JP2006265029A - 合成石英ガラスの製造方法、光学部材、露光装置、及び合成石英ガラスの製造装置 - Google Patents
合成石英ガラスの製造方法、光学部材、露光装置、及び合成石英ガラスの製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006265029A JP2006265029A JP2005084825A JP2005084825A JP2006265029A JP 2006265029 A JP2006265029 A JP 2006265029A JP 2005084825 A JP2005084825 A JP 2005084825A JP 2005084825 A JP2005084825 A JP 2005084825A JP 2006265029 A JP2006265029 A JP 2006265029A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- synthetic quartz
- quartz glass
- flame
- deposition
- burner
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B19/00—Other methods of shaping glass
- C03B19/14—Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
- C03B19/1415—Reactant delivery systems
- C03B19/1423—Reactant deposition burners
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2207/00—Glass deposition burners
- C03B2207/40—Mechanical flame shields
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
- Glass Melting And Manufacturing (AREA)
Abstract
【課題】 屈折率や歪みの均質性を容易に区御状させることができる合成石英ガラスの製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】 中空の合成炉10と、合成炉10内にケイ素化合物及び燃焼ガスを噴出させて火炎を形成するバーナ11と、火炎中で生成したガラス微粒子が堆積されることにより凸面形状の堆積面14aを有する堆積中間体14が成長するターゲット12とを備え、堆積面14aの周縁部側の周囲に、火炎の広がりを規制する遮熱部材13を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】 中空の合成炉10と、合成炉10内にケイ素化合物及び燃焼ガスを噴出させて火炎を形成するバーナ11と、火炎中で生成したガラス微粒子が堆積されることにより凸面形状の堆積面14aを有する堆積中間体14が成長するターゲット12とを備え、堆積面14aの周縁部側の周囲に、火炎の広がりを規制する遮熱部材13を設けた。
【選択図】 図1
Description
この発明は、光リソグラフィに代表される紫外線光学系、特にArFエキシマレーザ(波長193nm)リソグラフィ、F2レーザ(波長157nm)リソグラフィ
などの波長200nm以下の真空紫外波長域の光を用いる光学系等に使用される合成石英ガラスの製造方法、その製造方法により得られた合成石英ガラスを用いた光学部材、その光学部材を用いた露光装置、及び、その製造方法に使用する製造装置に関する。
などの波長200nm以下の真空紫外波長域の光を用いる光学系等に使用される合成石英ガラスの製造方法、その製造方法により得られた合成石英ガラスを用いた光学部材、その光学部材を用いた露光装置、及び、その製造方法に使用する製造装置に関する。
従来、シリコン等のウエハ上に集積回路の微細パターンを露光、転写する光リソグラフィ技術においては、ステッパと呼ばれる露光装置が用いられている。このステッパの光源は、近年のLSIの高集積化に伴って、g線(波長436nm)からi線(波長365nm)、更にはKrFエキシマレーザ(波長248nm)やArFエキシマレーザ(波長193nm)へと短波長化が進められている。
一般に、ステッパの照明系或いは投影系のレンズに用いられる光学部材としては、i線よりも短い波長領域での高透過率および耐紫外線性が要求されることから、合成石英ガラスが用いられている。
