JPH10169420A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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JPH10169420A
JPH10169420A JP33260296A JP33260296A JPH10169420A JP H10169420 A JPH10169420 A JP H10169420A JP 33260296 A JP33260296 A JP 33260296A JP 33260296 A JP33260296 A JP 33260296A JP H10169420 A JPH10169420 A JP H10169420A
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camshaft
drive shaft
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annular disk
positive acceleration
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Shinichi Takemura
信一 竹村
Hisafumi Usuku
尚史 宇宿
Makoto Nakamura
信 中村
Yoshihiko Yamada
吉彦 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブ作動角が狭くなるようにバルブリフト
特性が変化した場合のバルブ運動の最大正加速度の増大
を最小限に抑制し、摩耗を防止する。 【解決手段】 機関と同期回転する駆動軸と円筒状カム
シャフトとの間に、環状ディスクが介在しており、該デ
ィスクの180゜離れた位置にある一対のピンと、駆動
軸およびカムシャフトに半径方向に設けた係合溝を介し
て、駆動軸とカムシャフトとが連動する。環状ディスク
を一方に偏心させると、カムシャフトが不等速回転とな
り、同心時のバルブリフト特性(実線)に対し、バルブ
作動角が狭い特性(想像線)が得られる。このとき、立
ち上がり時の正加速度のピークが正加速度区間の中で初
期となるようにカムプロフィールが設定されており、カ
ムシャフトの角速度増加に伴う最大正加速度の増加が最
小限となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の運転
状態に応じて吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可変
制御する吸排気弁駆動制御装置に関する。特に、一対の
ピンを介して駆動軸とカムシャフトとを連動させる環状
ディスクの偏心により、バルブ作動角を狭めることがで
きる吸排気弁駆動制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可
変制御する装置は、従来から種々の形式のものが提供さ
れているが、その一つとして例えば実開昭57−198
306号公報や特開平6−2515号公報に記載されて
いるものがある。
【0003】これは一種のオルダム継手のような不等速
軸継手を利用したもので、機関の回転に同期して駆動さ
れる駆動軸の外周に円筒状のカムシャフトを配置し、か
つ駆動軸に対しカムシャフトを不等速回転させること
で、実際のバルブリフト特性をカムプロフィールに対し
変化させる構成となっている。詳しくは、上記カムシャ
フトは一端部にフランジ部を有し、かつこれに対向する
ように、駆動軸側にもフランジ部が設けられている。そ
して、両フランジ部の間に環状ディスクが介装されてお
り、該環状ディスクに、それぞれ180゜離れた位置で
かつ反対側へ向かって突出する一対のピンが設けられて
いる。これらのピンは、それぞれ、各フランジ部に半径
方向に形成された係合溝に係合している。上記環状ディ
スクが、駆動軸およびカムシャフトと同心位置にあれ
ば、カムシャフトは駆動軸に対し等速で回転するが、偏
心位置にある場合には、カムシャフトが不等速回転す
る。このカムシャフトの不等速回転に伴ってカムによる
吸排気弁の開時期および閉時期が変化するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにカムシャフトが不等速回転する形式の吸排気弁駆動
制御装置においては、カムシャフトの不等速回転に伴っ
て、吸排気弁の運動の最大正加速度が等速回転時よりも
大幅に増大する場合がある。このように最大正加速度が
過度に大きくなると、動弁系各部の摩耗とりわけ連動機
構となるピンと係合溝との接触面での摩耗が促進され、
好ましくない。
【0005】図9は、一例として立ち上がり側と立ち下
がり側とが対称形状をなすカムプロフィールについて、
