JP5578167B2 - 多孔質石英ガラス体の製造方法およびeuvリソグラフィ用光学部材 - Google Patents

多孔質石英ガラス体の製造方法およびeuvリソグラフィ用光学部材 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質石英ガラス体の製造方法、より具体的にはTiOのような金属ドーパントを含む多孔質石英ガラス体の製造方法に関する。本発明の方法により製造される多孔質石英ガラス体は、様々な用途に用いられる。例えば金属ドーパントとしてTiOを含む多孔質石英ガラス体(多孔質TiO−SiOガラス体)は、マスクブランクやミラーといったEUVリソグラフィ(EUVL)用光学基材に好適である。
なお、本明細書において、金属ドーパントとしてTiOを含有する石英ガラスをTiO−SiOガラスという。
また、本明細書において、EUV(Extreme Ultra Violet)光とは、軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光をいう。
従来から、光リソグラフィ技術においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く利用されている。集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光装置には深い焦点深度で高解像度の回路パターンをウェハ面上に結像させることが求められ、露光光源の短波長化が進められている。露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から進んで、ArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられ始めている。また、さらに回路パターンの線幅が70nm以下となる次世代の集積回路に対応するため、ArFエキシマレーザを用いた液浸露光技術や二重露光技術が有力視されているが、これらも線幅が45nm世代までしかカバーできないと見られている。
このような流れにあって、露光光源としてEUV光(極端紫外光)のうち代表的には波長13nmの光を用いたリソグラフィ技術が、回路パターンの線幅が32nm以降の世代にわたって適用可能と見られ注目されている。EUVリソグラフィ(以下、「EUVL」と略する)の像形成原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のフォトリソグラフィと同じである。しかし、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料が無いために、屈折光学系は用いることができず、光学系はすべて反射光学系となる。
EUVL用露光装置の光学系部材(EUVL用光学部材)はフォトマスクやミラーなどであるが、(1)基材、(2)基材上に形成された反射多層膜、(3)反射多層膜上に形成された吸収体層、から基本的に構成される。反射多層膜としては、Mo層と、Si層と、を交互に積層させたMo/Si反射多層膜を形成することが検討され、吸収体層には、成膜材料として、TaやCrが検討されている。EUVL用光学部材の製造に用いられる基材(EUVL用光学基材)としては、EUV光照射の下においても歪みが生じないよう低熱膨張係数を有する材料が必要とされ、低熱膨張係数を有するガラス等が検討されている。
金属ドーパントを含むことでガラス材料の熱膨張係数が下がることが知られており、特に、金属ドーパントとしてTiOを含有する石英ガラス、すなわち、TiO−SiOガラスは、金属ドーパントを含まない石英ガラスよりも小さい熱膨張係数を有する超低熱膨張材料として知られ、またTiO含有量によって熱膨張係数を制御できるために、熱膨張係数が0に近いゼロ膨張ガラスが得られる。したがって、TiO−SiOガラスはEUVL用光学基材としての可能性がある。
特許文献1には、ガラス形成原料を火炎加水分解して得られるTiO−SiOガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質TiO−SiOガラス体を形成する工程(多孔質石英ガラス体形成工程)と、多孔質TiO−SiOガラス体を緻密化温度まで昇温して、TiO−SiO緻密体を得る工程(緻密化工程)と、H濃度が1000ppm以下の雰囲気中でTiO−SiO緻密体をガラス化温度まで昇温して、TiO−SiOガラス体を得る工程(ガラス化工程)と、を含むTiO−SiOガラス体の製造方法、および、ガラス化工程の後に透明TiO−SiOガラス体を、軟化点以上の温度に加熱して所望の形状に成形する工程(成形工程)をさらに含むTiO−SiOガラス体の製造方法、ならびに、ガラス化工程、あるいは成形工程の後にTiO−SiOガラス体を500℃を超える温度にて一定時間保持した後に500℃まで100℃/hr以下の平均降温速度で降温するアニール処理を行う工程、または、1200℃以上の成形ガラス体を500℃まで100℃/hr以下の平均降温速度で降温するアニール処理を行う工程(アニール工程)を含むTiO−SiOガラス体の製造方法が開示されている。なお、上記の多孔質石英ガラス体形成工程は、一般にスート法と呼ばれるものである。
上記したスート法による多孔質石英ガラス体形成工程では、例えば、ガラス形成原料となるTiO前駆体と、SiO前駆体と、をバーナーから導出させて火炎中で加水分解してガラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質石英ガラス体を製造する。
日本国特開2006−210404号公報(WO2006/80241)
EUVL用光学基材に用いられる多孔質TiO−SiOガラス体は、該ガラス体におけるTiOの濃度分布が小さいことが要求される。現状においては、該ガラス体におけるTiOの濃度分布が0.12wt%以下であることが要求される。該ガラス体におけるTiOの濃度分布が0.12wt%よりも大きくなると、該ガラス体を用いて製造されるEUVL用光学基材の線熱膨張係数の分布(ΔCTE)が6ppb/℃よりも大きくなる。EUVL用光学基材は、現状においてΔCTEが6ppb/℃以下であることが要求されることから、該ガラス体におけるTiOの濃度分布が0.12wt%よりも大きくなることは問題である。
該ガラス体におけるTiOの濃度分布、および、ΔCTEについての要求はさらに厳しくなることが予想される。
なお、本明細書中において、ppbはwtppbを意味する。
多孔質TiO−SiOガラス体をEUVL用光学部材に用いる場合、上記した多孔質石英ガラス形成工程における火炎の温度を厳密に制御することが必要であることを本願発明者らは見出した。
すなわち、火炎温度が高いほうが、火炎加水分解が促進されるので好ましいが、火炎温度が高すぎるとTiOが析出した際に結晶化してしまい、得られた多孔質TiO−SiOガラス体をEUVL用光学部材に用いる場合にヘイズや脈理の原因となるので問題となる。
