JPH10158325A - エチレン−ビニルアルコール共重合体の製法 - Google Patents

エチレン−ビニルアルコール共重合体の製法

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JPH10158325A
JPH10158325A JP32260996A JP32260996A JPH10158325A JP H10158325 A JPH10158325 A JP H10158325A JP 32260996 A JP32260996 A JP 32260996A JP 32260996 A JP32260996 A JP 32260996A JP H10158325 A JPH10158325 A JP H10158325A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン−ビニルエステル共重合体をケン化
して製造される、着色およびフィッシュアイの少ない成
形物を得ることができるエチレン−ビニルアルコール共
重合体の製法を提供すること。 【解決手段】 エチレン−ビニルエステル共重合体溶液
に、チオール化合物を添加し、次いで未反応のモノマー
を除去してから、ケン化することを特徴とするエチレン
−ビニルアルコール共重合体の製法。特にチオール化合
物が、アミノ基および/またはカルボキシル基を有する
ことを特徴とするエチレン−ビニルアルコール共重合体
の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−ビニル
エステル共重合体をケン化して製造される、着色および
フィッシュアイの少ない成形物を得ることができるエチ
レン−ビニルアルコール共重合体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−ビニルアルコール共重合体
(以下EVOHと略する)は酸素遮蔽性、耐油性、非帯
電性、機械強度等に優れるため、フィルム、シート、容
器等の各種包装材料などとして有用である。エチレン−
ビニルアルコール共重合体を、各種包装材として用いた
場合、使用目的に対する性能はもとより、外観上のわず
かな着色やフィッシュアイ、肌荒れ、透明性等が問題視
される。
【0003】しかしながら、EVOHは、溶融成形を行
うに際し、着色やフィッシュアイの発生といった問題を
発生しやすいという問題を有している。すなわち、EV
OHは、通常エチレンと酢酸ビニルを溶液重合し、次い
で残存エチレンおよび酢酸ビニルを追い出してから、ア
ルカリ触媒を加えてケン化することにより製造される
が、こうして得られるEVOHは、その色調や溶融安定
性に問題を生じることが多いのである。
【0004】特に、ケン化反応時の触媒量が多かった
り、反応時間が長かったり、反応温度が高かったりする
ことで、その溶融成形体の着色やフィッシュアイが増加
することが問題点としてあげられる。かかる問題点につ
いては、重合後のエチレン−酢酸ビニル共重合体溶液に
添加する重合停止剤の性能と関係のあることが特開昭6
1−197603号公報に記載されている。すなわち、
エチレン−酢酸ビニル共重合体の重合終了時に特定の芳
香族化合物(例えば2,4−ジフェニル−4−メチル−
1−ペンテン)を添加してからケン化して得られた該重
合体のケン化物は溶融成形時に異臭発生がなく、得られ
たフィルムは色相に優れ、フィッシュアイが少ないとさ
れている。そしてかかる特定の芳香族化合物は、一般の
重合禁止剤に比較して、良好な成形品が得られるとされ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エチレンと酢
酸ビニルの共重合後に特定の芳香族化合物(例えば2,
4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン)を添加す
る方法についても、本発明者等が追試検討した結果、未
だ、色調や溶融安定性の改善は十分なものとはいえなか
った。本発明の目的は、エチレン−酢酸ビニル共重合体
をケン化して得られる、色調や溶融安定性の良好なEV
OHを得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エチレンと
ビニルエステルとを溶媒の存在下に共重合したあと、チ
オール化合物を添加し、次いで未反応のモノマーを除去
してから、ケン化することを特徴とするEVOHの製法
を提供することによって達成される。チオール化合物も
しくは、該チオール化合物に由来する分解物等が効率的
に重合体と分離可能であることから、特にチオール化合
物が、アミノ基および/またはカルボキシル基を有する
場合に上記目的はより効果的に達成される。
