JP3866405B2 - Nc自動旋盤のガイドブッシュ調整方法とnc自動旋盤 - Google Patents

Nc自動旋盤のガイドブッシュ調整方法とnc自動旋盤 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転式ガイドブッシュ機構を備えたNC自動旋盤にあって、ガイドブッシュと棒材との隙間を調整するNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法とNC自動旋盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
主軸移動型のNC自動旋盤において、棒材とガイドブッシュとの間の隙間の調整は、加工精度を維持するために重要な作業工程である。従来の調整方法は概略次のようなものである。まず、ガイドブッシュに棒材を挿入し、調整ナットを締めながら棒材を軸方向又は回転方向に摺動させ、その際、棒材とガイドブッシュとの間の抵抗を作業員が感覚的に確認し、その感覚に基づいて、棒材とガイドブッシュとの間の隙間が適正か否かを判断していた。
しかしながら、このような調整方法では、調整作業に熟練度を要してしまうと共に、作業員の感覚にばらつきがあるため、結局、調整された隙間にばらつきが発生してしまうという問題があった。
【0003】
そこで、そのような問題点を解決するものとして、例えば、特開平7−328805号公報に開示されているような調整方法が提案されている。この特開平7−328805号公報に開示されている調整方法の場合には、棒材を把持した主軸を回転方向又は軸方向に駆動させ、その際、主軸を回転させる主軸用モータ又は主軸台を軸方向に移動させる主軸台駆動用モータのトルクを検出し、該トルク値に基づいて棒材とガイドブッシュとの摩擦抵抗を測定する方法である。
因みに、棒材とガイドブッシュとの間の適正な回転摩擦トルク、又は、軸方向摩擦抵抗は、数kgfcm 、又は、数kgf 程度である。又、5mm以下の棒材においては、主軸によって把持した棒材をガイドブッシュを通して押し出す際の軸方向摩擦抵抗による座屈を防止するため、摩擦抵抗はさらに小さな値になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、小型の自動旋盤においては、主軸用モータのトルクは数百kgfcm 、又、主軸台駆動用サーボモータの推力は数百kgf を出力する。一方、棒材とガイドブッシュとの間の適正な回転摩擦トルク、又は、軸方向摩擦抵抗は、上記したように、数kgfcm 、又は、数kgf 程度である。よって、このような小さな摩擦トルクや軸方向摩擦抵抗を、主軸用モータのトルク、又は、主軸台駆動用サーボモータのトルクを介して、高い精度で測定することは困難であった。
又、回転式ガイドブッシュの隙間を調整する場合、その回転式ガイドブッシュ機構が機械式のものである場合には、ガイドブッシュの回転を拘束するブレーキ機構と、主軸とガイドブッシュの同期回転を切り離すクラッチ機構を必要とし、構造が複雑になってしまうという問題もあった。
【0005】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、熟練を要することなく、且つ、複雑な構成を要することなく、ガイドブッシュと棒材との隙間を高い精度で調整することを可能にするNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法とNC自動旋盤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法は、棒材を把持する主軸と、上記主軸を回転させる主軸モータと、上記主軸に把持された棒材の先端部を支持するガイドブッシュと、上記主軸モータとは別に配置されるとともに上記主軸モータより容量が小さく上記ガイドブッシュを主軸と同期して回転させるガイドブッシュモータと、を具備したNC自動旋盤にあって、上記ガイドブッシュと棒材との隙間を調整するNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法において、上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間を設定し、その後、棒材を把持した主軸の回転を拘束し、軸心方向に移動させると共にガイドブッシュモータを回転させ、そのときのガイドブッシュモータのトルク値に基づいてガイドブッシュと上記棒材との間の隙間が適正な値に調整されているか否かを判別するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項2によるNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法は、棒材を把持する主軸と、上記主軸を回