このようなステッパの光学系に用いられる石英ガラスには、紫外光の高透過性と屈折率の高均質性が要求されている。例えば、光リソグラフィ用の投影レンズ硝材としての合成石英ガラスは、3方向に脈理が無く、光軸方向の屈折率均質性Δnが4×10−5以下、且つ、レンズの光軸方向の屈折率分布が中央対称性を有し、非回転対称成分のRMS値が0.0050λ以下、その回転対称成分を2・4次でカーブフィッティングしたのち残差成分のRMS値が0.0050λ以下、且つ、歪の最大値と最小値の差が2.0nm/cm以下であることが要求されている。
このような合成石英ガラスの製造方法としては、例えば、酸水素バーナからの火炎中で、四塩化珪素(SiCl4)等の珪素化合物からなる気体原料を加水分解させてガラス微粒子を生成させて堆積成長させる方法が知られている。
直径200mmを越える大口径の光学用合成石英ガラスを製造する方法として、堆積成長させる際に、ターゲット温度をガラス溶融温度以上になるようにバーナ火力を上げることにより単一工程でガラス化させる直接法と、低温で堆積成長させることにより、ガラス微粒子の集合体(以下、スート体と称す。)を一旦得て、その後、電気加熱炉等でガラス化温度以上に加熱して透明化させるなどによりガラス化させるVAD(Vapor PhaseAxial Deposition)法とが主流となっている。
直径200mmを越える大口径の光学用合成石英ガラスを製造する方法として、堆積成長させる際に、ターゲット温度をガラス溶融温度以上になるようにバーナ火力を上げることにより単一工程でガラス化させる直接法と、低温で堆積成長させることにより、ガラス微粒子の集合体(以下、スート体と称す。)を一旦得て、その後、電気加熱炉等でガラス化温度以上に加熱して透明化させるなどによりガラス化させるVAD(Vapor PhaseAxial Deposition)法とが主流となっている。
直接法により得られる合成石英ガラスの屈折率の均質性は、ターゲット上にインゴットが形成されるときのインゴットの径方向の温度分布に依存すると考えられている。そのため、堆積成長させる際、ターゲットを回転させると共に、インゴットの堆積面の温度分布を計測し、計測結果に応じてバーナとインゴットとを相対的に平面移動させることにより、屈折率の均質性を最適化するようにした合成石英ガラスの製造方法が提案されている(下記特許文献1参照)。このような装置によれば、屈折率の均質性を良化するような温度分布を形成し、その結果として均質性が向上した合成石英ガラスを得ることができる。
一方、VAD法による製造方法でも、堆積成長の際における堆積面の温度分布の影響を考慮し、ターゲットをバーナに対して揺動させることが行われているが、スート体を透明化させる工程での処理条件も屈折率の均質性を決定する上で重要であることが知られている。
特開平6−234531号公報
しかしながら、屈折率や歪みの均質性を得るために、堆積面の温度分布を計測してバーナと堆積面とを相対移動させる場合、立体的な形状の堆積面に対して平面方向の相対移動により温度分布を均一化させるため、複雑な制御が必要となり、手間が掛り易く、簡単に温度分布を均一化させることはできなかった。特に、VAD法では、ターゲットをバーナに対して揺動させ、或いは、透明化させる工程の処理条件を選択しても、所望の屈折率や歪みの均質性を得ることは極めて困難であった。 そこで、この発明では、屈折率や歪みの均質性を容易に向上させることができる合成石英ガラスの製造方法を提供すると共に、その製造方法に適した製造装置を提供することを課題とし、更に、屈折率や歪みの均質性がより向上された光学部材やそれを用いた露光装置を提供することを他の課題とする。
本発明者らは、屈折率や歪みの均質性を向上させるためには、スート体の形成過程における堆積面の温度の動径分布の均質性が大きく影響すること、特に、VAD法においては、スート体を透明化させる工程での処理条件が均質性を決定する上で重要ではあるものの、スート体の形成過程における堆積面の温度の動径分布がより支配的に影響することを見い出し、この発明をするに至った。
即ち、スート体の形成過程では、堆積面が立体的な形状を有するため、堆積面のバーナからの距離が離れた部分の温度がバーナにより近接した部分の温度に比べて低くなり易く、温度の動径分布が不均一になり易い。そのため、このような温度の低い部分の温度を上昇させることにより堆積面全体の温度分布の均一性を向上することにより、合成石英ガラスの屈折率や歪みの均質性を向上させた。
そこで、請求項1に記載の製造方法は、ケイ素化合物を火炎中で加水分解させてガラス微粒子を生成させると共に、該ガラス微粒子を堆積させ、凸面形状の堆積面を有する堆積中間体を成長させることにより、スート体を形成して合成石英ガラスを製造する方法において、前記堆積面の周縁部側の周囲に遮熱手段を設け、該遮熱手段により、外側に広がる火炎を規制しつつ、前記堆積面にガラス微粒子を堆積させることを特徴とする。
請求項2に記載の製造方法は、請求項1に記載の構成に加え、前記火炎を上方に向けて噴出させて該火炎の上方に前記堆積中間体を形成することを特徴とする。