【発明の実施の形態】
【0007】本発明でいうチオール化合物とは、分子中
にチオール基(−SH)を有する化合物をいう。かかる
チオール化合物の例としては、メチルメルカプタン、エ
チルメルカプタン、tert.−ブチルメルカプタンな
どのアルキルメルカプタン;チオフェノール、トリルメ
ルカプタンなどのアリールメルカプタン;ベンジルメル
カプタンなどのアラルキルメルカプタン;メルカプトエ
タノールなどの水酸基含有メルカプタン;2−アミノエ
チルメルカプタンなどのアミノ基含有メルカプタン;2
−および3−メルカプトプロピオン酸などのカルボキシ
ル基含有メルカプタン;システインなどのチオール基含
有アミノ酸などがあげられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0008】かかるチオール基を有する化合物が着色防
止、フィッシュアイ発生防止あるいは成形物の肌荒れ防
止に有効な理由は明らかでないが、ポリマー末端ラジカ
ル、開始剤ラジカルなど重合中に生成するラジカル種を
効率的に捕捉する、ケン化時のポリマー酸化を防止す
る、などの理由が考えられる。
【0009】なかでも、チオール化合物が、アミノ基お
よび/またはカルボキシル基を有することが好ましい。
かかる化合物は反応溶媒(多くの場合メタノール)への
溶解性が良好なため重合溶液中に速やかに均一に拡散で
きるからである。また、多くのチオール化合物は臭気を
有するものが多く、樹脂中に残留することは必ずしも好
ましくないが、かかるアミノ基および/またはカルボキ
シル基を有することで、ケン化終了後にEVOHチップ
を水で洗浄する際にチオール化合物が洗浄除去されやす
い点からも好ましい。なお、かかるアミノ基および/ま
たはカルボキシル基はその塩の形で有していても構わな
い。
【0010】アミノ基および/またはカルボキシル基を
有するチオール化合物の中でも特に好適なものとして、
システインがあげられる。システインは分子内にチオー
ル基、アミノ基およびカルボキシル基を有しており、メ
タノール、水への溶解性に優れているだけでなく、それ
自体が必須アミノ酸であって、化合物自体の人体に対す
る安全性が極めて高いからである。EVOH成形体のう
ちのかなりの量が食料品や医薬品等を包装するのに用い
られている現状を考慮すると、かかる点は極めて重要で
ある。
【0011】以上に示したようなチオール化合物を添加
することで、添加しない場合に比較して、着色およびフ
ィッシュアイの発生の少ないEVOH成形体を得ること
が可能である。
【0012】なお、かかるチオール化合物は2種類以上
のものを併用することもできる。また、チオール化合物
以外の化合物を別途添加することもできる。
【0013】本発明で得られるEVOHのエチレン含有
量は20〜60モル%、好適には25〜50モル%、よ
り好適には25〜40モル%、ビニルエステル成分のけ
ん化度は90モル%以上、好適には95モル%以上、よ
り好適には98モル%以上である。エチレン含有量が2
0モル%未満では、高湿度下でのガスバリアー性が低下
し溶融成形性も悪化する。また60モル%を越えると十
分なガスバリアー性が得られない。一方、けん化度が9
0モル%未満では、高湿度時のガスバリアー性が低下す
るだけでなく、EVOHの熱安定性が悪化し、成形物に
ゲルが発生しやすい。
【0014】ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表
的なものとしてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエ
ステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)
も使用できる。
【0015】またEVOHには、本発明の目的が阻害さ
れない範囲で他の単量体を少量共重合することもでき
る。共重合できる単量体の例としては、プロピレン、ブ
テン、イソブテン、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン、オクテンなどのα−オレフィン、イタコン酸、メタ
クリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カ
ルボン酸、その塩、その部分または完全エステル、その
ニトリル、そのアミド、その無水物、ビニルトリメトキ
シシランなどのビニルシラン系化合物、不飽和スルホン
酸、その塩、アルキルチオール類、ビニルピロリドンな
どがあげられる。
【0016】また、本発明に用いるEVOHの好適なメ
ルトインデックス(MI)(190℃、2160g荷重
下で測定;ただし、融点が190℃付近あるいは190
