JPH10158595A - 固定又は滑り止め用粘着テープ又はシート及び固定又は滑り止め用テープ又はシート - Google Patents

固定又は滑り止め用粘着テープ又はシート及び固定又は滑り止め用テープ又はシート

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JPH10158595A
JPH10158595A JP8319942A JP31994296A JPH10158595A JP H10158595 A JPH10158595 A JP H10158595A JP 8319942 A JP8319942 A JP 8319942A JP 31994296 A JP31994296 A JP 31994296A JP H10158595 A JPH10158595 A JP H10158595A
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JP
Japan
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sheet
fixing
tape
adhesive
slip
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Pending
Application number
JP8319942A
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English (en)
Inventor
Eiichi Terayama
栄一 寺山
Hiroaki Arai
広明 新井
Akira Sawamoto
彰 沢本
Eikun Araki
永勲 新木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konishi Co Ltd
Original Assignee
Konishi Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な密着性と糊残りのない優れた剥離性を
有する固定又は滑り止め用のテープ又はシート及び粘着
テープ又はシートを提供する。 【解決手段】又、本発明の固定又は滑り止め用テープ又
はシートは、据え付け体と据え付け面との間に介在させ
て該据え付け面上に該据え付け体を着脱可能に固定ある
いは該据え付け体の滑りを防止するための固定又は滑り
止め用テープ又はシートの据え付け面に接する面に、付
加重合型変性シリコーン樹脂硬化物で形成される層を配
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マットやカーペッ
ト等の被着体を床等の据え付け面に固定するための、あ
るいは、滑らかな平面上で物体が滑るのを防ぐための、
固定又は滑り止め用のテープ又はシート及び粘着テープ
又は粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】粘着テープや粘着シートは工業的にも一
般家庭でも幅広く利用されている。片面の粘着テープや
粘着シートは、セロハンテープ、包装用テープ、保護用
粘着シート、マスキングテープ、ラベル等の他、機材に
種々の機能をもたせたガラス飛散防止フィルム、遮光フ
ィルム、蛍光テープ、救急用テープ、反射シート等の形
態で広く使用されている。
【0003】上記のような用途の中で、カーペットやマ
ットを床面に固定したり置物等の滑り止めに使用される
粘着テープ及びシートは、床面から剥す際に床面に付着
物を残すことなくきれいに剥がれる必要がある。従っ
て、このような用途の粘着テープ及びシートは、主とし
て再剥離性の粘着剤を用いて製造される。このような再
剥離性の粘着剤は、貼着してから余り時間を経ていない
場合にはきれいに剥離するが、長時間経た後や熱又は光
に晒されるなどの過酷な条件で使用した場合には、剥し
た際に粘着剤が床面等に残ったり床面の破損が生じるこ
とがしばしば見受けられる。これは、長時間使用されて
いる間に粘着剤の床面等との密着性が増したり劣化して
ベタついたり、あるいは粘着剤が硬化することによって
生じる現象である。このように床面に残った粘着剤の除
去や破損した床面の補修に手間や技術を要することを考
えると、この様な粘着テープ及びシートを使用するのは
ためらわれる。
【0004】上述のような問題に対処するために、マッ
トあるいはカーペット用の両面粘着テープにおいては、
床面に貼着する側の粘着剤の塗布厚みを減らしたり、粘
着剤の架橋密度を上げたり、あるいは粘着剤の凝集力を
