JP3691671B2 - 摩擦圧接方法及び摩擦圧接装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は摩擦圧接方法及び摩擦圧接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ワーク同士を接合する手法として、摩擦圧接方法がよく知られている。摩擦圧接においては、接合しようとするワークの端面を互いに接触させて加圧しながら相対運動させることによって接合界面に摩擦熱を発生させ、アプセット圧力を加えることによりワーク間の接合部は互いにめり込むようにして一体化し接合する。
【0003】
摩擦圧接作業過程としては、まず、所定のタイミングにおいて主軸の回転を開始して、一定の回転数で回転させながらワーク同士を接触させる。このとき、推力装置により両ワークの接触面に予熱推力を加える。そして、所定期間が経過した所定のタイミングで推力装置により両ワークの接触面に摩擦推力を加えると、接合界面は摩擦熱により温度が上昇し、高温層が形成される。つまり、ワーク間の接合界面が軟化するため、あるタイミングで寄り代が発生する。この後、接合界面が所望の軟化状態となる所定のタイミングにて回転を急停止させつつアプセット推力を加える。すると、寄り代の変化量が増加し、そのまま一定時間保持させると、ワークは高温・高圧のもとで固相接合が行われる
以上の摩擦圧接作業過程は、ブレーキ作動信号(減速開始信号)とアプセット推力付加信号との時間関係つまり減速開始信号を出すタイミングによって制御されている。制御方式としては、一般的に、時間制御、寸法制御、摩擦寄り代制御及び総全長制御などの制御方式がある。時間制御は、ワークの接触時から所定時間が経過したとき減速開始信号を出す制御方式である。寸法制御は、減速開始信号をワークの長さ変化で制御する制御方式である。また、摩擦寄り代制御は、予熱寄り代(通常はほとんどゼロ)と摩擦寄り代の和が所定の値に到達したとき減速開始信号を出す制御方式である。総全長制御は、ワークのそれぞれの長さに関係なく摩擦過程において両ワーク(又は3つのワーク)の総全長が所定の長さに到達したとき減速開始信号を出す制御方式である。そして、接合した完成品の総全長精度を図る摩擦圧接においては、総全長制御方式がよく使われている。
【0004】
総全長制御方式にて制御した従来の摩擦圧接の例として、例えば、特公昭48−43537号公報では、両頭主軸スライド型摩擦圧接機における総全長規制ならびに検知方法が開示されている。この技術は、クランプに固定された第三加工片の両端に対してそれぞれ接合される第一,第二加工片を支持するチャック間隔を検出して総全長規制することを提案している。この技術によれば、不良品の早期発見が極めて容易であると共に不良品の再発の防止に対して迅速な対策を立てることができ更に加工片及び完成品長の面倒な測定工程が省略できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記総全長制御は、あくまで各ワークのそれぞれ加工前の長さに関係なく摩擦圧接過程において互いに接合するワークの総全長が所定の長さに到達した時、減速開始信号を出力する制御方式である。そのため、この総全長制御方式で接合した成型品は、各ワークの加工前の長さのバラツキと各ワーク間の接合誤差などによって各接合部のバリが不均一となる。
【0006】
詳述すると、クランプ装置にクフンプされたワーク(中間ワーク)に対してその中間ワークの左端に左側ワークを、右端に右側ワークをそれぞれ総全長制御で接合する場合において、中間ワークをクランプ装置に固定する際に一方の端(以下、説明の便宜上左端とする)を基準位置に合わせて固定している。
【0007】
このとき、左側及び右側ワークの加工前の長さが規格どおり同一であって、中間ワークの加工前の長さにバラツキがあるとすると、中問ワークの左端と左側ワークとは、常に一定の間隔が保持される。一方、中間ワークの右端と右側ワークとは、中間ワークの加工前の長さのバラツキが現れるため、常に一定の間隔が保持されないことになる。
【0008】
つまり、中間ワークが規格より長い場合には、中間ワークの右端は規格位置より右側ワーク側に長い分だけ突出している。又、中間ワークが規格より短い場合には、中間ワークの右端は規格位置より反右側ワーク側にその短い分だけ後退している。
【0009】
従って、左及び右側ワークを回転させながらそれぞれ中間ワークの端部に向かってスライド移動させて摩擦圧接加工を行うとき、中間ワークの加工前の長さが規格どおりの場合には、中間ワークの左端部と右端部の寄り代(摩擦長)は等しくなりバリも等しくなる。一方、中間ワークが規格より長い場合には、中間ワークの左端部より、その長い分だけ右端部の寄り代は長くなりバリも大きくなる。又、中間ワークが規格より短い場合には、中間ワークの左端部より、その短い分だけ右端部の寄り代は短くなりバリも小さくなる。
【0010】
このように、中間ワークの寸法バラツキによって、左右両端の接合部の接合状態が不均一になり完成品としては不的確なものとなったり外観が悪いものとなる問題があった。このような左右両端の接合部の接合状態の不均一は、左側及び右側ワークの寸法バラツキや、左側及び右側ワークのチャックの取付誤差によっても同様に生じていた。
【0011】
又、上記摩擦圧接における品質管理は接合後の完成品で行っていた。従って、接合前における各ワークの寸法誤差や各ワークの取付誤差に起因した不良品の発生を未然に防止することができず、生産性の向上を図る上でも問題があった。
【0012】
さらに、前記した従来の摩擦圧接装置は、左側及び右側ワークを中間ワークの端部に向かってスライド移動させるスライド駆動手段は、油圧シリンダが使用されている。そして、各種センサからの検出信号に基づいて制御装置が油圧シリンダを駆動制御する油圧回路の切換電磁バルブ等を駆動制御するようになっている。従って、電気的制御系において動作制御のための動作タイミング制御を精度よく行っても、油圧系においてはこの電気的制御系で求めた精度の高い動作タイミングに追従することができず動作遅れが生じ精度の高い成品を作ることには限界があった。又、油圧シリンダに供給される作動油は、その粘性が環境温度によって左右されスライド移動を正確に制御することは難しいため、同様に精度の高い成品を作ることには限界があった。
【0013】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、完成品の全長精度を確保することができると共に、完成品の外観品質の向上を図ることができる摩擦圧接方法及び摩擦圧接装置を提供することにある。
【0014】
本発明の第2の目的は、生産効率の向上を図ることができる摩擦圧接方法及び摩擦圧接装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ワーク固定装置に固定された第2ワークに対しその一端にチャックに締着させた第1ワークの先端を、他端にチャックに締着させた第3ワークの先端を摩擦圧接して接合する摩擦圧接方法において、前記第1及び第3ワークの先端をそれぞれ接合する第2ワークの端部に当接させた状態で、第1及び第3ワークを締着するチャックを緩めながら該チャックをワーク固定装置に向かって移動させることにより、第1及び第3ワークの基端を前記チャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第1及び第3ワークを再度締着した後、加工前のワークの寸法誤差、及び第2ワークの取付誤差の少なくともいずれか一方を判定するようにしたことを要旨とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の摩擦圧接方法において、前記第1及び第3ワークの基端は前記ストッパの規制面に当接され、前記チャックにより第1及び第3ワークを再度締着した後、前記第1及び第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第1〜第3ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第1及び第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差、及び第2ワークの取付誤差の少なくともいずれか一方を判定するようにしたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の摩擦圧接方法において、前記判定結果が許容値以内にあった時、第1及び第3ワークを第2ワークの接触位置から予め定めた摩擦圧接完了位置に向かって摩擦圧接を行い、その摩擦圧接完了位置と第1及び第3ワークの第2ワークの接触位置とから、第1及び第3ワークの第2ワークのそれぞれ接合による寄り代をそれぞれ求め、その各寄り代に基づいて成品判定をするようにしたことを要旨とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、ワーク固定装置に固定された第2ワークに対しその一端にチャックに締着させた第1ワークの先端を摩擦圧接して接合する摩擦圧接方法において、第1ワークと第2ワークとを接合する前に互いに当接させた状態で、第1ワークを締着するチャックを緩めながら、該チャック及び前記ワーク固定装置のうちの一方を他方に向かって移動させることにより、第1ワークの基端を前記チャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第1ワークを再度締着した後、加工前のワークの寸法誤差を判定するようにしたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の摩擦圧接方法において、前記チャックを前記ワーク固定装置に向かって移動させることにより、第1ワークの基端を前記ストッパの規制面に当接させる摩擦圧接方法であって、前記チャックにより第1ワークを再度締着した後、前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第1及び第2ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差を判定するようにしたことを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、ワーク固定装置に固定された第2ワークに対しその一端に第1ワークの先端を、他端に第3ワークの先端を同時に摩擦圧接して接合する摩擦圧接装置において、第2ワークに対して第1及び第3ワークを同時接合する前にそれぞれ第1及び第3ワークを第2ワークに対して互いに接触させた状