JPH10172315A - 光反射シート - Google Patents

光反射シート

Info

Publication number
JPH10172315A
JPH10172315A JP8328981A JP32898196A JPH10172315A JP H10172315 A JPH10172315 A JP H10172315A JP 8328981 A JP8328981 A JP 8328981A JP 32898196 A JP32898196 A JP 32898196A JP H10172315 A JPH10172315 A JP H10172315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium oxide
support
light reflecting
coating layer
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8328981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3901775B2 (ja
Inventor
Junji Harada
純二 原田
Katsushi Ogami
勝志 大上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP32898196A priority Critical patent/JP3901775B2/ja
Publication of JPH10172315A publication Critical patent/JPH10172315A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3901775B2 publication Critical patent/JP3901775B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化チタンの光触媒能を活用した防汚性に優れ
た貼り替え可能な光反射シート及びそれを用いた照明装
置、ブラインドを提供する。 【解決手段】透気性のない可撓性の支持体上に、少なく
とも酸化チタンを含有する白色コーティング層を有し、
該支持体の反対面に剥離可能に接着できる粘着剤層を設
けたことを特徴とする防汚効果を有する貼り替え型光反
射シート、及びそれを用いた照明装置及びブラインド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光灯等の照明器
具に装備された反射板等に貼り付けて使用できる取り替
え可能な防汚効果を有する光反射シート、及びそれを用
いた照明装置及びブラインドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、住環境におけるタバコの弊害に対
する関心の高まりに伴い、日常生活の中においても、嫌
煙、タバコ臭除去、防汚染などの要求が増加している。
公共施設おける禁煙領域は確保され、民間のレストラ
ン、飛行機、列車やタクシーなどにおいても禁煙領域が
増えつつある。タバコ臭の除去についても、脱臭性繊維
の開発や、活性炭、シリカ、アルミナ、金属酸化物等の
複合化された無機吸着剤による吸着型や分解型の空気清
浄装置の開発等により住環境の中からその影響を取り去
る方向に進みつつある。
【0003】しかしながら、タバコによる住環境への直
接の汚染、すなわちタバコのヤニに代表されるようなタ
ール状の物質が壁、床、天井、家具、照明器具などに付
着してしまう汚れについては解決できる手段がなかっ
た。中でも照明器具に関してはその反射板がヤニで一度
汚れてしまうと非常に取れ難く、結果として光の反射効
率が低下してしまい、有効な光量が少なくなるばかりで
なくエネルギー的にも大きな損失であった。
【0004】反射板に付着したタバコのヤニが取れ難い
原因としては、反射板が光源に非常に近い所で使用され
るため、光源からの光及び熱によって、付着したヤニの
酸化反応あるいは架橋反応が進行してヤニが化学的に変
質し、水や洗剤では膨潤、溶解し難くなることが考えら
れる。反射板の汚れを防ぐ手段としては、透明なプラス
チックシートを保護シートとして反射板に貼り合わせ、
該シートが汚れれば交換するという方法も考えられる
が、反射板を有効に活用しようとすると保護シートを頻
繁に交換するしかないという無駄が生じ、省資源的にも
好ましいものではない。
【0005】汚染物質の除去方法として、光触媒を用い
た汚染物質の除去方法が知られている。例えば、Cun
dallらは、J.Oil.Chem.Assoc.1
978,61,351において、酸化チタンに紫外光を
照射した場合、水とアルコールの混合系でアルコールが
分解されることを報告している。さらに特開昭61−1
35669号公報においては、酸化亜鉛等の光触媒に紫
外光を照射すると、悪臭物質である硫黄化合物が分解す
ることが報告されている。これら光触媒による分解反応
においては、反応の進行に伴って光触媒が消費されるこ
とはなく、光が曝露されている限りその分解能力は半永
久的である。光触媒反応は界面反応であり、光触媒と分
解対象物との接触機会が多い程効率的に進行する。従っ
て、光触媒の形状としては比表面積を大きくとれる粉体
であることが好ましいが、光触媒を粉体のまま使用する
ことは難しく、取り扱いには何らかの工夫が必要とな
る。
【0006】光触媒粉体の固定方法としては、特開昭6
3−127760号公報において、電灯へ直接焼き付け
る方法が考案され、特開平3−233100号公報にお
いては、ガラス管の外周壁面に接着剤を塗布し、その上
にサブミクロンオーダーに粉砕した酸化チタン、活性
炭、酸化第二鉄の混合粉体をまぶすように付着させて構
成した自動車道トンネルの有害ガスを除去する設備が考
案されてる。しかしながら、このような光触媒の固定方
法では、光触媒の露出表面が減少してしまい、分解対象
物との接触が阻害され、十分な特性を発揮することがで
きないという問題があった。加えて、ガラス等の支持体
では、支持体自身の重量が重くて取り扱い難く、かつ破
損し易く危険であるという問題もあり、分解特性、ハン
ドリング、安全性の点において、反射板として使用する
には問題があった。
【0007】光触媒の機能を阻害しない有効な固定方法
があれば、反射板に光触媒を直接固定することも考えら