転させる主軸モータと、上記主軸に把持された棒材の先端部を支持するガイドブッシュと、上記主軸モータとは別に配置されるとともに上記主軸モータより容量が小さく上記ガイドブッシュを主軸と同期して回転させるガイドブッシュモータと、を具備したNC自動旋盤にあって、上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間を調整するNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法において、上記ガイドブッシュと棒材との隙間を設定し、その後、棒材を把持した主軸を軸心方向に移動させると共に回転させ、そのときのガイドブッシュモータの保持トルク値に基づいてガイドブッシュと上記棒材との間の隙間が適正な値に調整されているか否かを判別するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項3によるNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法は、請求項1又は請求項2記載のNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法において、上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間の設定は、まず、調整ナットをクランプした状態にてガイドブッシュモータを一方向に所定量だけ回転させてガイドブッシュを縮径させて棒材を締め付け、ガイドブッシュモータのトルク値が設定値に達したところでそこを原点とし、次いで、ガイドブッシュモータを他方向に所定量だけ回転させてガイドブッシュを拡径させて棒材との間に十分な隙間を形成し、次いで、ガイドブッシュモータを棒材の材質、直径に基づいて設定された所定量だけ一方向に回転させることにより設定することを特徴とするものである。
又、請求項4によるNC自動旋盤は、棒材を把持する主軸と、上記主軸を回転させる主軸モータと、上記主軸に把持された棒材の先端部を支持するガイドブッシュと、上記主軸モータとは別に配置されるとともに上記主軸モータより容量が小さく上記ガイドブッシュを主軸と同期して回転させるガイドブッシュモータと、上記ガイドブッシュに螺合・接合され適宜の方向に回転操作されることにより上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間を調整する調整ナットと、上記調整ナットを選択的にクランプさせてその回転を規制するシリンダ機構と、上記シリンダ機構を駆動させて上記調整ナットをクランプさせ、上記ガイドブッシュモータの回転により上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間の設定を行い、上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間が設定された後上記シリンダ機構を駆動させて上記調整ナットのクランプを解除させ、上記主軸とガイドブッシュの何れか一方を回転させると共に主軸を軸方向に移動させ、そのときのガイドブッシュモータのトルク値に基づいて上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間が適正な値に調整されているか否かの判別を行う制御手段と、を具備したことを特徴とするものである。
【0007】
すなわち、本願発明の場合には、主軸モータに比べて容量が格段に小さいガイドブッシュモータのトルクを測定し、その測定値に基づいて、ガイドブッシュと棒材との間の隙間を調整せんとするものである。すなわち、従来の場合には、主軸用モータ、又は、主軸台駆動用モータのトルクを測定することにより、ガイドブッシュと棒材との間の隙間を調整するようにしていたが、それら主軸用モータ、又は、主軸台駆動用モータは比較的大きなトルクで運転されるものであって、そのようなものにあって、小さなトルク(ガイドブッシュと棒材との摩擦による摩擦トルク)を測定することは困難なことであって、精度が低いという問題があった。そこで、本発明では、そのような主軸用モータ、又は、主軸台駆動用モータに比べて容量が格段に小さいガイドブッシュモータのトルクを測定し、それに基づいてガイドブッシュと棒材との間の隙間を調整するようにしたものである。それによって、高い精度での隙間調整が可能になるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、回転式ガイドブッシュ機構を備える主軸移動型のNC自動旋盤の構成を示す図で、まず、ベッド1がある。上記ベッド1上には、主軸台3が搭載されていて、この主軸台3は、主軸台用モータ5、ボールネジ7、ボールナット9等によって、主軸軸心方向(図1中矢印Zで示す方向)に移動可能に構成されている。上記主軸台3には主軸11が回転可能に保持されていて、主軸モータ13、プーリ15、17、これらプーリ15、17に巻回されたベルト19等によって、回転駆動される構成になっている。
