JP2000281358A - 合成石英ガラスの製造方法、製造装置、および合成石英ガラス - Google Patents

合成石英ガラスの製造方法、製造装置、および合成石英ガラス

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JP2000281358A
JP2000281358A JP11092109A JP9210999A JP2000281358A JP 2000281358 A JP2000281358 A JP 2000281358A JP 11092109 A JP11092109 A JP 11092109A JP 9210999 A JP9210999 A JP 9210999A JP 2000281358 A JP2000281358 A JP 2000281358A
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quartz glass
synthetic quartz
combustion gas
hydrogen
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Tomohisa Yamaguchi
倫央 山口
Masashi Fujiwara
誠志 藤原
Hiroki Jinbo
宏樹 神保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス中のOH基濃度を所定の濃度に抑える
ことのできる、有機珪素化合物を原料とする合成石英ガ
ラスの製造方法および製造装置。 【解決手段】 第1燃焼ガスを噴出させて得られる火炎
中で、原料を反応させることにより合成石英ガラス微粒
子を生成し、この合成石英ガラス微粒子を堆積して合成
石英ガラスを製造する方法において、原料として、有機
珪素化合物を用い、酸素含有ガスと水素含有ガスとを含
んで構成されていて、この水素含有ガスのガス流量に対
する酸素含有ガスのガス流量の割合が小さい第2燃焼ガ
スを、原料の反応を妨げないように火炎内に加える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合成石英ガラス
の製造方法、製造装置及び合成石英ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIの高集積化に伴って、光リ
ソグラフィ技術に用いられている露光装置の光源の波長
は、g線(436nm)からi線(365nm)、さら
にはKrFエキシマレーザ(248nm)やArFエキ
シマレーザ(193nm)へと短波長化が進められてい
る。このような露光装置の光学素子として用いられる光
学ガラスにおいて、以下に挙げるような条件が要求され
ている。
【0003】紫外線の高透過性(使用波長での透過率
が高いこと) 屈折率の高均質性 紫外線の透過性に優れたガラスとしては、合成石英ガラ
スや、CaF2 (蛍石)等のフッ化物の単結晶を用いた
ガラスが提案されている。ここでは、石英ガラスに注目
する。
【0004】石英ガラスの合成は、SiCl4 等の珪素
化合物からなる原料ガスと、H2 (水素)等の可燃性ガ
スおよびO2 (酸素)等の支燃性ガスからなる、反応お
よび加熱を行うための燃焼ガスとを、バーナーから噴出
させて火炎を形成する。この火炎内で反応して生成する
石英ガラス粉をターゲットに堆積させて、溶融、ガラス
化させることにより石英ガラスインゴットを得る、いわ
ゆる火炎加水分解法が一般的に用いられている。
【0005】しかしながら、例えばSiCl4 を原料と
して石英ガラスを合成すると、Cl(塩素)がガラス中
の構造欠陥の原因となるという問題があった。
【0006】このClに起因する構造欠陥の発生を防ぐ
ために、原料ガスとなる珪素化合物として、特に有機珪
素化合物を用いることが提案されている。これにより合
成される石英ガラスの、ArFエキシマレーザのような
高エネルギーの光に対する耐久性を向上させることがで
きる。
【0007】また、火炎加水分解法に用いられる石英ガ
ラス製バーナーのガス噴出部の設計によって、合成され
るガラスの品質を著しく向上させることができる。例え
ば、この発明にかかる発明者等は、屈折率の均質性に優
れた石英ガラスが得られる石英ガラス製バーナーを、特
開平7−187683号公報(文献1)で提案してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】文献1で提案されてい
る石英ガラス製バーナーの噴出部の概略的な構成を図3
に示す。この従来のバーナーは、噴出部100の、略中
央部に配置され原料ガスを噴出する円状中央原料噴出部
101と、これの周囲に同心円状に配置され可燃性ガス
および支燃性ガスを噴出するリング状燃焼ガス噴出部1
03と、最外部のリング状燃焼ガス噴出部103eの内
部に配置され支燃性ガスを噴出する複数の円状燃焼ガス
噴出部105とを具えていて、この円状原料噴出部10
1とリング状燃焼ガス噴出部103(第1噴出部103