れる。しかしながら、蛍光灯などの反射板の防汚を考え
た場合、反射板としての機能が第一であり、防汚、すな
わち汚れにくいということは付帯する条件に過ぎず、何
らかの障害、例えば分解できない物質の付着、分解した
酸化生成物(硝酸、硫酸など)の蓄積などによって分解
能が低下、防汚効果が減じた場合に、製品寿命のきてい
ない反射板までをも取り替えるというのではあまりに非
経済的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
欠点を克服した効率的な防汚作用を有し、かつ貼り替え
可能な光反射シート、及びそれを用いた照明装置及びブ
ラインドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく検討した結果、以下の発明に至った。
【0010】透気性のない可撓性の支持体上に酸化チタ
ンを含有する白色コーティング層を設け、該支持体の反
対面に剥離可能に接着できる粘着剤層を設けたことを特
徴とする防汚効果を有する貼り替え型光反射シート。
【0011】透気性のない可撓性の支持体上にバリヤー
層、酸化チタンを含有する白色コーティング層を順次設
け、該支持体の反対面に剥離可能に接着できる粘着剤層
を設けたことを特徴とする防汚効果を有する貼り替え型
光反射シート。
【0012】透気性のない可撓性の支持体上に紫外線吸
収剤を含有する保護層、酸化チタンを含有する白色コー
ティング層を順次設け、該支持体の反対面に剥離可能に
接着できる粘着剤層を設けたことを特徴とする防汚効果
を有する貼り替え型光反射シート。
【0013】透気性のない可撓性の支持体上に少なくと
も酸化チタンを含有する白色コーティング層を有し、該
支持体の反対面に剥離可能に接着できる粘着剤層を設け
た貼り替え型光反射シートにおいて、該白色コーティン
グ層上に通気性のトップコート層を設けたことを特徴と
する防汚効果を有する貼り替え型光反射シート。
【0014】透気性のない可撓性の支持体上に少なくと
も酸化チタンを含有する白色コーティング層を有し、該
支持体の反対面に剥離可能に接着できる粘着剤層を設け
た防汚効果を有する貼り替え型光反射シートが、反射率
50以上であることを特徴とする防汚効果を有する貼り
替え型光反射シート。
【0015】透気性のない可撓性の支持体上に少なくと
も酸化チタンを含有する白色コーティング層を有し、該
支持体の反対面に剥離可能に接着できる粘着剤層を設け
た防汚効果を有する貼り替え型光反射シートを光源周囲
に装備した照明装置。
【0016】透気性のない可撓性の支持体上に少なくと
も酸化チタンを含有する白色コーティング層を有し、該
支持体の反対面に剥離可能に接着できる粘着剤層を設け
た防汚効果を有する貼り替え型光反射シートを光源周囲
に装備したブラインド。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の光反射シートに係
わる構成要素を詳細に説明する。第一の本発明に係わる
光反射シートは、少なくとも酸化チタンを含有する白色
コーティング層、透気性のない可撓性の支持体、並びに
剥離可能に接着できる粘着剤層から構成される。
【0018】本発明に係わる酸化チタンとしては、従来
汎用の酸化チタンの他、含水酸化チタン、水和酸化チタ
ン、メタチタン酸、オルソチタン酸、水酸化チタンと呼
称されているチタン酸化物又は水酸化物を全て包含す
る。酸化チタンの製造方法としては、硫酸チタニル、塩
化チタン、有機チタン化合物等を必要に応じて核形成用
種子の共存下で加水分解する方法(加水分解法)、必要
に応じて核形成用種子を共存させながら、硫酸チタニ
ル、塩化チタン、有機チタン化合物等にアルカリ剤を添
加して中和する方法(中和法)、塩化チタン、有機チタ
ン化合物等を気相酸化する方法(気相酸化法)、加水分
解及び中和法で得られた酸化チタンを焼成する方法(焼
成法)等が挙げられる。何れの製法によって得られた酸
化チタンでも用いることができるが、本発明に係わる酸
化チタンは、その表面に水酸基を多く有するものである
ことが好ましい。
【0019】本発明に係わる酸化チタンは、光を照射す
るとその表面にフリーラジカルを生成する。タバコのヤ
ニ等の汚染性の物質が酸化チタン表面に吸着している際
に光を照射すると、生成したフリーラジカルが汚染物質
を攻撃し一般的には酸化分解する。このプロセスは「酸
化チタン」(清野学著、技報堂出版)に記載されている
通り、酸化チタンの表面水酸基がフリーラジカルの生成
点となっている。この為、酸化チタンに要求される性能
としては光の吸収、電荷分離の他に、表面水酸基のフリ
ーラジカルの生成、再生等の各種性能が求められる。こ
れらのプロセスを十分に発揮させるのには、酸化チタン
の比表面積を大きくし、フリーラジカルの生成点である
表面水酸基を増加させることが効果的である。又、酸化
チタンの比表面積を大きくすると、汚染物質との接触面
積が増大し、該汚染物質を分解、除去する効率が向上す
る点でも好ましい。本発明の光反射シートに用いられる
酸化チタンの比表面積は、50m2/g以上であることが
好ましく、さらに好ましくは100m2/g以上である。
また、このような比表面積を持つ酸化チタンの粒径は3
0nm以下が好ましく、更に好ましくは10nm以下で
ある。粒子の状態は一次粒子の状態でもよいし、凝集し
た粒子状態となっていても汚染物質の除去性能には影響
はない。
【0020】酸化チタンのような光触媒作用を有する半
導体としては、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化セ
リウムなどの金属酸化物を挙げることもできるが、光反
射シートに必要な白色度、構造安定性や光触媒能力、更
には取扱い上の安全性等から本発明において使用するに
は酸化チタンが最も適している。
【0021】本発明の光反射シートにおける酸化チタン
の含有量は、白色コーティング層の総重量の0.5〜8
0重量%が好ましく、更に好ましくは2〜70重量%で
ある。0.5重量%未満では、実質的に汚染物質の分解
効果が期待できず、一方、80重量%を越えて多いと、
酸化チタンを白色コーティング層中に強固に保持するこ
とができなくなり、粉落ちの原因となる。なお、白色コ
ーティング層内において、その厚み方向に酸化チタン濃
度に勾配を持たせる、例えば表面の酸化チタン濃度が高
くなるように白色コーティング層を作製すると、白色コ
ーティング層に含有される酸化チタンの絶対量は少なく
