JPH10167741A - 合成石英ガラスの製造方法、合成石英ガラスの製造装置および合成石英ガラス - Google Patents

合成石英ガラスの製造方法、合成石英ガラスの製造装置および合成石英ガラス

Info

Publication number
JPH10167741A
JPH10167741A JP8335406A JP33540696A JPH10167741A JP H10167741 A JPH10167741 A JP H10167741A JP 8335406 A JP8335406 A JP 8335406A JP 33540696 A JP33540696 A JP 33540696A JP H10167741 A JPH10167741 A JP H10167741A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quartz glass
temperature
furnace
exhaust
synthetic quartz
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8335406A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Nakagawa
和博 中川
Hiroki Jinbo
宏樹 神保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP8335406A priority Critical patent/JPH10167741A/ja
Publication of JPH10167741A publication Critical patent/JPH10167741A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/14Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
    • C03B19/1446Means for after-treatment or catching of worked reactant gases

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質な合成石英ガラスが得られる、火炎加
水分解法による合成石英ガラスの製造方法の提供。 【解決手段】 火炎加水分解法によって合成石英ガラス
を製造する際に、合成炉10の内部から外部へ、排気装
置26を介して排気するにあたり、排気装置26に供給
する冷却水の温度を温度制御装置36で一定温度範囲内
の温度となるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、火炎加水分解法
による合成石英ガラスの製造方法、合成石英ガラスの製
造装置およびその方法によって製造された合成石英ガラ
スに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造の際に半導体基
板等に集積回路の微細パターンを露光・転写する光リソ
グラフィー技術において、ステッパーと呼ばれる露光装
置が用いられている。このステッパーの光源には、近
年、大規模集積回路(LSI)の高集積化に伴って可視
光よりも波長の短い紫外域の光が用いられるようになっ
た。このため、露光装置の光学系も、従来の光学ガラス
に代えて、紫外域の光を透過する材料で構成することが
必要となった。紫外域の光の透過率の高い光学材料とし
ては、例えば石英ガラスが知られている。
【0003】また、露光装置の光学系は、収差補正のた
めにレンズ等の多数の光学部材で構成される。このた
め、露光装置の光学系全体の透過率を高くするために
は、個々の光学部材の透過率を高くすることが必要であ
る。石英ガラスで高い透過率を得るためには、ガラス中
の不純物濃度を低くして高純度にする必要がある。高純
度の石英ガラスが得られる製造方法としては、石英ガラ
スを耐火容器に接触させずに製造する火炎加水分解法
(直接法とも称する。)が知られている。
【0004】火炎加水分解法では、四塩化ケイ素などの
高純度のケイ素化合物を原料に用いる。そして、この原
料を、製造装置の合成炉内で回転、引き下げを行ってい
るターゲット上に向けて燃焼ガスの酸素および水素と共
にバーナーから噴射する。噴射された原料は、酸素水素
火炎で加水分解されて石英ガラス微粒子(スート)を形
成する。スートは、ターゲット上で堆積、溶融、透明化
して石英ガラスのインゴットを形成する。このようにし
て得られた石英ガラスは合成石英ガラスと呼ばれる。
【0005】ところで、ステッパーの光学系に用いる合
成石英ガラスには、紫外域の高い透過性だけでなく、屈
折率分布の均質性等、高品質が要求される。例えば、エ
キシマレーザを光源とするステッパーでは、光学系を構
成する石英ガラスの屈折率の均質性として、屈折率均質
