JP2000053434A - 石英ガラス製造装置 - Google Patents
石英ガラス製造装置Info
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- JP2000053434A JP2000053434A JP10220746A JP22074698A JP2000053434A JP 2000053434 A JP2000053434 A JP 2000053434A JP 10220746 A JP10220746 A JP 10220746A JP 22074698 A JP22074698 A JP 22074698A JP 2000053434 A JP2000053434 A JP 2000053434A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B19/00—Other methods of shaping glass
- C03B19/14—Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
- C03B19/1407—Deposition reactors therefor
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
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- Glass Melting And Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 屈折率均質性に優れた石英ガラスインゴット
を製造することができる石英ガラス製造装置の提供。 【解決手段】 石英ガラス合成用炉2の底部に設けられ
た開閉扉9と、開閉扉9の開口部を介して炉2内に配設
されるインゴット形成用ターゲット3と、ターゲット3
に先端を向けて配設された石英ガラス合成用バーナー1
と、炉2内に流入した空気を炉2に設けられた排気口2
aを介して炉外へ排出するための排気管5と、炉2の底
部と最上部との間に設けられ、バーナー1からの熱が石
英ガラス合成面4aより下部のインゴット表面へ侵入す
るのを阻止する開閉扉11とを備える。
を製造することができる石英ガラス製造装置の提供。 【解決手段】 石英ガラス合成用炉2の底部に設けられ
た開閉扉9と、開閉扉9の開口部を介して炉2内に配設
されるインゴット形成用ターゲット3と、ターゲット3
に先端を向けて配設された石英ガラス合成用バーナー1
と、炉2内に流入した空気を炉2に設けられた排気口2
aを介して炉外へ排出するための排気管5と、炉2の底
部と最上部との間に設けられ、バーナー1からの熱が石
英ガラス合成面4aより下部のインゴット表面へ侵入す
るのを阻止する開閉扉11とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火炎加水分解法に
より石英ガラスを合成する石英ガラス製造装置に関す
る。
より石英ガラスを合成する石英ガラス製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン等のウェハ上に集積回路
の微細パターンを露光・転写する光リソグラフィ技術に
おいては、ステッパーと呼ばれる露光装置が用いられて
いる。近年、LSIの高集積化に伴って加工線幅がより
微細になりつつある。例えば、DRAMの場合には1G
と容量が増大するとともに加工線幅も0.18μmとな
り、より波長の短いKrFエキシマレーザーやArFエ
キシマレーザーがステッパーの光源として用いられつつ
ある。
の微細パターンを露光・転写する光リソグラフィ技術に
おいては、ステッパーと呼ばれる露光装置が用いられて
いる。近年、LSIの高集積化に伴って加工線幅がより
微細になりつつある。例えば、DRAMの場合には1G
と容量が増大するとともに加工線幅も0.18μmとな
り、より波長の短いKrFエキシマレーザーやArFエ
キシマレーザーがステッパーの光源として用いられつつ
ある。
【0003】一般に、KrFエキシマレーザーやArF
エキシマレーザーを用いる露光装置では、光の透過率低
下を考慮して照明光学系や投影光学系のレンズの材料と
して、従来の光学ガラスに代えて合成石英ガラスや蛍石
(CaF2)等のフッ化物単結晶を用いることが提案されて
いる。このような紫外線リソグラフィー用光学素子とし
て用いられる石英ガラスには、紫外光の高透過性と屈折
率の高均質性とが要求される。例えば、投影レンズ用の
石英ガラスには、3方向に脈理が無く、光軸方向の屈折
率均質性Δnが4×10-6以下、かつ、レンズの光軸方
向の屈折率分布が中央対称性を有し、屈折率分布のうち
非回転対称成分のRMS(二乗平均平方根)値が0.0
050λ以下、回転対称成分を2次および4次でカーブ
フィッティングした後の残差成分のRMS値が0.00
50λ以下であることが要求される。
エキシマレーザーを用いる露光装置では、光の透過率低
下を考慮して照明光学系や投影光学系のレンズの材料と
して、従来の光学ガラスに代えて合成石英ガラスや蛍石
(CaF2)等のフッ化物単結晶を用いることが提案されて
いる。このような紫外線リソグラフィー用光学素子とし
て用いられる石英ガラスには、紫外光の高透過性と屈折
率の高均質性とが要求される。例えば、投影レンズ用の
石英ガラスには、3方向に脈理が無く、光軸方向の屈折
率均質性Δnが4×10-6以下、かつ、レンズの光軸方
向の屈折率分布が中央対称性を有し、屈折率分布のうち
非回転対称成分のRMS(二乗平均平方根)値が0.0
050λ以下、回転対称成分を2次および4次でカーブ
フィッティングした後の残差成分のRMS値が0.00
50λ以下であることが要求される。
【0004】一方、紫外光の高透過性を実現するために
