JPH09287424A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Info

Publication number
JPH09287424A
JPH09287424A JP9781096A JP9781096A JPH09287424A JP H09287424 A JPH09287424 A JP H09287424A JP 9781096 A JP9781096 A JP 9781096A JP 9781096 A JP9781096 A JP 9781096A JP H09287424 A JPH09287424 A JP H09287424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake
exhaust valve
drive shaft
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9781096A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Nakamura
信 中村
Yoshihiko Yamada
吉彦 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Unisia Jecs Corp filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP9781096A priority Critical patent/JPH09287424A/ja
Publication of JPH09287424A publication Critical patent/JPH09287424A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピン36,37と係合溝30,33との間の
摩耗を防止するとともに、その摺動長さを最小とし、小
型化を図る。 【解決手段】 機関と同期回転する駆動軸21の外周に
円筒状カムシャフト22が配設され、カムシャフト22
のフランジ部27と駆動軸21に連結固定されたスリー
ブ28のフランジ部32との間に、環状ディスク29が
配設される。環状ディスク29は揺動自在な制御環35
により保持されており、両フランジ部27,32の係合
溝30,33に係合する一対のピン36,37が回転可
能に取り付けられている。環状ディスク29はカムシャ
フト22等と同心状態となる位置を中心として、上方お
よび下方に等量づつ偏心でき、一方への最大偏心時に吸
排気弁の作動角が最大に、他方への最大偏心時に作動角
が最小となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の運転
状態に応じて吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可変
制御する吸排気弁駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可
変制御する装置は、従来から種々の形式のものが提供さ
れているが、その一つとして例えば実開昭57−198
306号公報に記載されているものがある。
【0003】図10及び図11は、この従来の吸排気弁
駆動制御装置を示すもので、その概略を説明すれば、図
中2は駆動軸1の外周に回転自在に設けられて、吸気弁
16をバルブスプリング17のばね力に抗して開作動さ
せるカムであって、この円筒状のカム2は、カム軸受用
ブラケット3と駆動軸1にキー4を介して固設されたフ
ランジ部5とにより軸方向の位置決めがなされている。
また、カム2の一側部に係合溝6を有するフランジ部7
が形成されている一方、上記フランジ部5にも係合溝8
が形成され、かつ両フランジ部5,7間に円環状のディ
スク9が介装されている。このディスク9は、両側の対
向位置に上記両係合溝6,8に係合するピン10,11
が設けられているとともに、外周が制御環12に回転自
在に保持されている。この制御環12は、外周の突起1
2aを介してシリンダヘッド側の支持孔13に揺動自在
に支持されているとともに、該突起12aの反対側に位
置する歯車部12bがロッカシャフト14外周の歯車環
14aに噛合している。
【0004】そして、上記制御環12は、歯車環14a
及び歯車部12bを介して図外の駆動機構により機関運
転状態に応じて一方あるいは他方向へ揺動するようにな
っている。即ち、ディスク9の中心Cが図10に示す位
置にある場合は、駆動軸1とディスク9との回転中心が
一致し、したがってディスク9は、ピン11と係合溝8
を介して駆動軸1に等速で同期回転し、かつカム2はピ
ン10と係合溝6を介してディスク9に等速で同期回転
する。
【0005】また、機関運転状態の変化に伴い駆動機構
によってロッカアーム15を軸支するロッカシャフト1
4を回動させると、制御環12が突起12aを支点とし
て揺動し、これによってディスク9の中心Cが駆動軸1
の中心に対し偏心する。この状態では、係合溝6,8を
有するディスク9とピン10,11とによって一種の偏
心軸継手が構成され、カム2が駆動軸1に従動して回転
するものの、両者の回転速度は不等速となる。つまり、
駆動軸1の1回転の間に、ディスク9の回転位相が駆動
軸1に対して変化し、同時にカム2の回転位相もディス
