JPH10162664A - 被覆超電導線の製造方法 - Google Patents

被覆超電導線の製造方法

Info

Publication number
JPH10162664A
JPH10162664A JP31673796A JP31673796A JPH10162664A JP H10162664 A JPH10162664 A JP H10162664A JP 31673796 A JP31673796 A JP 31673796A JP 31673796 A JP31673796 A JP 31673796A JP H10162664 A JPH10162664 A JP H10162664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting wire
wire
coated
superconducting
rolls
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31673796A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Iwasaki
庄治 岩崎
Kenji Goto
謙次 後藤
Nobuyuki Sadakata
伸行 定方
Takashi Saito
隆 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP31673796A priority Critical patent/JPH10162664A/ja
Publication of JPH10162664A publication Critical patent/JPH10162664A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な装置で、歪を与えず超電導線材に絶縁
被覆を施す被覆超電導線の製造方法を得る。 【解決手段】 周面に溝7a,7bが形成された複数の
ロール5a,5bを、これらの溝7a,7bが全体とし
て超電導線材1の外周を包囲するように配置し、超電導
線材1を走行させながら、超電導線材1とそれぞれの溝
7a,7bとの間に絶縁テープ2a,2bを供給し、超
電導線材1を長さ方向に被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導線材を絶縁
テープで被覆する際に発生する歪みに起因する超電導特
性の劣化を防止することができる被覆超電導線の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】交流超電導コイル、超電導変圧器、超電
導マグネット、超電導スイッチ、磁気分離装置などの各
種超電導機器に用いられる超電導線の材質としては、臨
界温度Tc と臨界磁場Hc が他の金属元素超電導体や合
金超電導体に比べ比較的高いNb3Sn、Nb3Al、V
3Gaなどの化合物超電導体が多く用いられている。
【0003】これらの化合物超電導体は、例えばNb3
Sn超電導体の場合について一例を示せば、Cu−Sn
合金の線材をマトリクスとし、この中に多数本のNb細
線を埋め込んで複合線材を形成し、これを延伸して極細
のNbフィラメントを含む多心線を作成し、この多心線
を、例えば500℃〜700℃程度の温度で熱処理し
て、Cu−Sn合金中のSnとNbとを反応させ、Nb
3Snを生成させて製造される。
【0004】得られた化合物超電導体を絶縁する方法と
しては、絶縁テープを巻く方法、有機物系の絶縁体で被
覆する方法、導体の表面に酸化皮膜を形成する方法など
が知られている。この内、絶縁テープを巻く方法は、従
来、図4に示すように、例えば2個のストックロール1
1a,11bを超電導線材1を挟んで対向させ、それぞ
れのストックロール11a,11bから絶縁テープ12
a,12bを引き出して、超電導線材1にそれぞれ螺旋
状に巻き、超電導線材1を走行させながら、双方のスト
ックロール11a,11bかまたは超電導線材1かのい
ずれかを軸回転させることによって螺旋巻きに被覆して
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、複数のストッ
クロールかまたは超電導線材かのいずれかを軸回転させ
る装置は複雑で高価であるうえに、テープ切れなどの故
障も起こりやすく、生産効率が悪かった。また、化合物
超電導体は極めて脆いので、絶縁テープを巻き付けて被
覆する際に、走行する超電導線材の周囲にストックロー
ルを回転させることによって超電導線材が歪みを受け、
臨界電流Icなどの超電導特性が劣化するという問題が
あった。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、従ってその目的は、絶縁テープで
被覆する際に超電導線材に歪を与えない簡易な被覆超電
導線の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する手
段として本発明は、周面を周回して溝が形成された複数
のロールを、これらの溝が全体として超電導線材の外周
を包囲するように配置し、超電導線材を走行させなが
ら、超電導線材とそれぞれのロールの溝との間に絶縁テ
ープを供給し、複数の並列された絶縁テープで超電導線
材を長さ方向に被覆することからなる被覆超電導線の製
造方法を提供する。
【0008】前記において、絶縁テープの超電導線材と
接触する面には、予め粘着材を施すと共に、ロールの溝
面には軟質部材を配し、この軟質部材を絶縁テープを挟
んで超電導線材に押しつけながら絶縁テープを超電導線
材の周面に貼付けて、超電導線材を被覆することが好ま
しい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により図面を用いて説明する。図1(a)(b)は、
本発明の被覆超電導線の製造方法の一実施例を示してい
る。図1(a)(b)において、超電導線材1は一定方
向に一定速度で走行している。この超電導線材1を挟ん
で互いに対向する位置に、2個のロール5a,5bが配
設されている。これらのロール5a,5bには、それぞ
れの周面を周回して溝7a,7bが形成され、これらの
溝7a,7bの表面には軟質部材としてゴムが貼られて
いる。そして、これら溝7a,7bが全体として超電導
線材1の外周を密に包囲するように、ロール5a,5b
が配置されている。
【0010】走行する超電導線材1とロールの溝7a,
7bとの間には、絶縁テープ2a,2bが供給されるよ
うになっている。この絶縁テープ2a,2bは、それぞ
れ、少なくとも超電導線材1の断面の半周を覆うことが
できる幅を有し、片面に粘着剤3が塗布されている。こ
れらの絶縁テープ2a,2bはそれぞれ、ストックロー
