JPH11291311A - 射出成形機の型締装置 - Google Patents

射出成形機の型締装置

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JPH11291311A
JPH11291311A JP10108618A JP10861898A JPH11291311A JP H11291311 A JPH11291311 A JP H11291311A JP 10108618 A JP10108618 A JP 10108618A JP 10861898 A JP10861898 A JP 10861898A JP H11291311 A JPH11291311 A JP H11291311A
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mold
shaft
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closing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】型開閉動作がボールねじで電動式に行われ、型
締動作が油圧式に行われる型締装置において、型開閉動
作における摩擦抵抗が小さく、型開閉運動の真直性が向
上し、型締め力が型締装置の軸芯に対して偏心すること
なく負荷されるとともに、型厚調整が容易に行われる型
締装置を提案する。 【解決手段】4角等の断面の環状凸部31aが一定ピッ
チに形成された型締軸31が可動プラテン4の軸芯上に
備えられ、これに係脱する半割ナット21を有する半割
ナット装置20が、支持プラテン3に内蔵された型締ラ
ム51の先端に同軸上に取り付けられている。支持プラ
テン3の中には、進退可能に位置決め調整可能な円筒部
材64が内蔵され、円筒部材64が型締ラム51の後退
位置を規制して型厚調整が行われる。また、上記型締軸
31の後端が背面支持部材40の内筒面40a上で油浴
潤滑されて摺動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機の型締
装置に関するものであり、特に型開閉動作が電動式に行
われ、型締動作が油圧式に行われるハイブリッド式型締
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電動式の型締装置は、電動機にサーボモ
ータを用い、これによってボールねじ軸を回転し、これ
に螺合するボールナットと一体の可動プラテンを移動さ
せて型開閉、型締めするものが基本的な構成である。し
かし、例えば特公平3−17651号公報に記載されて
いる型締装置のように、型締動作時の強大な型締め力が
ボールねじのボールを介して可動プラテンに直接伝達さ
れる場合には、大容量のボールねじを用意する必要があ
る。
【0003】これに対して、型締手段に台形ねじ、角ね
じ等を使用して、電磁石で発生した型締め力を台形ね
じ、角ねじ等を介して伝達する型締装置が、特開平9−
48051号公報に提案されている。また特開平9−2
9802号公報には、型締めが油圧シリンダによって行
われる同様な型締装置が提案されている。いわゆるハイ
ブリッド式型締装置である。この装置によれば、型締め
力が面接触する角ねじまたは台形ねじを介して伝達され
るので、ボールねじに過大な型締め力が負荷されること
がない。しかしながらこれらの型締装置では、型開閉動
作中に型締軸と型締ナットとが摺動するから、ねじ軸と
ナットとの間に摩擦抵抗が発生し、それに付随する問題
が発生する恐れがある。
【0004】そこで本発明者は、特願平9−29338
4号で、型開閉動作がボールねじで行われ型締動作が角
ねじ等で行われる型締装置において、型開閉動作時に角
ねじ等のねじ軸と型締ナットとが同期運動するようにし
て、これらが摺接しないようにした型締装置を提案し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの型締
装置は、型開閉中に前進、後退する型締軸の速度に同期
させて、型締ナットを高速に回転させる必要があり、し
かも、サーボモータの回転力がタイミングベルトを介し
て型締ナットに伝達されるので、大形の型締装置におい
ては慣性力が大きくなり、型開閉の開始または停止の際
に若干の同期ずれが生じて、型締ねじと型締ナットとが
接触することがあった。
【0006】そこで本発明は、電動機によりボールねじ
が回転して型開閉動作が行われ、型締ラムにより角ねじ
等を介して型締動作が行われる型締装置において、型開
閉機構、型締機構、および型厚調整機構を型締装置の軸
芯上に同軸に、かつコンパクトにまとめることによっ
て、型開閉動作が僅少の摩擦抵抗で行われるとともに、
型開閉動作と型締動作との切り替えが簡単にかつ円滑に
行われ、さらにまた、型開閉、型締動作の真直性が向上