ク9に対して変化する。したがって、カム2は、駆動軸
1に対し、図12の(a)に破線もしくは一点鎖線で示
すように位相差を生じ、この結果、同図(b)のよう
に、実線で示すバルブリフト特性を、破線もしくは一点
鎖線のように変化させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置にあっては、ディスク9が駆動軸1等と同心位
置にあるときを基準としてバルブリフト特性が設定され
ており、主に一方向へ偏心させることで所望のバルブリ
フト特性に変化させるようにしているので、それだけ最
大偏心量が大きくなる。このように、ディスク9の偏心
量が大きくなると、各係合溝6,8におけるピン10,
11の摺動長さが大となり、フランジ部5,7の大型化
を招くとともに、種々の点でレイアウト上の制約が厳し
くなってしまう。またピン10,11が係合溝6,8の
外周側部分に当接して回転トルクを伝達するため、係合
溝6,8の強度確保の上でも好ましくない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、機関の回転に
同期して回転する駆動軸と、この駆動軸の外周に相対回
転可能に配設され、かつ吸排気弁を駆動するカムを外周
に有する円筒状のカムシャフトと、このカムシャフトの
端部に設けられ、かつ半径方向に沿って係合溝が形成さ
れたフランジ部と、このフランジ部に対向するように上
記駆動軸側に設けられ、かつ半径方向に沿って係合溝が
形成されたフランジ部と、上記両フランジ部の間に配設
された環状ディスクと、この環状ディスクの両側部に互
いに反対方向に突設されて、上記両フランジ部の各係合
溝内に夫々係合するピンと、上記環状ディスクを回転自
在に保持するとともに、軸直角方向に沿って移動可能な
制御環と、上記制御環を機関運転状態に応じて移動させ
る駆動機構と、を備えた吸排気弁駆動制御装置におい
て、上記環状ディスクの一方向への最大偏心量と他方向
への最大偏心量とを略同一に設定するとともに、一方向
への最大偏心時に吸排気弁の作動角が最大に、他方向へ
の最大偏心時に上記作動角が最小となるように設定した
ことを特徴としている。
【0008】環状ディスクの中心が駆動軸の中心と合致
している位置では、カムシャフトは上記環状ディスク等
を介して駆動軸に同期して等速で、つまり位相差なしで
回転する。
【0009】一方、駆動機構によって環状ディスクが軸
直角方向へ移動した状態では、環状ディスクの中心が駆
動軸およびカムシャフトの中心から偏心するため、駆動
軸とカムシャフトとが不等速で連動するようになり、回
転中に位相差を生じる。したがって、実際のバルブリフ
ト特性がカムリフト特性に対し変形し、バルブタイミン
グおよびその作動角が変化する。
【0010】特に、一方向へ最大に偏心した状態におい
て、吸排気弁の作動角は最大となり、逆に他方向へ最大
に偏心した状態において、作動角は最小となる。そし
て、それぞれの最大偏心量は、互いに等しいので、必要
な作動角の変化量に対し、最大偏心量は小さくなる。
【0011】また請求項2の発明では、機関高負荷域
で、高速側に向かうに従って偏心量が小さくなるように
制御する。
【0012】熱負荷が高くなる高負荷域の特に高回転側
では、ピンと係合溝との摺動部で摩耗が発生し易い。従
って、高速となるほど偏心量を小さくすることにより、
摩耗を抑制できる。
【0013】また請求項3の発明では、内燃機関の最大
出力回転数において上記環状ディスクを略同心位置に制
御する。
【0014】すなわち、熱的に最も厳しい最大出力回転
数においては、環状ディスクが駆動軸やカムシャフトと
一体に回転し、ピンの摺動が生じないので、摩耗が確実
に抑制される。
【0015】さらに請求項4の発明では、上記環状ディ
スクを、略同心な第1制御位置と、一方向へ最大に偏心
した第2制御位置と、他方向へ最大に偏心した第3制御
位置とに択一的に切換制御することを特徴とする。これ
により、制御が一層簡単となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る吸排気弁駆
動制御装置の一実施例を図1〜図6に基づいて説明す
る。図において、21は図外の機関クランク軸からスプ
ロケットを介して回転力が伝達される駆動軸、22は該
駆動軸21の外周に一定の隙間をもって配置され、かつ
駆動軸21の中心Xと同軸上に設けられた中空円筒状の
カムシャフトである。上記駆動軸21は、機関前後方向
に延設されていると共に、中空状に形成されている。ま
たカムシャフト22は、各気筒毎に分割して構成されて
いる。
【0017】上記カムシャフト22は、シリンダヘッド
上端部のカム軸受52に回転自在に支持されていると共
に、図2に示すように、外周の所定位置に、吸気弁23
をバルブスプリング24のばね力に抗してバルブリフタ
ー25を介して開作動させるそれぞれ一対のカム26…
が一体に設けられている。また、カムシャフト22は、
上述したように複数個に分割形成されているが、その一
方の分割端部に、フランジ部27が設けられている。ま
た、この複数に分割されたカムシャフト22の端部間
に、それぞれスリーブ28と環状ディスク29が配置さ
れている。上記フランジ部27は、図4にも示すよう
に、中空部から半径方向に沿った細長い矩形状の係合溝
30が形成されていると共に、環状ディスク29の一方
の表面に摺接するフランジ面27aを有している。