態で、第1及び第3ワークを締着するチャックを緩めながら該チャックを前記ワーク固定装置に向かって移動させることにより、第1及び第3ワークの基端を前記チャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第1及び第3ワークを再度締着する手段と、前記チャックにより第1及び第3ワークを再度締着した後、加工前のワークの寸法誤差、及び第2ワークの取付誤差の少なくともいずれか一方を判定する素材判定手段とを備えたことを要旨とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の摩擦圧接装置において、ワーク固定装置に固定された第2ワークに対しその一端に第1ワークの先端を、他端に第3ワークの先端を同時に摩擦圧接して接合する際に第1及び第3ワークの先端が共に第2ワークに対して等距離離間した圧接開始位置からそれぞれ摩擦圧接完了位置まで移動して摩擦圧接して接合する摩擦圧接装置であって、第2ワークに対して第1及び第3ワークを同時接合した後、前記摩擦圧接完了時の位置と第1及び第3ワークの第2ワークとの接触位置とから、第1及び第3ワークの第2ワークとのそれぞれ接合による寄り代をそれぞれ求め、その各寄り代に基づいて成品判定をする寄り代判定手段と、第2ワークに対して第1及び第3ワークを同時接合した後、前記摩擦圧接完了時の位置から、第1及び第3ワークの第2ワークとの接合による総全長を求め、その総全長に基づいて成品判定をする全長判定手段とをさらに備えたことを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の摩擦圧接装置において、前記チャックにより第1及び第3ワークを再度締着する手段は、前記第1及び第3ワークの基端を前記ストッパの規制面に当接させるようになっており、前記素材判定手段は、前記チャックにより第1及び第3ワークが再度締着された後、第1及び第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第1〜第3ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第1及び第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差、及び第2ワークの取付誤差の少なくともいずれか一方を判定することを要旨とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、ワーク固定装置に固定された第2ワークに対しその一端にチャックに締着させた第1ワークの先端を摩擦圧接して接合する摩擦圧接装置において、第1ワークと第2ワークとを接合する前に互いに接触させた状態で、第1ワークを締着するチャックを緩めながら、該チャック及び前記ワーク固定装置のうちの一方を他方に向かって移動させることにより、第1ワークの基端を前記チャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第1ワークを再度締着する手段と、前記チャックにより第1ワークを再度締着した後、加工前のワークの寸法誤差を判定する素材判定手段とを備えたことを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の摩擦圧接装置において、前記チャックにより第1ワークを再度締着する手段は、前記チャックを前記ワーク固定装置に向かって移動させることにより、前記第1ワークの基端を前記ストッパの規制面に当接させるようになっており、前記素材判定手段は、前記チャックにより第1ワークが再度締着された後、前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第1及び第2ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差を判定するようにしたことを要旨とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、ワーク固定装置に固定された第2ワークの一端に、第1ワークの先端を摩擦圧接して接合した後、前記第2ワークの他端に、第3ワークの先端を摩擦圧接して接合する摩擦圧接装置において、第1ワークと第2ワークとを接合する前に互いに接触させた状態で、第1ワークを締着するチャックを緩めながら、該チャックを前記ワーク固定装置に向かって移動させることにより、第1ワークの基端をチャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第1ワークを再度締着する手段と、前記第1ワークを接合した第2ワークと第3ワークとを接合する前に互いに接触させた状態で、第3ワークを締着するチャックを緩めながら、該チャックを前記ワーク固定装置に向かって移動させることにより、第3ワークの基端をチャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第3ワークを再度締着する手段と、前記チャックにより第1ワークを再度締着した後及び前記チャックにより第3ワークを再度締着した後、加工前のワークの寸法誤差を判定する素材判定手段とを備えたことを要旨とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の摩擦圧接装置において、第2ワークに対して第1ワークを接合した後、摩擦圧接完了時の位置と第1ワークの第2ワークとの接触位置とから、第1ワークの第2ワークとの接合による寄り代と、接合した第1ワークと第2ワークに対して第3ワークを接合した後、摩擦圧接完了時の位置と第3ワークの接合した第1ワークと第2ワークとの接触位置とから、第3ワークの接合した第1ワークと第2ワークとの接合による寄り代とをそれぞれ求め、その各寄り代に基づいて成品判定をする寄り代判定手段と、接合した第1ワークと第2ワークに対して第3ワークを接合した後、摩擦圧接完了時の位置から、第3ワークの接合した第1ワークと第2ワークとの接合による総全長を求め、その総全長に基づいて成品判定をする総全長判定手段とをさらに備えたことを要旨とする。
請求項13に記載の発明は、請求項11又は請求項12に記載の摩擦圧接装置において、前記チャックにより第1ワークを再度締着する手段は、前記第1ワークの基端を前記ストッパの規制面に当接させ、前記チャックにより第3ワークを再度締着する手段は、前記第3ワークの基端を前記ストッパの規制面に当接させるようになっており、前記素材判定手段は、前記チャックにより第1ワークが再度締着された後、前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第1及び第2ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差を判定するようにし、前記チャックにより第3ワークが再度締着された後、前記第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第2及び第3ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差を判定するようにしたことを要旨とする。
【0022】
(作用)
請求項1及び6に記載の発明によれば、加工前のワークの寸法誤差、及び第2ワークの取付誤差の少なくともいずれか一方が予め定めた許容誤差を超えている場合には、次の摩擦圧接の作業を行わないようにすれば、摩擦圧接の作業を行った場合に明らかに規格外の品質の悪い完成品ができる無駄な摩擦圧接作業は、未然に防止される。その結果、品質の向上を図ることができるとともに生産効率の向上を図ることができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、第1及び第3ワークの第2ワークとのそれぞれ接合による寄り代が予め定めた許容誤差を超えない完成品を合格品とすれば、第1及び第3ワークの第2ワークとのそれぞれ接合による寄り代がほぼ同じとなり、両側部に形成されるバリは均等となる。その結果、完成品の外観品質の向上を図ることができる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、加工前のワークの寸法誤差が予め定めた許容誤差を超えている場合には、次の摩擦圧接の作業を行わないようにすれば、摩擦圧接の作業を行った場合に明らかに規格外の品質の悪い完成品ができる無駄な摩擦圧接作業は、未然に防止される。その結果、品質の向上を図ることができるとともに生産効率の向上を図ることができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の作用に加えて、第1及び第3ワークの第2ワークとのそれぞれ接合による寄り代が予め定めた許容値を超えない完成品を合格品とすれば、第1及び第3ワークの第2ワークとのそれぞれ接合による寄り代がほぼ同じとなり、両側部に形成されるバリは均等となる。
【0026】
さらに、第1及び第3ワークの第2ワークとの接合による総全長が予め定めた許容値を超えない完成品を合格品とすれば、第2ワークに対して第1及び第3ワークを同時接合した完成品の全長精度を確保することができる。
【0027】
その結果、完成品の全長精度及び外観品質の向上を図ることができるとともに、生産効率の向上を図ることができる。
請求項9に記載の発明によれば、加工前のワークの寸法誤差が予め定めた許容誤差を超えている場合には、次の摩擦圧接の作業を行わないようにすれば、摩擦圧接の作業を行った場合に明らかに規格外の品質の悪い完成品ができる無駄な摩擦圧接作業は、未然に防止される。その結果、品質の向上を図ることができるとともに生産効率の向上を図ることができる。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、第1ワークと第2ワークとを接合する前のワークの寸法誤差と、第1ワークと接合した第2ワークと第3ワークとを接合する前のワークの寸法誤差が予め定めた許容誤差を超えている場合には、次の摩擦圧接の作業を行わないようにすれば、摩擦圧接の作業を行った場合に明らかに規格外の品質の悪い完成品ができる無駄な摩擦圧接作業は、未然に防止される。その結果、品質の向上を図ることができるとともに生産効率の向上を図ることができる。
【0029】
請求項12に記載の発明によれば、請求項11に記載の発明の作用に加えて、その各寄り代が予め定めた許容値を超えない完成品を合格品とすれば、第1及び第3ワークの第2ワークとのそれぞれ接合による寄り代がほぼ同じとなり、両側部に形成されるバリは均等となる。
【0030】