a、第2噴出部103b、第3噴出部103c、第4噴
出部103dおよび第5噴出部103e)とで六重管構
造を形成し、かつ円状燃焼ガス噴出部105を、最外部
のリング状燃焼ガス噴出部103eの内部で、六重管と
同心円関係にある円の円周上に等間隔に配置してある。
【0009】なお、円状中央原料噴出部101を構成す
る管を第1管111とし、リング状燃焼ガス噴出部10
3を構成するための、最内部の管から最外部の管を順
に、第2管113、第3管115、第4管117、第5
管119および第6管121とする。そして、円状燃焼
ガス噴出部105を構成するための管を第7管123と
する。
【0010】しかしながら、このような従来の石英ガラ
ス製バーナーを用いて、有機珪素化合物からなる原料ガ
スとして石英ガラスを製造すると、次のような問題が生
じる。
【0011】有機珪素化合物は、バーナーからの火炎中
で加水分解反応だけでなく、酸化反応によっても分解さ
れる。このため、有機珪素化合物を原料として石英ガラ
スを合成する場合に消費される酸素の量は、SiCl4
を原料として石英ガラスを合成するときに消費される酸
素の量よりも多くなる。この結果、合成された石英ガラ
ス中に含まれるOH基(ヒドロキシル基)の濃度が高く
なる。
【0012】このヒドロキシル基は、石英ガラスのSi
とOとからなる四面体構造を安定化させるために必要な
基である。しかしながら、石英ガラス中のOH基濃度が
高すぎると、石英ガラスの構造変化が起こりやすくなっ
て、ガラスの屈折率が変化してしまう。また、ガラスに
歪みが生じる。この屈折率の変化や歪みは石英ガラスの
光学特性を著しく劣化させる原因である。
【0013】また、ガラス中のOH基濃度が高くなるに
つれて、石英ガラス中の水素濃度は低くなる。ガラス中
に含まれる水素は、ガラスの構造欠陥部分を修復する役
目を果たす。このため、水素濃度が低くなるとガラス中
に構造欠陥が増えて、この結果、石英ガラスの、エキシ
マレーザに対する耐久性は低下してしまう。
【0014】このため、有機珪素化合物を原料とする石
英ガラスの製造方法において、ガラス中のOH基濃度を
所定の濃度に抑えることのできる製造方法の出現が望ま
れていた。また、このような石英ガラスを製造すること
のできる装置の出現が望まれていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】このため、この発明の合
成石英ガラスの製造方法によれば、第1燃焼ガスを噴出
させて得られる火炎中で、原料を反応させることにより
合成石英ガラス微粒子を生成し、この合成石英ガラス微
粒子を堆積させて製造する。このとき、原料として有機
珪素化合物を用い、酸素含有ガスと水素含有ガスとを含
んで構成されていて、水素含有ガスのガス流量に対する
酸素含有ガスのガス流量の割合が、化学量論的な割合よ
りも小さい第2燃焼ガスを、原料の反応を妨げないよう
に、火炎中に加える。
【0016】ここで、化学量論的とは、水素と酸素との
反応にあずかる水素および酸素の数量的関係を意味す
る。水素および酸素は、モル比で言うと、化学量論的に
は2:1で反応する。すなわち、水素含有ガスのガス流
量に対する酸素含有ガスのガス流量の化学量論的な割合
は、0.5となる。これにより、直接法により、有機珪
素化合物を原料として用いて合成石英ガラスを製造する
場合に、火炎内には水素が従来よりも多く含有される。
この結果、製造される合成石英ガラス中の水素濃度を高
くすることができる。合成石英ガラス中の水素濃度が高
くなるのに対応して、ガラス中のヒドロキシル基濃度は
低くなる。このため、ガラスの屈折率の変化や歪みを生
じるおそれはなくなる。よって、光学特性に優れた合成
石英ガラスが得られる。また、ガラス中には十分な水素
を含ませることができるため、従来よりも耐久性に優れ
た合成石英ガラスが得られる。
【0017】また、上記第2燃焼ガス中の水素含有ガス
のガス流量に対する酸素含有ガスのガス流量の割合は、
多くても0.3であるのがよい。
【0018】ここで、第1燃焼ガスは、通常の直接法に
よる合成石英ガラスの製造と同じ条件で構成しておく。
すなわち、酸素含有ガスと水素含有ガスとを含んでい
て、これらを噴出させて火炎を作るために、水素含有ガ
スのガス流量に対する酸素含有ガスのガス流量の割合
が、約0.5となるように調製してある。この第1燃焼
ガスによって形成される火炎中に、上記のようなガス流
量の割合の第2燃焼ガスを加えることによって、火炎中
に水素を従来よりも多く含ませることができる。この結
果、製造される合成石英ガラス中のヒドロキシル基濃度
を400ppm〜900ppm程度の濃度にすることが
できる。ヒドロキシル基濃度がこの範囲(400ppm
〜900ppm)内の濃度であれば、ヒドロキシル基に
起因してガラスの光学特性を劣化させるおそれはなくな
る。
【0019】また、上述したような合成石英ガラスを製
造する装置は、以下のような構成でとするのがよい。
【0020】主バーナーと副バーナーとを備えていて、