【0018】上記スリーブ28は、小径な一端部がカム
シャフト22の他方の分割端部内に回転自在に挿入され
ている共に、駆動軸21外周に嵌合しており、かつ直径
方向に貫通した連結ピン31を介して該駆動軸21に連
結固定されている。また、スリーブ28の他端部に設け
られたフランジ部32は、カムシャフト22側のフラン
ジ部27と対向して位置し、かつ図5にも示すように、
半径方向に沿った細長い矩形状の係合溝33が形成され
ていると共に、外周面に環状ディスク29の他方の表面
に摺接するフランジ面32aを有している。上記係合溝
33は、カムシャフト22側フランジ部27の係合溝3
0と180°異なる反対側に配置されている。
【0019】上記環状ディスク29は、略ドーナツ板状
を呈し、内径がカムシャフト22の内径と略同径に形成
されていて、駆動軸21の外周面との間に環状の隙間部
Sが形成されていると共に、小巾の外周部29aが環状
のベアリングメタル34を介して制御環35の内周面に
回転自在に保持されている。また、互いに180°異な
る直径線上の対向位置にそれぞれ保持孔29b,29c
が貫通形成されており、該保持孔29b,29cには、
各係合溝30,33に係合する一対のピン36,37が
嵌合配置されている。この各ピン36,37は、互いに
カムシャフト軸方向へ逆向きに突出しており、円筒面か
らなる基部が保持孔29b,29c内に回転自在に嵌合
支持されていると共に、環状ディスク29表面から突出
する先端部に、図4及び図5に示すように、上記係合溝
30,33の対向する内側面と当接する2面巾状の一対
の平面部36a,37aが形成されている。また、上記
ピン36,37の軸方向への位置決めは、突出方向につ
いては、ピン36,37の円筒面と上記平面部36a,
37aとの間に生じる段部36c,37cとフランジ面
27a,32aとの当接により、また後退方向について
は、上記保持孔29b,29cを貫通したピン36,3
7の基端面とフランジ面32a,27aとの当接によ
り、それぞれ行われる。
【0020】上記制御環35は、略円環状をなすととも
に、図2に示すように、外周の一部にボス部35aを有
し、該ボス部35aを貫通した揺動軸38を支点とし
て、駆動軸21の軸方向と直交する面に沿って上下に揺
動自在に構成されている。またボス部35aと反対側の
外周面にレバー部35bが半径方向に沿って突設されて
おり、該レバー部35bを介して駆動機構39により揺
動位置が制御されるようになっている。
【0021】上記駆動機構39は、図2及び図6に示す
ように、シリンダヘッドの所定部位に互いに対向して形
成された第1,第2シリンダ40,41と、各シリンダ
40,41内に出没自在に嵌合した油圧ピストン42及
びリテーナ43と、上記第1シリンダ40内に画成され
る油圧室40aに油圧を給排して油圧ピストン42を進
退させる油圧回路44とを備えている。上記油圧ピスト
ン42及びリテーナ43は、互いに対向し、かつ両者の
先端の間で、上記レバー部35bの円弧状先端部を上下
方向から挾持するようになっている。
【0022】上記第2シリンダ41内に設けられたリテ
ーナ43は、略有底円筒状に形成され、第2シリンダ4
1内に配設されたコイルスプリング45のばね力で突出
方向に付勢されている。また、このリテーナ43は、ス
トッパ部41bにより後退位置が規制されるようになっ
ており、このストッパ部41bに当接した最大後退位置
つまり油圧ピストン42の最大突出位置において、環状
ディスク29の一方向への最大偏心位置が規定される。
逆に、図2,図6に一点鎖線で示すように油圧ピストン
42が最大に後退した位置において、環状ディスク29
の他方向への最大偏心位置が規定される。そして、両位
置のちょうど中間の位置において、環状ディスク29の
回転中心Yと駆動軸21の中心Xとが同心状態となるよ
うに設定されている。つまり、同心位置を中心として、
一方向への最大偏心量と他方向への最大偏心量とが互い
に等しく設定されている。尚、図2の符号41cはエア
抜き孔を示す。
【0023】上記油圧回路44は、図6に示すように、
一端部が機関のオイルパン46内に、他端部が油圧室4
0aにそれぞれ連通した油通路47と、該油通路47の
オイルパン46側に設けられたオイルポンプ48と、該
オイルポンプ48の下流側に設けられた3ポート2位置
型の電磁切換弁49とから主として構成されている。
尚、この油圧回路44は、一般に機関潤滑系統を利用し
て構成され、オイルポンプ48等を機関潤滑系統と共用
したものとなる。上記電磁切換弁49は、機関回転数や
吸入空気量等の運転条件信号に基づいてコントローラ5
0により流量制御される。具体的には、上記電磁切換弁
49へ与えられる駆動パルス信号のON−OFFデュー
ティ比が可変制御されるようになっており、該電磁切換
弁49がON作動すると、油通路47が連通して、油圧
室40aに油圧が供給され、OFF作動すると油通路4
7下流部分とドレン通路51とが連通して油圧を解放す
るようになっている。尚、機関停止時には、電磁切換弁
49は、OFF状態に保たれる。
【0024】次に、上記のように構成された実施例の作
用について説明する。
【0025】先ず、コントローラ50から電磁切換弁4
9に出力される駆動パルス信号のONデューティ比が最
大となると、油圧室40aの内圧上昇に伴い油圧ピスト
ン42が図2,図6の実線で示すようにコイルスプリン
