JPH11276562A - 吸着触媒複合シート - Google Patents

吸着触媒複合シート

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JPH11276562A
JPH11276562A JP10079518A JP7951898A JPH11276562A JP H11276562 A JPH11276562 A JP H11276562A JP 10079518 A JP10079518 A JP 10079518A JP 7951898 A JP7951898 A JP 7951898A JP H11276562 A JPH11276562 A JP H11276562A
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JP
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layer
photocatalyst layer
composite sheet
catalyst composite
adsorption
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JP10079518A
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Inventor
Katsushi Ogami
勝志 大上
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
三菱製紙株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光反応性半導体の光触媒能および吸着剤の吸着
能により悪臭や細菌などの有害物質を吸着分解除去可能
な吸着触媒複合シート、さらに詳しくは、支持体上に設
けられた光触媒層の上に吸着層を設けることによって、
光反応性半導体および吸着剤の併用効果を最大限に発
揮、極めて効果的に有害物質を除去可能な吸着触媒複合
シートを提供する。 【解決手段】少なくとも透気性のない支持体、光反応性
半導体を含有してなる光触媒層、吸着剤を含有してなる
吸着層を順次積層した構造を有することを特徴とする吸
着触媒複合シート。

Description

【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は光反応性半導体の光
触媒能および吸着剤の吸着能により悪臭や細菌などの有
害物質を吸着分解除去可能な吸着触媒複合シートに関
し、さらに詳しくは、支持体上に設けられた光触媒層の
上に吸着層を設けることによって、光反応性半導体およ
び吸着剤の併用効果を最大限に発揮、極めて効果的に有
害物質を除去可能な吸着触媒複合シートに関する。

【0002】

【従来の技術】工場などにおける工業的に発生する悪臭
や有害化学物質、多量の廃棄物を排出する飲食店やホテ
ルなどのサービス産業における廃棄物に起因した悪臭な
どによる従来からの環境汚染の問題に加えて、最近のア
メニティ志向の高まりに伴い、一般生活空間、例えば室
内や自動車内の悪臭、有害化学物質などによる室内環境
汚染の問題がクローズアップされており、これら有害物
質の除去に対するニーズが急速に高まっている。

【0003】悪臭や有害化学物質などの有害物質の除去
方法としては、活性炭やゼオライトなどの多孔性物質、
いわゆる吸着剤による吸着除去が一般的である。しかし
ながら、吸着剤は大部分の有害物質に対して吸着作用し
か示さず、一定量の有害物質を吸着すると除去性能が著
しく低下する、あるいは、周囲の温度や有害物質の濃度
如何では一度吸着した有害物質が離脱してしまうという
問題点があった。

【0004】このような問題を解決するために、触媒を
用いて有害物質を分解除去する方法が考案されている。
有害物質の分解除去能を有する材料は各種知られている
が、中でも酸化チタンに代表される光反応性半導体が近
年大きな注目を集めている。例えば、Cundallら
は、J.Oil.Chem.Assoc.1978,6
1,351において、酸化チタンに紫外線を照射した場
合、水とアルコールの混合系でアルコールが分解される
ことを報告している。さらに特開昭61−135669
号公報においては、酸化亜鉛などの光反応性半導体に紫
外線を照射すると、悪臭物質である硫黄化合物が分解さ
れることが報告されている。これら光反応性半導体によ
る分解反応においては、反応の進行に伴って光反応性半
導体が消費されることはなく、光に曝露されている限り
その分解能力は半永久的である。

【0005】しかしながら、光反応性半導体の光触媒能
を活用した有害物質除去技術には、効果の即効性が不十
分であるという問題があり、従来より吸着剤との併用が
盛んに検討されている。例えば、特開平1−18932
2号公報では、活性炭などからなる吸着材の表面に光反
応性半導体を付加、あるいは該吸着材に光反応性半導体
を練り込んだ部材を用いた脱臭装置が開示されている。

【0006】該脱臭装置は、光反応性半導体と吸着剤と
の複合効果によって、極めて有効に有害物質を除去でき
るものであるが、吸着材の表層に光反応性半導体が存在
するために、光反応性半導体の光触媒作用によって生じ
た有害物質の分解中間生成物(例えば、アルデヒド類の
場合はカルボン酸など)の内、併用の吸着剤に捕捉しき
れなかったものが空間に離脱し、時に異臭を発生するこ
とがあるなどの問題点がある。

【0007】上記の問題点を解決する手段として、本発
明者は特願平7−240397号において、光反応性半
導体、吸着剤、並びに炭酸塩を凝集化してなる脱臭剤を
基材に内添または塗工、あるいは基材間に封入した脱臭
シートを開示し、分解中間生成物として発生する酸性ガ
スの炭酸塩での中和除去を提案している。しかしなが
ら、この方法では酸性ガスしか除去することができず、
かつ中和反応による除去故にいずれは飽和失活してしま
うという解決すべき課題が残されていた。

【0008】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の課題を克服した光反応性半導体および吸着剤の併用効
果を最大限に発揮し、極めて効果的に有害物質を除去可
能な吸着触媒複合シートを提供することにある。