請求項3に記載の光学素子は、請求項1又は2に記載の製造方法により製造された前記合成石英ガラスを所定形状に成形したことを特徴とする。
請求項4に記載の露光装置は、請求項3に記載の光学素子を照明光学系及び/又は投影光学系に備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の製造装置は、中空の合成炉と、該合成炉内にケイ素化合物及び燃焼ガスを噴出させて火炎を形成するバーナと、前記火炎中で生成したガラス微粒子が堆積されて凸面形状の堆積面を有する堆積中間体が形成されるターゲットとを備えた合成石英ガラスの製造装置において、前記堆積面の周縁部側の周囲に、前記火炎の外側への広がりを規制する遮熱部材を設けたことを特徴とする。
請求項6に記載の製造装置は、請求項5に記載の構成に加え、前記遮熱部材が、堆積中間体の堆積面の突出方向に向けて拡開するように傾斜して設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の製造装置は、請求項5又は6に記載の構成に加え、前記バーナと前記遮熱部材とが一定の位置関係にあり、該バーナ及び前記遮熱部材と前記ターゲットとの間の相対距離が前記堆積中間体の成長に対応して増加するように構成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の製造装置は、請求項5乃至7の何れか一つに記載の構成に加え、前記バーナの中心軸が、前記ターゲットの回転軸に対して傾斜して設けられ、前記バーナと前記ターゲットとが相対回転可能に設けられていることを特徴とする。
請求項9に記載の製造装置は、請求項5乃至8の何れか一つに記載の構成に加え、前記遮熱部材の前記バーナ側の表面に対して相対移動することにより、付着したガラス微粒子を除去するワイパーを設けたことを特徴とする。
請求項1に記載の合成石英ガラスの製造方法によれば、ケイ素化合物を火炎中で加水分解させてガラス微粒子を生成させると共に、このガラス微粒子を堆積させ、凸面形状の堆積面を有する堆積中間体を成長させることによりスート体を形成して合成石英ガラスを製造する方法において、堆積面の周縁部側の周囲に遮熱手段を設け、遮熱手段により、外側に広がる火炎を規制しつつ、堆積面にガラス微粒子を堆積させたため、堆積面の凸面形状に起因して、頂部側より温度が低くなり易い周縁部側の温度を上昇させることができ、堆積面の頂部側から周縁部までの間の温度の動径分布を小さく抑え易く、屈折率や歪みの均質性を向上させ易い。
請求項2に記載の合成石英ガラスの製造方法によれば、火炎を上方に向けて噴出させて火炎の上方に堆積中間体を形成するので、凸面形状を有する堆積面を下向きに形成することができ、堆積面の周縁部側の周囲で火炎の広りを規制することにより、火炎による熱を堆積面の周縁部側により滞留させ易く、周縁部側の温度をより上昇させ易くすることができる。
請求項3に記載の光学素子によれば、請求項1又は2に記載の製造方法により製造された合成石英ガラスを所定形状に成形したので、屈折率や歪みの均質性が高く、200nm以下の波長領域においても好適に使用可能な優れた光学性能を有する光学素子を提供することができる。
請求項4に記載の露光装置によれば、請求項3に記載の均質性が高く、優れた光学性能を有する光学素子を照明光学系及び/又は投影光学系に備えているので、200nm以下の波長領域で用いて高精度に露光することが可能な露光装置を提供することができる。
請求項5に記載の合成石英ガラスの製造装置によれば、バーナの火炎中でガラス微粒子を生成させて、このガラス微粒子を堆積させ、ターゲットに凸面形状の堆積面を有する堆積中間体を成長させる際、堆積面の周縁部側の周囲に、火炎の外部への広がりを規制する遮熱部材が設けられているので、バーナからの火炎により堆積面の周縁部側を加熱し易い。そのため、堆積面の凸面形状に起因して、頂部側より温度が低くなり易い周縁部側の温度を上昇させることができ、堆積面の頂部から縁部までの間の温度の動径分布を小さく抑え易く、屈折率や歪みの均質性を向上させ易い。
請求項6に記載の合成石英ガラスの製造装置によれば、遮熱部材が、堆積中間体の堆積面の突出方向に向けて拡開するように傾斜して設けられているので、堆積面の周囲の火炎を堆積面の周縁部側に集めることができ、堆積面の周縁部側を火炎により更に加熱し易い。
請求項7に記載の合成石英ガラスの製造装置によれば、バーナ及び遮熱部材とターゲットとの間の回転軸に沿う距離が堆積中間体の成長に対応して増加するように構成されているので、堆積中間体が成長しても、堆積面に対してバーナ及び遮熱部材の位置を一定の関係に維持し易い。そのため、スート体の全長に渡り、堆積面の周縁部側を火炎により加熱し易く、堆積面の頂部から縁部までの間の温度の動径分布をより小さく抑え易い。