は石英ガラス中の不純物濃度を低濃度に抑える必要があ
るが、そのような石英ガラスの製造方法の一つとして火
炎加水分解法が知られている。この火炎加水分解法によ
れば、不純物の混入を抑制することが容易であるため、
高純度の石英ガラスが得られる。
は石英ガラス中の不純物濃度を低濃度に抑える必要があ
るが、そのような石英ガラスの製造方法の一つとして火
炎加水分解法が知られている。この火炎加水分解法によ
れば、不純物の混入を抑制することが容易であるため、
高純度の石英ガラスが得られる。
【0005】火炎加水分解法では、インゴット形成用タ
ーゲットを高温に加熱した後、石英ガラスの原料である
ケイ素化合物のガスと燃焼ガスとを炉の天井部に設けら
れたバーナーからターゲットに向けて流出する。このと
き、燃焼ガスにより酸水素火炎を発生させ、その酸水素
火炎中でケイ素化合物を加熱するとともに加水分解反応
を起こさせる。この加水分解反応により酸水素火炎中に
シリカ(SiO2)の微粒子が生成され、それがターゲット
上に堆積すると共に溶融してガラス化する。
ーゲットを高温に加熱した後、石英ガラスの原料である
ケイ素化合物のガスと燃焼ガスとを炉の天井部に設けら
れたバーナーからターゲットに向けて流出する。このと
き、燃焼ガスにより酸水素火炎を発生させ、その酸水素
火炎中でケイ素化合物を加熱するとともに加水分解反応
を起こさせる。この加水分解反応により酸水素火炎中に
シリカ(SiO2)の微粒子が生成され、それがターゲット
上に堆積すると共に溶融してガラス化する。
【0006】しかし、火炎加水分解法により製造される
石英ガラスは、不純物の濃度は抑えられるが、温度分布
が不均一なことにより生じる脈理や光軸方向の屈折率均
質性に関して、満足のいくものが必ずしも得られなかっ
た。屈折率均質性は、合成時のインゴット径方向の温度
分布に依存すると考えられる。そのため、屈折率均質性
を最適化するようにインゴットの合成面部分の温度分布
を調整すべく、ターゲットを回転させると共に、合成面
部分の温度分布に応じてバーナーとインゴットとを相対
的に平行移動させるようにした石英ガラス製造装置が提
案されている(特開平6−234531号)。この装置
によれば、屈折率均質性を最適化するような温度分布を
形成し、均質性の良い石英ガラスを得られることができ
る。
石英ガラスは、不純物の濃度は抑えられるが、温度分布
が不均一なことにより生じる脈理や光軸方向の屈折率均
質性に関して、満足のいくものが必ずしも得られなかっ
た。屈折率均質性は、合成時のインゴット径方向の温度
分布に依存すると考えられる。そのため、屈折率均質性
を最適化するようにインゴットの合成面部分の温度分布
を調整すべく、ターゲットを回転させると共に、合成面
部分の温度分布に応じてバーナーとインゴットとを相対
的に平行移動させるようにした石英ガラス製造装置が提
案されている(特開平6−234531号)。この装置
によれば、屈折率均質性を最適化するような温度分布を
形成し、均質性の良い石英ガラスを得られることができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、石英ガラス
合成最中において、インゴットが炉内にある間は常に高
温雰囲気に曝されている。そのため、石英ガラス合成の
初期段階に合成されたインゴット下部は、上部に比べて
長時間高温雰囲気に曝されることになる。その結果、イ
ンゴット下部では「内部は比較的低温で外部に近い部分
は高温」という状態が長時間続き、インゴットの下部に
なればなるほど径方向の屈折率不均質が生じ易くなる。
合成最中において、インゴットが炉内にある間は常に高
温雰囲気に曝されている。そのため、石英ガラス合成の
初期段階に合成されたインゴット下部は、上部に比べて
長時間高温雰囲気に曝されることになる。その結果、イ
ンゴット下部では「内部は比較的低温で外部に近い部分
は高温」という状態が長時間続き、インゴットの下部に
なればなるほど径方向の屈折率不均質が生じ易くなる。
【0008】また、合成時には炉内の加熱を防止するた
めに反応生成ガスは炉に設けられた排気口から排気され
るが、このとき炉底部の開口部から二次空気が供給され
る。しかし、合成の進行と共にインゴットが降下して開
口部の開口面積が小さくなって排気効率が低下し、その
結果炉内温度が上昇する。炉内温度の上昇はインゴット
合成面付近の温度上昇を招き、インゴットの粘度低下に
よるインゴットのつぶれが生じてしまう。この場合、バ
ーナーからの燃焼ガス流量を小さくすることにより温度
上昇を抑えることができるが、バーナーからの供給熱量
の差や炉内の温度分布の変化が生じてしまい、それによ
り脈理が生じてインゴットの品質が低下してしまう。
めに反応生成ガスは炉に設けられた排気口から排気され
るが、このとき炉底部の開口部から二次空気が供給され
る。しかし、合成の進行と共にインゴットが降下して開
口部の開口面積が小さくなって排気効率が低下し、その
結果炉内温度が上昇する。炉内温度の上昇はインゴット
合成面付近の温度上昇を招き、インゴットの粘度低下に
よるインゴットのつぶれが生じてしまう。この場合、バ
ーナーからの燃焼ガス流量を小さくすることにより温度
上昇を抑えることができるが、バーナーからの供給熱量
の差や炉内の温度分布の変化が生じてしまい、それによ
り脈理が生じてインゴットの品質が低下してしまう。
【0009】本発明の目的は、屈折率均質性に優れた石
英ガラスインゴットを製造することができる石英ガラス
製造装置を提供することにある。
英ガラスインゴットを製造することができる石英ガラス
製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明の実施の形態を示す
図1および図3に対応付けて説明する。 (1)図1に対応付けて説明すると、請求項1の発明に