グ45のばね力に抗してレバー部35bを限界位置まで
押し下げるので、制御環35つまり環状ディスク29の
回転中心Yが駆動軸21の中心Xに対し一方向に偏心す
る。説明の都合上、この偏心の方向を+とし、かつその
最大偏心量を(ε/2)とする。この状態では、図7の
(B)に実線で示すように、駆動軸21とカムシャフト
22との間で位相差が与えられる。また、回転位相差の
最大,最小点の途中に同位相点(P点)が存在する。
尚、図7(B)の特性図では、カムシャフト22が相対
的に進む方向の位相差を正に、相対的に遅れる方向の位
相差を負にしてある。そして、カムシャフト22が相対
的に進み側となる領域(P1点以前の領域およびP2〜
P3の領域)に位置する吸気弁23の開弁時期は、上記
位相差に伴って進むことになる。逆に、カムシャフト2
2が相対的に遅れ側となる領域(P1〜P2の領域)に
位置する吸気弁23の閉弁時期は、位相差に伴って遅れ
ることになる。従って、図7の(A)に実線で示すよう
なバルブリフト特性が得られ、その作動角は最大とな
る。
【0026】一方、コントローラ50から電磁切換弁4
9に出力される駆動パルス信号のONデューティ比が最
小となると、油圧室40aの内圧が低下し、図2,図6
の一点鎖線で示すようにコイルスプリング45のばね力
によってレバー部35bが限界位置まで持ち上げられる
ので、制御環35つまり環状ディスク29の回転中心Y
が駆動軸21の中心Xに対し図上方に偏心する。つま
り、その偏心方向は−であり、かつその偏心量は、最大
偏心量(ε/2)となる。この状態では、図7の(B)
に一点鎖線で示すように、駆動軸21とカムシャフト2
2との間で位相差が与えられる。そして、カムシャフト
22が相対的に遅れ側となる領域(P1点以前の領域お
よびP2〜P3の領域)に位置する吸気弁23の開弁時
期は、上記位相差に伴って遅れることになる。逆に、カ
ムシャフト22が相対的に進み側となる領域(P1〜P
2の領域)に位置する吸気弁23の閉弁時期は、位相差
に伴って進むことになる。従って、図7の(A)に一点
鎖線で示すようなバルブリフト特性が得られ、その作動
角は最小となる。
【0027】さらに、駆動パルス信号のONデューティ
比の可変制御により、上述した正負の最大偏心位置の中
間位置に保たれると、環状ディスク29の回転中心Yが
駆動軸21の中心Xと同心状態となる。この状態では、
駆動軸21とカムシャフト22とが等速回転し、カムリ
フト特性に沿ったバルブリフト特性が得られる。このと
きの作動角は、図7の実線と一点鎖線との間の中間的な
ものとなる。
【0028】図7の(C)は、駆動軸21側の係合溝3
3に当接するピン37の上記Xを中心とする半径方向の
位置xの変化を示したものであり、環状ディスク29が
同心位置にある場合のピン37の半径方向位置を基準位
置つまりx=0として示してある。この図に明らかなよ
うに、環状ディスク29の正負の偏心に応じて、実線あ
るいは一点鎖線に示すように、ピン37の接触位置が変
化する。そして、この実施例では、偏心量が+(ε/
2)〜−(ε/2)の範囲で変化するので、ピン37の
位置は、ほぼεの範囲で変化することになる。なお、こ
れは係合溝30とピン36についても同様となる。
【0029】従って、必要なバルブ作動角の変化に対
し、本発明では、環状ディスク29の正負の最大偏心量
を等しく設定することにより、係合溝30,33の必要
な長さを最短にすることができ、ひいてはフランジ部2
7,32を小型化できる。
【0030】なお、図7において、Q点は駆動軸21の
回転角速度とカムシャフト22の回転角速度とが等しく
なる点であり、x=0の点と一致する。また前述したP
点は、上記のxが極大値となる点とほぼ一致している。
【0031】図8は、上記吸排気弁駆動制御装置の具体
的な制御の一例を示している。なお、図中の大中小は、
作動角の大きさを示し、カッコ内は環状ディスク29の
偏心量を示す。
【0032】図示するように、低速低負荷域Aでは、偏
心量が−(ε/2)付近に制御され、作動角が小とな
る。これによりバルブオーバーラップが小となり、アイ
ドル安定性が向上する。
【0033】低速中負荷域Bでは、偏心量が+(ε/
2)付近に制御され、作動角が大となる。これによりバ
ルブオーバーラップが大となり、筒内残留ガスが増加す
るとともに、吸気弁23閉時期の遅れによる吸気吹き戻
し量の増加により、同一トルクを得るためのスロットル
開度が増加し、ポンピングロスが低減して燃費が向上す
る。
【0034】低速高負荷域Cでは、偏心量が−(ε/
2)付近に制御され、作動角が小となる。そして、中速
域Dでは、高回転になるに従って偏心量が0に近づくよ
うに、−(ε/2)〜0の範囲内で制御される。さら
に、高速域Eでは、偏心量が0となる。従って、高負荷
域では、回転数の上昇に伴って作動角が増加する傾向と
なり、吸気弁の閉時期も徐々に遅くなるため、各回転数
における充填効率が向上し、それぞれの出力を高めるこ
とができる。熱負荷が高くなる高負荷域の特に高回転側
では、ピン36,37と係合溝30,33との摺動部で
摩耗が発生し易い。従って、上記のように高速となるほ
ど偏心量を小さくすることにより、摩耗を効果的に抑制
できる。
【0035】また、全開出力が最大となる最高出力回転
数N0においては、偏心量は0となる。つまり、最も熱
的に厳しい条件となる最高出力回転数N0において、環