偏心時に想像線のように対称形状を保ったままバルブ作
動角が縮小する場合における加速度変化を示している。
この図に示すように、バルブ作動角の縮小に伴ってバル
ブリフト特性が急峻なものとなるので、最大正加速度は
増大する。
【0006】この発明の目的は、吸排気弁の運動の正加
速度が、カムシャフトの不等速回転時にも過度に増大し
ないようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、機関の回転に
同期して回転する駆動軸と、この駆動軸と同軸上に配設
され、かつ吸排気弁を駆動するカムを外周に有するカム
シャフトと、このカムシャフト側に設けられ、かつ半径
方向に沿って係合溝が形成されたフランジ部と、このフ
ランジ部に対向するように上記駆動軸側に設けられ、か
つ半径方向に沿って係合溝が形成されたフランジ部と、
上記両フランジ部の間に配設された環状ディスクと、こ
の環状ディスクの両側部に互いに反対方向に突設され
て、上記両フランジ部の各係合溝内に夫々係合するピン
と、上記環状ディスクを回転自在に保持するとともに、
軸直角方向に沿って揺動可能な制御環と、上記制御環を
機関運転状態に応じて揺動させる駆動機構と、を備え、
かつ上記駆動機構を介して上記環状ディスクの回転中心
を上記駆動軸の回転中心から一方へ偏心させたときに、
同心時に比較してバルブ作動角が狭くなるように構成し
た内燃機関の吸排気弁駆動制御装置において、上記の偏
心時において上記駆動軸の角速度よりも上記カムシャフ
トの角速度が大となるクランク角の区間でバルブリフト
加速度が正となる場合に、その正加速度のピークの位置
を、正加速度区間内でカムシャフトの角速度が小さい位
置に設定したことを特徴としている。
【0008】より具体化した請求項2においては、上記
カムシャフトのカムのプロフィールを、開弁時の正加速
度区間における正加速度ピーク位置が、当該区間の中の
初期となるように設定したことを特徴としている。
【0009】すなわち、環状ディスクの中心が駆動軸の
中心と合致している同心位置では、カムシャフトは上記
環状ディスク等を介して駆動軸に同期して等速で、つま
り位相差なしで回転する。この状態では、カムリフト特
性に沿ってバルブリフト特性が得られる。
【0010】一方、駆動機構によって環状ディスクが一
方へ揺動した状態では、環状ディスクの中心が駆動軸の
中心から偏心するため、駆動軸とカムシャフトとが不等
速で連動するようになり、回転中に位相差を生じる。こ
れにより、バルブ作動角が小さくなる。
【0011】図10は、この種の形式の吸排気弁駆動制
御装置における駆動軸とカムシャフトとの回転位相差お
よび両者の角速度比の特性を示している。具体的には、
駆動軸の位相をθD、角速度をdθD、カムシャフトの
位相をθC、角速度をdθCとして、位相差(θC−θ
D)および角速度比(dθC/dθD)を示している。
この図に示すように、駆動軸が1回転する間に、位相差
(θC−θD)は、最大から最小に変化し、かつ位相が
常に変化しない2つの同位相点(P1,P2)が存在す
る。また、角速度比(dθC/dθD)も、駆動軸が1
回転する間に、最大から最小に変化するが、特に、位相
差が負から正へ変化する同位相点P2において角速度比
(dθC/dθD)が最大となり、逆に、位相差が正か
ら負へ変化する同位相点P1において角速度比(dθC
/dθD)が最小となる。
【0012】位相差(θC−θD)が負であるP1〜P
2の領域では、カムシャフトのカム作用は相対的に遅れ
るものとなり、逆に、位相差が正であるP2〜P1の領
域では、カムシャフトのカム作用は相対的に進む。従っ
て、環状ディスクの偏心時にバルブ作動角が小さくなる
ためには、図中に例示するように、同位相点P2の付近
にカムが形成される。つまり、一般に、角速度比(dθ
C/dθD)が1以上の領域にカムプロフィールが設け
られる。このように、角速度比(dθC/dθD)が1
以上の領域においては、カムによって生じるバルブ運動
の加速度は、それだけ大きなものとなる。詳しくは、加
速度は、角速度比(dθC/dθD)の2乗に比例す
る。
【0013】そのため、例えばカムプロフィールの立ち
上がりが図10のように角速度比(dθC/dθD)の
増加領域にある場合には、正加速度のピーク位置がなる
べく正加速度区間の中の初期にあることが好ましい。つ
まり、正加速度のピーク位置が遅くなると、それだけ角
速度比(dθC/dθD)が増加するため、これに伴っ
て最大正加速度が大となる。また、カムプロフィールの
立ち下がりが図10のように角速度比(dθC/dθ
D)の減少領域にある場合には、この立ち上がり区間で
の正加速度のピーク位置がなるべく正加速度区間の中の
後期にあることが好ましい。つまり、正加速度のピーク
位置が早いと、それだけ角速度比(dθC/dθD)が