【0009】
上記主軸11の後部(図1中左側)には、主軸停止状態で二次加工を行う場合に、主軸11の回転を拘束するための主軸クランプ機構21が設けられている。この主軸クランプ機構21は、主軸11に固着されたV溝円板23と、クランプシリンダ機構25と、このクランプシリンダ機構25の図示しないピストンロッドに連結されたクランプピン27とから構成されている。そして、上記クランプシリンダ機構25を駆動してクランプピン27をV溝円板23のV溝23aに押し付けることにより、主軸11の回転を拘束するものである。
【0010】
上記主軸11の前方(図1中右側)には、ガイドブッシュ31が配置されている。主軸11に把持された棒材33の先端部は、このガイドブッシュ31によって支持されることになる。上記ガイドブッシュ31近傍の構成であるが、まず、ベッド1にはガイドブッシュフレーム35が取り付けられていて、このガイドブッシュフレーム35にはガイドブッシュホルダ37が取り付けられている。このガイドブッシュホルダ37の内側には、複数個の軸受部材39を介して、ガイドブッシュスリーブ41が回転可能に配置されている。上記ガイドブッシュ31は、このガイドブッシュスリーブ41の内側に、ガイドブッシュスリーブ41と一体的に回転するように収容・配置されているものである。すなわち、上記ガイドブッシュ31の外周部には溝42が軸方向に所定の長さだけ延長・形成されている。そして、上記ガイドブッシュスリーブ41側よりピン44が圧入され、上記溝42に係合している。よって、ガイドブッシュ31は回転方向に対してはガイドブッシュスリーブ41と一体化されており、且つ、軸方向に対しては、上記溝42の軸方向長さの範囲で移動可能に構成されている。
【0011】
上記ガイドブッシュスリーブ41の後方(図1中左側)には、タミイングプーリ43が固着されており、又、別途配置されたガイドブッシュモータ45の回転軸にも別のタイミングプーリ47が固着されている。これらタイミングプーリ43、47には、タイミングベルト49が巻回されている。又、上記タイミングプーリ43はキー46を介して、ガイドブッシュスリーブ41に対して回転方向において一体化されている。よって、ガイドブッシュモータ45によって、タイミングプーリ43、47、タイミングベルト49を介して、ガイドブッシュスリーブ41及びガイドブッシュ31を回転させることができる構成になっている。
【0012】
上記ガイドブッシュ31の後部(図1中左側)には調整ナット51が螺合・接合されていて、この調整ナット51を適宜の方向に適当量回転させることにより、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間を調整できるようになっている。すなわち、調整ナット51を一方向に回転することにより、ガイドブッシュ31を図1中左側に移動させ、ガイドブッシュ31のテーパ面31aとガイドブッシュスリーブ41のテーパ面41aとの作用によって、ガイドブッシュ31を縮径させる。それによって、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間が小さくなる。逆に、調整ナット51を他方向に回転することにより、ガイドブッシュ31を図1中右側に移動させることにより、ガイドブッシュ31のテーパ面31aと、ガイドブッシュスリーブ41のテーパ面41aとの作用によって、ガイドブッシュ31が自身のバネ力によって拡開されることになり、それによって、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間が大きくなる。
【0013】
上記調整ナット51にはV溝51aが形成されており、一方、クランプシリンダ機構53が設置されていて、このクランプシリンダ機構53の図示しないピストンロッドにはクランプピン55が取り付けられている。そして、クランプシリンダ機構53を適宜駆動してクランプピン55を突出させて上記V溝51aに押し付けることにより、調整ナット51をクランプするものである。
尚、図2は図1の一部を拡大して示す断面図であり、上記クランプピン55がV溝51aより離間した状態を実線で示し、クランクピン55がV溝に押し付けられている状態を仮想線で示している。
【0014】
既に述べた主軸モータ13とガイドブッシュモータ45は、図示しない回転位置検出器と制御装置とによって制御されるようになっていて、主軸11とガイドブッシュ31とが同期回転するようになっている。
因みに、ガイドブッシュ31を回転駆動するガイドブッシュモータ45としては、例えば、サーボモータ等が使用され、その容量は、例えば、200W前後の小型なものとなっている。これは、回転駆動時における抵抗が、ガイドブッシュ31と棒材33との摩擦抵抗だけであることによる。
