JPH10167735A - 合成石英ガラス製造装置 - Google Patents

合成石英ガラス製造装置

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JPH10167735A
JPH10167735A JP8328284A JP32828496A JPH10167735A JP H10167735 A JPH10167735 A JP H10167735A JP 8328284 A JP8328284 A JP 8328284A JP 32828496 A JP32828496 A JP 32828496A JP H10167735 A JPH10167735 A JP H10167735A
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JP
Japan
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quartz glass
furnace
synthetic quartz
refractory
sio
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JP8328284A
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English (en)
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Michihisa Yamaguchi
倫央 山口
Kazuhiro Nakagawa
和博 中川
Hiroki Jinbo
宏樹 神保
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Original Assignee
Nikon Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/14Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
    • C03B19/1407Deposition reactors therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/14Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
    • C03B19/1484Means for supporting, rotating or translating the article being formed

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質の合成石英ガラスが得られる合成石英
ガラス製造装置の提供。 【解決手段】 合成石英ガラス製造装置の合成炉10の
炉壁を構成する耐火物12は、Al23 を重量比で9
5%以上含有し、グラスライニングにより形成した厚さ
1.1mmのSiO2 の表面層12aを具えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合成石英ガラス
製造装置、特にその耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大規模集積回路(LSI)の高集
積化に伴い、半導体装置の製造において半導体基板等に
集積回路の微細パターンを露光・転写する光リソグラフ
ィーに用いられる光源の短波長化が進んでいる。その結
果、光リソグラフィーに紫外域の光が用いられるように
なった。
【0003】その結果、光リソグラフィーに用いられる
ステッパと呼ばれる露光装置の光学系も、紫外域の光を
透過する材料で構成することが必要となった。特に、露
光装置の光学系は、収差補正のために多数のレンズ等の
光学部材で構成される。このため、光学系全体の透過率
を高くするためには、個々の光学部材には、高い透過率
が要求される。
【0004】紫外域の光の透過率が高い光学材料として
は、石英ガラスが知られている。特に、高い透過率を得
るためには、不純物濃度が低い、高純度の石英ガラスで
あることが必要である。高純度の石英ガラスが得られる
製造方法としては、火炎加水分解法が知られている。
【0005】火炎加水分解法(フレームスプレー法また
は直接法とも称する)では、四塩化ケイ素などの高純度
のケイ素化合物を原料に用いる。そして、この原料を、
製造装置の合成炉内で回転、引き下げを行っているター
ゲット上に、燃焼ガスの酸素水素と共にバーナーから噴
射する。噴射された原料は、酸素水素火炎で加水分解し
て石英ガラス微粒子(スート)を形成する。スートは、
ターゲット上で一気に堆積、溶融、透明化して石英ガラ
スのインゴットを形成する。このようにして得られた石