【0009】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、吸着触媒複合シー
トを発明するに至った。

【0010】1.本発明は、透気性のない支持体、光反
応性半導体を含有してなる光触媒層、吸着剤を含有して
なる吸着層を順次積層した構造を有することを特徴とす
る吸着触媒複合シートの発明である。

【0011】2.上記1の発明において、支持体と光触
媒層との間に、バリヤー層を設けた構造を有することを
特徴とする吸着触媒複合シートの発明である。

【0012】3.上記2の発明において、バリヤー層中
に、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする吸着触媒
複合シートの発明である。

【0013】4.上記1〜3の発明において、吸着層の
上に、通気性のトップコート層を設けた構造を有するこ
とを特徴とする吸着触媒複合シートの発明である。

【0014】5.上記1〜4の発明において、支持体の
光触媒層と相対する面の反対面に、粘着層を設けた構造
を有することを特徴とする吸着触媒複合シートの発明で
ある。

【0015】6.上記1〜5の発明において、光触媒層
中に、少なくとも1種以上の吸着剤を含有することを特
徴とする吸着触媒複合シートの発明である。

【0016】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の吸着触媒複合シ
ートに係わる構成要素を詳細に説明する。

【0017】本発明の第一の発明は、透気性のない支持
体、光反応性半導体を含有してなる光触媒層、吸着剤を
含有してなる吸着層を順次積層した構造を有することを
特徴とする吸着触媒複合シートの発明である。

【0018】まず、光触媒層について、以下に具体的に
説明する。本発明の吸着触媒複合シートを構成する光触
媒層は、少なくとも光反応性半導体を含有してなる層で
あって、悪臭や細菌などを分解除去することを目的とし
た有害物質除去能を有する層である。

【0019】まず、光反応性半導体について、以下に具
体的に説明する。本発明に係わる光反応性半導体は、悪
臭、細菌、有害化学物質、汚染物質などの有害物質を分
解除去する目的で使用されるものである。ここで云う光
反応性半導体とは、0.5〜5eV、好ましくは1〜3
eVの禁止帯幅を有する光触媒反応を生ずる半導体であ
って、光反応性半導体で生成した正孔、OHラジカルな
どにより有害物質が分解される。光反応性半導体の形状
としては、粒子状のものが好ましく、比表面積が10〜
500m2/gの粒子を適宜選択して用いる。

【0020】このような光反応性半導体としては、特開
平2−273514号公報に開示されているものを挙げ
ることが可能であり、酸化亜鉛、三酸化タングステン、
酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物が好まし
く、これらの中でも、酸化チタンは、構造安定性、光反
応性半導体としての能力、取り扱い上の安全性などを考
慮した場合、特に好ましい材料である。酸化チタンとし
ては、従来汎用の酸化チタンの他、含水酸化チタン、メ
タチタン酸、オルソチタン酸、水酸化チタンと呼称され
ているチタン酸化物または水酸化物を全て包含する。酸
化チタンの製造方法としては、硫酸チタニル、塩化チタ
ン、有機チタン化合物などを必要に応じて核形成用種子
の共存下で加水分解する方法(加水分解法)、必要に応
じて核形成用種子を共存させながら、硫酸チタニル、塩
化チタン、有機チタン化合物などにアルカリ剤を添加し
て中和する方法(中和法)、加水分解および中和法で得
られた酸化チタンを焼成する方法(焼成法)などが挙げ
られ、何れの製法によって得られた酸化チタンでも用い
ることができる。

【0021】次に、吸着層について、以下に具体的に説
明する。本発明の吸着触媒複合シートを構成する吸着層
は、吸着剤を含有してなる層であって、有害物質を吸着
除去することにより、有害物質除去に係わる効果の即効
性や容量を高めるばかりでなく、光触媒層から発生する
分解中間生成物を吸着捕捉することを目的とする層であ
る。また、吸着層を設けることによって、一時的に暗所
になるような使用環境、紫外線量の少ない使用環境、あ
るいは吸着過程が律速となる有害物質が低濃度で存在す
るような使用環境においても、吸着層の吸着作用によっ
て高度の有害物質除去能を維持することが可能となる。

【0022】このような吸着剤としては、物理吸着作用
を有するものとして、活性炭、活性白土、ゼオライト、
セピオライト、シリカゲル、セラミック、活性アルミ
ナ、複合フィロケイ酸塩など、化学吸着作用を有するも
のとして、イオン交換樹脂、酸化鉄などの鉄系化合物、
有機酸など、物理化学吸着作用を有するものとして、添
着活性炭、天然無機物などが挙げられる。これら従来汎
用の吸着剤を各々単独で、あるいは複数混合して用いる
ことが可能であるが、本発明においては、吸着層の下に
光触媒層が設けられているため、吸着剤の素材として
は、光透過性に優れたものをより好ましく用いることが
できる。もちろん、光透過性に幾分劣る素材であって
も、光触媒層の活性化を損なわない範囲内において、適
宜用いることができることは言うまでもないことであ
る。