℃を越えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の
温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、
メルトインデックスを縦軸(対数)としてプロットし、
190℃に外挿した値)は0.1〜200g/10mi
n.、最適には0.2〜100g/10min.であ
る。
【0017】以下、本発明のEVOHの製法について詳
しく説明する。エチレンと酢酸ビニルの重合は溶液重合
に限るものではなく、連続式、回分式のいずれであって
もよいが、例えば、回分式の溶液重合の場合の重合条件
は次の通りである。
【0018】溶媒;アルコール類が好ましいが、その他
エチレン、酢酸ビニルおよびエチレン−酢酸ビニル共重
合体を溶解し得る有機溶剤(ジメチルスルホキシドな
ど)を用いることができる。アルコール類としてはメチ
ルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等を
用いることができ、特にメチルアルコールが好ましい。 触媒;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトル)、
2,2’−アゾビス−(4−メチル−2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−シクロ
プロピルプロピオニトリル)等のアゾニトリル系開始剤
およびイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシ
ネオデカノエイト、ジイソプロピルパーオキシカーボネ
ート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t
−ブチルパーオキシネオデカノエイト、ラウロイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤等を用
いることができる。 温度;20〜90℃、好ましくは40℃〜70℃。 時間;2〜15時間、好ましくは3〜11時間。 重合率;仕込み酢酸ビニルに対して10〜90%、好ま
しくは30〜80%。 重合後の溶液中の樹脂分;5〜85%、好ましくは20
〜70%
【0019】所定時間の重合後、所定の重合率に達した
後、反応溶液にチオール化合物を添加し、未反応のエチ
レンガスを蒸発除去した後、未反応酢酸ビニルを追い出
す。該チオール化合物は重合に用いた溶媒などに溶解し
て添加することが、均一拡散の観点から好ましい。また
同様に均一拡散の観点から、溶液重合である方がバルク
重合に比較して好ましい。
【0020】チオール化合物の添加量は、特に限定され
るものではないが、仕込酢酸ビニルに対する仕込みチオ
ール化合物量として示すならば、好ましくは0.000
1〜3重量%、さらに好ましくは0.0005〜1重量
%、特に好ましくは0.001〜0.5重量%が望まし
い。0.0001重量%未満の少量を添加したのでは、
着色が少なく、成形時にゲル状ブツの発生の少ない成形
品を得ることができない。また、逆に3重量%以上の大
量を添加したのでは、低分子量化合物であるチオール化
合物の残存によって、臭気の発生、滲み出し等の問題を
生じて、包装容器等に広く用いられる観点から望ましく
ない。
【0021】チオール化合物を添加し、エチレンを蒸発
除去したエチレン−酢酸ビニル共重合体から未反応の酢
酸ビニルを追い出す方法としては、例えば、ラシヒリン
グを充填した塔の上部から該共重合体溶液を一定速度で
連続的に供給し、塔下部よりメタノール等の有機溶剤蒸
気を吹き込み塔頂部よりメタノール等の有機溶剤と未反
応酢酸ビニルの混合蒸気を流出させ、塔底部より未反応
酢酸ビニルを除去した該共重合体溶液を取り出す方法な
どが採用される。
【0022】未反応酢酸ビニルを除去した該共重合体溶
液にアルカリ触媒を添加し、該共重合体中の酢酸エステ
ル成分をケン化する。ケン化方法は連続式、回分式いず
れも可能である。アルカリ触媒としては水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラートなどが
用いられる。例えば、回分式の場合のケン化条件は次の
通りである。 該共重合体溶液濃度;10〜50% 反応温度;30〜60℃ 触媒使用量;0.02〜0.6当量(酢酸エステル基当
り) 時間;1〜6時間 ケン化反応後のケン化度は目的により異なるが通常酢酸
ビニル成分の95%以上であり、ケン化条件によって任
意に調整できる。
【0023】反応後の該共重合体ケン化物はアルカリ触
媒、副生塩類、その他不純物等を含有するためこれらを
洗浄、たとえば水洗により除去する。また、チオール化