ル8a,8bから、粘着剤3が超電導線材1側に向くよ
うに巻き出されて供給される。
【0011】この状態で、超電導線材1を一定方向に走
行させながら絶縁テープ2a,2bをそれぞれ、超電導
線材1とロールの溝7a,7bとの間に供給すると、絶
縁テープ2a,2bは、超電導線材1と溝7a,7bと
の間で、超電導線材1の断面形状に沿って幅方向に湾曲
され、粘着剤3によって超電導線材1の周面に貼着され
る。超電導線材1は一定方向に走行しているので、連続
的にストックロール8a,8bから繰り出される絶縁テ
ープ2a,2bによってその長さ方向に連続的に被覆さ
れ、被覆超電導線10が製造される。
【0012】得られた被覆超電導線10は、図2(a)
(b)に示すように、超電導線材1が、並列された2枚
の絶縁テープ2a,2bによって長さ方向に被覆された
構成になっている。この絶縁テープ2a,2bは、片面
に粘着剤3が塗布されているので、この粘着剤3によっ
て絶縁テープ2a,2bは超電導線材1の外周に貼着さ
れている。
【0013】前記の被覆超電導線10の製造方法によれ
ば、超電導線材1は、対向するロール5a,5bに支持
されて一定方向に走行するだけで、横方向の振動を受け
ることがないので、歪みを生じることがなく、従って臨
界電流Icなどの超電導特性が劣化することがない。ま
た、前記の製造方法は、従来の被覆方法のように超電導
線材1を軸にして2個のストックロールを互いに回転さ
せる必要がないので、構造が簡単であり、安価に製造で
きるばかりでなく、被覆速度も比較的速くできるので、
生産効率も向上する。
【0014】本発明の製造方法において、用いるロール
の数は2個に限定されるものではない。必要に応じて、
例えば3個のロールを超電導線材1の断面に対してそれ
ぞれ120°の角度となるように配置して、これら3個
のロールの溝が全体として超電導線材1の外周を包囲す
るようにしてもよい。
【0015】
【実施例】図1(a)(b)に示す方法によって被覆超
電導線10を製造した。超電導線材1として、直径1m
mのNb3Sn超電導線を用い、絶縁テープ2a,2b
は、片面に粘着剤が塗布された幅1.57mmのものを
用いた。ロール5a,5bとしては、外径が300m
m、周面幅が20mmであり、その周面の中央を周回し
て、半径0.5mmの半円形の溝が形成された縦幅5m
mのゴム製環状体が装着されたものを用いた。超電導線
材1の線速は10cm/minとし、ロール5a,5b
の超電導線材1に対する押圧は、5kgf/mm2 とし
た。
【0016】前記の条件で超電導線材1を絶縁テープ2
a,2bで被覆し、被覆超電導線10を得た。この被覆
超電導線10について超電導特性(臨界電流Ic)を測
定した。結果を図3に示す。図3には、被覆前の超電導
線材1の臨界電流Ic、および比較例として、従来の、
絶縁テープを超電導線材に螺旋巻きした被覆超電導線の
臨界電流Icも併記した。
【0017】図3から、実施例の製造方法で得られた被
覆超電導線10の臨界電流Icは、被覆前の超電導線材
1のそれと同等であり、図3のタテ軸目盛1で表示した
規格値を満たしていることがわかる。これは、被覆工程
において超電導線材1に歪みが発生しなかったことを示
している。また、絶縁テープ2a,2bは超電導線材1
によく密着し、コイル巻きなどの後加工を行っても剥が
れることはなかった。これに対して、比較例の従来型被
覆超電導線は、超電導線材に歪みが発生したために臨界
電流Icが低下し、規格に合格しなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明の被覆超電導線の製造方法は、周
面に溝が形成された複数のロールを、これらロールの溝
が全体として超電導線材の外周を包囲するように配置
し、超電導線材を走行させながら、超電導線材とそれぞ
れのロールの溝との間に絶縁テープを供給し、超電導線
材を長さ方向に被覆するものであるので、被覆工程で超
電導線材が振動や衝撃を受けることがなく、従って内部
歪みが発生せず、超電導特性が損なわれない。また被覆
設備が簡単で、テープ切れなどの故障も起こり難く、被
覆速度を上げることができるので、生産効率が向上し、
製造費が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の被覆超電導線の製造方法の一実施例
を示す側面図(a)、と図1(a)のX方向から見た正
面図(b)。
【図2】 本発明の製造方法により製造された被覆超電
導線の一例を示す側面図(a)、と断面図(b)。
【図3】 超電導特性(臨界電流値Ic)を示すグラ
フ。
【図4】 従来の被覆超電導線の製造方法の一例を示す
側面図。
【符号の説明】
1…超電導線材、2a,2b…絶縁テープ、5a,5b
…ロール、7a,7b…溝、10…被覆超電導線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 隆 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面を周回して溝が形成された複数のロ
    ールを、これらの溝が全体として超電導線材の外周を包
    囲するように配置し、超電導線材を走行させながら、超
    電導線材とそれぞれのロールの溝との間に絶縁テープを
    供給し、複数の並列された絶縁テープで超電導線材を長
    さ方向に被覆することを特徴とする被覆超電導線の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 絶縁テープの超電導線材と接触する面に
    粘着材を施すと共に、ロールの溝面に軟質部材を配し、
    この軟質部材を絶縁テープを挟んで超電導線材に押しつ
    けながら絶縁テープを超電導線材の周面に貼付けること
    を特徴とする請求項1に記載の被覆超電導線の製造方
    法。
JP31673796A 1996-11-27 1996-11-27 被覆超電導線の製造方法 Pending JPH10162664A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31673796A JPH10162664A (ja) 1996-11-27 1996-11-27 被覆超電導線の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31673796A JPH10162664A (ja) 1996-11-27 1996-11-27 被覆超電導線の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10162664A true JPH10162664A (ja) 1998-06-19

