JP2019172563A - TiO2を含有するシリカガラスの製造方法 - Google Patents

TiO2を含有するシリカガラスの製造方法 Download PDF

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Yosiaki Ikuta
順亮 生田
泰夫 林
Yasuo Hayashi
泰夫 林
良太 安藤
Ryota Ando
良太 安藤
信彰 井川
Nobuaki IKAWA
信彰 井川
聡史 宮坂
Satoshi Miyasaka
聡史 宮坂
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Abstract

【課題】TiO2濃度のばらつきが少なく、かつ縞状の脈理のような不具合が改善されたTiO2を含有するシリカガラスの製造方法を提供する。【解決するための手段】TiO2を含有するシリカ微粒子を火炎およびプラズマからなる群から選ばれる少なくとも一方で溶融させる溶融工程を含む、TiO2を含有するシリカガラスの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、TiOを含有するシリカガラスの製造方法に関する。
従来から、光リソグラフィ技術においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く利用されている。集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光装置には深い焦点深度で高解像度の回路パターンをウェハ面上に結像させることが求められ、露光光源の短波長化が進められている。露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から進んでArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられようとしている。また、さらに回路パターンの線幅が100nm以下となる次世代の集積回路に対応するため、露光光源としてFレーザ(波長157nm)を用いることが有力視されているが、これも線幅が70nm世代までしかカバーできないと見られている。
このような流れにあって、露光光源としてEUV光のうち代表的には波長13nmの光を用いたリソグラフィ技術が、50nm以降の複数世代にわたって適用可能と見られ注目されている。なお本発明でいうEUV(Extreme Ultra Violet)光とは、軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。
EUVリソグラフィ(以下、「EUVL」とも略す)の像形成原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のフォトリソグラフィーと同じである。しかし、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料がないために、屈折光学系は用いることができず、光学系はすべて反射光学系となる。
EUVLに用いられる露光装置光学材はフォトマスクやミラーなどであるが、(1)基材、(2)基材上に形成された反射多層膜、(3)反射多層膜上に形成された吸収体層から基本的に構成される。多層膜にはMo/Siが交互に層を形成したものが検討され、吸収体層には、成膜材料として、TaやCrが検討されている。基材としては、EUV光照射の下においても歪みが生じないよう低熱膨張係数を有する材料が必要とされ、低熱膨張係数を有するガラス等が検討されている。
TiOを含有するシリカガラス(以下、TiO−SiOガラスとも言う)は、石英ガラスよりも小さい熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion;CTE)を有する超低熱膨張材料として知られ、またガラス中のTiO含有量によって熱膨張係数を制御できるために、熱膨張係数が0に近いゼロ膨張ガラスが得られる。したがって、TiO−SiOガラスはEUVL用露光装置光学材に用いることができる。
従来のTiO−SiOガラスの作製方法は、まず、シリカ前駆体とチタニア前駆体をそれぞれ蒸気形態に転化させてこれらを混合する。この蒸気形態となった混合物は、バーナに導入され熱分解することでTiO−SiOガラス粒子となる。このTiO−SiOガラス粒子は耐火性容器中に堆積され、堆積と同時にそこで溶融されてTiO−SiOガラスとなる。
しかしこの方法で作製されるTiO−SiOガラスは、TiO/SiO組成比の周期的変動が発生しており、これが100〜200μmピッチでの縞状の脈理として現れていた。
TiO−SiOガラスの縞状の脈理は、硝材中のTiO/SiO組成比の周期的変動により屈折率差が大きくなるため発生すると考えられている。EUVL用の露光装置光学材として用いられる場合、TiO−SiOガラスは、ガラス表面が超高平滑性を有するように研磨する必要がある。
しかし、TiO−SiOガラスにおいて、TiO/SiO組成比の異なる部位は、組成比によりガラスの機械的および化学的物性が異なるために、研磨レートが一定とならず、研磨後のガラス表面が超高平滑性を有するように仕上げることが困難である。