又、ガイドブッシュ31の近傍には刃物台61が配置されていて、この刃物台61には工具63が取り付けられている。上記刃物台61は、図示しないボールネジ・ボールナット機構によって、主軸11の軸心方向に直交する方向(図1中矢印Xで示す方向)に移動可能に構成されている。
【0015】
又、既に述べた軸受部材39の取付構造をみてみると、軸受部材39の外輪は、ガイドブッシュホルダ37と固定部材38とによって挟持されるようになっており、又、内輪はガイドブッシュスリーブ41とタイミングプーリ43とによって挟持され、ナット40を締め付けることにより固定されている。
【0016】
以上の構成を基に、図3及び図4のフローチャートを参照しながら、その作用(ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間調整)を説明する。
まず、主軸11に把持された棒材33を十分な隙間を存した状態でガイドブッシュ31内に挿入し、その状態で隙間調整マクロプログラムをスタートさせる。それによって、クランプシリンダ機構53のピストンロッドが突出されて、クランプピン55を調整ナット51のV溝51aに押圧する。これによって、調整ナット51がクランプされることになる(ステップS1)。
【0017】
次に、ステップS2に移行して、主軸モータ13とガイドブッシュモータ45の同期回転制御を解除すると共に、ガイドブッシュモータ45のみを正回転させる。このガイドブッシュモータ45の正回転によりガイドブッシュ31が正回転することになる(ステップS3)。このとき、調整ナット51はクランプされていてその回転を規制されているので、上記ガイドブッシュ31の正回転により、ガイドブッシュ31は図1中左側に移動することになり、ガイドブッシュ31の内径は縮径されていき、その結果、棒材33を締め付けることになる。
【0018】
ガイドブッシュ31の棒材33に対する締付力は、ガイドブッシュモータ45のトルク制御により制御する。すなわち、ガイドブッシュモータ45の測定トルクが、予め設定されたトルクに達したところで、ガイドブッシュモータ45を停止させる。すなわち、ステップS4において、測定トルクが設定トルクに達したか否かを判別し、設定トルクに達したところで、ステップS5に移行して、ガイドブッシュモータ45を停止させるものである。そして、その回転位置を記憶してこれを原点とするものである(ステップS6)。
【0019】
次に、ガイドブッシュモータ45が所定の回転角度(α°)だけ逆回転し(ステップS7)、ガイドブッシュ31の内径を拡径させる。このとき、ガイドブッシュ31と棒材33との間に十分に大きな隙間が形成されるように、上記回転角度(α°)を設定しておく。次に、ステップS8に移行して、ガイドブッシュモータ45が、棒材33の材質及び直径に対応した所定の回転角度(β°、β<α)だけ正回転する。それによって、ガイドブッシュ31の内径を縮径して、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間を設定する。
【0020】
次に、ガイドブッシュ31と棒材33との間の設定された隙間が適正か否かを判定するために、調整ナット51のクランプを解除する(ステップS9)。次いで、クランプシリンダ機構25のピストンロッドが突出されて、クランプピン27をV溝円板23のV溝23aに押圧する。これによって、主軸11がクランプされることになる(ステップS10)。そして、ステップS11に移行して、棒材33を主軸11によって把持した状態で主軸台3が所定のストローク及び送り速度で往復移動すると共に、ガイドブッシュモータ45が回転してそのときのトルクを測定する(ステップS12)。そして、この測定したトルクと無負荷トルク(予め測定及び設定された棒材33を挿入していないときの回転トルク)との差、すなわち、ガイドブッシュ31と棒材33との間の摩擦トルクが、棒材33の材質、直径に対応した所定の設定トルクの範囲内であるか否かを判別する(ステップS13)。
【0021】
そして、判別の結果、設定トルクの範囲内である場合には、適正であると判断され、主軸台3の移動を停止すると共にガイドブッシュモータ45を停止する(ステップS14)。次に、ステップS15に移行して、主軸11のクランプを解除し、ステップS16に移行して、主軸モータ13とガイドブッシュモータ45の同期回転制御に入って調整作業を終了する。
【0022】
これに対して、ステップS13における判別で、設定トルクの範囲を越えると判別された場合には、ステップS17に移行する。ステップS17においては、設定トルク以上か否かが判別され、設定トルク以上ではない場合(下回る場合)には、ステップS8に戻る。そして、ガイドブッシュモータ45が僅かな角度だけ正回転し、ガイドブッシュ31の内径をさらに縮径させて、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間を調整する。