増加するため、これに伴って最大正加速度が大となる。
【0014】従って、角速度比(dθC/dθD)の増
加もしくは減少傾向を考慮して正加速度のピーク位置を
設定することにより、偏心時における最大正加速度の増
大を可及的に抑制できる。
【0015】
【発明の効果】この発明に係る内燃機関の吸排気弁駆動
制御装置によれば、環状ディスクの偏心によってバルブ
作動角を狭めた場合でも、最大正加速度の増大を最小限
に抑制でき、ピンと係合溝との間の摩耗を抑制できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る吸排気弁駆
動制御装置の一実施例を図1〜図6に基づいて説明す
る。図において、21は図外の機関クランク軸からスプ
ロケットを介して回転力が伝達される駆動軸、22は該
駆動軸21の外周に一定の隙間をもって配置され、かつ
駆動軸21の中心Xと同軸上に設けられた中空円筒状の
カムシャフトである。上記駆動軸21は、機関前後方向
に延設されていると共に、中空状に形成されている。ま
たカムシャフト22は、各気筒毎に分割して構成されて
いる。
【0017】上記カムシャフト22は、図示せぬシリン
ダヘッド上端部のカム軸受に回転自在に支持されている
と共に、図2に示すように、外周の所定位置に、各気筒
一対の吸気弁23をバルブスプリング24のばね力に抗
してバルブリフター25を介して開作動させる一対のカ
ム26が一体に設けられている。また、カムシャフト2
2は、上述したように複数個に分割形成されているが、
その一方の分割端部に、フランジ部27が設けられてい
る。また、この複数に分割されたカムシャフト22の端
部間に、それぞれスリーブ28と環状ディスク29が配
置されている。上記フランジ部27は、図4にも示すよ
うに、中空部から半径方向に沿った細長い矩形状の係合
溝30が形成されていると共に、環状ディスク29の一
方の表面に摺接するフランジ面27aを有している。
【0018】上記スリーブ28は、小径な一端部がカム
シャフト22の他方の分割端部内に回転自在に挿入され
ている共に、駆動軸21外周に嵌合しており、かつ直径
方向に貫通した連結ピン31を介して該駆動軸21に連
結固定されている。また、スリーブ28の他端部に設け
られたフランジ部32は、カムシャフト22側のフラン
ジ部27と対向して位置し、かつ図5にも示すように、
半径方向に沿った細長い矩形状の係合溝33が形成され
ていると共に、外周面に環状ディスク29の他方の表面
に摺接するフランジ面28aを有している。上記係合溝
33は、カムシャフト22側フランジ部27の係合溝3
0と180°異なる反対側に配置されている。
【0019】上記環状ディスク29は、略ドーナツ板状
を呈し、内径がカムシャフト22の内径と略同径に形成
されていて、駆動軸21の外周面との間に環状の隙間部
Sが形成されていると共に、小巾の外周部29aが環状
のベアリングメタル34を介して制御環35の内周面に
回転自在に保持されている。また、互いに180°異な
る直径線上の対向位置にそれぞれ保持孔29b,29c
が貫通形成されており、該保持孔29b,29cには、
各係合溝30,33に係合する一対のピン36,37が
嵌合配置されている。この各ピン36,37は、互いに
カムシャフト軸方向へ逆向きに突出しており、円筒面か
らなる基部が保持孔29b,29c内に回転自在に嵌合
支持されていると共に、環状ディスク29表面から突出
する先端部に、図4及び図5に示すように、上記係合溝
30,33の対向内面30a,30b、33a,33b
と当接する2面巾状の平面部36a,36b、37a,
37bが形成されている。また、上記ピン36,37の
軸方向への位置決めは、突出方向については、ピン3
6,37の円筒面と上記平面部36a,36b、37
a,37bとの間に生じる段部36c,37cとフラン
ジ面27a,28aとの当接により、また後退方向につ
いては、上記保持孔29b,29cを貫通したピン3
6,37の基端面36d,37dとフランジ面28a,
27aとの当接により、それぞれ行われる。
【0020】上記制御環35は、略円環状をなすととも
に、図2に示すように、外周の一部にボス部35aを有
し、該ボス部35aを貫通した揺動軸38を支点とし
て、駆動軸21の軸方向と直交する面に沿って上下に揺
動自在に構成されている。またボス部35aと反対側の
外周面にレバー部35bが半径方向に沿って突設されて
おり、該レバー部35bを介して駆動機構39により揺
動位置が制御されるようになっている。
【0021】上記駆動機構39は、図2及び図6に示す
ように、シリンダヘッドの所定部位に互いに対向して形
成された第1,第2シリンダ40,41と、各シリンダ
40,41内に出没自在に嵌合した油圧ピストン42及
びリテーナ43と、上記第1シリンダ40内に画成され
る油圧室40aに油圧を給排して油圧ピストン42を進