主バーナーは、原料を噴出する原料管と、第1燃焼ガス
を噴出する第1の燃焼管とを具えている。そして、副バ
ーナーは、主バーナーの外側に設けられ、第2燃焼ガス
を噴出する第2の燃焼管を含んでいる。そして、この第
2燃焼ガスは酸素含有ガスおよび水素含有ガスを含んで
構成されており、副バーナーから噴出させる酸素含有ガ
スおよび水素含有ガスの各々のガス流量を調節するガス
流量調節手段が設けられている。
【0021】この発明では、主バーナーから噴出される
第1燃焼ガスにより火炎が形成される。この第1燃焼ガ
スも、好ましくは酸素含有ガスおよび水素含有ガスを含
んで構成されているのがよい。そして、形成された火炎
中で、原料である有機珪素化合物が加水分解反応および
酸化反応することによって、合成石英ガラス微粒子が生
成される。この発明では、さらに、副バーナーから第2
燃焼ガスが火炎中に加えられている。第2燃焼ガスは、
ガス流量調節手段によって、水素含有ガスおよび酸素含
有ガスのガス流量を調節することができる。よって、第
2ガス中の水素含有ガスのガス流量に対する酸素含有ガ
スのガス流量の割合を所望の割合、すなわち、ここでは
水素および酸素の化学量論的な割合より小さくすること
ができる。このため、火炎内は水素の多い状態(これを
水素リッチと称する。)となる。このような水素リッチ
の火炎中で形成される合成石英ガラスは、ガラス中のヒ
ドロキシル基濃度を適当な濃度に抑えることができ、光
学特性に優れたガラスとなる。また、ヒドロキシル基の
濃度が抑えられた分、ガラス中の水素濃度を十分な濃度
にすることができるため、耐久性に優れた合成石英ガラ
スが得られる。
【0022】また、好ましくは、第2燃焼ガス中の水素
含有ガスのガス流量に対する酸素含有ガスのガス流量の
割合を、多くても0.3と調節するのがよい。
【0023】これにより、この製造装置を用いて合成石
英ガラスを製造すると、ガラス中に含まれるヒドロキシ
ル基の濃度を400ppm〜900ppm程度の濃度に
抑えることができる。この結果、ヒドロキシル基に起因
する、ガラスの屈折率の変化や歪みのない、光学特性に
優れた合成石英ガラスが得られる。また、この合成石英
ガラス中には十分な濃度の水素を含ませることができる
ために、耐久性に優れたガラスが得られる。
【0024】また、合成石英ガラスの製造装置におい
て、好ましくは、主バーナーの先端部が、この先端部の
略中央に配置された円状中央原料噴出部と、この外側に
同心円状に配置された2以上のリング状第1燃焼ガス噴
出部と、最外部に位置するリング状第1燃焼ガス噴出部
の内部に配置された複数の円状第1燃焼ガス噴出部とを
有している。そして、副バーナーの先端部は、この先端
部の略中央に配置された円状中央第2燃焼ガス噴出部
と、この外側に同心円状に配置された2つのリング状第
2燃焼ガス噴出部とを有している。
【0025】第1の燃焼管は、リング状第1燃焼ガス噴
出部と円状第1燃焼ガス噴出部とで構成されている。こ
の燃焼管から噴出される第1燃焼ガスは、支燃性ガスお
よび可燃性ガスである。支燃性ガスとして例えば酸素含
有ガスを用い、可燃性ガスとして例えば水素含有ガスを
用いるのがよい。また、水素含有ガスとしてメタンガス
等を用いることもできる。
【0026】そして、リング状第1燃焼ガス噴出部が設
けてあるため、第1燃焼ガスと円状中央原料噴出部から
噴出される原料とを高温で好適に反応させることができ
る。
【0027】また、円状第1燃焼ガス噴出部から噴出さ
れる第1燃焼ガスが燃焼することにより、ガラスを合成
する炉内の温度を、石英ガラス微粒子を得られる温度に
まで上げることができる。また、この円状第1燃焼ガス
噴出部を設けることによって大火力が得られ、これによ
り原料を効率よく反応させて、石英ガラス微粒子の堆積
速度を増加させることができる。また、ガラスの合成面
内での温度差を低減することができる。
【0028】また、第2の燃焼管は、円状中央第2燃焼
ガス噴出部とリング状第2燃焼ガス噴出部とで構成され
ている。そして、第2燃焼ガスは水素含有ガスおよび酸
素含有ガスとを含んで構成されている。よって、例え
ば、円状中央第2燃焼ガス噴出部から水素含有ガスを噴
出させて、このすぐ外側のリング状第2燃焼ガス噴出部
から酸素含有ガスを噴出させて、さらにこの外側のリン
グ状第2燃焼ガス噴出部から水素含有ガスを噴出させ
る。これらの噴出部から噴出される第2燃焼ガスの構成
ガス(酸素含有ガスおよび水素含有ガス)のガス流量
は、ガス流量調節手段によって、調節することができ
る。これにより、水素含有ガスのガス流量に対する酸素
ガスのガス流量の割合が、化学量論的な割合よりも小さ
い第2燃焼ガスを、第2の燃焼管から火炎内に噴出させ
ることができる。しかも、第2燃焼ガスを上述したよう
な構造の噴出部から噴出させることによって、有機珪素
化合物の反応を妨げることなく、火炎内に第2燃焼ガス
を加えることができる。この結果、火炎内を水素リッチ
にすることができる。
【0029】また、このような主バーナーと副バーナー
とを備えた合成石英ガラスの製造装置において、好まし
