JPH1015761A - ジブの自動隙間調整方法及び装置 - Google Patents

ジブの自動隙間調整方法及び装置

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JPH1015761A
JPH1015761A JP18856096A JP18856096A JPH1015761A JP H1015761 A JPH1015761 A JP H1015761A JP 18856096 A JP18856096 A JP 18856096A JP 18856096 A JP18856096 A JP 18856096A JP H1015761 A JPH1015761 A JP H1015761A
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Naoki Kawamura
直紀 河村
Kazuo Ichimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隙間調整が簡単かつ短時間に行えるジブの自
動隙間調整方法及び装置の提供。 【解決手段】 移動体2に楔形ジブ5とともに軸方向移
動可能なジブ移動軸6を設け、ジブ移動軸を隙間調整時
以外クランプするクランプ部材8と、ジブの楔効果方向
にジブ移動軸6を移動する油圧シリンダ7とを設け、本
体1に設けたジブの隙間量に見合う軸方向移動量だけ移
動可能な油圧シリンダ9のピストンロッド9b先端に固
着のストッパ10を前進端に位置決めした状態で、クラ
ンプ部材8を解除したのち移動体2をストッパ側へ低速
で移動して、ジブ移動軸6の左端6aをストッパ10に
衝突させてジブ5の隙間をゼロとしたのち、油圧シリン
ダ9への圧油を停止してストッパ10を後退端まで移動
可能とし、油圧シリンダ7によりジブ移動軸を停止する
までストッパ側に移動し、設定量の隙間を作ったのちジ
ブ移動軸6の軸方向移動をクランプする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動体に設けられて
いるジブの自動隙間調整方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、本体の摺動面と移動体のジブとの
間には移動速度や求められる移動精度に対応する隙間が
必要であり、この隙間調整をジブ側で行っている。一般
的には図2に示すように両端の厚みが異なる楔形状のジ
ブ101を使用することが多く、隙間の調整方法はジブ
の端面を調整ねじ102A又は102Bにより押圧して
ジブ101を楔効果方向又は反楔効果方向に長手移動
し、適当な隙間ができた位置で調整ねじ102A,10
2Bを締め切ることでジブの両端を挟持して位置決めを
行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたジ
ブの隙間調整方法は、調整ねじ部がカバーやワイパ等で
覆われていることが多く、調整に際してこれらの部品を
取外す必要があり、手間がかかると同時に好ましい隙間
設定に熟練を要する。このため隙間が大きくなって機械
精度に支障が出て修理又はオーバホール等で分解する時
点まで隙間調整を行わないのが普通であるという問題を
有している。
【0004】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、ジブの隙間調整を自動かつ短時間に行うようにし
て、日常の点検時に容易に隙間調整を行うことが出来る
ジブの自動隙間調整方法及び装置を提供しようとするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のジブの自動隙間調整方法は、本体の摺動面に
沿って移動可能な移動体に設けられ、長手方向移動で前
記摺動面との隙間が変わる楔形状のジブの自動隙間調整
方法であって、前記移動体に設けられている前記ジブと
ともに軸方向移動可能なジブ移動軸のクランプを解除
し、予め設定されているジブの隙間量に見合う長手移動
量だけ軸方向移動可能なストッパを隙間をゼロとする前
進端位置に位置決めし、前記移動体をジブの長手方向肉
厚側の前記ストッパに向けて低速で移動して前記ジブ移
動軸の先端を前記ストッパに衝突させ、衝突時の慣性力
とサーボモータによる推力とでジブを楔効果方向に隙間
がゼロになるまで移動し、前記移動体の停止で上昇する
サーボモータへの供給電流値を検出して設定値を越えた
とき電流供給を停止し、前記ストッパを隙間を決める後
退端に位置決めするか又は移動可能とし、前記ジブ移動
軸を移動体に固着の駆動手段により前記ストッパに当接
するまで移動してジブを反楔効果方向に移動させて予め
設定されている隙間量を作り、前記ジブ移動軸をクラン
プするものである。
【0006】また、本発明のジブの自動隙間調整装置
は、本体の摺動面に沿って移動可能な移動体に設けら
れ、長手方向移動で前記摺動面との隙間が変わる楔形状
のジブの自動隙間調整装置であって、前記移動体に設け
られ前記ジブの両端を挟持して前記ジブとともに軸方向