また、100〜200μmピッチで縞状の脈理のあるTiO−SiOガラスを研磨すると、ガラス表面に、脈理ピッチと同程度のピッチをもつ“うねり”が発生し、超高平滑性を得るのが非常に困難である。
近年、EUVL用露光装置光学材の極めて重要な要求特性として、10μm〜1mmのうねりのピッチをもつMSFR(Mid−Spatial Frequency Roughness)を低減させる必要があると言われるようになっている。従来のTiO−SiOガラスを研磨した際には、前記の理由により100〜200μmピッチのうねりを有するため、MSFRを低減させることが非常に困難であった。
したがって、EUVL用露光装置光学材として、研磨後のガラス表面が超高平滑性を有するように仕上げるには、TiO−SiOガラスのTiO/SiO組成比変動幅を小さくし、ガラス表面における研磨レートを一定とすることや脈理のピッチを10μm以下にしてMSFRを低減化することが有効と考えられる。
また、同程度の平滑度[Roughness(rms)]を有するTiO−SiOガラス基板であっても、脈理ピッチの小さい方が、大きいものに比べ、短時間で効率良く凸部を研磨できるために、超高平滑性を有するように研磨することが容易となる。
一方、特許文献1には、極紫外光リソグラフィ用素子の製造方法において、(i)ケイ素含有供給原料及びチタン含有供給原料を提供する工程、(ii)前記ケイ素含有供給原料及び前記チタン含有供給原料を転化サイトの炉に配送する工程であって、前記炉が6つより多くの排気ベントをもつものであり、(iii)前記ケイ素含有供給原料及び前記チタン含有供給原料をチタニア含有シリカスートに転化する工程、(iv)前記チタニア含有シリカスートを固結して、混在物のない、均質なチタニア含有シリカガラスプリフォームにする工程、及び(v)前記チタニア含有シリカガラスプリフォームを、0.2MPaより小さい山対谷ストリエーションレベルを有する極紫外光リソグラフィ用素子に仕上げる工程を含み、前記プリフォームとバーナとの間の距離を増加させて前記ストリエーションレベルを修正すること、および、前記スートを振動台上に載せられたカップ内に堆積し、前記振動台の回転速度を6rpmより高めることにより、前記ストリエーションレベルを低減することを特徴とする方法が開示されている。
特許文献2には、チタニアドープ石英ガラスインゴットを帯域溶融法により均質化処理した後、熱間成型を行わずに該インゴットから直接EUVリソグラフィ用部材を作製することを特徴とするEUVリソグラフィ用部材の製造方法が開示されている。
特許文献3には、固相のチタニア含有シリカ粉体を含む水溶性ゾルを与えるゾル提供ステップと、前記ゾルからチタニアが均一に分布したゲル状チタニア含有シリカを形成するステップと、前記ゲル状チタニア含有シリカを乾燥させて乾燥チタニア含有シリカ体を提供するステップと、前記チタニア含有シリカ体を十分な温度に加熱してガラス体を形成する加熱ステップと、からなることを特徴とする極端紫外線光学素子の製造方法が開示されている。
しかしながら、上記のような従来技術で作製されたTiO−SiOガラスは、TiO/SiO組成比が十分に均一ではないという問題点があった。TiO/SiO組成比を十分に均一にすることは、ガラス内での熱膨張係数のばらつきを小さくするという点、また、脈理の発生を防止する点において重要である。
特許第4887271号公報 特許第6241276号公報 特開2004−131373号公報
したがって本発明の目的は、TiO濃度のばらつきが少なく、かつ縞状の脈理のような不具合が改善されたTiOを含有するシリカガラスの製造方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定のTiO−SiOガラスの製造方法を採用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.TiOを含有するシリカ微粒子を火炎およびプラズマからなる群から選ばれる少なくとも一方で溶融させる溶融工程を含む、TiOを含有するシリカガラスの製造方法。
2.前記TiOを含有するシリカ微粒子を含む原料粉を準備する工程をさらに有し、
前記溶融工程が前記原料粉を溶融し溶融ガラスを得る工程であり、
前記溶融ガラスを堆積させ、冷却してガラス塊を得る工程をさらに含む、前記1に記載のTiOを含有するシリカガラスの製造方法。
3.前記ガラス塊をガラスの軟化点以上に加熱しブロック形状のガラスを得る工程、および
前記ブロック形状のガラスを冷却する工程をさらに含む、前記2に記載のTiOを含有するシリカガラスの製造方法。
4.前記原料粉はVAD法で作製されたガラスを粉砕したものである前記2または3に記載のTiOを含有するシリカガラスの製造方法。
本発明の製造方法によれば、火炎溶融法および/またはプラズマによる前記溶融工程を含むことにより、規則的な縞状の脈理が発生しにくいTiO−SiOガラスが得られる。