ても相応の効果を期待できる。
【0022】本発明に係わる酸化チタンを含有する白色
コーティング層を支持体上に設けるに当たり、結着剤と
して無機バインダーを用いる。無機バインダーの具体例
としては、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイ
ト等のスメクタイト群、バーミキュライト群、カオリナ
イト、ハロイサイト等のカオリナイト−蛇紋石群、セピ
オライト等の天然粘土鉱物の他、コロイダルシリカ、コ
ロイダルアルミナ及びこれらの変性物や合成無機高分子
化合物等が挙げられる。
【0023】本発明で云う上記変性物に於ける変性と
は、天然鉱物中より不純物や特定の原子団を除去した
り、天然鉱物構成元素中の特定の元素を適当な方法で処
理して他の元素と交換したり、別の化合物(特に有機化
合物)と共に化学処理して特に鉱物表面の物性を改変す
ることにより、元来の天然鉱物固有の特性を伸張した
り、あるいは新たなる特性を付与することであり、本発
明で云う変性物の具体例としては、Ca−モンモリロナ
イトを水の存在下で炭酸ナトリウム等と処理してイオン
交換を行なったNa−モンモリロナイトや、カチオン界
面活性剤及び/またはノニオン界面活性剤と処理したも
のなどが挙げられる。
【0024】また、本発明で云う合成無機高分子化合物
とは、天然鉱物と同等の組成を得るべく、あるいは新た
なる特性を付与するべく同等組成の特定の元素を他の元
素で置換したもので、2種類以上の化合物を反応させて
得られるものであって、天然雲母族の構造中の水酸基を
フッ素で置換したフッ素雲母や、合成スメクタイト等が
挙げられる。フッ素雲母の代表例としては、フッ素金雲
母[KMg3(AlSi310)F2]、フッ素四ケイ素雲
母[KMg2.5(Si410)F2]、テニオライト[KM
2Li(Si410)F2]が挙げられる。
【0025】本発明に係わる上記無機物は、少なくとも
塗液中でコロイドを呈するものが好ましく、故にこれら
を用いる場合には、特に天然鉱物については微粒子状に
粉砕し、かつ非コロイド分は予め適当な方法で除去して
おく必要がある。本発明で好ましく用いられる無機バイ
ンダーとしては、皮膜の機械的強度及び耐候性に優れる
コロイダルアルミナ、フッ素雲母、合成スメクタイト等
の合成無機高分子化合物が挙げられる。
【0026】本発明に係わる酸化チタンを含有する白色
コーティング層を塗設するに当り、支持体表面が水濡れ
性に劣るようであれば、白色コーティング層の塗液作製
時に適当な界面活性剤や有機溶媒を使用したり、白色コ
ーティング層の塗設に先立って、支持体表面をコロナ処
理、グロー放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、電
子線照射処理、遠紫外線照射処理、オゾン処理、界面活
性剤等で物理的化学的処理し、支持体表面の水濡れ性を
向上させておくことが好ましい。
【0027】本発明の光反射シートは、酸化チタンを無
機バインダーを用いて可撓性のある支持体上に設けた物
であり、該支持体としては好ましくはポリエチレン、ポ
リプロピレン、TPXなどのポリオレフィン樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル、スチ
レン酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビ
ニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリ
ビニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、ポリウレタン
系樹脂等の合成樹脂材料を用いることができる。これら
の合成樹脂材料は単体のまま使用しても良いし、ブレン
ドして使用しても良く、また顔料を練り込んで、例えば
白色プラスチックシートのようにして用いることも可能
である。
【0028】しかしながら、本発明において特に留意し
なければならないのは、本発明の光反射シートは裏面に
剥離可能に接着できる粘着剤層を設けることから、白色
コーティング層側の光反応生成物(反応活性種)が裏面
に移動することがあってはならないということである。
当然ながら上記の合成樹脂を素材とした可撓性の支持体
は、多かれ少なかれアモルファス領域を有する高分子物
質であり、活性種は多くの場合気体に近い形状であるこ
とから高分子内に溶解/拡散/移動が可能であり、非常
に長時間(例えば10年などの)を経過した後では粘着
剤層が活性種の影響を受けることは有り得るが、少なく
とも本発明の光反射シートの支持体となる物質の形状は
積極的に通気性を有する形状、すなわち合成樹脂繊維、
天然繊維、レーヨン繊維及びアセテート繊維等の再生及
び半合成繊維、活性炭繊維、ガラス繊維及びアルミナ繊
維等の無機繊維、ステンレス繊維等の金属繊維等よりな
る不織布や、あるいは多孔性などの処理がなされたもの
などであってはならない。
【0029】酸化チタンを含有する白色コーティング層
の厚みは、光効率、白色度、塗膜強度、可撓性、酸化チ
タン及び他の含有粒子の粒径などから決まるもので特に
制限はないが、十分な量の酸化チタンを含有させ、経済
的にも不利とならないという条件の下で1〜100μm
の範囲にあることが好ましい。白色コーティング層の厚
みがこの範囲より薄いと、酸化チタンの含有量が不十分
で光効率が良くなかったり、あるいは塗膜強度が弱すぎ
たりする場合があり、十分に防汚の効果を発揮できない
場合がある。またこの範囲より厚くても、層の下の方ま
で光が届かず無駄であったり、光反射シートとして必要
な可撓性を失って取り扱い難くなったりする場合があ
る。
【0030】本発明の可撓性の支持体上に酸化チタンを
含有する白色コーティング層を塗工するに当たって、各
種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコ
ーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、ショ
ートドウェルコーター、コンマコーター、ダイコータ
ー、リバースロールコーター、キスコーター、ディップ
コーター、カーテンコーター、エクストルージョンコー
ター、グライアコーター、マイクログラビアコーター、
サイズプレスなどの各種塗工装置を用いることができ
る。また、塗工後には、マシンカレンダー、TGカレン
ダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカ
レンダーを用いて平坦化、つや出し仕上げを行ったり、
エンボス装置を用いて型付けを行っても良い。
【0031】本発明において、可撓性の支持体の酸化チ
タンを含有する白色コーティング層塗設面と反対側の面
には、剥離可能に接着できる(再剥離可能な)粘着剤層
を設けることを特徴とする。再剥離可能な粘着剤として
有効に機能する為には、支持体と粘着剤との接着性(投
錨性)が強い一方で、粘着剤の凝集力が強く、かつ被接
着体と粘着剤との接着性が弱いという特性が要求され
る。これらの要求特性の内、投錨性を向上させる為には
粘着剤ポリマーの分子量が低いことが好ましく、他2者
を満足させる為には逆に粘着剤ポリマーの分子量が高い
ことが好ましいというジレンマがあり、これをクリアす
る手段としては、例えば2液系の再剥離型粘着剤があ
る。これは主剤となる低分子量の粘着剤ポリマーで支持
体との投錨性を確保した後、適当な架橋剤でポリマーを
架橋、高分子量化させることで粘着剤と被接着体との接
着力を調整するものであり、主剤としてはアクリル共重
合樹脂等、架橋剤としてはエポキシ樹脂等が用いられる
のが一般的である。あるいは、微球体粘着剤による物理
的ソケット効果によって被接着体との接着力を調整した
り、被接着体と粘着剤の表面極性に起因する両者間の電
気的結合を緩和するような官能基を粘着剤に共重合する
ことによって接着力を調整したりする方法もある。
【0032】第二の本発明に係わる光反射シートは、少
なくとも酸化チタンを含有する白色コーティング層、透
気性のない可撓性の支持体、バリヤー層、並びに剥離可
能に接着できる粘着剤層から構成される。本発明におい
ては、白色コーティング層側の光反応生成物(反応活性
種)が支持体に達し、該白色コーティング層側と反対側
の支持体面に設けられた粘着剤層の劣化を引き起こすこ
とを防止する目的で、先述の通り透気性のない支持体を
用いることを特徴としているが、支持体と白色コーティ
ング層との間に酸化チタンを含有しないバリヤー層を設
けることによって、粘着剤層の劣化を一層抑制可能なば
かりでなく、支持体そのものの劣化をも抑制している。
バリヤー層を構成する成分は、前述の無機バインダーを
主成分としたもので、無機吸着剤あるいは無機顔料を含
有しても良い。バリヤー層の厚みは特に規制されるもの
ではないが、好ましくは1〜100μmの範囲内であっ
て、支持体の可撓性を阻害しない範囲で用いられる。
【0033】第三の本発明に係わる光反射シートは、少
なくとも酸化チタンを含有する白色コーティング層、透
気性のない可撓性の支持体、紫外線吸収剤を含有する保
護層、並びに剥離可能に接着できる粘着剤層から構成さ
れる。本発明においては光反応生成物(反応活性種)の
支持体内への溶解/拡散/移動による支持体の劣化を防
止するだけでなく、支持体と白色コーティング層との間
に紫外線吸収剤を含有する保護層を設けることにより蛍
光灯などの光源から発生する紫外線および紫外線により
引き起こされる化学反応による支持体の劣化を防止して
いる。該保護層を構成する成分は、前述の無機バインダ
ーを主成分とし、紫外線吸収剤として以下に示す物質を
適当な濃度で混合して用いることができる。
【0034】本発明で用いる紫外線吸収剤とは、300
〜400mμの紫外線を吸収し、吸収したエネルギーを
熱エネルギーとして再輻射する素材であり、一般に紫外
線吸収剤として用いられるものであれば如何なるもので
もよく、具体的には例えば以下のものが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0035】サリチル酸系紫外線吸収剤として、フェニ
ルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシ
レート、p−オクチルフェニルサリシレート等。
【0036】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデ
シルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス
(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェ
ニル)メタン等。
【0037】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とし
て、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”
−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフ
ェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス
[4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−6
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル]等。
【0038】シアノアクリレート系紫外線吸収剤とし
て、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフ
ェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−
ジフェニルアクリレート等。
【0039】これらは、単独で用いることもできるし、
2種以上併用することもできる。
【0040】該紫外線吸収剤を含有する保護層は、酸化
チタンを含有する白色コーティング層の塗設前に支持体
に塗設しても構わないし、あるいは多層塗布コーターを
用いて白色コーティング層と同時に支持体に塗設しても
構わない。
【0041】上記の如く本発明において、白色コーティ
ング層側の光反応生成物(反応活性種)が支持体に移動
することに起因した支持体や粘着剤層の劣化を防止する
目的で、支持体と白色コーティング層の間にバリヤー層
や保護層を設けることが可能であるが、単体の金属(ア
ルミニウム、銀など)を蒸着やイオンプレーティングで
設けたり、あるいは金属箔を白色コーティング層の下に
貼合せることは、支持体の劣化や剥離可能な粘着剤層の
劣化を防止する上では効果があるが、酸化チタンと無機
バインダーからなる白色コーティング層との接着性が低
下、長期間の光の曝露で白色コーティング層が剥離、脱