英ガラスは合成石英ガラスと呼ばれる。
【0006】合成石英ガラス製造装置の合成炉の炉壁を
構成する耐火物には、例えば、Al23 およびSiO
2 を含み、耐火度(SK)が38程度のシリマナイト質
や、Al23 を含み、耐火度(SK)が35〜40の
いわゆる高アルミナ質の材料が用いられている。また、
この他にも種々の耐火物やその製造方法が提案されてお
り、例えば、文献:「特開昭62−36063号公報」
には、「断熱質耐火物の製造方法」が開示されている。
この文献に開示の技術によれば、SiO2 系骨材50〜
95%および金属シリコン5〜50%からなる溶射材を
火炎溶射することによって断熱質耐火物を製造する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ステッパの
光学系に用いる合成石英ガラスには、紫外域の高い透過
性だけでなく、屈折率分布の均質性等、高品質が要求さ
れる。例えば、エキシマレーザを光源とするステッパで
は、光学系の屈折率の均質性として、光軸方向(インゴ
ットの成長方向)の屈折率均質性Δnが4×10-6以下
であることが要求される。ここで、屈折率均質性とは、
インゴットから切り出された円柱形状あるいはこの円柱
形状をさらに加工して得られた光学部材を、光軸方向
(一般にインゴットの成長方向と一致する。)から見た
径方向(光軸方向に直交する。)の屈折率分布(ばらつ
き)をいう。
【0008】さらに、このステッパの光学系に用いる合
成石英ガラスには、光学部材をレンズ形状に加工した
際、光軸方向から見た屈折率分布が光軸を中心とした中
心対称性を有し、さらに波面収差の非回転対称成分のR
MS(二乗平方根)値が例えば0.0040λ以下、あ
るいは波面収差の回転対称成分をパワー(2次)成分補
正し、さらに2次および4次成分補正したときのRMS
値が例えば0.005λ以下といった値が要求される。
【0009】ところが、火炎加水分解法によって合成石
英ガラスを製造する際には、さまざまな条件のゆらぎが
生じる。例えば、熱源としている燃焼ガスの火炎のゆら
ぎによる合成面の温度分布の変化、火炎加水分解反応、
熱分解・熱酸化反応、ガラスへの不純物の拡散状態の変
化といった条件ゆらぎが生じる。尚、合成面とは、バー
ナーから噴射されたスートがインゴットの上部に到達し
て堆積する場所である。
【0010】これらの条件の揺らぎは、結果的に合成石
英ガラス内に脈理とよばれる成長縞やインゴットの径方
向の屈折率の不均質な分布をもたらすことが知られてい
る。このため、条件のゆらぎを抑制して高品質の合成石
英ガラスを製造するための種々の合成条件が研究されて
いる。
【0011】しかしながら、理論的には高品質の合成石
英ガラスが得られる合成条件にもかかわらず、数か月間
にも及ぶ合成石英ガラスの製造においては、製造した合
成石英ガラスの品質にばらつきが生じてしまう。
【0012】このため、この発明の目的は、高品質の合
成石英ガラスの製造が可能な合成石英ガラス製造装置の
提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この出願に係る発明者は
種々の検討および実験を重ねた結果、合成石英ガラスの
合成を開始してから数ケ月が経過すると、合成ガラスの
品質が一層安定して来ることに気がついた。
【0014】そこで、その理由を調べてみると、合成石
英ガラスの合成を開始すると、合成炉の炉壁には、バー
ナーから噴射されたスートのうち、合成石英ガラスのイ
ンゴットに堆積しなかったものが、ガスの流れに沿って
徐々に付着することが分かった。さらに、このスートが
付着した耐火物をX線回折によって分析したところ、使
用開始から1〜2週間程度の短期間では耐火物の極表面
にスートが付着しているだけであるが、使用開始から3
〜4ケ月経過した耐火物では、クリストバライト結晶相
およびムライト結晶相らしきものが、耐火物の内部へ数
mmの深さまで成長していることが分かった。また、S
iO2 の輻射率は、一般に0.7〜0.8程度であり、
Al23 の輻射率0.5〜0.6程度よりも高い。し
たがって、炉壁の内側表面をSiO2 で覆えば、炉壁の
輻射率が向上する。
【0015】そこで、この出願に係る発明者は、合成石
英ガラス製造装置の使用を開始する前から、耐火物の表
面にSiO2 を含有する表面層を設けて、炉壁の輻射率
を高くしておけば、合成石英ガラスの合成面の温度分布
が最適化されて屈折率が均一に分布した高品質の合成石
英ガラスを製造することができると考えた。
【0016】そこで、この発明の合成石英ガラス製造装
置によれば、Al23 を主成分とする耐火物を以って
炉壁が構成された合成炉を有する合成石英ガラス製造装
置において、耐火物は、炉内側の表面にSiO2 を含有
する表面層を有することを特徴とする。
【0017】このように、耐火物を、炉内側の表面に、