請求項8に記載の合成石英ガラスの製造装置によれば、前記バーナの中心軸が、前記ターゲットの回転軸に対して傾斜して設けられ、前記バーナと前記ターゲットとが相対回転可能に設けられているので、凸面形状の堆積面に斜めに火炎を供給することにより、周縁部から中央部に渡る広い範囲に火炎を供給し易く、その状態で回動させることにより、堆積面の全周に渡って温度の動径分布を均一化し易い。
請求項9に記載の合成石英ガラスの製造装置によれば、遮熱部材のバーナ側の表面に対して相対移動することにより、付着したガラス微粒子を除去するワイパーを設けたので、遮熱部材と堆積面とを近接配置させても、遮熱部材に付着したガラス微粒子が堆積面に接触することを防止でき、遮熱部材と堆積面とを近接配置し易い。
以下、この発明の実施の形態を図を用いて説明する。
[発明の実施の形態1]
[発明の実施の形態1]
図1は、VAD法による実施の形態1の製造方法により合成石英ガラスを製造する際に用いる製造装置を示す。
図において符号10は中空の合成炉であり、合成炉10内の下方には、斜め上方に向けてバーナ11が配設されると共に、この炉10内の上方には、ターゲット12が回転可能に設けられ、バーナ11より上方の所定位置には、ターゲット12の回転軸O1と同軸となるように平板リング形状の遮熱部材13が略水平に配置されている。
より詳しくは、バーナ11は、中心軸O2が、ターゲット12の回転軸O1に対して傾斜して設けられ、バーナ11とターゲット12とが相対回転可能に設けられている。このバーナ11は、多数の筒状体を同軸に配置した多重管構造を有し、内外に同心円状に各管が配置されており、それぞれの噴出口から斜め上方に四塩化ケイ素等のケイ素化合物を含有する原料ガス、並びに酸素等の支燃性ガス及び水素等の可燃性ガスからなる燃焼ガスを噴出させることにより、斜め上方に向けて火炎が形成されるように構成されている。なお、バーナ11の中心軸O2とターゲット12の回転軸O1のなす角は40度〜50度の間とすることが好ましい。
また、ターゲット12は、高純度石英ガラスの棒材からなり、バーナ11からの火炎中で生成されたガラス微粒子が堆積可能となっている。成長中の堆積中間体14がターゲット12から抜け落ちないように、ターゲット12の先端部は棒状部よりも直径を大きくしておくことが好ましく、例えば前記棒材よりも直径が大きい高純度石英ガラス球を、棒材先端に溶接しておくことが有効である。
ここでは、回転しているターゲット12にガラス微粒子が堆積しつつバーナ11からの火炎で加熱されることにより、下向きに突出した凸面形状の堆積面14aを備えた略円柱形状の堆積中間体14が形成され、下向きに所定量成長することによりスート体が形成されるようになっている。
この装置では、堆積中間体14の成長に対応して、ターゲット12が引き上げられるように構成されているため、スート体が形成されるまでの間、堆積中間体14の堆積面14aが合成炉10内の略一定の位置に維持されるようになっている。
そして、遮熱部材13は、形成された堆積中間体14の凸面形状の堆積面14a周囲であって、遮熱部材13の上下方向の位置が、堆積中間体14の凸面形状の堆積面14aと側面14bとの境界部分に配置されている。
この遮熱部材13は、図示省略のステー等により合成炉10に固定されており、バーナ11からの距離が一定に保たれるように構成されている。ここでは、堆積中間体14の成長に対応してターゲット12が引き上げられることにより、堆積中間体14の堆積面14aとバーナ11及び遮熱部材13との位置関係が一定に保たれるようになっている。
この遮熱部材13は、バーナ11から上昇する火炎の外側への広がりを規制することができる。これにより、遮熱部材13付近における堆積面14aの加熱量を増加させることができる。
また、遮熱部材13の内周縁と堆積面14aとの間の間隔は狭い程好ましく、形成される堆積中間体14に応じて適宜調整されるが、遮熱部材13の内周縁と、この遮熱部材13が配置される位置における堆積面14aとの間の間隔を、遮熱部材13が堆積面14aに衝突する恐れが無く、かつ火炎の広がりを十分規制できるように設定するのが好ましく、通常は10mmないし20mmとするのが良い。
さらに、遮熱部材13の内周縁と外周縁との間の幅は、バーナ11からの火炎の上方への広がりを規制するのに十分な幅とするのが好ましく、例えば、目的とするスート体の最大径の1/4〜1/2の幅とするのが好ましい。なお、このような遮熱部材13は、例えばガラス繊維製の耐火ボードなどの材料により形成することができ、機械的強度を保つためには直接火炎が当たらない部位にステンレス製補強材等を配置することも可能である。
次に、このような構成を有する製造装置を用い、VAD法により合成石英ガラスを製造する方法について説明する。