よる石英ガラス製造装置は、石英ガラス合成用炉2の底
部に設けられた第1の可変開口機構9,10と、第1の
可変開口機構9,10の開口部を介して炉2内に配設さ
れるインゴット形成用ターゲット3と、ターゲット3に
先端を向けて配設された石英ガラス合成用バーナー1
と、炉2内の空気を炉2に設けられた排気口2aを介し
て炉外へ排出する排気系5と、炉2の底部と最上部との
間に設けられ、バーナー1からの熱が石英ガラス合成面
4aより下部のインゴット表面へ侵入するのを阻止する
熱遮蔽装置11,12とを備えて上述の目的を達成す
る。 (2)請求項2の発明は、請求項1に記載の石英ガラス
製造装置において、熱遮蔽装置11,12を、排気口2
aに関して炉2の上部側に配設した。 (3)図1および図3に対応付けて説明すると、請求項
3の発明は、請求項1または2に記載の石英ガラス製造
装置において、炉2内の温度を測定する温度測定器7
a,7bと、温度測定器7a,7bによる測定結果に基
づいて、第1の可変開口機構9,10の開口面積を制御
する制御装置13とを設けた。 (4)請求項4の発明は、請求項1または2に記載の石
英ガラス製造装置において、熱遮蔽装置を開口面積が変
更可能な第2の可変開口機構11,12で構成するとと
もに、炉2内の温度を測定する温度測定器7a,7b
と、温度測定器7a,7bによる測定結果に基づいて、
第1および第2の可変開口機構9,10,11,12の
各開口面積をそれぞれ制御する制御装置13とを設け
た。
図1および図3に対応付けて説明する。 (1)図1に対応付けて説明すると、請求項1の発明に
よる石英ガラス製造装置は、石英ガラス合成用炉2の底
部に設けられた第1の可変開口機構9,10と、第1の
可変開口機構9,10の開口部を介して炉2内に配設さ
れるインゴット形成用ターゲット3と、ターゲット3に
先端を向けて配設された石英ガラス合成用バーナー1
と、炉2内の空気を炉2に設けられた排気口2aを介し
て炉外へ排出する排気系5と、炉2の底部と最上部との
間に設けられ、バーナー1からの熱が石英ガラス合成面
4aより下部のインゴット表面へ侵入するのを阻止する
熱遮蔽装置11,12とを備えて上述の目的を達成す
る。 (2)請求項2の発明は、請求項1に記載の石英ガラス
製造装置において、熱遮蔽装置11,12を、排気口2
aに関して炉2の上部側に配設した。 (3)図1および図3に対応付けて説明すると、請求項
3の発明は、請求項1または2に記載の石英ガラス製造
装置において、炉2内の温度を測定する温度測定器7
a,7bと、温度測定器7a,7bによる測定結果に基
づいて、第1の可変開口機構9,10の開口面積を制御
する制御装置13とを設けた。 (4)請求項4の発明は、請求項1または2に記載の石
英ガラス製造装置において、熱遮蔽装置を開口面積が変
更可能な第2の可変開口機構11,12で構成するとと
もに、炉2内の温度を測定する温度測定器7a,7b
と、温度測定器7a,7bによる測定結果に基づいて、
第1および第2の可変開口機構9,10,11,12の
各開口面積をそれぞれ制御する制御装置13とを設け
た。
【0011】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して本発
明の実施の形態を説明する。図1は本発明による石英ガ
ラス製造装置の一実施の形態を示す断面図である。図1
は石英ガラス合成の完了間際の状態を示す図であり、タ
ーゲット3上には石英ガラスのインゴット4が形成され
ている。図2は合成開始時の装置を示しており、ターゲ
ット3を充分な温度(2000℃以上)に加熱し、その
後石英ガラスの原料であるケイ素化合物(例えば、SiCl
4)のガスと、燃焼ガス(可燃性の水素ガスと支燃性の
酸素ガス)とを炉2の天井部に設けられたバーナー1か
らターゲット3に向けて流出する。このとき、燃焼ガス
により酸水素火炎を形成し、その酸水素火炎中でケイ素
化合物を加熱するとともに加水分解反応を起こさせる。
この加水分解反応により酸水素火炎中にシリカ(SiO2)
の微粒子が生成され、それがターゲット3上に堆積する
と共に溶融してガラス化する。
明の実施の形態を説明する。図1は本発明による石英ガ
ラス製造装置の一実施の形態を示す断面図である。図1
は石英ガラス合成の完了間際の状態を示す図であり、タ
ーゲット3上には石英ガラスのインゴット4が形成され
ている。図2は合成開始時の装置を示しており、ターゲ
ット3を充分な温度(2000℃以上)に加熱し、その
後石英ガラスの原料であるケイ素化合物(例えば、SiCl
4)のガスと、燃焼ガス(可燃性の水素ガスと支燃性の
酸素ガス)とを炉2の天井部に設けられたバーナー1か
らターゲット3に向けて流出する。このとき、燃焼ガス
により酸水素火炎を形成し、その酸水素火炎中でケイ素
化合物を加熱するとともに加水分解反応を起こさせる。
この加水分解反応により酸水素火炎中にシリカ(SiO2)
の微粒子が生成され、それがターゲット3上に堆積する
と共に溶融してガラス化する。
【0013】炉2には反応生成ガス(HClなど)やター
ゲット3に捕捉されなかったシリカ微粒子等を排気する
ための排気口2aが設けられている。この排気の際の二
次空気は、炉2の底部に形成された開口部2bから流入
する。また、排気口2aを介して炉2内を排気すること
により、炉2内の加熱を防止している。排気口2aから
炉外へ排出された排気ガスは、排気管5を介して不図示
の排気処理システム(排気ファンやスクラバーで構成さ
れる)に送られる。なお、炉2は熱散逸を抑えるための
炉枠6で覆われている。
ゲット3に捕捉されなかったシリカ微粒子等を排気する
ための排気口2aが設けられている。この排気の際の二
次空気は、炉2の底部に形成された開口部2bから流入
する。また、排気口2aを介して炉2内を排気すること