【0023】本発明の吸着触媒複合シートは、支持体上
に上記の光触媒層、吸着層を順次設けたものであり、該
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、TP
Xなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リ酢酸ビニル系樹脂、スチレン酢酸ビニル共重合体系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化
ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルエ
ーテル系樹脂、ポリビニルケトン系樹脂、ポリエーテル
系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、
ポリウレタン系樹脂などの合成樹脂材料、ガラス、金
属、陶器、セラミックスなどの無機材料、紙、木材など
を用いることができる。

【0024】しかしながら、本発明において留意しなけ
ればならないのは、光触媒層で生ずる分解中間生成物な
どが支持体の裏面に移動することがあってはならないと
いうことである。当然ながら上記の合成樹脂を素材とし
た支持体は、多かれ少なかれアモルファス領域を有する
高分子物質であり、分解中間生成物は多くの場合気体に
近い形状であることから高分子内に溶融/拡散/移動が
可能であり、支持体の裏面に移動することはあり得る
が、少なくとも本発明の吸着触媒複合シートの支持体と
なる物質の形状は積極的に通気性を有する形状、すなわ
ち合成樹脂繊維、天然繊維、レーヨン繊維およびアセテ
ート繊維などの再生および半合成繊維、活性炭素繊維、
ガラス繊維およびアルミナ繊維などの無機繊維、ステン
レス繊維などの金属繊維からなる通気性の不織布や、あ
るいは多孔性などの処理のなされたものであってはなら
ない。

【0025】本発明に係わる光反応性半導体を支持体上
に設けるに当たり、結着剤として熱可塑性樹脂の水性エ
マルジョン、皮膜形成性無機物、金属酸化物複合熱可塑
性高分子エマルジョンなどを各々単独で、あるいは必要
に応じて複数組み合わせて光反応性半導体と混合し、各
種ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコー
ター、バーコーター、ロッドブレードコーター、ショー
トドウェルコーター、ダイコーター、コンマコーター、
リバースロールコーター、キスコーター、ディップコー
ター、カーテンコーター、エクストルージョンコータ
ー、マイクログラビアコーター、サイズプレスなどの各
種塗工装置を用いて基材に塗工することで本発明の光触
媒層を製造することが可能である。

【0026】ここで云う熱可塑性樹脂の水性エマルジョ
ンとしては、水中で分散された熱可塑性高分子のことで
あって、高分子成分としては、アクリル樹脂、スチレン
−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、ポリプロピレン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、
フェノール樹脂、ブチラール樹脂などが挙げられる。

【0027】ここで云う皮膜形成性無機物としては、サ
ポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイトなどのスメ
クタイト群、バーミキュライト群、カオリナイト、ハロ
イサイトなどのカオリナイト−蛇紋石群、セピオライト
などの天然粘土鉱物の他、コロイダルシリカ、コロイダ
ルアルミナおよびこれらの変性物、合成無機高分子化合
物などが例示され、該皮膜形成性無機物を各々単独で使
用しても構わないし、複数組み合わせて使用しても構わ
ない。

【0028】上記変性物における変性とは、天然鉱物中
より不純物や特定の原子団を除去したり、天然鉱物構成
元素中の特定の元素を適当な方法で処理して他の元素と
交換したり、別の化合物(特に有機化合物)と共に化学
処理して特に鉱物表面の物性を改変することにより、元
来の天然鉱物固有の特性を伸長したり、あるいは新たな
特性を付与することであり、変性物の具体例としては、
Ca−モンモリロナイトを水の存在下で炭酸ナトリウム
などと処理してイオン交換を行ったNa−モンモリロナ
イトや、カチオン界面活性剤および/またはノニオン界
面活性剤と処理したものなどが挙げられる。

【0029】また、本発明で云う合成無機高分子化合物
とは、天然鉱物と同等の組成を得るべく、あるいは新た
な特性を付与するべく同等組成の特定の元素を他の元素
で置換したもので、2種類以上の化合物を反応させて得
られるものであって、天然雲母族の構造中の水酸基をフ
ッ素で置換したフッ素雲母や、合成スメクタイトなどが
挙げられる。フッ素雲母の代表例としては、フッ素金雲
母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライトなどが挙げられ
る。

【0030】ここで云う金属酸化物複合熱可塑性高分子
エマルジョンは、熱可塑性高分子エマルジョン表面を金
属酸化物が被覆している形状を有し、皮膜を形成した後
も高分子成分と金属酸化物成分が分離して海島構造を保
つ特性を有するものである。

【0031】熱可塑性高分子エマルジョンとは、主に水
中で分散された熱可塑性高分子のことであって、高分子
成分としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリプロピ
レン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、フェノール樹
脂、ブチラール樹脂などが挙げられる。

