−20(三菱化成社製)]等を用い
るカラム及び薄層クロマトグラフィー、適当な溶媒を用
いた液体クロマトグラフィー及び向流分配法等の常法を
適宜組み合わせることにより有利に行うことができる。
例えば培養液を菌体と濾液に分離し、菌体及び濾液から
該化合物を含有する粗色素の抽出、精製を行う。抽出は
例えばアセトン、メタノール、クロロホルム、酢酸エチ
ル、トルエン、薄い鉱酸、酸性緩衝液等を用いて行なう
ことができる。精製はシリカゲル、交叉結合デキストラ
ンゲル[例えば、セファテックスLH−20(ファルマ
シア社製)]、弱酸性イオン交換樹脂、その他合成吸着
樹脂[例えば、HP−20(三菱化成社製)]等を用い
るカラム及び薄層クロマトグラフィー、適当な溶媒を用
いた液体クロマトグラフィー及び向流分配法等の常法を
適宜組み合わせることにより有利に行うことができる。
【0030】また、本発明の前記式(I)の化合物のう
ち、MC−7は、例えば下記式
ち、MC−7は、例えば下記式
【0031】
【化14】
【0032】で示されるβ−ロドマイシノンを基質と
し、4−O−メチル化、9位のエチル基の1−ヒドロキ
シエチル基への水酸化及び1位のダウノサミニル化を同
時に行う能力を有する微生物を培養することによっても
製造することができる。
し、4−O−メチル化、9位のエチル基の1−ヒドロキ
シエチル基への水酸化及び1位のダウノサミニル化を同
時に行う能力を有する微生物を培養することによっても
製造することができる。
【0033】そのような能力を有する微生物の具体例に
は、上記の微生物ストレプトミセス・エスピー(Str
eptomyces sp.)D788、DKN−1菌
株(FERM P−10643)が挙げられる。基質の
添加量、添加法、培養法および生成物の精製法は、上記
と同様とすることができる。
は、上記の微生物ストレプトミセス・エスピー(Str
eptomyces sp.)D788、DKN−1菌
株(FERM P−10643)が挙げられる。基質の
添加量、添加法、培養法および生成物の精製法は、上記
と同様とすることができる。
【0034】上記の方法で出発原料として使用されるβ
−ロドマイシノンはそれ自体既知の化合物であり、例え
ば以下に揚げる文献に記載の方法に準じて製造すること
ができる。
−ロドマイシノンはそれ自体既知の化合物であり、例え
ば以下に揚げる文献に記載の方法に準じて製造すること
ができる。
【0035】(1) Journal of Anti
biotics,39(7)、902〜909、198
6 (Oxaunomycin) (2) Journal of Antibiotic
s,36(8)、1080〜1083、1983(Di
trisarubicins A、Band C) (3) Journal of Antibiotic
s,40(1)、116〜121、1987(A447
C and D) (4) Liebigs Ann. Chem.,(1
0)、949〜953、1988 (5) Chem.Ber.,113(9)、2976
〜2993、1980 (6) Chem.Ber.,96、1356〜137
2、1963 かくして得られる本発明の式(I−a)の化合物(MC
−7)は、必要に応じて、それ自体既知の方法により、
前述した如き無毒性の酸と適当な溶媒中で反応させ、凍
結乾燥するか、又は酸付加塩が僅かしか溶けない溶媒を
用いて沈殿させる方法等により酸付加塩に変えることが
できる。
biotics,39(7)、902〜909、198
6 (Oxaunomycin) (2) Journal of Antibiotic
s,36(8)、1080〜1083、1983(Di
trisarubicins A、Band C) (3) Journal of Antibiotic
s,40(1)、116〜121、1987(A447
C and D) (4) Liebigs Ann. Chem.,(1
0)、949〜953、1988 (5) Chem.Ber.,113(9)、2976
〜2993、1980 (6) Chem.Ber.,96、1356〜137
2、1963 かくして得られる本発明の式(I−a)の化合物(MC
−7)は、必要に応じて、それ自体既知の方法により、
前述した如き無毒性の酸と適当な溶媒中で反応させ、凍
結乾燥するか、又は酸付加塩が僅かしか溶けない溶媒を