まず、合成炉10内で、SiCl4等のケイ素化合物を含有する原料ガスと、酸素及び水素等の燃焼ガスとをバーナ11から噴出させ、ケイ素化合物を加水分解せしめてガラス微粒子を生成させ、このガラス微粒子をターゲット12に堆積させる。この火炎の温度は、400℃以上1000℃以下とするのが好ましい、
この火炎を斜め上方に向けて噴出させることにより、ガラス微粒子をターゲット12に堆積させつつ、その火炎により加熱することにより、凸面形状の堆積面14aを有する多孔質ガラスからなる堆積中間体14を成長させる。
この堆積中間体14の成長過程においては、バーナ11から各ガスを堆積面14aに斜めに向けて噴出させることにより、堆積面14aの頂部側から側周面までのより広い範囲に火炎を供給する。これと共に、堆積中間体14が回転しているため、堆積中間体14の広い範囲に火炎を供給する。このとき、堆積中間体14は2rpm〜20rpm程度の回転速度で回転されるのが好ましい。
このとき、遮熱部材が13が堆積面14の周囲に配置されているため、バーナ11から上昇するに従って広がる火炎を強制的に規制できる。そのため、凸面形状を呈する堆積面14aにおいて、バーナ11からの距離が遠くなる堆積面14aの周縁側の温度が低下するのを抑制でき、堆積面14aの動径方向の温度の動径分布が均一化される。
これにより、例えば、遮熱部材13を設けない他は、全く同一の構成を有する製造装置では、温度分布の幅が150℃程度であったとしても、堆積板14により75℃以下と半分以下に抑制でき、動径方向の温度分布を小さくすることができる。 このようにして、堆積中間体14を所定量まで成長させることにより、多孔質ガラスからなるスート体を形成する。
次に、このスート体を真空雰囲気中で400℃以上1200℃以下で2〜10時間加熱処理することにより脱水処理を行い、次いで、真空もしくは不活性ガス雰囲気中で1300℃以上1600℃以下の温度で2〜10時間加熱処理することにより透明化処理し、合成石英ガラスを製造する。
その後、所望の形状に加工して光学素子とする。
以上のような製造装置を用いた合成石英ガラスの製造方法によれば、ターゲット12に凸面形状の堆積面14aを有する堆積中間体14を成長させる際、堆積面14aの周縁部側の周囲に、遮熱部材13が設けられて火炎の広がりが規制されているので、火炎により堆積面14aの周縁部側を加熱し易い。そのため、堆積面14aの凸面形状に起因して、頂部に比べて温度が低くなり易い周縁部側の温度を上昇させることができ、堆積面14aの頂部から周縁部までの間の温度の動径分布の幅を小さく抑え易く、屈折率や歪みの均質性を向上させ易い。
このとき、火炎を上方に向けて噴出させて火炎の上方に堆積中間体14を形成するので、堆積面14aの周縁部側の周囲で火炎が外側に広がるのを規制することにより、火炎による熱が堆積面14aの周縁部側により滞留し易く、周縁部側の温度をより上昇させ易い。
また、バーナ11及び遮熱部材13とターゲット12との間の回転軸O1に沿う距離が成長量に対応して増加するように構成されているので、堆積中間体14が成長しても、堆積面14aに対してバーナ11及び遮熱部材13の位置を一定に維持することができる。そのため、スート体の全長に渡り、堆積面14aの周縁部側を火炎により加熱し易く、堆積面14aの温度分布の幅を更に小さく抑え易い。
さらに、ここでは、バーナ11の中心軸O2がターゲット12の回転軸O1に対して傾斜すると共に、バーナ11とターゲット12とが相対回転可能に設けられているので、堆積面14aの頂部から周縁部側までのより広い範囲の温度分布を火炎により均一化し易いと共に、堆積面14aの全周に渡って温度分布を均一化し易い。 そして、このようにして製造された合成石英ガラスから所定形状に形成された光学素子では、屈折率や歪みの均質性が高いため、200nm以下の波長領域に好適に使用可能な優れた光学性能を有する。
次に、この光学素子を用いた露光装置について、図2を用いて説明する。
この露光装置30は、少なくともエキシマレーザ等を露光光として供給するための光源31、この露光光をマスクRに供給するための照明光学系32、マスクRのパターンのイメージを被露光基板W上に投影するための投影光学系33を含んでいる。
照明光学系32は、マスクRと被露光基板Wとの間の相対位置を調節するためのアライメント光学系34を含んでいる。マスクRは、マスク交換系35により位置が制御されるマスクステージ36に配置されている。被露光基板Wは、ステージ制御系37により位置が制御されるウェハーステージ38に配置されている。さらに、光源31、アライメント光学系34、マスク交換系35、ステージ制御系37は、は、主制御部39によって制御されている。
このような露光装置30では、詳細な図示は省略されているが、多数の光学素子が、照明光学系32及び/または投影光学系33に配置されている。そして、これらの多数の光学素子のより多くに前記のようにして製造された合成石英ガラスからなる光学素子が用いられている。
