JP4470581B2 - 石英ガラス製造炉及び石英ガラスの製造方法 - Google Patents

石英ガラス製造炉及び石英ガラスの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、半導体用フォトマスク基板や光学系レンズ等の光学部材の材料となる石英ガラスを製造するための石英ガラス製造炉及び石英ガラスの製造方法に関するものである。
従来、シリコン等のウエハ上に集積回路の微細パターンを露光・転写する光リソグラフィ技術においては、ステッパーと呼ばれる露光装置が用いられる。
このステッパーの光源は、近年のLSIの高集積化に伴ってg線(436nm)からi線(365nm)、さらにはKrF(248nm)やArF(193nm)エキシマレーザーへと短波長化が進められている。
VLSIの中でDRAMを例に挙げれば、LSIからVLSIへと展開して1M→4M→16M→64M→256M→1Gと容量が増大してゆくにつれ、加工線幅がそれぞれ1μm→0.8μm→0.5μm→0.35μm→0.24μm→0.18μmと微細な線幅が露光可能なステッパーが要求される。このため、ステッパーの投影レンズには、高い解像度と深い焦点深度が必要とされる。この解像度と焦点深度は、露光に使う光の波長とレンズ開口数(NA)によって決まる。微細なパターンほど回折光の角度が大きくなり、レンズのNAが大きくなければ回折光を取り込めなくなる。また、露光波長が短いほど同じパターンでも回折光の角度は小さくなり、従って、NAは小さくて良いことになる。
解像度と焦点深度は、次式のように表される。
解像度=k1・λ/NA
焦点深度=k2・λ/NA
(但し、k1、k2は比例定数である。)
一般に、ステッパーの照明系あるいは投影レンズとして用いられるレンズ素材は、i線では主に高透過率化した多成分の光学ガラスが、KrF及びArFエキシマレーザーでは従来の光学ガラスにかえて合成石英ガラスやCaF(蛍石)等のフッ化物単結晶が用いられている。
近年、特に16M以上の大容量のVRAM、0.25μmマイクロプロセッサー等の量産ラインには、エキシマステッパーが導入されている。紫外線リソグラフィー用光学素子としての石英ガラスには、紫外域での高透過率を達成するために、高純度な合成石英ガラスが用いられる。その有用な製法の一つとして火炎加水分解法が知られている。
火炎加水分解法は、合成石英ガラスの原料となるケイ素化合物を燃焼用バーナからの火炎内へ酸水素炎と共に供給し、加水分解反応させてシリカ微粒子を合成、堆積させると同時に溶融ガラス化する合成方法である。この合成方法を実現する石英ガラスの製造炉を図5及び図6に示す。
この製造炉は、熱を逃さないように外壁を2重壁にして排気を通し、炉内温度を1000℃以上の高温に保ちながら合成を行う構造であり、炉枠1と、炉枠1内部に配置された耐火物2と、この耐火物2内に設置されたインゴット形成用のターゲット4と、このターゲット4に先端を向けて設置された石英ガラス合成用のバーナ3からなる。
合成石英ガラスの製法は、ターゲット4を十分な温度(2000℃以上)に加熱した後、バーナ3から原料ガス、例えばSiClを供給し、合成を開始する。そして、徐々にSiO微粒子がターゲット4に堆積すると共に溶解してガラス化する。これを、数週間続けることで、インゴット12を得る。
また、この製造炉には、HClなどの排ガスを排出するための開口10及び排気管8を有する。この装置の、排気システムは、排気管8の先にスクラバーなどの除害設備、排気ファンを設置した構成である為、2次空気の大半を、耐火物2の底部開口から導入することができる。
光リソグラフィ用光学素子としての石英ガラスは、屈折率均質性が良いことが不可欠である。石英ガラスの屈折率均質性を悪化させる主な原因は、石英ガラスを合成する際に生じるさまざまな条件のゆらぎ、例えば、耐火物2の劣化による構造変形、火炎による合成面11の温度分布の変化、火炎加水分解反応あるいは熱分解・熱酸化反応、ガラスへの不純物の拡散状態の変化等である。これらの条件のゆらぎは、結果的に石英ガラス内に脈理と呼ばれる成長縞や径方向の屈折率均質性に影響をもたらす。