性Δnが4×10-6以下であることが要求される。ここ
で、屈折率均質性とは、インゴットから切り出された円
柱形状あるいはこの円柱形状をさらに加工して得られた
光学部材を、光軸方向(一般にインゴットの成長方向と
一致する。)から見た径方向(光軸方向に直交する。)
の屈折率分布(ばらつき)をいう。
【0006】さらに、このステッパーの光学系に用いる
合成石英ガラスには、光学部材をレンズ形状に加工した
際、光軸方向から見た屈折率分布が光軸を中心とした中
心対称性を有し、さらに波面収差の非回転対称成分のR
MS(二乗平方根)値が例えば0.0040λ以下、あ
るいは、波面収差の光軸方向の回転対称成分をパワー
(2次)成分補正し、さらに、2次および4次成分補正
したときの2次4次残渣RMS値が例えば0.005λ
以下といった値が要求される。
【0007】このため、合成石英ガラスの高品質化を図
るために、様々な技術が研究および提案されている。例
えば、この出願に係る発明者は、石英ガラスのインゴッ
トの屈折率の不均一を生じさせる原因となる、合成炉の
内部の雰囲気(例えば、合成炉の内部の温度、インゴッ
ト上部の合成面の温度)の揺らぎの原因の一つが合成炉
の内部から排気されるガスの排気量の変動にあることを
見いだし、さらに、合成炉の内壁、排気口および排気管
に付着した石英ガラスが定常的な排気を妨げることが、
その排気量の変動の原因の一つであることを見いだし
た。
【0008】そこで、この出願に係る発明者は、文献:
「特開平7−109133号公報」に合成石英ガラスの
製造方法の一例を提案している。この文献に開示の技術
によれば、火炎加水分解法による合成石英ガラスの製造
にあたり、排気をスムーズに行うために、排気量を間欠
的にパルス状に変化させることによって、炉内部の雰囲
気を一定に保ったまま炉内壁、排気口および排気管への
石英ガラス微粒子の付着を抑制している。その結果、タ
ーゲット上に堆積されなかった石英ガラス微粒子の排気
をスムーズに行うことによって、合成石英ガラスの品質
の向上を図っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、合成石
英ガラスには、より均質で高品質なものが望まれる。こ
のため、より一層高品質な合成石英ガラスが得られる、
火炎加水分解法による合成石英ガラスの製造方法、合成
石英ガラスの製造装置およびその方法によって製造され
た合成石英ガラスの実現が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願に係る
発明者は、種々の実験および検討を行った結果、合成炉
の内部から排気されるガスの排気量が変動する原因の一
つが排気装置に供給される冷却水の温度の変動にあるこ
とを突き止めた。
【0011】排気装置は、通常、冷却塔および除害装置
をもって構成されている。合成炉の内部から排気装置へ
排気されたガスの温度は、500℃〜700℃程度と高
温であるため、このガスは、冷却装置(冷却塔)へ通さ
れて冷却される。次に、冷却されたガス中の塩酸の濃度
を大気中に放出できる濃度まで下げ、さらに冷却するた
めに、除害装置(スクラバー)においてこのガスに除害
用の水を散水してガスを洗浄する。以下、冷却装置およ
び除害装置にそれぞれ供給される水を併せて冷却水と称
する。
【0012】この排気装置の冷却装置および除害装置に
それぞれ供給される冷却水の水温は、外気の温度や排気
ガスの温度の影響を受ける。例えば、一日のうちで、夜
間と日中とで外気の温度が変動することによって、冷却
水の温度も変化する。さらに、一年のうちで、夏場と冬
場とで外気の温度が変動することによっても、冷却水の
温度は変化する。
【0013】そして、冷却水の温度が変動することによ
って排気ガスの排気量が変動する理由は次のように考え
られる。冷却水の温度が変動すると、排気装置の内部の
温度が変動する。排気装置の内部の温度が変動すると、
排気装置内の排気ガスの温度が変動する。排気ガスの温
度が変化すると、排気装置内の圧力が変動する。そし
て、排気装置内の圧力が変動すると、排気ファンを一定
の回転数で回転させていても、合成炉の内部から排気装
置へ排気される排気ガスの排気量が変動すると考えられ
る。
【0014】(第1の発明)そこで、この出願に係る第
1の発明の合成石英ガラスの製造方法によれば、火炎加
水分解法によって合成石英ガラスを製造する際に、合成
炉の内部に設置されたインゴット形成用のターゲットに
堆積されなかった石英ガラスの微粒子を含むガスを、こ
の合成炉の内部から外部へ、排気装置を介して排気する
にあたり、この排気装置を構成する、合成炉の内部から
排気されたガスを冷却する冷却塔およびこのガスの冷却
および除害を行う除害装置にそれぞれ供給する冷却水の
温度をそれぞれ一定範囲内の温度に制御することを特徴
とする。
【0015】(第2の発明)また、第2の発明の合成石
英ガラスの製造装置によれば、合成炉の内部に設置され