さらに、第1及び第3ワークの第2ワークとの接合による総全長が予め定めた許容値を超えない完成品を合格品とすれば、第2ワークに対して第1及び第3ワークを同時接合した完成品の全長精度を確保することができる。
【0031】
その結果、完成品の全長精度及び外観品質の向上を図ることができるとともに、生産効率の向上を図ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0033】
図1は、3個のワークを接合する両頭型摩擦圧接装置を示す。図1において、本実施形態の摩擦圧接装置10の設備ベース11の上面11aの左側には第1リニアガイド12が、右側には第2リニアガイド13が左右方向(Y方向)に延設されている。第1リニアガイド12には第1主軸ユニット14が同リニアガイド12に沿って移動可能に設置されている。第2リニアガイド13には第2主軸ユニット15が同リニアガイド13に沿って移動可能に設置されている。
【0034】
第1及び第2主軸ユニット14,15には、主軸14a,15aが回転可能に設けられている。主軸14a,15aは主軸箱14b,15b内に設けられたギア14c,15cを介してそれぞれ主軸箱14b,15bに固設した第1及び第2回転用サーボモータM1,M2と駆動連結されている。
【0035】
前記各主軸14a,15aの先端には、それぞれチャック14e,15eが取り付けられている。そして、第1主軸ユニット14のチャック(以下、左側チャックという)14eには第1ワーク(以下、左側ワークという)W1が、第2主軸ユニット15のチャック(以下、右側チャックという)15eには第3ワーク(以下、右側ワークという)W3を固定する。又、左側及び右側チャック14e,15eの基端には、それぞれ左側及び右側ワークW1,W3を規制するストッパ14f,15fが設けられている。
【0036】
第1及び第2主軸ユニット14,15の下面には、設備ベース11内に突出するアーム16,17が設けられている。各アーム16,17は、設備ベース11の左右側壁に固設した左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4により駆動されるボールネジ20,21とそれぞれ螺合されている。従って、左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4が正逆回転、即ちボールネジ20,21が正逆回転すると、第1及び第2主軸ユニット14,15は、ボールネジ20,21とアーム16,17との間に発生する推進力により左右方向(Y方向)に移動する。
【0037】
第1及び第2主軸ユニット14,15の間における設備ベース11の上面11aには、第2ワーク(以下、中間ワークという)W2を締着するワーク固定装置としての固定クランプ22と移動クランプ23が設置されている。固定クランプ22は設備ベース11に固設され、中間ワークW2の左側部を締着する。移動クランプ23は前記第2リニアガイド13に沿って移動可能に同リニアガイド13に設置され、中間ワークW2の右側部を締着する。
【0038】
次に、上記のように構成した両頭型摩擦圧接装置の電気的構成について説明する。図2は、両頭型摩擦圧接装置に設けられた制御装置のブロック回路を示す。制御装置は、摩擦圧接装置全体を制御するメインコントローラ31と、メインコントローラ31からの指令信号に基づいて前記サーボモータM1〜M4を駆動制御するNCコントローラ32と、メインコントローラ31からの指令信号に基づいて摩擦圧接加工の際の品質保証検査処理を実行する品質保証コントローラ33、起動スイッチ等を備えた入力装置34、及び、表示装置35を有している。
【0039】
判定手段を構成する各コントローラ31〜33は、中央処理装置(CPU)、制御プログラム等を記憶したROM,CPUの演算結果等を一時記憶するRAM等をそれぞれ備えている。各コントローラ31〜33は、互いに摩擦圧接加工のための演算を実行し、その時々のデータを交互に転送している。
【0040】
メインコントローラ31は入力装置34に設けた起動スイッチの操作に基づいて摩擦圧接加工のための動作を実行するためにNCコントローラ32及び品質保証コントローラ33を統括制御する。
【0041】
NCコントローラ32は、メインコントローラ31からの指令信号に基づいて一連の摩擦圧接加工のためにアンプ37,38を介して第1及び第2回転用サーボモータM1,M2を回転制御する。又、NCコントローラ32は、メインコントローラ31からの指令信号に基づいて一連の摩擦圧接加工のためにアンプ39,40を介して左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を回転制御する。
【0042】
NCコントローラ32は、両頭型摩擦圧接装置に備えた左側及び右側ストロークセンサS1,S2からの位置検出信号を入力する。NCコントローラ32は、左側ストロークセンサS1の位置検出信号に基づいて設備ベース11に対する第1主軸ユニット14の位置を演算する。また、NCコントローラ32は、右側ストロークセンサS2の位置検出信号に基づいて設備ベース11に対する第2主軸ユニット15の位置を演算する。そして、本実施形態では、NCコントローラ32は、左側チャック14eの基端に設けたストッパ14fのワークW1を規制する規制面の位置(基準ポイントPo1)を設備ベース11に対する第1主軸ユニット14の位置として演算する。同様に、NCコントローラ32は、右側チャック15eの基端に設けたストッパ15fのワークW3を規制する規制面の位置(基準ポイントPo2)を設備ベース11に対する第2主軸ユニット15の位置として演算する。この演算した第1及び第2主軸ユニット14,15の位置は、各回転用及びスライド用サーボモータM1〜M4の回転制御に使用されるとともに前記品質保証コントローラ33の品質保証のための演算処理に使用される。
【0043】
NCコントローラ32は、各アンプ37〜40を介して各サーボモータM1〜M4のその時々のトルクを演算する。この求めたトルクに基づいてNCコントローラ32は、各サーボモータM1〜M4に対して所定のトルク制御を行うとともに後記する接触検出の判断に使用する。
【0044】
前記品質保証コントローラ33は、メインコントローラ31からの指令信号に基づいて摩擦圧接加工前のワークW1〜W3の規格検査処理を行うとともに、加工後の完成品検査処理を実行する。規格検査処理(素材長判定)は、ワークW1〜W3の長さが規格長に対して許容範囲内にあるかどうか判定する処理であって、前記NCコントローラ32からの位置データと、予め用意された基準データに基づいて行われる。そして、品質保証コントローラ33は、判定結果をメインコントローラ31及びNCコントローラ32に出力するとともに、表示装置35に表示する。ちなみに、許容範囲内にある場合には、NCコントローラ32による摩擦圧接加工が開始される。反対に、許容範囲内にない場合には、NCコントローラ32による摩擦圧接加工が中止され、ワークW1〜W3の交換を指示する表示が表示装置35に表示される。
【0045】
完成品検査処理は、完成品に対して左側ワークWlと中間ワークW2との接合部と、右側ワークW3と中間ワークW2との接合部(寄り代)が予め定めた許容範囲内の接合状態にあるかどうか判定する処理であって、前記NCコントローラ32からの位置データと、予め用意された基準データに基づいて行われる。そして、品質保証コントローラ33は、判定結果をメインコントローラ31及びNCコントローラ32に出力するとともに、表示装置35に表示する。
【0046】
次に、上記のように構成した両頭型摩擦圧接装置が摩擦圧接作業のために行う一連の作業を図4及び図5に示す作業フローチャートに従って説明する。
「ワーク初期セツト」
この作業工程は、左側及び右側ワークW1,W3をそれぞれの左側及び右側チャック14e,15eに所定の状態にセットするとともに中間ワークW2を固定クランプ22と移動クランプ23に所定の状態にする作業工程である。
【0047】
本実施形態では、まず、第1及び第2主軸ユニット14,15を原位置に配置した状態からステップ100においてこの作業が開始される。
そして、ステップ101及びステップ102において、中間ワークW2を固定クランプ22と移動クランプ23に締着固定させる。
【0048】
次に、ステップ103及びステップ104において、左側ワークW1を左側チャック14eに締着固定させる。この時、左側ワークW1は左側チャック14eに対する組み付け誤差を考慮しないで締着している。
【0049】
次に、ステップ105及びステップ106において、右側ワークW3を右側チャック15eに締着固定させる。この時、右側ワークW3は右側チャック15eに対する組み付け誤差を考慮しないで締着している。
【0050】
尚、上記した中間ワークW2、左側及び右側ワークW1,W3を締着する順番は特に限定されるものではなく、順番は適宜変更してもよい。
各ワークW1〜W3の締着固定が完了するとステップ107a,107bに移り、スライド早送りを実行する。スライド早送りは、前記メインコントローラ31からの指令信号に基づいてNCコントローラ32が実行する。NCコントローラ32は、左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を同時に駆動する前に、第1及び第2主軸ユニット14,15の現在の位置(基準ポイントPo1,Po2)を原位置にあるかどうか確認する。
【0051】
そして、この時の第1主軸ユニット14が原位置にある時の基準ポイントPo1の位置をHP1とし、第2主軸ユニット15が原位置にある時の基準ポイントPo2の位置をHP2とする。
【0052】
NCコントローラ32は、左側及び右側ワークW1,W3を中間ワークW2に向かってスライド移動させるべく、左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を駆動させる。この時、左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を高速回転させ、左側及び右側ワークW1,W3を中間ワークW2に向かって早送りさせる。
【0053】
この時、ステップ108a,108bにおいて、基準ポイントPo1,Po2が予め定めた設定位置SP1,SP2に到達したかどうかチェックしながら早送りさせる。この設定位置SP1,SP2は、早送りされている左側及び右側ワークW1,W3が減速されて微速送りになっても中間ワークW2の端部に直ちに接触しないところの位置である。
【0054】