用いて沈殿させる方法等により酸付加塩に変えることが
できる。
【0036】一方、本発明の前記式(I−b)の化合物
は、上記の如くして製造される式(I−a)の化合物
(MC−7)を、通常の加水分解に付すことにより製造
することができる。例えば、式(I−a)の化合物を希
塩酸に溶解し、加熱して加水分解した後、生成する式
(I−b)の化合物をクロロホルム、酢酸エチル、トル
エン、クロロホルム−メタノール混液等の有機溶媒で抽
出することにより製造することができる。上記の加水分
解は一般に約80〜100℃、好ましくは80℃付近の
温度で約0.5〜2時間行なうことができる。
は、上記の如くして製造される式(I−a)の化合物
(MC−7)を、通常の加水分解に付すことにより製造
することができる。例えば、式(I−a)の化合物を希
塩酸に溶解し、加熱して加水分解した後、生成する式
(I−b)の化合物をクロロホルム、酢酸エチル、トル
エン、クロロホルム−メタノール混液等の有機溶媒で抽
出することにより製造することができる。上記の加水分
解は一般に約80〜100℃、好ましくは80℃付近の
温度で約0.5〜2時間行なうことができる。
【0037】かくして得られる式(I−b)の化合物
は、前述した如く、アントラサイクリン系抗生物質の合
成中間体または微生物学的変換の前駆体として有用であ
る。
は、前述した如く、アントラサイクリン系抗生物質の合
成中間体または微生物学的変換の前駆体として有用であ
る。
【0038】例えば、“Topics in Anti
biotic Chemistry”, ed.by
P.G.Sammes, Vol.2, Ellis
Horwood, Chichester, Engl
and, 99〜239(1978)の記載の方法に準
じてグリコシル化することにより種々のアントラサイク
リングリコシド類に誘導することができ、かかるグリコ
シド誘導体は該文献の記載例からも明らかなごとく、A
環が飽和したナフタセンジオン骨核を有する構造上の特
徴から、優れた制癌剤を示す蓋然性が高い。
biotic Chemistry”, ed.by
P.G.Sammes, Vol.2, Ellis
Horwood, Chichester, Engl
and, 99〜239(1978)の記載の方法に準
じてグリコシル化することにより種々のアントラサイク
リングリコシド類に誘導することができ、かかるグリコ
シド誘導体は該文献の記載例からも明らかなごとく、A
環が飽和したナフタセンジオン骨核を有する構造上の特
徴から、優れた制癌剤を示す蓋然性が高い。
【0039】本発明の式(I−a)の化合物は以下に示
す試験によって明らかなとおり、優れた抗腫瘍活性を有
しており、抗腫瘍剤としての有用性が期待される。
す試験によって明らかなとおり、優れた抗腫瘍活性を有
しており、抗腫瘍剤としての有用性が期待される。
【0040】マウス白血病L1210培養細胞に対する
増殖及び核酸合成阻害作用 20%子牛血清を含むRPMI1640培地(日水製薬
社製)にL1210細胞を5×104ヶ/ml接種し、
これに本発明の被験化合物を最終濃度0.005〜1
0.0μg/mlになるように添加し、37℃にて炭酸
ガス培養器中(3.5%炭酸ガス混入空気)で2日間培
養し、無添加の対照区に対する50%増殖阻害濃度を求
めた。更に、上記のL1210培養細胞を10%子牛血
清を含むRPMI1610培地へ5×105ヶ/mlと
なるように懸濁し、37℃にて炭酸ガス培養器中で1時
間培養を行った後、本発明の化合物を0.1〜100μ
g/mlになるように添加し、15分後更に14C−ウリ
ジン(0.05μC/ml)または14C−チミジン
(0.05μg/ml)を添加して、直ちに37℃で6
0分間培養した。
増殖及び核酸合成阻害作用 20%子牛血清を含むRPMI1640培地(日水製薬
社製)にL1210細胞を5×104ヶ/ml接種し、
これに本発明の被験化合物を最終濃度0.005〜1
0.0μg/mlになるように添加し、37℃にて炭酸
ガス培養器中(3.5%炭酸ガス混入空気)で2日間培
養し、無添加の対照区に対する50%増殖阻害濃度を求
めた。更に、上記のL1210培養細胞を10%子牛血
清を含むRPMI1610培地へ5×105ヶ/mlと
なるように懸濁し、37℃にて炭酸ガス培養器中で1時
間培養を行った後、本発明の化合物を0.1〜100μ