これに対して、設定トルク以上であると判別された場合には(設定トルク範囲を越え、且つ、設定トルク以上)、ステップS18に移行して、主軸台3の移動を停止すると共にガイドブッシュモータ45を停止する。そして、ステップS19に移行して、調整ナット51をクランプし、ステップS7に戻る。この場合には、ガイドブッシュモータ45を逆回転させた後、最初のβ°よりも僅かに減じた角度だけ正回転させ、ガイドブッシュ31の内径を縮径させて、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間を調整する。
以下、前述と同様に隙間が適正か否かの判定動作を繰り返す。
【0023】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間の調整作業を行うに際して、主軸モータ13に比べて容量が格段に小さいガイドブッシュモータ45のトルクを監視しながら行っているので、高い精度で調整作業を行うことができるようになった。すなわち、従来は、大容量のモータ、例えば、主軸モータ13において小さなトルク値を測定して、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間の調整作業を行っていたため、精度が低いという問題があった。これに対して、この実施の形態の場合には、小容量のガイドブッシュモータ45において小さなトルクを測定するようにしているので、測定トルクそのものの精度が高くなり、結局、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間を高い精度で調整することができるものである。
又、従来、機械式の回転式ガイドブッシュ機構の場合に必要であったブレーキ機構とクラッチ機構が、この実施の形態においては不要になったので、それだけ構成の簡略化、装置の小型化を図ることができるようになった。
【0024】
次に、図5乃至図7を参照して、本発明の第2の実施の形態を説明する。まず、NC自動旋盤の構成であるが、これは図5に示すような構成になっている。基本的には前記第1の実施の形態における構成と同じであるが、主軸11の回転を拘束するための主軸クランプ機構がないものである。
又、前記第1の実施の形態の場合と同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0025】
以上の構成を基に、図6及び図7のフローチャートを参照しながら、その作用を説明する。
まず、主軸11に把持された棒材33を十分な隙間を存した状態でガイドブッシュ31内に挿入し、その状態で隙間調整マクロプログラムをスタートさせる。そして、クランプシリンダ機構53のピストンロッドが突出されて、クランプピン55を調整ナット51のV溝51aに押圧する。これによって、調整ナット51がクランプされることになる(ステップS31)。
【0026】
次に、ステップS32に移行して、主軸モータ13とガイドブッシュモータ45の同期回転制御を解除すると共に、ガイドブッシュモータ45のみを正回転させる。よって、ガイドブッシュ31が正回転することになる(ステップS33)。このとき、上記したように、調整ナット51はクランプされていてその回転を規制されているので、上記ガイドブッシュ31の正回転により、ガイドブッシュ31は図1中左側に移動することになり、ガイドブッシュ31の内径は縮径されていき、棒材33を締め付けることになる。
【0027】
次に、ステップS34に移行して、ガイドブッシュモータ45の測定トルクが予め設定されたトルクに達したか否かの判別がなされる。そして、設定トルクに達したところで、ステップS35に移行して、ガイドブッシュモータ45を停止させるものである。そして、その回転位置を記憶してこれを原点とするものである(ステップS36)。
【0028】
次に、ガイドブッシュモータ45が所定の回転角度(α°)だけ逆回転し(ステップS37)、ガイドブッシュ31の内径を拡径させる。このとき、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間が十分大きな値になるように、上記回転角度(α°)を設定しておく。次に、ステップS38に移行して、ガイドブッシュモータ45が、棒材33の材質及び直径に対応した回転角度(β°、β<α)だけ正回転し、それによって、ガイドブッシュ31の内径を縮径させて、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間を設定する。
【0029】