そこで、従来、石英ガラスの製造はターゲット4を回転すると同時に揺動させ、供給ガス量を変化させ、監視開口5、CCDカメラで炉内の観察をし、さらに温度分布を計測・調整することにより、石英ガラスインゴットに生じる屈折率分布の不均質を軽減することが試みられている(特許文献1参照)。
特開平6ー234531号公報。
しかしながら、光リソグラフィー用投影レンズを製造する上で、図5及び図6のような製造炉を使用した場合、酸水素火炎中で生成されたシリカ微粒子のすべてがターゲット4に捕捉されることは無く、その一部は耐火物2などの表面に付着し、残りは排気されてスクラバーにより処理される。インゴット12へのシリカ微粒子の平均的な捕捉率は60%前後である。この捕捉率は、製品である石英ガラスのコストに影響するため、捕捉率を上げるためにさまざまな合成条件の検討が為されている。一方、装置への付着物、とりわけ炉内への付着は石英ガラス合成においてさまざまな問題をもたらす。例えば、炉天井部に位置するバーナ3への付着物は、合成時にインゴット合成面に落下し泡の発生源となるか、若しくは屈折率の局所的不均質部分を生成するため、製品の良品率に大きく影響を及ぼす。
すなわち、図5及び図6に示すものでは、耐火物2の下部側に一対の開口10が、この上側に一つの監視開口5が形成され、各開口10に加え、監視開口5からも排気されるため、図5中矢印Aに示すように、インゴット12の上を越えて(バーナ3先端部を横切って)シリカ微粒子が流れることから、バーナ3の先端部にシリカ微粒子が付着して、いわゆるツララのように成長してしまうことを見出した。
そこで、この発明は、合成時におけるバーナへのシリカ微粒子の付着を抑制する石英ガラス製造炉及び石英ガラスの製造方法を提供することを課題としている。
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、排気管が接続された密閉された炉枠内に、下部が開放された耐火物が配設され、該耐火物内で石英ガラスを合成する石英ガラス製造炉において、前記耐火物には、該耐火物内の気体を、該耐火物の外側の前記炉枠内に排気する複数の開口が形成され、該各開口は、前記耐火物の軸線に対して対称位置に形成され、前記耐火物には、該耐火物内を観察する監視開口が形成されると共に、前記複数の開口が、前記監視開口より下方位置に形成され、前記監視開口の外側の前記炉枠内の空間を、前記排気管への排気経路から遮断した密閉空間とした石英ガラス製造炉としたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記軸線に対して対称位置にある開口同士は、開口形状が互いに同一であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記炉枠には、前記監視開口に対応した位置に、開口した監視窓が形成され、前記監視窓の外側を覆うように筒体が設けられ、前記筒体には、当該筒体を気密状態に遮蔽する透明板が設けられ、前記筒体の側壁部には、空気を導入して前記監視開口に向けて送風する空気導入孔が形成されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記排気管が複数設けられ、前記耐火物の軸線に対して対称位置に配置されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の石英ガラス製造炉を用い、前記耐火物内にバーナから原料及び燃焼ガスを噴出させ、火炎中で原料を加水分解させてシリカ微粒子を得、該シリカ微粒子を溶融、ガラス化して石英ガラスを得ると共に、該石英ガラスの合成中に、前記耐火物内から前記開口、前記炉枠内、前記排気管を介して排気するようにした石英ガラスの製造方法としたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、耐火物には、耐火物内の気体を、耐火物の外側の炉枠内に排気する複数の開口が形成され、これら各開口は、耐火物の軸線に対して対称位置に形成されているため、合成中に、耐火物内の気体を、各開口からバランス良く排気することができ、シリカ微粒子がインゴットの上方を乗り越える(バーナ先端部を横切る)ように流れるのを抑制することができることから、バーナへのシリカ微粒子の付着を抑制することができ、その結果、この付着物の落下によるインゴットへの混入を防止できる。