移動可能なジブ移動軸と、前記本体の移動体の通常の移
動範囲外のジブの長手方向厚肉側に前記ジブ移動軸とほ
ぼ同心に設けられ予め設定されたジブの隙間量に見合う
長手移動量だけ軸方向移動可能なストッパと、該ストッ
パを少なくとも隙間をゼロとする前進端に移動する第1
駆動手段と、前記移動体の前記ストッパ側への低速移動
で前進端に位置決めされている前記ストッパに前記ジブ
移動軸を衝突させて前記ジブが楔作用方向に相対移動し
て隙間がゼロになり移動体が停止したとき前記サーボモ
ータへの電流供給を停止する手段と、前記移動体の側面
に前記ジブ移動軸と同心に設けられ前記ジブ移動軸を前
記ストッパ側へ移動して前記ストッパに当接させるとと
もに前記ジブを反楔効果方向に移動して設定量の隙間を
作る第2駆動手段と、前記ジブ移動軸の軸方向移動を規
制するかけ外し自在のクランプ部材と、該クランプ部材
を隙間調整時に外し隙間調整終了後にかける第3駆動手
段を含んでなり、ジブの隙間をゼロにしたのち設定量の
隙間に調整するものである。
【0007】本発明のジブの自動隙間調整方法及び装置
によれば、日常の点検時や段取り換え時に容易かつ短時
間にジブの隙間調整ができるので、常に隙間を理想の状
態に保つことが可能となり、摺動抵抗が一定になって機
械精度を最良の状態に維持することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明のジブの自動隙間調整
方法及び装置を図面にもとづいて説明する。図1におい
て、本体1の摺動案内に沿って移動体2が移動可能に載
置され、移動体2は本体1に固着のサーボモータ3によ
りボールねじ4を介して移動位置決めされる。移動体2
の前記摺動案内の側面又は裏面(本実施例の形態では裏
面)の摺動面1aの対向面2aは右上がり勾配に形成さ
れていて、この対向面2aと摺動面1aとの間に背面5
aが前記対向面2aと同一角度の勾配に形成された楔形
状のジブ5が軸方向移動可能に挿入されていて、ジブ5
の表面5bと本体1の摺動面1aとの間に摺動に必要な
隙間δが設けられている。
【0009】移動体2にはジブ5の真下にジブ移動軸6
が移動体の摺動方向に軸方向移動可能に嵌挿されてお
り、ジブ移動軸6にジブ5の両端を挟持する支持爪6
A,6Bが固着されている。移動体2の右端面2b(ジ
ブ5の薄肉側の端面)に油圧シリンダ7がジブ移動軸6
と同心に固着されていて、右室に圧油が供給されるとピ
ストン7aと一体のピストンロッド7bが前進してジブ
案内軸6を左側、すなわちジブ5を反楔効果方向に移動
するようになっている。
【0010】更に、移動体2にはジブ移動軸6の軸方向
移動を規制するかけ外し自在のクランプ部材8が設けら
れており、クランプ部材8は通常図示しないばねの力で
閉じてジブ移動軸6をクランプするようになっていて、
後述のジブ5の隙間調整時のみ図示しない駆動手段によ
りばねの力に抗して開きクランプを解除するようになっ
ている。
【0011】一方、本体1には移動体2の通常の移動範
囲外のジブ5の長手方向厚肉側に油圧シリンダ9がジブ
移動軸6側を向き同心に固着されていて、油圧シリンダ
9のピストン9aと一体のピストンロッド9bの先端に
ストッパ10が同心に取着されている。そして油圧シリ
ンダ9のピストンロッド9bの移動量は、ジブ5の表面
5bと摺動面1a間の予め設定されている摺動に必要な
隙間量に見合うジブ5の長手移動量に限定されていて、
油圧シリンダ9の左室に圧油が供給されるとストッパ1
0が隙間を決める後退端位置から前進端の隙間をゼロに
よる前進端位置に移動するようになっている。この前進
端位置のストッパ10とジブ移動軸6の左端とは移動体
2の通常の動作範囲では当接しないようになっていて、
ジブ5の隙間調整時にはMDI操作により通常の動作範
囲の外まで移動体2を前進させることにより当接させる
ことができるようになっている。
【0012】続いて本発明の実施の形態の作用を説明す
る。最初にジブ移動軸6のクランプ8を解除して軸方向
移動を可能とし、油圧シリンダ9の左室に圧油を供給し
て、ストッパ10を隙間をゼロとする位置に前進させ、
移動体2を通常動作範囲の前進端位置に移動位置決めし
てストッパ10に当接させる〔図1(a)〕。
【0013】次いで、MDI操作により移動体2を通常
動作範囲の前進端位置から更に低速で前進させ、図2
(b)に示すようにジブ移動軸6の左端6aをストッパ
10に衝突させる。この衝突で、ジブ移動軸6及びジブ
5の軸方向位置が拘束されるが、移動体2は慣性力及び
サーボモータ3の推力で瞬時移動を続ける。そしてジブ
5が楔効果方向(右側)に相対移動して表面5aと本体
1の摺動面1aとの隙間がゼロになって移動体2が停止
する。そして、サーボモータ3がロック状態となって供
給電流値が急速に上昇する。図示しないNC装置内には
サーボモータ3の電流上限値が記憶されていて、電流値
がこれを越えると入力回路が遮断される。
【0014】次いで、油圧シリンダ9の左室への圧油の
供給が停止されてピストンロッド9bの移動がフリーと
なって、ストッパ10の隙間を決める位置への後退が可
能となり、図2(c)に示すように移動体2の左側面2