極度に高めるようにポリマー組成を設定したりといった
工夫がなされているが、このような方法では粘着テープ
と床面との密着性を低下させる結果となる。
【0005】また、糊残りに対処するために、粗く編ん
だ織物の両面に粘着加工を施して床面とテープ又はシー
トとが点状あるいは線状の部分で接着するようにして接
着面積を減らす工夫も見受けられる。しかし、この方法
では、マットやカーペットの裏面との密着性も低下せざ
るを得ない。床面に貼着する側の粘着面のみに粗い織物
を付着させて粘着テープと床面との接着面積を減らす工
夫も見られるが、床面との密着性を犠牲にすることとな
るため、十分な固定性が得られない。また、粘着剤自体
の性質は変わっていないため、剥離時の糊残りや被着体
の破損がなくなるわけではなく、条件によってはかえっ
て糊残りや被着体の破損が生じる場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、カー
ペットやマット等の固定や置物等の滑り止めに使用され
る従来の粘着テープ及びシートには、剥離時に糊残りや
被着体の破損を生じ易く、十分な固定性と再剥離性の長
時間保持とを十分に満足させることができないという問
題点があった。
【0007】本発明は、この様な従来技術の課題を解決
するためになされたもので、被着面に対する密着性が良
好で、剥離の際に糊残りや被着面の損傷を生じない固定
用又は滑り止め用のテープ又はシート及び粘着テープ又
はシートを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者はタックを有する素材について鋭意研究を
重ねた結果、付加重合型変性シリコーン樹脂硬化物が有
用であることを見いだし、本発明の固定用又は滑り止め
用のテープ又はシート及び粘着テープ又はシートを発明
するに至った。
【0009】本発明の固定又は滑り止め用粘着テープ又
はシートは、一面に粘着層を有し、他面に再剥離性固着
層を有し、該粘着層を被着体に接着させ、また該再剥離
性固着層を据え付け面に接することによって該据え付け
面上に該被着体を着脱可能に固定あるいは該据え付け体
の滑りを防止するための固定又は滑り止め用粘着テープ
又はシートであって、該再剥離性固着層は、付加重合型
変性シリコーン樹脂硬化物で形成されるものである。
【0010】又、本発明の固定又は滑り止め用テープ又
はシートは、据え付け体と据え付け面との間に介在させ
て該据え付け面上に該据え付け体を着脱可能に固定ある
いは該据え付け体の滑りを防止するための固定又は滑り
止め用テープ又はシートであって、該テープ又はシート
の前記据え付け面と接する面に付加重合型変性シリコー
ン樹脂硬化物で形成される層を有するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0012】従来の固定又は滑り止め用の粘着テープ及
びシートに使用された再剥離性粘着剤の膜は、床面に配
置した直後の剥離性については問題は少ないが、重量の
あるものによる圧接や気候変化を長時間を経て経験する
と変質等により剥離性が低下し、剥離後の糊残りを生じ
る。これを防止するためには、長時間品質が安定し、気
候変化等に耐性を有するものである必要がある。しか
も、床面等に対する適度な密着性と剥離性を備えていな
ければならない。このようなことを考慮して、様々な材
料について検討した結果、付加重合型変性シリコーン樹
脂硬化物がこれらの要件を十分に満たす材料であること
が判明した。付加重合型変性シリコーン樹脂硬化物の膜
は、充分な凝集力を有し、且つ、表面のタックにより床
面のような滑らかな面に対する密着性が高い。更に、耐
候性を有するので、品質の経時変化が他のプラスチック
材料等に比べて少なく、長時間に渡って家具等の据え付
けに用いたりカーペット類の固定に使用しても、きれい
に剥すことができる。
【0013】つまり、本発明の固定用又は滑り止め用テ
ープ又はシート及び粘着テープ又はシートは、付加重合
型の変性シリコーン樹脂硬化物の膜を床等に接する面に
配したものである。本発明において、付加重合型の変性
シリコーン樹脂硬化物は、テープ又はシートの一面のみ
に配してもあるいは両面に配してもよい。
【0014】付加重合型の変性シリコーン樹脂硬化物
は、詳細には、分子中に少なくとも1個のアルケニル基
を有するポリエーテル系重合体と分子中に少なくとも2
個のヒドロシリル基を有する有機珪素化合物とヒドロシ
リル化触媒とからなる有機珪素組成物を硬化させて得ら
れる硬化物である。
【0015】分子中に少なくとも1個のアルケニル基を
有するポリエーテル系重合体、分子中に少なくとも2個