図1は、火炎溶融法の基本原理を説明するための概略図である。 図2は、プラズマ発生により原料粉を溶融する装置を説明するための概略図である。 図3は、火炎溶融法およびプラズマ発生により原料粉を溶融する装置を説明するための概略図である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
TiO−SiOガラスは、含有するTiO濃度により、熱膨張係数が変化することが知られており、室温付近ではTiOを約6質量%含むTiO−SiOガラスの熱膨張係数がほぼゼロとなる。
TiO−SiOガラスとはTiOを1〜12質量%含有するシリカガラスであるのが好ましい。TiOの含有量を1質量%以上とすることにより、ゼロ膨張にならないのを抑制でき、12質量%以下とすることにより熱膨張係数が負となるのを抑制できる。TiOの含有量は、より好ましくは5〜9質量%である。
脈理ピッチは研磨面のMSFRを低減させ易いため1μm以下にすることが好ましい。
TiO−SiOガラスは、TiO濃度のばらつきが少なく、TiO/SiO組成比がほぼ均一であれば、ガラス内での熱膨張係数のばらつきを小さくすることができる。
本明細書では、「TiO濃度のばらつき」をある面の30mm×30mmの範囲におけるTiO濃度の最大値と最小値の差と定義する。30mm×30mmの範囲におけるTiO濃度のばらつきは、0.06質量%以下であることが好ましく、0.012質量%以下であるのがより好ましく、0.003質量%以下であるのがさらに好ましい。TiO濃度のばらつきが0.06質量%以下であることにより、ガラス内での熱膨張係数のばらつきが低減し、また、研磨した際に充分な平滑性が得られる。
また、TiO−SiOガラスにみられる脈理は、TiO/SiO組成比の変動によるものである。またTiO/SiO組成比が変動するとガラスの絶対屈折率が変動する。例えば、TiO濃度が高い部位は、TiO濃度が低い部位に比べ、屈折率が高くなる。
TiO−SiOガラスにおいて、TiO濃度が12質量%以下の範囲では、TiO濃度と屈折率との間に次の関係が成り立つ。
絶対屈折率=3.27×10−3×TiO濃度(質量%)+1.459・・・(1)
前記式(1)を用いることにより、TiO−SiOガラスの屈折率の変動幅(Δn)から、TiO濃度のばらつき(ΔTiO)を算出できる。具体的には、屈折率の変動幅(Δn)が40ppmのとき、TiO濃度ばらつき(ΔTiO)は0.012質量%である。
脈理ピッチについては、被測定面の屈折率の変動幅Δnを測定し、屈折率が高い部位から低い部位への間隔を顕微鏡により計測して脈理ピッチを求める。
屈折率の変動幅Δnの測定方法は、以下に示すように小領域での屈折率の変動幅Δnの場合と広範囲での屈折率の変動幅Δnの場合とで測定方法が異なる。
脈理と呼ばれるような小領域での屈折率の変動幅Δnは以下のように測定する。透明TiO−SiOガラス体から、例えば40mm×40mm×40mm程度の立方体を切り出し、立方体の各面より厚さ1mmでスライスし、30mm×30mm×1mmの板状TiO−SiOガラスブロックを得る。フィゾー干渉計にて、本ガラスブロックの30mm×30mmの面にヘリウムネオンレーザ光を垂直にあて、例えば2mm×2mmといった脈理が十分観察可能な倍率に拡大して、面内の屈折率分布を調べ、屈折率の変動幅Δnを測定する。
30mm×30mmの範囲を直接測定した場合、干渉計のCCDにおける1画素の大きさが脈理の幅に比べて十分小さくない可能性があり、脈理を検出できない可能性がある。従って、30mm×30mmの範囲全域を例えば2mm×2mm程度の複数の微小領域に分割し、各微小領域での屈折率の変動幅Δn1xを測定し、その最大値を30mm×30mmの範囲での屈折率の変動幅Δnとする。
例えば512×480の有効画素数を持つCCDを用いた場合、2mm×2mmの視野では1画素が約4μm角に相当することになる。従って、10μm以上のピッチの脈理は十分検出されるが、それ以下の脈理に対しては検出できない場合がある。従って、10μm以下の脈理を測定する場合には、少なくとも1画素が1〜2μm角程度以下になるようにするのが好ましい。本明細書の実施例では、900×900の有効画素数を持つCCDを用いて2mm×2mmの領域を測定し、1画素が2μm角程度に相当するようにして屈折率の変動幅Δn1xを測定する。
一方、露光に用いられるEUV光が照射される領域など、広範囲での屈折率の変動幅Δnは次のように測定する。160mm×160mm×150mmに成形した透明TiO−SiOガラス体を、厚さ7mmのブロックにスライスし、160mm×160mm×7mmのTiO−SiOガラスブロックとする。フィゾー干渉計にて、本ガラスブロックの160mm×160mmの面にヘリウムネオンレーザ光を垂直にあて、100mm×100mm面内での屈折率分布を調べ、屈折率の変動幅Δnを測定する。
上述の微小領域での屈折率の変動幅Δn1xの測定方法は、屈折率の値自体を測定することはできず、屈折率差を求めるだけである。そのため、露光に用いられるEUV光が照射される領域全域を測定して直接比較せずに微小領域に分割して測定すると、部材の両端の屈折率を比較することができず、屈折率の変動幅を小さく見積もってしまう可能性がある。したがって、露光に用いられるEUV光が照射される全域で屈折率の変動幅を測定し、その値を入射方向に垂直な面における屈折率の変動幅Δnとする。