このような露光装置30によれば、照明光学系32及び/または投影光学系33を構成する光学素子として、均質性が高くて優れた光学性能を有する光学素子を照明光学系及び/又は投影光学系に備えているので、200nm以下の波長領域で使用して高精度に露光することが可能である。
[発明の実施の形態2]
[発明の実施の形態2]
図3は、VAD法による実施の形態2の製造方法により合成石英ガラスを製造する製造装置を示す。
この実施の形態2の合成石英ガラスの製造装置は、合成炉10及びバーナ11は実施の形態1と同様であり、所定の遮熱部材15を有する遮熱機構20が設けられている点で相違している。
この遮熱機構20は、略リング状の遮熱部材15と、この遮熱部材15を支持する支持部16と、遮熱部材15及び支持部16をターゲット12の回転軸O1と同軸に回転駆動させる駆動部17とを備えている。
遮熱部材15は、堆積中間体14の堆積面14aの突出方向に拡開するように傾斜し、いわゆるスカート形状を呈しており、断面が湾曲した形状に形成され、ターゲット12の回転軸O1と同軸に、且つ、略水平に配置されている。これにより、堆積中間体14の下端が回転軸O1から離間し、上方に向かうに従って徐々に接近するように形成されている。
そして、このような形状を有する遮熱部材15は、内周縁(上端縁)が堆積中間体14の堆積面14aの周縁部に接近するように配置されている。ここでは、遮熱部材13と堆積面14aとの間の間隔や、遮熱部材13の幅は実施の形態1と同様であってもよい。
この遮熱部材15を支持する支持部16は、周方向に複数個所設けられた脚部17を有し、この複数の脚部17が下方に設けられた環状の回転台18に固定されている。この回転台18の側周面全周にはギヤが設けられており、回転駆動モータ19のピニオンギヤ19aが噛合されている。ここでは、回転駆動モータ19の駆動により、遮熱部材15が回動可能になっている。
さらに、遮熱部材15の内面(バーナ11側の表面)に対向するように、ワイパー21が固定して設けられている。このワイパー21はバーナ11からの火炎に対して耐熱性を有する、ガラス繊維製の耐火ボード等の材料からなり、遮熱部材15の下面形状に対応した湾曲形状に形成されており、遮熱部材15が回転することにより、相対移動して、遮熱部材15の下面に付着したガラス微粒子を除去するように構成されている。
このような製造装置においても、実施の形態1と同様の効果が得られる上、遮熱部材15が、堆積中間体14の堆積面14a突出方向に拡開するように傾斜しているので、堆積面14aの周囲の火炎を堆積面14aの周縁部側により案内し易くでき、堆積面14aの周縁部側を火炎により一層加熱し易い。
ここでは、遮熱部材15のバーナ11側の表面に対して相対移動することにより、付着したガラス微粒子を除去するワイパー21を設けたので、遮熱部材15と堆積面14aに接触するようなことを防止できる。そのため、遮熱部材15を堆積面14aに近接して配置し易い。
[実施例1]
図1に示す製造装置を用いて 、VAD法により合成石英ガラスを製造した。
図1に示す製造装置を用いて 、VAD法により合成石英ガラスを製造した。
バーナ11として、5重管構造を有するリングバーナを用いた。
各管からは表1に示す条件で各ガスを噴出させ、酸水素火炎を形成し、火炎中で4塩化ケイ素を加水分解せしめてガラス微粒子を生成させ、ターゲット12に堆積させて堆積中間体14を形成及び成長させることにより、直径180mm、長さ500mmの多孔質ガラスからなるスート体を20時間で合成した(第一工程)。
この合成では、堆積中間体14の堆積面14aのみが火炎に対して露出し、かつ遮熱部材13の内周縁と堆積面14aとの間隔が10〜15mmの範囲に維持されるように、炉内を観察しながらターゲット12の引き上げ速度を制御した。バーナ11の中心軸O2とターゲット12の回転軸O1のなす角は45度とした。
次に、表2の条件下で、得られたスート体に脱水処理を施し、(第2工程)、続いて透明化処理を行い(第3工程)、合成石英ガラスを得た。更に、得られた合成石英ガラスを切断した後、アニール処理を行って(第4工程)サンプル素体を作成した。このサンプル素体を研削・研磨し、直径80mm、厚さ30mmのサンプルを作成した。
このようにして得られたサンプルを、干渉計を用いて屈折率均質性を測定したところ、光軸方向の屈折率均質性Δnが3.2×10−6、光軸方向の屈折率分布の非回転対称成分RMS値が0.0043λ、その回転対称成分を2・4次でカーブフィッティングしたのちの残差成分のRMS値が0.0039λであった。
[比較例1]
[比較例1]
遮熱部材13を装着しない他は、実施例1と同一の製造装置を用い、実施例1と同一工程によりサンプルを作成した。