のヒドロシリル基を有する化合物及びヒドロシリル化触
媒については、例えば、特開昭第61−218632号
公報、特開昭第61−215622号公報、特開昭第6
1−215623号公報、特開平第3−243661号
公報、特開平第3−88825号公報、特開平第6−5
3641号公報等に開示されている内容を参照すること
ができる。
【0016】分子中に少なくとも1個のアルケニル基を
有するポリエーテル系重合体の好適な例としては、末端
の不飽和基がアリルオキシ基又はアクリロイルオキシ基
である分子量500〜200000のポリプロピレンオ
キシド又はプロピレンオキシド−エチレンオキシド共重
合体が挙げられる。
【0017】また、分子中に少なくとも2個のヒドロシ
リル基を有する有機珪素化合物は、下記式で表されるよ
うな化合物(1)である。
【0018】 X−CHR1 CH2 −X (1) (但し、上記式中、Xはヒドロシリル官能基であり、R
1 は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜
20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基の
いずれかを示す。)ヒドロシリル化触媒の好ましい例と
しては、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビ
ニルシロキサン錯体等が挙げられる。
【0019】ヒドロシリル化触媒の配合量は、ポリエー
テル系重合体中のアルケニル基1個に対してヒドロシリ
ル官能基が0.2〜5.0個となるような割合が好まし
く、0.4〜2.5個となるような割合が更に好まし
い。更に、ヒドロシリル化触媒は、ポリエーテル系重合
体中のアルケニル基1モルに対して10-1〜10-8モル
の割合で配合するのが好ましく、10-3〜10-6モルで
あるのがより好ましい。
【0020】上記のポリエーテル系重合体とヒドロシリ
ル基を有する有機珪素化合物とヒドロシリル化触媒とを
配合した有機珪素組成物を、基材上に塗工して硬化さ
せ、シート又はテープを形成する。あるいは、離型紙に
塗工して硬化させたものを粘着剤で基材に転着させてシ
ート又はテープを作成してもよい。該有機珪素組成物の
硬化には、通常、加熱乾燥を必要とし、80〜130℃
で3〜20分程度加熱が施される。塗工の厚みは塗工さ
れる基材に応じて適宜調節する。基材が弾力性のないシ
ートである場合には、被着面に対する十分な密着性と再
剥離性とを発現するために硬化後の厚みが0.02mm以
上、好ましくは0.05mm以上となるように塗工する。
基材として発泡シートのような弾力性の材料を用いる場
合には、上記の厚みより薄くても十分に目的を達成する
ことができる。
【0021】上述の硬化シートは、基材の一面のみに配
しても両面に配してもよく、使用態様に応じて適宜決定
する。一面のみに配する場合は、他面には別の機能をも
たせることができる。例えば、カーペットやマットの固
定又は滑り止め用の外、例えば、特殊コーティングを施
すことによる表面保護、プリント生地を用いた表面装
飾、紫外線遮断フィルムの被覆による紫外線遮断、マグ
ネットを配することによる金属物の一時固定等の用途が
挙げられる。カーペットやマットの固定・滑り止め用テ
ープ又はシート及び異差剥離性テープ又はシートとして
の使用態様の場合には、用途に応じて被着体に適した粘
着剤を適宜選択して他面に配すればよい。
【0022】使用する基材としては、例えば、紙、不織
布、布、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、ゴム、アクリル等のプラスチック
によるフィルムやシート、無機質の板やシート等が挙げ
られる。
【0023】テープ又はシートが柔軟性を必要とする用
途においては、上記のポリエーテル系重合体とヒドロシ
リル基を有する化合物とヒドロシリル化触媒とを有する
有機珪素組成物を離型紙上で硬化させたシートをそのま
ま用いたり、硬化させたシートに直接前述のような粘着
剤を塗工して用いてもよい。
【0024】粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム
系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられ、用途に応じ
て適宜選択する。アクリル系粘着剤は、溶剤型、無溶剤
型、水性型のいずれも使用可能である。ゴム系粘着剤に
は、天然ゴム系粘着剤及び合成ゴム系粘着剤があるが、
いずれも使用可能である。ウレタン系粘着剤について
も、溶剤型、無溶剤型、水性型のいずれも使用可能であ