くは、合成炉と、この合成炉内に合成石英ガラス微粒子
を堆積させるターゲットと、合成炉内に、ターゲットの
方へ噴出部が向くようにセットされた上記主バーナーお
よび副バーナーとを備えているのがよい。
【0030】例えば、合成炉の上方に主バーナーおよび
副バーナーを、噴出部が下方を向くようにセットして、
合成炉の下方にターゲットを設けてあるような構成にす
るのがよい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図を参照してこの発明の実
施の形態につき説明する。なお、各図は発明を理解でき
る程度に概略的に示してあるに過ぎず、したがって発明
を図示例に限定するものではない。また、図において、
図を分かり易くするために断面を示すハッチング(斜
線)は一部分を除き省略してある。
【0032】<実施の形態例>実施の形態例として、こ
の発明の製造装置を用いて、合成石英ガラスを製造する
例につき、図1および図2を参照して説明する。図1
は、この発明の合成石英ガラスの製造装置の構造を示
す、概略図である。図2は、主バーナーおよび副バーナ
ーのガス噴出部の構造を示す、概略的な構造図である。
【0033】この実施の形態の製造装置は、主バーナー
10と副バーナー12とを備えている。そして、主バー
ナー10は、原料を噴出する原料管と、第1燃焼ガスを
噴出する第1の燃焼管とを具え、先端部10aから原料
および燃焼ガスを噴出する。そして、副バーナー12
は、主バーナー10の外側に設けられ、かつ先端部12
aから第2燃焼ガスを噴出する第2の燃焼管を具えてい
る。そして、この主バーナー10および副バーナー12
は、合成炉14の上方に、それぞれの噴出部(10aお
よび12a)がターゲット16の方を向くように取り付
けられている(図1)。
【0034】原料管は噴出部10aの略中央に位置する
単一の円状中央原料噴出部18である。そして、この円
状中央原料噴出部18を構成するための管を第1管20
とする(図2(A))。
【0035】また、第1の燃焼管は、リング状第1燃焼
ガス噴出部22と円状第1燃焼ガス噴出部24とからな
る。リング状第1燃焼ガス噴出部22は、ここでは円状
中央原料噴出部18の外側に、同心円状に5つ配置され
ている。この5つのリング状第1燃焼ガス噴出部22を
構成するための管が、第1管20の周囲に、第1管20
と同心円状に、その内壁が内側にある管の外壁よりも大
きい円となるように順次設けられている。この管をそれ
ぞれ、第2管26a、第3管26b、第4管26c、第
5管26dおよび第6管26eとする。最内部の、つま
り一番円状中央原料噴出部18よりにあるリング状第1
燃焼ガス噴出部(これを第1噴出部22aとする。)
は、第1管20の外壁と第2管26aの内壁との間に形
成される空間を指す。よって、第2管26aと第3管2
6bとで第2噴出部22bを、第3管26bと第4管2
6cとで第3噴出部22cを、第4管26cと第5管2
6dとで第4噴出部22dを、および第5管26dと第
6管26eとで第5噴出部22eをそれぞれ構成する
(図2(A))。
【0036】また、円状第1燃焼ガス噴出部24は、リ
ング状第1燃焼ガス噴出部22の第5噴出部22e内
に、ここでは、23個配置されている第7管28の内部
の円状の空間を指す。第7管28は、第5噴出部22e
の領域に、第5管26dと第6管26eとの間にある円
であって、かつ第1管20と同心円関係にある円の円周
に沿って、互いに等距離の間隔を以て配置されている。
【0037】また、円状中央原料噴出部18からは、原
料として有機珪素化合物を噴出させる。ここでは、有機
珪素化合物として例えば、ヘキサメチルジシロキサン
(HMDS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン
(OMCTS)またはテトラメチルシクロテトラシロキ
サン等のシロキサン類、および、メチルトリメトキシシ
ラン(MTMS)、テトラエトキシシラン(TEOS)
またはテトラメトキシシラン(TMOS)等のシラン類
の中から選ばれる一種若しくは二種以上の物質を用いて
好適である。これらの原料ガスとキャリアガスとの混合
ガスを噴出させる。キャリアガスとしては、例えば窒素
ガスを用いる。
【0038】また、リング状第1燃焼ガス噴出部22の
うち、第1噴出部22aからは可燃性ガスである水素含
有ガスを噴出させる。そして第2噴出部22bからは支
燃性ガスである酸素含有ガスを噴出させる。第3噴出部
22cからは水素含有ガスを噴出させ、第4噴出部22
dからは酸素含有ガスを噴出させる。そして、第5噴出
部22eからは水素含有ガスを噴出させる。この第5噴
出部22e内には円状第1燃焼ガス噴出部24がある。
この円状第1燃焼ガス噴出部24からは酸素含有ガスを
噴出させるようにしてある(図2(A))。
【0039】また、副バーナー12の噴出部12aは、
第2燃焼ガスを噴出する第2の燃焼管を備えている。
【0040】第2の燃焼管は、円状中央第2燃焼ガス噴
出部30とリング状第2燃焼ガス噴出部32とからな