つまり、前記基準ポイントPo1の原位置HP1及び基準ポイントPo2の原位置HP2は、予めワークW1〜W3を締着させる際に加工前のワークW1〜W3の長さのバラツキ及び作業性を考慮した必要な位置に予め設定されている。そして、設定位置SP1,SP2も加工前のワークWl〜W3の長さのバラツキを考慮し、早送り中に左側及び右側ワークW1,W3と中間ワークW2が衝突しない位置に予め設定されている。
【0055】
やがて、基準ポイントPo1,Po2が設定位置SP1,SP2に到達すると、ステップ109a,109bに移る。NCコントローラ32は、左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を微速回転させ、中間ワークW2に向かって左側及び右側ワークW1,W3を微速送りさせる。
【0056】
微速送りされている左側及び右側ワークW1,W3が中間ワークW2の端部に当接すると、左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4の負荷トルクが増大することを利用して、ステップ110a,110bにおいて素材接触の判定を行う。その判定結果によって、メインコントローラ31より次のステップに移るかどうかについて指令が出される。そして、微速送りされている左側及び右側ワークW1,W3が中間ワークW2の端部に当接したという判定結果があったら、ステップ111a,111bに移る。NCコントローラ32は、左側及び右側チャック14e,15eを緩めながら左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を続けて微速回転させ、第1,第2主軸ユニット14,15をスライド微速送りさせる。そして、左側ワークW1の基端はストッパ14fの規制面に当接し、右側ワークW3の基端はストッパ15fの規制面に当接すると、左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4の負荷トルクが再度増大する。このトルクの増大に基づいてNCコントローラ32は、左側及び右側チャック14e,15eを再び締める(再チャック)。この時点で、中間ワークW2の左端は左側ワークW1の先端と当接し、中間ワークW2の右端は右側ワークW3の先端と当接する。又、左側ワークW1の基端はストッパ14fの規制面(基準ポイントPo1)に当接し、右側ワークW3の基端はストッパ15fの規制面(基準ポイントPo2)に当接する。
【0057】
従って、ストッパ14fの規制面(基準ポイントPo1)とストッパ15fの規制面(基準ポイントPo2)との間隔が、加工前の各ワークW1〜W3をつなぎ合わせた時の実全長Lbe(図3参照)となる。
【0058】
そして、ステップ112において規格検査処理(素材長判定)が行われる。
規格検査処理は、品質保証コントローラ33が行う。品質保証コントローラ33は、基準ポイントPo1,Po2の現在位置(実当接位置)CP1,CP2を読み出す。この両実当接位置CP1,CP2に基づいて加工前の各ワークW1〜W3をつなぎ合わせた時の実全長Lbeを演算する。つまり、左側ワークW1の規格長をLw1、中間ワークW2の規格長をLw2、右側ワークW3の規格長をLw3とし、左側ワークW1の寸法誤差を△w1、中間ワークW2の寸法誤差を△w2、右側ワークW3の寸法誤差を△w3とすると、実全長Lbeは、
Lbe=Lw1+Lw2+Lw3+△w1+△w2+△w3
となる。そして、この実全長Lbeは、基準ポイントPo1,Po2の間隔から求めることができる。
【0059】
即ち、
Lbe=CP2−CP1
となる。
【0060】
次に、各基準ポイントPo1,Po2の実当接位置CP1,CP2がそれぞれ予め設定されている基準当接位置TP1,TP2に対してどれだけ変位しているかその変位量△Po1,△Po2を求める。
【0061】
基準当接位置TP1,TP2は予め試験等で求めコントローラ33に記憶したデータであって、本実施形態では以下のように定義している。即ち、加工前の各ワークW1〜W3の長さが寸法誤差のないそれぞれ規格長Lw1,Lw2,Lw3であって、その各ワークW1〜W3の各チャック14e,15e及びクランプ22,23に対して取り付け誤差がない状態で締着された状態において、それぞれ第1及び第2主軸ユニット14,15が原位置HP1,HP2から中間ワークW2に向かってスライド移動される。そして、左側及び右側ワークW1,W3が中間ワークW2の両端にそれぞれ当接した時の各基準ポイントPo1,Po2の位置を基準当接位置TP1,TP2としている。つまり、基準当接位置TP1,TP2は、規格長どおりのワークWl〜W3を取付誤差のないように取り付け時に、各ワークW1〜W3をつなぎ合わせた時の各基準ポイントPo1,Po2の位置である。
【0062】
従って、変位量△Po1,△Po2は、
△Po1=CP1−TP1=△w1+△e
△Po2=CP2−TP2=△w2+△w3−△e
となる。尚、△eは中間ワークW2のクランプ22,23の取付誤差である。
【0063】
次に、求めた実全長Lbeから全長寸法誤差△Lwを求める。つまり、規格長どおりの全長をLt(=Lw1+Lw2+Lw3)とすると、
△Lw=Lbe−Lt=△w1+△w2+△w3
となる。
【0064】
そして、品質保証コントローラ33は求めた全長寸法誤差△Lwの絶対値が予め定めた許容全長誤差値△L1以下であるか判定する。又、品質保証コントローラ33は前記求めた変位量△Po1,△Po2の絶対値がそれぞれ予め定めた許容変位誤差値△E1,△E2以下であるか判定する。
【0065】
品質保証コントローラ33は、全長寸法誤差△Lwの絶対値が許容全長誤差値△L1以下で且つ変位量△Po1,△Po2の絶対値がそれぞれ許容変位誤差値△E1,△E2以下である場合のみ、次の摩擦圧接の作業工程に移る。反対に、少なくともいずれか1つが許容誤差値を超える値になった場合には、各ワークW1〜W3の寸法誤差△w1〜△w3が大きいとして新たなワークW1〜W3に交換するようステップ100へ戻り上記したワーク初期セットの作業工程を再度行う。
【0066】
「摩擦圧接」
摩擦圧接は、左側ワークW1の先端部を中間ワークW2の左端部に接合するとともに右側ワークW3の先端部を中間ワークW2の右端部に接合する作業工程である。
【0067】
ステップ113a,113bにおいて、NCコントローラ32は左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4の回転を逆回転させて中間ワークW2に対して当接状態にある左側及び右側ワークW1,W3を同中間ワークW2から離間(後退)させる。この離間は、左側及び右側ワークW1,W3とも同じ距離Ldだけ離間させる。そして、基準ポイントPo1,Po2が、その実当接位置CP1,CP2から距離Ldだけ離間すると、すなわち基準ポイントPo1,Po2がそれぞれ圧接開始位置STP1(=CP1−Ld),STP2(=CP2+Ld)に到達すると、NCコントローラ32は左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4の回転を停止させる。
【0068】
次に、図5に示すように、ステップ114において、NCコントローラ32は第1及び第2回転用サーボモータM1,M2を回転させる。第1及び第2回転用サーボモータM1,M2(主軸14a,15a)が所定の回転数になると、ステップ115a,115bに移り左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を予熱推力がP0となるように回転させて左側及び右側ワークW1,W3を中間ワークW2に向かってスライド前進させる。そして、左側及び右側ワークW1,W3が中間ワークW2に接触すると、ステップ116a,116bにおいて、予め設定した設定時間だけこの状態を続行して予熱摩擦に入る。
【0069】
予め設定した設定時間を経過すると、ステップ117a,117bにおいて、推力が予熱推力P0から摩擦推力P1となるように左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を回転制御して左側及び右側ワークWl,W3をさらにスライド前進させる。
【0070】
そして、ステップ118において、基準ポイントPo1と基準ポイントPo2の間隔が予め定めた設定値になったかどうか判定し、その間隔が設定値になるまで、摩擦推力P1でスライド前進させる。即ち、総全長規制制御を行う。この設定値は、主軸を回転停止させ、所定時間だけアプセット推力P2を加えた後の全長が全長完成品の規格長となるために予め試験などで求めた値である。
【0071】
そして、基準ポイントPo1と基準ポイントPo2の間隔が予め定めた設定値になると、ステップ119において第1及び第2回転用サーボモータM1,M2に制動をかけて主軸14a,15aを回転停止させるとともに、ステップ120a,120bにおいて左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4をアプセット推力がP2となるように回転させる。
【0072】
ステップ121において、アプセット推力がP2をかけた状態が予め定めた設定時間経過すると、ステップ122に移り左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を停止させて摩擦圧接を終了するとともに完成品検査処理を行う。
【0073】
完成品検査処理は、品質保証コントローラ33が行う。品質保証コントローラ33は、NCコントローラ32から基準ポイントPo1,Po2の現在位置(最終位置)ECP1,ECP2を読み出す。この両最終位置ECP1,ECP2に基づいて各ワークW1〜W3を接合した完成品の実全長Lafを演算する。
【0074】
この実全長Lafは、基準ポイントPo1,Po2の間隔から求めることができる。
即ち、
Laf=ECP2−ECP1
となる。
【0075】
品質保証コントローラ33は、この完成品の実全長Lafが完成品の規格長に対して許容誤差内にあるかどうか判定する。そして、許容誤差内にある場合には、左側ワークW1と中間ワークW2との間の摩擦圧接による左側寄り代D1、及び、右側ワークW3と中間ワークW2との間の摩擦圧接による右側寄り代D2を求める。
【0076】
左側寄り代D1及び右側寄り代D2は、前記実当接位置CP1,CP2と最終位置ECP1,ECP2から、
D1=ECP1−CP1
D2=ECP2−CP2
となる。
【0077】
品質保証コントローラ33は、この求めた左側寄り代D1及び右側寄り代D2が予め設定された許容誤差内にそれぞれあるかどうか判定する。そして、完成品の実全長Laf、左側及び右側寄り代D1,D2の判定結果を表示装置35に表示する。
【0078】