また、加水分解により生じる対象に着目した場合、加水分解速度はTiO>SiOの関係となっており、温度が高いほど両者の反応速度差がなくなることから、火炎温度が高すぎる場合、火炎が最もよくあたる多孔質TiO−SiOガラス体(母材)の中央部ではSiOを生じる反応が十分に起こり、TiOの濃度が相対的に低くなる。一方で、母材の外周部は温度が低く、TiOを生じる反応が促進されることと、母材中央部でガラス形成原料のうちSiClが積極的に消費された状態でガラス形成原料を含むガスが母材外周部に到達するために、母材外周部でのTiOの濃度が相対的に高くなる。この結果、製造される多孔質TiO−SiOガラス体のTiOの濃度分布が大きくなる。
一方、火炎温度が低すぎると、火炎加水分解して得られるTiO−SiOガラス微粒子を効率的に基材に堆積、成長させることができず、多孔質TiO−SiOガラス体を得ることができない。
また、火炎加水分解して得られるTiO−SiOガラス微粒子を効率的に基材に堆積、成長させることが可能な場合でも、火炎温度が高すぎる場合とは反対の方向で製造される多孔質TiO−SiOガラス体のTiOの濃度分布が大きくなる。すなわち、母材の中央部ではSiOを生じる反応が十分に起こらず、TiOの濃度が母材外周部よりも高くなる。また、母材外周部では母材中央部でガラス形成原料のうちTiClが積極的に消費された状態でガラス形成原料を含むガスが到達するために、TiOの濃度が母材中央部よりも低くなる。
上記した従来技術の問題点を解決するため、本発明は金属ドーパントを含む多孔質石英ガラス体の製造方法を提供するものであり、特に、火炎温度を容易に制御することができ、TiOの濃度分布が小さく、EUVL用光学部材に好適な多孔質TiO−SiOガラス体を得ることができる多孔質石英ガラス体の製造方法を提供する。
上記の目的を達成するため、本発明は、金属ドーパント前駆体と、SiO前駆体と、をバーナーの火炎中で加水分解してガラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質石英ガラス体を製造する方法であって、
前記バーナーが少なくとも二つのノズルを有しており、
(A)金属ドーパント前駆体ガス、(B)SiO前駆体ガス、(C)HおよびOのうち一方のガス、および、(D)希ガス、N、CO、ハロゲン化水素およびHOからなる群から選択される1種類以上のガス、を含有し、前記(D)のガスの割合が5〜70mol%である混合ガスと、(E)上記(C)のHおよびOのうち他方のガスと、をバーナーの互いに異なるノズルに供給する、多孔質石英ガラス体の製造方法を提供する。
本発明の多孔質石英ガラス体の製造方法において、前記金属ドーパントが、TiOであることが好ましい。
本明細書においては、金属ドーパントとしてTiOを含む多孔質石英ガラス体(多孔質TiO−SiOガラス体)の製造方法について詳しく説明するが、本発明はこれに限定されない。
本発明の多孔質石英ガラス体の製造方法において、前記(A)〜(D)のガスが混合器により混合されることが好ましい。
本発明の多孔質石英ガラス体の製造方法において、前記(A)〜(D)のガスが75℃以上で混合されることが好ましい。
本発明の多孔質石英ガラス体の製造方法において、前記バーナーが多重管バーナーであることが好ましい。
本発明の多孔質石英ガラス体の製造方法において、前記混合ガスを前記多重管バーナーの中央ノズルに供給し、
前記(E)のガスを、前記中央ノズルに同心円状に配置された前記多重管バーナーの外周ノズルに供給することが好ましい。
本発明の多孔質石英ガラス体の製造方法において、前記多重管バーナーの前記中央ノズルと、前記外周ノズルと、の間には、前記中央ノズルに同心円状に配置された第2の外周ノズルが設けられており、
(F)希ガス、N、CO、ハロゲン化水素およびHOからなる群から選択される1種類以上のガスを、該第2の外周ノズルに供給することが好ましい。
本発明の多孔質石英ガラス体の製造方法において、前記多重管バーナーの前記外周ノズルの外側に前記中央ノズルに同心円状に配置された1以上の外周ノズルが設けられていることが好ましい。
また、本発明は、上記した方法にて製造された多孔質石英ガラス体を用いて作製されたEUVリソグラフィ用光学部材を提供する。
本発明の製造方法によれば、金属ドーパント前駆体と、SiO前駆体と、をバーナーの火炎中で加水分解してガラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質石英ガラス体を製造する際に、バーナーの火炎温度を容易に制御することができる。この結果、金属ドーパントとしてTiOを用いた場合は特に、TiOの結晶化が抑制され、かつ、TiOの濃度分布が小さい多孔質TiO−SiOガラス体を得ることができる。
本発明の製造方法により得られる多孔質石英ガラス体は、金属ドーパントとしてTiOを用いた場合は特に、TiOの結晶化が抑制され、かつ、TiOの濃度分布が低く、0.12wt%以下であるため、EUVL用光学基材に用いるのに好適である。
図1は、本発明の製造方法に用いるバーナーの一例を示した斜視図である。
以下、本発明について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の製造方法に用いるバーナーの一例を示した斜視図である。図1に示すバーナー10は、その中心部に中央ノズル1を有し、該中央ノズル1に対し同心円状に、第2の外周ノズル3、および、外周ノズル2が配置された三重管構造のバーナーである。
図1に示すバーナー10を用いて、本発明の製造方法を実施する場合、下記(A)〜(D)のガスを含有する混合ガスを中央ノズル1から供給する。
(A)金属ドーパント前駆体ガス
(B)SiO前駆体ガス
(C)HおよびOのうち一方のガス
(D)希ガス、N、CO、ハロゲン化水素およびHOからなる群から選択される1種類以上のガス
以下、(A)〜(D)のガスについて説明する。
(A)金属ドーパント前駆体ガス
本発明における金属ドーパントとしてはSnO、TiOなどが挙げられ、TiOが好ましい。以下、金属ドーパントとしてTiOを用いる場合について詳細に説明する。TiO前駆体ガスとは、TiCl、TiBrなどのハロゲン化チタン化合物、またRTi(OR)4−n(ここでRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数。なお、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。)で示されるアルコキシチタンといったTiO前駆体のガスである。
(B)SiO前駆体ガス
SiO前駆体ガスとは、SiCl、SiHCl、SiHCl、SiHClなどの塩化物、SiF、SiHF、SiHなどのフッ化物、SiBr、SiHBrなどの臭化物、SiIなどのヨウ化物といったハロゲン化ケイ素化合物、またRSi(OR)4−n(ここでRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数。なお、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。)で示されるアルコキシシランといったSiO前駆体のガスである。