により、炉2内の加熱を防止している。排気口2aから
炉外へ排出された排気ガスは、排気管5を介して不図示
の排気処理システム(排気ファンやスクラバーで構成さ
れる)に送られる。なお、炉2は熱散逸を抑えるための
炉枠6で覆われている。
【0014】石英ガラスの合成が進むにつれて、ターゲ
ット3上には図1に示すような石英ガラスのインゴット
4が形成される。合成の最中には、インゴット4の合成
面4a(破線で示す部分)とバーナー1との距離が常に
一定に保たれるように、インゴット4の成長とともにタ
ーゲット3を徐々に降下させる。合成の間、炉内温度は
バーナー1の燃焼熱により1000℃以上の高温に保た
れる。合成の際には、均質性の良い石英ガラスが得られ
るように、ターゲット3を不図示のモータ等により回転
運動および左右に揺動運動させる。
ット3上には図1に示すような石英ガラスのインゴット
4が形成される。合成の最中には、インゴット4の合成
面4a(破線で示す部分)とバーナー1との距離が常に
一定に保たれるように、インゴット4の成長とともにタ
ーゲット3を徐々に降下させる。合成の間、炉内温度は
バーナー1の燃焼熱により1000℃以上の高温に保た
れる。合成の際には、均質性の良い石英ガラスが得られ
るように、ターゲット3を不図示のモータ等により回転
運動および左右に揺動運動させる。
【0015】図1において7a,7bは炉2内の温度分
布を測定するための熱電対であり、炉2の外側には炉2
および炉枠6に設けられた窓2c,6aを通して炉2の
内部状況を監視する炉内監視用カメラ8が設けられてい
る。このカメラ8によりバーナー1とインゴット4の合
成面4aとの距離を把握することができる。なお、炉内
監視用カメラ8にはCCDカメラ等が用いられる。
布を測定するための熱電対であり、炉2の外側には炉2
および炉枠6に設けられた窓2c,6aを通して炉2の
内部状況を監視する炉内監視用カメラ8が設けられてい
る。このカメラ8によりバーナー1とインゴット4の合
成面4aとの距離を把握することができる。なお、炉内
監視用カメラ8にはCCDカメラ等が用いられる。
【0016】炉2の底部には開口部2bと対向するよう
に一対の開閉扉9が設けられており、開閉扉9は駆動装
置10により水平方向(図1,2の左右方向)に開閉駆
動される。図3は開閉扉9をターゲット1方向から見た
図であり、炉2の内壁2dの断面は長円形をしている。
図3(a)に示すように開閉扉9を開いた場合には、開
閉扉9と内壁2dとにより形成される開口(斜線を施し
た領域A)の開口面積はSaとなる。一方、図3(b)に
示すように開閉扉9を閉じた場合の開口(斜線を施した
領域B)の開口面積SbはSaより小さくなる。なお、Sa,
Sbは開閉扉9の開口部分にインゴット4が無い場合の開
口面積であり、インゴット4がある場合にはそれぞれイ
ンゴット4の断面積を差し引いた値となる。
に一対の開閉扉9が設けられており、開閉扉9は駆動装
置10により水平方向(図1,2の左右方向)に開閉駆
動される。図3は開閉扉9をターゲット1方向から見た
図であり、炉2の内壁2dの断面は長円形をしている。
図3(a)に示すように開閉扉9を開いた場合には、開
閉扉9と内壁2dとにより形成される開口(斜線を施し
た領域A)の開口面積はSaとなる。一方、図3(b)に
示すように開閉扉9を閉じた場合の開口(斜線を施した
領域B)の開口面積SbはSaより小さくなる。なお、Sa,
Sbは開閉扉9の開口部分にインゴット4が無い場合の開
口面積であり、インゴット4がある場合にはそれぞれイ
ンゴット4の断面積を差し引いた値となる。
【0017】さらに、図1に示すように、炉2の中間部
分であって排気口2aの上部に一対の開閉扉11が設け
られる。この開閉扉11は駆動装置12により開閉駆動
される。開閉扉11をターゲット1方向から見た図は図
3に示した開閉扉9の場合と同様であり、図3において
括弧付きの符号で開閉扉11および駆動装置12を示し
た。なお、開閉扉9,11としては、例えば、駆動装置
10,12により駆動される枠に耐火ボードを取り付け
たものが用いられる。また、図1に示すように熱電対7
aは開閉扉11より上部(以下では上部空間と呼ぶ)の
炉内温度を測定し、熱電対7bは開閉扉11と開閉扉9
との間(以下では下部空間と呼ぶ)の炉内温度を測定す
る。
分であって排気口2aの上部に一対の開閉扉11が設け
られる。この開閉扉11は駆動装置12により開閉駆動
される。開閉扉11をターゲット1方向から見た図は図
3に示した開閉扉9の場合と同様であり、図3において
括弧付きの符号で開閉扉11および駆動装置12を示し
た。なお、開閉扉9,11としては、例えば、駆動装置
10,12により駆動される枠に耐火ボードを取り付け
たものが用いられる。また、図1に示すように熱電対7
aは開閉扉11より上部(以下では上部空間と呼ぶ)の
炉内温度を測定し、熱電対7bは開閉扉11と開閉扉9
との間(以下では下部空間と呼ぶ)の炉内温度を測定す
る。
【0018】本実施の形態の装置のように炉2の中間部
分に開閉扉11を設けると、以下に述べるような利点が
ある。例えば、開閉扉11を閉じて図3(a)の状態か
ら図3(b)の状態にすると、上部空間から下部空間へ
流入する高温排ガスの流量が減少すると共に、上部空間
からインゴット下部4bへの輻射熱が開閉扉11により
遮蔽されて減少する。その結果、石英ガラス合成最中に
おけるインゴット下部4bの表面温度が低下する。前述
したように、従来の石英ガラス製造装置ではインゴット
下部4bが長時間にわたって1000℃以上の高温に曝
されるため、インゴット4の径方向に屈折率不均質が生
じてしまう。しかし、本実施の形態の装置では、開閉扉
11があることによって1000℃以上の高温に曝され
る時間(上部空間に滞在する時間)が短縮され、インゴ
ット4の径方向の屈折率不均質が抑制される。