【0032】また、ここで云う金属酸化物としては、コ
ロイダルシリカやコロイダルアルミナなどが挙げられ
る。金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、例え
ばコロイダルシリカ複合熱可塑性高分子エマルジョン
は、特開昭59−71316号公報や、特開昭60−1
27371号公報に開示されているように、共重合性単
量体、分子内に重合性不飽和二重結合およびアルコキシ
シラン基を有する単量体やビニルシラン、コロイダルシ
リカを混合し、高分子成分を乳化重合して製造する過程
において、シリカ成分をエマルジョン表面に固定する方
法によって得られる。その方法としては、例えばInt
ernational Symposiumon Po
lymeric Microspheres Prin
ts,1991,181に記載されているように、オル
ソケイ酸エチルなどの水に相溶しない加水分解性のアル
コキシシランを用いて、あらかじめ形成されているエマ
ルジョンの表面にシリカ成分を析出、固定させる方法が
挙げられる。

【0033】なお、支持体上に光反応性半導体を設ける
に当たって、支持体表面が水濡れ性に劣るようであれ
ば、塗液作製時に適当な界面活性剤や有機溶剤を使用し
たり、塗工に先立って、支持体表面をコロナ放電処理、
グロー放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、電子線
照射処理、遠紫外線照射処理、オゾン処理、界面活性剤
などで物理化学的処理し、支持体表面の水濡れ性を向上
させておくことが好ましい。

【0034】なお、本発明に係わる吸着層を光触媒層上
に設ける場合には、先述の光反応性半導体の支持体への
担持の際に例示した上記の各種結着剤を各々単独で、あ
るいは必要に応じて複数組み合わせて吸着剤と混合し、
同じく光反応性半導体の支持体への担持の際に例示した
上記の塗工設備を用いることができる。

【0035】本発明の第二の発明は、上記の第一の発明
の吸着触媒複合シートにおいて、支持体と光触媒層との
間にバリヤー層を設けた構造を有することを特徴とする
耐久性に優れた吸着触媒複合シートの発明である。

【0036】本発明においては、光触媒層で生じた光反
応生成物(反応活性種)が支持体、とりわけ有機系素材
から構成される支持体に達し、その劣化を引き起こすこ
とを防止する目的で、光触媒層と支持体との間に光反応
性半導体を含有しないバリヤー層を設ける。バリヤー層
を構成する成分は、光反応生成物(反応活性種)に対す
る耐久性に優れた先述の皮膜形成性無機物や金属酸化物
複合熱可塑性高分子エマルジョンなどを主成分としたも
ので、その厚みに特に制限はないが、好ましくは1〜1
00μmである。

【0037】本発明の第三の発明は、上記の第二の発明
の吸着触媒複合シートにおいて、バリヤー層中に、紫外
線吸収剤を含有することを特徴とする耐久性並びに耐光
性に優れた吸着触媒複合シートの発明である。

【0038】本発明においては、光反応生成物(反応活
性種)の支持体内への溶解/拡散/移動による劣化を防
止するだけでなく、光触媒層と支持体との間に紫外線吸
収剤を含有してなるバリヤー層を設けることによって、
太陽光、室内照明などの光源から発生する紫外線および
紫外線により引き起こされる化学反応による支持体、と
りわけ有機系素材から構成される支持体の劣化を防止す
る。

【0039】本発明で用いる紫外線吸収剤とは、300
〜400nmの紫外線を吸収し、吸収したエネルギーを
熱エネルギーとして再輻射する素材であって、一般に紫
外線吸収剤として用いられるものであれば如何なるもの
でもよく、具体的には例えば以下のものが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、以下の紫
外線吸収剤を単独で使用しても構わないし、複数組み合
わせて使用しても構わない。

【0040】サリチル酸系紫外線吸収剤として、フェニ
ルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシ
レート、p−オクチルフェニルサリシレートなど。

【0041】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデ
シルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス
(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェ
ニル)メタンなど。

【0042】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とし
て、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”
−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフ
ェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス
[4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−6
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル]など。

【0043】シアノアクリレート系紫外線吸収剤とし
て、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフ
ェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−
ジフェニルアクリレートなど。

【0044】本発明の第四の発明は、上記の第一〜第三
の発明の吸着触媒複合シートにおいて、吸着層の上に、
通気性のトップコート層を設けた構造を有することを特
徴とする耐擦性に優れた吸着触媒複合シートの発明であ
る。

【0045】本発明において、吸着層の表面に存在する
通気性のトップコート層は、吸着層および光触媒層の有
害物質除去能を殆ど阻害することなく吸着触媒複合シー
トの耐擦性を向上させ、吸着触媒複合シートとしての実
用性を高めるばかりでなく、その寿命をも向上させてい
る。このような通気性のトップコート層を構成する材料
としては、先述の皮膜形成性無機物や金属酸化物複合熱
可塑性高分子エマルジョンなどを主成分とした材料を好
ましく用いることができる。トップコート層の厚みにつ
いては特に制限はないが、必要以上に厚いと吸着層およ
び光触媒層の有害物質除去性能を阻害するため、耐擦性
を満足できる範囲内でより薄いことが望ましく、好まし
くは5μm以下である。

【0046】本発明の第五の発明は、上記の第一〜第四
の発明の吸着触媒複合シートにおいて、支持体の光触媒
層と相対する面の反対面に、粘着層を設けた構造を有す
ることを特徴とするタック性を有する吸着触媒複合シー
トの発明である。