落する場合がある為、用いない方が好ましい。
【0042】第四の本発明に係わる光反射シートは、少
なくとも酸化チタンを含有する白色コーティング層、通
気性のトップコート層、透気性のない可撓性の支持体、
並びに剥離可能に接着できる粘着剤層から構成される。
本発明の光反射シートの表面に存在する通気性のトップ
コート層は、本発明の光反射シートの防汚効果をほとん
ど阻害することなく白色コーティング層の耐擦性を向上
させ、光触媒シートとしての実用性を高めるばかりでな
く、光反射シートとしての寿命も長持ちさせている。通
気性のトップコート層を形成する材料としては、コロイ
ダルシリカ、コロイダルアルミナ等が好ましく、必要に
応じて先述の無機バインダーを混合して使用することが
可能である。トップコート層の厚みについては、必要以
上に厚いと光触媒能を阻害する為、耐擦性を満足できる
範囲でより薄いことが望ましく、好ましくは5μm以下
である。
【0043】当初予期しなかったことであるが、本発明
の光反射シートを用いた照明装置やブラインドを用いる
と、酸化チタンの高い酸化力の為か照明装置やブライン
ド周囲の雑菌が死滅し、故に照明装置やブラインドの下
などに埃と共に雑菌が落ちてくることがないなど、優れ
た抗菌性があることが明らかとなった。
【0044】また、驚くべき事に本発明の防汚効果を有
する光反射シートを用いた照明装置やブラインドを用い
ると、酸化チタンの高い酸化力の為か照明装置やブライ
ンド周囲の悪臭が分解され、高い脱臭性を有することが
明らかとなった。
【0045】本発明の光反射シートを用いた照明装置に
用いられる照明用光源としては、蛍光灯、ハロゲン球、
HID、TLT、水銀灯、ブラックライト、捕虫灯、カ
ラー蛍光灯、白熱灯、殺菌灯など一般の照明装置に用い
られる光源を全て使用することができる。当然のことな
がら、本発明の防汚効果を有する光反射シートを用いた
照明装置においては、その防汚性能は光により発現する
為、光源の消灯時においても光反射シートを用いた照明
装置が、太陽光や他の照明装置などからの光に晒されて
いる条件下であれば、光防汚を行うことが可能である。
【0046】太陽光を積極的に用いた使い方として、本
発明の光反射シートを窓部に装着されているブラインド
に用いる方法が挙げられる。本発明の光反射シートをブ
ラインドに用いることにより、太陽光を防汚や脱臭に用
いることが可能であるばかりでなく、必要に応じて太陽
光の室内への侵入を制御することが可能である。ブライ
ンドの種類としては、縦型ブラインド、横型ブライン
ド、ロール状ブラインドなど如何なる種類でも用いるこ
とができ、被接着体としてのブラインドの素材も合成樹
脂板、塗装金属板など如何なる素材でも差し支えない。
【0047】本発明の酸化チタンを担持した光反射シー
トは、通常の反射板やブラインドに貼り付けて使用でき
る他、通常の反射板やブラインドに用いられている加工
形態は全て使用することができる。すなわち、光反射シ
ートを反射板やブラインドにそのまま貼り合せる方法、
ひだ折り加工された状態で用いる方法、あるいは型押し
状態で用いる方法など如何なる加工方法を用いても差し
支えない。また、光反射シートに貫孔して用いることも
差し支えない。
【0048】本発明の光反射シートは、透気性のない可
撓性の支持体上に少なくとも酸化チタンを含有する白色
コーティング層を有し、該支持体の反対面に剥離可能に
接着できる粘着剤層を設けた光反射シートであって、既
存の照明器具の反射板やブラインドに貼り合わせて用い
ることができる。特に該光反射シートを用いた照明装置
においては、その優れた防汚効果によって光反射の効率
が長期持続するばかりでなく、照明装置として使用しつ
つ酸化チタンの光触媒能によってタバコ等の臭気物質を
分解することも可能であり、周囲環境を良好に保つこと
もできる。
【0049】本発明に用いられる光反射シートにおい
て、特に照明装置の反射板として用いる場合には、その
反射率は50以上であることが好ましい。ここで云う反
射率とは拡散反射率のことで、JIS Z 8722に準
じて測定した拡散反射率(%)の値である。反射率が5
0より低いと光源からの光の反射性が低下し、反射板と
しての機能が低下するばかりか、光の反射が少なくなり
効率的な光触媒防汚ができなくなるので好ましくない。
【0050】
【実施例】以下、実施例により更に本発明を詳細に説明
するが、本発明はその主旨を越えない限りこれらに限定
されるものではない。
【0051】予備操作1 実施例に用いる透気性のない可撓性の支持体として、軟
質透明ツヤ塩ビフィルム(80μm)に剥離可能なアク
リル系粘着剤を加工した支持体(大日本インキ化学工業
製、ソフタック軟質透明80AER)を用いた。支持体
の表面に白色コーティング層を設ける為に、事前にコロ
ナ処理を施し、白色コーティング層の塗設時には裏面に
剥離紙を接着させたまま用いた。この支持体を支持体1
とした。
【0052】予備操作2 実施例に用いる透気性のない可撓性の支持体として、軟
質白塩ビフィルム(80μm)に剥離可能なアクリル系
粘着剤を加工した支持体(大日本インキ化学工業製、ソ
フタック軟質白消80AER)を用いた。支持体の表面
に白色コーティング層を設ける為に、事前にコロナ処理
を施し、白色コーティング層の塗設時には裏面に剥離紙
を接着させたまま用いた。この支持体を支持体2とし
た。
【0053】実施例1 光触媒として、酸化チタン(日本アエロジル製、P25
S6)を60重量%、無機バインダーとして、合成スメ
クタイト(クニミネ工業製、スメクトンSA)を40重
量%含有してなる白色コーティング層を支持体1上に1
0μmの厚みになるように塗布、乾燥した後、カレンダ
ー処理を行い、実施例1の光反射シートを得た。
【0054】実施例2 光触媒として、酸化チタン(石原産業製、ST−31)
を60重量%、無機バインダーとして、合成スメクタイ
ト(クニミネ工業製、スメクトンSA)を40重量%含
有してなる白色コーティング層を支持体2上に10μm
の厚みになるように塗布、乾燥した後、カレンダー処理
を行い、実施例2の光反射シートを得た。
【0055】実施例3 支持体1の表面にバリヤー層として、合成スメクタイト
(クニミネ工業製、スメクトンSA)の塗工層を5μm
の厚みで設け、その上に光触媒として、酸化チタン(日
本アエロジル製、P25S6)を60重量%、無機バイ
ンダーとして、合成スメクタイト(クニミネ工業製、ス