合物も、水洗などの洗浄により除去できるが、除去され
やすさはチオール化合物の極性などにより異なり、アミ
ノ基および/またはカルボキシル基のような極性基を有
する方が効率的に除去できる。
【0024】このようにして得られた該共重合体ケン化
物に、リン酸、ピロ燐酸、亜燐酸、シュウ酸、コハク
酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、燐酸二水素ナトリ
ウム、燐酸二水素カリウム、酢酸等の酸または多塩基酸
の部分塩を添加することも可能である。最後に乾燥し目
的とするエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が得ら
れる。
【0025】こうして得られたEVOHは溶融成形によ
りフィルム、シート、容器、パイプ、繊維等、各種の成
形体に成形される。これらの成形物は再使用の目的で粉
砕し再度成形することも可能である。また、フィルム、
シート、繊維等を一軸または二軸延伸することも可能で
ある。溶融成形法としては押出成形、インフレーション
押出、ブロー成形、溶融紡糸、射出成形等が可能であ
る。溶融温度は該共重合体の融点等により異なるが15
0〜270℃程度が好ましい。EVOHの重合度、エチ
レン含有率およびケン化度の異なるものを二種以上ブレ
ンドし溶融成形することも可能である。また、EVOH
に他の各種可塑剤、安定剤、界面活性剤、架橋剤、金属
塩、充填剤、各種繊維等の補強剤等を適量添加すること
も可能である。このような方法によって、着色、フィッ
シュアイ発生、成形物の肌荒れの少ない成形物が得られ
る。
【0026】また、EVOH以外の熱可塑性樹脂を適量
配合することも可能である。熱可塑性樹脂としては各種
ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレンと炭素数4以上のα−
オレフィンとの共重合体、ポリオレフィンと無水マレイ
ン酸との共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体、またはこれらを
不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性した
変性ポリオレフィンなど)、各種ナイロン(ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン6/66共重合体など)、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、
ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、
ポリアセタールおよび変性ポリビニルアルコール樹脂な
どが用いられる。また、本発明により得られたEVOH
を前記の熱可塑性樹脂と積層、特に共押出しして多層構
造体として使用することもできる。また、該EVOHを
紙、プラスチックフィルムおよび金属箔等の基材フィル
ムに共押出しコートあるいは溶液コートすることも可能
である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。な
お、(部)、(%)は特に断わりのない限り重量基準で
表したものである。また、以下の実施例中での、EVO
H中に残存するチオール化合物の量、成形体の着色、フ
ィルム中のフィッシュアイの個数の検査方法については
それぞれ以下の手順で行った。
【0028】該共重合体ケン化物中に残存するチオール
化合物の量は、以下のような手順で定量した。試料のE
VOHを粉砕し、100メッシュのふるいによって粗大
粒子を除去したもの10gをクロロホルム100mLを
用いて48時間ソックスレー抽出した。この抽出液中の
チオール化合物量は、それぞれのチオール化合物の標品
を用いて検量線を作成し、高速液体クロマトグラフィー
にて定量した。
【0029】フィルムの着色は、100μm厚みの未延
伸フィルムを10枚重ねて白い紙の上に置き、目視観察
によって以下のように4段階で判定した。着色度0;ほ
とんど着色が認められない、着色度1;かすかに着色、
着色度2;やや着色、着色度3;明らかに着色。
【0030】フィルム中のゲル状ブツについては、12
μm厚みの延伸フィルムを試料とし偏光板を垂直に二枚
重ねた間に試料を配置し、背面から蛍光灯で照らした状
態で目視で観察し、20cm×20cmの範囲中の約
0.2mm以上の大きさのフィッシュアイの個数をカウ
ントすることで測定した。
【0031】実施例1 耐圧100kg/cm2の重合槽に酢酸ビニル1960
0部、メタノール2180部、AIBN(アゾビスイソ
ブチロニトリル)7.5部を仕込み、攪拌しながら窒素
置換後、昇温、昇圧し内温60℃、エチレン圧力35.