g/mlになるように添加し、15分後更に14C−ウリ
ジン(0.05μC/ml)または14C−チミジン
(0.05μg/ml)を添加して、直ちに37℃で6
0分間培養した。
【0041】 次いで、培養液に冷10%トリクロロ酢
酸(TCA)を添加して反応を中止すると同時に、酸不
溶物として培養細胞を沈殿させた。冷5%TCAにて沈
殿物を2回洗浄した後、ギ酸に溶解、放射活性を測定し
た。かくして、無添加対照区に対する放射能取込み率か
ら5%取込み阻害を生ずる濃度を求めた。第2表にその
結果を示す。
酸(TCA)を添加して反応を中止すると同時に、酸不
溶物として培養細胞を沈殿させた。冷5%TCAにて沈
殿物を2回洗浄した後、ギ酸に溶解、放射活性を測定し
た。かくして、無添加対照区に対する放射能取込み率か
ら5%取込み阻害を生ずる濃度を求めた。第2表にその
結果を示す。
【0042】
【表2】 次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0043】
【実施例1】ストレプトミセス・エスピー(Strep
tomyces sp.)D788,DKN−1(微工
研菌寄第10643号)のYS(0.3%酵母エキス、
1%可溶性デンプン、1.5%寒天、pH7.2)斜面
培養より一白金耳を採り、下記の種母培地100mlを
分注殺菌した500ml容三角フラスコに接種し、28
℃、ロータリーシェーカー(220rpm)にて、2日
間振盪培養して種母を作成した。
tomyces sp.)D788,DKN−1(微工
研菌寄第10643号)のYS(0.3%酵母エキス、
1%可溶性デンプン、1.5%寒天、pH7.2)斜面
培養より一白金耳を採り、下記の種母培地100mlを
分注殺菌した500ml容三角フラスコに接種し、28
℃、ロータリーシェーカー(220rpm)にて、2日
間振盪培養して種母を作成した。
【0044】種母培地 可溶性デンプン 0.5% グルコース 0.5% 大豆粉(エスサンミート、味の素社製) 1.0% 酵母エキス 0.1% 食塩 0.1% 第二リン酸カリ 0.1% 硫酸マグネシウム 0.1% 水道水 pH7.4(殺菌前) 次いで、下記組成の生産培地50mlを分注殺菌した5
00ml容三角フラスコに上記種母培養液1ml添加接
種した。
00ml容三角フラスコに上記種母培養液1ml添加接
種した。
【0045】生産培地 可溶性デンプン 5.0% マルトーズ 3.0% 乾燥酵母 2.0% 綿実粕 2.0% 魚粉 1.0% 酵母エキス 0.2% 食塩 0.1% 硫酸マグネシウム(7含水物) 0.1% 炭酸カルシウム 0.2% ミネラル溶液* 0.05% 水道水 pH7.0(殺菌前) *CuSO4・5H2O 2.8g、FeSO4・7H2O
0.4g、MnCl2・4H2O 3.2g、ZnSO
4・2H2O 0.8gを蒸留水500mlに溶解した。
0.4g、MnCl2・4H2O 3.2g、ZnSO
4・2H2O 0.8gを蒸留水500mlに溶解した。
【0046】170本のフラスコを用意し、28℃で3
日間培養(220rpm)したのち、これに基質として
オキサノマイシン(5mg/ml)を、フラスコ当り
0.5ml(基質量2.5mg)ずつ添加し、1日間培
養を継続した。
日間培養(220rpm)したのち、これに基質として
オキサノマイシン(5mg/ml)を、フラスコ当り
0.5ml(基質量2.5mg)ずつ添加し、1日間培
養を継続した。
【0047】培養液を回収し遠心操作にて菌体を分取し
た。これにアセトン5lを加え30分間撹拌抽出したの
ち、濾過してアセトン抽出液を得た。およそ1.5lま
で濃縮したのち4N水酸化ナトリウムでpHを8.0に
調整し3lのクロロホルムで抽出した。この抽出液をお
よそ100mlまで濃縮し、過剰のn−ヘキサンを加え
て沈殿化した。沈殿物を減圧下で乾燥し、120mgの
粗粉末を得た。
た。これにアセトン5lを加え30分間撹拌抽出したの
ち、濾過してアセトン抽出液を得た。およそ1.5lま
で濃縮したのち4N水酸化ナトリウムでpHを8.0に
調整し3lのクロロホルムで抽出した。この抽出液をお
よそ100mlまで濃縮し、過剰のn−ヘキサンを加え
て沈殿化した。沈殿物を減圧下で乾燥し、120mgの
粗粉末を得た。
【0048】得られた粗粉末全量をシリカゲル(Wak
ogel C−200、25g)のカラム(Φ16.5