状ディスク29の回転中心Yが駆動軸21の回転中心X
と同心位置となり、ピン36,37の摺動が停止するた
め、このピン36,37の摩耗を防止できる。
【0036】上記実施例では、偏心量が+(ε/2)〜
−(ε/2)の範囲で連続的に変化するようになってい
るが、制御の簡略化を図るために、段階的に切換制御す
るようにしてもよい。図9は、偏心量が0の第1制御位
置と、+(ε/2)の第2制御位置と、−(ε/2)の
第3制御位置とに択一的に切り換えるようにした実施例
を示している。なお、図8と同様に、図中の大中小は、
作動角の大きさを示し、カッコ内は環状ディスク29の
偏心量を示す。
【0037】この実施例においては、低中速低負荷域
A′では、偏心量が−(ε/2)に制御され、作動角が
小となる。低中速中負荷域B′では、偏心量が+(ε/
2)に制御され、作動角が大となる。低中速高負荷域
C′では、偏心量が−(ε/2)に制御され、作動角が
小となる。そして、高速域Eでは、偏心量が0となり、
作動角は中間の状態となる。また、全開出力が最大とな
る最高出力回転数N0においては、偏心量は0となる。
【0038】尚、本発明は上記実施例の構成に限定され
るものではなく、排気弁側あるいは吸気弁,排気弁の両
方に適用することも可能である。
【0039】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
に係る内燃機関の吸排気弁駆動制御装置によれば、同心
位置を中心として環状ディスクが2方向へ等しく偏心
し、その全域を利用して作動角を可変制御するので、必
要な作動角の変化量に対し最大偏心量を最小限のものに
することができ、回転力を伝達するピンの摺動長さを最
小の範囲に抑制できる。従って、係合溝を備えた各フラ
ンジ部の小型化が図れ、かつ内燃機関におけるレイアウ
トが容易となる。
【0040】また、請求項2の構成によれば、熱負荷が
高くなる高速高負荷域での摩耗を抑制できる。
【0041】さらに、請求項3によれば、熱的に最も厳
しい条件となる最大出力回転数において、ピンの摺動が
停止し、摩耗が確実に抑制される。
【0042】また請求項4によれば、制御が簡略化され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部を示す一部破断図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】本実施例の要部を示す平面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】図3のC−C線断面図。
【図6】駆動機構の構成を示す概略図。
【図7】バルブリフト特性(A)と、駆動軸とカムシャ
フトとの回転位相差の特性(B)と、ピンの半径方向位
置の特性(C)とを対比して示す特性図。
【図8】機関運転条件に対する偏心量の制御の一例を示
す特性図。
【図9】機関運転条件に対する偏心量の制御の異なる例
を示す特性図。
【図10】従来の吸排気弁駆動制御装置の断面図。
【図11】図10のD−D線断面図。
【図12】従来の吸排気弁駆動制御装置の回転位相差特
性およびバルブリフト特性を示す特性図。
【符号の説明】
21…駆動軸 22…カムシャフト 27…フランジ部 32…フランジ部 29…環状ディスク 30,33…係合溝 36,37…ピン 39…駆動機構。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の回転に同期して回転する駆動軸
    と、 この駆動軸の外周に相対回転可能に配設され、かつ吸排
    気弁を駆動するカムを外周に有する円筒状のカムシャフ
    トと、 このカムシャフトの端部に設けられ、かつ半径方向に沿
    って係合溝が形成されたフランジ部と、 このフランジ部に対向するように上記駆動軸側に設けら
    れ、かつ半径方向に沿って係合溝が形成されたフランジ
    部と、 上記両フランジ部の間に配設された環状ディスクと、 この環状ディスクの両側部に互いに反対方向に突設され
    て、上記両フランジ部の各係合溝内に夫々係合するピン
    と、 上記環状ディスクを回転自在に保持するとともに、軸直
    角方向に沿って移動可能な制御環と、 上記制御環を機関運転状態に応じて移動させる駆動機構
    と、 を備えた吸排気弁駆動制御装置において、 上記環状ディスクの一方向への最大偏心量と他方向への
    最大偏心量とを略同一に設定するとともに、一方向への
    最大偏心時に吸排気弁の作動角が最大に、他方向への最
    大偏心時に上記作動角が最小となるように設定したこと
    を特徴とする内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 機関高負荷域では、高速側に向かうに従
    って偏心量が小さくなるように制御することを特徴とす
    る請求項1記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の最大出力回転数において上記
    環状ディスクを略同心位置に制御することを特徴とする
    請求項1または2に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御
    装置。
  4. 【請求項4】 上記環状ディスクを、略同心な第1制御
    位置と、一方向へ最大に偏心した第2制御位置と、他方
    向へ最大に偏心した第3制御位置とに択一的に切換制御
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
JP9781096A 1996-04-19 1996-04-19 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 Pending JPH09287424A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9781096A JPH09287424A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9781096A JPH09287424A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09287424A true JPH09287424A (ja) 1997-11-04

Family

ID=14202128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9781096A Pending JPH09287424A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09287424A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5494009A (en) Valve control device for internal combustion engine
JP3177532B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP2002276315A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2000213315A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JPH09287424A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP3143272B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP3933229B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP3355850B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP3355211B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP3445421B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0742516A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH10252430A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0734831A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP2601060Y2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP3385809B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP3283905B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH06323117A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0734820A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP2586631Y2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0734823A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH07233715A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0734827A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH08158827A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0663804U (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH0734828A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20041210

A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20041216

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712