次に、ガイドブッシュ31と棒材33との間の設定された隙間が適正か否かを判定するために、調整ナット51のクランプを解除する(ステップS39)。そして、ステップS40に移行して、棒材33を主軸11によって把持した状態で主軸台3が所定のストローク及び送り速度で往復移動すると共に、主軸モータ13を回転させて、そのときのガイドブッシュモータ保持トルクを測定する(ステップS41)。そして、この測定したガイドブッシュモータ保持トルク、すなわち、ガイドブッシュ31と棒材33との間の摩擦トルクが、棒材33の材質、直径に対応した設定トルクの範囲内であるか否かを判別する(ステップS42)。
【0030】
そして、判別の結果、設定トルクの範囲内である場合には、適正であると判断され、主軸台3の移動を停止すると共に主軸モータ13を停止する(ステップS43)。次に、ステップS44に移行して、主軸モータ13とガイドブッシュモータ45の同期回転制御に入って調整作業を終了する。
【0031】
これに対して、ステップS42における判別で、設定トルクの範囲を越えると判別された場合には、ステップS45に移行する。ステップS45においては、設定トルク以上か否かが判別され、設定トルク以上ではない場合(下回る場合)には、ステップS38に戻る。そして、ガイドブッシュモータ45が僅かな角度だけ正回転し、ガイドブッシュ31の内径をさらに縮径させて、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間を調整する。
これに対して、設定トルク以上であると判別された場合には(設定トルク範囲を越え、且つ、設定トルク以上)、ステップS46に移行して、主軸台3の移動を停止すると共に主軸モータ13を停止する。そして、ステップS47に移行して、調整ナット51をクランプし、ステップS37に戻る。この場合には、ガイドブッシュモータ45を逆回転させた後、最初のβ°よりも僅かに減じた角度だけ正回転させ、ガイドブッシュ31の内径を縮径させて、ガイドブッシュ31と棒材33との間の隙間を調整する。
以下、同様の隙間判定動作を繰り返す。
【0032】
このように、この第2の実施の形態の場合にも、主軸モータ13等に比べて容量が格段に小さなガイドブッシュモータ45のトルクを測定し、その測定トルクに基づいてガイドブッシュ31と棒材33の隙間を調整するようにしており、よって、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができる。
【0033】
尚、本発明は前記第1及び第2の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、NC自動旋盤の構成としては図示したものに限定されず、主軸移動型であって回転式ガイドブッシュ機構を備えた様々な構成のNC自動旋盤に適用可能である。
又、前記第1及び第2の実施の形態においは、ガイドブッシュと棒材との隙間調整を自動的に行う好適な例を挙げて説明したが、この調整そのものは、従来行われてきたように、作業員が直に調節ねじを操作することにより行う方法でもよく任意である。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によるNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法によると、主軸用モータや主軸台駆動モータに比べて容量が小さいガイドブッシュモータのトルクを測定し、その測定値に基づいて、ガイドブッシュと棒材との間の隙間を調整するようにしたので、高い精度での隙間調整が可能になった。
又、機械式の回転式ガイドブッシュ機構の場合に必要であったブレーキ機構やクラッチ機構が不要となり、よって、構成も簡単で済むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、NC自動旋盤の構成を一部切欠いて示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、ガイドブッシュと棒材との間の隙間を調整する作業を工程順に示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、ガイドブッシュと棒材との間の隙間を調整する作業を工程順に示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図で、NC自動旋盤の構成を一部切欠いて示す正面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す図で、ガイドブッシュと棒材との間の隙間を調整する作業を工程順に示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示す図で、ガイドブッシュと棒材との間の隙間を調整する作業を工程順に示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 主軸