mm)に吸着させ、クロロホルム−メタノール(10:
1)及びクロロホルム−メタノール−水(100:1
0:0.2〜100:30:0.5)の混液で順次溶出
させた。100:30:0.5の位置で溶出するMC−
7を含有する分画を集め濃縮乾固した。次いで、乾固物
を少量のクロロホルム−メタノール混液(10:1)に
溶解し、分取用薄層シリカゲルプレート(PF254、メ
ルク社製)10枚の下端から約20mmの位置に帯状に
吸着させ、クロロホルム−メタノール−水−酢酸−濃ア
ンモニア水の混液(110:50:5:1:1)で展開
させた。MC−7のバンドをかき取りクロロホルム−メ
タノール混液(5:1)で溶出させ、水とトルエンを1
0mlずつ加えて混合した。水層を分離しpHを8.0
に調整したのち、クロロホルム10mlで抽出した。飽
和食塩水5mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水したの
ち濃縮した。濃縮液に過剰のイソプロピルエーテルを添
加し、沈殿化したのち、乾燥してMC−7を11mg得
た。
ogel C−200、25g)のカラム(Φ16.5
mm)に吸着させ、クロロホルム−メタノール(10:
1)及びクロロホルム−メタノール−水(100:1
0:0.2〜100:30:0.5)の混液で順次溶出
させた。100:30:0.5の位置で溶出するMC−
7を含有する分画を集め濃縮乾固した。次いで、乾固物
を少量のクロロホルム−メタノール混液(10:1)に
溶解し、分取用薄層シリカゲルプレート(PF254、メ
ルク社製)10枚の下端から約20mmの位置に帯状に
吸着させ、クロロホルム−メタノール−水−酢酸−濃ア
ンモニア水の混液(110:50:5:1:1)で展開
させた。MC−7のバンドをかき取りクロロホルム−メ
タノール混液(5:1)で溶出させ、水とトルエンを1
0mlずつ加えて混合した。水層を分離しpHを8.0
に調整したのち、クロロホルム10mlで抽出した。飽
和食塩水5mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水したの
ち濃縮した。濃縮液に過剰のイソプロピルエーテルを添
加し、沈殿化したのち、乾燥してMC−7を11mg得
た。
【0049】MC−7物質の物理化学的性状 (1)性状 赤褐色粉末 (2)融点 187〜189℃(分解) (4)FDMS m/z 545(M+) (5)紫外及び可視部吸収スペクトル (6)赤外吸収スペクトル
【0050】
【実施例2】実施例1で得られたMC−7粉末の8mg
を0.1N塩酸に溶解し、85℃にて1時間加水分解し
たのち、アグリコンをクロロホルム−メタノール(1
0:1)で抽出した。抽出液を水で洗浄後、濃縮し、過
剰のn−ヘキサンを加えて沈殿化し、乾燥してMC−7
のアグリコン3mgを得た。
を0.1N塩酸に溶解し、85℃にて1時間加水分解し
たのち、アグリコンをクロロホルム−メタノール(1
0:1)で抽出した。抽出液を水で洗浄後、濃縮し、過
剰のn−ヘキサンを加えて沈殿化し、乾燥してMC−7
のアグリコン3mgを得た。
【0051】MC−7のアグリコン物質の物理化学的性
状 (1)性状 赤褐色粉末 (2)融点 245〜248℃(分解) (4)FDMS m/z 439(M+Na) (5)紫外及び可視部吸収スペクトル (6)赤外吸収スペクトル
状 (1)性状 赤褐色粉末 (2)融点 245〜248℃(分解) (4)FDMS m/z 439(M+Na) (5)紫外及び可視部吸収スペクトル (6)赤外吸収スペクトル
【0052】
【実施例3】ストレプトミセス・エスピー(Strep
tomyces sp.)D788,DKN−1(微工
研菌寄第10643号)のYS(0.3%酵母エキス、
1%可溶性デンプン、1.5%寒天、pH7.2)斜面
培養より一白金耳を採り、下記する種母培地100ml
を分注殺菌した500ml容三角フラスコに接種し、2
8℃、ロータリーシェーカー(220rpm)にて、2
日間振盪培養して種母を作成した。
tomyces sp.)D788,DKN−1(微工
研菌寄第10643号)のYS(0.3%酵母エキス、
1%可溶性デンプン、1.5%寒天、pH7.2)斜面
培養より一白金耳を採り、下記する種母培地100ml
を分注殺菌した500ml容三角フラスコに接種し、2