たインゴット形成用のターゲットに堆積されなかった石
英ガラスの微粒子を含むガスを、この合成炉の内部から
外部へ排気する排気装置であって、合成炉の内部から排
気されたガスの冷却を行う冷却塔とこのガスの冷却およ
び除害を行う除害装置とを以って構成された排気装置を
具えた合成石英ガラスの製造装置において、冷却塔およ
び除害装置にそれぞれ供給する冷却水の温度をそれぞれ
一定範囲内の温度に制御する温度制御装置を具えてなる
ことを特徴とする。
【0016】(第3の発明)また、第3の発明の合成石
英ガラスによれば、第1の発明の合成石英ガラスの製造
方法により製造された、三方向に脈理がなく、屈折率均
質性Δnが4×10 -6以下であることを特徴とする。
【0017】このように、第1および第2の発明の合成
石英ガラスの製造方法および合成石英ガラスの製造装置
によれば、冷却水の温度を一定範囲内の温度に制御する
ことによって、合成炉の内部から排気装置へ排気される
ガスの排気量の変動を抑制することができる。その結
果、合成炉の内部の雰囲気の揺らぎを抑制して、高品質
な合成石英ガラス、例えば、第3の発明の合成石英ガラ
スのように、三方向に脈理がなく、屈折率均質性Δnが
4×10-6以下の合成石英ガラスを製造することができ
る。
【0018】尚、これらの発明において、冷却水は、水
に限定されるものではなく、例えば、酸性の排気ガスを
中和(除害)するために、苛性ソーダ(NaOH)等の
アルカリ水溶液を使用する場合も含む。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この出願
に係る第1の発明の合成石英ガラスの製造方法、第2の
発明の合成石英ガラスの製造装置および第3の発明の合
成石英ガラスの実施の形態について併せて説明する。
尚、参照する図面は、これらの発明が理解できる程度
に、各構成成分の大きさ、形状および配置関係を概略的
に示してあるに過ぎない。したがって、これらの発明
は、図示例にのみ限定されるものではない。
【0020】図1は、この実施の形態の合成石英ガラス
の製造装置の説明に供する概略図である。
【0021】この合成石英ガラスの製造装置は、合成炉
10を具え、この合成炉10は、炉床12上に、耐火物
の炉壁14およびこの炉壁14を覆うように設けられた
炉枠16を具えている。そしてこの炉壁14を貫通し
て、バーナー18が、合成炉10の上部からインゴット
20を形成するための円盤状のターゲット22にその先
端を向けて設置されている。また、合成炉10の内部の
温度は、熱電対(図示せず)で計測されている。
【0022】また、炉枠16の一部は、排気管24を介
して排気装置26につながっている。図2に、排気装置
26の該略図を示す。この排気装置26は、冷却装置
(冷却塔とも称する。)28および除害装置(スクラバ
ーとも称する。)30を具えている。この冷却塔28
は、合成炉10の内部から排気されたガスに冷却水を散
水してガスを冷却するためのものである。また、除害装
置は、ガスに含まれるHCl等の酸性物質の除害を行う
ためのものである。冷却塔28で冷却され、さらに、ス
クラバー30で除害されたガスは、排気ファン32によ
って、排気装置26の排気口34から大気中へ放出され
る。また、排気装置26内の圧力は微差圧計(図示せ
ず)で計測され、合成炉10の内部から排気装置26へ
排気されるガスの排気量はカルマン渦流量計(図示せ
ず)で計測される。
【0023】また、この実施の形態の合成石英ガラスの
製造装置においては、これらの冷却塔28およびスクラ
バー30にそれぞれ供給する冷却水の温度をそれぞれ一
定範囲内の温度に制御する温度制御装置36を具えてい
る。この温度制御装置36には、冷却コイルを通してあ
り、この冷却コイル中を循環する冷媒によって、冷却水
を冷却して温度制御を行う。そして、スクラバー30の
タンク内の冷却水の温度と温度制御装置36から出た冷
却水の温度とを測温して、温度制御装置36は、スクラ
バー30のタンク内の水温が一定範囲内の温度になるよ
うに冷却水の温度を制御する。また、排気装置26へ供
給される冷却水の流量は体積流量計(図示せず)で計測
される。ここでは、一定の流量の冷却水を排気装置26
へ供給する。
【0024】次に、排気装置に供給する冷却水の温度の
変動と、合成炉の内部から排気装置へ排気されるガスの
排気量の変動との関係について説明する。
【0025】図3の(A)の図表に、冷却水の水温を3
0℃から50℃まで5℃刻みで変化させたときの、排気
装置内の圧力損失(mmH2 O)、合成炉の内部の温度
(炉内温度)(℃)および排気量(排気ガス量)(m3
/min)の測定結果を示す。
【0026】また、図3の(B)に、図3の(A)に示
した測定結果の一部をグラフにして表す。図3の(B)
のグラフの横軸は、冷却水の温度(℃)を表し、左側の
縦軸は、排気装置内の圧力損失(mmH2 O)を表し、
右側の縦軸は、排気ガス量(m3 /min)を表す。そ