る。使用に際し、これらの粘着剤に硬化剤を配合しても
よく、溶剤型アクリル系粘着剤では硬化剤を配合するこ
とが一般的である。粘着剤に配合する硬化剤としては、
イソシアネート系、メラミン系、エポキシ系、キレート
系、アジリジン系等の化合物があり、必要とされる粘着
剤の物性に応じて使用する硬化剤の種類及び配合量を適
宜定めることができる。
【0025】本発明においては、被着面に対する付加重
合型変性シリコーン樹脂硬化物の密着性を高めるのを目
的として、上記有機珪素組成物に粘着付与剤を添加する
こともできる。粘着付与剤としては、例えば、フェノー
ル樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性フェノール樹
脂、テルペン樹脂、キシレン樹脂、スチレン樹脂、石油
樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、ポリブテン、ダフ
ニオイル等のオイル類、ジオクチルフタレート等の可塑
剤類等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらの粘着付与剤は単独もしくは2種以上を組み
合わせて用いることができる。上記の粘着付与剤のう
ち、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性フ
ェノール樹脂、テルペン樹脂等が相溶性の点で適してい
る。粘着付与剤の配合量は、ポリエーテル系重合体とヒ
ドロシリル基を有する化合物とヒドロシリル化触媒との
合計100重量部に対して30重量部以下、好ましくは
20重量部以下である。粘着付与剤の配合量が多いと硬
化物の密着性が高くなるが、配合量が30重量部を越え
ると硬化物の凝集力が低下して、剥離させたときに糊残
りを生じるようになる。
【0026】上述の粘着付与剤以外に、アクリル系ポリ
マーを配合することによって凝集力を高めたりタックを
向上させることも可能である。この場合には、溶剤型の
アクリル系ポリマーが好ましい。
【0027】更に、炭酸カルシウムやコロイダルシリ
カ、タルク、酸化チタン、カーボンブラック等の充填剤
や、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シランカップリ
ング剤等の添加剤、塗工し易い粘度に調整するための溶
剤等を必要に応じて配合して硬化シートを作ることがで
きる。
【0028】上述に従って得られる付加重合型変性シリ
コーン樹脂硬化物で形成される層は床等の面に対する9
0度剥離接着強さが1〜10N/25mmとなり、良好な
再剥離性を示す。尚、本願において提示する90度剥離
接着強さの値は、特定する言及がない場合には、後述す
る物性試験において用いられる条件で圧着後30分の時
点で測定される値を示すものとする。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに詳細に説明する。尚、以下の実施例及び比較例にお
いて「部」、「%」とあるのは、すべて「重量部」、
「重量%」を示す。
【0030】(実施例1)分子中に少なくとも1個のア
ルケニル基を有するポリエーテル系重合体と分子中に少
なくとも2個のヒドロシリル基を有する有機珪素化合物
とヒドロシリル化触媒とを配合した有機珪素組成物とし
て、サイリルACX004/ACX004C(商品名、
鐘淵化学工業(株)社製)混合液100部を攪拌器に投
入し、これにコロイダルシリカ粉末(商品名:アエロジ
ル200、日本アエロジル(株)社製)3部と重質炭酸
カルシウム10部とを添加し、30分間充分に混合し
た。この混合液を厚さ25μmのポリエステルフィルム
の一面に塗工し、熱風乾燥機にて120℃で10分間加
熱して硬化させ、一面に膜厚さが約100μmの硬化物
膜を配した塗工フィルムを得た。
【0031】次に、不揮発分が45%の強粘着タイプの
アクリル系溶剤型粘着剤(商品名:KH54、コニシ
(株)社製)100部にポリイソシアネート(商品名:
コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)社製)1部
を配合して15分間攪拌した混合物を離型紙上に塗工
し、熱風乾燥機にて80℃で3分間乾燥させて、厚さ8
0μmの粘着膜を得た。この粘着膜を熱風乾燥機から取
り出して直ちに上記塗工フィルムの他面に転写すること
によって、一面に付加重合型変性シリコーン樹脂硬化物
膜を有し他面に粘着膜を有する粘着フィルムを得た。こ
の粘着フィルムを40℃で3日間養生した後、粘着フィ
ルムを25mm×150mmの大きさに切断して試験片を作