5kg/cm2に調整した。3.5時間その温度、圧力
を保持し重合させた後、システイン6.0部{0.03
1重量%/VAc(酢酸ビニル)}をメタノールに溶解
し1%溶液にして添加した。この時の重合率は仕込み酢
酸ビニルに対して45%、エチレン含有率は32モル%
であった。
【0032】ポリエン化合物の添加後に、重合槽を常圧
に戻し、エチレンを蒸発除去した。引き続き、このメタ
ノール溶液をラシヒリングを充填した追い出し塔の塔上
部より連続的に流下させ、一方、塔底部よりメタノール
蒸気を吹き込んで未反応酢酸ビニル単量体をメタノール
蒸気とともに塔頂部より放出させコンデンサーを通して
除去することにより、未反応酢酸ビニル0.01%以下
のエチレン−酢酸ビニル共重合体の45%メタノール溶
液を得た。
【0033】次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体のメ
タノール溶液をケン化反応器に仕込み、苛性ソーダ/メ
タノール溶液(80g/L)を共重合体中の酢酸ビニル
成分に対し、0.4当量となるように添加し、メタノー
ルを添加して共重合体濃度が20%になるように調整し
た。60℃に昇温し反応器内に窒素ガスを吹き込みなが
ら約4時間反応させた。4時間後、酢酸で中和し反応を
停止させ内容物を反応器より取り出し約20時間常温に
放置すると粒子状に析出した。析出後の粒子は遠心分離
機で脱液しさらに大量の水を加え脱液する操作を繰り返
した。
【0034】最後に脱液乾燥して得られたEVOHのケ
ン化度は99.5モル%、メルトインデックス(190
℃、2160g荷重下)は2g/10min.であっ
た。該EVOH中に残存するシステインの量は20pp
mであった。このEVOHを、シリンダー、アダプター
およびダイの温度をそれぞれ230℃に設定した60m
m径の押出機/Tダイ単層製膜機で製膜して厚み100
μmの未延伸フィルムを得た。未延伸フィルムを90℃
の温水に浸し、EVOHの吸水率を15%にし、90℃
でテンター方式により縦、横それぞれ2.9倍に延伸し
て厚みが12μmの延伸フィルムを得た。
【0035】得られた未延伸フィルムの着色度は0であ
り、良好な色調のフィルムを得ることができた。また、
延伸フィルム中のフィッシュアイの数は400cm2
たり2個であった。以上の樹脂およびフィルムの性状の
測定結果を表1にまとめて示す。
【0036】実施例2〜5、比較例1〜3 実施例1のシステインに代えてこれと等モル量の3−メ
ルカプトプロピオン酸5.3部(0.027重量%/V
Ac、実施例2)、2−アミノエチルメルカプタン3.
8部(0.019重量%/VAc、実施例3)、チオフ
ェノール5.5部(0.028重量%/VAc、実施例
4)、tert.−ブチルメルカプタン4.5部(0.
023重量%/VAc、実施例5)、ハイドロキノン
5.5部(0.028重量%/VAc、比較例1)、ス
チレン5.2部(0.027重量%/VAc、比較例
2)、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン
11.7部(0.060重量%/VAc、比較例3)を
用いて実施例1と同様の方法でEVOHを製造した。こ
うして得られたEVOHの未延伸フィルムおよび延伸フ
ィルムを実施例1と同様に作成し、その評価結果を表1
にあわせて示す。
【0037】比較例4 システインに代わる添加剤は何も入れず、実施例1と同
様の方法でEVOHを製造した。得られた共重合体ケン
化物の未延伸フィルムおよび延伸フィルムを実施例1と
同様に作成し、その評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、エチレン−ビニルエ
ステル共重合体の重合後に、チオール化合物を添加し、
該重合体をケン化して得られた樹脂を成形することで、
着色が少なく、フィッシュアイの少ない、高品質のEV
OH成形物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守谷 健 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンとビニルエステルとを溶媒の存
    在下に共重合したあと、チオール化合物を添加し、次い
    で未反応のモノマーを除去してから、ケン化することを
    特徴とするエチレン−ビニルアルコール共重合体の製
    法。
  2. 【請求項2】 チオール化合物が、アミノ基および/ま
    たはカルボキシル基を有する化合物である請求項1に記
    載のエチレン−ビニルアルコール共重合体の製法。
  3. 【請求項3】 チオール化合物が、システインである請
    求項1または2に記載のエチレン−ビニルアルコール共
    重合体の製法。
JP32260996A 1996-12-03 1996-12-03 エチレン−ビニルアルコール共重合体の製法 Expired - Lifetime JP3839534B2 (ja)

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