(C)HおよびOのうち一方のガス
およびOは、バーナー10で酸水素火炎を形成するための燃焼ガスであるが、両者を同一のノズル(この場合、中央ノズル1)から供給すると、該中央ノズル1から逆火が発生したり、該中央ノズル1の直近で燃焼反応が起こり、該中央ノズル1を損傷するおそれがある。このため、HおよびOのうち一方のガス(例えば、H)を中央ノズル1から供給し、他方のガス(例えば、O)を(E)群のガスとして、バーナーの別のノズル(図1に示すバーナー10の場合、外周ノズル2)から供給する。
(D)希ガス、N、CO、ハロゲン化水素およびHOからなる群から選択される1種類以上のガス
上記(A)〜(C)のガスは、スート法により多孔質TiO−SiOガラス体を形成する場合に、混合ガスとしてバーナーの中央ノズルから通常供給されるものである。
本発明の製造方法では、上記(A)〜(C)のガスに加えて、(D)希ガス、N、CO、ハロゲン化水素およびHOからなる群から選択される1種類以上のガスを混合することにより、バーナーの火炎温度(酸水素火炎温度)を制御する。(D)群に示したガスの共通点は、いずれも可燃性ガスではなく、支燃性ガスでもないことである。本発明の製造方法では、このようなガスをバーナーの中央ノズルから供給される混合ガスに含め、混合ガス中の(D)群のガスの割合を変えることにより、バーナーの火炎温度を制御することができる。
本発明におけるバーナーの火炎温度の制御とは、ガラス化工程後にヘイズが小さく、かつ金属ドーパントの濃度分布が小さい多孔質石英ガラス体を得るうえで好適な条件にバーナーの火炎温度を制御することをいう。
特に好ましくは、例えば金属ドーパントとしてTiOを用いる場合、大きなTiO結晶の析出量が少なく、かつTiOの濃度分布が0.12wt%以下の多孔質TiO−SiOガラス体を得るうえで好適な条件にバーナーの火炎温度を制御することをいう。
より具体的には、バーナーの火炎のうち、ガラス形成原料である(A),(B)群のガスを含んだ混合ガスが流通する領域における火炎の温度を、すなわち、ガラス形成原料の火炎加水分解が行われる領域の温度を、特定の範囲に制御することをいう。
本発明において、特に説明がない場合、バーナーの火炎温度とは、ガラス形成原料である(A),(B)群のガスを含んだ混合ガスが流通する領域における火炎温度を指し、本発明の製造方法では、この領域における火炎の温度を900〜1600℃の範囲、より好ましくは1000〜1400℃の範囲、さらに好ましくは1100〜1300℃の範囲に制御する。
これにより、例えば金属ドーパントとしてTiOを用いる場合、TiO結晶の析出及び粒成長を抑制し、かつガラス形成原料の火炎加水分解が行われる領域の温度を、TiOの濃度分布が0.12wt%以下の多孔質TiO−SiOガラス体を得ることができる。
本発明の製造方法では、混合ガス中の(D)群のガスの割合を5〜70mol%とする。(D)群のガスの割合が上記の範囲外だと、バーナーの火炎温度を制御する効果を十分発揮することができない。また、金属ドーパントとしてTiOを用いる場合、大きなTiO結晶の析出量が少なく、かつTiOの濃度分布が0.12wt%以下の多孔質TiO−SiOガラス体を得ることができない。
(D)群のガスの割合が5mol%未満だと、バーナーの火炎温度が高くなりすぎる。これにより、例えば金属ドーパントとしてTiOを用いる場合、前述の通り、母材外周部に比べて母材中央部のTiOの濃度が低くなることから、製造される多孔質TiO−SiOガラス体におけるTiOの濃度分布が大きくなり、TiOの濃度分布が0.12wt%以下の多孔質TiO−SiOガラス体を得ることができない。また、TiOが析出した際に結晶化してしまい、該多孔質TiO−SiOガラス体をEUVL用光学部材に用いる場合にヘイズや脈理の原因となるおそれがある。
一方、(D)群のガスの割合が70mol%超だと、バーナーの火炎温度が低くなりすぎる。これにより、例えば金属ドーパントとしてTiOを用いる場合、前述の通り、母材外周部に比べて母材中央部のTiOの濃度が高くなることから、製造される多孔質TiO−SiOガラス体におけるTiOの濃度分布が大きくなり、TiOの濃度分布が0.12wt%以下の多孔質TiO−SiOガラス体を得ることができない。また、火炎加水分解して得られるTiO−SiOガラス微粒子を効率的に基材に堆積、成長させることができず、多孔質TiO−SiOガラス体を得ることができなくなるおそれがある。
(D)群のガスの割合は、10〜50mol%であることがより好ましく、15〜35mol%であることがさらに好ましい。
(D)群のガスとして希ガスを用いる場合、ヘリウム、ネオン、アルゴンが好ましく、これらの中でもアルゴンが価格の面からより好ましい。
(D)群のガスとしてハロゲン化水素を用いる場合、フッ化水素、塩化水素または臭化水素が好ましい。
また、(D)群のガスとしては、コスト面や、多原子分子ガスの比熱が単原子分子ガスよりも大きく火炎温度の制御が行いやすいという理由から、N、COを使用することが好ましい。
一方、混合ガス中の(A)〜(C)群の割合については以下の通りである。
混合ガス中の(A)群のガスの割合は、0.2〜1mol%であることが好ましい。
混合ガス中の(B)群のガスの割合は、4.7〜26.2mol%であることが好ましく、より好ましくは9〜16mol%であり、さらに好ましくは12〜14mol%である。
混合ガス中の(C)群のガスの割合は、10〜90.1mol%であることが好ましく、より好ましくは30〜80mol%であり、さらに好ましくは45〜70mol%である。
本発明において、(A)〜(D)群のガスは、予め混合された混合ガスとして、バーナー10の中央ノズル1から供給するので、バーナー10の中央ノズル1に供給する前に、(A)〜(D)群のガスを混合する必要がある。この際、混合ガス中の(A)〜(D)群のガスの割合を常に均一に保つことが、バーナーの火炎温度を制御するうえで重要である。混合ガス中の(A)〜(D)群のガスの割合が変化すると、バーナーの火炎温度が変動し、例えば金属ドーパントとしてTiOを用いる場合、製造される多孔質TiO−SiOガラス体の組成、特に、TiOの濃度分布が変動するおそれがあるからである。
混合ガス中の(A)〜(D)群のガスの割合が均一になるように、これらのガスを混合するには混合器を用いて混合することが好ましい。混合器を用いた混合方法の具体例としては、予混合タンクにてこれらのガスを混合する方法、スタティック・ミキサーを利用する方法、フィルターのハウジングを利用してガスを分割・混合する方法、細い配管を用いてジェット噴流を発生させガスを混合する方法等が挙げられる。
(A)〜(D)群のガスのうち、(A),(B)群のガスは混合ガスにおける割合が少ないため、単独で供給した場合、供給されるガス量が少ないことから十分な流速を得ることができなくなるおそれがある。十分な流速を得るため、(A),(B)群のガスはキャリアガスと混合した状態で供給してもよい。