成し、以下に記載する物性試験を行った。
【0032】(物性試験) 試験1 被着材として、280メッシュの研磨紙で研磨しトルエ
ンで清浄にした厚さ2mmのステンレス板、フローリング
材1(商品名:永大ニューダイレクト45、永大産業
(株)社製)、フローリング材2(商品名:朝日ウッド
テックスーパーG、朝日ウッドテック(株)社製)を準
備した。
【0033】試験片の粘着膜に厚さ25μmのポリエス
テルフィルムを裏打ちした。23℃の室内で、この試験
片の硬化物膜を各被着材に接触させ、2kgのゴム張りロ
ールを約300mm/分の速度で一往復転がすことによっ
て試験片を被着材に圧着した。圧着後30分経過した後
に、上記試験片を90度の角度で被着材から約300mm
/分の速度で引き剥し、この時の剥離接着強さを測定し
た。又、圧着後の経過時間を7日に変更した以外は同じ
操作を繰り返して7日後の剥離接着強さを同様に測定し
た。結果を表1に示す。
【0034】試験2 被着体として、280メッシュの研磨紙で研磨しトルエ
ンで清浄にした厚さ2mmのステンレス板、裏面が樹脂加
工織物のキッチンカーペット、裏面が発泡ポリエチレン
のタイルカーペットを準備した。
【0035】試験片の硬化物膜に厚さ25μmのポリエ
ステルフィルムを裏打ちした。23℃の室内で、この試
験片の粘着膜を各被着体(各カーペットの場合は裏面)
に接触させ、2kgのゴム張りロールを約300mm/分の
速度で一往復転がすことによって試験片を被着体に圧着
した。圧着後30分経過した後に、上記試験片を90度
の角度で被着体から約300mm/分の速度で引き剥し、
この時の剥離接着強さを測定した。又、圧着後の経過時
間を7日に変更した以外は同じ操作を繰り返して7日後
の剥離接着強さを同様に測定した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 被着材 剥離接着強さ(N/25mm) 30分 7日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試験1 ステンレス板 2.9 3.2 試験1 フローリング材1 3.2 3.4 試験1 フローリング材2 2.1 2.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 被着体 剥離接着強さ(N/25mm) 30分 7日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試験2 ステンレス板 8.2 10.4 試験2 キッチンカーペット 3.5 3.8 試験2 タイルカーペット 2.8 4.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試験3 上記試験片の粘着膜をキッチンカーペットの裏面に付着
させ、硬化物膜を上記フローリング材1及び2の各々に
接触させて単位平方センチ当り250gの荷重をかけた
状態で50℃のオーブン中に1カ月放置した。この後、
フローリング材からキッチンカーペットを引き剥してフ
ローリング材上の糊残りの有無を観察したところ、糊残
りは全く観察されず、試験片はフローリング材からきれ
いに剥がれた。
【0037】(実施例2〜7、比較例1)分子中に少な
くとも1個のアルケニル基を有するポリエーテル系重合
体と分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する
有機珪素化合物とヒドロシリル化触媒とを配合した有機
珪素組成物として、実施例1と同様にサイリルACX0
04/ACX004C混合液を用意した。
【0038】又、粘着付与剤として、フェノール樹脂溶
液、テルペン系炭化水素樹脂溶液、ジオクチルフタレー
ト及び強粘着タイプの溶剤型アクリル系粘着剤を用意し
た。この際、フェノール樹脂溶液は、フェノール樹脂
(商品名:スミライトレジンPR50731、住友デュ
レズ(株)社製)を50%の濃度でメタノールに溶解し
て調製した。テルペン系炭化水素樹脂溶液は、芳香族変
性テルペン系炭化水素樹脂(商品:YSレジンTR10
5、ヤスハラケミカル(株)社製)を50%の濃度でト
ルエンに溶解して調製した。強粘着タイプの溶剤型アク
リル系粘着剤は、配合割合がアクリル酸ブチル:2−エ
チルヘキシルアクリレート=80:20、平均分子量が
35万、不揮発成分が45%のものを調製した。
【0039】更に、充填剤として、コロイダルシリカ粉
末(商品名:アエロジル200、日本エアロジル(株)
社製)及び重質炭酸カルシウムを用意した。
【0040】表2を参照して、規定した割合に上記の材
料を配合して混合し、得られた混合物を不織布(商品
