JPS6341692B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、工作機械、特に手持式工作機械用の
工具保持装置であつて、工具を回転駆動しかつ回
転軸線方向に作用する作業圧を伝達できるように
構成されている形式のものに関する。工具を工作
的に接触させることによつて、工具駆動装置をス
イツチ・オン及びオフすることは公知である。こ
の場合工具駆動装置によつて工具を回転連行する
ための連行接続は常に保たれる。工具駆動装置は
スイツチを切つた後も惰性回転し、その運転させ
られた質量体の全エネルギはこの惰性回転中にも
まだ当該工具に作用し続ける。この結果負傷の危
険性が少なからず生じる。また上記の惰性回転
は、それが停止するまで待たねばならないことか
ら、工具交換を妨げるものである。工具駆動装置
が続けて回転している間に工具を交換すること自
体は有利であるが、上記公知例ではそれは完全に
不可能であるかもしくは作業員にとつて極めて危
険である。

本発明の出発点となつた上記の先行技術に対し
て、工具保持装置が工具側の円柱状の案内ピン
と、この案内ピンを受容するために工具駆動装置
の駆動スピンドルに設けられた軸線方向の孔と、
工具を形状接続によつて回転連行するための工具
側の異形断面シヤフトと、この異形断面シヤフト
と協働するナツトと、工具側のつばと、このつば
を被いかつ工具の軸線方向運動に対する解放防止
位置と解放位置とに可動な解放防止部材と、工具
を取り外し方向に押すばねとを備えており、解放
防止位置にある解放防止部材により許容される工
具の軸線方向遊び及び工具側の円柱状の案内ピン
が該案内ピンに対応したスピンドルの孔内に係合
する長さが、ナツト内への異形断面シヤフトの係
合長さよりも大きく、異形断面シヤフトとナツト
とより成るカツプリングの係合距離が、案内ピン
が孔内に係合する距離及び工具側のつばが機械側
終端位置へ達する距離の終りに置かれるようにし
たことを特徴とする本発明の工具保持装置は、回
転式の工具駆動装置から工具駆動のための連結が
自動的にはずれることによつて従来の負傷の危険
性が回避されかつ本当に迅速な工具交換が可能に
なるという長所を有する。更に頻繁すぎるスイツ
チングが回避されることから工具駆動装置をあま
り痛めずに済む。

本発明の有利な実施態様は特許請求の範囲第２
項乃至第７項に記載したとおりである。工具解放
防止部材の他に、緊締個所を被うスリーブが機械
と締め込み個所とを汚損から保護する機能を果し
ていると特に有利である。

更に、工具受容ピンの案内ピンがチヤツクによ
つて緊締され延いては工具も緊締されることによ
つて、該工具の使用が可能であると特に有利であ
る。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