この目的で使用するキャリアガスとしては、H、N、アルゴン等を用いることができる。
上記のキャリアガスの中には、(C),(D)群のガスに該当するものも含まれている。上記のキャリアガスとして、(C),(D)群のガスに該当するものを使用する場合、混合ガス中の(C),(D)群のガスの割合は、これらキャリアガスとして使用するガスを含めたうえで、上記割合となるようにする必要がある。
(A)〜(D)群のガスのうち、(A),(B)群のガスの中には、沸点が比較的高いものも存在する。(A),(B)群のガスとして、沸点が比較的高いものを使用する場合、ガスが液化しないような条件で(A)〜(D)群のガスの混合を行う必要がある。(A)〜(D)群のガスを混合する際に、沸点が高いガスが液化すると、混合ガスの組成が意図した組成とならない(液化したガスが十分混合されず、該ガスの割合が少なくなる)、ガスの液化によりバーナーへ混合ガスを供給する配管が閉塞する等の問題が生じるおそれがある。
(A),(B)群のガスの液化を防止するためには、(A),(B)群のガスを供給した箇所よりも下流側は配管温度を上げ、ガスを供給した箇所よりも(A),(B)群のガスの蒸気圧が低くならないようにし、かつそれよりも高い温度で(A)〜(D)群のガスの混合を行う必要がある。(A),(B)群のガス供給は一般に75℃以上の温度で実施することから、(A)〜(D)群のガス混合は75℃以上で実施することが好ましく、150℃以上で実施することがより好ましく、180℃以上で実施することが特に好ましい。また、250℃以下が好ましい。
上述したように、酸水素火炎を形成するための燃焼ガスであるHおよびOのうち、一方は、(C)群のガスとしてバーナー10の中央ノズル1から供給され、他方は、(E)群のガスとしてバーナー10の外周ノズル2から供給される。ここで、バーナー10から供給されるHおよびOのうち、安全上の理由から、Hは完全に酸水素火炎中で消費させる必要がある。したがって、Hの合計量およびOの合計量の割合(O/H)は、0.50以上であることが好ましい。合成の安定性から考えると、O/Hが0.55〜1.0となるように供給することがより好ましく、0.55〜0.85がより好ましく、0.55〜0.78が特に好ましい。
上述したように、HおよびOのうち、一方を(C)群のガスとしてバーナー10の中央ノズル1から供給し、他方を(E)群のガスとしてバーナー10の外周ノズル2から供給するのは、両者を混合する状態で同一のノズル(この場合、中央ノズル1)から供給すると、該中央ノズル1から逆火が発生したり、該中央ノズル1の直近で燃焼反応が起こり、該ノズルを損傷するおそれがあるからである。これらの問題を防止するうえで、中央ノズル1と外周ノズル2との間にある第2の外周ノズル3から、上記で(D)群として記載したガス((F)群のガス)をシールガスとして供給することが好ましい。この場合、(F)群のガスの供給は、本発明における火炎温度の制御には影響しないと考えられる。(F)群のガスの量を変化させた場合、バーナーの火炎のうち、(F)群のガスが流通する領域の温度は変化すると考えられるが、該領域ではガラス形成原料の火炎加水分解は行われない。すなわち、ガラス形成原料の火炎加水分解が行われる領域への影響は無視できると考えられるからである。
なお、本発明において、上記のガス以外のガスも本発明の効果を損なわない程度で加えてもよい。
例えば、加水分解を促進する目的で水分やアルコールなどを添加する、火炎温度を調整する目的でメタンガスなどを添加する、などが可能である。
以上、本発明の製造方法について、三重管構造のバーナーを使用する場合を例に説明した。すなわち、以下のようになる。
中央ノズル:混合ガス((A)〜(D)群のガス)
第2の外周ノズル:(F)群のガス
外周ノズル(第1の外周ノズル):(E)群のガス
本発明の製造方法には、四重管以上の多重管構造のバーナーも用いることができる。この場合、多重管構造のバーナーの中央ノズルから混合ガスを供給し、中央ノズルに対して外周ノズルとなるノズルから(E)群のガスを供給する。さらに、上記した中央ノズルからの逆火等の防止という点で、混合ガスと(E)群のガスを、隣接するノズルからは供給せず、混合ガスを供給する中央ノズルと(E)群のガスを供給する外周ノズルとの間に(F)群のガスを供給するノズルを設けることが好ましい。この関係を満たす限り、(E)群のガスおよび(F)群のガスは複数のノズルから供給してもよい。
また、多重管バーナーにバーナー10の中央ノズル1を分割して、中央ノズル1’と同心円状の中央ノズル1”とし、中央ノズル1’と中央ノズル”の両方に混合ガスを供給してもよい。同様に、第2の外周ノズル3を分割して、同心円状の外周ノズル3’と外周ノズル3”とし、外周ノズル3’と外周ノズル3”に(F)群のガスを供給してもよい。さらには、外周ノズル2を分割して、同心円状の外周ノズル2’と外周ノズル2”とし、外周ノズル2’と外周ノズル2”の両方に(E)群のガスを供給してもよい。
一例を挙げると、五重管構造のバーナーの場合、以下の供給形態が可能である。
なお外周ノズル(1)は中央ノズルに隣接するノズルであり、外周ノズル(2)、(3)、(4)の順で隣接し、外周ノズル(4)は最も外側に位置するノズルである。
中央ノズル:混合ガス((A)〜(D)群のガス)
外周ノズル(1):(F)群のガス
外周ノズル(2):(F)群のガス
外周ノズル(3):(E)群のガス
外周ノズル(4):(E)群のガス
また、図1において、バーナー10の中央ノズル1と第2の外周ノズル3の間に少なくとも1個以上の外周ノズルを設け、(C)群のガスを供給することができる。多孔質石英ガラス体は、(C)群のガスと(E)群のガスが燃焼して発生した熱によって、(A)群のガスと(B)群のガスが反応して形成されるが、(A)群のガスと(B)群のガスが反応する前に、中央ノズルの外側に設けられた外周ノズルから出る(C)群のガスが、第1の外周ノズルから出る(E)群のガスとあらかじめ燃焼して発熱することにより、(A)群のガスと(B)群のガスの反応を促進できる。
さらに、該第1の外周ノズル2の外側に外周ノズルを少なくとも1個以上設けてもよい。より具体的には、該外周ノズル2の外側に(C)群のガス、(E)群のガスをそれぞれ単独に供給する外周ノズルを設けてもよい。ただし、逆火を防ぐ点で、(C)群のガス、(E)群のガスは隣接したノズルから供給することはなく、(C)群のガスを供給する外周ノズルと、(E)群のガスを供給する外周ノズルとの間には、(F)ガスを供給する外周ノズルを必ず設ける必要がある。これらにより、多孔質石英ガラス体の堆積面温度が制御され、安定した多孔質ガラス石英体が形成しやすい。
多重管バーナーからのガスの供給に関して、複数の態様を選択し得ることを述べたが、いずれの場合においても、中央ノズルから混合ガスを供給することが好ましい。
本発明の製造方法では、TiOなどの金属ドーパント前駆体と、SiO前駆体と、をバーナーの火炎中で加水分解することによって生成したガラス微粒子を基材に堆積させ、成長させることによって多孔質石英ガラス体を製造する。中央ノズルから(A),(B)群のガスを含む混合ガスを供給することは、基材上にガラス微粒子を均一に堆積させるうえで好ましい。