退させる油圧回路44とを備えている。上記油圧ピスト
ン42及びリテーナ43は、互いに対向し、かつ両者の
先端の間で、上記レバー部35bの円弧状先端部を上下
方向から挾持するようになっている。
【0022】上記第2シリンダ41内に設けられたリテ
ーナ43は、略有底円筒状に形成され、第2シリンダ4
1内に配設されたコイルスプリング45のばね力で突出
方向に付勢されている。また、このリテーナ43は、ス
トッパ部41bにより後退位置が規制されるようになっ
ており、このストッパ部41bに当接した最大後退位置
つまり油圧ピストン42の最大突出位置において、環状
ディスク29の回転中心Yと駆動軸21の中心Xとが同
心状態となるように設定されている。尚、図2の符号4
1cはエア抜き孔を示す。
【0023】ここで、カム26のプロフィールは、詳細
には図示していないが、ベースサークル部からカムノー
ズ部へ移行する立ち上がり部分では、後述するように、
正加速度のピーク位置が正加速度区間の初期に位置する
ように設定され、逆に、カムノーズ部からベースサーク
ル部へ移行する立ち下がり部分では、正加速度のピーク
位置が正加速度区間の後期に位置するように設定されて
いる。
【0024】上記油圧回路44は、一端部が機関のオイ
ルパン46内に、他端部が油圧室40aにそれぞれ連通
した油通路47と、該油通路47のオイルパン46側に
設けられたオイルポンプ48と、該オイルポンプ48の
下流側に設けられた3ポート2位置型の電磁切換弁49
とから主として構成されている。尚、この油圧回路44
は、一般に機関潤滑系統を利用して構成され、オイルポ
ンプ48等を機関潤滑系統と共用したものとなる。上記
電磁切換弁49は、機関回転数や吸入空気量等の運転条
件信号に基づいてコントローラ50により切換制御され
る。そして、該電磁切換弁49がON作動すると、油通
路47が連通して、油圧室40aに油圧が供給され、O
FF作動すると油通路47下流部分とドレン通路51と
が連通して油圧を解放するようになっている。尚、機関
停止時には、電磁切換弁49は、OFF状態に保たれ
る。
【0025】次に、上記のように構成された実施例の作
用について説明する。
【0026】先ず、機関の所定の運転領域、例えば高速
側の領域では、コントローラ50から電磁切換弁49に
ON信号が出力される。これにより、オイルポンプ48
から油通路47に圧送された作動油はそのまま油圧室4
0aに供給される。従って、該油圧室40aの内圧上昇
に伴い油圧ピストン42が図2,図6の実線で示すよう
にコイルスプリング45のばね力に抗してレバー部35
bを限界位置まで押し下げるので、制御環35つまり環
状ディスク29の回転中心Yと駆動軸21の中心Xが合
致する。この場合は、環状ディスク29と駆動軸21と
の間に回転位相差は生じず、またカムシャフト22の中
心と環状ディスク29の中心Yも合致しているため、両
者22,29間の回転位相差も生じない。そのため、駆
動軸21,環状ディスク29およびカムシャフト22の
3者は、ピン36,37を介して等速で同期回転する。
この結果、図7の(A)の実線に示すようなバルブリフ
ト特性が得られる。このバルブリフト特性は、カムリフ
ト特性に基本的に対応したものであり、これに伴って、
図7(B)に実線で示すような加速度が生じる。ここ
で、図示するように、正加速度のピーク位置は、正加速
度区間の中の初期に位置している。つまり、このような
加速度特性となるように、カムプロフィールが設定され
ているのである。
【0027】一方、機関の他の運転領域、例えば低速側
の領域では、コントローラ50から電磁切換弁49にO
FF信号が出力される。これにより、油通路47の上流
側を遮断すると共に、油通路47の下流側とドレン通路
51とが連通される。このため、油圧室40a内の油圧
が解放され、油圧ピストン42がバルブスプリング24
及びコイルスプリング45のばね力で後退する。従っ
て、制御環35は、図2,図6の一点鎖線で示すように
リテーナ43により押し上げられる形となり、揺動軸3
8を支点として上方へ揺動して、環状ディスク29の中
心Yが駆動軸21の中心Xから偏心する。この状態で
は、スリーブ28の係合溝33とピン37並びにカムシ
ャフト22の係合溝30とピン36との摺動位置が駆動
軸21の1回転毎に移動し、環状ディスク29の角速度
が変化する不等速回転になる。なお、図8は、この偏心
時における各部の位置関係を示した説明図である。
【0028】これにより、前述したように、駆動軸21
とカムシャフト22との間で位相差が生じるため、図7
の(A)に想像線で示すようなバルブリフト特性が得ら
れ、その作動角は小さくなる。この偏心時においては、
図7(B)に想像線で示すような加速度が生じる。この
加速度は、バルブリフト特性が急峻となることから、同
心時よりは大きくなるものの、前述したように、正加速