完成検査処理が終了すると、ステップ123a,123bに移り左側及び右側チャック14e,15eを緩める。続いて、ステップ124a,124b及びステップ125a,125bにて、左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を逆回転させて基準ポイントPo1,Po2が原位置HP1,HP2に到達するまで第1及び第2主軸ユニット14,15を後退させる。
【0079】
第1及び第2主軸ユニット14,15の基準ポイントPo1,Po2が原位置HP1,HP2に到達すると、ステップ126及びステップ127に移り、固定クランプ22及び移動クランプ23を緩め、完成品を固定クランプ22及び移動クランプ23から取り出し1つの完成品を加工するまでの作業が終了する。
【0080】
次に、上記のように構成した摩擦圧接装置10の特徴について説明する。
(1)本実施形態では、加工前において左側及び右側ワークW1,W3を中間ワークW2に当接させた状態で、NCコントローラ32は、左側及び右側チャック14e,15eを緩めながら左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を続けて微速回転させ、第1,第2主軸ユニット14,15をスライド微速送りさせる。左側及び右側ワークW1,W3がストッパ14f,15fに当接したら、左側及び右側チャック14e,15eを再度締めるようにした。従って、左側及び右側ワークW1,W3の左側及び右側チャック14e,15eに対する取付誤差は無くなる。
【0081】
(2)本実施形態では、加工前において前記取付誤差の無い状態にしてから、各ワークW1〜W3をつなぎ合わせた時の実全長Lbeを求めた。そして、その求めた加工前の実全長Lbeが規格長Ltに対してその全長寸法誤差△Lwが予め定めた許容全長誤差値△L1を超えている場合には、次の摩擦圧接の作業を行わないようにした。
【0082】
従って、摩擦圧接の作業を行った場合に明らかに規格外の品質の悪い完成品ができる無駄な摩擦圧接作業は、未然に防止される。その結果、品質の向上を図ることができるとともに生産効率の向上を図ることができる。
【0083】
(3)本実施形態では、加工前において前記取付誤差の無い状態にしてから、左側及び右側ワークW1,W3が中間ワークW2の両端にそれぞれ当接した時の各基準ポイントPo1,Po2の実当接位置CP1,CP2と基準当接位置TP1,TP2との間の変位量△Po1,△Po2を求めた。そして、変位量△Po1,△Po2が予め定めた許容変位誤差値△E1,△E2を超えている場合には、次の摩擦圧接の作業を行わないようにした。
【0084】
つまり、実全長Lbeの全長寸法誤差△Lwが許容全長誤差値△L1内にあっても、各ワークW1〜W3のいずれか1つに大きな寸法誤差△w1〜△w3があったり、中間ワークW2のクランプ22,23に対する取り付けに大きな取付誤差があった場合には、次の摩擦圧接の作業を行わないようにした。従って、前記した無駄な摩擦圧接作業がなくなり、さらに品質の向上及び生産効率の向上を図ることができる。
【0085】
(4)本実施形態では、左側及び右側ワークW1,W3を中間ワークW2に当接した状態から、それぞれ中間ワークW2から離間する方向に距離Ldだけ後退させる。そして、後退した位置(基準ポイントPol,Po2がそれぞれ圧接開始位置STP1,STP2)から、左側及び右側ワークW1,W3を回転及び前進させて所定のタイミングで予熱推力、摩擦推力及びアップセット推力を制御しながら摩擦圧接を行った。
【0086】
従って、左側寄り代D1と右側寄り代D2は同じとなるため、両側部に形成されるバリは均等となり完成品の外観品質の向上を図ることができる。
又、左側及び右側ワークW1,W3を回転及び前進させて所定のタイミングで予熱推力、摩擦推力及びアップセット推力を制御しながら摩擦圧接を行う制御は、第1主軸ユニット14と第2主軸ユニット15とも同じタイミングで行うことができることから非常に摩擦圧接のための制御を簡単にすることができる。
【0087】
(5)本実施形態では、摩擦圧接が終了すると、完成品の実全長Lafを求めこの完成品の実全長Lafが完成品の規格長に対して許容誤差内にあるかどうか判定する。そして、その判定結果を表示装置35に表示するようにした。
【0088】
従って、加工後においても、完成品の実全長Lafが許容誤差内に無い不良品を自動的に見つけることができ、より信頼性の高い完成品を生産することができる。
【0089】
(6)本実施形態では、完成品の実全長Lafが完成品の規格長に対して許容誤差内にあるかどうの判定の他に、左側寄り代D1及び右側寄り代D2がそれぞれ予め設定された許容誤差内にそれぞれあるかどうか判定する。そして、その判定結果を表示装置35に表示するようにした。
【0090】
従って、加工後においても、左側及び右側寄り代D1,D2がそれぞれ許容誤差内に無い不良品を自動的に見つけることができ、より信頼性の高い完成品を生産することができる。
【0091】
(7)本実施形態では、第1及び第2主軸ユニット14,15のスライド移動を駆動する駆動機構を左側及び右側スライド用サーホモータM3,M4にて実現した。
【0092】
従って、従来のように油圧シリンダを用いて第1及び第2主軸ユニット14、15のスライド移動させるのと比べて精度の高い移動制御及びアップセット推力の制御を行うことができる。又、本実施形態では、油圧シリンダのように環境温度の影響に左右されず動作の応答性も油圧シリンダのよりも速いことから信頼性の向上及び生産性の向上を図ることができる。
【0093】
(8)本実施形態では、規格検査処理及び完成品検査処理は、一連の摩擦圧接作業の中で品質保証コントローラ33が行っている。従って、検査処理のために特別な装置を別途設けて別の場所ですることがないので、生産性の向上を図ることができる。
【0094】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、「摩擦圧接」という作業工程において、ワークW1,W3を同時にワークW2に接合させるように実施したが、ワークW1,W3を片側ずつワークW2に接合させるように実施してもよい。この場合、ステップ114からステップ122までの作業は、第1及び第2主軸ユニット14,15により片側ずつ行われるようになっている。例えばワークW1をワークW2に接合してからワークW3をワークW2に接合させる場合について詳述すると、図6に示すように、まず、ステップ114aにおいて、NCコントローラ32は第1回転用サーボモータM1を回転させる。第1回転用サーボモータM1(主軸14a)が所定の回転数になると、ステップ115aに移る。そして、ステップ116a、ステップ117aを経て、ステップ118aに移る。
【0095】
ステップ118aにおいて、第1主軸ユニット14の基準ポイントPo1が主軸回転停止位置FP1に到達するまでスライド前進を続行させる。ここでは、主軸回転停止位置FP1は、予め試験等で求めコントローラ32に記憶してあったデータであって、以下のように定義している。即ち、加工前の各ワークW1〜W3の長さが寸法誤差のないそれぞれ規格長Lw1,Lw2,Lw3であって、その各ワークW1〜W3の各チャック14e,15e及びクランプ22,23に対して取り付け誤差がない状態で締着された状態にで摩擦圧接を行う。そして、回転停止させてアプセット推力をP2を加えて接合した時に両接合部分が均一な接合状態で且つ加工後の全長が完成品の規格長となる時の前記回転停止動作を開始する基準ポイントPo1の位置である。
【0096】
そして、基準ポイントPo1が主軸回転停止位置FP1に到達すると、ステップ119aにおいて第1回転用サーボモータM1に制動をかけて主軸14aを回転停止させるとともに、ステップ120aにおいて左側スライド用サーボモータM3をアプセット推力がP2となるように回転させる。
【0097】
ステップ121aにおいて、アプセット推力がP2をかけた状態が予め定めた設定時間経過すると、ステップ122aに移り左側スライド用サーボモータM3を停止させてワークW1とワークW2との摩擦圧接を終了するとともに中間成品検査処理を行う。
【0098】
ステップ122aにおいて、品質保証コントローラ33は、左側ワークW1と中間ワークW2との間の摩擦圧接による左側寄り代D1(=ECP1−CP1)が予め設定された寄り代設定値と比較し許容誤差内にあるかどうか判定する。ここでは、寄り代設定値は、予め試験等で求めコントローラ32に記憶してあったデータであって、以下のように定義している。即ち、加工前の各ワークW1〜W3の長さが寸法誤差のないそれぞれ規格長Lw1,Lw2,Lw3であって、その各ワークW1〜W3の各チャック14e,15e及びクランプ22,23に対して取り付け誤差がない状態で締着された状態にで摩擦圧接を行う。そして、加工後の全長が完成品の規格長となる圧接終了時の基準ポイントPo1の位置(最終位置)と、圧接する前に左側ワークW1が中間ワークW2に当接する時の基準ポイントPo1の位置(実当接位置)との差を寄り代設定値にする。
【0099】
そして、寄り代D1を予め設定された寄り代設定値と比較し許容誤差内にないと判定されると、作業がステップ123aに移り左側チャック14eを緩める(このとき、NCコントローラ32が右側チャック15eを緩めない指令を出す)。続いて、ステップ124a,124b及びステップ125a,125bにて、左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を逆回転させて基準ポイントPo1,Po2が原位置HP1,HP2に到達するまで第1及び第2主軸ユニット14,15を後退させる。
【0100】
第1及び第2主軸ユニット14,15の基準ポイントPo1,Po2が原位置HP1,HP2に到達すると、ステップ126及びステップ127に移り、固定クランプ22及び移動クランプ23を緩め、不合格の中間成品を固定クランプ22及び移動クランプ23から取り出し新たな左側ワークW1と中間ワークW2を取り替えしてから再びステップ107a,107bからステップ122aまで作業を行う。
【0101】
また、ステップ122aにおいて、寄り代D1を予め設定された寄り代設定値と比較し許容誤差内にあると判定されると、作業がステップ114bに移る。
同様に、ステップ114bにおいて、まず、NCコントローラ32は第2回転用サーボモータM2を回転させる。第2回転用サーボモータM2(主軸15a)が所定の回転数になると、ステップ115bに移る。そして、ステップ116b、ステップ117bを経て、ステップ118bに移る。
【0102】