上述したように、本発明の製造方法では、バーナーの中央ノズルから供給する混合ガスに、燃焼に対して不活性な(D)群のガスを含め、かつ、該混合ガスにおける(D)群のガスの割合を5〜70mol%とすることで、バーナーの火炎温度を制御できる。具体的には、例えば金属ドーパントとしてTiOを用いる場合、混合ガスが流通する領域における火炎温度を、TiOの濃度分布が0.12wt%以下の多孔質TiO−SiOガラス体を得るうえで好適な温度、具体的には、900〜1600℃の範囲に制御するものである。
本発明の製造方法では、(B)群のガスの割合を(A)群のガスの量に対して調節することにより、例えば金属ドーパントとしてTiOを用いる場合、製造される多孔質TiO−SiOガラス体におけるTiO濃度を調節することができる。
本発明では、(C)群のガスがHであり、かつ(E)群のガスがOであることが好ましい。金属ドーパント前駆体とSiO前駆体の反応には、加水分解反応と熱酸化反応があるが、後者の場合は反応して生成する粒子の大きさが小さくなりやすく、得られる多孔質石英ガラス体の嵩密度が小さくなり、ハンドリングしにくくなる傾向がある。そこで、(C)群のガスをH、(E)群のガスをOとすることで、金属ドーパント前駆体とSiO前駆体が存在する雰囲気中の酸素濃度を下げ、加水分解反応が主体となる反応とすることが好ましい。
なお、本発明の製造方法において、基材としては石英ガラス製の種棒(例えば特公昭63−24937号公報記載の種棒)を使用できる。また棒状に限らず板状の基材を使用してもよい。
従来と同様の手順を実施することにより、本発明の製造方法で製造された多孔質石英ガラス体からEUVL用光学部材を得ることができる。具体的には、例えば金属ドーパントとしてTiOを用いて得られた多孔質TiO−SiOガラス体を用い、以下の手順を実施することでEUVL用光学部材を得ることができる。
多孔質TiO−SiOガラス体を真空中もしくは不活性ガス雰囲気中で緻密化温度まで昇温してTiO−SiO緻密体とする(緻密化工程)。得られたTiO−SiO緻密体を、透明ガラス化温度まで昇温して透明TiO−SiOガラス体とする(ガラス化工程)。得られた透明TiO−SiOガラス体を、軟化点以上の温度に加熱して所望の形状に成形した後(成形工程)、所望の温度スケジュールで徐冷することにより(徐冷工程)、EUVL用光学部材を得ることができる。なお、上記の各工程は連続的に、あるいは同時に行うこともできる。
本発明の製造方法において、金属ドーパントとしてTiOを用いて得られた多孔質TiO−SiOガラス体は、TiO濃度分布が0.12wt%以下となる。このような多孔質TiO−SiOガラス体から得られるEUVL用光学部材は線熱膨張係数の分布(ΔCTE)は6ppb/℃以下であり、EUVL用光学部材に要求される物性を満足する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
以下の実施例および比較例では酸水素火炎の温度は、B熱電対(0.5mm)の測温部分(先端)をガラス微粒子堆積面に相当する位置において測定した。
なお、以下の実施例および比較例のガラス組成はすべてTiO=6.7wt%、SiO=93.3wt%である。
また、実施例および比較例で作成した多孔質TiO−SiOガラス体は、メタル化炉内で真空条件にて1400℃まで昇温してTiO−SiO緻密体とした(緻密化工程)。得られたTiO−SiO緻密体は、1660℃にて2時間の熱処理を施して透明ガラス化した(ガラス化工程)。得られたTiO−SiO透明ガラス体に、さらに1690℃にて60時間の熱処理を施しブロック形状に成形した(成形工程)。成形したTiO−SiOガラス体は、1000℃まで降温したのち、950℃まで10℃/hr、その後900℃まで5℃/hrの降温速度で徐冷し、900℃で70時間保持したのち、室温まで自然冷却した(徐冷工程)。
得られたTiO−SiOガラス体を厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたものについて、さらに対角線方向に、その対角線を対角線とする20mm四方の板状のサンプルを9点切り出し、各々について蛍光X線分析を実施してTiO濃度を測定した。TiO濃度の最大値と最小値の差をTiO濃度分布とした。
また、得られたTiO−SiOガラス体を厚さ2mmに研磨後、高輝度光源からの光を入射し、目視でヘイズを観察し、5段階(真っ白でガラス体の向こう側が透けて見えないものを5、ガラス体の向こう側がやや透けて見えるが、かなり曇っているものを4、ガラス体の向こう側が透けて見えるが、曇っているものを3、ガラス体の向こう側が透けて見えるがやや曇っているものを2、ヘイズがなく、ガラス体の向こう側が透けて見えるものを1)にて評価した。
また、TiO濃度分布(ΔTiO)の測定結果を用い下記の式から、サンプルのΔCTEを求めた。
ΔCTE(ppb/℃)=50(10−7/℃)×ΔTiO(wt%)
[実施例1]
(A)群のガスとしてTiClを、(B)群のガスとしてSiClを、(C)群のガスとしてHを用いた。また、(D)群のガスとしてNを用いた。混合ガス中の(D)群のガスの割合は25mol%であった。(A)〜(C)群のガスの割合はそれぞれ以下の通りであった。
(A)群のガス:0.5mol%
(B)群のガス:13.1mol%
(C)群のガス:61.4mol%
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(D)群のガスをそれぞれ異なる口から導入し、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合した後、配管温度を徐々に上昇させ、200℃に加熱したガスをアプリオリ社製スタティック・ミキサー、ポール社製ガスフィルターを経由させて、多重管バーナーの中心ノズルに供給した。多重管バーナーの外周ノズルには(E)群のガスとしてOを、第2の外周ノズルには(F)群のガスとしてNを供給した。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約300mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造した。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1200℃であった。
得られた多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定したところ、0.07wt%であった。この結果から、該サンプルのΔCTEは6ppb/℃以下であることが確認された。また、ヘイズは5段階評価で1であった。
[実施例2]
(C)群のガスとしてOを、外周ノズルには(E)群のガスとしてHを供給する。他のガス条件は実施例1と同様とする。