【0047】粘着層を設けることによって、任意の場所
に本発明の吸着触媒複合シートを簡便かつ容易に貼り付
けて用いることが可能であり、用途上のバリエーション
を広げることが可能となる。なお、粘着層を構成する粘
着剤としては、天然ゴム系、スチレン−ブタジエン系、
ポリイソブチレン系、イソプレン系などのゴム系粘着
剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤に代表され
る溶剤型粘着剤、アクリルエマジョン系、天然ゴムラテ
ックス系、スチレン−ブタジエンラテックス系などのエ
マルジョン型粘着剤、スチレン−イソプレンブロック共
重合体系、スチレン−ブタジエンブロック共重合体系、
スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体系、エ
チレン−酢酸ビニル熱可塑性エラストマー系などのホッ
トメルト型粘着剤、天然ゴム系、再生ゴム系、ブチルゴ
ム系などのカレンダー法型粘着剤、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、
ポリアクリル酸含有ポリマー、デキストリン、ポリビニ
ルピロリドンなどを原料とする水溶性型粘着剤、無溶剤
の液状粘着剤を電子線、紫外線、過酸化物、熱などによ
って硬化させる液状硬化型粘着剤などに代表される無溶
剤型粘着剤など従来公知の粘着剤を広く活用することが
可能であり、必要に応じてロジン系、テルペン系、合成
石油樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系、脂環
族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹
脂、ジシクロペンタジエン樹脂などの粘着付与剤を併用
しても良く、さらには使用目的に応じて強粘着タイプの
粘着剤、再剥離タイプの粘着剤など使い分ければ良い。

【0048】本発明の第六の発明は、上記の第一〜第五
の発明の吸着触媒複合シートにおいて、光触媒層中に少
なくとも1種以上の吸着剤を含有させることによって、
有害物質の除去性能を一層高めた高性能の吸着触媒複合
シートの発明である。

【0049】本発明において、吸着剤としては、先の吸
着層で例示した吸着剤を用いることができる。光触媒層
中に吸着剤を加えることによって、吸着剤で吸着した有
害物質を光反応性半導体で効率良く分解することができ
る。これは恐らく、吸着剤に吸着された有害物質が、光
反応性半導体によって徐々に分解されるためであろうと
考えられる。

【0050】さらに驚いたことには、光触媒層中に吸着
剤を加えることによって、恐らく吸着剤が光反応性半導
体粒子間に介在するためと思われるが、光触媒層中の
光反応性半導体の分布がより均一なものとなり、光反応
性半導体による光触媒反応が一層効率良く進行するばか
りでなく、支持体および結着剤の高分子成分と光反応
性半導体との接触部分が減少し、光反応性半導体の光触
媒作用に起因した吸着触媒複合シートの劣化が一層抑制
されるという予期せざる効果が得られることが判った。

【0051】以上、本発明の吸着触媒複合シートは、光
反応性半導体の光触媒能および吸着剤の吸着能により悪
臭や細菌などの有害物質を吸着分解除去可能なものであ
り、支持体上に設けられた光触媒層の上に吸着層を設け
る構成をとることによって、光反応性半導体および吸着
剤の併用効果を最大限に発揮、極めて効果的に有害物質
を除去することが可能となる。また、バリヤー層、トッ
プコート層を設けることにより、高度の耐久性を得るこ
とも可能である。さらには、粘着層を設けることで、様
々な被着体に簡便に貼り付けて使用することができる。

【0052】

【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。

【0053】予備操作1 [光触媒層Aの塗液作製]光反応性半導体として、酸化
チタン(日本アエロジル社製、P25S6)100重量
部、結着剤として、酢酸ビニル−エチレン−アクリル系
エマルジョン(住友化学工業社製、スミカフレックス−
900)50重量部(有効成分換算)を水中に添加混合
し、光触媒層Aの塗液を作製した。

【0054】予備操作2 [光触媒層Bの塗液作製]光反応性半導体として、酸化
チタン(日本アエロジル社製、P25S6)100重量
部、結着剤として、合成スメクタイト(クニミネ工業社
製、スメクトンSA)50重量部を水中に添加混合し、
光触媒層Bの塗液を作製した。

【0055】予備操作3 [光触媒層Cの塗液作製]光反応性半導体として、酸化
チタン(日本アエロジル社製、P25S6)100重量
部、結着剤として、金属酸化物複合熱可塑性高分子エマ
ルジョン50重量部(有効成分換算)を水中に添加混合
し、光触媒層Cの塗液を作製した。なお、金属酸化物複
合熱可塑性高分子エマルジョンは以下の方法で作製し
た。

【0056】フェノキシ樹脂エマルジョン(東都化成社
製、KE−316、有効成分48重量%)100重量部
に水70重量部を加え、撹拌しながら60℃に加熱し、
エタノールで希釈したオルソケイ酸エチル(有効成分4
0重量%)180重量部を徐々に滴下した。さらに加熱
を続けて系内よりエタノールを除去し、金属酸化物複合
熱可塑性高分子エマルジョンを作製した。

