JP2013224261A - TiO2を含有するシリカガラスおよびその製造法 - Google Patents

TiO2を含有するシリカガラスおよびその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】広い温度範囲において熱膨張係数がほぼゼロとなるTiOを含有するシリカガラスの提供。
【解決手段】仮想温度が1000℃以下であり、OH基濃度が600ppm以下であり、かつ−50〜150℃での熱膨張係数が0±200ppb/℃であり、仮想温度のばらつきが70℃以内である、TiOを含有することを特徴とするシリカガラス。
【選択図】図1

Description

本発明は、TiOを含有するシリカガラス(以下、本明細書では、TiO−SiOガラスと記す)およびその製造方法に関し、特にEUVリソグラフィに使用される露光装置光学材として用いられるTiO−SiOガラスおよびその製造方法に関する。なお、本発明でいうEUV(Extreme Ultra Violet)光とは、軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。
従来から、光リソグラフィ技術においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く利用されている。集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光装置には深い焦点深度で高解像度の回路パターンをウェハ面上に結像させることが求められ、露光光源の短波長化が進められている。露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から進んでArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられようとしている。また、さらに回路パターンの線幅が100nm以下となる次世代の集積回路に対応するため、露光光源としてFレーザ(波長157nm)を用いることが有力視されているが、これも線幅が70nm世代までしかカバーできないと見られている。
このような流れにあって、露光光源としてEUV光(極端紫外光)のうち代表的には波長13nmの光を用いたリソグラフィ技術が、50nm以降の複数世代にわたって適用可能と見られ注目されている。EUVリソグラフィ(以下、「EUVL」と略する)の像形成原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のフォトリソグラフィーと同じである。しかし、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料が無いために、屈折光学系は用いることができず、光学系はすべて反射光学系となる。
EUVLに用いられる露光装置光学材はフォトマスクやミラーなどであるが、(1)基材、(2)基材上に形成された反射多層膜、(3)反射多層膜上に形成された吸収体層、から基本的に構成される。多層膜は、Mo/Siが交互に層を形成することが検討され、吸収体層には、成膜材料として、TaやCrが検討されている。基材としては、EUV光照射の下においても歪みが生じないよう低熱膨張係数を有する材料が必要とされ、低熱膨張係数を有するガラス等が検討されている。
TiO−SiOガラスは、石英ガラスよりも小さい熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion;CTE)を有する超低熱膨張材料として知られ、またガラス中のTiO含有量によって熱膨張係数を制御できるために、熱膨張係数が0に近いゼロ膨張ガラスが得られる。したがって、TiO−SiOガラスはEUVL用露光装置光学材に用いる材料としての可能性がある。
従来のTiO−SiOガラスの作製方法は、まず、シリカ前駆体とチタニア前駆体をそれぞれ蒸気形態に転化させてこれらを混合する。この蒸気形態となった混合物は、バーナーに導入され熱分解することでTiO−SiOガラス粒子となる。このTiO−SiOガラス粒子は耐火性容器中に堆積され、堆積と同時にそこで溶融されてTiO−SiOガラスとなる。しかし、この方法で作製されるTiO−SiOガラスは、熱膨張係数がほぼゼロとなる温度領域が室温付近のみに限られていた。
また、米国特許出願には、TiO−SiO多孔質ガラス体を形成し、ガラス体にした後、マスク基板を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
米国特許出願公開第2002/157421号明細書
EUVL用露光装置光学材は、反射膜などの成膜の際には100℃程度の温度になる。また、露光時に、高エネルギー線が照射されるので、部材の温度が局所的には上昇するおそれがある。
このため、EUVL用露光装置光学材は、熱膨張係数がほぼゼロとなる温度領域が広いことが好ましいが、従来のTiO−SiOガラスでは、熱膨張係数がほぼゼロとなる温度領域が狭く、EUVL用露光装置光学材に用いるには不充分であった。
本発明の態様1は、仮想温度が1000℃以下であり、OH基濃度が600ppm以下であり、かつ−50〜150℃での熱膨張係数が0±200ppb/℃であり、仮想温度のばらつきが70℃以内である、TiOを含有することを特徴とするシリカガラスを提供する。
態様2は、TiOを1〜12質量%含有する、態様1のシリカガラスを提供する。
態様3は、OH基濃度が70ppm以上600ppm以下である態様1または2のシリカガラスを提供する。
本発明によれば、熱膨張係数の温度変化が小さい、つまり熱膨張係数がほぼゼロとなる温度範囲が広く、またガラス中の熱膨張係数および機械的特性の均質性に優れたTiO−SiOガラスを得ることができる。したがって、EUVLに使用される光学系を構成する部材の素材としてきわめて好適である。
実施例の例1〜4におけるTiO−SiOガラスの熱膨張係数の測定結果。
TiO−SiOガラスは、含有するTiO濃度により、熱膨張係数が変化することが知られており、室温付近ではTiOを約7質量%含むTiO−SiOガラスの熱膨張係数がほぼゼロとなる。
本発明のTiO−SiOガラスとはTiOを1〜12質量%含有するシリカガラスのことが好ましい。TiOの含有量が1質量%未満であるとゼロ膨張にならないおそれがあり、12質量%を超えると熱膨張係数が負となる可能性があるからである。TiOの含有量は、より好ましくは5〜9質量%である。
本発明において仮想温度は1000℃以下が好ましい。
発明者は、仮想温度とゼロ膨張の温度範囲の広さに関連があることを見出した。その結果に基づくと、仮想温度が1000℃を超えるとゼロ膨張の温度範囲が狭く、EUVL用露光装置光学材に用いる材料には不充分になるおそれがある。なお、本明細書中では、ガラスの熱膨張係数がほぼゼロとなる温度範囲をゼロ膨張の温度範囲とも称する。ゼロ膨張の温度範囲を広げるには、仮想温度は950℃以下が好ましく、900℃以下がより好ましく、850℃以下であることが特に好ましい。
本発明における仮想温度を得るには、例えば、500℃を超える温度、特に600〜1200℃の温度にて5時間以上保持した後、10℃/hr以下の平均降温速度で500℃まで降温する方法が効果的である。上記に従い、TiO−SiOガラス体を900℃で100時間保持した後、10℃/hrの速度で500℃まで降温し大気放冷したところ、TiO−SiOガラス体の仮想温度は860℃となった。
保持温度が高温であるほど保持温度は短くともよく、保持温度が低い場合は、構造緩和に時間がかかるため、適当な仮想温度を得るために保持時間を長くする必要がある。
仮想温度は以下のように測定する。鏡面研磨されたTiO−SiOガラスについて、吸収スペクトルを赤外分光計(Nikolet社製Magna760)を用いて取得する。この際、データ間隔は約0.5cm−1にし、吸収スペクトルは、64回スキャンさせた平均値を用いる。このようにして得られた赤外吸収スペクトルにおいて、約2260cm−1付近に観察されるピークがTiO−SiOガラスのSi−O−Si結合による伸縮振動の倍音に起因する。このピーク位置を用いて、仮想温度が既知で同組成のガラスにより検量線を作成し、仮想温度を求める。あるいは、表面の反射スペクトルを同様の赤外分光計を用いて、同様に測定する。このようにして得られた赤外反射スペクトルにおいて、約1120cm−1に観察される最も大きなピークがTiO−SiOガラスのSi−O−Si結合による伸縮振動に起因する。このピーク位置を用いて、仮想温度が既知で同組成のガラスにより検量線を作成し、仮想温度を求める。
本発明においてOH基濃度は600ppm以下であることが好ましく、より好ましくは400ppm以下、特に好ましくは200ppm以下である。
OH基濃度が高いと、構造緩和が早いため、温度分布のつきやすい径の大きなガラス体を製造する場合に、仮想温度分布がつきやすくなると考えられる。
OH基濃度がガラスの構造緩和に影響を及ぼすことは石英ガラスについては以前から知られている(AIP・Conf.・Proc.・469,507・(1999))。これはOH基が、ガラスの網目構造においてネットワークを切断する終端基となるためであり、終端基が多いほどガラスの構造緩和は容易になると考えられるからである。つまり、OH基が多いほど構造緩和の時間は短くなるので、仮想温度は、冷却時に生じるガラス体内の温度分布の影響を受け易くなる。
比較的低いOH基濃度のTiO−SiOガラスを得るための製造方法としては、これには限定されないが、スート法が使用できる。スート法とは、ガラス形成原料となるSi前駆体とTi前駆体を火炎加水分解もしくは熱分解させて得られるTiO−SiOガラス微粒子(スート)を堆積させ、その後透明ガラス化温度まで加熱して透明TiO−SiOガラス体を得る製造方法である。またスート法はその作り方により、MCVD法、OVD法、およびVAD法などがある。
OH基濃度は以下のように測定する。赤外分光光度計による測定を行い、2.7μm波長での吸収ピークからOH基濃度を求める(J.P.Wiiliams et.al.,American Ceramic Society Bulletin,55(5),524,1976)。本法による検出限界は0.1ppmである。
本発明によれば、0〜100℃の広い温度域においてTiO−SiOガラスを熱膨張係数が0±200ppb/℃の範囲内であるゼロ膨張ガラスとなし得る。またTiO−SiOガラスの仮想温度が1000℃以下の場合は、熱膨張係数がほぼゼロを示す温度域がより広くなり、−50〜150℃の範囲において、熱膨張係数を0±200ppb/℃の範囲内となし得る。
熱膨張係数は、レーザー干渉式熱膨張計(ULVAC社製レーザー膨張計LIX−1)を用いて−150〜+200℃の範囲で測定する。
本明細書では、「仮想温度のばらつき」を少なくとも1つの面内における30mm×30mm内での仮想温度の最大値と最小値の差と定義する。仮想温度のばらつきは100℃以内であることが好ましく、特に好ましくは70℃以内である。仮想温度のばらつきが上記範囲を超えると、場所により、熱膨張係数に差を生じるおそれがある。
仮想温度のばらつきは以下のように測定できる。所定のサイズに成形した透明TiO−SiOガラス体をスライスし、50mm×50mm×10mmのTiO−SiOガラスブロックとする。このTiO−SiOガラスブロックの50mm×50mm面について、10mmピッチの間隔で前述の方法に従い仮想温度の測定を行うことで、成形TiO−SiOガラス体の仮想温度のばらつきを求める。
本明細書では、「OH基濃度のばらつき」は、少なくとも1つの面内における30mm×30mm内でのOH基濃度の最大値と最小値の差と定義する。OH基濃度のばらつきは、50ppm以内が好ましく、より好ましくは30ppm以内、特に好ましくは10ppm以内である。OH基濃度のばらつきが上記範囲を超えると、場所により構造緩和時間の差が大きくなり、仮想温度に差が生じるおそれがある。
OH基濃度のばらつきは、以下のように測定できる。所定のサイズに成形した透明TiO−SiOガラス体をスライスし、50mm×50mm×10mmのTiO−SiOガラスブロックとする。このTiO−SiOガラスブロックの50mm×50mm面について、10mmピッチの間隔で前述の方法に従いOH基濃度の測定を行うことで、成形TiO−SiOガラス体のOH基濃度のばらつきを求める。
TiO−SiOガラスをEUVL用露光装置光学材として使用するときに、ガラス中におけるTiO/SiO組成比を均一にすることは、基板内での熱膨張係数の分布を小さくするという点で極めて重要である。このTiO/SiO組成比の変動は、ガラスの屈折率に影響を及ぼすので、TiO−SiO組成均一性の指標として、屈折率の変動幅Δnを用いることができる。本発明においてΔnは少なくとも1つの面内における30mm×30mm内での屈折率の最大値と最小値の差と定義する。Δnは2×10−4以内が好ましく、特に好ましくは1.5×10−4以内である。Δnが上記範囲を超えると、熱膨張係数のばらつきが大きくなるおそれがある。このようなΔnを得るためには、スート法を用いることが効果的である。
Δnは以下のように測定する。40mm×40mm×40mmの立方体に成形した透明TiO−SiOガラス体から、立方体の各面より厚さ1mmでスライスし、38mm×38mm×1mmの板状TiO−SiOガラスブロックを得る。フィゾー干渉計にて、オイルオンプレート法で、本ガラスブロックの38mm×38mmの面にヘリウムネオンレーザ光を垂直にあて、38mm×38mm面内での屈折率の変動幅を測定する。
本発明により得られるTiO−SiOガラスにおいて、仮想温度のばらつきが100℃以内,OH基濃度のばらつきが50ppm以内、Δnが2×10−4以内の場合、熱膨張係数分布を少なくとも1つの面内における30mm×30mm内で30ppb/℃以内となし得、EUVL用露光装置光学材として最適である。
熱膨張係数分布は以下のように測定する。所定のサイズに成形した透明TiO−SiOガラス体を切断し、10mm×10mm×10mmのTiO−SiOガラス小片となるよう分割する。この各小片について前述の方法に従い、熱膨張係数の測定を行うことで、成形TiO−SiOガラスブロックの熱膨張係数のばらつきを求める。
本発明のTiO−SiOガラスを製造するためには、以下の製法が採用できる。
(a)工程
ガラス形成原料であるSi前駆体およびTi前駆体を火炎加水分解させて得られるTiO−SiOガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質TiO−SiOガラス体を形成させる。ガラス形成原料としては、ガス化可能な原料であれば特に限定されないが、Si前駆体としては、SiCl、SiHCl、SiHCl、SiHClなどの塩化物、SiF、SiHF、SiHなどのフッ化物、SiBr、SiHBrなどの臭化物、SiIなどのヨウ化物といったハロゲン化ケイ素化合物、またRSi(OR)4−n(ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数)で示されるアルコキシシランが挙げられ、またTi前駆体としては、TiCl、TiBrなどのハロゲン化チタン化合物、またRnTi(OR)4−n(ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数)で示されるアルコキシチタンが挙げられる。また、Si前駆体およびTi前駆体として、シリコンチタンダブルアルコキシドなどのSiとTiの化合物を使用することもできる。
前記基材としては石英ガラス製の種棒(例えば特公昭63−24973号公報記載の種棒)を使用できる。また棒状に限らず板状の基材を使用してもよい。
(b)工程
(a)工程で得られた多孔質TiO−SiOガラス体を透明ガラス化温度まで昇温して透明ガラス化し、透明TiO−SiOガラス体を得る。透明ガラス化温度は、通常は1400〜1700℃であり、特に1450〜1650℃であることが好ましい。
雰囲気としては、ヘリウムなどの不活性ガス100%の雰囲気、またはヘリウムなどの不活性ガスを主成分とする雰囲気であることが好ましい。圧力については、減圧または常圧であればよい。特に常圧の場合はヘリウムガスを用いることができる。また、減圧の場合は13000Pa以下が好ましい。なお、本明細書における「Pa」は、ゲージ圧ではなく絶対圧の意である。
また工程(a)と(b)の間に、以下のような工程(a)−1の処理を施すことにより、工程(b)により得られる透明TiO−SiOガラスに含有されるOH基濃度を容易に制御することが可能である。
工程(a)−1:多孔質TiO−SiOガラス体を塩素やフッ素などのハロゲンを含有する雰囲気下にて保持することにより、多孔質TiO−SiOガラス体中のOH基濃度を減少させることができる。
(c)工程
(b)工程で得られた透明TiO−SiOガラス体を軟化点以上の温度に加熱して所望の形状に成形し、成形TiO−SiOガラス体を得る。成形加工の温度としては、1500〜1800℃が好ましい。1500℃以下では、TiO−SiOガラスの粘度が高いため、実質的に自重変形が行われず、またSiOの結晶相であるクリストバライトの成長またはTiOの結晶相であるルチルもしくはアナターゼの成長が起こり、いわゆる失透が生じる。1800℃以上では、SiOの昇華が無視できなくなる。
(d)工程
(c)工程で得られた成形TiO−SiOガラス体を、500℃を超える温度、例えば600〜1200℃の温度、にて5時間以上保持した後、10℃/hr以下の平均降温速度で500℃以下まで降温するアニール処理を行い、TiO−SiOガラスの仮想温度を制御する。500℃以下まで降温した後は放冷できる。この場合の雰囲気は、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガス100%の雰囲気下、これらの不活性ガスを主成分とする雰囲気下、または空気雰囲気下で、圧力は減圧または常圧が好ましい。
本発明により得られるTiO−SiOガラスは、EUVLに使用されるマスク基板、ミラー基材やステージなどの半導体露光装置光学材として最適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下の実施例のガラス組成は全てTiO=7.4質量%、SiO=92.6質量%である。
[例1]
TiO−SiOガラスのガラス形成原料であるTiClとSiClを、それぞれガス化させた後に混合させ、酸水素炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるTiO−SiOガラス微粒子を基材に堆積・成長させて、直径8cm、長さ12cmの多孔質TiO−SiOガラス体を形成した((a)工程)。
得られた多孔質TiO−SiOガラス体をHe100%雰囲気下で1550℃まで昇温し、この温度で10時間保持し透明ガラス化し、透明TiO−SiOガラス体を得た((b)工程)。
得られた透明TiO−SiOガラス体を、軟化点以上の1600℃に加熱して自重変形を行わせ、所定のサイズのブロック形状に成形し、成形TiO−SiOガラス体を得た。((c)工程)
得られた成形TiO−SiOガラス体を電気炉内に設置し、950℃にて100時間保持した後、500℃まで5℃/hrで降温し、その後室温まで放冷し((d)工程)、TiO−SiOガラスを得た。
[例3]
例1における工程(d)において、スライスした後の冷却条件を変え、成形TiO−SiOガラス体を電気炉内に設置し、1300℃にて2時間保持した後、500℃まで5℃/hrで降温し、その後室温まで放冷した。これ以外は例1と全く同様の方法により、TiO−SiOガラスを得た。
[例4]
例1における工程(d)において、スライスした後の冷却条件を変え、成形TiO−SiOガラス体を電気炉内に設置し、800℃にて150時間保持した後、500℃まで5℃/hrで降温し、その後室温まで放冷した。これ以外は例1と全く同様の方法により、TiO−SiOガラスを得た。
これら例1〜例4の測定結果を表1に仮想温度の測定結果を図1にまとめる。なお、OH基濃度、熱膨張係数、仮想温度の評価方法については、それぞれ前述の測定法にしたがって行った。屈折率の変動幅Δnについては、30mm×30mm×5mmのサンプルで評価を行った。ここで例1および4は参考例、例3は比較例である。
例1は仮想温度が1000℃よりも低いので、熱膨張係数は0〜100℃および−50〜150℃の2種の温度域において、ともに0±200ppb/℃の範囲内となった。例3は、仮想温度が1000℃よりも高いので、熱膨張係数は0〜100℃および−50〜150℃の2種の温度域において、ともに0±200ppb/℃の範囲内とはならなかった。例4は仮想温度が特に低く(850℃以下)、熱膨張係数は0〜100℃および−50〜150℃の2種の温度域において、ともに0±150ppb/℃の範囲内となった。
[例5]
例1において、成形TiO−SiOガラス体を30mm×30mm×10mmのTiO−SiOガラス小片に切断した。得られたTiO−SiOガラス小片を電気炉内に設置し、900℃にて100時間保持した後、500℃まで5℃/hrで降温し、その後室温まで放冷した(例5−徐冷)。また、900℃にて100時間保持した後、大気放冷した(例5−急冷)。これ以外は例1と全く同様の方法により、TiO−SiOガラスを得た。
[例6]
ゼロ膨張TiO−SiOガラスとして知られるコーニング社製ULE(製品名)ガラスの200mm×200mm×10mmのブロックをさらに30mm×30mm×10mmのTiO−SiOガラス小片に切断した。得られたTiO−SiOガラス小片を電気炉内に設置し、900℃にて100時間保持した後、500℃まで5℃/hrで降温し、その後室温まで放冷した(例6−徐冷)。また、900℃にて100時間保持した後、大気放冷した(例6−急冷)。
これら例5および例6の測定結果を表2にまとめる。なお、ここで例5は実施例、例6は比較例である。
例5は、OH基濃度が低いために、徐冷処理と急冷処理による仮想温度差が100℃以内になっている。例6はOH基濃度が高いために、徐冷処理と急冷処理による仮想温度差が100℃以内にはなっていない。
この結果は、径の大きいTiO−SiOガラス体に徐冷処理をしたときのガラス体の仮想温度分布が、OH基濃度が低いときは100℃以内になるが、OH基濃度が高いときは100℃以上になるおそれがあることを示唆している。すなわち、OH基濃度が低いと仮想温度のバラツキは小さくなり、熱膨張係数の均質性が向上し、EUV用露光装置光学材として好適となることを示している。

Claims (3)

  1. 仮想温度が1000℃以下であり、OH基濃度が600ppm以下であり、かつ−50〜150℃での熱膨張係数が0±200ppb/℃であり、仮想温度のばらつきが70℃以内である、TiOを含有することを特徴とするシリカガラス。
  2. TiOを1〜12質量%含有する、請求項1に記載のシリカガラス。
  3. OH基濃度が70ppm以上600ppm以下である、請求項1または2に記載のシリカガラス。
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