度のピーク位置が、正加速度区間の中の初期に位置して
いるため、最大正加速度の増大が最小限に抑制される。
【0029】図7の右半部には、比較例として、正加速
度のピーク位置が、正加速度区間の中の後期に位置して
いるカムプロフィールの場合の特性を示している。この
ようなカムプロフィールにおいては、環状ディスク29
が偏心した状態では、カムシャフト22の角速度が一層
増大している段階で正加速度のピークを迎えるので、想
像線で示すように、最大正加速度が一層大きなものとな
る。つまり、本実施例の特性に比較して、ΔGだけ最大
正加速度が増加してしまう。
【0030】またカムプロフィールの立ち下がり側につ
いては、図示していないが、本実施例では、正加速度の
ピーク位置が正加速度区間の後期に位置するように設定
することで、偏心時にカムシャフト22の角速度が比較
的遅くなった段階で正加速度のピークを迎えることがで
き、やはり、最大正加速度の増加を最小限に抑制でき
る。
【0031】なお、上記各実施例では、環状ディスク2
9が同心位置と偏心位置の2位置にのみ切り換えられる
ものとして説明したが、環状ディスク29の偏心量を連
続的もしくは段階的に可変制御する場合でも同様であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部を示す一部破断図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】本実施例の要部を示す平面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】図3のC−C線断面図。
【図6】駆動機構の構成を示す概略図。
【図7】同心時ならびに偏心時におけるバルブリフト特
性および加速度特性を、本実施例と比較例とで対比して
示す特性図。
【図8】偏心時におけるピン等の位置関係を示す説明
図。
【図9】バルブリフト特性と加速度との関係の一例を示
す特性図。
【図10】駆動軸とカムシャフトとの回転位相差および
角速度比の特性を対比して示す特性図。
【符号の説明】
21…駆動軸 22…カムシャフト 26…カム 27…フランジ部 32…フランジ部 29…環状ディスク 30,33…係合溝 36,37…ピン 39…駆動機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 信 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 山田 吉彦 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の回転に同期して回転する駆動軸
    と、 この駆動軸と同軸上に配設され、かつ吸排気弁を駆動す
    るカムを外周に有するカムシャフトと、 このカムシャフト側に設けられ、かつ半径方向に沿って
    係合溝が形成されたフランジ部と、 このフランジ部に対向するように上記駆動軸側に設けら
    れ、かつ半径方向に沿って係合溝が形成されたフランジ
    部と、 上記両フランジ部の間に配設された環状ディスクと、 この環状ディスクの両側部に互いに反対方向に突設され
    て、上記両フランジ部の各係合溝内に夫々係合するピン
    と、 上記環状ディスクを回転自在に保持するとともに、軸直
    角方向に沿って揺動可能な制御環と、 上記制御環を機関運転状態に応じて揺動させる駆動機構
    と、 を備え、かつ上記駆動機構を介して上記環状ディスクの
    回転中心を上記駆動軸の回転中心から一方へ偏心させた
    ときに、同心時に比較してバルブ作動角が狭くなるよう
    に構成した内燃機関の吸排気弁駆動制御装置において、 上記の偏心時において上記駆動軸の角速度よりも上記カ
    ムシャフトの角速度が大となるクランク角の区間でバル
    ブリフト加速度が正となる場合に、その正加速度のピー
    クの位置を、正加速度区間内でカムシャフトの角速度が
    小さい位置に設定したことを特徴とする内燃機関の吸排
    気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 上記カムシャフトのカムのプロフィール
    を、開弁時の正加速度区間における正加速度ピーク位置
    が、当該区間の中の初期となるように設定したことを特
    徴とする請求項1記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006038370A1 (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha 可変バルブ駆動装置、エンジン及び自動二輪車

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