第１図に略示されているハンドドリルのフロン
トキヤツプ１はボールベアリング２により、駆動
歯車４を有する駆動スピンドル３を受容してい
る。この場合ボールベアリング２はフロントキヤ
ツプ１の孔５内に保持され、この孔内の段部６及
び移動防止部材７によつて孔５内での軸線方向で
の移動を防止されている。ボールベアリング２内
での駆動スピンドル３の軸線方向の固定は、一方
では駆動スピンドル３に形成されている段によつ
て、他方では移動防止部材８によつて保証されて
いる。更に駆動スピンドル３は軸線方向の孔９を
有しており、この孔９はその端部において半径方
向の孔１０によつて通気されている。孔９内にコ
イルばね１１がそう入されている。また駆動スピ
ンドル３はねじ山付きピン１２を形成しており、
該ねじ山付きピン１２には通常のチヤツク（図示
せず）を装着することができる。例えば図示の実
施例では上記ねじ山付きピン１２に、アダプタ１
３がねじはめられており、該アダプタ１３はナツ
ト１４を形成している。孔９内にはコイルばね１
１の前方に工具受容ピン１６の案内ピン１５が差
し込まれており、該案内ピン１５は異形断面シヤ
フト１７も形成している。この異形断面シヤフト
１７はナツト１４内に係合している。工具受容ピ
ン１６の外側端部は、外ねじ山１８とラジアル孔
１９と軸線方向の受容孔２０とを有する頭部を形
成している。受容孔２０は種々異なる工具シヤフ
ト２１を受容するために規定されている。図示の
工具シヤフト２１はこの場合の工具であるドリル
２２と固く結合されている。ラジアル孔１９は工
具シヤフト２１をも貫通している。この貫通した
ラジアル孔１９内に嵌め込まれている円筒のピン
２３は工具シヤフト２１を工具受容ピン１６の頭
部と回動不能に結合している。工具受容ピン１６
の頭部の外ねじ山１８にはスリーブ２４がねじは
められている。外ねじ山１８と協働するスリーブ
２４の内ねじ山２５は、スリーブ２４の孔内に切
られており、該孔は工具受容ピン１６の頭部より
も長くなつている。スリーブ２４はアダプタ１３
と、フロントキヤツプ１から突出した駆動スピン
ドル部分の大部分を被つている。更にスリーブ２
４はフロントキヤツプ１と向かい合つた端部につ
ば２６を形成している。制御装置が図示の状態に
ある場合は、スリーブ２４のつば２６側の端面
は、ピン２７の、球面状の端面に接触しており、
該ピン２７はフロントキヤツプ１内に固定されて
いて、スリーブ２４側のフロントキヤツプ端面か
ら突出している。スリーブ２４の上記の端面には
更に、検出器として役立つピン２８も接触してい
る。上記ピン２８は、工具の回転軸線に対して平
行にフロントキヤツプ１内に形成されている孔２
９内で案内されている。ピン２８はフロントキヤ
ツプ１の内部に突入しており、その内側端部に調
整器３１の可動部分３０を支持している。上記の
可動部分３０はピン２８による以外に、調整器３
１により案内されている。ピン２８から調整器の
可動部分３０への結合プレート３２はピン３３を
保持しており、該ピン３３はフロントキヤツプ１
内の支承孔３４内に係合しており、該支承孔３４
内には押しばね３５がそう入されている。押しば
ね３５は常にピン２８をフロントキヤツプ１から
押し出してスリーブ２４の端面に接触させるよう
に作用する。調整器３１は工具駆動装置の出力
を、工具が工作物から離されてた時のゼロ状態か
らその最大値にまで調整するように設計されてい
る。スイツチ３６は調整器３１をバイパスするこ
ともできるように、工具駆動装置の電流供給回路
内に接続されている。補助ハンドグリツプ３７が
フロントキヤツプ１の緊締頚部３８に堅く締めつ
けられている。この場合緊締部材としてちようナ
ツト４０を有するねじボルト３９が用いられる。
補助グリツプ３７は、その縦軸線が工具の縦軸線
に対して平行に配置されているボルト４１を受容
している。このボルト４１には解放防止部材４２
が旋回可能に支承されている。この場合補助ハン
ドグリツプ３７と解放防止部材４２との間に脚付
きばね４３がそう入されていて、ボルト４１に取
り付けられている。この脚付きばね４３は解放防
止部材４２を常に緊締頚部３８の方に旋回させる
ように予め緊張されている。保持リング４４は解
放防止部材４２と脚付きばね４３とをボルト４１
上で確保している。解放防止部材４２はつば４５
を有していて、緊締頚部３８の方に旋回せしめら
れている状態では、緊締頚部３８と補助ハンドグ
リツプ３７の一部の他にスリーブ２４をも被うこ
とができる。この場合つば４５はスリーブ２４の
つば２６の軸線方向運動範囲内にある。従つてピ
ン２７とつば４５が、軸線方向でのスリーブ２４
の最大移動範囲を限定している。工具受容ピン１
６上でのスリーブ２４の調節位置に応じて、上記
のスリーブ２４の軸線方向最大移動範囲の利用度
が変化する。スリーブ２４のつば２６のところの
端面がピン２７の端面に接触する前に工具受容ピ
ン１６がアダプタ１３に接触するように、工具受
容ピン１６に対するスリーブ２４の軸線方向の位
置が選ばれた場合には、スリーブ２４の軸線方向
最大移動範囲は完全には利用されない。即ち、ス
リーブ２４の端面に常に接触しているピン２８が
駆動スピンドル３の回転数が低くなるように調整
器３１を調整する。

図示のハンドドリルでは駆動スピンドル３と固
定的に結合された駆動歯車４が図示されていない
ピニオンを介して駆動される。このばあい回転力
は順次駆動スピンドルのねじ山付きピン１２、ア
ダプタ１３およびナツト１４を介して、このナツ
ト内に係合する、工具受容ピン１６に一体成形さ
れた異形断面シヤフト１４に、次いで工具シヤフ
ト２１ひいては工具２２に伝達される。