得られたサンプルを、実施例1と同一条件下で、干渉計を用いて屈折率均質性を測定したところ、光軸方向の屈折率均質性Δnが1.9×10−6、光軸方向の屈折率分布の非回転対称成分のRMS値が0.0027λ、その回転対称成分を2・4次でカーブフィッティングしたのちの残差成分のRMS値が0.0022λであった。
11 バーナ
12 ターゲット
13、15 遮熱部材
14 堆積中間体
14a 堆積面
12 ターゲット
13、15 遮熱部材
14 堆積中間体
14a 堆積面
Claims (9)
- ケイ素化合物を火炎中で加水分解させてガラス微粒子を生成させると共に、該ガラス微粒子を堆積させ、凸面形状の堆積面を有する堆積中間体を成長させることによりスート体を形成して合成石英ガラスを製造する方法において、
前記堆積面の周縁部側の周囲に遮熱手段を設け、該遮熱手段により、外側に広がる火炎を規制しつつ、前記堆積面にガラス微粒子を堆積させることを特徴とする合成石英ガラスの製造方法。 - 前記火炎を上方に向けて噴出させて該火炎の上方に前記堆積中間体を形成することを特徴とする請求項1に記載の合成石英ガラスの製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法により製造された前記合成石英ガラスを所定形状に成形したことを特徴とする光学素子。
- 請求項3に記載の光学素子を照明光学系及び/又は投影光学系に備えたことを特徴とする露光装置。
- 中空の合成炉と、該合成炉内にケイ素化合物及び燃焼ガスを噴出させて火炎を形成するバーナと、前記火炎中で生成したガラス微粒子が堆積されて凸面形状の堆積面を有する堆積中間体が形成されるターゲットとを備えた合成石英ガラスの製造装置において、
前記堆積面の周縁部側の周囲に、前記火炎の外側への広がりを規制する遮熱部材を設けたことを特徴とする合成石英ガラスの製造装置。 - 前記遮熱部材が、前記凸面形状の堆積中間体の堆積面の突出方向に向けて拡開するように傾斜して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の合成石英ガラスの製造装置。
- 前記バーナと前記遮熱部材とが一定の位置関係にあり、該バーナ及び前記遮熱部材と前記ターゲットとの間の相対距離が前記堆積中間体の成長に対応して増加するように構成されたことを特徴とする請求項5又は6に記載の合成石英ガラスの製造装置。
- 前記バーナの中心軸が、前記ターゲットの回転軸に対して傾斜して設けられ、前記バーナと前記ターゲットが相対回転可能に設けられていることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一つに記載の合成石英ガラスの製造装置。
- 前記遮熱部材の前記バーナ側の表面に対して相対移動することにより、付着したガラス微粒子を除去するワイパーを設けたことを特徴とする請求項5乃至8の何れか一つに記載の合成石英ガラスの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005084825A JP2006265029A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 合成石英ガラスの製造方法、光学部材、露光装置、及び合成石英ガラスの製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005084825A JP2006265029A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 合成石英ガラスの製造方法、光学部材、露光装置、及び合成石英ガラスの製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006265029A true JP2006265029A (ja) | 2006-10-05 |
Family
ID=37201376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005084825A Pending JP2006265029A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 合成石英ガラスの製造方法、光学部材、露光装置、及び合成石英ガラスの製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006265029A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103214180A (zh) * | 2012-01-19 | 2013-07-24 | 信越化学工业株式会社 | 多孔质玻璃母材的热屏蔽构件及烧结方法 |