メクトンSA)を40重量%含有してなる白色コーティ
ング層を5μmの厚みになるように塗布、乾燥した後、
カレンダー処理を行い実施例3の光反射シートを得た。
【0056】実施例4 支持体2の表面に保護層として、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノンを5重量%含有する合成スメ
クタイト(クニミネ工業製、スメクトンSA)の塗工層
を5μmの厚みで設け、その上に光触媒として、酸化チ
タン(石原産業製、ST−31)を60重量%、無機バ
インダーとして、合成スメクタイト(クニミネ工業製、
スメクトンSA)を40重量%含有してなる白色コーテ
ィング層を5μmの厚みになるように塗布、乾燥した
後、カレンダー処理を行い実施例4の光反射シートを得
た。
【0057】実施例5 実施例1の光反射シートの表面に、コロイダルシリカ
(日産化学工業製、スノーテックス−AK)を70重量
%、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメクトンS
A)を30重量%含有してなる通気性のトップコート層
を2μmの厚みで設け、実施例5の光反射シートを得
た。
【0058】実施例6 実施例2の光反射シートの表面に、コロイダルアルミナ
(触媒化成工業製、カタロイドAS−2)を70重量
%、合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメクトンS
A)を30重量%含有してなる通気性のトップコート層
を2μmの厚みで設け、実施例6の光反射シートを得
た。
【0059】以上の実施例により得られた光反射シート
は、いずれも反射率50%以上であり、かつ剥離紙を取
り去ることにより粘着性を発揮でき、光源の周辺や従来
の反射板、ブラインド等に接着することが可能であっ
た。また、必要に応じて光反射シートを再び取り去るこ
とも可能で、その際に粘着剤が反射板上に残ることはな
かった。
【0060】比較例1 光触媒である酸化チタンを含有させなかった点を除い
て、実施例1と同様の方法で比較例1の光反射シートを
得た。
【0061】比較例2 光触媒である酸化チタンを含有させなかった点を除い
て、実施例2と同様の方法で比較例2の光反射シートを
得た。
【0062】比較例3 光触媒である酸化チタンを含有させなかった点を除い
て、実施例3と同様の方法で比較例3の光反射シートを
得た。
【0063】比較例4 光触媒である酸化チタンを含有させなかった点を除い
て、実施例4と同様の方法で比較例4の光反射シートを
得た。
【0064】比較例5 光触媒である酸化チタンを含有させなかった点を除い
て、実施例5と同様の方法で比較例5の光反射シートを
得た。
【0065】比較例6 光触媒である酸化チタンを含有させなかった点を除い
て、実施例6と同様の方法で比較例6の光反射シートを
得た。
【0066】比較例7 透気性のない可撓性の支持体として、ポリエステルフィ
ルム(テイジン製、厚み50μm)を使用し、該支持体
上にアクリル系粘着剤(日本合成ゴム製、AE230)
を10μmの厚みで設け、剥離紙を貼り合わせて粘着剤
層を保護した。粘着剤層と反対側の面にコロナ処理を施
した後、該表面に光触媒として、酸化チタン(日本アエ
ロジル製、P25S6)を60重量%、無機バインダー
として合成スメクタイト(クニミネ工業製、スメクトン
SA)を40重量%含有してなる白色コーティング層を
10μmの厚みになるように塗布、乾燥した後、カレン
ダー処理を行ない比較例7の光反射シートを得た。
【0067】実施例及び比較例で得た光反射シートを市
販の20Wの蛍光灯の反射板に貼り付けて試験用の照明
装置とした。
【0068】実施例及び比較例で得た光反射シートを市
販の横型ブラインドに貼り付けて試験用のブラインドと
した。
【0069】以上、実施例及び比較例で得られた照明装
置及びブラインドは、以下の方法で試験を行い、その結
果を表1に示した。
【0070】[防汚性1]防汚性1の試験は以下のよう
にして行った。まず、防汚性1試験前の光反射シートの
色差を色差計(ミノルタ製、Lab型)で測定した。次
に、0.1m3の密閉容器中に、実施例及び比較例の光反
射シートを装着した照明装置を各1個ずつ設置し、ポン
プを用いてタバコ(マイルドセブン)10本分の煙を容
器内に導入した。照明装置を取り出し、タバコ煙導入直
後の光反射シートの色差を色差計で測定した後、容器内
に照明装置を戻して蛍光灯を50時間点灯、点灯後の光
反射シートの色差を色差計で測定した。各光反射シート
の色差計の測定値の内、黄色みを示すb値の変動で防汚
性を判定した。すなわち、防汚性1試験前の光反射シー
トのb値をb0、タバコ煙導入直後の光反射シートのb
値をb1、蛍光灯50時間点灯後の光反射シートのb値
をb2とし、b0〜b1までの汚染負荷を与えた場合、b2
の時に汚染負荷がどの程度除去されているのかを百分率
で表示した。該値が0%では汚染負荷が全く低減してい
ない状態を示し、100%では汚染負荷が完全に取り除
かれている状態を示す。但し、100%よりも大きな値
となる場合や0%より小さな値となる場合には、便宜上
それぞれ100%、0%と表示した。
【0071】[防汚性2]防汚性2の試験は以下のよう
にして行った。0.1m3の密閉容器中に実施例及び比較
例の光反射シートを装着した照明装置を各1個ずつ設置
し、ポンプを用いてタバコ(マイルドセブン)10本分
の煙を導入した。照明装置を取り出し、タバコ煙導入直
後の光反射シートの色差を色差計で測定した後、容器内
に照明装置を戻し、蛍光灯を点灯させずに50時間放置
した後、再び光反射シートの色差を色差計で測定した。
防汚性の判定は防汚性1の判定と同じく各光反射シート
における色差計のb値の変動率で判定した。
【0072】[防汚性3][防汚性2]の試験後に蛍光
灯を50時間点灯し、再び光反射シートの色差を測定し
た。防汚性の判定は防汚性1の判定と同じく各光反射シ
ートにおける色差計のb値の変動率で判定した。
【0073】[防汚性4]防汚性4の試験は以下のよう
にして行った。0.1m3の密閉容器中に実施例及び比較
例の光反射シートを装着したブラインドを各1個ずつ設
置し、ポンプを用いてタバコ(マイルドセブン)10本
分の煙を導入した。ブラインドを取り出し、タバコ煙導
入直後の光反射シートの色差を色差計で測定した後、容
器内にブラインドを戻し、防汚性1〜3で使用した蛍光