して、図3の(B)のグラフ中の折れ線Iは、圧力損失
の測定結果のプロット(黒丸)を結んだものである。ま
た、グラフ中の折れ線IIは、排気ガス量の測定結果のプ
ロット(黒四角)を結んだものである。
【0027】図3の(B)より、冷却水の温度が変動す
ると、排気装置内圧力が数mmH2O程度変化して排気
ガス量が大きく変動することが分かった。一方、従来の
合成石英ガラスの製造装置において、排気装置に供給さ
れる冷却水の温度は、外気温度が日間で変化することに
伴って、数℃〜十数℃変動する。したがって、排気ファ
ンを一定の回転数で回転させるだけでは、冷却水の温度
が変動した場合に、排気装置の圧力損失を一定にするこ
とができず、炉内温度が変動してしまうことが分かる。
【0028】次に、図4を参照して、1週間程度の期間
で製造された合成石英ガラスのインゴットの品質と、合
成時の排気ガス量との関係について説明する。図4の上
段のグラフは、石英ガラスの合成時の排気ガス量の変化
を模式的に示すグラフであり、グラフの横軸は合成の積
算時間(任意単位)を表し、グラフの縦軸は排気ガス量
(任意単位)を表す。また、図4の下段には、製造され
たインゴット20を、上段のグラフの合成の積算時間と
対応させて模式的に示す。
【0029】図4において、制御開始時刻T以前では、
冷却水の温度を制御しておらず、排気ガス量が変動して
いる。そして、排気ガス量の変動に伴って、炉内温度が
変動してインゴット20の合成面に影響を及ぼす。尚、
合成面とは、バーナー18から噴出したガスにより合成
された石英ガラス微粒子(スート)がインゴット20の
上部に堆積する場所(積層点)である。合成面の温度が
変動すると、インゴットの直径も変動して一定でなくな
る。例えば、急激に炉内温度が上昇すると、合成面周辺
のガラスの粘度が低下してインゴットが潰れてインゴッ
トの直径が一定でなくなる。その上、ターゲットを回転
しながら石英ガラスを合成していても、インゴットが中
央対称に潰れるとは限らない。このため、石英ガラスの
回転対称性が乱れてしまう。また、合成面の温度が急激
に変化すると、インゴット20の屈折率も変化して、イ
ンゴットの成長方向にほぼ垂直な層状の脈理38の発生
する原因となる。
【0030】一方、図4において、制御開始時刻T以後
は、冷却水の温度を制御しているため、排気ガス量の変
動が抑えられている。その結果、炉内温度の変動が抑え
られて、一定の直径で脈理のないインゴットが得られ
る。このように、冷却水の温度を一定範囲に制御するこ
とによって、排気ガス量の変動を抑制して、インゴット
の一層の高品質化を図ることができる。
【0031】
【実施例】次に、合成石英ガラスの製造方法の一例につ
いて説明する。この実施例においては、上述の図4にお
ける制御開始時刻T以後に、排気装置26の冷却塔28
およびスクラバー30に供給する冷却水の温度を、温度
制御装置36を用いて35℃±5℃の範囲内となるよう
に制御した。
【0032】また、合成石英ガラスの製造にあたって
は、火炎加水分解法の種々の理想とされる条件を適応す
ることができる。この実施例では、原料として、高純度
の四塩化ケイ素を用いる。そして、この原料をキャリア
ガスで希釈して、バーナー18から原料を流量30g/
分で合成炉10の内部へ噴射する。
【0033】バーナー18から噴射した原料は石英ガラ
ス微粒子を形成する。そして、このスートを合成炉10
の内部の直径250mmのターゲット22に堆積し溶融
して合成石英ガラスを合成する。このターゲット22
は、不透明石英ガラス板からなり、回転すると共に揺動
する。そして、このターゲット22を、スートの堆積速
度に合わせて1時間あたり4mmの速度で引き下げるこ
とにより、インゴット20の合成面の中心位置をバーナ
ー18から常に一定距離に保つ。
【0034】そして、インゴットのうち、制御開始時刻
Tの前と後でそれぞれ合成された部分から、直径200
mm×厚さ50mmの部材をそれぞれ切り出して、互い
に同一条件でそれぞれアニール(1000℃で保持した
後、5℃/時間の冷却速度で500℃まで徐冷)した。
そして、それぞれの部材についてオイルオンプレート法
により干渉計で屈折率均質性を測定した。
【0035】先ず、制御開始後に合成された部分から切
り出された部材の屈折率均質性を測定したところ、屈折
率均質性Δnは2×10-6であった。また、その屈折率
分布は中央対称性を有し、非回転対称成分のRMS値は
0.0020λであった。さらに、その回転対称成分を
2次4次でカーブフィッティングしたのちの残渣成分の
RMS値は0.0025λであった。また、ピンホール
法でこの部材の脈理を調べたところ、三方向で実質的に
脈理は検出されなかった。したがって、温度制御装置3
6によって冷却水の温度を制御して合成した合成石英ガ
ラスは、紫外域の光源を用いる光リソグラフィーの投影
レンズに要求される仕様を十分に満足する高品質のもの
であることが分かった。