従って、光学特性に優れた石英ガラスを安定して製造することが可能となり、非常に高性能が要求される光リソグラフィー用の基板やレンズも石英ガラス製造炉の安定稼動により製造することが可能となる。さらに、本発明の石英ガラス製造炉により、生産性に優れた石英ガラスの供給が可能になり、コスト軽減も可能となる。しかも、監視開口の外側の炉枠内の空間を、排気管への排気経路から遮断した密閉空間としたため、耐火物内の気体がその監視開口から外部に排気されるのを防止でき、この監視開口より下側の開口からバランス良く排気することができることから、バーナへのシリカ微粒子の付着をより抑制することができると同時に、その監視開口を介して合成面を観察できる。また、監視開口の周縁部へのシリカ微粒子の付着も抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、軸線に対して対称位置にある開口同士は、開口形状が互いに同一であるため、耐火物内の気体を各開口からよりバランス良く排気することができる。
請求項3に記載の発明によれば、筒体の側壁部に、空気を導入して監視開口に向けて送風する空気導入孔が形成されているため、監視開口を介して、耐火物内のシリカ微粒子流が、密閉空間側に流れるのを防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、排気管が複数設けられ、耐火物の軸線に対して対称位置に配置されたため、この点においても、バランス良く排気することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れか一つに記載の石英ガラス製造炉を用い、前記耐火物内にバーナから原料及び燃焼ガスを噴出させ、火炎中で原料を加水分解させてシリカ微粒子を得、該シリカ微粒子を溶融、ガラス化して石英ガラスを得ると共に、該石英ガラスの合成中に、前記耐火物内から前記開口、前記炉枠内、前記排気管を介して排気するようにしたため、耐火物内の気体の流れをバランス良くでき、バーナへのシリカ微粒子の付着を抑制して、品質の良好な石英ガラスを製造できる。
以下、本発明における実施の形態について説明するが、本発明はこれに限られるものではない。本発明者らは、多数の実験を重ねた結果、泡、屈折率の局所的不均質、脈理といった石英ガラスの不良は、石英ガラス合成中に、バーナに付着した付着物が落下し、この付着物の混入による温度変化によるものが原因の一つであることを突き止めた。
してみれば、バーナへの付着物成長及び、バーナからの付着物の落下を抑制することが石英合成の良品率向上に有効な手段であると考えた。そして、多数の実験観察の結果、バーナへの付着物は、炉内構造上非対称であると成長し易いことを突き止めた。
そこで、耐火物内の気体を排気する複数の開口を、耐火物の軸線に対して対称位置に形成することで付着物の成長を抑制できると考えた。
[発明の実施の形態1]
図1及び図2には、この発明の実施の形態1を示す。
まず構成を説明すると、図中符号31は石英ガラス製造炉で、この石英ガラス製造炉31は、密閉された炉枠32と、この炉枠32内に配設された耐火物33とを有している。
その耐火物33は、下部が開放された大略釣り鐘形状を呈し、この頂上部には、バーナ36が上下方向に沿って配設され、このバーナ36からターゲット37に向けて(下方に向けて)原料及び燃焼ガスを噴出させるようにしている。また、このターゲット37は、回転可能に構成されると共に、成長速度と等速度で降下するように構成されている。
また、この耐火物33には、下部側に、耐火物33内の気体を、この耐火物33の外側の炉枠32内に排気する一対の開口33aが形成されている。これら一対の開口33aは、軸線Oに対して対称位置に形成され、これら一対の開口33a同士は、開口形状が互いに同一、ここでは楕円形状に形成されている。