8℃、ロータリーシェーカー(220rpm)にて、2
日間振盪培養して種母を作成した。
【0053】種母培地 可溶性デンプン 0.5% グルコース 0.5% 大豆粉(エスサンミート、味の素社製) 1.0% 酵母エキス 0.1% 食塩 0.1% 第二リン酸カリ 0.1% 硫酸マグネシウム 0.1% 水道水 pH7.4(殺菌前) 次いで、下記組成の生産培地50mlを分注殺菌した5
00ml容三角フラスコに上記種母培養液1ml添加接
種した。
00ml容三角フラスコに上記種母培養液1ml添加接
種した。
【0054】生産培地 可溶性デンプン 5.0% マルトーズ 3.0% 乾燥酵母 2.0% 綿実粕 2.0% 魚粉 1.0% 酵母エキス 0.2% 食塩 0.1% 硫酸マグネシウム(7含水物) 0.1% 炭酸カルシウム 0.2% ミネラル溶液* 0.05% 水道水 pH7.0(殺菌前) *CuSO4・5H2O 2.8g、FeSO4・7H2O
0.4g、MnCl2・4H2O 3.2g、ZnSO
4・2H2O 0.8gを蒸留水500mlに溶解した。
0.4g、MnCl2・4H2O 3.2g、ZnSO
4・2H2O 0.8gを蒸留水500mlに溶解した。
【0055】150本のフラスコを用意し、28℃で3
日間培養(220rpm)したのち、これに基質として
β−ロドマイシノン(5mg/ml)を、フラスコ当り
0.5ml(基質量2.5mg)ずつ添加し、1日間培
養を継続した。
日間培養(220rpm)したのち、これに基質として
β−ロドマイシノン(5mg/ml)を、フラスコ当り
0.5ml(基質量2.5mg)ずつ添加し、1日間培
養を継続した。
【0056】培養液を回収し遠心操作にて菌体を分取し
た。これにアセトン5lを加え30分間撹拌抽出したの
ち、濾過してアセトン抽出液を得た。およそ1.5lま
で濃縮し、1lのクロロホルムで洗浄したのち4N水酸
化ナトリウムでpHを8.0に調整し3lのクロロホル
ムで抽出した。この抽出液をおよそ100mlまで濃縮
し、過剰のn−ヘキサンを加えて沈殿化した。沈殿物を
減圧下で乾燥し、80mgの粗粉末を得た。
た。これにアセトン5lを加え30分間撹拌抽出したの
ち、濾過してアセトン抽出液を得た。およそ1.5lま
で濃縮し、1lのクロロホルムで洗浄したのち4N水酸
化ナトリウムでpHを8.0に調整し3lのクロロホル
ムで抽出した。この抽出液をおよそ100mlまで濃縮
し、過剰のn−ヘキサンを加えて沈殿化した。沈殿物を
減圧下で乾燥し、80mgの粗粉末を得た。
【0057】得られた粗粉末全量をシリカゲル(Wak
ogel C−200、25g)のカラム(Φ16.5
mm)に吸着させ、クロロホルム−メタノール(10:
1)及びクロロホルム−メタノール−水(100:1
0:0.2〜100:30:0.5)の混液で順次溶出
させた。100:30:0.5で溶出されたMC−7を
含有する分画を集め濃縮乾固した。次いで、乾固物を少
量のクロロホルム−メタノール混液(10:1)に溶解
し、分取用薄層シリカゲルプレート(PF254、メルク
社製)8枚の下端から約20mmの位置に帯状に吸着さ
せ、クロロホルム−メタノール−水−酢酸−濃アンモニ
ア水の混液(110:50:5:1:1)で展開させ
た。MC−7のバンドをかき取りクロロホルム−メタノ
ール混液(0:1)で溶出させ、水とトルエンを10m
lずつ加えて混合した。水層を分離しpHを8.0に調
整したのち、クロロホルム10mlで抽出した。飽和食
塩水5mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水したのち濃
縮した。濃縮液に過剰のイソプロピルエーテルを添加
し、沈殿化したのち、乾燥してMC−7を7mg得た。
ogel C−200、25g)のカラム(Φ16.5
mm)に吸着させ、クロロホルム−メタノール(10:
1)及びクロロホルム−メタノール−水(100:1
0:0.2〜100:30:0.5)の混液で順次溶出
させた。100:30:0.5で溶出されたMC−7を
含有する分画を集め濃縮乾固した。次いで、乾固物を少
量のクロロホルム−メタノール混液(10:1)に溶解
し、分取用薄層シリカゲルプレート(PF254、メルク
社製)8枚の下端から約20mmの位置に帯状に吸着さ
せ、クロロホルム−メタノール−水−酢酸−濃アンモニ
ア水の混液(110:50:5:1:1)で展開させ