本発明による制御装置を備えた工作機械で作業
を行なうためには工具受容ピン１６とスリーブ２
４と共に種々の工具（ドリル）が用意される。こ
の場合スリーブ２４は、当該工具に適した回転数
がスリーブ２４のつば２６側の端面と協働するピ
ン２８によつて検出されるような軸線方向位置で
工具受容ピン１６にねじはめられる。このばあい
ピン２８の押込位置に関連して調整器を介して工
具駆動装置が制御される。工具を交換するために
は解放防止部材４２が脚付きばね４３の作用に抗
してフロントキヤツプ１の緊定頚部３８から離れ
る方向に旋回せしめられる。つば４５がつば２６
の軸線方向運動範囲から外方に外されると、工具
をスリーブ２４と一緒に取り外すことができる。
この取り外し運動は始めにコイルばね１１によつ
て補助される。新しい工具（ドリル）を取り付け
るためには解放防止部材４２を緊締頚部から離反
旋回させた同じ位置に保持しておかなければなら
ない。この状態で案内ピン１５を駆動スピンドル
３の孔９に差し込み、更にコイルばね１１の作用
に抗して、つば４５がスリーブ２４のつば２６の
背後に係合し得る所まで押し込む。解放防止部材
を放すと、解放防止部材４２はその脚付きばね４
３の作用で解放防止位置に旋回する。こうして同
時に工具駆動装置の回転数はゼロから当該工具に
最適の値まで制限される。更に前記つば２６およ
びつば４５の協働により工具を工作物から持ち上
げた状態で、取り外し方向でコイルばね１１によ
つて負荷された工具の作業スピンドル３からの脱
落が防止される。更にアダプタ１３のナツト１４
と工具受容ピン１６の異形断面シヤフト１７との
間の連結長さは、調整器３１が回転数ゼロの位置
にある時に両方の連結部分が確実に係合をはずさ
れているように、定められている。もちろん上記
連結長さは、調整器がゼロ位置に達する前に工具
がその駆動装置から遮断されるように決定されて
いてもよい。また上記連結長さは工具ごとにその
異形断面シヤフト１７の長さを異ならせることに
よつて変化させられ得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すものであつて、
第１図はハンドドリルのフロントキヤツプを有す
る本発明による制御装置の縦断面図、第２図は第
１図の装置を図面上で左側から見た側面図、第３
図は同じく右側から見た側面図であり、第３図に
おいては工具駆動軸と駆動輪は外して示されてい
る。 １……フロントキヤツプ、２……ボールベアリ
ング、３……駆動スピンドル、４……駆動輪、５
……孔、６……段部、７，８……移動防止部材、
９，１０……孔、１１……コイルばね、１２……
ねじ山付きピン、１３……アダプタ、１４……ナ
ツト、１５……案内ピン、１６……工具受容ピ
ン、１７……異形断面シヤフト、１８……外ねじ
山、１９……ラジアル孔、２０……受容孔、２１
……工具シヤフト、２２……ドリル、２３……円
筒のピン、２４……スリーブ、２５……内ねじ
山、２６……つば、２７，２８……ピン、２９…
…孔、３０……調整器の可動部分、３１……調整
器、３２……結合プレート、３３……ピン、３４
……支承孔、３５……押しばね、３６……スイツ
チ、３７……補助ハンドグリツプ、３８……緊締
頚部、３９……ねじボルト、４０……ちようナツ
ト、４１……ボルト、４２……解放防止部材、４
３……脚付きばね、４４……保持リング、４５…
…つば。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 工作機械用の工具保持装置であつて、工具を
   回転駆動しかつ回転軸線方向に作用する作業圧を
   伝達できるように構成されている形式のものにお
   いて、工具保持装置が工具側の円柱状の案内ピン
   １５と、この案内ピン１５を受容するために工具
   駆動装置の駆動スピンドル３に設けられた軸線方
   向の孔９と、工具を形状接続によつて回転連行す
   るための工具側の異形断面シヤフト１７と、この
   異形断面シヤフト１７と協働するナツト１４と、
   工具側のつば２６と、このつば２６を被いかつ工
   具２２の軸線方向運動に対する解放防止位置と解
   放位置とに可動な解放防止部材４２と、工具２２
   を取り外し方向に押すばね１１とを備えており、
   解放防止位置にある解放防止部材４２により許容
   される工具２２の軸線方向遊び及び工具側の円柱
   状の案内ピン１５が該案内ピン１５に対応したス
   ピンドルの孔９内に係合する長さが、ナツト１４
   内への異形断面シヤフト１７の係合長さよりも大
   きく、異形断面シヤフト１７とナツト１４とより
   成るカツプリングの係合距離が、案内ピン１５が
   孔９内に係合する距離及び工具側のつば２６が機
   械側終端位置へ達する距離の終りに置かれるよう
   にしたことを特徴とする、工作機械用の工具保持
   装置。 ２ 工具２２を取り外し方向に押すばね１１が駆
   動スピンドル３の、案内ピン１５を収容するため
   に相応して長くされている軸線方向の孔９内にそ
   う入されている、特許請求の範囲第１項記載の工
   具保持装置。 ３ つば２６が、工具２２と結合されているスリ
   ーブ２４によつて形成されており、該スリーブ２
   ４はナツト１４を被つて汚損から保護している、
   特許請求の範囲第１項記載の工具保持装置。 ４ ナツト１４がアダプタ１３によつて形成され
   ており、該アダプタ１３は駆動スピンドル３のチ
   ヤツク取り付け用ねじ山にねじはめられる内ねじ
   山を有している、特許請求の範囲第１項記載の工
   具保持装置。 ５ スリーブ２４が、内ねじ山２５を有してお
   り、該内ねじ山２５によりスリーブ２４が工具側
   の外ねじ山１８にねじはめられてかつ異形断面シ
   ヤフト１７とナツト１４との間のカツプリングの
   係合が調節可能である、特許請求の範囲第１項記
   載の工具保持装置。 ６ 工具側の外ねじ山１８が工具受容ピン１６に
   よつて形成されており、該工具受容ピン１６は異
   形断面シヤフト１７と案内ピン１５をも形成して
   いる、特許請求の範囲第５項記載の工具保持装
   置。 ７ 工具受容ピン１６が、工具２２と固定的に結
   合された工具シヤフト２１のための受容孔２０を
   有しており、該工具シヤフト２１は総てその外径
   が等しく、その工具受容孔の直径は当該の工具２
   ２の直径に適合せしめられている、特許請求の範
   囲第６項記載の工具保持装置。