【0057】予備操作4 [光触媒層Dの塗液作製]光反応性半導体として、酸化
チタン(日本アエロジル社製、P25S6)100重量
部、吸着剤として、活性炭(クラレケミカル社製、クラ
レコール)50重量部、結着剤として、酢酸ビニル−エ
チレン−アクリル系エマルジョン(住友化学工業社製、
スミカフレックス−900)50重量部(有効成分換
算)を水中に添加混合し、光触媒層Dの塗液を作製し
た。

【0058】予備操作5 [光触媒層Eの塗液作製]光反応性半導体として、酸化
チタン(日本アエロジル社製、P25S6)100重量
部、吸着剤として、複合フィロケイ酸塩(水澤化学工業
社製、ミズカナイトAP)50重量部、結着剤として、
合成スメクタイト(クニミネ工業社製、スメクトンS
A)50重量部を水中に添加混合し、光触媒層Eの塗液
を作製した。

【0059】予備操作6 [光触媒層Fの塗液作製]光反応性半導体として、酸化
チタン(日本アエロジル社製、P25S6)100重量
部、吸着剤として、合成ゼオライト(東ソー社製、ゼオ
ラムF−9)50重量部、結着剤として、予備操作3記
載の金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン50重
量部(有効成分換算)を水中に添加混合し、光触媒層F
の塗液を作製した。

【0060】予備操作7 [吸着層Aの塗液作製]吸着剤として、活性炭(クラレ
ケミカル社製、クラレコール)100重量部、結着剤と
して、酢酸ビニル−エチレン−アクリル系エマルジョン
(住友化学工業社製、スミカフレックス−900)50
重量部(有効成分換算)を水中に添加混合し、吸着層A
の塗液を作製した。

【0061】予備操作8 [吸着層Bの塗液作製]吸着剤として、複合フィロケイ
酸塩(水澤化学工業社製、ミズカナイトAP)100重
量部、結着剤として、合成スメクタイト(クニミネ工業
社製、スメクトンSA)50重量部を水中に添加混合
し、吸着層Bの塗液を作製した。

【0062】予備操作9 [吸着層Cの塗液作製]吸着剤として、合成ゼオライト
(東ソー社製、ゼオラムF−9)100重量部、結着剤
として、予備操作3記載の金属酸化物複合熱可塑性高分
子エマルジョン50重量部(有効成分換算)を水中に添
加混合し、吸着層Cの塗液を作製した。

【0063】実施例1 透気性のない支持体として、表面に親水化処理を施した
ポリエステルフィルムを用い、該支持体上に光触媒層A
の塗液を有効成分換算で15g/m2塗布・乾燥した。次
いで、該光触媒層Aの上に吸着層Aの塗液を有効成分換
算で15g/m2塗布・乾燥し、実施例1の吸着触媒複合
シートを作製した。

【0064】実施例2 光触媒層に光触媒層Bの塗液を、吸着層に吸着層Bの塗
液を使用した点を除いて、実施例1と同様の方法で実施
例2の吸着触媒複合シートを作製した。

【0065】実施例3 光触媒層に光触媒層Cの塗液を、吸着層に吸着層Cの塗
液を使用した点を除いて、実施例1と同様の方法で実施
例3の吸着触媒複合シートを作製した。

【0066】実施例4 支持体と光触媒層との間にバリヤー層として、合成ヘク
トライト(日本シリカ工業社製、ラポナイトRD)の塗
工層を5μmの厚みで設けた点を除いて、実施例1と同
様の方法で実施例4の吸着触媒複合シートを作製した。

【0067】実施例5 支持体と光触媒層との間にバリヤー層として、コロイダ
ルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックス−AK)
の塗工層を5μmの厚みで設けた点を除いて、実施例2
と同様の方法で実施例5の吸着触媒複合シートを作製し
た。

【0068】実施例6 支持体と光触媒層との間にバリヤー層として、コロイダ
ルアルミナ(触媒化成工業社製、カタロイドAS−2)
の塗工層を5μmの厚みで設けた点を除いて、実施例3
と同様の方法で実施例6の吸着触媒複合シートを作製し
た。

【0069】実施例7 支持体と光触媒層との間にバリヤー層として、紫外線吸
収剤である2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノンを5重量%含有する合成スメクタイト(クニミネ工
業社製、スメクトンSA)の塗工層を5μmの厚みで設
けた点を除いて、実施例1と同様の方法で実施例7の吸
着触媒複合シートを作製した。

【0070】実施例8 支持体と光触媒層との間にバリヤー層として、紫外線吸
収剤である2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノンを5重量%含有する合成スメクタイト(クニミネ工
業社製、スメクトンSA)の塗工層を5μmの厚みで設
けた点を除いて、実施例2と同様の方法で実施例8の吸
着触媒複合シートを作製した。

【0071】実施例9 支持体と光触媒層との間にバリヤー層として、紫外線吸
収剤である2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノンを5重量%含有する合成スメクタイト(クニミネ工
業社製、スメクトンSA)の塗工層を5μmの厚みで設
けた点を除いて、実施例3と同様の方法で実施例9の吸
着触媒複合シートを作製した。