名:ユニチカスパンボンド90403WSO、ユニチカ
(株)社製)の一面に塗工して、110℃で10分間加
熱することにより、厚みが約100μmの硬化物の塗膜
を一面に配した塗工シートを得た。
【0041】更に、実施例1と同様のアクリル系溶剤型
粘着剤(商品名:KH54、コニシ(株)社製)とポリ
イソシアネート(商品名:コロネートL、日本ポリウレ
タン工業(株)社製)の混合物から厚さ80μmの粘着
膜を形成し、上記塗工シートの他面に転写塗工して、異
差剥離性固定用シートを得た。
【0042】得られたシートを25mm×150mmの大き
さに切断して試験片を得た。試験片について、実施例1
の物性試験の試験1と同様の方法で、粘着膜にポリエス
テルフィルムを裏打ちして硬化物膜に被着材としてステ
ンレス板を圧着し、30分後の90度剥離接着強さを測
定した。更に、被着材としてステンレス板に代えてフロ
ーリング材(商品名:シルバーフロアー−ナラ小乱尺、
ドイト(株)社製)を用いて同様に90度剥離接着強さ
を測定した。
【0043】又、上記試験片の粘着膜をキッチンカーペ
ットの裏面に付着させ、硬化物膜を上記フローリング材
に接触させて単位平方センチ当り250gの荷重をかけ
た状態で50℃のオーブン中に1カ月放置した。この
後、フローリング材からキッチンカーペットを引き剥し
てフローリング材上の糊残りの有無を観察した。
【0044】上記測定及び観察によって得られた結果を
表2に示す。
【0045】(比較例2、3)市販のカーペット用テー
プ(比較例2)及びクッションフロアー用テープ(比較
例3)を試験片として用いて、実施例2〜7及び比較例
1と同様にステンレス板及びフローリング材に対する9
0度剥離接着強さを測定し、更に、フローリング材への
糊残りの有無を観察した。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 比較例 2 3 4 5 6 7 1 2 3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 硬化物の成分(部) 有機珪素組成物 100 100 100 100 100 100 100 − − (ACX004A/ACX004C) フェノール樹脂 溶液 − 30 − − − 30 80 − − テルペン系炭化 水素樹脂溶液 − − 40 − − − − − − ジオクチル フタレート − − − 15 − − − − − アクリル系 粘着剤 − − − − 20 − − − − 重質炭酸 カルシウム − − − − − 10 − − − コロイダル シリカ粉末 − − − − − 5 − − − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 90度剥離接着強さ(N/25mm) ステンレス 3.0 3.8 7.0 5.8 4.3 4.0 10.0 10.5 4.5 フローリング 3.7 4.5 8.6 6.5 5.8 5.1 11.2 11.6 6.2 糊残り なし なし なし なし なし なし あり あり あり −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 表2から明らかなように、比較例2においては被着体に
対する密着性が高いが糊残りが生じている。更に、比較
例3においては、剥離接着強さが抑えられているにも拘
らず、糊残りが生じている。つまり、従来の再剥離性接
着剤等を用いた場合には、固定又は滑り止めに必要とさ
れる密着性を備えつつ糊残りを防止するように調整する
のが難しいことが解る。
【0047】これに対し、実施例2〜7のシートは、ス
テンレス及びフローリング材に対して良好な密着性を示
し、且つ、糊残りも見られない。他方、比較例1におい
ては、剥離接着強さが大きく密着性が高いが、糊残りを
生じる。糊残りは、引き剥す際に膜組成物の凝集力が低
いために凝集破壊が起きることによって生じると推察さ
れ、比較例1の結果は過剰に添加した粘着付与剤による
凝集力の低下が原因と思われる。
【0048】上記から、付加重合型変性シリコーン樹脂
硬化物は、固定又は滑り止めに必要とされる密着性と糊
残りの防止に要する凝集力とを兼ね備えることが可能な
ものであり、固定又は滑り止め用のテープ又はシートと
しての利用に適していることが解る。又、この性質を維
持するためには、凝集力の低下を招くような過剰の粘着
付与剤を添加しないことが肝要であることが理解され
る。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、被着体
に対する良好な密着性と糊残りのない優れた剥離性を有