灯を50時間点灯、点灯後の光反射シートの色差を色差
計で測定した。防汚性の判定は防汚性1の判定と同じく
各光反射シートにおける色差計のb値の変動率で判定し
た。
【0074】[照明性]実施例及び比較例の光反射シー
トを装着した照明装置を点灯し、その照明効果を目視に
より判定した。光源より50cmの距離で本が十分に読
めるほど明るい場合を照明性が優、やや暗いと感じる場
合を照明性が並、本が読み難いほど暗い場合を照明性が
劣で判定した。
【0075】[貼り替え性][防汚性3]で使用した照
明装置から光反射シートを剥がした。光触媒シートが抵
抗無くきれいに剥がせ、基材に粘着剤の残らない場合を
貼り替え性が優、剥がす際に抵抗はあるが粘着剤が残ら
ない場合を貼り替え性が並、剥がれないか剥がした後に
粘着剤が残って基材を汚す場合を貼り替え性が劣で判定
した。貼り替えることを念頭において光反射シートを用
いた場合、貼り替え性が優あるいは並であれば貼り替え
可能であるが、劣では光反射シートが破損した場合など
に貼り替えることができない。
【0076】[耐擦性]実施例及び比較例で得られた光
反射シートの表面を綿棒で擦って耐擦性を観察した。5
0往復より少ない回数の擦りで表面に傷が生じる場合を
耐擦性が劣、50〜199往復の回数の擦りで表面に傷
が生じる場合を耐擦性が並、200〜500往復の擦り
で表面に傷が生じる場合を耐擦性が良、それよりも多い
回数で表面に傷が生じる場合や傷が生じない場合を耐擦
性が優として判定した。
【0077】[耐久性]実施例及び比較例で得た光反射
シートを2cm四方に断裁して1ピースとし、市販の2
0Wの蛍光灯の反射板に100ピース貼り付けて耐久性
試験用の照明装置とし、1ヶ月毎に蛍光灯を取り替えな
がら1年間の露光試験を行った。露光前後の光反射シー
トを比較し、反射板と光反射シートとの接着性、光反射
シート表面(白色コーティング層他)の塗層の状態を観
察した。反射板からの光反射シートの剥離が見られたピ
ースの個数、光反射シート表面の塗層の剥がれが見られ
たピースの個数の総和で耐久性を判定した。前記総和が
0の場合を耐久性が優、1〜2までを耐久性が良、3〜
5を耐久性が並、6〜10を耐久性が劣、11以上を耐
久性が悪で判定した。
【0078】[脱臭性]0.1m3の密閉容器中に実施例
及び比較例の光反射シートを装着した照明装置を各1個
ずつ設置し、ポンプを用いてタバコ(マイルドセブン)
10本分の煙を導入した後、蛍光灯を点灯した。タバコ
煙導入直後より、容器内のアセトアルデヒド(タバコの
臭気の主成分の一つ)濃度をガスクロマトグラフで測
定、20分後のアセトアルデヒド減少量が、ブランク
(光反射シートを装着せずに蛍光灯を点灯した場合の2
0分後)のアセトアルデヒド減少量の5倍よりも大であ
る場合を脱臭性が優、2〜5倍の場合を脱臭性が良、2
倍より小さく1倍以上の場合を脱臭性が並、1倍より小
さい場合を脱臭性が劣で判定した。
【0079】[抗菌性]実施例及び比較例で得られた光
反射シートを装着した照明装置を温度36℃、湿度80
%の環境下に設置し、光反射シート上に緑膿菌(100
万個レベル)を培養した寒天培地を塗り込んだ。寒天培
地が乾かないように石英ガラス製のシャーレで覆い、蛍
光灯を点灯させて5時間後の寒天培地の緑膿菌の繁殖状
態を観察した。生存菌が10個以下(観測下限)の場合
を抗菌性が優、生存菌が10個よりも多く100個まで
を抗菌性が良、生存菌が100個よりも多く1000個
までを抗菌性が良、生存菌が1000個よりも多く1万
個までを抗菌性が並、生存菌が1万個以上の場合を抗菌
性が劣で判定した。
【0080】以上の試験項目の結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】以上の如く、本発明の光反射シートは、
透気性のない可撓性の支持体上に少なくとも酸化チタン
を含有する白色コーティング層を有し、該支持体の反対
面に剥離可能に接着できる粘着剤層を設けた光反射シー
トであって、既存の照明器具の反射板やブラインドに貼
り合わせて用いることができる。特に該光反射シートを
用いた照明装置は、光が照射されている限り、酸化チタ
ンの光触媒能による優れた防汚効果によって光反射の効
率が長期持続し、タバコのヤニや料理の油などが付着す
る機会の多い蛍光灯等の反射板に好ましく用いられる。
加えて、このような防汚効果のみならず、脱臭及び抗菌
作用をも示し、通常の照明装置として使用しつつ周囲環
境を良好に保つことも可能である。更には、本発明の光
反射シートは構造的に貼り替えが可能で、反射板等の被
接着体を接着剤で汚したり、あるいは被接着体から剥が
れなくなったりすることがなく、通常の反射板のように
付着した汚れを無理に拭き取ったりする必要も無く取り
扱い易い。また、光反射シートは光源の上部で用いられ
る為、光源の発熱による対流によって周囲環境の効率的
な光防汚、脱臭、抗菌が可能であり、その工業的価値は
非常に高いものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透気性のない可撓性の支持体上に酸化チ
    タンを含有する白色コーティング層を設け、該支持体の
    反対面に剥離可能に接着できる粘着剤層を設けたことを
    特徴とする防汚効果を有する貼り替え型光反射シート。
  2. 【請求項2】 透気性のない可撓性の支持体上にバリヤ
    ー層、酸化チタンを含有する白色コーティング層を順次
    設け、該支持体の反対面に剥離可能に接着できる粘着剤
    層を設けたことを特徴とする防汚効果を有する貼り替え
    型光反射シート。
  3. 【請求項3】 透気性のない可撓性の支持体上に紫外線
    吸収剤を含有する保護層、酸化チタンを含有する白色コ
    ーティング層を順次設け、該支持体の反対面に剥離可能
    に接着できる粘着剤層を設けたことを特徴とする防汚効
    果を有する貼り替え型光反射シート。
  4. 【請求項4】 透気性のない可撓性の支持体上に少なく
    とも酸化チタンを含有する白色コーティング層を有し、
    該支持体の反対面に剥離可能に接着できる粘着剤層を設
    けた貼り替え型光反射シートにおいて、該白色コーティ
    ング層上に通気性のトップコート層を設けたことを特徴
    とする防汚効果を有する貼り替え型光反射シート。
  5. 【請求項5】 透気性のない可撓性の支持体上に少なく