同じ面において前述の方法で小領域の屈折率の変動幅と広範囲(全域)での屈折率の変動幅を測定した場合に、小領域での屈折率の変動幅の最大値Δnが全域での屈折率の変動幅Δnより大きい場合は、小領域での屈折率の変動幅の最大値Δnを入射方向に垂直な面における屈折率の変動幅Δnとする。一方、全域での屈折率の変動幅Δnが小領域での屈折率の変動幅の最大値Δn1以上の場合は、全域での屈折率の変動幅Δn2を入射方向に垂直な面における屈折率の変動幅Δnとする。
なお、TiO−SiOガラスをEUVL用露光装置部材として使用するときに、露光に用いられるEUV光が照射される領域など、広範囲におけるTiO/SiO組成比を均一にすることは、部材内での熱膨張係数のばらつきを小さくするという点で極めて重要である。このTiO/SiO組成比の変動は、ガラスの屈折率に影響を及ぼすので、TiO−SiO組成均一性の指標として、屈折率の変動幅を用いることができる。
光の入射方向に垂直な面におけるΔnは4.0×10−5以下が好ましく、1.0×10−5以下が特に好ましい。
また、30mm×30mmといった小領域におけるTiO/SiO組成比を均一にすることは、ガラス表面を研磨により超高平滑にするという点で極めて重要である。30mm×30mmの範囲のΔnは4.0×10−5以下が好ましく、1.0×10−5以下が特に好ましい。
Δnが上記範囲であることにより、研磨レートを一定とすることができ、超高平滑性を有するように研磨後のガラス表面を仕上げることが容易となる。
脈理ピッチが1μm以下のTiO−SiOガラス、またはTiO濃度ばらつきが0.06質量%以下のTiO−SiOガラスを160mm×160mm×7mmのサイズに切断した後、160mm×160mm面を研磨すると、研磨面において平滑性をあらわす指標である10μm〜1mmの範囲内にうねりのピッチをもつMSFR(Mid−Spatial Frequency Roughness)の値はRoughness(rms)で1.5nm以下となり、EUVL用露光装置光学材として好適である。
なお、脈理の入ったTiO−SiOガラスにおいて、組成変動やΔnは、通常、脈理の入っている部分で最も大きくなる。したがって、このような場合、少なくとも一つの面における30mm×30mmの範囲で屈折率の変動幅やTiO濃度のばらつきを脈理の強さを減少させることにより減少させれば、同時に直交する二つの面内でそれぞれ屈折率の変動幅やTiO濃度のばらつきを減少させることができることになる。すなわち、本発明において、直交する二つの面内における30mm×30mmの範囲で、屈折率の変動幅(Δn)がそれぞれ4.0×10−5以下であることが好ましく、TiO濃度の最大値と最小値との差がそれぞれ0.06質量%以下であることが好ましい。
このようなTiO−SiOガラスは、0〜100℃の広い温度域において熱膨張係数が0±200ppb/℃の範囲内であるゼロ膨張ガラスとなし得る。またTiO−SiOガラスの仮想温度が1100℃以下の場合は、熱膨張係数がほぼゼロを示す温度域がより広くなり、−50〜150℃の範囲において、熱膨張係数を0±200ppb/℃の範囲内となし得る。
TiO−SiOガラスの仮想温度は公知の手順で測定することができる。後述する実施例で得られたTiO−SiOガラスは、以下の手順で仮想温度を測定する。
鏡面研磨されたTiO−SiOガラスについて、吸収スペクトルを赤外分光計(後述する実施例では、Nikolet社製Magna760を使用)を用いて取得する。この際、データ間隔は約0.5cm−1にし、吸収スペクトルは、64回スキャンさせた平均値を用いる。このようにして得られた赤外吸収スペクトルにおいて、約2260cm−1付近に観察されるピークがTiO−SiOガラスのSi−O−Si結合による伸縮振動の倍音に起因する。このピーク位置を用いて、仮想温度が既知で同組成のガラスにより検量線を作成し、仮想温度を求める。あるいは、表面の反射スペクトルを同様の赤外分光計を用いて、同様に測定する。このようにして得られた赤外反射スペクトルにおいて、約1120cm−1付近に観察されるピークがTiO−SiOガラスのSi−O−Si結合による伸縮振動に起因する。このピーク位置を用いて、仮想温度が既知で同組成のガラスにより検量線を作成し、仮想温度を求める。なお、ガラス組成の変化によるピーク位置のシフトは、検量線の組成依存性から外挿することが可能である。
熱膨張係数は、レーザー干渉式熱膨張計(ULVAC理工社製レーザー膨張計LIX−1)を用いて−150〜+200℃の範囲で測定する。
熱膨張係数のばらつきは以下のように測定する。160mm×160mm×150mmのTiO−SiOガラスブロックを、20mm×20mm×10mmのTiO−SiOガラス小片に分割するよう切断する。この各小片について前述の方法に従い、熱膨張係数の測定を行うことで、160mm×160mm×30mmのTiO−SiOガラスブロックの熱膨張係数のばらつきを求める。