分に開閉扉11を設けると、以下に述べるような利点が
ある。例えば、開閉扉11を閉じて図3(a)の状態か
ら図3(b)の状態にすると、上部空間から下部空間へ
流入する高温排ガスの流量が減少すると共に、上部空間
からインゴット下部4bへの輻射熱が開閉扉11により
遮蔽されて減少する。その結果、石英ガラス合成最中に
おけるインゴット下部4bの表面温度が低下する。前述
したように、従来の石英ガラス製造装置ではインゴット
下部4bが長時間にわたって1000℃以上の高温に曝
されるため、インゴット4の径方向に屈折率不均質が生
じてしまう。しかし、本実施の形態の装置では、開閉扉
11があることによって1000℃以上の高温に曝され
る時間(上部空間に滞在する時間)が短縮され、インゴ
ット4の径方向の屈折率不均質が抑制される。
【0019】また、図1に示すように開閉扉11を排気
口2aの上方に設けると、下部空間からの排気量に比べ
て上部空間からの排気量は小さくなり、上部空間と下部
空間との間の温度勾配が大きくなる。その結果、合成面
4aがある上部空間を1000℃以上の高温状態に保っ
ても下部空間はより低い温度となり、インゴット4の径
方向の屈折率不均質性を抑制するのに効果的である。ま
た、温度勾配の増大に加えて、1000℃以上に保持す
べき上部空間の容積が小さくなるため、上部空間の温度
保持に必要な燃焼ガス(酸素ガス、水素ガス)の量を少
なくすることができる。
口2aの上方に設けると、下部空間からの排気量に比べ
て上部空間からの排気量は小さくなり、上部空間と下部
空間との間の温度勾配が大きくなる。その結果、合成面
4aがある上部空間を1000℃以上の高温状態に保っ
ても下部空間はより低い温度となり、インゴット4の径
方向の屈折率不均質性を抑制するのに効果的である。ま
た、温度勾配の増大に加えて、1000℃以上に保持す
べき上部空間の容積が小さくなるため、上部空間の温度
保持に必要な燃焼ガス(酸素ガス、水素ガス)の量を少
なくすることができる。
【0020】なお、図1では排気口2aの上方に開口面
積を変えることができる開閉扉11を設けたが、開口面
積が一定な熱遮蔽部材でも良い。このような単なる熱遮
蔽部材であっても、熱遮蔽および温度勾配の形成という
作用を奏することができる。ただし、インゴット4の径
は合成中に変化するため、開口面積が一定な熱遮蔽部材
の場合にはそのような変化を考慮して余裕を持った開口
面積とする必要がある。一方、可変開口である開閉扉1
1の場合には、インゴット4の径が変化してもインゴッ
ト4と開閉扉11との隙間を常に最適に保つことによっ
て、インゴット下部4bへの熱輻射を最小限に保つこと
ができる。また、以下に述べるように、上部空間の温度
調整の観点からも可変開口である開閉扉11の方が優れ
ている。
積を変えることができる開閉扉11を設けたが、開口面
積が一定な熱遮蔽部材でも良い。このような単なる熱遮
蔽部材であっても、熱遮蔽および温度勾配の形成という
作用を奏することができる。ただし、インゴット4の径
は合成中に変化するため、開口面積が一定な熱遮蔽部材
の場合にはそのような変化を考慮して余裕を持った開口
面積とする必要がある。一方、可変開口である開閉扉1
1の場合には、インゴット4の径が変化してもインゴッ
ト4と開閉扉11との隙間を常に最適に保つことによっ
て、インゴット下部4bへの熱輻射を最小限に保つこと
ができる。また、以下に述べるように、上部空間の温度
調整の観点からも可変開口である開閉扉11の方が優れ
ている。
【0021】上部空間の温度を調整する際には、炉底部
に設けられた開閉扉9の開口面積を変えて炉2内に流入
する二次空気の量を変化させる。二次空気の量が変化す
ると上部空間からの排気量が変化するため、上部空間の
温度も変化する。例えば、開口面積が減少するように開
閉扉9を駆動すると、下部空間に流入する二次空気の流
入量が減少して排気口2a付近の圧力が低下する。とこ
ろで、開閉扉11があるため上部空間と排気口2a部分
との間には圧力勾配が生じており、二次空気の流入量が
減少して排気口2a付近の圧力が低下すると上記の圧力
勾配がさらに大きくなり、上部空間からの排気量が増大
する。その結果、上部空間の温度が低下する。逆に、開
口面積が増加するように開閉扉9を駆動すると下部空間
への二次空気の流入量が増加し、上部空間からの排気量
が減少して上部空間の温度が上昇する。
に設けられた開閉扉9の開口面積を変えて炉2内に流入
する二次空気の量を変化させる。二次空気の量が変化す
ると上部空間からの排気量が変化するため、上部空間の
温度も変化する。例えば、開口面積が減少するように開
閉扉9を駆動すると、下部空間に流入する二次空気の流
入量が減少して排気口2a付近の圧力が低下する。とこ
ろで、開閉扉11があるため上部空間と排気口2a部分
との間には圧力勾配が生じており、二次空気の流入量が
減少して排気口2a付近の圧力が低下すると上記の圧力
勾配がさらに大きくなり、上部空間からの排気量が増大
する。その結果、上部空間の温度が低下する。逆に、開
口面積が増加するように開閉扉9を駆動すると下部空間
への二次空気の流入量が増加し、上部空間からの排気量
が減少して上部空間の温度が上昇する。
【0022】このように、開閉扉9の開閉を制御して上
部空間の温度を制御することができるが、開閉扉9で制
御しきれないような場合には、開閉扉11の開き具合を
調整して開口面積を変えることにより開閉扉9で制御可
能な状態にすることができる。さらに、開閉扉9および
11を同時に制御することにより、より細かな温度調整
を行うことができる。また、排気管5に堆積物(例え
ば、炉2外へ排気されたシリカ微粒子の堆積物)が付着
すると圧力損失が増加して排気量が減少するが、このよ
うな場合にも開閉扉9,11の開閉度合いを調整するこ