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(D)群のガスをそれぞれ異なる口から導入し、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合した後、配管温度を徐々に上昇させ、200℃に加熱したガスをアプリオリ社製スタティック・ミキサー、ポール社製ガスフィルターを経由させて、多重管バーナーの中心ノズルに供給する。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約300mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造する。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1400℃となる。
得られる多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定すると、0.12wt%以下となる。この結果から、該サンプルのΔCTEは6ppb/℃以下であることが確認される。また、ヘイズは5段階評価で2となる。
[実施例3]
(C)群のガスとしてHを、(D)群のガスとしてHeを用いる。混合ガス中の(D)群のガスの割合は42mol%とする。他のガス種は実施例1と同様とする。(A)〜(C)群のガスの割合はそれぞれ以下の通りである。
(A)群のガス:0.5mol%
(B)群のガス:13.1mol%
(C)群のガス:44.4mol%
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(D)群のガスをそれぞれ異なる口から導入し、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合した後、配管温度を徐々に上昇させ、200℃に加熱したガスをアプリオリ社製スタティック・ミキサー、ポール社製ガスフィルターを経由させて、多重管バーナーの中心ノズルに供給する。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約300mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造する。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1200℃となる。
得られる多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定すると、0.12wt%以下となる。この結果から、該サンプルのΔCTEは6ppb/℃以下であることが確認される。また、ヘイズは5段階評価で1となる。
[実施例4]
(C)群のガスとしてHを、(D)群のガスとしてCOを用いる。混合ガス中の(D)群のガスの割合は17mol%とする。他のガス種は実施例1と同様とする。(A)〜(C)群のガスの割合はそれぞれ以下の通りである。
(A)群のガス:0.5mol%
(B)群のガス:13.1mol%
(C)群のガス:69.4mol%
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(D)群のガスをそれぞれ異なる口から導入し、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合した後、配管温度を徐々に上昇させ、200℃に加熱したガスをアプリオリ社製スタティック・ミキサー、ポール社製ガスフィルターを経由させて、多重管バーナーの中心ノズルに供給する。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約300mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造する。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1250℃となる。
得られる多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定すると、0.12wt%以下となる。この結果から、該サンプルのΔCTEは6ppb/℃以下であることが確認される。また、ヘイズは5段階評価で2となる。
[実施例5]
(C)群のガスとしてHを、(D)群のガスとしてNを用いる。混合ガス中の(D)群のガスの割合は8mol%とする。他のガス種は実施例1と同様とする。(A)〜(C)群のガスの割合はそれぞれ以下の通りである。
(A)群のガス:0.5mol%
(B)群のガス:13.1mol%
(C)群のガス:78.4mol%
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(D)群のガスをそれぞれ異なる口から導入し、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合した後、配管温度を徐々に上昇させ、200℃に加熱したガスをアプリオリ社製スタティック・ミキサー、ポール社製ガスフィルターを経由させて、多重管バーナーの中心ノズルに供給する。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約320mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造する。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1600℃となる。
得られる多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定すると、0.12wt%以下となる。この結果から、該サンプルのΔCTEは6ppb/℃以下であることが確認される。また、ヘイズは5段階評価で3となる。
[実施例6]
(C)群のガスとしてHを、(D)群のガスとしてNを用いる。混合ガス中の(D)群のガスの割合は59mol%とする。他のガス種は実施例1と同様とする。(A)〜(C)群のガスの割合はそれぞれ以下の通りである。
(A)群のガス:0.5mol%
(B)群のガス:13.1mol%
(C)群のガス:27.4mol%
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(D)群のガスはそれぞれ導入され、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合された後、配管温度を徐々に上昇させ、200℃に加熱したガスをアプリオリ社製スタティック・ミキサー、ポール社製ガスフィルターを経由させて、多重管バーナーの中心ノズルに供給される。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約270mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造する。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は900℃となる。