なお、EUVリソグラフィ用光学部材は、熱膨張係数のばらつきが小さいことが要求されている。
またTiO−SiOガラスは、OH濃度により、ガラスの熱膨張係数の温度依存性が小さくなるため、基板内の熱膨張係数のばらつきが小さくなる。
TiO−SiOガラスのOH濃度は公知の方法を用いて測定することができる。例えば、赤外分光光度計による測定を行い、2.7μm波長での吸収ピークからOH濃度を求めることができる(J.P.Williams et.al.,American Ceramic Sciety Bulletin,55(5),524,1976)。
次に本発明のTiO−SiOガラスの製造方法について説明する。
本発明の製造方法は次の3つの形態である。
(1)TiOを含有するシリカ微粒子を火炎により溶融させる溶融工程を少なくとも含むTiOを含有するシリカガラスの製造方法(火炎溶融法)。
(2)TiOを含有するシリカ微粒子をプラズマにより溶融させる溶融工程を少なくとも含むTiOを含有するシリカガラスの製造方法(プラズマ溶融法)。
(3)TiOを含有するシリカ微粒子を火炎溶融法およびプラズマ溶融法により溶融させる溶融工程を少なくとも含むTiOを含有するシリカガラスの製造方法(火炎−プラズマ溶融法)。
<火炎溶融法>
火炎溶融法およびそれに用いる装置の基本原理および基本構成は、公知である。図1は、火炎溶融法の基本原理を説明するための概略図である。図1において、前記製造装置1は、原料粉ホッパー12と、酸水素バーナ14と、断熱壁16と、回転可能な炉18とを有する。
原料粉ホッパー12に収容された原料粉20が酸水素バーナ14に供給される。原料粉20は、酸水素バーナ14の中央から落下し、溶融し、炉18内に堆積する。なお、酸水素バーナ14以外にも、図示しない補助酸水素バーナを1つまたは2つ以上設置してもよい。
図1に示す形態では、次の条件を採用するのが好ましい。
(1)原料供給
原料粉ホッパー12は密閉系とし、図示しないガス供給手段により原料粉ホッパー12中にNのような不活性ガスおよび/または酸素ガスを流入させてもよい。例えば流量比は、N:Oの体積比で9:1から2:3の割合が好ましい。さらに、そのガス流量は、原料粉1kgに対し0.05〜10m/hrであるのが好ましい、このような形態によれば、酸水素バーナ14により形成される燃焼炎による加熱気相雰囲気への原料粉20の供給量が安定する。
(2)原料溶融
加熱気相雰囲気への原料粉20の供給割合は、50g〜50kg/hrが好ましく、1kg〜20kg/hrがさらに好ましい。加熱気相雰囲気の中心部の温度は、例えば、1500〜3000℃、2500〜3000℃である。加熱気相雰囲気に供給された原料粉20は、溶融ガラス滴となって、炉18へ落下する。
(3)ガラスの堆積
溶融ガラス滴は、45g〜45kg/hr、好ましくは900g〜18kg/hrで炉18へ堆積する。堆積した溶融ガラスは、酸水素バーナ14の燃焼炎により、継続的に加熱されるので、脈理の少ない均質化したTiO−SiOガラス塊となる。
(4)ガラスの成形
得られたTiO−SiOガラス塊を軟化点以上の温度に加熱して所望の形状(例えば、ブロック形状)に成形し、成形TiO−SiOガラスを得る。成形加工の温度としては、1500〜1800℃が好ましい。1500℃以下では、TiO−SiOガラスの粘度が高いため、実質的に自重変形が行われず、またSiOの結晶相であるクリストバライトの成長またはTiOの結晶相であるルチルもしくはアナターゼの成長が起こり、いわゆる失透が生じる。1800℃以上では、SiOの昇華が無視できなくなる。
成形の際に用いる鋳型の材質は、特に限定されないが、経済性やTiO−SiOガラスとの反応性を考慮して、カーボン製の鋳型が好ましい。成形時の雰囲気は減圧または不活性ガス雰囲気が好ましい。不活性ガスとしてはアルゴン、窒素、ヘリウムなどを例示することができるが、経済性、気密性、ガスの熱伝導率などを考慮して、アルゴン、窒素が好ましい。成形はカーボン製の型を用いて加熱中にプレス成形する方法や、カーボン製の枠型を用いて、この枠型内にガラス体を入れ、加熱中にガラスを流動させて自重で成形する方法で行う。
成形においてガラスの軟化点以上の温度で加熱することで、TiO−SiOガラス塊中のチタン成分の拡散が進行し、ガラス中の均質性が向上するという効果をもたらす。上記処理温度範囲での保持時間は5時間以上であれば均質性の向上効果が得られる。好ましくは7時間以上、より好ましくは10時間以上、さらに好ましくは12時間以上である。保持時間の上限は特に設定する必要はないが、60時間以下で充分な均質性向上効果が得られる。
(5)ガラスの冷却
得られた成形TiO−SiOガラスを、600〜1200℃の温度で5時間以上保持した後、10℃/hr以下の降温速度で500℃以下まで降温するアニール処理を行い、TiO−SiOガラスの仮想温度を制御する。500℃以下まで降温した後は放冷できる。この場合の雰囲気は、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガス100%の雰囲気下、これらの不活性ガスを主成分とする雰囲気下、または空気雰囲気下で、圧力は減圧または常圧が好ましい。