とにより上部空間の温度を最適に保つことができる。
部空間の温度を制御することができるが、開閉扉9で制
御しきれないような場合には、開閉扉11の開き具合を
調整して開口面積を変えることにより開閉扉9で制御可
能な状態にすることができる。さらに、開閉扉9および
11を同時に制御することにより、より細かな温度調整
を行うことができる。また、排気管5に堆積物(例え
ば、炉2外へ排気されたシリカ微粒子の堆積物)が付着
すると圧力損失が増加して排気量が減少するが、このよ
うな場合にも開閉扉9,11の開閉度合いを調整するこ
とにより上部空間の温度を最適に保つことができる。
【0023】例えば、合成開始時は、開閉扉9および1
1をインゴットに接触しない程度の隙間を保って可能な
限り閉じることにより、インゴット合成面の温度を速や
かにかつ少ない燃焼ガスで上昇させることができる。イ
ンゴット合成面付近の温度が融解温度に達する段階で
は、開閉扉11の開閉度を制御してインゴット合成面付
近の温度を一定に保つ。その後、開閉扉11より下部で
は温度が上昇して行くが、屈折率均質性に影響を及ぼす
1000℃にならないように開閉扉9の開閉度を制御し
て二次空気の流入量を調整し、開閉扉11より下部の炉
温が上昇しすぎないようにする。開閉扉11では主に炉
内上部の輻射熱量の制御が行われ、インゴット合成面の
状態の制御は主にこの開閉扉11により行われる。
1をインゴットに接触しない程度の隙間を保って可能な
限り閉じることにより、インゴット合成面の温度を速や
かにかつ少ない燃焼ガスで上昇させることができる。イ
ンゴット合成面付近の温度が融解温度に達する段階で
は、開閉扉11の開閉度を制御してインゴット合成面付
近の温度を一定に保つ。その後、開閉扉11より下部で
は温度が上昇して行くが、屈折率均質性に影響を及ぼす
1000℃にならないように開閉扉9の開閉度を制御し
て二次空気の流入量を調整し、開閉扉11より下部の炉
温が上昇しすぎないようにする。開閉扉11では主に炉
内上部の輻射熱量の制御が行われ、インゴット合成面の
状態の制御は主にこの開閉扉11により行われる。
【0024】なお、二次空気の流量の調整は主に開閉扉
9によって行われ開閉扉11の開閉調整量は少ないの
で、上記のような調整を行ってもインゴット下部4bへ
の熱輻射量の増加は僅かであり、屈折率均質性への影響
はほとんどない。
9によって行われ開閉扉11の開閉調整量は少ないの
で、上記のような調整を行ってもインゴット下部4bへ
の熱輻射量の増加は僅かであり、屈折率均質性への影響
はほとんどない。
【0025】図4は制御装置、第1および第2の可変開
口機構の構成を示すブロック図である。第1の可変開口
機構は開閉扉9および駆動装置10から成り、第2の可
変開口機構は開閉扉11および駆動装置12から成る。
熱電対7a,7bにより測定された炉2の上部空間およ
び下部空間の温度は制御装置13へ送られ、これらの温
度に基づいて開閉扉9,11の開閉が制御装置13によ
り制御される。
口機構の構成を示すブロック図である。第1の可変開口
機構は開閉扉9および駆動装置10から成り、第2の可
変開口機構は開閉扉11および駆動装置12から成る。
熱電対7a,7bにより測定された炉2の上部空間およ
び下部空間の温度は制御装置13へ送られ、これらの温
度に基づいて開閉扉9,11の開閉が制御装置13によ
り制御される。
【0026】上述したように、本実施の形態の製造装置
では、インゴット下部4bに入射する輻射熱を防止する
開閉扉11を設けたので、インゴット4の径方向の屈折
率不均質性を抑制することができる。また、熱電対7a
で測定した上部空間の温度に基づいて開閉扉9,11を
開閉を制御することによって、インゴット4の合成面4
aが含まれる上部空間の温度を最適に保つことができ、
インゴット4の成長方向の脈理を抑制することができ
る。
では、インゴット下部4bに入射する輻射熱を防止する
開閉扉11を設けたので、インゴット4の径方向の屈折
率不均質性を抑制することができる。また、熱電対7a
で測定した上部空間の温度に基づいて開閉扉9,11を
開閉を制御することによって、インゴット4の合成面4
aが含まれる上部空間の温度を最適に保つことができ、
インゴット4の成長方向の脈理を抑制することができ
る。
【0027】なお、上述した装置では、制御装置13を
用いて開閉扉9,11を自動制御したが、マニュアルで
開閉しても良い。
用いて開閉扉9,11を自動制御したが、マニュアルで
開閉しても良い。
【0028】
【実施例】上述した図1に示す石英ガラス製造装置を用
いて、直径350mm,軸方向寸法(図1の上下方向寸
法)1000mmのインゴット4を合成した。開閉扉
9,11はそれぞれ一対の扉から成るが、合成開始時に
はインゴット4の側面と扉との隙間が50mm程度とな
るように位置決めする。各扉とも、この位置を中心に開
方向に60mm、閉方向に60mmの範囲で移動制御し
た。得られたインゴット4の均質性を測定するために、
インゴット下部4bより直径250mm、軸方向寸法4
0mmの試料を作製し、その試料の屈折率均質性Δnを
測定した。屈折率均質性Δnは1.5×10-6でかつ3
方向に脈理のない石英ガラスが得られた。この石英ガラ
スにより作製したレンズの光軸方向の屈折率分布は中央
対称性を有し、かつ非回転対称成分のRMS値が0.0
012λであり、その回転対称成分を2次および4次で
カーブフィッティングした後の残差成分のRMS値が
0.0010λであった。これは光リソグラフィー用投
影レンズの硝材の仕様を充分満たしている。
いて、直径350mm,軸方向寸法(図1の上下方向寸
法)1000mmのインゴット4を合成した。開閉扉
9,11はそれぞれ一対の扉から成るが、合成開始時に
はインゴット4の側面と扉との隙間が50mm程度とな
るように位置決めする。各扉とも、この位置を中心に開