Family

ID=18080351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31673796A Pending JPH10162664A (ja) 1996-11-27 1996-11-27 被覆超電導線の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10162664A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02209703A (ja) コイルボビン
JPH0638420A (ja) 環状巻線体
JPH10162664A (ja) 被覆超電導線の製造方法
JP3051757B2 (ja) 酸化物超電導線とその製造方法
JPH10135061A (ja) 超電導コイルの製造方法
JP2000323330A (ja) トロイダルコイル。
JP2997006B2 (ja) 成形撚線
US5361056A (en) Correction coil cable
JP3415646B2 (ja) 超電導導体
JPH0562544A (ja) Al安定化超電導線の製造方法
JPH05804B2 (ja)
JP2000164447A (ja) トロイダルコイルおよびその製造方法。
JPH05217431A (ja) 超電導成形撚線
JP3032771B2 (ja) 超電導コイルの製造方法
JPH06150746A (ja) 超電導成形撚線の製造方法
JPH02106821A (ja) ケーブル導体製造方法
JP2021086740A (ja) 超電導導体線および超電導機器ならびに超電導導体線の製造方法
JPH03184215A (ja) 超電導線
JPS58140906A (ja) 鋼心アルミ撚線及びその製造方法
JPH0117205B2 (ja)
JPH01130506A (ja) 多重巻コイル
JPH0955128A (ja) 交流用超電導ケーブル
JPH0232513A (ja) 変圧器巻線の製造方法
JPH04127511A (ja) 貫通形変流器
JPS63318012A (ja) 超伝導線及びその製造方法