また本発明の製造方法では、上記の火炎溶融法以外にも、原料粉をプラズマにより溶融させてもよい。
<プラズマ溶融法>
図2は、プラズマ発生により原料粉を溶融する装置を説明するための概略図である。図2の製造装置2では、酸水素バーナ14の替わりに、複数の電極30を含んで構成される公知の多相アークプラズマ発生装置(図示せず)によって、熱プラズマPを発生させている。
(1)原料供給
原料粉20は原料粉ホッパー12に供給される。原料粉ホッパー12は密閉系とし、図示しないガス供給手段により原料粉ホッパー12中にNのような不活性ガスおよび/または酸素ガスを流入させてもよい。例えば流量比は、N:Oの体積比で9:1から2:3の割合が好ましい。さらに、そのガス流量は、原料粉1kgに対し0.05〜10m/hrであるのが好ましい、このような形態によれば、原料粉20の供給量が安定する。
原料粉ホッパー12は図示しない供給装置に連結され、供給された原料粉20は供給装置を経由して炉18内の下方へ向かい、電極30(プラズマアノード・トーチ及びプラズマカソード・トーチ)によって生成されるプラズマアーク・カップリング帯域(熱プラズマP)による加熱気相雰囲気を経由または接近する。
(2)原料溶融
電極30の間の角度(プラズマアノード・トーチとプラズマカソード・トーチとの間の角度)は、好ましくは80〜130度であり、互いに整列していることが好ましい。電極30への電流は、50〜250ボルトにおいて100〜600アンペアであることが好ましい。電極30を経由して流れるガス流量は、10〜60リットル/分であることが好ましい。加熱気相雰囲気への原料粉20の供給割合は1〜20kg/hrであることが好ましい。熱プラズマPによる加熱気相雰囲気の中心部の温度は、5000〜20000℃であることが好ましい。加熱溶融雰囲気に目掛けて供給された原料粉20は、溶融ガラス滴となって炉18へ落下する。
(3)ガラスの堆積
溶融ガラス滴は、900g〜18kg/hr、好ましくは1kg〜10kg/hrで炉18へ堆積し、TiO−SiOガラス塊となる。
ガラスの成形及びガラスの冷却については、<プラズマ溶融法>の(4)ガラスの成形及び(5)ガラスの冷却において記載したものと同様である。
また本発明の製造方法では、上記の火炎溶融法およびプラズマ発生を同時に行って原料粉を溶融させてもよい。
<火炎−プラズマ溶融法>
図3は、火炎溶融法およびプラズマ発生により原料粉を溶融する装置を説明するための概略図である。図3の製造装置3では、図1の形態において、酸水素バーナ14および複数の電極30を含んで構成される公知の多相アークプラズマ発生装置(図示せず)によって、熱プラズマPを発生させている。
(1)原料供給
原料粉20は原料粉ホッパー12に供給される。原料粉ホッパー12は密閉系とし、図示しないガス供給手段により原料粉ホッパー12中にNのような不活性ガスおよび/または酸素ガスを流入させてもよい。例えば流量比は、N:Oの体積比で9:1から2:3の割合が好ましい。さらに、そのガス流量は、原料粉1kgに対し0.05〜10m/hrであるのが好ましい、このような形態によれば、原料粉20の供給量が安定する。
原料粉ホッパー12に供給された原料粉20は図示しない供給装置を経由して炉18内の下方へ向かい、酸水素バーナ14により形成される燃焼炎による加熱気相雰囲気および/または電極13によって形成される熱プラズマPによる加熱気相雰囲気に接近する。
(2)原料溶融
加熱気相雰囲気への原料粉20の供給割合は1〜20kg/時間であることが好ましい。酸水素バーナ14により形成される燃焼炎による加熱気相雰囲気の中心部の温度は、1500〜3000℃であることが好ましい。また、熱プラズマPによる加熱気相雰囲気の中心部の温度は、5000〜20000℃であることが好ましい。加熱溶融雰囲気に目掛けて供給された原料粉20は、溶融ガラス滴となって炉18へ落下する。
電極30の間の角度(プラズマアノード・トーチとプラズマカソード・トーチとの間の角度)は、好ましくは80〜130度であり、互いに整列していることが好ましい。電極30への電流は、50〜250ボルトにおいて100〜600アンペアであることが好ましい。電極30を経由して流れるガス流量は、10〜60リットル/分であることが好ましい。
(3)ガラスの堆積
溶融ガラス滴は、900g〜18kg/hr、好ましくは1kg〜10kg/hrで炉18へ堆積する。堆積した溶融ガラスは、酸水素バーナ14の燃焼炎により、継続的に加熱されるので、脈理の少ない均質化したTiO−SiOガラス塊となる。
ガラスの成形及びガラスの冷却については、<プラズマ溶融法>の(4)ガラスの成形及び(5)ガラスの冷却において記載したものと同様である。
次に原料粉20の詳細について説明する。
本発明で使用できる原料粉20を作製する方法としては、例えば、VAD法で作製されたガラスを粉砕する方法、ゾル−ゲル法、スプレードライ法、気相合成法などが挙げられる。原料粉20の組成は、得られるTiO−SiOガラスの目的の組成比となっていることが好ましく、後述の実施例においては全てTiO=6質量%、SiO=94質量%である。作製する原料粉の粒径は1μm〜200μmが好ましく、50〜150μmであるのがさらに好ましい。