bに固着の油圧シリンダ7の右室に圧油が供給され、ピ
ストンロッド7bが前進してジブ移動軸6をストッパ1
0が後退端で停止するまで移動させる。これによりジブ
5が反楔効果方向(左側)に移動し、ジブの表面5bと
本体1の摺動面1aの間に予め設定した摺動に必要な隙
間が出来る。
【0015】次いで、クランプ8を閉じてジブ移動軸6
の軸方向移動を規制し、同時に油圧シリンダ7の右室へ
の圧油の供給を停止し、移動体2を通常の動作範囲内に
戻して、自動隙間調整が終わる。
【0016】
【発明の効果】本発明のジブの自動隙間調整方法及び装
置は上述の通り構成されているので、次に記載する効果
を奏する。前進端位置に位置決めされているストッパに
ジブ移動軸が低速で衝突するまで移動体を軸移動し、ジ
ブと摺動面との隙間をゼロにしたのち、予め設定した隙
間量に見合うジブの軸方向移動量だけストッパを後退又
は後退可能とし、移動体に固着の油圧シリンダによりジ
ブ移動軸を後退端位置のストッパに押圧するまで移動し
て、ジブの隙間を自動調整するようにしたので、ジブの
隙間調整が簡単かつ短時間に行うことが可能になり、隙
間調整を頻繁に行うことで摺動面の摺動抵抗を一定に保
ち機械の精度を好ましい状態に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジブの自動隙間調整装置の説明図で、
(a)は移動体が通常の動作範囲にあるときのストッパ
との位置関係を示す図、(b)は隙間調整のため移動体
がストッパ側に移動してジブ移動軸が前進位置のストッ
パに当接し、ジブの隙間がゼロになった状態を示す図、
(c)はジブ移動軸を後端位置のストッパに当接するま
で移動してジブの隙間ができた状態を示す図である。
【図2】従来の技術のジブの隙間調整装置の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 本体 2 移動体 3 サーボモータ 4 ボールねじ 5 ジブ 6 ジブ移動軸 7,9 油圧シリンダ 8 クランプ部材 10 ストッパ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体の摺動面に沿って移動可能な移動体
    に設けられ、長手方向移動で前記摺動面との隙間が変わ
    る楔形状のジブの自動隙間調整方法であって、前記移動
    体に設けられている前記ジブとともに軸方向移動可能な
    ジブ移動軸のクランプを解除し、予め設定されているジ
    ブの隙間量に見合う長手移動量だけ軸方向移動可能なス
    トッパを隙間をゼロとする前進端位置に位置決めし、前
    記移動体をジブの長手方向肉厚側の前記ストッパに向け
    て低速で移動して前記ジブ移動軸の先端を前記ストッパ
    に衝突させ、衝突時の慣性力とサーボモータによる推力
    とでジブを楔効果方向に隙間がゼロになるまで移動し、
    前記移動体の停止で上昇するサーボモータへの供給電流
    値を検出して設定値を越えたとき電流供給を停止し、前
    記ストッパを隙間を決める後退端に位置決めするか又は
    移動可能とし、前記ジブ移動軸を移動体に固着の駆動手
    段により前記ストッパに当接するまで移動してジブを反
    楔効果方向に移動させて予め設定されている隙間量を作
    り、前記ジブ移動軸をクランプすることを特徴とするジ
    ブの自動隙間調整方法。
  2. 【請求項2】 本体の摺動面に沿って移動可能な移動体
    に設けられ、長手方向移動で前記摺動面との隙間が変わ
    る楔形状のジブの自動隙間調整装置であって、前記移動
    体に設けられ前記ジブの両端を挟持して前記ジブととも
    に軸方向移動可能なジブ移動軸と、前記本体の移動体の
    通常の移動範囲外のジブの長手方向厚肉側に前記ジブ移
    動軸とほぼ同心に設けられ予め設定されたジブの隙間量
    に見合う長手移動量だけ軸方向移動可能なストッパと、
    該ストッパを少なくとも隙間をゼロとする前進端に移動
    する第1駆動手段と、前記移動体の前記ストッパ側への
    低速移動で前進端に位置決めされている前記ストッパに
    前記ジブ移動軸を衝突させて前記ジブが楔作用方向に相
    対移動して隙間がゼロになり移動体が停止したとき前記
    サーボモータへの電流供給を停止する手段と、前記移動
    体の側面に前記ジブ移動軸と同心に設けられ前記ジブ移
    動軸を前記ストッパ側へ移動して前記ストッパに当接さ
    せるとともに前記ジブを反楔効果方向に移動して設定量
    の隙間を作る第2駆動手段と、前記ジブ移動軸の軸方向
    移動を規制するかけ外し自在のクランプ部材と、該クラ
    ンプ部材を隙間調整時に外し隙間調整終了後にかける第
    3駆動手段を含んでなり、ジブの隙間をゼロにしたのち
    設定量の隙間に調整することを特徴とするジブの自動隙
    間調整装置。
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