る。ここで、円状中央第2燃焼ガス噴出部30を構成す
るための管を第8管34とする。また、リング状第2燃
焼ガス噴出部32は、円状中央第2燃焼ガス噴出部30
の外側に同心円状に2つ配置されている。この2つのリ
ング状第2燃焼ガス噴出部32を構成するための管が、
第8管34の周囲に、第8管34と同心円状に、その内
壁が内側にある管の外壁よりも大きい円となるように順
次設けられている。この管をそれぞれ、第9管36およ
び第10管38とする。そして、一番円状第2燃焼ガス
噴出部30よりにある、リング状第2燃焼ガス噴出部
(これを第6噴出部32aとする。)は、第8管34の
外壁と第9管36の内壁との間に形成される空間を指
す。同様に、第9管36と第10管38とで第7噴出部
32bを構成している(図2(B))。
【0041】また、ここでは、副バーナー12から噴出
させる第2燃焼ガスを、酸素含有ガスと水素含有ガスと
を含んで構成する。そして、この第2燃焼ガス中の酸素
含有ガスおよび水素含有ガスの、それぞれ噴出させるガ
ス流量は、製造装置に設けられているガス流量調節手段
によって、調節することができる(図示せず。)ここで
は、水素含有ガスのガス流量に対する酸素含有ガスのガ
ス流量の割合を、化学量論的な割合よりも小さくする。
より具体的には、水素含有ガスのガス流量に対する酸素
含有ガスのガス流量の割合が0.3以下であるのがよ
い。
【0042】このような第2燃焼ガスを、火炎中での原
料の反応を妨げないように火炎中に加えるためには、例
えば、円状中央第2燃焼ガス噴出部30から水素含有ガ
スを噴出させる。そして、リング状第2燃焼ガス噴出部
32のうち、第6噴出部32aから酸素含有ガス噴出さ
せ、第7噴出部32bから水素含有ガスを噴出させる
(図2(B))。
【0043】また、この主バーナー10の噴出部10a
および副バーナー12の噴出部12aをそれぞれ構成す
る各管の寸法は表1に示すとおりである。
【0044】
【表1】
【0045】表1より、第1管20の外径は6.9mm
および内径3.5mm、第2管26aの外径は10.1
mmおよび内径は7.5mm、第3管26bの外径は1
3.9mmおよび内径は11.5mm、第4管26cの
外径は18.5mmおよび内径は15.5mm、第5管
26dの外径は24mmおよび内径は21mm、第6管
26eの外径は74mmおよび内径は68mm、第7管
28の外径は7.9mmおよび内径は5.5mm、第8
管34の外径は6.9mmおよび内径は3.5mm、第
9管36の外径は10.1mmおよび内径は7.5m
m、第10管38の外径は13.9mmおよび内径は1
1.5mmである。
【0046】また、この発明の主バーナー10および副
バーナー12の噴出部(10aおよび12a)におい
て、各管の形状は、図に示したような断面が円形となる
ものに限られるものではない。また、この噴出部の大き
さ等の条件に応じて、円状第1燃焼ガス噴出部の数を増
減させてもよい。また、リング状第1燃焼ガス噴出部お
よびリング状第2燃焼ガス噴出部においても、必要に応
じてその数を自由に変えて構成させて良い。
【0047】また、副バーナーは主バーナーの外側に1
つ設けるのが好ましいが、必要に応じて2つ以上設けて
もよい。但し、2つ以上設ける場合には、各副バーナー
を主バーナーの周囲であって、同心円関係の位置に、互
いに等しい間隔で設けるのが良い。
【0048】このような主バーナー10および副バーナ
ー12を備えた製造装置40は、さらに、合成炉14
と、合成石英ガラス微粒子を堆積させるターゲット16
とを備えている(図1)。そして、合成炉14は、炉枠
14aと、炉枠14aの内側に設置された耐火物14b
とで構成されている。そして、耐火物14bで覆われた
空間が、燃焼ガス(第1燃焼ガスおよび第2燃焼ガス)
が燃焼する燃焼空間42(原料が反応する反応空間とも
称する。)を構成している。また、炉枠14aの上部
に、耐火物14bの内側の燃焼空間42に、噴出部10
aおよび12aが突き出すように、上記主バーナー10
および副バーナー12が設置されている。副バーナー1
2は主バーナー10の外側に隣り合うように設けられて
いる。また、燃焼空間42の下方に、ターゲット16が
設けられている。このターゲット16は、主バーナー1
0の噴出部10aから第1燃焼ガスが噴出する方向に対
して垂直の方向に回転する。この回転軸を上方にのばし
た延長線上に主バーナー10の噴出部10aがくるよう
に、ターゲット16を設置する。また、ターゲット16
には合成石英ガラス微粒子が堆積して石英ガラスインゴ
ットが形成され、このインゴットは主バーナー10の噴
出部10aの方へ向かって成長する。このインゴットの
成長速度に合わせて、ターゲット16を、主バーナー1
0の噴出部10aから遠ざける方向に引き下げることが
できる。
【0049】また、ここでは、ターゲット16の直径を
200mmとする。また、耐火物14bの厚さは100
mmとし、この耐火物14bで覆われた燃焼空間42
(反応空間)の幅および高さがそれぞれ600mmの製