SiO2 を含有する表面層を有する耐火物を以って炉壁
を構成することにより、合成炉の使用開始時から炉壁の
保温性および炉壁の輻射率の向上を図ることができる。
その結果、合成石英ガラスの合成面の温度分布を最適化
することができる。このため、この耐火物を以って炉壁
を構成した合成石英ガラス製造装置を用いて合成石英ガ
ラスを製造することにより、屈折率の均質な分布の高品
質の合成石英ガラスが安定して得られる。
【0018】また、表面層のSiO2 の含有率が重量比
で10%以上であることが好ましい。SiO2 の含有率
を10%以上にすれば、輻射率をより高くすることがで
きる。
【0019】ところで、火炎加水分解法で合成石英ガラ
スを製造する際には、合成炉の内部の温度は、1000
℃以上の高温となる。また、開放型の合成炉において
は、スポーリング(熱衝撃)が発生し易い。その上、合
成を開始する際には、合成炉の温度を急激に上昇させ
る。また、合成を終了する際には、製造した合成石英ガ
ラスの失透を防ぐために、合成炉の温度を急激に低下さ
せる。このように、合成石英ガラスは、耐火物にとって
過酷な条件の下で合成される。
【0020】このため、合成炉で繰返し合成石英ガラス
を製造していると、耐火物を構成する表面層とこの表面
層以外の部分(基材)との熱膨張率の違いのため、表面
層が剥離してしまうおそれがある。また、表面層が部分
的に剥離すると、炉内の輻射が均等でなくなる。その結
果、合成面の温度分布が不均一となって、合成石英ガラ
スの品質が低下するおそれがある。このため、耐火物
は、表面層の剥離のおそれの少ない、耐久性の優れたも
のであることが望ましい。
【0021】そこで、この発明の合成石英ガラス製造装
置において、好ましくは、耐火物は、SiO2 の含有率
が炉内側から炉外側に向かって連続的に減少するよう
に、炉内側からSiO2 を含浸してあると良い。
【0022】このように、SiO2 の含有率を炉内側か
ら炉外側に向かって連続的に変化させれば、熱膨張率も
連続的に変化させることができる。このため、表面層の
剥離を抑制して耐久性の優れた合成炉とすることができ
る。その結果、高品質の合成石英ガラスを安定して製造
することができる。尚、この場合は、表面付近のSiO
2 の含有率が比較的高い部分が、表面層に相当する。
【0023】また、この発明の合成石英ガラス製造装置
において、好ましくは、耐火物は、SiO2 の含有率が
炉内側から炉外側に向かって段階的に減少するように積
層された、SiO2 の含有率が互いに異なる複数の層を
以って構成されていると良い。
【0024】このように、耐火物を、SiO2 の含有率
が段階的に減少するように積層された複数の層を以って
構成すれば、隣接する各層間の熱膨張率の差を、単に一
層の表面層を設けただけの場合に比べて小さくすること
ができる。このため、表面層の剥離を抑制して耐久性の
優れた合成炉とすることができる。その結果、高品質の
合成石英ガラスを安定して製造することができる。尚、
この場合は、炉内側の最表面の層またはSiO2 を含有
する炉内側の複数の層が表面層に相当する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の合成石英ガラス製造装置の実施の形態について説明す
る。尚、参照する図面は、この発明が理解できる程度
に、各構成成分の大きさ、形状および配置関係を概略的
に示してあるに過ぎない。従って、この発明は、図示例
にのみ限定されるものではない。また、図では、断面を
表すハッチングを省略して示す。
【0026】(第1の実施の形態)図1を参照して、こ
の発明の合成石英ガラス製造装置の第1の実施の形態に
ついて説明する。図1は、第1の実施の形態の合成石英
ガラス製造装置の説明に供する概略図であり、合成炉部
分の縦断面図である。この合成炉は、縦600mm×横
800mm×高さ800mmの内寸を有する。
【0027】第1の実施の形態においては、合成石英ガ
ラス製造装置の合成炉10の炉壁を構成する耐火物12
は、Al23 を重量比で95%以上含有し、グラスラ
イニング(ガラス溶着)で形成した厚さ1.1mmのS
iO2 の表面層12aを有している。また、この表面層
12aの代わりに石英ガラス板を用いても同様の効果が
得られる。
【0028】そして、この耐火物12で以って炉壁が構
成された合成炉を有する合成石英ガラス製造装置を用い
て火炎加水分解法によって合成石英ガラスを製造した。
この実施の形態の火炎加水分解法においては、原料とし
て、高純度(純度99.995以上で、金属不純物Fe
濃度が10ppb以下、Ni、Cr濃度が2ppb以
下)の四塩化ケイ素を用いる。この原料をキャリアガス
(通常、酸素ガス)で希釈して、バーナー14から流量
30g/分で合成炉内へ噴射する。また、この時の水素
ガス流量は約500slmで、酸素ガス流量と水素ガス