方向に60mm、閉方向に60mmの範囲で移動制御し
た。得られたインゴット4の均質性を測定するために、
インゴット下部4bより直径250mm、軸方向寸法4
0mmの試料を作製し、その試料の屈折率均質性Δnを
測定した。屈折率均質性Δnは1.5×10-6でかつ3
方向に脈理のない石英ガラスが得られた。この石英ガラ
スにより作製したレンズの光軸方向の屈折率分布は中央
対称性を有し、かつ非回転対称成分のRMS値が0.0
012λであり、その回転対称成分を2次および4次で
カーブフィッティングした後の残差成分のRMS値が
0.0010λであった。これは光リソグラフィー用投
影レンズの硝材の仕様を充分満たしている。
【0029】ちなみに、上述した実施例と同一装置で、
開閉扉11を全開にしたままで直径350mm,軸方向
寸法1000mmのインゴット4を合成した場合、すな
わち従来と同様にインゴット下部4bが高温に曝される
ような条件で石英ガラスを合成した場合には、以下のよ
うな結果となった。この場合も、インゴット下部より直
径250mm、軸方向寸法40mmの試料を作製し、そ
の試料の屈折率均質性Δnを測定した。屈折率均質性Δ
nは4×10-6で、3方向に脈理のない石英ガラスが得
られた。しかし、この石英ガラスにより作製したレンズ
の光軸方向の屈折率分布は中央対称性が悪く、また、非
回転対称成分のRMS値が0.0076λで、その回転
対称成分を2次および4次でカーブフィッティングした
後の残差成分のRMS値が0.0118λであった。明
らかに上述した実施例の方が均質性が良いことが分か
る。
開閉扉11を全開にしたままで直径350mm,軸方向
寸法1000mmのインゴット4を合成した場合、すな
わち従来と同様にインゴット下部4bが高温に曝される
ような条件で石英ガラスを合成した場合には、以下のよ
うな結果となった。この場合も、インゴット下部より直
径250mm、軸方向寸法40mmの試料を作製し、そ
の試料の屈折率均質性Δnを測定した。屈折率均質性Δ
nは4×10-6で、3方向に脈理のない石英ガラスが得
られた。しかし、この石英ガラスにより作製したレンズ
の光軸方向の屈折率分布は中央対称性が悪く、また、非
回転対称成分のRMS値が0.0076λで、その回転
対称成分を2次および4次でカーブフィッティングした
後の残差成分のRMS値が0.0118λであった。明
らかに上述した実施例の方が均質性が良いことが分か
る。
【0030】以上説明した実施の形態と特許請求の範囲
の要素との対応において、開閉扉9,および駆動装置1
0は第1の可変開口機構を、開閉扉11,および駆動装
置12は熱遮蔽装置および第2の可変開口機構を、熱電
対7a,7bは温度測定器を、排気管5は排気系をそれ
ぞれ構成する。
の要素との対応において、開閉扉9,および駆動装置1
0は第1の可変開口機構を、開閉扉11,および駆動装
置12は熱遮蔽装置および第2の可変開口機構を、熱電
対7a,7bは温度測定器を、排気管5は排気系をそれ
ぞれ構成する。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱遮蔽装置を炉の底部と最上部との間に設けたので、合
成された石英ガラスインゴットの熱遮蔽装置より底部側
部分に侵入する熱を低減することができ、インゴットが
高温に曝されている時間が従来の装置より減少する。そ
の結果、径方向の屈折率均質性に優れたインゴットを製
造することができる。請求項2の発明では、熱遮蔽装置
を排気口より炉の上部側に配設したので、炉内の熱遮蔽
装置より上部の空間と下部の空間との間の温度勾配を大
きくすることができる。その結果、石英ガラス合成が行
われる上部空間の温度を高温に保ちつつ、既に合成され
た石英ガラスインゴットの周囲温度をより低い温度状態
にすることが可能となり、径方向の屈折率均質性に優れ
たインゴットを製造することができる。請求項3の発明
では、炉内の温度に基づいて第1の可変開口機構の開口
面積を制御するようにしたため、インゴットの合成面が
含まれる空間の温度を最適に保つことが可能となり、イ
ンゴットの成長方向の脈理を抑制することができる。特
に、請求項4では、熱遮蔽装置を開口面積を変えること
ができる第2の可変開口機構で構成し、炉内温度に応じ
て第1および第2の可変開口機構の開口面積をそれぞれ
制御するようにしたため、請求項3の発明による製造装
置と比べてさらに細かな温度制御を行うことができる。
熱遮蔽装置を炉の底部と最上部との間に設けたので、合
成された石英ガラスインゴットの熱遮蔽装置より底部側
部分に侵入する熱を低減することができ、インゴットが
高温に曝されている時間が従来の装置より減少する。そ
の結果、径方向の屈折率均質性に優れたインゴットを製
造することができる。請求項2の発明では、熱遮蔽装置
を排気口より炉の上部側に配設したので、炉内の熱遮蔽
装置より上部の空間と下部の空間との間の温度勾配を大
きくすることができる。その結果、石英ガラス合成が行
われる上部空間の温度を高温に保ちつつ、既に合成され
た石英ガラスインゴットの周囲温度をより低い温度状態
にすることが可能となり、径方向の屈折率均質性に優れ
たインゴットを製造することができる。請求項3の発明
では、炉内の温度に基づいて第1の可変開口機構の開口
面積を制御するようにしたため、インゴットの合成面が
含まれる空間の温度を最適に保つことが可能となり、イ
ンゴットの成長方向の脈理を抑制することができる。特
に、請求項4では、熱遮蔽装置を開口面積を変えること
ができる第2の可変開口機構で構成し、炉内温度に応じ
て第1および第2の可変開口機構の開口面積をそれぞれ
制御するようにしたため、請求項3の発明による製造装
置と比べてさらに細かな温度制御を行うことができる。
【図1】図1は本発明による石英ガラス製造装置の一実
施の形態を示す断面図。