得られる多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定すると、0.12wt%となる。この結果から、該サンプルのΔCTEは6ppb/℃以下であることが確認される。また、ヘイズは5段階評価で1となる。
[実施例7]
実施例1と同様のガス条件を用いる。(A)〜(D)群のガスはユニオンティーを用いて一本の配管に合流させ、75℃に保たれたスタティックミキサーを通過させる。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約300mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造する。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1200℃でとなる。
得られる多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定すると、0.12wt%となる。この結果から、該サンプルのΔCTEは6ppb/℃以下であることが確認される。また、ヘイズは5段階評価で2となる。
[実施例8]
多重管バーナーの第2の外周ノズルに(F)群のガスとしてHeを供給する。他は実施例1と同様の条件を用いる。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約300mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造する。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1200℃となる。
得られる多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定すると、0.07wt%となる。この結果から、該サンプルのΔCTEは6ppb/℃以下であることが確認される。また、ヘイズは5段階評価で1となる。
[実施例9]
(A)群のガスとしてTiClを、(B)群のガスとしてSiClを、(C)群のガスとしてHを用いた。また、(D)群のガスとしてNを用いた。混合ガス中の(D)群のガスの割合は17mol%であった。(A)〜(C)群のガスの割合はそれぞれ以下の通りであった。
(A)群のガス:0.5mol%
(B)群のガス:13.1mol%
(C)群のガス:69.0mol%
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(D)群のガスをそれぞれ異なる口から導入し、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合した後、配管温度を徐々に上昇させ、200℃に加熱したガスをアプリオリ社製スタティック・ミキサー、ポール社製ガスフィルターを経由させて、多重管バーナーの中心ノズルに供給した。多重管バーナーの外周ノズルには(E)群のガスとしてOを、第2の外周ノズルには(F)群のガスとしてNを供給した。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約300mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造した。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1300℃であった。
得られた多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定したところ、0.05wt%であった。この結果から、該サンプルのΔCTEは6ppb/℃以下であることが確認された。また、ヘイズは5段階評価で2であった。
[比較例1]
(A)群のガスとしてTiClを、(B)群のガスとしてSiClを、(C)群のガスとしてHを用いた。(D)群のガスは使用しなかった。(A)〜(C)群のガスの割合はそれぞれ以下の通りであった。
(A)群のガス:0.5mol%
(B)群のガス:13.1mol%
(C)群のガス:86.4mol%
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(C)群のガスをそれぞれ異なる口から導入し、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合した後、多重管バーナーの中心ノズルに供給した。多重管バーナーの外周ノズルには(E)群のガスとしてOを、第2の外周ノズルには(F)群のガスとしてNを供給した。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約330mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造した。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1650℃であった。
得られた多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定したところ、バーナーの火炎温度の上昇に伴い、高温となった多孔質TiO−SiOガラス体堆積面の中心ではSiOの反応が促進されてTiO濃度が低くなったため、TiO濃度分布は0.25wt%であった。この結果から、該サンプルのΔCTEは12.5ppb/℃であることが確認された。また、ヘイズは5段階評価で4であった。
[比較例2]
混合ガス中の(D)群のガスの割合は80mol%とする。他のガス種は実施例1と同様とする。(A)〜(C)群のガスの割合はそれぞれ以下の通りである。
(A)群のガス:0.5mol%
(B)群のガス:13.1mol%
(C)群のガス:6.4mol%
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(D)群のガスはそれぞれ導入され、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合された後、配管温度を徐々に上昇させ、200℃に加熱したガスをアプリオリ社製スタティック・ミキサー、ポール社製ガスフィルターを経由させて、多重管バーナーの中心ノズルに供給する。この条件にて酸水素火炎での加水分解により多孔質TiO−SiOガラス体を製造しようとしても、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度が非常に低いため(火炎温度600℃)、ガラス微粒子が基材に効率的に堆積せず多孔質TiO−SiOガラス体が得られない。
[比較例3]
(A)群のガスとしてTiClを、(B)群のガスとしてSiClを、(C)群のガスとしてHを用いる。(D)群のガスの代わりに可燃性ガスCH(D´)を使用する。
混合ガス中の(D´)群のガスの割合は25mol%とする。他のガス種は実施例1と同様とする。(A)〜(C)群のガスの割合はそれぞれ以下の通りである。
(A)群のガス:0.5mol%
(B)群のガス:13.1mol%
(C)群のガス:61.4mol%
である。
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(C)群のガス、および、(D´)のガスをそれぞれ異なる口から導入し、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合した後、配管温度を徐々に上昇させ、200℃に加熱したガスをアプリオリ社製スタティック・ミキサー、ポール社製ガスフィルターを経由させて、多重管バーナーの中心ノズルに供給する。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約320mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造する。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1700℃である。
得られた多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定すると、可燃性ガスCHを供給したためバーナーの火炎温度が上昇し、多孔質TiO−SiOガラス体の堆積面の中心が高温となり、外周の温度差が大きくなったため、TiO濃度分布は0.21wt%となる。この結果から、該サンプルのΔCTEは10.5ppb/℃であることが確認される。また、ヘイズは5段階評価で4となる。
[比較例4]
(A)群のガスとしてTiClを、(B)群のガスとしてSiClを、(C)群のガスとしてHを用いる。(D)群のガスの代わりに支燃性ガスCl(D´´)を使用する。混合ガス中の(D´´)群のガスの割合は25mol%とする。他のガス種は実施例1と同様とする。(A)〜(C)群のガスの割合はそれぞれ以下の通りである。
(A)群のガス:0.5mol%
(B)群のガス:13.1mol%
(C)群のガス:61.4mol%
75℃に保たれた予混合タンクに(A)〜(C)群のガス、および、(D´´)のガスをそれぞれ異なる口から導入し、タンク内にてガス濃度が均質になるように拡散混合した後、配管温度を徐々に上昇させ、200℃に加熱したガスをアプリオリ社製スタティック・ミキサー、ポール社製ガスフィルターを経由させて、多重管バーナーの中心ノズルに供給する。この条件にて酸水素火炎での加水分解により直径約320mm、長さ約500mmの多孔質TiO−SiOガラス体を製造する。多孔質TiO−SiOガラス体の製造時、混合ガスが流通する領域におけるバーナーの火炎温度は1650℃である。
得られた多孔質TiO−SiOガラス体に対して、上記の手順で緻密化工程〜徐冷工程を実施し、厚さ6.35mm、152mm四方の板状にスライスしたサンプルを用いてTiO濃度分布を測定すると、支燃性ガスClを供給したためバーナーの火炎温度が上昇し、多孔質TiO−SiOガラス体の堆積面の中心が高温となり、外周の温度差が大きくなったため、TiO濃度分布は0.38wt%となる。この結果から、該サンプルのΔCTEは19ppb/℃であることが確認される。また、ヘイズは5段階評価で3となる。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、さまざまな変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2009年2月24日出願の日本特許出願2009−040455に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1:中央ノズル
2:外周ノズル
3:第2の外周ノズル
10:バーナー

Claims (8)

  1. TiO 前駆体と、SiO前駆体と、をバーナーの火炎中で加水分解してガラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質石英ガラス体を製造する方法であって、
    前記バーナーが少なくとも二つのノズルを有しており、
    (A)TiO 前駆体ガス、
    (B)SiO前駆体ガス、
    (C)HおよびOのうち一方のガス、および、
    (D)希ガス、N、CO、ハロゲン化水素およびHOからなる群から選択される1種類以上のガス、を含有し、
    前記(D)のガスの割合が5〜70mol%である混合ガスと、
    (E)上記(C)のHおよびOのうち他方のガスと、をバーナーの互いに異なるノズルに供給する、多孔質石英ガラス体の製造方法。
  2. 前記(A)〜(D)のガスが混合器により混合される請求項1に記載の多孔質石英ガラス体の製造方法
  3. 前記(A)〜(D)のガスが、75℃以上で混合される請求項1または2に記載の多孔質石英ガラス体の製造方法
  4. 前記バーナーが、多重管バーナーである請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質石英ガラス体の製造方法
  5. 前記混合ガスを、前記多重管バーナーの中央ノズルに供給し、
    前記(E)のガスを、前記中央ノズルに同心円状に配置された前記多重管バーナーの外周ノズルに供給する請求項4に記載の多孔質ガラス石英体の製造方法
  6. 前記多重管バーナーにおいて、前記中央ノズルと、前記外周ノズルと、の間には、前記中央ノズルに同心円状に配置された第2の外周ノズルが設けられており、
    (F)希ガス、N 、CO 、ハロゲン化水素およびH Oからなる群から選択される1種類以上のガスを、該第2の外周ノズルに供給する請求項4または5に記載の多孔質石英ガラス体の製造方法
  7. 前記多重管バーナーにおいて、前記外周ノズルの外側に前記中央ノズルに同心円状に配置された1以上の外周ノズルが設けられている、請求項4〜6のいずれかに記載の多孔質石英ガラス体の製造方法
  8. TiO 前駆体と、SiO 前駆体と、をバーナーの火炎中で加水分解してガラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質石英ガラス体を製造した後、多孔質石英ガラス体を緻密化温度まで昇温して緻密体を得た後、該緻密体を透明ガラス化温度まで昇温して透明ガラス化することを特徴とするガラス体を製造する方法であって、
    前記バーナーが少なくとも二つのノズルを有しており、
    (A)TiO 前駆体ガス、
    (B)SiO 前駆体ガス、
    (C)H およびO のうち一方のガス、および、
    (D)希ガス、N 、CO 、ハロゲン化水素およびH Oからなる群から選択される1種類以上のガス、を含有し、
    前記(D)のガスの割合が5〜70mol%である混合ガスと、
    (E)上記(C)のH およびO のうち他方のガスと、をバーナーの互いに異なるノズルに供給する、ガラス体の製造方法
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