ステップ118bにおいて、第2主軸ユニット15の基準ポイントPo2が主軸回転停止位置FP2に到達するまでスライド前進を続行させる。ここでは、主軸回転停止位置FP2は、予め試験等で求めコントローラ32に記憶してあったデータであって、以下のように定義している。即ち、加工前の各ワークW1〜W3の長さが寸法誤差のないそれぞれ規格長Lw1,Lw2,Lw3であって、その各ワークW1〜W3の各チャック14e,15e及びクランプ22,23に対して取り付け誤差がない状態で締着された状態にで摩擦圧接を行う。そして、回転停止させてアプセット推力をP2を加えて接合した時に両接合部分が均一な接合状態で且つ加工後の全長が完成品の規格長となる時の前記回転停止動作を開始する基準ポイントPo2の位置である。
【0103】
そして、基準ポイントPo2が主軸回転停止位置FP2に到達すると、ステップ119bにおいて第2回転用サーボモータM2に制動をかけて主軸15aを回転停止させるとともに、ステップ120bにおいて右側スライド用サーボモータM4をアプセット推力がP2となるように回転させる。
【0104】
ステップ121bにおいて、アプセット推力がP2をかけた状態が予め定めた設定時間経過すると、ステップ122bに移り右側スライド用サーボモータM4を停止させてすべての摩擦圧接を終了するとともに完成品検査処理を行う。
【0105】
ステップ122bにおいて、まず、品質保証コントローラ33は、上記実施形態と同様に、基準ポイントPo1,Po2の現在位置(最終位置)に基づいて各ワークW1〜W3を接合した完成品の実全長Lafが完成品の規格長に対して許容誤差内にあるかどうか判定する。
【0106】
次に、品質保証コントローラ33は、右側ワークW3と中間ワークW2との間の摩擦圧接による左側寄り代D2(=ECP2−CP2)が予め設定された寄り代設定値と比較し許容誤差内にあるかどうか判定する。ここでは、寄り代設定値は、予め試験等で求めコントローラ32に記憶してあったデータであって、以下のように定義している。即ち、加工前の各ワークW1〜W3の長さが寸法誤差のないそれぞれ規格長Lw1,Lw2,Lw3であって、その各ワークW1〜W3の各チャック14e,15e及びクランプ22,23に対して取り付け誤差がない状態で締着された状態にで摩擦圧接を行う。そして、加工後の全長が完成品の規格長となる圧接終了時の基準ポイントPo2の位置(最終位置)と、圧接する前に右側ワークW3が中間ワークW2に当接する時の基準ポイントPo2の位置(実当接位置)との差を寄り代設定値にする。
【0107】
そして、それらの判定結果を表示装置35に表示する。
そして、完成品検査が終了すると、作業がステップ123a,123bに移り左側及び右側チャック14e,15eを緩める。続いて、ステップ124a,124b及びステップ125a,125bにて、左側及び右側スライド用サーボモータM3,M4を逆回転させて基準ポイントPo1,Po2が原位置HP1,HP2に到達するまで第1及び第2主軸ユニット14,15を後退させる。
【0108】
第1及び第2主軸ユニット14,15の基準ポイントPo1,Po2が原位置HP1,HP2に到達すると、ステップ126及びステップ127に移り、固定クランプ22及び移動クランプ23を緩め、合格又は不合格の完成品を固定クランプ22及び移動クランプ23から取り出し作業が終了する。
【0109】
従って、この場合、上記実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。
なお、この場合、ワークW3をワークW2に接合してからワークW1をワークW2に接合させるように実施してもよい。
【0110】
また、ステップ119bにおいて第2回転用サーボモータM2に制動をかけるタイミングは、第2主軸ユニット15の基準ポイントPo2と前記第1主軸ユニット14の主軸回転停止位置FP1との相対位置間の距離が標準設定値になった時点にて実施してもよい。
【0111】
○上記実施形態のワークW1,W3を同時にワークW2に接合させる形式と、上記別例のワークW1,W3を片側ずつワークW2に接合させる形式とを、互いに切り換えることができる2つのモードにし摩擦圧接装置10に持たせて実施してもよい。従って、接合しようとする3つのワークW1,W2,W3の条件によって自由に2つのモードを選択することができる。その結果、上記実施形態の効果に加えて、摩擦圧接装置10の汎用性を向上することができる。
【0112】
○ワークW1,W3をワークW2に対して位相合わせする必要がない場合において、第1,2主軸ユニット14,15の主軸14a,15aを回転駆動するモータを、サーボモータ以外のモータ例えばインダクションモータ等にて実施してもよい。
【0113】
○上記実施形態では、品質保証コントローラ33は、全長寸法誤差△Lwの絶対値が許容全長誤差値△L1以下で且つ変位量△Po1,△Po2の絶対値がそれぞれ許容変位誤差値△E1,△E2以下である場合のみ、次の摩擦圧接の作業工程に移るように実施した。実際には、全長寸法誤差△Lwの絶対値が許容全長誤差値△L1以下で変位量△Po1,△Po2の絶対値がいずれか1つ又は両方ともそれぞれ許容変位誤差値△E1,△E2を超える場合がある。そのため、中間ワークW2のクランプ22,23に対する取り付けに大きな取付誤差があったと判断されたとき、次のように修正して実施してもよい。
【0114】
つまり、固定クランプ22と移動クランプ23を緩めてから、第1,第2主軸ユニット14,15を同方向に且つ同じスライド量にてスライド移動させる。このとき、第1,第2主軸ユニット14,15をスライド移動させる方向及びスライド量が、変位量△Po1,△Po2の絶対値と許容変位誤差値△E1,△E2との相対値によってメインコントローラ31より決める。そして、この修正によって、変位量△Po1,△Po2の絶対値がそれぞれ許容変位誤差値△E1,△E2以下であるとなれば、固定クランプ22と移動クランプ23を締めて次のステップ113a,113bに移る。修正した後の変位量△Po1,△Po2の絶対値がいずれか1つやはり許容変位誤差値△E1,△E2を超えるとなれば、新たなワークW1〜W3に交換しワーク初期セットの作業工程を再度行う。
【0115】
従って、この場合、上記実施形態の効果に加えて、ワークW2を取り付けるための取付基準(ストッパ)等を省略してもよい。その結果、ワークW2を簡単に取り付けることができるとともに、摩擦圧接装置10の構造を簡単にすることができる。
【0116】
○上記実施形態では、「摩擦圧接」の作業工程では、ステップ113a,113bにおいて、第1,第2主軸ユニット14,15を一時後退させてからワークW1,W3をワークW2に接合させるように実施したが、第1,第2主軸ユニット14,15を一時後退させなくて直接ワークW1,W3をワークW2に接合させるように実施してもよい。このとき、ワークW1,W2,W3の接合端面の均一性及び平行度を一定基準に満足することが要求される。この場合、上記実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0117】
○上記実施形態では、図5に示すように、主軸停止のステップ119とP2トルクスライド前進のステップ120a,120bは、同時に行うように実施したが、それと違って、規制ONにて主軸停止してからタイマにてP2トルクスライド前進の開始を遅らし、又は規制ONにてP2トルクスライド前進の開始してからタイマにて主軸停止を遅らして実施してもよい。この場合、上記実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0118】
○固定クランプ22と移動クランプ23のうちいずれか1つを省略して実施してもよい。
○品質保証コントローラ33による完成品検査処理を省略して実施してもよい。この場合、上記実施形態の(5)、(6)及び(8)以外の効果を得ることができる。
【0119】
○第2リニアガイド13、移動クランプ23と第1リニアガイド12の配置は上記実施形態のように限定されず、逆にしてもよい。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図7〜図10に従って説明する。
【0120】
図7は、本実施形態の単頭型摩擦圧接装置の正面図である。図7に示すように、摩擦圧接装置50の設備ベース51の一端上面には、リニアガイド52が長手方向(Y方向)に延設されている。リニアガイド52には主軸ユニット53が移動可能に設置されている。主軸ユニット53には、主軸53aが回転可能に設けられている。主軸53aは回転用サーボモータ53dと駆動連結されている。主軸53aの先端にはチャック53eが取り付けられている。そのチャック53eの奥側には、ワークの移動を規制するためのストッパ53fが設けられている。主軸ユニット53は、設備ベース51内に突出するアーム54を介してスライド用サーボモータ55と駆動連結されている。
【0121】
また、摩擦圧接装置50の設備ベース51の他端上面には、基台56が固着されている。さらにその基台56の主軸ユニット53に近い基端(図7において左端)の上面には、ワーク固定装置としての固定クランプ57が固設されている。また、基台56の上面にはリニアガイド58が設けられ、リニアガイド58にはストッパ59がY方向移動可能に配置されている。ストッパ59の後端には調節レバー59aが設けられ、ストッパ59の位置は、その調節レバー59aにて調整することができる。
【0122】
本実施形態の摩擦圧接装置50の電気的構成は右側回転用及びスライド用サーボモータM2,M3が省略されている点を除いて第1実施形態とはほぼ同じであって、各コントローラ31〜33に内蔵したROMに記憶した制御プログラムが相違する。従って、その相違する制御プログラムに関連した動作を以下の摩擦圧接作業に従って説明する。
【0123】
上記のように構成した単頭型摩擦圧接装置が摩擦圧接作業のために行う一連の作業を図8及び図9に示す作業フローチャートに従って説明する。なお、説明の便宜上、第1実施形態と同じ作業の詳しい説明を省略する。
【0124】
「ワーク初期セツト」
本実施形態では、まず、主軸ユニット53を原位置に配置した状態からステップ200においてこの作業が開始される。
【0125】
そして、ステップ201a及びステップ202aにおいて、ワークW1をチャック53eに締着固定させる。この時、ワークW1はチャック53eに対する組み付け誤差を考慮しないで締着している。
【0126】
次に、ステップ201b及びステップ202bにおいて、中間ワークW2を固定クランプ57の主軸ユニット53側から突出する長さを一定基準値にするように固定クランプ57により締着している。そして、このとき、前記ストッパ59を、固定クランプ57により締結されたワークW2に当接するようにY方向移動し基台56に固定させる。