【0036】次に、比較例として、冷却水の温度の制御
開始前に合成された部分から切り出された部材の屈折率
均質性を測定したところ、屈折率均質性Δnは10×1
-6であった。また、その屈折率分布は中央対称性がや
や劣り、非回転対称成分のRMS値が0.0060λで
あった。さらに、その回転対称成分を2次4次でカーブ
フィッティングしたのちの残渣成分のRMS値は0.0
060λであった。このように、冷却水の温度を制御し
ない場合は、温度を制御した場合に比べて、合成石英ガ
ラスの品質が劣ることが分かった。
【0037】上述した実施の形態および実施例では、こ
れらの発明を特定の条件で構成した例についてのみ説明
したが、これらの発明は多くの変更および変形を行うこ
とができる。例えば、上述した実施例では、冷却水の温
度を中心値35℃で制御幅が±5℃となるように制御し
たが、制御温度の中心値および制御幅は、これに限定さ
れるものではない。
【0038】また、上述した実施の形態においては、排
気装置の冷却塔およびスクラバーに同一の温度の冷却水
を供給したが、この発明では、冷却塔に供給する冷却水
の温度とスクラバーに供給する冷却水の温度とは必ずし
も同じでなくとも良い。
【0039】
【発明の効果】第1の発明の合成石英ガラスの製造方法
および第2の発明の合成石英ガラスの製造装置によれ
ば、冷却水の温度を一定範囲内の温度に制御することに
よって、合成炉の内部から排気装置へ排気されるガスの
排気量の変動を抑制することができる。その結果、合成
炉の内部の雰囲気の揺らぎを抑制して、高品質な合成石
英ガラス、例えば、第3の発明の合成石英ガラスのよう
に、三方向に脈理がなく、屈折率均質性Δnが4×10
-6以下の合成石英ガラスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の合成石英ガラスの製造装置の説明
に供する該略図である。
【図2】実施の形態の合成石英ガラスの製造装置の排気
装置の説明に供する該略図である。
【図3】(A)および(B)は、冷却水の温度と排気ガ
ス量等の測定結果を示す図表である。
【図4】排気ガス量とインゴットの品質との関係の説明
に供する模式図である。
【符号の説明】
10:合成炉 12:炉床 14:炉壁(耐火物) 16:炉枠 18:バーナー 20:インゴット 22:ターゲット 24:排気管 26:排気装置 28:冷却装置(冷却塔) 30:除害装置(スクラバー) 32:排気ファン 34:排気口 36:温度制御装置 38:脈理

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火炎加水分解法によって合成石英ガラス
    を製造する際に、合成炉の内部に設置されたインゴット
    形成用のターゲットに堆積されなかった石英ガラスの微
    粒子を含むガスを、該合成炉の内部から外部へ、排気装
    置を介して排気するにあたり、 前記排気装置を構成する、前記合成炉の内部から排気さ
    れた前記ガスを冷却する冷却塔および該ガスの冷却およ
    び除害を行う除害装置にそれぞれ供給する冷却水の温度
    をそれぞれ一定範囲内の温度に制御することを特徴とす
    る合成石英ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 合成炉の内部に設置されたインゴット形
    成用のターゲットに堆積されなかった石英ガラスの微粒
    子を含むガスを、該合成炉の内部から外部へ排気する排
    気装置であって、前記合成炉の内部から排気された前記
    ガスの冷却を行う冷却塔と該ガスの冷却および除害を行
    う除害装置とを以って構成された排気装置を具えた合成
    石英ガラスの製造装置において、 前記冷却塔および前記除害装置にそれぞれ供給する冷却
    水の温度をそれぞれ一定範囲内の温度に制御する温度制
    御装置を具えてなることを特徴とする合成石英ガラスの
    製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の合成石英ガラスの製造
    方法により製造された、三方向に脈理がなく、屈折率均
    質性Δnが4×10-6以下であることを特徴とする合成
    石英ガラス。
JP8335406A 1996-12-16 1996-12-16 合成石英ガラスの製造方法、合成石英ガラスの製造装置および合成石英ガラス Pending JPH10167741A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8335406A JPH10167741A (ja) 1996-12-16 1996-12-16 合成石英ガラスの製造方法、合成石英ガラスの製造装置および合成石英ガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8335406A JPH10167741A (ja) 1996-12-16 1996-12-16 合成石英ガラスの製造方法、合成石英ガラスの製造装置および合成石英ガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10167741A true JPH10167741A (ja) 1998-06-23