このようにして、TiO−SiOガラスが得られる。
TiO−SiOガラスには、熱膨張係数の温度依存性を低下させるためのTi以外の成分を均質に添加してもよい。このような成分としては、例えば、F、B、P、S、GeOが挙げられる。また、F以外のCl等のハロゲンを含有させることによっても、Fと同様にTiO−SiOガラスについて、熱膨張係数の温度依存性を低下できる。
TiO−SiOガラスにFを含有させる方法としては、ガラス原料として、TiOに加えてFを混合して作製したシリカ微粒子を用いる方法、TiOを含有するシリカ微粒子をF含有雰囲気にて火炎溶融法により溶融させる方法、TiOを含有するシリカ微粒子をF含有雰囲気にてプラズマ溶融法により溶融させる方法、TiOを含有するシリカ微粒子をF含有雰囲気にて火炎溶融法およびプラズマ溶融法により溶融させる方法が挙げられる。
TiO−SiOガラスにおけるFの含有量は好ましくは100ppm以上であり、より好ましくは200ppm以上である。より仮想温度を下げ、ゼロ膨張の範囲を広げるためには、Fの含有量は500ppm以上であることが好ましく、1000ppm以上であることがより好ましく、2000ppm以上であることが特に好ましく、5000ppm以上であることが最も好ましい。
F濃度の測定方法は次の通りである。透明TiO−SiOガラスを無水炭酸ナトリウムにより加熱融解し、得られた融液に蒸留水および塩酸を融液に対する体積比でそれぞれ1ずつ加えて試料液を調整する。試料液の起電力をフッ素イオン選択性電極および比較電極としてラジオメータトレーディング社製No.945−220およびNo.945−468をそれぞれ用いてラジオメータにより測定し、フッ素イオン標準溶液を用いてあらかじめ作成した検量線に基づいて、フッ素含有量を求める[日本化学会誌、1972(2),350]。なお本法による検出限界は10ppmである。
TiO−SiOガラスにB、P、S、GeOを含有させる方法としては、ガラス原料として、TiOに加えてこれらの成分の前駆体の少なくとも1を混合して作製したシリカ微粒子を用いる方法、TiOを含有するシリカ微粒子をこれらの成分の少なくとも1を含有する雰囲気にて火炎溶融法により溶融させる方法、TiOを含有するシリカ微粒子をこれらの成分の少なくとも1を含有する雰囲気にてプラズマ溶融法により溶融させる方法、TiOを含有するシリカ微粒子をこれらの成分の少なくとも1を含有する雰囲気にて火炎溶融法およびプラズマ溶融法により溶融させる方法が挙げられる。
の前駆体としては、例えば、BCl、BF等が挙げられる。Pの前駆体としては、例えば、POClなどのオキシハロゲン化リン、P(CHO)などのリン酸トリアルキル等が挙げられる。Sの前駆体としては、例えば、SCl、SF等が挙げられる。
TiO−SiOガラスにおけるB、P、S、GeOの含有量の合計は好ましくは50質量ppb以上であり、より好ましくは1質量ppm以上、より好ましくは100質量ppm以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。また、熱膨張係数が大きくなるのを防ぐため、B、P、S、GeOの含有量の合計は好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されない。
なお、以下の実施例のガラス組成は全てTiO=6質量%、SiO=94質量%である。
実施例1
図1に示すような製造装置1を用いて、原料粉20を溶融し、下記に示すようにTiO−SiOガラスを製造した。
原料粉20として、SiO成分として塩化ケイ素を酸水素火炎中で作製した平均粒子径12nmのナノ粒子を使用し、TiO成分として、四塩化チタンを酸水素火炎中で作製した平均粒子径21nmのナノ粒子を使用し、両者のナノ粒子が均一に分散した分散液をスプレードライ法にて、平均粒径(D50)120μmの顆粒となるように調製したものを用い、以下の条件で溶融した。
保温用ガラスバーナ3本と、原料粉供給バーナを2本用い、各バーナに水素と酸素を供給し、原料粉供給バーナに原料粉20を供給し、加熱・溶融し、5r.p.mで回転する炉底部へ導入し、3.5時間体積させることでTiO−SiOガラス塊を得た。
(1)原料粉ホッパー12は密閉系とし、図示しないガス供給手段により原料粉ホッパー12中にNおよびOガスを流入させた。流量比は、N:Oの体積比で1:1とした。さらに、そのガス流量は、原料粉1kgに対し1.5m/hr/バーナとした。
(2)酸水素バーナ14への原料粉20の供給割合は、15kg/hr/バーナとした。
(3)溶融ガラス滴は、炉18へ30kg/hrで堆積させた。
得られたTiO−SiOガラス塊の一部を切り出し、カーボン製の枠体の内側に入れ、電気炉内にアルゴンガスを導入し不活性雰囲気としたのち、炉内圧力を大気圧に保ち、軟化点以上の1650℃で10時間加熱し50mm×50mm×10mmのブロック形状に成形した後、得られたブロックを電気炉内に設置し、950℃にて100時間保持した後、500℃まで5℃/hrで降温し、その後室温まで放冷しTiO−SiOガラスを得た。