    とも酸化チタンを含有する白色コーティング層を有し、
    該支持体の反対面に剥離可能に接着できる粘着剤層を設
    けた防汚効果を有する貼り替え型光反射シートが、反射
    率50以上であることを特徴とする防汚効果を有する貼
    り替え型光反射シート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の防汚効果を有する貼
    り替え型光反射シートを光源周囲に装備した照明装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4記載の防汚効果を有する貼
    り替え型光反射シートを装備したブラインド。
JP32898196A 1996-12-10 1996-12-10 光反射シート Expired - Fee Related JP3901775B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32898196A JP3901775B2 (ja) 1996-12-10 1996-12-10 光反射シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32898196A JP3901775B2 (ja) 1996-12-10 1996-12-10 光反射シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10172315A true JPH10172315A (ja) 1998-06-26
JP3901775B2 JP3901775B2 (ja) 2007-04-04

Family

ID=18216277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32898196A Expired - Fee Related JP3901775B2 (ja) 1996-12-10 1996-12-10 光反射シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3901775B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007290294A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Nippon Steel Corp 被覆基材及びその製造方法
JP2008191592A (ja) * 2007-02-07 2008-08-21 Hitachi Ltd 光学部材
JPWO2010035872A1 (ja) * 2008-09-29 2012-02-23 富士フイルム株式会社 防眩性フィルムの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007290294A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Nippon Steel Corp 被覆基材及びその製造方法
JP2008191592A (ja) * 2007-02-07 2008-08-21 Hitachi Ltd 光学部材
JPWO2010035872A1 (ja) * 2008-09-29 2012-02-23 富士フイルム株式会社 防眩性フィルムの製造方法
JP5481381B2 (ja) * 2008-09-29 2014-04-23 富士フイルム株式会社 防眩性フィルムの製造方法
US8932669B2 (en) 2008-09-29 2015-01-13 Fujifilm Corporation Method for producing antiglare film

Also Published As

Publication number Publication date
JP3901775B2 (ja) 2007-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100350256B1 (ko) 광촉매 복합체 및 그의 제조방법
JPH09234375A (ja) 光反応性有害物除去材
KR20100075850A (ko) 광촉매코팅
JP3818811B2 (ja) 空気浄化用光触媒フィルター
JP4319275B2 (ja) 光触媒担持フィルムをラミネート加工してなる金属板
JP4112661B2 (ja) 光触媒体及びその用途
JPH10172315A (ja) 光反射シート
JP3027739B2 (ja) 光触媒体およびその製造方法
JPH0929103A (ja) 光触媒体、光触媒装置、光源および照明器具
JP2001232206A (ja) 多孔質光触媒体とその製造方法
JPH10202058A (ja) 吸着分解性光反射シート
JPWO2005026276A1 (ja) 被膜材
US20220042671A1 (en) Photocatalyst formulations and coatings
JPH105598A (ja) 光触媒粉体およびそれを用いた光触媒体ならびにそれらの製造方法、それらを用いた環境浄化方法
JPH10258473A (ja) 室内装飾シート
JPH10230559A (ja) 耐水性光反射シート
JP3952238B2 (ja) 光触媒による有害物質等の除去方法
JPH0938191A (ja) 抗菌脱臭シート
JP2001079978A (ja) 親水性部材
JP2007187795A (ja) 反射シート及び反射板
JP4347925B2 (ja) 光触媒体およびその製造方法
JPH11276562A (ja) 吸着触媒複合シート
JP4232217B2 (ja) 光触媒膜付照明器具及びランプ
US11680506B2 (en) Muffler including an internal photocatalyst and a light source
WO2017178953A1 (en) System for illuminating spaces and purifying air therein by photocatalysis

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060516

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees