JPH11116256A - 合成石英ガラス製造用バーナーおよびその修理方法 - Google Patents

合成石英ガラス製造用バーナーおよびその修理方法

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JPH11116256A
JPH11116256A JP9273096A JP27309697A JPH11116256A JP H11116256 A JPH11116256 A JP H11116256A JP 9273096 A JP9273096 A JP 9273096A JP 27309697 A JP27309697 A JP 27309697A JP H11116256 A JPH11116256 A JP H11116256A
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burner
combustion
quartz glass
synthetic quartz
reaction
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JP9273096A
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English (en)
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Toshitsugu Suwa
俊嗣 諏訪
Kazuhiro Nakagawa
和博 中川
Hiroki Jinbo
宏樹 神保
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B19/14Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
    • C03B19/1415Reactant delivery systems
    • C03B19/1423Reactant deposition burners
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/04Multi-nested ports
    • C03B2207/06Concentric circular ports
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/04Multi-nested ports
    • C03B2207/12Nozzle or orifice plates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B2207/04Multi-nested ports
    • C03B2207/14Tapered or flared nozzles or ports angled to central burner axis
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/20Specific substances in specified ports, e.g. all gas flows specified
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B2207/42Assembly details; Material or dimensions of burner; Manifolds or supports

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バーナーの修理による、合成石英ガラスの品
質の変動を抑制する。 【解決手段】 スートの生成反応に主に寄与するガスを
一部の噴射口14aまで導く反応管部16を具え、昇温
のための燃焼反応に主に寄与するガスを他の噴射口14
bまで導く燃焼管部18を具え、反応管部16と燃焼管
部18とを互いに分離可能な構造とし、反応管部16
を、燃焼管部18の中央に差し込んだ構造とする。反応
管部16の噴射口14aを、先端面12の中央部に配置
し、燃焼管部18の噴射口14bを、この反応管部16
の噴射口14aの周囲に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合成石英ガラス
製造用バーナーおよびその修理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造過程で半導体基
板等に集積回路の微細パターンを露光・転写する光リソ
グラフィー技術において、ステッパーと呼ばれる露光装
置が用いられている。このステッパーの光源には、近
年、大規模集積回路(LSI)の高集積化に伴って可視
光よりも波長の短い紫外域の光が用いられるようになっ
た。このため、露光装置の光学系も、従来の光学ガラス
に変えて、紫外域の光を透過する材料で構成することが
必要となった。紫外域の光の透過率の高い光学材料とし
ては、例えば、石英ガラスが知られている。
【0003】また、露光装置の光学系は、収差補正のた
めにレンズ等の多数の光学部材で構成されている。この
ため、露光装置の光学系全体の透過率を高くするために
は、個々の光学部材の透過率を高くすることが必要であ
る。石英ガラスの透過率を高くするためには、石英ガラ
スを高純度にすることが必要である。高純度の石英ガラ
スが得られる製造方法としては、火炎加水分解法(「直
接法」または「直接火炎法」とも称する。)が知られて
いる。
【0004】火炎加水分解法では、四塩化ケイ素などの
高純度のケイ素化合物を原料に用いる。そして、この原
料と、加熱および加水分解反応のための燃焼ガス(例え
ば酸素および水素)とを、製造装置の合成炉内のターゲ
ットに向けて、バーナーから噴射する。このターゲット
は、合成炉内で回転、引き下げを行なっている。バーナ
ーから噴射された原料は、酸素水素火炎で加水分解され
て石英ガラス微粒子(スート)を形成する。スートは、
ターゲット上で堆積、溶融、透明化して石英ガラスのイ
ンゴットを形成する。このようにして得られた石英ガラ
スは合成石英ガラスと呼ばれる。
【0005】火炎加水分解法による合成石英ガラスの製
造に使用する合成石英ガラス製造用バーナーの一例が、
文献:「特開平7−138028号公報」に開示されて
いる。この文献に開示の合成石英ガラス製造用バーナー
は、同心円状に配置された5重管、この5重管を囲む外
殻管およびこの外殻管と5重管との間に配置された複数
のノズルを具えている。
【0006】ところで、合成石英ガラス製造用バーナー
は、その先端部分を合成炉内部に露出させて設置され
る。このため、火炎加水分解法により合成石英ガラスを
製造する際に、バーナーの先端部分は、合成炉内部の熱
を受ける。その上、バーナーから噴射されたガス流の一
部がインゴットにあたってバーナーの側に廻り込んでバ
ーナに吹きつける。その結果、バーナーを耐熱性および
耐腐食性に優れた石英ガラス製としても、バーナーの特
に先端部分が劣化して、部分的に溶けたり気化して、消
失することがある。
【0007】バーナーの先端部分が消失してバーナーの
先端部分の形状が変化すると、原料ガス等の噴射方向が
変化する。その結果、合成石英ガラス製造中のバーナー
の特性が変化する。バーナーの特性が経時変化すると、
合成石英ガラスの品質も経時変化する、このため、合成
石英ガラスの品質が低下する。
【0008】また、バーナーの先端部分の劣化した部分
が破片となって、合成石英ガラスのインゴットに混入す
る場合がある。インゴットにこの破片が混入すると、破
片が合成石英ガラス中の不均質の原因となる。その結
果、合成石英ガラスの品質が低下する。尚、ここで不均
質とは、異物、泡および脈理(局所的な屈折率不均質)
を含む。
【0009】また、バーナーの先端部分の劣化した部分
は、劣化していない部分よりスートが付着し易い。この
劣化した部分に一旦付着したスートは、再び剥離してイ
ンゴットに落下して混入する場合がある。この落下した
スートは、バーナーからインゴットへ直接吹きつけられ
るスートに比べて温度が低い上に、合成炉を浮遊してい
た間に組成が変化している。このため、落下したスート
がインゴットに混入すると、このスートがインゴット中
の不均質の原因となる。その結果、合成石英ガラスの品
質が低下する。
【0010】このため、バーナーの先端部分の劣化に起
因する合成石英ガラスの品質の低下を防ぐため、バーナ
ーを頻繁に修理する必要があった。バーナーの修理にあ
たっては、先ず、劣化して先端が不揃いとなったバーナ
ーの先端部分を、先端面が平面となるように、全面切り
戻す。次に、切り戻されたバーナーの先端に、新しいノ
ズルなどを一本一本に熱を加えてガラス細工により継ぎ
足して、新しい先端部分を形成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バーナ
の修理を行なった場合、修理後のバーナーの先端部分の
形状を、劣化前のバーナーの先端部分の形状と全く同一
とすることは困難である。修理後のバーナーの先端部分
は、劣化前に比べて、ノズルの向き、ノズルの管径およ
びノズルの間隔といった形状が微妙に異なる。その結
果、修理後のバーナーから噴射される原料ガスおよび燃
焼ガスの流速といったバーナの特性が、劣化前のバーナ
ーの特性から変化する。バーナーの特性が変化すると、
合成炉内部の燃焼条件や原料ガスの反応条件が変化す
る。このため、バーナーの修理の前後で、品質の同じ合
成石英ガラスを安定して合成することが困難であった。
【0012】また、バーナーの修理を頻繁に行なうた
め、修理の手間、費用および時間がかかっていた。
【0013】このため、バーナーの修理による、合成石
英ガラスの品質の変動を抑制できる合成石英ガラス製造
用バーナの出現が望まれていた。
【0014】さらに、合成石英ガラス製造用バーナーの
容易な修理方法の出現が望まれていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】この出願に係る発明者ら
は、種々の実験および検討を重ねた結果、バーナーの先
端部分の劣化が一様ではなく、劣化の比較的激しい部分
とほとんど劣化していない部分とがあることに着目し
た。この劣化の比較的激しい部分とは、昇温のための燃
焼反応に主に寄与するガスとしての支燃ガスおよび可燃
ガスを噴射する部分である。また、ほとんど劣化してい
ない部分とは、スートの生成反応に主に寄与するガスと
しての原料ガスおよび支燃ガス等を噴射する部分であ
る。
【0016】さらに、この出願に係る発明者は、合成石
英ガラスの品質に対しては、スートの生成反応に寄与す
るガスの噴射条件の影響が大きいのに比べて、燃焼反応
に寄与するガスの噴射条件の影響が小さいことに着目し
た。
【0017】そこで、この出願に係る発明者は、合成石
英ガラスの品質に与える影響が小さく、かつ、劣化の比
較的激しい、燃焼反応に主に寄与するガスを噴射する部
分のみを分離して修理すれば、バーナーの修理による、
合成石英ガラスの品質の変動を抑制できることに想到し
た。
【0018】(合成石英ガラス製造用バーナー)そこ
で、この発明の合成石英ガラス製造用バーナーによれ
ば、先端面に複数の噴射口を具え、スートの生成反応に
主に寄与するガスを一部の噴射口まで導く反応管部と、
昇温のための燃焼反応に主に寄与するガスを他の噴射口
まで導く燃焼管部とを具え、反応管部と燃焼管部とを互
いに分離可能な構造としてあることを特徴とする。
【0019】このように、反応管部と燃焼管部とを互い
に分離可能な構造としてあるので、合成石英ガラスの品
質に与える影響が小さく、かつ、劣化の比較的激しい燃
焼管部のみを修理することができる。一方、合成石英ガ
ラスの品質に与える影響が大きく、かつ、ほとんど劣化
していない反応管部を、そのまま継続して使用すること
ができる。このため、バーナーの修理による、合成石英
ガラスの品質の変動を抑制できる。
【0020】尚、合成石英ガラスの品質に対して、反応
管部よりも燃焼管部のガスの噴射条件の影響が小さいこ
とは、従来から合成石英ガラスの製造時に、炉内温度の
調整のために燃焼管部からのガスの噴射量を調整してい
るという経験的事実が根拠となる。すなわち、燃焼管部
のガスの噴射条件が多少変動しても、高品質の合成石英
ガラスが得られるからである。これに対して、反応管部
のガスの噴射条件が変動すると、合成石英ガラスの品質
が大きく変動する。このため、合成石英ガラスの製造に
あたっては、反応管部の最適なガスの噴射条件を求めて
合成を行なっていた。
【0021】また、燃焼管部の先端付近の劣化が比較的
激しい理由は、次のように考えられる。燃焼管部から噴
射されるガスは、インゴットの合成面の昇温のための燃
焼反応に主に寄与する。この燃焼反応は、燃焼管部の噴
射口の近くで起こる。このため、燃焼管部の噴射口付近
は高温に曝される。その結果、燃焼管部の劣化が激しく
なると考えられる。
【0022】また、反応管部の先端付近が、燃焼管部の
先端付近に比べて、ほとんど劣化しない理由は、次のよ
うに考えられる。反応管部から噴射されるガスは、スー
トの生成反応に主に寄与する。この生成反応によって発
生する熱は、燃焼反応によって発生する熱よりも小さ
い。さらに、反応管部から噴射されるガスの流速は、一
般に、燃焼管部から噴射されるガスの流速よりも速い。
このため、生成反応は、反応管部の噴射口から比較的離
れた位置で起こる。従って、反応管部の噴射口付近は、
燃焼管部の噴射口付近程には高温にならない。このた
め、反応管部が、ほとんど劣化しないものと考えられ
る。
【0023】また、この発明の合成石英ガラス製造用バ
ーナーにおいて、好ましくは、反応管部は、スートの生
成反応に主に寄与するガスとして、少なくとも原料ガス
および支燃ガスをそれぞれの噴射口まで個別に導く構成
を有し、燃焼管部は、昇温のための燃焼反応に主に寄与
するガスとして、支燃ガスおよび可燃ガスをそれぞれの
噴射口まで個別に導く構成を有するのが良い。
【0024】また、この発明の合成石英ガラス製造用バ
ーナーにおいて、好ましくは、反応管部の噴射口を先端
面の中央部に配置し、燃焼管部の噴射口を、この反応管
部の噴射口の周囲に配置しておくのが良い。
【0025】バーナーの先端部分の外周部は、バーナー
の先端面の中央部よりも劣化し易い傾向がある。その
上、外周部には、先端面の中央部よりもスートが付着し
易い。そこで、反応管部の噴射口を先端面の中央部に配
置すれば、反応管部の先端付近の劣化および反応管部へ
のスートの付着を一層抑制することができる。そして、
その周囲のより劣化し易くかつスートが付着し易い周辺
部に配置された燃焼管部のみを修理することができる。
【0026】また、この発明の合成石英ガラス製造用バ
ーナーにおいて、より好ましくは、反応管部は、互いに
同心円状に配置された複数の反応管を具え、燃焼管部
は、最外郭の反応管の外周に外接する直径を有する外接
管と、当該外接管の外側に当該外接管と同心円状に配置
された外殻管と、外接管と外殻管との間に配置された燃
焼管とを具えておくのが良い。
【0027】このように構成すれば、燃焼管部の中央の
空間に反応管部を挿入することにより、反応管部と燃焼
管部とを容易に組合せて、バーナーを組み立てることが
できる。また、燃焼管部から反応管部を抜き取ることに
より、反応管部と燃焼管部とを容易に分離することがで
きる。
【0028】また、この発明の合成石英ガラス製造用バ
ーナーにおいて、より好ましくは、最外郭の反応管の外
周に突起部を具え、突起部は、反応管部の先端面と燃焼
管部の先端面とを揃えたときにのみ、当該燃焼管部に当
接する位置に設けておくのが良い。
【0029】このような突起部を設ければ、バーナーを
組立てる際に、反応管部の先端面と燃焼管部の先端面と
を容易に揃えることができる。
【0030】(合成石英ガラス製造用バーナーの修理方
法)また、この発明の合成石英ガラス製造用バーナーの
修理方法によれば、スートの生成反応に主に寄与するガ
スを噴射口まで導く管を以って構成された反応管部と、
昇温のための燃焼反応に主に寄与するガスを噴射口まで
導く管を以って構成された燃焼管部とを具え、反応管部
と燃焼管部とを互いに分離可能な構造としてある合成石
英ガラス製造用バーナーの修理を行なうにあたり、燃焼
管部のみを修理することを特徴とする。
【0031】このように、燃焼管部のみを修理するの
で、バーナーの先端部分全体を修理する場合に比べて、
バーナーを容易に修理することができる。さらに、燃焼
管部分のみを修理するので、合成石英ガラスの品質に与
える影響が大きく、かつ、ほとんど劣化していない反応
管部を、そのまま継続して使用することができる。この
ため、バーナーの修理による、合成石英ガラスの品質の
変動を抑制できる。
【0032】また、この発明の合成石英ガラス製造用バ
ーナーの修理方法において、好ましくは、燃焼管部のみ
を修理するにあたり、当該燃焼管部を交換すると良い。
【0033】このように、燃焼管部分のみを交換すれ
ば、バーナをより容易に修理することができる。
【0034】ところで、燃焼管部におけるガスの噴射条
件は、インゴットの合成面の温度分布に影響を与える。
温度分布は、インゴットの屈折率の分布に影響を与え
る。このため、温度分布は、修理によって変化しないこ
とが望ましい。尚、インゴットの合成面とは、インゴッ
トの頂部の、スートが堆積する部分をいう。合成面は、
通常は、半球状の面となっている。
【0035】そこで、燃焼管部の交換にあたり、好まし
くは、複数の予備の燃焼管部をそれぞれ用いた場合のイ
ンゴットの合成面の温度分布を予め測定しておき、使用
していた燃焼管部を用いた場合の、当該燃焼管部の劣化
前のインゴットの合成面の温度分布に近い温度分布が得
られる予備の燃焼管部を選択して、劣化した燃焼管部と
交換すると良い。
【0036】このように、劣化した燃焼管部を、劣化前
の当該燃焼管部を用いて得られた温度分布に近い温度分
布が得られる燃焼管部と交換すれば、バーナーの修理に
よる温度分布の変動を抑制することができる。このた
め、バーナーの修理による、合成石英ガラスの品質の変
動を一層抑制することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
合成石英ガラス製造用バーナーおよびその修理方法の例
について説明する。尚、参照する図は、この発明が理解
できる程度に各構成成分の大きさ、形状および配置関係
を概略的に示してあるに過ぎない。従って、この発明は
図示例にのみ限定されるものではない。
【0038】(合成石英ガラス製造用バーナーの構造に
ついて)図1〜図3を参照して、この発明の合成石英ガ
ラス製造用バーナーの構造について説明する。図1の
(A)は、この実施の形態の合成石英ガラス製造用バー
ナーの組立てた状態の縦断面図であり、図1の(B)
は、バーナーの先端面の正面図である。また、図2の
(A)は、この実施の形態の合成石英ガラス製造用バー
ナーを構成する反応管部の縦断面図であり、図2の
(B)は、反応管部の先端面の正面図である。また、図
3の(A)は、この実施の形態の合成石英ガラス製造用
バーナーを構成する燃焼管部の縦断面図であり、図3の
(B)は、燃焼管部の先端面の正面図である。尚、各図
においては、断面でない部分にもハッチングを施してあ
る場合がある。
【0039】この実施の形態の合成石英ガラス製造用バ
ーナー(単に、「バーナー」とも称する。)10によれ
ば、先端面12に複数の噴射口14を具えている(図1
の(B))。そして、スートの生成反応に主に寄与する
ガスを一部の噴射口14aまで導く反応管部16を具え
ている。また、昇温のための燃焼反応に主に寄与するガ
スを他の噴射口14bまで導く燃焼管部18を具えてい
る。
【0040】そして、この合成石英ガラス製造用バーナ
ー10は、反応管部16と燃焼管部18とを互いに分離
可能な構造としている。この反応管部16および燃焼管
部18は、図2および図3にそれぞれ示すように、個別
の構造となっている。そして、組合せたときには、図1
に示すように、反応管部16が燃焼管部18の中央に差
し込まれた構造となっている。
【0041】その結果、反応管部16の噴射口14a
は、先端面12の中央部に配置される。また、燃焼管部
18の噴射口14bは、この反応管部16の噴射口14
aの周囲に配置される(図1)。
【0042】このように、反応管部16と燃焼管部18
とを互いに分離可能な構造としてあるので、燃焼管部1
8のみを分離して修理することが可能となる。この燃焼
管部18は、前述したように、合成石英ガラスの品質に
与える影響が小さく、かつ、劣化の比較的激しい部分で
ある。一方、燃焼管部18のみを分離して修理できるの
で、反応管部16は、そのまま継続して使用することが
できる。この反応管部16は、前述したように、合成石
英ガラスの品質に与える影響が大きく、かつ、ほとんど
劣化していない部分である。その結果、バーナーの修理
による、合成石英ガラスの品質の変動を抑制できる。
【0043】その上、反応管部16の噴射口14aを先
端面12の正面から見て中央部に配置してあるので、反
応管部の先端付近の劣化および反応管部へのスートの付
着を一層抑制することができる。その結果、合成石英ガ
ラスの品質の変動を一層抑制することができる。
【0044】また、反応管部16は、スートの生成反応
に主に寄与するガスとして、少なくとも原料ガスおよび
支燃ガスをそれぞれの噴射口14aまで個別に導く構成
を有する。
【0045】この実施の形態では、反応管部16は、互
いに同心円状に配置された複数の反応管を具えている。
具体的には、反応管部16は、第1重目の反応管(以
下、「原料管」とも称する。)24、第2重目の反応管
26、第3重目の反応管28、第4重目の反応管30お
よび第5重目の反応管32を以って構成されている。そ
して、この第5重目の反応管32が、反応管部16の円
筒状の外郭を形成する。以下、この第5重目の反応管3
2を外郭反応管32とも称する。尚、図1および図2に
おいては、この外郭反応管32の一部分にハッチングを
施して示す。
【0046】また、ここでは、反応管部16の各反応管
を、それぞれ石英ガラスで以って形成しておく。そし
て、原料管24の外径を5.9mm、内径を3.5m
m、管厚を1.2mmとする。また、第2重目の反応管
26の外径を10.1mm、内径を7.5mm、管厚を
1.3mmとする。そして、第1重目の反応管24と第
2重目の反応管26との隙間を0.8mmとする。ま
た、第3重目の反応管28の外径を13.9mm、内径
を11.5mm、管厚を1.2mmとする。そして、第
2重目の反応管26と第3重目の反応管28との隙間
を、0.7mmとする。また、第4重目の反応管30の
外径を18.5mm、内径を15.5mm、管厚を1.
5mmとする。そして、第3重目の反応管28と第4重
目の反応管30との隙間を0.8mmとする。また、第
5重目の反応管32の外径を24.0mm、内径を2
1.0mm、管厚を1.5mmとする。そして、第4重
目の反応管30と第5重目の反応管32との隙間を1.
25mmとする。
【0047】また、ここでは、例えば、原料ガスとして
四塩化ケイ素ガス(SiCl4 )を用い、支燃ガスとし
て酸素ガス(O2 )を用いる。また、ここでは、反応管
部16の噴射口14aから、可燃ガスとしての水素ガス
(H2 )も噴射させる。
【0048】具体的には、原料管24の内側に、SiC
4 とO2 とを流す。また、第1重目の反応管24と第
2重目の反応管26との隙間に、O2 を流す。また、第
2重目の反応管26と第3重目の反応管28との隙間
に、H2 を流す。また、第3重目の反応管28と第4重
目の反応管30との隙間に、O2 を流す。また、第4重
目の反応管30と第5重目の反応管32との隙間に、H
2 を流す。
【0049】また、燃焼管部18は、昇温のための燃焼
反応に主に寄与するガスとして、支燃ガスおよび可燃ガ
スをそれぞれの噴射口まで個別に導く構成を有する。
【0050】この実施の形態では、燃焼管部18は、外
郭反応管32の外周に外接する直径を有する外接管36
と、この外接管36の外側に当該外接管36と同心円状
に配置された外殻管38とを具えている。尚、図1およ
び図3においては、この外接管36の一部分にハッチン
グを施して示す。
【0051】ここでは、外接管36および外殻管38
を、それぞれ石英ガラスで以って形成しておく。そし
て、外接管36の外径を28.0mm、内径を25.0
mm、管厚を1.5mmとする。外接管36と外郭反応
管32との間には、反応管部16を燃焼管部18に円滑
に挿入してバーナー10を組み立てるために、あそびを
持たせておくと良い。また、外殻管38の外径を74m
m、内径を68mm、管厚を3mmとする。
【0052】さらに、この燃焼管部18は、外接管36
と外殻管38との間に配置された燃焼管40を具えてい
る。この燃焼管40は、複数の細管40aに連続してい
る。これらの細管40aの噴射口14bbは外接管36
と同心円の2重の円周上にそれぞれ互いに等間隔で配置
されている。
【0053】ここでは、燃焼管40(細管40aを含
む。)を石英ガラスで以って形成しておく。そして、そ
して、各細管40aの外径を7.9mm、内径を5.5
mm、管厚を1.2mmとする。そして、各細管40a
の噴射口14bbを先端面12bの正面から見て、二重
の同心円上にそれぞれ配置しておく。二重の同心円の内
側の円周上には、16本の噴射口14bbを互いに等間
隔となるようにそれぞれ配置しておく。また、外側の円
周上にも16本の噴射口14bbを互いに等間隔となる
ようにそれぞれ配置しておく。
【0054】また、ここでは、例えば、支燃ガスとして
酸素ガス(O2 )を用い、可燃ガスとして水素ガス(H
2 )を用いる。具体的には、各細管40aに、O2 を流
す。また、外接管36と外殻管38との間の細管40以
外の部分に、H2 を流す。
【0055】また、この合成石英ガラス製造用バーナー
10は、最外郭の反応管(外郭反応管32)の外周に突
起部34を具えている。この突起部34は、反応管部1
6の先端面14aと燃焼管部18の先端面14bとを揃
えたときにのみ、当該燃焼管部18に当接する位置に設
けておく。
【0056】ここでは、突起部34として、外郭反応管
32の噴射口14と反対側の導入側付近の外周に沿っ
て、つば状に張り出した構造を設けておく。そして、こ
の突起部34が当接する部分として、燃焼管部18の外
接管36の噴射口14と反対側の導入側付近に、外接管
36の外周に沿ってつば状に張り出した構造を当接部4
2として設けておく。
【0057】このような突起部34を設ければ、バーナ
ー10を組立てる際に、突起部34と当接部32とが当
接することにより、反応管部16の先端面14aと燃焼
管部18の先端面14bとを容易に揃えることができ
る。
【0058】尚、この突起部34や当接部42の構造
は、つば状に張り出した構造に限定する必要はない。例
えば、突起部として、外郭反応管32の外周の一部分
に、棒状や塊状の突起部を設けても良い。また、当接部
として、突起部の形状に対応した構造、例えば凹部を設
けも良い。また、当接部として、特別な構造を設けなく
とも良い。
【0059】(合成石英ガラス製造用バーナーの修理方
法)次に、この発明の合成石英ガラス製造用バーナー1
0の修理方法の例について説明する。
【0060】ここでは、合成石英ガラスを、1回目に2
週間製造した後、バーナー10を修理して、さらに2回
目に2週間合成石英ガラスを製造した。
【0061】合成石英ガラスの製造にあたっては、原料
ガスとしての高純度の四塩化ケイ素(SiCl4 )を3
0g/分の流量で噴射口14から噴射する。また、支燃
ガスとしての酸素ガス(O2 )および可燃ガスとしての
水素ガス(H2 )を流速2.6〜50m/sでそれぞれ
の噴射口14から噴射する。尚、ガスの流量は、個々の
噴射口によって異なる。また、酸素ガス/水素ガスの流
量の比率は、バーナー全体で、0.35とする。
【0062】バーナー10から噴射された原料ガスは、
スートを形成する。そして、このスートは、合成石英ガ
ラスのインゴットの合成面に堆積する。また、石英ガラ
スの合成時には、インゴットの合成面の温度を均一化す
るために、インゴットを載せたターゲットを一定周期で
回転および動揺させる。また、インゴットの合成面とバ
ーナーとの距離を一定に保つため、ターゲットを徐々に
降下させる。このようにして、直径240mm、長さ6
00mmの合成石英ガラスのインゴットを得た。
【0063】ここで、図4の(A)のグラフに、1回目
の合成開始直後の、インゴットの合成面の直径方向の温
度分布と屈折率分布とを示す。合成開始直後において
は、バーナーの先端は、まだ劣化していない。図4の
(A)のグラフの横軸は、インゴットの中心軸からの距
離(mm)を表す。尚、ここでは、直径240mmのイ
ンゴットのうち、中心軸から半径100mm以内の部分
を測定対象とした。また、グラフの右側の縦軸は、合成
面の相対的な温度を表す。そして、この右側の縦軸の一
目盛は、10℃の温度差を表す。また、グラフの左側の
縦軸は、インゴットの相対的な屈折率を表す。そして、
この左側の縦軸の一目盛は、1.0×10-6の屈折率差
を表す。
【0064】そして、図4の(A)のグラフ中の、破線
の曲線Iは、温度分布を表す。また、実線の曲線IIは、
屈折率分布を表す。尚、温度分布は、赤外線(IR)カ
メラを用いて測定した。また、屈折率分布は、レーザー
干渉計を用いて、従来周知のオイルオンプレート法を用
いて測定した。
【0065】曲線Iに示すように、1回目の合成開始直
後のインゴットの合成面の温度分布は、合成面の中央付
近の温度が最も高く、中央付近から周辺へ離れるにした
がって、左右対称に、温度が緩やかに低下する温度分布
を有する。また、この温度分布では、中央付近の温度の
変化は、周辺付近の温度変化よりも緩やかになってい
る。そして、ここでは、この温度分布を理想的な温度分
布とする。
【0066】また、曲線IIに示すように、インゴットの
屈折率分布は、中央付近の合成面の温度の高い部分で低
く、周辺の合成面の温度の低い部分へ行くにつれて緩や
かに高くなっている。
【0067】次に、図4の(B)のグラフ中に、1回目
の合成の終了直前のインゴットの合成面の直径方向の温
度分布を示す。図4の(B)のグラフの横軸は、図4の
(A)と同様に距離を表す。また、右側の縦軸は、図4
の(A)と同様に相対的な温度を表す。
【0068】そして、図4の(B)のグラフ中の破線の
曲線III は、温度分布を表す。曲線III に示すように、
1回目の合成の終了直前では、バーナー10の劣化のた
め、合成面の温度分布が、図4の(A)に示す合成開始
直後の温度分布から変化している。
【0069】そこで、この実施の形態では、1回目の合
成の終了後に、バーナーの燃焼管部18のみを修理し
た。ここでは、燃焼管部18のみを修理するにあたり、
当該燃焼管部18を予備の新しい燃焼管部と交換した。
【0070】交換にあたっては、バーナー10を合成炉
から取り外す。そして、燃焼管部18の中央部に差し込
まれた反応管部16を、燃焼管部18から抜き取って、
反応管部16と燃焼管部18とを分離する。次に、反応
管部16を予備の新しい燃焼管部に差し込んで、バーナ
ーを組み立てる。そして、組み立てたバーナーを合成炉
に取り付ける。
【0071】そして、使用した燃焼管部18を予備の新
しい燃焼管部と交換するにあたっては、予備の新しい燃
焼管部の選別を行なった。具体的には、複数の予備の燃
焼管部をそれぞれ用いた場合のインゴットの合成面の温
度分布を、交換に先立ち、予め測定しておく。温度分布
の測定は、IRカメラを用いると良い。
【0072】そして、使用していた燃焼管部18を用い
た場合の、当該燃焼管部の劣化前のインゴットの合成面
の温度分布(図4の(A)に曲線Iで示される温度分
布)に近い温度分布が得られる予備の燃焼管部を選択す
る。そして、劣化した燃焼管部18を選択された予備の
燃焼管部と交換する。
【0073】このように、劣化した燃焼管部を、劣化前
の当該燃焼管部を用いて得られた温度分布に近い温度分
布が得られる燃焼管部と交換すれば、バーナーの修理に
よる温度分布の変動を抑制することができる。このた
め、バーナーの修理による、合成石英ガラスの品質の変
動を一層抑制することができる。
【0074】次に、図4の(C)に、バーナーの修理後
の2回目の合成開始直後のインゴットの合成面の直径方
向の温度分布と屈折率分布とを示す。図4の(C)のグ
ラフの横軸は、図4の(A)と同様に距離を表す。ま
た、グラフの右側の縦軸は、図4の(A)と同様に、相
対的な温度を表し、左側の縦軸は、相対的な屈折率を表
す。
【0075】そして、図4の(C)のグラフ中の、破線
の曲線IVは、温度分布を表す。また、実線の曲線Vは、
屈折率分布を表す。
【0076】曲線IVに示すように、2回目の合成開始直
後のインゴットの合成面の温度分布は、1回目の合成開
始直後と同様の理想的な温度分布を示す。また、曲線V
に示すように、2回目に合成されたインゴットの屈折率
分布も、1回目に合成されたインゴットの屈折率分布と
同様な分布となっている。屈折率分布はインゴットの品
質を反映する。従って、この実施の形態の合成石英ガラ
ス製造用バーナーの修理方法によれば、バーナーの修理
による、合成石英ガラスの品質の変動を抑制することが
できることが分かった。
【0077】(比較例)次に、図5を参照して、合成石
英ガラスを1回目に2週間製造した後、さらに2回目に
2週間合成石英ガラスを製造した例について比較例とし
て説明する。比較例における合成石英ガラスの製造条件
は、上述の実施の形態における合成石英ガラスの製造条
件と同じである。また、バーナーの構造も、反応管部と
燃焼管部とが一体で分離不可能である点を除いては、こ
の実施の形態のバーナー10と同様な構造とする。但
し、バーナーは1つ1つ手作りであるため、バーナーの
ノズルの向き、ノズルの管径およびノズルの間隔といっ
た形状は、バーナー毎に微妙に異なる。
【0078】そして、図5の(A)のグラフに、1回目
の合成開始直後の、インゴットの合成面の直径方向の温
度分布と屈折率分布とを示す。図5の(A)のグラフの
横軸は、図4の(A)と同様に距離を表す。また、グラ
フの右側の縦軸は、図4の(A)と同様に、合成面の相
対的な温度を表す。また、グラフの左側の縦軸は、図4
の(A)と同様に、インゴットの相対的な屈折率を表
す。
【0079】この図5の(A)のグラフ中の、破線の曲
線VIは、温度分布を表す。また、実線の曲線VII は、屈
折率分布を表す。
【0080】曲線VIに示すように、比較例の1回目の合
成開始直後のインゴットの合成面の温度分布は、ほぼ理
想的な温度分布となっている。また、曲線VII に示すよ
うに、インゴットの屈折率分布は、中央付近の合成面の
温度の高い部分で低く、周辺の合成面の温度の低い部分
へ行くに従って緩やかに高くなっている。
【0081】そして、比較例では、バーナーの修理を行
なわずに、2回目の合成を行なった。ここで、図5の
(B)に、2回目の合成開始直後のインゴットの合成面
の直径方向の温度分布と屈折率分布とを示す。図5の
(B)のグラフの横軸は、図5の(A)と同様に距離を
表す。また、グラフの右側の縦軸は、図5の(A)と同
様に、相対的な温度を表し、左側の縦軸は、相対的な屈
折率を表す。
【0082】そして、図5の(B)のグラフ中の、破線
の曲線VIIIは、比較例の2回目の合成開始直後の温度分
布を表す。また、ここでは、曲線VIIIと1回目の温度分
布を表す曲線VIとを比較するために、曲線VIと同じ形状
の一点鎖線の曲線IXを示す。また、図5の(B)のグラ
フ中の実線の曲線Xは、屈折率分布を表す。
【0083】曲線VIIIに示すように、2回目の合成開始
直後のインゴットの合成面の温度分布は、バーナーの先
端部分が劣化しているため、1回目の合成開始直後を示
す曲線IXと異なっている。そして、曲線VIIIに示すよう
に、中央付近の温度に比べて、周辺部の温度が一段と低
くなっている。
【0084】また、曲線Xに示すように、2回目に合成
されたインゴットの屈折率分布は、中央付近の屈折率
が、周辺部分の屈折率に比べて一段と低くなっている。
このように、比較例の2回目の合成で得られた合成石英
ガラスの屈折率分布は、比較例の1回目の合成で得られ
た合成石英ガラスの屈折率分布と異なる。屈折率分布
は、インゴットの品質を反映する。従って、比較例で
は、合成石英ガラスの品質が変動してしまったことが分
かる。
【0085】上述した実施の形態では、これらの発明を
特定の材料を用い、特定の条件で構成した例についての
み説明したが、これらの発明は多くの変更および変形を
行うことができる。例えば、上述した実施の形態では、
バーナーの修理にあたり、燃焼管部を予備の燃焼管部に
交換する例について説明したが、この発明では、バーナ
ーの修理にあたり、燃焼管部の先端部分を一旦切り戻し
てから、ガラス細工により、先端部分を再形成しても良
い。
【0086】また、例えば、上述した実施の形態では、
反応管部の噴射口を先端面の中央部にのみ配置した例に
ついて説明したが、この発明では、反応管部は、先端面
の中央部以外に配置してあっても良い。
【0087】また、この実施の形態においては、反応管
部を一体のものとした例について説明したが、この発明
では、反応管部を複数の部分に分解可能な構造としても
良い。また、この実施の形態においては、燃焼管部を一
体のものとした例について説明したが、この発明では、
燃焼管部を複数の部分に分解可能な構造としても良い。
【0088】尚、この発明のバーナーは、反応管部と燃
焼管部とを個別に製造してから組合せることができる。
その結果、この発明のバーナーは、従来の反応管部と燃
焼管部とを分離することができない一体型のバーナーを
製造する場合に比べて、容易に製造することができる。
【0089】
【発明の効果】この発明の合成石英ガラス製造用バーナ
ーによれば、反応管部と燃焼管部とを互いに分離可能な
構造としてあるので、合成石英ガラスの品質に与える影
響が小さく、かつ、劣化の比較的激しい燃焼管部のみを
修理することができる。一方、合成石英ガラスの品質に
与える影響が大きく、かつ、ほとんど劣化していない、
反応管部は、そのまま継続して使用することができる。
このため、バーナーの修理による、合成石英ガラスの品
質の変動を抑制できる。
【0090】また、この発明の合成石英ガラス製造用バ
ーナーの修理方法によれば、燃焼管部のみを修理するの
で、バーナーの先端部分全体を修理する場合に比べて、
バーナーを容易に修理することができる。さらに、燃焼
管部分のみを修理するので、合成石英ガラスの品質に与
える影響が大きく、かつ、ほとんど劣化していない反応
管部を、そのまま継続して使用することができる。この
ため、バーナーの修理による、合成石英ガラスの品質の
変動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、実施の形態の合成石英ガラス製造用
バーナーの組立てた状態の縦断面図であり、(B)は、
バーナーの先端面の正面図である。
【図2】(A)は、実施の形態の合成石英ガラス製造用
バーナーを構成する反応管部の縦断面図であり、(B)
は、反応管部の先端面の正面図である。
【図3】(A)は、実施の形態の合成石英ガラス製造用
バーナーを構成する燃焼管部の縦断面図であり、(B)
は、燃焼管部の先端面の正面図である。
【図4】(A)は、実施例の1回目の合成開始直後の、
インゴットの合成面の直径方向の温度分布と屈折率分布
とを示すグラフである。(B)は、1回目の合成終了直
前の、合成面の温度分布を示すグラフである。(C)
は、バーナー修理後の2回目の合成開始直後の合成面の
温度分布と屈折率分布とを示すグラフである。
【図5】(A)は、比較例の1回目の合成開始直後の、
インゴットの合成面の直径方向の温度分布と屈折率分布
とを示すグラフである。(B)は、2回目の合成開始直
後の合成面の温度分布と屈折率分布とを示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10:合成石英ガラス製造用バーナー 12、12a、12b:先端面 14、14a、14b、14bb:噴射口 16:反応管部 18:燃焼管部 24、26、28、30、32:反応管 34:突起部 36:外接管 38:外殻管 40:燃焼管 40a:細管 42:当接部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端面に複数の噴射口を具え、 スートの生成反応に主に寄与するガスを一部の前記噴射
    口まで導く反応管部と、 昇温のための燃焼反応に主に寄与するガスを他の前記噴
    射口まで導く燃焼管部とを具え、 前記反応管部と前記燃焼管部とを互いに分離可能な構造
    としてあることを特徴とする合成石英ガラス製造用バー
    ナー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の合成石英ガラス製造用
    バーナーにおいて、 前記反応管部は、スートの生成反応に主に寄与する前記
    ガスとして、少なくとも原料ガスおよび支燃ガスをそれ
    ぞれの噴射口まで個別に導く構成を有し、 前記燃焼管部は、昇温のための燃焼反応に主に寄与する
    前記ガスとして、支燃ガスおよび可燃ガスをそれぞれの
    噴射口まで個別に導く構成を有することを特徴とする合
    成石英ガラス製造用バーナー。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の合成石英ガラ
    ス製造用バーナーにおいて、 前記反応管部の噴射口を、前記先端面の中央部に配置
    し、 前記燃焼管部の噴射口を、該反応管部の噴射口の周囲に
    配置してあることを特徴とする合成石英ガラス製造用バ
    ーナー。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの請求項に記載
    の合成石英ガラス製造用バーナーにおいて、 前記反応管部は、互いに同心円状に配置した複数の反応
    管を具え、 前記燃焼管部は、最外郭の前記反応管の外周に外接する
    直径を有する外接管と、当該外接管の外側に当該外接管
    と同心円状に配置された外殻管と、前記外接管と当該外
    殻管との間に配置された燃焼管とを具えてなることを特
    徴とする合成石英ガラス製造用バーナー。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の合成石英ガラス製造用
    バーナーにおいて、最外郭の前記反応管の外周に突起部
    を具え、 前記突起部は、前記反応管部の先端面と前記燃焼管部の
    先端面とを揃えたときにのみ当該燃焼管部に当接する位
    置に設けてあることを特徴とする合成石英ガラス製造用
    バーナー。
  6. 【請求項6】 先端面に複数の噴射口を具え、スートの
    生成反応に主に寄与するガスを一部の前記噴射口まで導
    く反応管部と、昇温のための燃焼反応に主に寄与するガ
    スを他の前記噴射口まで導く燃焼管部とを具え、前記反
    応管部と前記燃焼管部とを互いに分離可能な構造として
    ある合成石英ガラス製造用バーナーの修理を行なうにあ
    たり、 前記燃焼管部のみを修理することを特徴とする合成石英
    ガラス製造用バーナーの修理方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の合成石英ガラス製造用
    バーナーの修理方法において、 前記燃焼管部の修理にあたり、当該燃焼管部を交換する
    ことを特徴とする合成石英ガラス製造用バーナーの修理
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の合成石英ガラス製造用
    バーナーの修理方法において、 複数の予備の燃焼管部をそれぞれ用いた場合のインゴッ
    トの合成面の温度分布を予め測定する工程と、 使用していた前記燃焼管部を用いた場合の、当該燃焼管
    部の劣化前のインゴットの合成面の温度分布に近い温度
    分布が得られる予備の燃焼管部を選択して、劣化した燃
    焼管部と交換する工程とを有することを特徴とする合成
    石英ガラス製造用バーナーの修理方法。
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