実施例2
図1に示すような製造装置1を用いて、原料粉20を溶融し、下記に示すようにTiO−SiOガラスを製造した。
原料粉20として、SiO成分として塩化ケイ素を酸水素火炎中で作製した平均粒子径20nmのナノ粒子を使用し、TiO成分として、四塩化チタンを酸水素火炎中で作製した平均粒子径21nmのナノ粒子を使用し、両者のナノ粒子が均一に分散した分散液をスプレードライ法にて、平均粒径(D50)120μmの顆粒となるように調整したものを用い、以下の条件で溶融した。
保温用ガラスバーナ3本と、原料粉供給バーナを2本用い、各バーナに水素と酸素を供給し、原料粉供給バーナに原料粉20を供給し、加熱・溶融し、5r.p.mで回転する炉底部へ導入し、3.5時間体積させることでTiO−SiOガラス体を得た。
(1)原料粉ホッパー12は密閉系とし、図示しないガス供給手段により原料粉ホッパー12中にNおよびOガスを流入させた。流量比は、N:Oの体積比で1:1とした。さらに、そのガス流量は、原料粉1kgに対し1.5m/hr/バーナとした。
(2)酸水素バーナ14への原料粉20の供給割合は、15kg/hr/バーナとした。
(3)溶融ガラス滴は、炉18へ30kg/hrで堆積させた。
得られたTiO−SiOガラス塊の一部を切り出し、カーボン製の枠体の内側に入れ、電気炉内にアルゴンガスを導入し不活性雰囲気としたのち、炉内圧力を大気圧に保ち、軟化点以上の1650℃で10時間加熱し50mm×50mm×10mmのブロック形状に成形した。その後得られたブロックを電気炉内に設置し、950℃にて100時間保持した後、500℃まで5℃/hrで降温し、その後室温まで放冷しTiO−SiOガラスを得た。
このように、1650℃で10時間加熱することにより、ガラスの粘性が低下し流動性が向上しブロック形状に成形でき、かつガラス中のチタン成分が拡散し均質度が改善され、脈理をさらに低減できる。
実施例3
TiO−SiOガラスのガラス形成原料であるTiClとSiClを、それぞれガス化させた後に混合させ、酸水素火炎中で加熱加水分解させることで得られるTiO−SiOガラス微粒子を、5回転/分の速度で回転する石英ガラス製の種棒に堆積・成長させて多孔質のTiO−SiOガラス体を形成した。得られた多孔質TiO−SiOガラス体をArガス100%雰囲気下で1550℃まで昇温し、この温度で10時間保持し透明ガラス化し、透明TiO−SiOガラス体を得た。
上記工程で得られた透明TiO−SiOガラス体をロータに取り付けたスイングハンマの衝撃によって粉砕する衝撃型スクリーン式中砕機を用いて粉砕し、ガラス体を1〜200μmの粒径の粉体に加工したのち、100メッシュおよび150メッシュのふるいを用いて分級し平均粒径(D50)が120μmとなるように調整した。
さらに粉砕工程で混入した金属成分を除去するために、第一にドラム型磁選機による金属成分の除去ののち、第二に湿式手法による金属成分除去処理を行った。湿式手法では20wt%の塩酸中に第一の処理後の粉体を添加し、24時間撹拌・混合した後、洗浄水のpHが中性になるまで、蒸留水での洗浄を繰り返した。得られた原料粉を用いて実施例1と同様にしてTiO−SiOガラスを得た。
実施例4
実施例3と同様にして得られた原料粉を用いて実施例1と同様にして得られたTiO−SiOガラス塊の一部を切り出し、カーボン製の枠体の内側に入れ、電気炉内にアルゴンガスを導入し不活性雰囲気としたのち、炉内圧力を大気圧に保ち、軟化点以上の1650℃で50時間加熱し50mm×50mm×10mmのブロック形状に成形した。このとき、TiO−SiOガラス塊の上部に325gの重りを載せて、加圧しながら成形した。その後得られたブロックを電気炉内に設置し、950℃にて100時間保持した後、500℃まで5℃/hrで降温し、その後室温まで放冷しTiO−SiOガラスを得た。
1、2、3 製造装置
12 原料粉ホッパー
14 酸水素バーナ
16 断熱壁
18 炉
20 原料粉
30 電極
P 熱プラズマ

Claims (4)

  1. TiOを含有するシリカ微粒子を火炎およびプラズマからなる群から選ばれる少なくとも一方で溶融させる溶融工程を含む、TiOを含有するシリカガラスの製造方法。
  2. 前記TiOを含有するシリカ微粒子を含む原料粉を準備する工程をさらに有し、
    前記溶融工程が前記原料粉を溶融し溶融ガラスを得る工程であり、
    前記溶融ガラスを堆積させ、冷却してガラス塊を得る工程をさらに含む、請求項1に記載のTiOを含有するシリカガラスの製造方法。
  3. 前記ガラス塊をガラスの軟化点以上に加熱しブロック形状のガラスを得る工程、および
    前記ブロック形状のガラスを冷却する工程をさらに含む、請求項2に記載のTiOを含有するシリカガラスの製造方法。
  4. 前記原料粉はVAD法で作製されたガラスを粉砕したものである、請求項2または3に記載のTiOを含有するシリカガラスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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