さらに、この耐火物33には、前記開口33aより上側に、耐火物33内の合成面Pを観察するための監視開口33bが形成されている。また、その監視開口33bは、一対の開口33aが対向している方向(径方向)と直交する径方向に形成されている。
なお、図1中符号35は、耐火物33内の温度を検出する熱電対である。
一方、前記炉枠32は、天壁32a、側壁32b及び底壁32cとから密閉構造に形成され、この側壁32bの下部に内部の気体を排出する排気管38が接続されている。この排気管38は、一対の開口33aが対向している径方向と直交する径方向で、その監視開口33bと反対側に形成されている。この排気管38には、図示省略の吸引装置が接続されている。
また、この炉枠32には、前記耐火物33の監視開口33bに対応した位置に、開口した監視窓32dが形成され、この監視窓32dの外側を覆うように筒体32eが配設され、この筒体32eを気密状態に遮蔽する石英ガラス等の透明板32fが配設されている。この筒体32eの材質は、外部が金属、内部は不純物の混入防止、高温酸性雰囲気下での使用を考慮し、不純物の少ない耐火物33と同じ材質のアルミナの焼成品を用いた。
さらに、この筒体32eの両側壁部には、図示省略の送風機から清浄な空気が導入される空気導入孔32gが形成され、この空気導入孔32gから筒体32e内に空気が導入されることにより、前記監視開口33bに向けて送風されるように構成されている。また、この透明板32fの外側には、合成面の観察用のCCDカメラ39が配設されている。
さらにまた、炉枠32内には、耐火物33との間に遮蔽板40が配設され、この遮蔽板40により、監視開口33bの外側の炉枠32内の空間が、排気管38への排気経路から遮断された密閉空間Eとされている。
かかる石英ガラス製造炉31を用いた製造方法について説明する。
バーナ36から耐火物33内に下方に向けて原料及び燃焼ガスを噴出させ、火炎中で原料を加水分解させてシリカ微粒子を得、このシリカ微粒子を溶融、ガラス化して石英ガラスのインゴット43をターゲット37上に得る。
この合成時には、監視開口33bを介してCCDカメラ39により観察することにより、合成面Pの位置をバーナ36に対して一定にすると共に、供給ガス量を制御しながら、インゴット43形状が所定の形状となるように制御する。
この際、合成面Pに吹き付けられたシリカ微粒子流の大半はインゴット43に捕捉され、その場で高温によりガラス化される。しかし、一部は、インゴット43に、はじかれて下方に流され、開口33a、炉枠32内、排気管38を介して排気されて図示省略の装置により処理される。
この場合のシリカ微粒子の流れは、半球状のインゴット43の先端の形状、火炎流の流速によって方向が決まる。従って、それら開口33aの位置は、その流れを計算に入れ、最適な位置に設計されているが、必要以上に上部に設置することは炉内温度を低下させる原因となるため極力下方に配置されている。
また、この際には、監視開口33bの外側は、密閉空間Eとされていると共に、空気導入孔32gからその監視開口33bに向けて空気が送風されるようになっているため、その監視開口33bを介して、耐火物33内のシリカ微粒子流が、密閉空間E側に流れるのを防止することができる。
この場合、監視開口33bに向けて流れる空気は、その方向が、シリカ微粒子流が監視開口33bに付着しないように設定されていると共に、この空気は、筒体32eの側面の2個所から同等流速で流し、炉枠32内部方向へ均一な流れを作り出し、密閉空間E側へのシリカ微粒子の進入を防止している。この空気の流速は、筒体32eの途中において、約10m/sに設定されている。この流速も、合成状態によって適宜選択する。
以上のように監視開口33bからシリカ微粒子が流れ出ないようにすると共に、軸線Oを中心とした対称位置の一対の開口33aから流れ出るようにしている。これにより、合成中に、耐火物33内の気体を、各開口33aからバランス良く排気することができ、シリカ微粒子がインゴット43の上方を乗り越える(バーナ36先端部を横切る)ように流れるのを抑制することができることから、バーナ36へのシリカ微粒子の付着(ツララの成長)を抑制することができ、その結果、この付着物の落下によるインゴット43への混入を防止できる。従って、泡の数等の少ない光学特性に優れた石英ガラスを安定して製造することが可能となり、非常に高性能が要求される光リソグラフィー用の基板やレンズも石英ガラス製造炉の安定稼動により製造することが可能となる。さらに、本発明の石英ガラス製造炉31により、生産性に優れた石英ガラスの供給が可能になり、コスト軽減も可能となる。