【0127】
そして、ステップ203からステップ208までの作業順は、第1実施形態のステップ107aからステップ112までの作業順と同じである。ただし、ステップ208における規格検査処理(素材長判定)は次のように行う。
【0128】
NCコントローラ32は、単頭型摩擦圧接装置に備えた左側及び右側ストロークセンサ(図示せず)からの位置検出信号を入力する。NCコントローラ32は、左側ストロークセンサの位置検出信号に基づいて設備ベース51に対する主軸ユニット53の位置を演算する。また、NCコントローラ32は、右側ストロークセンサの位置検出信号に基づいて設備ベース51に対するストッパ59の位置を演算する。そして、本実施形態では、NCコントローラ32は、主軸ユニット53のチャック53eの基端に設けたストッパ53fのワークW1を規制する規制面の位置(基準ポイントPo3)を設備ベース51に対する主軸ユニット53の位置として演算する。同様に、NCコントローラ32は、ストッパ59のワークW2を規制する規制面の位置Po4を設備ベース51に対するストッパ59の位置T1として演算する。この演算した主軸ユニット53の位置Po3とストッパ59の位置T1は、回転用及びスライド用サーボモータ53d,55を回転制御に使用されるとともに品質保証コントローラ33の品質保証のための演算処理に使用される。
【0129】
そして、第1回目圧接作業前の規格検査処理では、品質保証コントローラ33は、NCコントローラ32からの基準ポイントPo3の現在位置(実当接位置)CP3を読み出す。そして、基準ポイントPo3の実当接位置CP3が予め設定されている基準当接位置TP3に対してどれだけ変位しているかその変位量△Po3を求める。つまり、
△Po3=CP3−TP3=△w1+△e
となる。次に、品質保証コントローラ33は、NCコントローラ32からの主軸ユニット53の現在位置CP3を読み出すとともに、ストッパ59の現在位置T1を読み出す。そして、両ストッパ53f,ストッパ59間の相対距離L12(=L1+L2)とワークW3の基準長さLw3により加工前の各ワークW1〜W3をつなぎ合わせた時の実全長Lbeを演算する。つまり、
Lbe=L12+Lw3=Lw1+Lw2+Lw3+△w1+△w2
となる。求めた実全長Lbeから全長寸法誤差△Lwを求める。つまり、規格長どおりの全長をLt(=Lw1+Lw2+Lw3)とすると、
△Lw=Lbe−Lt=△w1+△w2
となる。
【0130】
そして、品質保証コントローラ33は求めた全長寸法誤差△Lwの絶対値が予め定めた許容全長誤差値△L3以下であるか判定する。又、品質保証コントローラ33は前記求めた変位量△Po3の絶対値が予め定めた許容変位誤差値△E3以下であるか判定する。
【0131】
品質保証コントローラ33は、全長寸法誤差△Lwの絶対値が許容全長誤差値△L3以下で且つ変位量△Po3の絶対値が許容変位誤差値△E3以下である場合のみ、次の摩擦圧接の作業工程に移る。反対に、少なくともいずれか1つが許容誤差値を超える値になった場合には、ワークW1及びワークW2の寸法誤差△w1,△w2が大きいとして新たなワークW1及びワークW2に交換するようステップ200へ戻り上記したワーク初期セットの作業工程を再度行う。
【0132】
「摩擦圧接」
ステップ209の一時後退をした後のステップ210からステップ222までの作業は第1実施形態の別例を示す図6のステップ114aからステップ126までの作業とほぼ同じである。ただし、ステップ218における品質判定では、品質保証コントローラ33は、NCコントローラ32から基準ポイントPo3の現在位置(最終位置)ECP3を読み出す。ワークW1と中間ワークW2との間の摩擦圧接による寄り代D3を求める、つまり、
D3=ECP3−CP3
となる。この求めた寄り代D3が予め設定された許容誤差内にあるかどうかのみ判定する。
【0133】
そして、ステップ223において、ステップ218における品質判定が合格し且つ第2回目圧接が完了していないワークしかステップ224に移らないように設定している。ステップ224において、一体に接合されたワークW1,W2の向きをひっくり返して、ステップ200へ戻る。また、ステップ218における品質判定が不合格したワークW1,W2はステップ225で取り出され破棄される。
【0134】
そして、図10に示すように、一体に接合されたワークW1,W2を固定クランプ57の主軸ユニット53側から突出する長さを一定基準値にするように固定クランプ57により締結する。前記ストッパ59を、固定クランプ57により締結された一体となったワークW1,W2のワークW1端面に当接するようにY方向移動し基台56に固定させる。(ステップ201b及びステップ202b)。
【0135】
次に、ワークW3をチャック53eに締着固定させる(ステップ201a及びステップ202a)。この時、ワークW3はチャック53eに対する組み付け誤差を考慮しないで締着している。
【0136】
そして、上記と同様に、ステップ203からステップ223までの作業によってワークW3を一体となったワークW1,W2に圧接させる。その中、ステップ208における第2回目圧接作業前の規格検査処理では、品質保証コントローラ33は、NCコントローラ32からの基準ポイントPo3の現在位置(実当接位置)CP4を読み出す。そして、基準ポイントPo3の実当接位置CP4が予め設定されている基準当接位置TP4に対してどれだけ変位しているかその変位量△Po4を求める。つまり、
△Po4=CP4−TP4=△w3+△e
となる。
【0137】
そして、品質保証コントローラ33は前記求めた変位量△Po4の絶対値が予め定めた許容変位誤差値△E4以下であるか判定する。品質保証コントローラ33は、変位量△Po4の絶対値が許容変位誤差値△E4以下である場合のみ、次の摩擦圧接の作業工程に移る。反対に、変位量△Po4の絶対値が許容変位誤差値△E4を超える場合には、新たなワークW3に交換するようステップ200へ戻り上記したワーク初期セットの作業工程を再度行う。
【0138】
また、ステップ218における品質判定では、品質保証コントローラ33は、NCコントローラ32から基準ポイントPo3の現在位置(最終位置)ECP4を読み出す。ワークW3と一体となったワークW1,W2との間の摩擦圧接による寄り代D4を求めて、つまり、
寄り代D4は、最終位置ECP4とステップ207においてメインことローラ31より記憶した実当接位置CP4から、
D4=ECP4−CP4
となる。この求めた寄り代D4が予め設定された許容誤差内にあるかどうか判定する。
【0139】
また、品質保証コントローラ33は、その最終位置ECP4とストッパ59の現在位置T2に基づいて各ワークW1〜W3を接合した完成品の実全長Lafを演算する。つまり、
Laf=T2−ECP4
となる。この完成品の実全長Lafが完成品の規格長に対して許容誤差内にあるかどうか判定する。そして、寄り代D4及び完成品の実全長Lafの判定結果を表示装置35に表示する。
【0140】
また、ステップ223の判定によってステップ225に移って完成品(不合格品を含む)を取り出すことによってすべての作業が終了する。
従って、第1及び第2回目の摩擦圧接の寄り代D3,D4はほぼ同じとなることから、本実施形態は、第1実施形態とほぼ同じの効果を得ることができる。
【0141】
なお、第2実施形態は、次のように変更してもよい。
○第2実施形態では、回転側である主軸ユニット側がスライドするものであったが図11に示すように、非回転側(つまり固定クランプ側)がスライドするものにしてもよい。
【0142】
簡単に説明すると、図11に示すように、摩擦圧接装置60のリニアガイド61上に移動クランプ62が移動可能に設けられ、移動クランプ62がアーム63及びボールネジ64などを介してスライド用サーボモータ65と駆動連結されている。移動クランプ62にはストッパ66が固定され、設備ベース67上の図中右側には主軸ユニット68が固定されている。この構成では、移動クランプ62がスライド前進して、移動クランプ62に固定されたワークW2(又は一体となったワークW1,W2)と主軸ユニット68のチャック68aに固定されるワークW1(又はワークW3)とが摩擦圧接される。
【0143】
従って、この場合、上記実施形態の効果に加え、主軸ユニット側が固定されるので、主軸回転用サーボモータの制御に必要な電気配線の取り回し等が容易となる。さらに、スライドの慣性が小さくなるので、スライドの高速化を図ることができ、実用上好ましいものとなる。
【0144】
なお、上記各実施形態において述べた式は、座標基準の取り方より必要に応じて符号が変わるのは言うまでもない。上記各実施形態とも、図面右側を+、左側を−としているが、例えば中間ワークW2に対し近寄る方向を−、離間する方向を+と定義することも可能である。
【0145】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1及び6に記載の発明によれば、品質の向上を図ることができるとともに生産効率の向上を図ることができる。
【0146】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、完成品の外観品質の向上を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、品質の向上を図ることができるとともに生産効率の向上を図ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の効果に加えて、完成品の全長精度及び外観品質の向上を図ることができるとともに、生産効率の向上を図ることができる。
【0147】
請求項9に記載の発明によれば、品質の向上を図ることができるとともに生産効率の向上を図ることができる。
請求項11に記載の発明によれば、品質の向上を図ることができるとともに生産効率の向上を図ることができる。
【0148】
請求項12に記載の発明によれば、請求項11に記載の発明の効果に加えて、完成品の全長精度及び外観品質の向上を図ることができるとともに、生産効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の摩擦圧接装置の正面図。
【図2】同じく摩擦圧接装置の電気的構成を示す説明図。
【図3】同じく摩擦圧接装置の素材長判定を示す説明図。
【図4】摩擦圧接作業を示すフローチャート。
【図5】同じく摩擦圧接作業を示すフローチャート。
【図6】別例の摩擦圧接作業を示すフローチャート。
【図7】第2実施形態の摩擦圧接装置の正面図。
【図8】摩擦圧接作業を示すフローチャート。