施の形態を示す断面図。
【図2】合成開始時のターゲット3の位置を示す図。
【図3】開閉扉9,11をターゲット1方向から見た図
であり、(a)は開閉扉9,11を開いた状態を示し、
(b)は開閉扉9,11を閉じた状態を示す。
であり、(a)は開閉扉9,11を開いた状態を示し、
(b)は開閉扉9,11を閉じた状態を示す。
【図4】制御装置13、第1および第2の可変開口機構
の構成を示すブロック図。
の構成を示すブロック図。
【符号の説明】 1 バーナー 2 炉 2a 排気口 3 ターゲット 4 インゴット 4a 合成面 4b インゴット下部 5 排気管 6 炉枠 7a,7b 熱電対 8 炉内監視用カメラ 9,11 開閉扉 10,12 駆動装置 13 制御装置
フロントページの続き (72)発明者 神保 宏樹 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 4G014 AH11 5F046 BA04 BA05 CB17
Claims (4)
- 【請求項1】 石英ガラス合成用炉の底部に設けられた
第1の可変開口機構と、 前記第1の可変開口機構の開口部を介して前記炉内に配
設されるインゴット形成用ターゲットと、 前記ターゲットに先端を向けて配設された石英ガラス合
成用バーナーと、 前記炉内の空気を前記炉に設けられた排気口を介して炉
外へ排出する排気系と、 前記炉の底部と最上部との間に設けられ、前記バーナー
からの熱が石英ガラス合成面より下部のインゴット表面
へ侵入するのを阻止する熱遮蔽装置とを備えることを特
徴とする石英ガラス製造装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の石英ガラス製造装置に
おいて、 前記熱遮蔽装置を、前記排気口に関して前記炉の上部側
に配設したことを特徴とする石英ガラス製造装置。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の石英ガラス製
造装置において、 前記炉内の温度を測定する温度測定器と、 前記温度測定器による測定結果に基づいて、前記第1の
可変開口機構の開口面積を制御する制御装置とを設けた
ことを特徴とする石英ガラス製造装置。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載の石英ガラス製
造装置において、 前記熱遮蔽装置を開口面積が変更可能な第2の可変開口
機構で構成するとともに、 前記炉内の温度を測定する温度測定器と、 前記温度測定器による測定結果に基づいて、前記第1お
よび第2の可変開口機構の各開口面積をそれぞれ制御す
る制御装置とを設けたことを特徴とする石英ガラス製造
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10220746A JP2000053434A (ja) | 1998-08-04 | 1998-08-04 | 石英ガラス製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10220746A JP2000053434A (ja) | 1998-08-04 | 1998-08-04 | 石英ガラス製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000053434A true JP2000053434A (ja) | 2000-02-22 |
Family
ID=16755897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10220746A Pending JP2000053434A (ja) | 1998-08-04 | 1998-08-04 | 石英ガラス製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000053434A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200450248Y1 (ko) * | 2008-03-05 | 2010-09-14 | 한국전기안전공사 | 계측용 포터블 케이블 롤러 |
CN105502898A (zh) * | 2016-01-12 | 2016-04-20 | 中国建筑材料科学研究总院 | 熔制石英玻璃的沉积炉 |
CN114702233A (zh) * | 2022-05-12 | 2022-07-05 | 江苏亨芯石英科技有限公司 | 一种石英沉积装置及方法 |
-
1998
- 1998-08-04 JP JP10220746A patent/JP2000053434A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200450248Y1 (ko) * | 2008-03-05 | 2010-09-14 | 한국전기안전공사 | 계측용 포터블 케이블 롤러 |
CN105502898A (zh) * | 2016-01-12 | 2016-04-20 | 中国建筑材料科学研究总院 | 熔制石英玻璃的沉积炉 |
CN105502898B (zh) * | 2016-01-12 | 2018-05-08 | 中国建筑材料科学研究总院 | 熔制石英玻璃的沉积炉 |
CN114702233A (zh) * | 2022-05-12 | 2022-07-05 | 江苏亨芯石英科技有限公司 | 一种石英沉积装置及方法 |
CN114702233B (zh) * | 2022-05-12 | 2023-12-22 | 江苏亨芯石英科技有限公司 | 一种石英沉积装置及方法 |
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