造装置40を用いる。
【0050】
【実施例】以下、この発明の合成石英ガラスの製造方法
を用いて合成石英ガラスを製造する実施例について比較
例と共にそれぞれ説明する。しかしながら、以下の説明
中で挙げる使用原料、使用ガスおよびそのガス流量など
の数値的条件はこれら発明の範囲内の一例にすぎないこ
とを理解されたい。
【0051】実施例として、上述した合成石英ガラスの
製造装置40を用いて、以下の表2で示す条件下で合成
石英ガラスを製造した。
【0052】
【表2】
【0053】表2より、円状中央原料噴出部18から
は、原料ガスとしてのHMDS(ヘキサメチルジシロキ
サン)ガスと、窒素ガスとの混合ガスを噴出させる。こ
の混合ガスの流量を5.6slm(standard liter/min
utes)とする。このうち、キャリアガスである窒素ガス
の流量を3.5slmとする。また、この円状中央原料
噴出部18の外側に位置して設けられているリング状第
1燃焼ガス噴出部22の第1噴出部22aからは、水素
含有ガスを50slmの流量で噴出させている。ここで
は、水素含有ガスとして水素ガスを用いる。また、第2
噴出部22bからは、酸素含有ガスを40slmの流量
で噴出させる。ここでは、酸素含有ガスとして、酸素ガ
スを用いる。第3噴出部22cからは、水素ガスを流量
100slmで噴出させる。第4噴出部22dからは、
酸素ガスを流量60slmで噴出させる。第5噴出部2
2eからは、水素ガスを流量200slmで噴出させ
る。
【0054】また、円状第1燃焼ガス噴出部24は、第
5噴出部22eの領域に、複数設けられていて、酸素ガ
スを噴出させる。ここでは、円状第1燃焼ガス噴出部2
4を合計23本設けてある。そして、23本の円状第1
燃焼ガス噴出部24から噴出される酸素ガスの合計流量
を90slmとする(図2(A)参照。)。
【0055】これにより、主バーナー10から噴出する
第1燃焼ガス中の水素含有ガスのガス流量に対する酸素
含有ガスのガス流量の割合は、約0.54である。これ
は、ほぼ化学量論的な割合である。
【0056】また、副バーナー12の円状中央第2燃焼
ガス噴出部30からは、水素ガスを75slmの流量で
噴出させる。そして、円状中央第2燃焼ガス噴出部30
の外側に位置するリング状第2燃焼ガス噴出部32の、
第6噴出部32aからは、酸素ガスを22slmの流量
で噴出させる。さらに、第7噴出部32bからは、水素
ガスを150slmの流量で噴出させる(図2(B)参
照。)。
【0057】よって、この例では、副バーナー12から
噴出する第2燃焼ガス中の水素含有ガスのガス流量に対
する酸素含有ガスのガス流量の割合は約0.1とする。
【0058】これにより、主バーナー10および副バー
ナー12から噴出される第1燃焼ガスおよび第2燃焼ガ
スによって、製造装置40の燃焼空間42内には火炎が
形成され、この火炎内で原料が加水分解反応および酸化
反応することによって、合成石英ガラス微粒子が生成す
る。この火炎内に噴出される水素ガスの合計ガス流量に
対する酸素ガスの合計ガス流量の割合は、0.34であ
った。なお、この割合は、原料の反応に必要な酸素ガス
流量16.5slmを除いてある。
【0059】次に、製造された合成石英ガラス中のヒド
ロキシル基濃度を、ラマン分光光度計を用いて測定し
た。この結果、実施例の合成石英ガラス中には、800
ppmの濃度のヒドロキシル基が含まれていることが分
かった。
【0060】また、実施例の合成石英ガラスの屈折率を
測定した後、193nmの波長のエキシマレーザを、
0.1mJ/cm2 、1×1011パルスという照射条件
で照射した。その後、再びこの石英ガラスの屈折率を測
定した。この結果、2回目に測定した屈折率の値は、最
初に測定した屈折率の値から0.88×10-6だけ変化
していることが分かった。
【0061】(比較例)次に、この発明の比較例とし
て、上述した実施例と同じサイズおよび形状の製造装置
40を用いて、主バーナー10のみから原料および第1
燃焼ガスを噴出させて合成石英ガラスを製造する。原料
および第1燃焼ガスは、実施例と同様のものを使用す
る。
【0062】この比較例では、以下の表3で示す条件下
で合成石英ガラスを製造した。なお、比較例では主バー
ナー10から噴出する第1燃焼ガスのガス流量が、実施
例とは異なっている。これは、火炎を形成し、かつ原料
を反応させる熱量を一定にするためであり、また実施例
とほぼ同じ程度の熱量にするためである。
【0063】
【表3】
【0064】表3より、円状中央原料噴出部18から
は、実施例と同様に、原料としてのHMDSガスと窒素
ガスとの混合ガスを、5.6slmの流量で噴出させ
る。また、第1噴出部22aからは、水素ガスを50s
lmの流量で噴出させる。第2噴出部22bからは酸素
ガスを40slmの流量で噴出させる。第3噴出部22
cからは水素ガスを流量120slmで噴出させ、第4
噴出部22dからは酸素ガスを流量70slmで噴出さ
せ、第5噴出部22eからは水素ガスを流量250sl