Family

ID=18288195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8335406A Pending JPH10167741A (ja) 1996-12-16 1996-12-16 合成石英ガラスの製造方法、合成石英ガラスの製造装置および合成石英ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10167741A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002520249A (ja) * 1998-07-15 2002-07-09 サン−ゴバン クオーツ パブリック リミティド カンパニー 合成シリカからガラスインゴットを製造するための方法および装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002520249A (ja) * 1998-07-15 2002-07-09 サン−ゴバン クオーツ パブリック リミティド カンパニー 合成シリカからガラスインゴットを製造するための方法および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5035516B2 (ja) フォトマスク用チタニアドープ石英ガラスの製造方法
JP3064857B2 (ja) 光リソグラフィー用光学部材および合成石英ガラスの製造方法
KR101513310B1 (ko) 티타니아 도핑 석영 유리 부재 및 그의 제조 방법
EP1900694B1 (en) Method for making a synthetic quartz glass substrate for excimer lasers
US7954340B2 (en) Synthetic quartz glass substrate for excimer lasers and making method
TW515782B (en) Silica glass and its manufacturing method
JP2001010833A (ja) 石英ガラス部材
JP3520541B2 (ja) 石英ガラス製バーナー、これを用いて製造される石英ガラス、石英ガラスバーナーを用いた石英ガラスの製造方法
KR101492663B1 (ko) 황을 공첨가한 티타니아 도핑 석영 유리 부재 및 그의 제조 방법
JPH10167741A (ja) 合成石英ガラスの製造方法、合成石英ガラスの製造装置および合成石英ガラス
JPH11209128A (ja) 合成石英ガラス製造装置およびこの合成石英ガラス製造装置によって製造された合成石英ガラス
EP0976687B1 (en) Synthetic fused silica member, method for producing the same and optical member for excimer laser
JPH1053432A (ja) 石英ガラス光学部材、その製造方法、及び投影露光装置
JP4214496B2 (ja) 石英ガラスの熱アニール方法
JP2004131337A (ja) 合成石英ガラスの製造装置
JPH11292551A (ja) 合成石英ガラスの製造方法及びこの方法により得られた合成石英ガラス
JPH10167735A (ja) 合成石英ガラス製造装置
JP2008063151A (ja) エキシマレーザ用合成石英ガラス基板及びその製造方法
JP2019172563A (ja) TiO2を含有するシリカガラスの製造方法
JP4470581B2 (ja) 石英ガラス製造炉及び石英ガラスの製造方法
JP3341395B2 (ja) 石英ガラスの製造装置
JPH10236835A (ja) 合成石英ガラス製造用バーナー、合成石英ガラス製造装置および合成石英ガラス
JP2000063128A (ja) 合成石英ガラスの製造方法及び装置
JP2000053434A (ja) 石英ガラス製造装置
JPH11228146A (ja) 合成石英ガラスの製造方法及び製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20031215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051018

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060411