【図9】同じく摩擦圧接作業を示すフローチャート。
【図10】同じく摩擦圧接装置の正面図。
【図11】第2実施形態の別例の摩擦圧接装置の正面図。
【符号の説明】
10,50,60…摩擦圧接装置、14,15…第1,2主軸ユニット、14f,15f…ストッパ、22,23,57,62…ワーク固定装置としての固定及び移動クランプ、68…主軸ユニット、M3,M4…スライド用サーボモータ、S1,S2…ストロークセンサ、W1,W2,W3…第1,第2及び第3ワーク。
Claims (13)
- ワーク固定装置に固定された第2ワークに対しその一端にチャックに締着させた第1ワークの先端を、他端にチャックに締着させた第3ワークの先端を摩擦圧接して接合する摩擦圧接方法において、
前記第1及び第3ワークの先端をそれぞれ接合する第2ワークの端部に当接させた状態で、第1及び第3ワークを締着するチャックを緩めながら該チャックをワーク固定装置に向かって移動させることにより、第1及び第3ワークの基端を前記チャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第1及び第3ワークを再度締着した後、加工前のワークの寸法誤差、及び第2ワークの取付誤差の少なくともいずれか一方を判定するようにした摩擦圧接方法。 - 前記第1及び第3ワークの基端は前記ストッパの規制面に当接され、
前記チャックにより第1及び第3ワークを再度締着した後、前記第1及び第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第1〜第3ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第1及び第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差、及び第2ワークの取付誤差の少なくともいずれか一方を判定するようにした請求項1に記載の摩擦圧接方法。 - 前記判定結果が許容値以内にあった時、第1及び第3ワークを第2ワークの接触位置から予め定めた摩擦圧接完了位置に向かって摩擦圧接を行い、その摩擦圧接完了位置と第1及び第3ワークの第2ワークの接触位置とから、第1及び第3ワークの第2ワークのそれぞれ接合による寄り代をそれぞれ求め、その各寄り代に基づいて成品判定をするようにした請求項1又は請求項2に記載の摩擦圧接方法。
- ワーク固定装置に固定された第2ワークに対しその一端にチャックに締着させた第1ワークの先端を摩擦圧接して接合する摩擦圧接方法において、
第1ワークと第2ワークとを接合する前に互いに当接させた状態で、第1ワークを締着するチャックを緩めながら、該チャック及び前記ワーク固定装置のうちの一方を他方に向かって移動させることにより、第1ワークの基端を前記チャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第1ワークを再度締着した後、加工前のワークの寸法誤差を判定するようにした摩擦圧接方法。 - 前記チャックを前記ワーク固定装置に向かって移動させることにより、第1ワークの基端を前記ストッパの規制面に当接させる摩擦圧接方法であって、
前記チャックにより第1ワークを再度締着した後、前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第1及び第2ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差を判定するようにした請求項4に記載の摩擦圧接方法。 - ワーク固定装置に固定された第2ワークに対しその一端に第1ワークの先端を、他端に第3ワークの先端を同時に摩擦圧接して接合する摩擦圧接装置において、
第2ワークに対して第1及び第3ワークを同時接合する前にそれぞれ第1及び第3ワークを第2ワークに対して互いに接触させた状態で、第1及び第3ワークを締着するチャックを緩めながら該チャックを前記ワーク固定装置に向かって移動させることにより、第1及び第3ワークの基端を前記チャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第1及び第3ワークを再度締着する手段と、
前記チャックにより第1及び第3ワークを再度締着した後、加工前のワークの寸法誤差、及び第2ワークの取付誤差の少なくともいずれか一方を判定する素材判定手段と
を備えた摩擦圧接装置。 - ワーク固定装置に固定された第2ワークに対しその一端に第1ワークの先端を、他端に第3ワークの先端を同時に摩擦圧接して接合する際に第1及び第3ワークの先端が共に第2ワークに対して等距離離間した圧接開始位置からそれぞれ摩擦圧接完 了位置まで移動して摩擦圧接して接合する摩擦圧接装置であって、
第2ワークに対して第1及び第3ワークを同時接合した後、前記摩擦圧接完了時の位置と第1及び第3ワークの第2ワークとの接触位置とから、第1及び第3ワークの第2ワークとのそれぞれ接合による寄り代をそれぞれ求め、その各寄り代に基づいて成品判定をする寄り代判定手段と
第2ワークに対して第1及び第3ワークを同時接合した後、前記摩擦圧接完了時の位置から、第1及び第3ワークの第2ワークとの接合による総全長を求め、その総全長に基づいて成品判定をする全長判定手段と
をさらに備えた請求項6に記載の摩擦圧接装置。 - 前記チャックにより第1及び第3ワークを再度締着する手段は、前記第1及び第3ワークの基端を前記ストッパの規制面に当接させるようになっており、
前記素材判定手段は、前記チャックにより第1及び第3ワークが再度締着された後、第1及び第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第1〜第3ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第1及び第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差、及び第2ワークの取付誤差の少なくともいずれか一方を判定する請求項6又は請求項7に記載の摩擦圧接装置。 - ワーク固定装置に固定された第2ワークに対しその一端にチャックに締着させた第1ワークの先端を摩擦圧接して接合する摩擦圧接装置において、
第1ワークと第2ワークとを接合する前に互いに接触させた状態で、第1ワークを締着するチャックを緩めながら、該チャック及び前記ワーク固定装置のうちの一方を他方に向かって移動させることにより、第1ワークの基端を前記チャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第1ワークを再度締着する手段と、
前記チャックにより第1ワークを再度締着した後、加工前のワークの寸法誤差を判定する素材判定手段と
を備えた摩擦圧接装置。 - 前記チャックにより第1ワークを再度締着する手段は、前記チャックを前記ワーク固定装置に向かって移動させることにより、前記第1ワークの基端を前記ストッパの規制面に当接させるようになっており、
前記素材判定手段は、前記チャックにより第1ワークが再度締着された後、前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第1及び第2ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差を判定するようにした請求項9に記載の摩擦圧接装置。 - ワーク固定装置に固定された第2ワークの一端に、第1ワークの先端を摩擦圧接して接合した後、前記第2ワークの他端に、第3ワークの先端を摩擦圧接して接合する摩擦圧接装置において、
第1ワークと第2ワークとを接合する前に互いに接触させた状態で、第1ワークを締着するチャックを緩めながら、該チャックを前記ワーク固定装置に向かって移動させることにより、第1ワークの基端をチャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第1ワークを再度締着する手段と、
前記第1ワークを接合した第2ワークと第3ワークとを接合する前に互いに接触させた状態で、第3ワークを締着するチャックを緩めながら、該チャックを前記ワーク固定装置に向かって移動させることにより、第3ワークの基端をチャックに設けられたストッパに当接させて、チャックにより第3ワークを再度締着する手段と、
前記チャックにより第1ワークを再度締着した後及び前記チャックにより第3ワークを再度締着した後、加工前のワークの寸法誤差を判定する素材判定手段と
を備えた摩擦圧接装置。 - 第2ワークに対して第1ワークを接合した後、摩擦圧接完了時の位置と第1ワークの第2ワークとの接触位置とから、第1ワークの第2ワークとの接合による寄り代と、接合した第1ワークと第2ワークに対して第3ワークを接合した後、摩擦圧接完了時の位置と第3ワークの接合した第1ワークと第2ワークとの接触位置とから、第3ワークの接合した第1ワークと第2ワークとの接合による寄り代とをそれぞれ求め、その各寄り代に基づいて成品判定をする寄り代判定手段と、
接合した第1ワークと第2ワークに対して第3ワークを接合した後、摩擦圧接完了時の位置から、第3ワークの接合した第1ワークと第2ワークとの接合による総全長を求め、その総全長に基づいて成品判定をする総全長判定手段と
をさらに備えた請求項11に記載の摩擦圧接装置。 - 前記チャックにより第1ワークを再度締着する手段は、前記第1ワークの基端を前記ストッパの規制面に当接させ、前記チャックにより第3ワークを再度締着する手段は、前記第3ワークの基端を前記ストッパの規制面に当接させるようになっており、
前記素材判定手段は、前記チャックにより第1ワークが再度締着された後、前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第1及び第2ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第1ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差を判定するようにし、前記チャックにより第3ワークが再度締着された後、前記第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である実当接位置と、寸法誤差のない第2及び第3ワークを取付誤差のないように取り付けて前記第3ワークの先端が第2ワークの端部に当接した状態での前記規制面の位置である基準当接位置との間の変位量に基づき、加工前のワークの寸法誤差を判定するようにした請求項11又は請求項12に記載の摩擦圧接装置。
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