mで噴出させる。そして、円状第1燃焼ガス噴出部24
からは、合計110slmの流量で酸素ガスを噴出させ
る。
【0065】これにより、第1燃焼ガス中の水素ガスの
ガス流量に対する酸素ガスのガス流量の割合は約0.5
2である。そして、原料の反応に必要な酸素ガス流量1
6.5slmを除いた、水素ガス流量に対する酸素ガス
流量の割合は、0.49となり、原料の反応に必要な酸
素ガス流量を除いて計算しても、水素ガス流量に対する
酸素ガス流量の割合には、ほとんど差が見られなかっ
た。
【0066】比較例で製造された合成石英ガラス中のヒ
ドロキシル基濃度を、実施例と同様の条件下で測定し
た。この結果、比較例の合成石英ガラス中には1200
ppmの濃度のヒドロキシル基が含まれていることが確
認できた。
【0067】また、実施例と同様に、製造した石英ガラ
スの屈折率を測定した後、エキシマレーザをガラスに照
射する。その後再びこのガラスの屈折率を測定した。こ
の結果、2回目に測定した屈折率の値は、エキシマレー
ザを照射する前に測定した屈折率の値と比べて、1.3
×10-6変化していることが確認された。
【0068】従って、主バーナー10に加えて副バーナ
ー12を設けて、副バーナー12から水素ガスの含有率
の高い第2燃焼ガスを火炎中に加えることによって、製
造される合成石英ガラス中に含まれるヒドロキシ基濃度
を低くすることができる。石英ガラス中のヒドロキシ基
濃度が高すぎると、石英ガラスのコンパクションを大き
くして光学特性を劣化させるおそれがあるため、900
ppm以下の濃度であるのが好ましい。また、ヒドロキ
シル基は、光学特性ガラス中の珪素と酸素とが結合して
なる構造体を安定化するために必要な基である。よっ
て、石英ガラス中に400ppm以上の濃度で含まれて
いる必要がある。このため、第2燃焼ガス中の水素含有
ガスのガス流量に対する酸素含有ガスのガス流量を、
0.3以下の範囲内で調製することによって、ガラス中
のヒドロキシル基濃度を400ppm〜900ppmの
範囲内に抑えることができる。
【0069】また、比較例と比べて実施例では、エキシ
マレーザの照射前と照射後の屈折率の変化は小さい。こ
れは、エキシマレーザに対する耐久性が向上したことを
意味している。よって、ヒドロキシル基濃度が低減し、
かつ石英ガラス中の水素濃度を高くすることができたた
めに、エキシマレーザに対する耐久性が向上したものと
考えられる。
【0070】なお、実施例および比較例の、合成石英ガ
ラス中のヒドロキシル基濃度の測定結果と、エキシマレ
ーザに対する耐久性を調べた結果を、下記表4に示す。
エキシマレーザに対する耐久性は、エキシマレーザ照射
前の屈折率と照射後の屈折率との差で表している。値が
大きい方が耐久性が低い。
【0071】
【表4】
【0072】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の合成石英ガラスの製造方法によれば、第1燃焼
ガスを噴出させて得られる火炎中で、原料を反応させる
ことにより合成石英ガラス微粒子を生成し、この合成石
英ガラス微粒子を堆積させて製造する。このとき、原料
として有機珪素化合物を用い、酸素含有ガスと水素含有
ガスとを含んで構成されていて、水素含有ガスのガス流
量に対する酸素含有ガスのガス流量の割合が、化学量論
的な割合よりも小さい第2燃焼ガスを、原料の反応を妨
げないように火炎中に加える。
【0073】これにより、直接法により、有機珪素化合
物を原料として用いて合成石英ガラスを製造した場合
に、火炎内には水素が従来よりも多く含有される。この
結果、製造される合成石英ガラスの水素濃度を高くする
ことができる。合成石英ガラス中の水素濃度が高くなる
のに対応して、ガラス中のヒドロキシル基濃度は低くな
る。このため、ガラスの屈折率の変化や歪みを生じるお
それはなくなる。よって、光学特性に優れた合成石英ガ
ラスが得られる。また、ガラス中には十分な水素を含ま
せることができるため、従来よりも耐久性に優れた合成
石英ガラスが得られる。
【0074】また、上述したような合成石英ガラスを製
造する装置は、以下のような構成であるのがよい。すな
わち、主バーナーと副バーナーとを備えていて、主バー
ナーは、原料を噴出する原料管と、第1燃焼ガスを噴出
する第1の燃焼管とを具えている。また、副バーナー
は、主バーナーの外側に設けられ、かつ先端部から第2
燃焼ガスを噴出する第2の燃焼管を具えている。そし
て、副バーナーから噴出させる第2燃焼ガス中の酸素含
有ガスおよび水素含有ガスの、各々のガス流量を調節す
るガス流量調節手段が設けられている。
【0075】これにより、第2燃焼ガス中の水素含有ガ
スのガス流量に対する酸素含有ガスのガス流量の割合を
化学量論的な割合よりも小さくすることができる。この
第2燃焼ガスを、主バーナーから噴出される第1燃焼ガ
スにより形成される火炎中に、加えることによって、火
炎内は水素リッチとなる。
【0076】このような水素リッチの火炎中で、有機珪
素化合物が加水分解反応および酸化反応することによっ