流量との比率を02 /H2 =0.4と設定する。
【0029】バーナー14から噴射した原料は石英ガラ
ス粉(スート)を形成する。そして、このスートを合成
炉10内の直径200mmのターゲット16に堆積し溶
融して石英ガラスを合成する。このターゲット16は、
不透明石英ガラス板からなり、1分間に7回転すると共
に、90秒周期で160mmの移動距離を揺動する。そ
して、このターゲット16を、堆積速度に合わせて1時
間あたり数mmの速度で引き下げることにより、石英ガ
ラスのインゴット18の合成面18aの中心位置をバー
ナーから常に一定距離に保つ。また、この合成では、合
成炉の耐火物から、合成面(積層点)18aまでの距離
を最短で200mmとなるようにして合成した。
【0030】その結果、インゴット18のうちの合成を
開始してから約1ケ月後の位置から切り出した、直径2
00mm×厚さ50mmの寸法の評価用サンプルの品質
は、屈折率均質性Δnが1.8×10-6以下であった。
また、この評価用サンプルをピンホール法で観察したと
ころ、脈理は観察されなかった。
【0031】また、評価用サンプルの屈折率分布は中心
対称性を有し、波面収差の非回転対称成分のRMS(二
乗平均平方根)値は0.0030λ、波面収差の回転対
称成分をパワー(2次)成分補正し、さらに2次および
4次成分補正したときのRMS値は0.0008λであ
った。したがって、この実施の形態の装置において製造
した合成石英ガラスは、前述の紫外域の光を用いる光リ
ソグラフィー投影レンズ用石英ガラスの厳しい仕様を十
分に満たすことが分かった。
【0032】(第2の実施の形態)次に、図2を参照し
て、この発明の合成石英ガラス製造装置の第2の実施の
形態について説明する。図2は、第2の実施の形態の合
成石英ガラス製造装置の説明に供する概略図であり、合
成炉部分の縦断面図である。
【0033】第2の実施の形態においては、合成石英ガ
ラス製造装置の合成炉10の炉壁を重量比でAl23
を95%以上含有する厚さ120mmの耐火物20を以
って構成し、さらに、この耐火物20には、SiO2
含有率が炉内側から炉外側に向かって連続的に減少する
ように、炉内側から重量比で23%のSiO2 を含浸さ
せて焼成してある。SiO2 の含有率は、SiO2 の溶
液に耐火物を漬けておく時間およびSiO2 の溶液の濃
度を適当に調節することにより、比較的容易に調節する
ことができる。尚、図2においては、耐火物中のSiO
2 の分布を耐火物の断面部分に付したドットの密度で模
式的に表している。
【0034】そして、この耐火物20を以って構成され
た合成炉10を有する合成石英ガラス製造装置を用い
て、上記の第1の実施の形態の条件と同じ条件で合成石
英ガラスを製造した。その結果、インゴット18のうち
の合成を開始してから約1ケ月後の位置から切り出した
評価用サンプルの品質は、屈折率均質性Δnが1.5×
10-6以下であった。また、この評価用サンプルをピン
ホール法で観察したところ、脈理は観察されなかった。
【0035】また、この評価用サンプルの屈折率分布は
中心対称性を有し、波面収差の非回転対称成分のRMS
(二乗平均平方根)値は0.0020λ、波面収差の回
転対称成分をパワー(2次)成分補正し、さらに2次お
よび4次成分補正したときのRMS値は0.0018λ
であった。これは、紫外域の光を用いる光リソグラフィ
ー投影レンズに用いる光学ガラスに要求される仕様を十
分に満たすものである。
【0036】このように、SiO2 の含有率を炉内側か
ら炉外側に向かって連続的に変化させれば、熱膨張率も
連続的に変化させることができる。このため、表面層の
剥離を抑制して耐久性の優れた合成炉とすることができ
る。その結果、高品質の合成石英ガラスを安定して製造
することができる。
【0037】(第3の実施の形態)次に、この発明の合
成石英ガラス製造装置の第3の実施の形態について説明
する。第3の実施の形態の合成石英ガラス製造装置の構
成は、図2に示す構成と同様である。
【0038】第3の実施の形態においては、合成石英ガ
ラス製造装置の合成炉の炉壁を重量比でAl23 が実
質100%の厚さ120mmの耐火物を以って構成し、
さらに、この耐火物20には、SiO2 の含有率が炉内
側から炉外側に向かって連続的に減少するように、炉内
側からSiO2 を含浸させて焼成してある。ここでは、
含浸処理により、この耐火物の炉内側の表面である表面
層の組成を、重量比で、Al23 :SiO2 =5:5
に設定した。
【0039】そして、この耐火物を用いた合成炉におい
て、上述の第1の実施の形態と同じ条件で、合成石英ガ
ラスを製造している時の合成面の温度を赤外線カメラを
用いて測定したところ、直径250mmの範囲にわたっ
て、1950〜2050℃の範囲でなだらかな温度分布
をしていることが分かった。
【0040】また、製造した合成石英ガラスから切り出