【0072】実施例10 透気性のない支持体として、表面に親水化処理を施した
アルミ板を用い、吸着層の上に通気性のトップコート層
として、合成スメクタイト(クニミネ工業社製、スメク
トンSA)の塗工層を2μmの厚みで設けた点を除い
て、実施例1と同様の方法で実施例10の吸着触媒複合
シートを作製した。

【0073】実施例11 透気性のない支持体として、表面に親水化処理を施した
アルミ板を用い、吸着層の上に通気性のトップコート層
として、合成ヘクトライト(日本シリカ工業社製、ラポ
ナイトRD)の塗工層を2μmの厚みで設けた点を除い
て、実施例2と同様の方法で実施例11の吸着触媒複合
シートを作製した。

【0074】実施例12 透気性のない支持体として、表面に親水化処理を施した
アルミ板を用い、吸着層の上に通気性のトップコート層
として、コロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノー
テックス−AK)の塗工層を2μmの厚みで設けた点を
除いて、実施例3と同様の方法で実施例12の吸着触媒
複合シートを作製した。

【0075】実施例13 実施例1の吸着触媒複合シートにおいて、支持体の光触
媒層と相対する面の反対面に、アクリル系粘着剤(日本
合成ゴム社製、AE230)からなる粘着層を10μm
の厚みで設けた点を除いて、実施例1と同様の方法で実
施例13の吸着触媒複合シートを作製した。本実施例の
吸着触媒複合シートは色々な被着体に簡便に貼り付けて
使用することができた。

【0076】実施例14 実施例1の吸着触媒複合シートにおいて、支持体の光触
媒層と相対する面の反対面に、2液系再剥離型アクリル
系粘着剤(日本合成ゴム社製、AE242)からなる粘
着層を10μmの厚みで設けた点を除いて、実施例1と
同様の方法で実施例14の吸着触媒複合シートを作製し
た。本実施例の吸着触媒複合シートは色々な被着体に簡
便に再剥離可能に貼り付けて使用することができた。

【0077】実施例15 光触媒層に光触媒層Dの塗液を使用した点を除いて、実
施例1と同様の方法で実施例15の吸着触媒複合シート
を作製した。

【0078】実施例16 光触媒層に光触媒層Eの塗液を使用した点を除いて、実
施例4と同様の方法で実施例16の吸着触媒複合シート
を作製した。

【0079】実施例17 光触媒層に光触媒層Fの塗液を使用した点を除いて、実
施例7と同様の方法で実施例17の吸着触媒複合シート
を作製した。

【0080】実施例18 光触媒層に光触媒層Dの塗液を使用した点を除いて、実
施例10と同様の方法で実施例18の吸着触媒複合シー
トを作製した。

【0081】実施例19 光触媒層に光触媒層Eの塗液を使用した点を除いて、実
施例13と同様の方法で実施例19の吸着触媒複合シー
トを作製した。

【0082】比較例1〜3 支持体として、高透気性の乾式不織布(倉敷繊維加工社
製、FL500)を用いた点を除いて、実施例1〜3と
同様の方法で比較例1〜3の吸着触媒複合シートを作製
した。

【0083】比較例4〜6 吸着層を設けなかった点を除いて、実施例15〜17と
同様の方法で比較例4〜6の吸着触媒複合シートを作製
した。

【0084】比較例7〜9 支持体上に吸着層、光触媒層を順次設けた構成とした点
を除いて、実施例1〜3と同様の方法で比較例7〜9の
吸着触媒複合シートを作製した。

【0085】以上、実施例および比較例で得られた吸着
触媒複合シートを以下の方法により評価した。

【0086】[脱臭性能]実施例および比較例の吸着触
媒複合シートを10cm×10cmの大きさに裁断し、
6Wのブラックライトを備えた5.6リットルの密閉容
器の底部に静置した。この容器中に飽和アセトアルデヒ
ドを0.5ミリリットル注入した後(濃度約90pp
m)、吸着触媒複合シートの上方2cmの位置からブラ
ックライトを点灯して紫外線を照射し、30分後の容器
内のアセトアルデヒド濃度を検知管で測定した。

【0087】[分解中間生成物の除去性能]上記の脱臭
性能試験終了後、容器内のガスを採取し、官能評価でも
って分解中間生成物の除去性能を調べた。アセトアルデ
ヒドの分解中間生成物としては、酢酸が発生するため、
酢酸が空間に離脱していると酸臭を感ずることになる。
人間の嗅覚は酸臭に極めて敏感であり、酸臭の種類如何
ではppbオーダーの酸臭をも感知すると言われてお
り、分解中間生成物の有無を官能評価で判断することが
できる。50人の被験者について官能評価を実施し、無
臭=0点、酸臭を何とか感知する=1点、酸臭を楽に感
知する=2点、酸臭を強烈に感ずる=3点とし、50人
の合計点が5点未満の場合を分解中間生成物除去性能が
「優」、5点以上10点未満の場合を分解中間生成物除
去性能が「有」、10点以上の場合を分解中間生成物除
去性能が「劣」として判定した。