また、この付着物成長は自動制御運転を困難にする原因となっていたため本発明による安定合成の継続の達成は自動制御の可能性も期待できる。
さらに、軸線Oに対して対称位置にある開口33a同士は、開口形状が互いに同一であるため、耐火物33内の気体を各開口33aからよりバランス良く排気することができる。
さらにまた、耐火物33の上部側に設けられた監視開口33bから排気されないようにしているため、耐火物33内(炉内)の温度低下を抑制できた上で、この監視開口33bから合成面を観察することができる。また、監視開口33bの周縁部へのシリカ微粒子の付着も抑制できる。
[発明の実施の形態2]
図3には、この発明の実施の形態2を示す。
この実施の形態2は、実施の形態1と比較すると、排気管38が複数(ここでは左右に一対)設けられ、耐火物33の軸線Oに対して対称位置に配置されると共に、監視開口33bに対向して、耐火物33の軸線Oに対して対称位置に上部開口33cが形成されている点で異なっている。
また、この実施の形態2では、監視開口33bの外側は密閉空間Eとされておらず、且つ、筒体32e等が設けられておらず、その監視開口33bに向けて空気が送風される構造に構成されていない。してみれば、監視開口33bからも排気される構造となっていない。
このようなものにあっては、監視開口33bと上部開口33cとが、耐火物33の軸線Oに対して対称位置に形成されると共に、一対の排気管38も、耐火物33の軸線Oに対して対称位置に配置されているため、合成中に、耐火物33内の気体を、各監視開口33bと上部開口33c、又、これらより下方位置に形成された一対の開口33aからバランス良く排気することができ、シリカ微粒子がインゴット43の上側を乗り越えて流れるのを抑制することができることから、バーナ36へのシリカ微粒子の付着を抑制することができ、その結果、この付着物の落下によるインゴット43への混入を防止できる。
他の構成及び作用は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
上記発明の実施の形態1の石英ガラス製造炉31を用い、合成期間30日で、重さ400kgのインゴット43を合成した。筒体32eからの空気の平均流速は10m/sとした。
また、バーナ36は、図4に示すように、中心の1重管(原料管)36aから原料である四塩化ケイ素及びキャリアガスとして酸素を、2重管36bから酸素を、3重管36cから水素を、4重管36dから酸素を、5重管36eから水素を、5重管36eの周囲に設置されたリング管(6重管36f)から水素を、この6重管36fの中に配置された内側細管36gから酸素を、更に、この6重管36fの周辺に設置されたリング管(7重管36h)から水素を、この7重管36hの中に配置された外側細管36iから酸素を噴出した。また、これら各管36a…の吹出し面積及びガスの流量は、表1のように設定した。さらに、ロット数を3インゴット43とした。
Figure 0004470581
その結果、表2に示すように、バーナ36にて成長したツララの数の平均が0.67、各ロットのインゴット43に発生した泡の数の平均が1.0となった。また、合成を通して監視開口33bの炉内内側への付着物の生成は見られず、付着物除去の作業回数は0回であった。さらに、合成されたインゴット43の側面を研削し、ピンホール法による脈理測定を行った結果、屈折率差3.0×10-6以上の濃い脈理は発見されなかった。
Figure 0004470581
筒体32eからの空気の平均流速を30m/sとして実施例1と同様の実験を行った。合成中の監視開口33bに付着物の生成が見られた。成長量は、さほどでもなく付着物除去の作業回数は0回であった。合成終了後付着物塊の重量を測定した結果、総重量が0.5kgであった。合成されたインゴット43の側面を研削しピンホール法による脈理測定を行った結果、屈折率差3.0×10-6以上の濃い脈理は発見されなかった。また、泡、斑点状局部的屈折率変化も見当たらなかった。