JP2014062022A (ja) * | 2012-09-24 | 2014-04-10 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ガラス微粒子堆積体の製造方法およびガラス母材の製造方法 |
-
2005
- 2005-03-23 JP JP2005084825A patent/JP2006265029A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103214180A (zh) * | 2012-01-19 | 2013-07-24 | 信越化学工业株式会社 | 多孔质玻璃母材的热屏蔽构件及烧结方法 |
JP2013147379A (ja) * | 2012-01-19 | 2013-08-01 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | 多孔質ガラス母材の遮熱部材および焼結方法 |
US9382148B2 (en) | 2012-01-19 | 2016-07-05 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Porous glass base material thermal insulating member and sintering method |
JP2014062022A (ja) * | 2012-09-24 | 2014-04-10 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ガラス微粒子堆積体の製造方法およびガラス母材の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8650912B2 (en) | Burner and method for the manufacture of synthetic quartz glass | |
JP3064857B2 (ja) | 光リソグラフィー用光学部材および合成石英ガラスの製造方法 | |
KR101513310B1 (ko) | 티타니아 도핑 석영 유리 부재 및 그의 제조 방법 | |
US20080141717A1 (en) | Burner for the Manufacture of Synthetic Quartz Glass | |
JP2588447B2 (ja) | エキシマレーザー用石英ガラス部材の製造方法 | |
EP1897859B1 (en) | Manufacture of synthetic quartz glass ingot | |
JP2814867B2 (ja) | 石英ガラスの製造方法 | |
JP2001010833A (ja) | 石英ガラス部材 | |
JP2006265029A (ja) | 合成石英ガラスの製造方法、光学部材、露光装置、及び合成石英ガラスの製造装置 | |
JP5304720B2 (ja) | 合成石英ガラスインゴット及び合成石英ガラス部材の製造方法 | |
KR101492663B1 (ko) | 황을 공첨가한 티타니아 도핑 석영 유리 부재 및 그의 제조 방법 | |
JP2004339050A (ja) | ドープ石英ガラスのガラス体を製造するための火炎加水分解法 | |
JP5252258B2 (ja) | 合成石英ガラス母材の製造装置及びそれを用いた合成石英ガラス母材の製造方法 | |
JP4438948B2 (ja) | 合成石英ガラス製造用バーナー及び合成石英ガラスインゴットの製造方法 | |
JP2814866B2 (ja) | 石英ガラスの製造方法 | |
JP2011256069A (ja) | ターゲット棒、多孔質ガラス母材の製造装置、多孔質ガラス母材の製造方法及びガラス部材の製造方法 | |
JP5609050B2 (ja) | 合成石英ガラス母材の製造方法及び合成石英ガラス母材 | |
JPH10167735A (ja) | 合成石英ガラス製造装置 | |
JP2006240926A (ja) | 合成石英ガラスの製造装置及び合成石英ガラスインゴット | |
JP5939682B2 (ja) | 合成石英ガラススート体の製造方法及び透明合成石英ガラスインゴットの製造方法 | |
KR101553657B1 (ko) | 석영유리 잉곳 제조용 버너 이송장치 | |
KR20140012053A (ko) | 티타니아를 함유하는 실리카 유리체의 제조 방법 및 티타니아를 함유하는 실리카 유리체 | |
JP2005132680A (ja) | 石英多孔質体の製造方法、石英ガラス母材の製造方法、石英ガラス母材 | |
JPH10279321A (ja) | リソグラフィー用石英ガラスレンズの製造方法 | |
JP2006083023A (ja) | 合成石英ガラスの製造装置及び製造方法、合成石英ガラス、並びに露光装置 |