て製造される合成石英ガラスは、ガラス中のヒドロキシ
ル基濃度が適当な濃度に抑えられている。よって、光学
特性に優れたガラスとなる。また、ヒドロキシル基の濃
度が抑えられた分、石英ガラス中の水素濃度を十分な濃
度にすることができるため、耐久性に優れた合成石英ガ
ラスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の合成石英ガラスの製造装置の構造を
示す概略図である。
【図2】(A)は、主バーナーのガス噴出部の構造を示
す概略図で、(B)は、副バーナーのガス噴出部の構造
を示す概略図である。
【図3】従来の石英ガラス製バーナーの噴出部の構造を
示す概略図である。
【符号の説明】
10:主バーナー 10a,12a:噴出部(先端部) 12:副バーナー 14:合成炉 14a:炉枠 14b:耐火物 16:ターゲット 18,101:円状中央原料噴出部 20,111:第1管 22:リング状第1燃焼ガス噴出部 22a,103a:第1噴出部 22b,103b:第2噴出部 22c,103c:第3噴出部 22d,103d:第4噴出部 22e,103e:第5噴出部 24:円状第1燃焼ガス噴出部 26a,113:第2管 26b,115:第3管 26c,117:第4管 26d,119:第5管 26e,121:第6管 28,123:第7管 30:円状中央第2燃焼ガス噴出部 32:リング状第2燃焼ガス噴出部 32a:第6噴出部 32b:第7噴出部 34:第8管 36:第9管 38:第10管 40:製造装置 42:燃焼空間(反応空間) 100:噴出部 103:リング状燃焼ガス噴出部 105:円状燃焼ガス噴出部
フロントページの続き (72)発明者 神保 宏樹 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 4G014 AH15 AH16 4G062 AA04 BB02 CC07 MM02 NN16 5H309 AA02 CC20 DD08 EE04 FF01 GG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1燃焼ガスを噴出させて得られる火炎
    中で、原料を反応させることにより合成石英ガラス微粒
    子を生成し、該合成石英ガラス微粒子を堆積させて合成
    石英ガラスを製造する方法において、 前記原料として、有機珪素化合物を用い、 酸素含有ガスと水素含有ガスとを含んで構成されてい
    て、該水素含有ガスのガス流量に対する前記酸素含有ガ
    スのガス流量の割合が、化学量論的な割合よりも小さい
    第2燃焼ガスを、前記原料の反応を妨げないように、前
    記火炎内に加えることを特徴とする合成石英ガラスの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の合成石英ガラスの製造
    方法において、 前記第2燃焼ガス中の水素含有ガスのガス流量に対する
    酸素含有ガスのガス流量の割合は、多くても0.3であ
    ることを特徴とする合成石英ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】 主バーナーと副バーナーとを備え、 該主バーナーは、原料を噴出する原料管と、第1燃焼ガ
    スを噴出する第1の燃焼管とを含み、 前記副バーナーは、前記主バーナーの外側に設けられ、
    かつ第2燃焼ガスを噴出する第2の燃焼管を含んでい
    て、 前記第2燃焼ガスは、酸素含有ガスと水素含有ガスとを
    含んで構成されており、前記副バーナーから噴出させる
    前記酸素含有ガスおよび前記水素含有ガスの、各々のガ
    ス流量を調節するガス流量調節手段が設けられているこ
    とを特徴とする合成石英ガラスの製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の合成石英ガラスの製造
    装置において、 前記主バーナーの先端部が、該先端部の略中央に配置さ
    れた円状中央原料噴出部と、該円状中央原料噴出部の外
    側に同心円状に配置された2以上の第1リング状第1燃
    焼ガス噴出部と、最外部に位置する前記第1リング状第
    1燃焼ガス噴出部の内部に配置された複数の円状第1燃
    焼ガス噴出部とを有し、 前記副バーナーの先端部は、該先端部の略中央に配置さ
    れた円状中央第2燃焼ガス噴出部と、該円状中央第2燃
    焼ガス噴出部の外側に同心円状に配置された2つの第2
    リング状第2燃焼ガス噴出部とを有することを特徴とす
    る合成石英ガラスの製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の合成石
    英ガラスの製造方法により製造された、ヒドロキシル基
    濃度が400ppm以上900ppm以下であることを
    特徴とする合成石英ガラス。
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