この結果は、筒体32eからの空気の流速が速く、監視開口33bが必要以上に冷却されて付着物が成長したと考えられる。また、合成中、耐火物33の下部開口から合成排気中に含まれる塩酸蒸気の白煙は見受けられなかったが、速すぎる流速を与えることは、耐火物33内部(炉内内部)の流れの変化を招く。また、冷却により付着物生成を促進させるのみならず、耐火物33内(炉室内)への有害ガスの流入をもたらすと考えられるため好ましくない。
比較例
図5及び図6に示す従来例の石英ガラス製造炉で、実施例1と同様の実験を行った。
その結果、表2に示すように、ツララの数の平均が2.0、泡の数が6.7で、斑点状局部的屈折率変化が多数見られた。これは、ツララの落下等による付着物の混入が原因であると言える。また、合成を通して監視開口33bに付着物の生成は見られた。付着物除去の作業回数は1回であった。合成終了後付着物塊の重量を測定した結果、総重量が2.0kgであった。合成されたインゴットの側面を研削しピンポール法による脈理測定を行った結果、屈折率差3.0×10-6以上の濃い脈理が、付着物除去の作業部位に数本見られた。
この発明の実施の形態1に係る石英ガラス製造炉を示す模式的断面図である。 同実施の形態1に係る図1のA−A線に沿う断面図である。 この発明の実施の形態2に係る石英ガラス製造炉を示す模式的断面図である。 実施例1のバーナを示す底面図である。 従来例を示す図1に相当する模式的断面図である。 図5のB−B線に沿う断面図である。
符号の説明
31 石英ガラス製造炉
32 炉枠
32d 監視窓
32e 筒体
32f 透明板
32g 空気導入孔
33 耐火物
33a 開口
33b 監視開口
35 熱電対
36 バーナ
37 ターゲット
38 排気管
39 CCDカメラ
40 遮蔽板
43 インゴット
O 軸線
P 合成面
E 密閉空間

Claims (5)

  1. 排気管が接続された密閉された炉枠内に、下部が開放された耐火物が配設され、該耐火物内で石英ガラスを合成する石英ガラス製造炉において、
    前記耐火物には、該耐火物内の気体を、該耐火物の外側の前記炉枠内に排気する複数の開口が形成され、該各開口は、前記耐火物の軸線に対して対称位置に形成され
    前記耐火物には、該耐火物内を観察する監視開口が形成されると共に、前記複数の開口が、前記監視開口より下方位置に形成され、
    前記監視開口の外側の前記炉枠内の空間を、前記排気管への排気経路から遮断した密閉空間としたことを特徴とする石英ガラス製造炉。
  2. 前記軸線に対して対称位置にある開口同士は、開口形状が互いに同一であることを特徴とする請求項1に記載の石英ガラス製造炉。
  3. 前記炉枠には、前記監視開口に対応した位置に、開口した監視窓が形成され、
    前記監視窓の外側を覆うように筒体が設けられ、
    前記筒体には、当該筒体を気密状態に遮蔽する透明板が設けられ、
    前記筒体の側壁部には、空気を導入して前記監視開口に向けて送風する空気導入孔が形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の石英ガラス製造炉。
  4. 前記排気管が複数設けられ、前記耐火物の軸線に対して対称位置に配置されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の石英ガラス製造炉。
  5. 請求項1乃至4の何れか一つに記載の石英ガラス製造炉を用い、前記耐火物内にバーナから原料及び燃焼ガスを噴出させ、火炎中で原料を加水分解させてシリカ微粒子を得、該シリカ微粒子を溶融、ガラス化して石英ガラスを得ると共に、該石英ガラスの合成中に、前記耐火物内から前記開口、前記炉枠内、前記排気管を介して排気するようにしたことを特徴とする石英ガラスの製造方法
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