する固定又は滑り止め用のテープ又はシートを実現する
ものであり、その利用価値は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新木 永勲 大阪府大阪市鶴見区鶴見4−7−9 コニ シ株式会社大阪研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面に粘着層を有し、他面に再剥離性固
    着層を有し、該粘着層を被着体に接着させ、また該再剥
    離性固着層を据え付け面に接することによって該据え付
    け面上に該被着体を着脱可能に固定あるいは該被着体の
    滑りを防止するための固定又は滑り止め用粘着テープ又
    はシートであって、該再剥離性固着層は、付加重合型変
    性シリコーン樹脂硬化物で形成されることを特徴とする
    固定又は滑り止め用粘着テープ又はシート。
  2. 【請求項2】 前記付加重合型変性シリコーン樹脂硬化
    物は、分子中にアルケニル基を有するポリエーテル系重
    合体と分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
    る化合物とヒドロシリル化触媒とを含有する組成物の硬
    化物である請求項1記載の固定又は滑り止め用粘着テー
    プ又はシート。
  3. 【請求項3】 前記組成物は、粘着付与剤を含まないこ
    とを特徴とする請求項2記載の固定又は滑り止め用粘着
    テープ又はシート。
  4. 【請求項4】 前記組成物は、上記ポリエーテル系重合
    体と上記2個のヒドロシリル基を有する化合物と上記ヒ
    ドロシリル化触媒との合計重量に対して30重量%以下
    の割合で粘着付与剤を含有する請求項2記載の固定又は
    滑り止め用粘着テープ又はシート。
  5. 【請求項5】 前記再剥離性固着層の上記据え付け面に
    対する90度剥離接着強さは1〜10N/25mmである
    請求項1〜4のいずれかに記載の固定又は滑り止め用粘
    着テープ又はシート。
  6. 【請求項6】 前記被着体は、マット又はカーペットで
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の固定又は滑り止め
    用粘着テープ又はシート。
  7. 【請求項7】 前記粘着層は、アクリル系粘着剤又はウ
    レタン系粘着剤あるいはゴム系粘着剤によって形成され
    る請求項1〜6のいずれかに記載の固定又は滑り止め用
    粘着テープ又はシート。
  8. 【請求項8】 据え付け体と据え付け面との間に介在さ
    せて該据え付け面上に該据え付け体を着脱可能に固定あ
    るいは該据え付け体の滑りを防止するための固定又は滑
    り止め用テープ又はシートであって、該テープ又はシー
    トの前記据え付け面と接する面に付加重合型変性シリコ
    ーン樹脂硬化物で形成される層を有することを特徴とす
    る固定又は滑り止め用テープ又はシート。
  9. 【請求項9】 前記付加重合型変性シリコーン樹脂硬化
    物は、分子中にアルケニル基を有するポリエーテル系重
    合体と分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
    る化合物とヒドロシリル化触媒とを含有する組成物の硬
    化物である請求項8記載の固定又は滑り止め用テープ又
    はシート。
  10. 【請求項10】 前記組成物は、粘着付与剤を含まない
    ことを特徴とする請求項9記載の固定又は滑り止め用テ
    ープ又はシート。
  11. 【請求項11】 前記組成物は、上記ポリエーテル系重
    合体と上記2個のヒドロシリル基を有する化合物と上記
    ヒドロシリル化触媒との合計重量に対して30重量%以
    下の割合で粘着付与剤を含有する請求項9記載の固定又
    は滑り止め用テープ又はシート。
  12. 【請求項12】 前記層の上記据え付け面に対する90
    度剥離接着強さは1〜10N/25mmである請求項8〜
    11のいずれかに記載の固定又は滑り止め用テープ又は
    シート。
  13. 【請求項13】 上記テープ又はシートの上記据え付け
    体と接する面に付加重合型変性シリコーン樹脂硬化物で
    形成される層を有する請求項8〜12のいずれかに記載
    の固定又は滑り止め用テープ又はシート。
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