た。MC−7のバンドをかき取りクロロホルム−メタノ
ール混液(0:1)で溶出させ、水とトルエンを10m
lずつ加えて混合した。水層を分離しpHを8.0に調
整したのち、クロロホルム10mlで抽出した。飽和食
塩水5mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水したのち濃
縮した。濃縮液に過剰のイソプロピルエーテルを添加
し、沈殿化したのち、乾燥してMC−7を7mg得た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:465) (C12P 29/00 C12R 1:465) (72)発明者 岡本 六郎 神奈川県藤沢市花の木2−18 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 50/36 C12P 1/00 - 41/00 C07H 15/252 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) WPI(DIALOG)
Claims (4)
- 【請求項1】 式 【化1】 式中、Rは水素原子またはダウノサミニル基を表わす、
で示される化合物およびその塩。 - 【請求項2】 アントラサイクリン系抗生物質の4−O
−メチル化と同時に9位のエチル基を1−ヒドロキシエ
チル基に水酸化する能力を有するストレプトミセス属に
属する微生物を、式 【化2】 で示される化合物を含む培地で培養し、培養物から 【化3】 で示される化合物を採取し、そして必要に応じて、上記
式(I−a)の化合物を加水分解して式 【化4】 で示される化合物に変えることを特徴とする請求項1に
記載の式(I)の化合物の製造方法。 - 【請求項3】 アントラサイクリン系抗生物質の4−O
−メチル化、9位のエチル基の1−ヒドロキシエチル基
への水酸化および1位のダウノサミニル化を同時に行な
う能力を有するストレプトミセス属に属する微生物を、
式 【化5】 で示される化合物を含む培地で培養し、培養物から 【化6】 で示される化合物を採取し、そして必要に応じて、上記
式(I−a)の化合物を加水分解して式 【化7】 で示される化合物に変えることを特徴とする請求項1記
載の式(I)の化合物の製造方法。 - 【請求項4】 式 【化8】 で示される化合物を加水分解することを特徴とする式 【化9】 で示される化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21804191A JP3026862B2 (ja) | 1991-08-05 | 1991-08-05 | 新規アントラサイクリン化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21804191A JP3026862B2 (ja) | 1991-08-05 | 1991-08-05 | 新規アントラサイクリン化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0539242A JPH0539242A (ja) | 1993-02-19 |
JP3026862B2 true JP3026862B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=16713722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21804191A Expired - Lifetime JP3026862B2 (ja) | 1991-08-05 | 1991-08-05 | 新規アントラサイクリン化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3026862B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-05 JP JP21804191A patent/JP3026862B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0539242A (ja) | 1993-02-19 |
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