した評価用サンプルの品質は、200mm以上の直径で
屈折率均質性Δnが1×10-6以下であった。また、こ
の評価用サンプルをピンホール法で観察したところ、脈
理は観察されなかった。
【0041】(比較例)次に、比較例として、SiO2
を含浸させなかった耐火物を用いた合成炉において合成
石英ガラスを製造している時の合成面の温度を測定し
た。尚、比較例では、耐火物に表面層を設けていない点
を除いては、第3の実施の形態と同一の条件で合成石英
ガラスを合成した。そして、合成石英ガラスを製造して
いる時の合成面の温度を測定したところ、比較例では、
直径250mmの範囲にわたって、1850〜2020
℃の範囲で温度が分布しており、特に、周辺部で温度が
低下していることが分かった。
【0042】また、比較例で、製造した合成石英ガラス
から切り出した評価用サンプルの品質は、200mm以
上の直径で屈折率均質性Δnが5×10-6であった。ま
た、この評価用サンプルをピンホール法で観察したとこ
ろ、脈理が観察された。
【0043】この比較例と第3の実施の形態との比較か
ら、耐火物の炉内側の表面にSiO2 を含有する表面層
を設けることによって、高品質の合成石英ガラスを製造
できることが分かる。尚、表面層のSiO2 の含有率を
高くする程、合成炉の炉壁の保温性および輻射率が向上
するため、屈折率均質性Δnのより向上した高品質の合
成石英ガラスを製造することができる。但し、実用上
は、SiO2 の含浸量は、耐火物の重量が20〜25%
増加する程度で十分である。
【0044】(第4の実施の形態)次に、図3を参照し
て、この発明の合成石英ガラス製造装置の第4の実施の
形態について説明する。図3は、第4の実施の形態の合
成石英ガラス製造装置の説明に供する概略図であり、合
成炉部分の縦断面図である。
【0045】第4の実施の形態においては、合成石英ガ
ラス製造装置の合成炉の炉壁を構成する耐火物22を、
SiO2 の含有率が炉内側から炉外側に向かって段階的
に減少するように積層された、SiO2 の含有率が互い
に異なる6つの層を以って構成する。
【0046】耐火物22を構成する6つの層のうちの最
も炉内側の第1層22aは、SiO2 とAl23 とを
90:10の重量比で混ぜた原料で製造する。また、第
1層22aの外側の第2層22bは、SiO2 とAl2
3 とを75:25の重量比で混ぜた原料で製造する。
また、第2層22bの外側の第3層22cは、SiO2
とAl23 とを50:50の重量比で混ぜた原料で製
造する。また、第3層22cの外側の第4層22dは、
SiO2 とAl23 とを25:75の重量比で混ぜた
原料で製造する。また、第4層22dの外側の第5層2
2eは、SiO2 とAl23 とを10:90の重量比
で混ぜた原料で製造する。そして、最も炉外側の第6層
22fは、SiO2 を含まずAl23 のみからなる。
尚、第1層22a〜第5層22eの原料を合計したSi
2 とAl23 との重量比は50:50となる。
【0047】また、表面層に相当する第1層22a〜第
5層22eの厚さはいずれも5mmである。また、第6
層22fの厚さは100mmである。
【0048】そして、この耐火物22を用いた合成炉1
0を有する合成石英ガラス製造装置を用いて、上記の第
1の実施の形態の条件と同じ条件で合成石英ガラスを製
造した。その結果、インゴット18のうちの合成を開始
してから約1ケ月後の位置から切り出した評価用サンプ
ルの品質は、屈折率均質性Δnが1.5×10-6以下で
あった。また、この評価用サンプルをピンホール法で観
察したところ、脈理は観察されなかった。
【0049】また、この評価用サンプルの屈折率分布は
中心対称性を有し、波面収差の非回転対称成分のRMS
(二乗平均平方根)値は0.0020λ、波面収差の回
転対称成分をパワー(2次)成分補正し、さらに2次お
よび4次成分補正したときのRMS値は0.0010λ
であった。これは、紫外域の光を用いる光リソグラフィ
ー投影レンズに用いる光学ガラスに要求される仕様を十
分に満たすものである。
【0050】このように、SiO2 の含有率を炉内側か
ら炉外側に向かって段階的に変化させれば、熱膨張率も
段階的に変化させることができる。このため、表面層の
剥離を抑制して耐久性の優れた合成炉とすることができ
る。その結果、高品質の合成石英ガラスを安定して製造
することができる。
【0051】また、第4の実施の形態では、耐火物の表
面に後から表面層を形成したり、SiO2 を含浸させる
必要がない。このため、第4の実施の形態の場合は、炉
壁の製造コストが、第1〜3の実施の形態の場合の半分
程度となる。
【0052】上述した各実施の形態では、これらの発明
を特定の材料を用い、特定の条件で構成した例について
説明したが、これらの発明は多くの変更および変形を行
うことができる。例えば、上述した実施の形態において