【0088】[耐久性]光触媒層の光触媒作用に起因し
た劣化を受け得る合成樹脂基材を用いた実施例1〜9、
13〜17、19および比較例1〜9の吸着触媒複合シ
ートについて、5cm×5cmの試験片を各々100枚
用意、試験片の上方2cmの位置から6Wのブラックラ
イトを点灯して2000時間の紫外線曝露試験を行っ
た。試験終了後、支持体の劣化に起因した塗工層の剥離
が見られた試験片数を調べ、耐久性の指標とした。支持
体の劣化に起因した塗工層の剥離が見られた試験片数が
5個未満の場合を耐久性が「優」、5個以上10個未満
の場合を耐久性が「良」、10個以上20個未満の場合
を耐久性が「並」、20個以上の場合を耐久性が「劣」
として判定した。

【0089】[耐擦性]実施例および比較例の吸着触媒
複合シートの表面を綿棒で擦って耐擦性を確認した。5
0往復未満の擦りで表面に傷が生ずる場合を耐擦性が
「劣」、50往復以上200往復未満の擦りで表面に傷
が生ずる場合を耐擦性が「並」、200往復以上500
往復未満の擦りで表面に傷が生ずる場合を耐擦性が
「良」、500往復以上で表面に傷が生ずる場合や傷が
生じない場合を耐擦性が「優」として判定した。

【0090】以上の試験項目の結果を表1〜表3に示
す。

【0091】

【表1】

【0092】

【表2】

【0093】

【表3】

【0094】透気性のない支持体上に光触媒層、吸着層
を順次設けた実施例の吸着触媒複合シートは、優れた脱
臭性能を有するのみならず、分解中間生成物の除去性能
にも優れたものであった。また、支持体と光触媒層との
間にバリヤー層を設けた実施例4〜6、16の吸着触媒
複合シート、支持体と光触媒層との間に紫外線吸収剤を
含有するバリヤー層を設けた実施例7〜9、17の吸着
触媒複合シートは、光触媒層の光触媒作用に起因した支
持体の劣化が少なく、耐久性に優れたものであった。ま
た、吸着層の上に通気性のトップコート層を設けた実施
例10〜12、18の吸着触媒複合シートにおいては、
吸着層および光触媒層の特性を損なうことなく、吸着触
媒複合シートの耐擦性を向上させることができた。

【0095】一方、高透気性の支持体を用いた比較例1
〜3の吸着触媒複合シート、光触媒層の上に吸着層を設
けなかった比較例4〜6の吸着触媒複合シート、光触媒
層と吸着層の積層順序を反転させた比較例7〜9の吸着
触媒複合シートは、分解中間生成物の除去性能に劣るも
のであった。さらに、比較例7〜9の吸着触媒複合シー
トにおいては、光触媒層が上層に配置されているためか
脱臭性能に幾分劣るものであった。

【0096】

【発明の効果】以上の如く、本発明の吸着触媒複合シー
トは、光反応性半導体の光触媒能および吸着剤の吸着能
により悪臭や細菌などの有害物質を吸着分解除去可能な
ものである。透気性のない支持体上に設けられた光触媒
層の上に吸着層を設ける構成をとることによって、有害
物質除去の即効性および除去容量を高めることができる
ばかりでなく、光触媒層で発生する分解中間生成物を吸
着層で除去できるので、極めて効果的に有害物質を除去
することが可能となる。また、支持体と光触媒層との間
にバリヤー層を設けることで高度の耐久性を、吸着層の
上にトップコート層を設けることにより、高度の耐擦性
を得ることも可能である。さらには、支持体の光触媒層
と相対する面の反対面に粘着層を設けることで、様々な
被着体に簡便に貼り付けて使用することができる。

【0097】従って、本発明の吸着触媒複合シートは、
様々な使用環境の下で有害物質の除去材として活用する
ことが可能であり、一般室内、オフィス、病院・介護施
設、自動車内などの脱臭抗菌シート、病院・介護施設、
喫煙室などの間仕切りカーテンなどとして有効に作用す
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 35/02 B32B 7/00 B32B 7/00 27/18 A 27/18 F Z B01D 53/36 J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透気性のない支持体、光反応性半導体を
    含有してなる光触媒層、吸着剤を含有してなる吸着層を
    順次積層した構造を有することを特徴とする吸着触媒複
    合シート。
  2. 【請求項2】 支持体と光触媒層との間に、バリヤー層
    を設けた構造を有することを特徴とする請求項1記載の
    吸着触媒複合シート。
  3. 【請求項3】 バリヤー層中に、紫外線吸収剤を含有す
    ることを特徴とする請求項2記載の吸着触媒複合シー
    ト。
  4. 【請求項4】 吸着層の上に、通気性のトップコート層
    を設けた構造を有することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の吸着触媒複合シート。
  5. 【請求項5】 支持体の光触媒層と相対する面の反対面
    に、粘着層を設けた構造を有することを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の吸着触媒複合シート。
  6. 【請求項6】 光触媒層中に、少なくとも1種以上の吸
    着剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の吸着触媒複合シート。
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