13 主軸モータ
31 ガイドブッシュ
33 棒材
45 ガイドブッシュモータ

Claims (4)

  1. 棒材を把持する主軸と、
    上記主軸を回転させる主軸モータと、
    上記主軸に把持された棒材の先端部を支持するガイドブッシュと、
    上記主軸モータとは別に配置されるとともに上記主軸モータより容量が小さく上記ガイドブッシュを主軸と同期して回転させるガイドブッシュモータと、を具備したNC自動旋盤にあって、
    上記ガイドブッシュと棒材との隙間を調整するNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法において、
    上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間を設定し、
    その後、棒材を把持した主軸の回転を拘束し、軸心方向に移動させると共にガイドブッシュモータを回転させ、そのときのガイドブッシュモータのトルク値に基づいてガイドブッシュと上記棒材との間の隙間が適正な値に調整されているか否かを判別するようにしたことを特徴とするNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法。
  2. 棒材を把持する主軸と、
    上記主軸を回転させる主軸モータと、
    上記主軸に把持された棒材の先端部を支持するガイドブッシュと、
    上記主軸モータとは別に配置されるとともに上記主軸モータより容量が小さく上記ガイドブッシュを主軸と同期して回転させるガイドブッシュモータと、を具備したNC自動旋盤にあって、
    上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間を調整するNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法において、
    上記ガイドブッシュと棒材との隙間を設定し、
    その後、棒材を把持した主軸を軸心方向に移動させると共に回転させ、そのときのガイドブッシュモータの保持トルク値に基づいてガイドブッシュと上記棒材との間の隙間が適正な値に調整されているか否かを判別するようにしたことを特徴とするNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載のNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法において、
    上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間の設定は、まず、調整ナットをクランプした状態にてガイドブッシュモータを一方向に所定量だけ回転させてガイドブッシュを縮径させて棒材を締め付け、ガイドブッシュモータのトルク値が設定値に達したところでそこを原点とし、
    次いで、ガイドブッシュモータを他方向に所定量だけ回転させてガイドブッシュを拡径させて棒材との間に十分な隙間を形成し、
    次いで、ガイドブッシュモータを棒材の材質、直径に基づいて設定された所定量だけ一方向に回転させることにより設定することを特徴とするNC自動旋盤のガイドブッシュ調整方法。
  4. 棒材を把持する主軸と、
    上記主軸を回転させる主軸モータと、
    上記主軸に把持された棒材の先端部を支持するガイドブッシュと、
    上記主軸モータとは別に配置されるとともに上記主軸モータより容量が小さく上記ガイドブッシュを主軸と同期して回転させるガイドブッシュモータと、
    上記ガイドブッシュに螺合・接合され適宜の方向に回転操作されることにより上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間を調整する調整ナットと、
    上記調整ナットを選択的にクランプさせてその回転を規制するシリンダ機構と、
    上記シリンダ機構を駆動させて上記調整ナットをクランプさせ、上記ガイドブッシュモータの回転により上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間の設定を行い、上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間が設定された後上記シリンダ機構を駆動させて上記調整ナットのクランプを解除させ、上記主軸とガイドブッシュの何れか一方を回転させると共に 主軸を軸方向に移動させ、そのときのガイドブッシュモータのトルク値に基づいて上記ガイドブッシュと上記棒材との間の隙間が適正な値に調整されているか否かの判別を行う制御手段と、
    を具備したことを特徴とするNC自動旋盤。
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