は、特定の原料および条件の下で合成石英ガラスを合成
したが、この発明では、合成石英ガラスの原料や合成条
件はこれに限定されるものではなく、理論的に高品質が
得られる任意好適な原料および条件で合成石英ガラスを
合成することができる。
【0053】また、上述した第4の実施の形態において
は、SiO2 の含有率が炉内側から炉外側に向かって段
階的に単調に減少する構成としたが、この発明では、S
iO2 の含有率は、必ずしも単調に減少する必要はな
い。また、第4の実施の形態では、表面層として5つの
層を設けたが、表面層の層の数および各層のSiO2
含有率は、第4の実施の形態で説明した値に限定する必
要はない。
【0054】
【発明の効果】この発明の合成石英ガラス製造装置によ
れば、耐火物を、炉内側の表面に、SiO2 を含有する
表面層を有する耐火物を以って炉壁を構成することによ
り、合成炉の使用開始時から炉壁の保温性および炉壁の
輻射率の向上を図ることができる。その結果、合成石英
ガラスの合成面の温度分布を最適化することができる。
このため、この耐火物を以って炉壁を構成した合成石英
ガラス製造装置を用いて合成石英ガラスを製造すことに
より、屈折率の均質な分布の高品質の合成石英ガラスが
安定して得られる。
【0055】また、表面層のSiO2 の含有率が重量比
で10%以上であることが好ましい。SiO2 の含有率
を10%以上にすれば、輻射率をより高くすることがで
きる。
【0056】また、SiO2 の含有率を炉内側から炉外
側に向かって連続的に変化させれば、熱膨張率も連続的
に変化させることができる。このため、表面層の剥離を
抑制して耐久性の優れた合成炉とすることができる。そ
の結果、高品質の合成石英ガラスを安定して製造するこ
とができる。尚、この場合は、表面付近のSiO2 の含
有率が比較的高い部分が、表面層に相当する。
【0057】また、SiO2 の含有率が段階的に減少す
るように積層された複数の層を以って耐火物を構成すれ
ば、隣接する各層間の熱膨張率の差を、単に一層の表面
層を設けただけの場合に比べて小さくすることができ
る。このため、表面層の剥離を抑制して耐久性の優れた
合成炉とすることができる。その結果、高品質の合成石
英ガラスを安定して製造することができる。尚、この場
合は、炉内側の最表面の層またはSiO2 を含有する炉
内側の複数の層が表面層に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の合成石英ガラス製造装置の
説明に供する概略図であり、合成炉部分の縦断面図であ
る。
【図2】第2の実施の形態の合成石英ガラス製造装置の
説明に供する概略図であり、合成炉部分の縦断面図であ
る。
【図3】第4の実施の形態の合成石英ガラス製造装置の
説明に供する概略図であり、合成炉部分の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10:合成炉 12:耐火物 14:バーナー 16:ターゲット 18:インゴット 18a:合成面 20:耐火物 22:耐火物 22a:第1層 22b:第2層 22c:第3層 22d:第4層 22e:第5層 22f:第6層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al23 を主成分とする耐火物を以っ
    て炉壁が構成された合成炉を有する合成石英ガラス製造
    装置において、 前記耐火物は、炉内側の表面にSiO2 を含有する表面
    層を有することを特徴とする合成石英ガラス製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の合成石英ガラス製造装
    置において、 前記表面層のSiO2 の含有率が重量比で10%以上で
    あることを特徴とする合成石英ガラス製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の合成石英ガラス製造装
    置において 前記耐火物は、SiO2 の含有率が炉内側から炉外側に
    向かって連続的に減少するように、炉内側からSiO2
    を含浸してなることを特徴とする合成石英ガラス製造装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の合成石英ガラス製造装
    置において、 前記耐火物は、SiO2 の含有率が炉内側から炉外側に
    向かって段階的に減少するように積層された、SiO2
    の含有率が互いに異なる複数の層を以って構成されてな
    ることを特徴とする合成石英ガラス製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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