するとともに、調整、保守が容易に行われるようにした
型締装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この型締装置は、 (1) 電動機によって型開閉ねじ軸を回転させて型開
閉ナットを移動させ、これと一体の型締軸を移動させて
型開閉が電動式に行われ、型締ラムによってこの型締軸
を押圧して型締めが油圧式に行われる型締装置におい
て、4角または台形の環状凸部が一定ピッチに形成され
た型締軸が可動プラテンの軸芯上に同軸に備えられ、こ
れに係脱する半割ナット装置が支持プラテンに内蔵され
た型締ラムの先端に同軸上に取り付けられ、この可動プ
ラテンの開閉を行うときには、この半割ナット装置が開
いて半割ナットと型締軸との歯合が開放され、この型締
ラムが前進して型締めするときには、この半割ナット装
置が閉じてこの半割ナットとこの型締軸とが歯合して、
この半割ナットによってこの型締軸が押圧されて型締め
が行われる。
【0008】(2) また、上記(1)に記載の型締装
置は、上記支持プラテンの中の上記型締ラムの後端に対
向した位置に進退可能に位置決め調整可能な円筒部材が
内蔵され、型閉じ完了時に上記半割ナットが閉じるとき
に、上記型締軸にこれが確実に歯合するように、この円
筒部材が上記型締ラムの後退位置を規制するようにする
ことができる。
【0009】(3) また、上記(1)または(2)に
記載の型締装置は、上記型締軸の後端が上記支持プラテ
ンに備えられた背面支持部材の内筒面上で摺動し、この
型締軸の後端より後方のこの内筒面内の空間に潤滑剤が
貯留されているようにすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は型閉じしている型締装置の
全体概略側面図、図2は型開きしている型締装置の可動
プラテンより後方の要部を断面で示す側面図、図3は半
割ナット装置の詳細図で、(a)は断面図、(b)は、
そのX−X矢視図、図4は型厚調整装置の詳細図で、
(a)は断面図、(b)は、そのY−Y矢視図、図5
は、(a)が型閉じ時の型締装置の要部断面図、(b)
が型締め時の型締装置の要部断面図である。いずれの図
においても、右方向を前側として以下説明する。
【0011】図1で示すように、型締装置は、機台1に
固定された固定プラテン2と機台1上で若干摺動可能な
支持プラテン3とを備え、この固定プラテン2と支持プ
ラテン3との間に渡されたタイバー5、5、5、5に沿
って可動プラテン4を移動可能に支持している。固定プ
ラテン2には固定側金型6が取り付けられ、可動プラテ
ン4には可動側金型7が取り付けられて、両者が型閉
じ、型締め、型開きされる。すなわち、可動プラテン4
が固定プラテン2に対して前進して型閉じし、後退して
型開きし、型閉じ後にさらに可動プラテン4が固定プラ
テン2に押圧されて型締めが行われる。なお、型締めす
るとき、型締め力によってタイバー5が伸長し、支持プ
ラテン3が型締め代Tだけ後退する。
【0012】図2に示すように、円筒状に前後に膨出す
る膨出部が形成された背面支持部材40がそのフランジ
部40fによって支持プラテン3の後面に取り付けられ
ている。そしてその内側には、前後の膨出部を通して内
筒面40hが形成されている。また、背面支持部材40
の後端を塞ぐ後端部材46には、1対のベアリング43
が収容されており、型開閉ねじ軸41がこのベアリング
43に軸支されている。型開閉ねじ軸41の大部分には
ボールねじが形成され、その後端の軸頭にプーリ13が
固定されている。サーボモータ11が後端部材46に取
り付けたモータベースに固定されており、その出力軸に
プーリ12が固定されている。そしてタイミングベルト
14がプーリ12とプーリ13との間に張架されてい
る。
【0013】可動プラテン4の後面には、互いの軸芯が
一致するように型締軸31が固定されており、その外周
に角または台形断面の環状凸部31aが一定ピッチに形
成してある。型締軸31の後端には後端部材33が一体
に取り付けられ、これに滑り軸受ブッシュ34がはめ込
まれて、背面支持部材40の内筒面40hの中に移動可
能に収容されている。こうして、型開閉のときに型締軸
31が背面支持部材40の内筒面40hに案内されて真
直に移動するようになっている。また、背面支持部材4
0の内筒面40hと後端部材46と型締軸31の後端部
材33および次に説明する型開閉ナット42とで囲まれ
た空間32には、所定量の潤滑油が貯留されている。そ
の空間の上方の背面支持部材40に開けられた透孔に
は、エアーブリーザ44が取り付けられており、型開閉
に伴い空室32の容積が変化するとき、空室32のエア
ーがエアーブリーザ44から出入りするようになってい
る。こうして、型締軸31の滑り軸受ブッシュ34が摺
動する際に摩擦抵抗が低減するように、油浴潤滑方式が
採用されている。
【0014】型締軸31の軸芯に沿って中空穴が形成さ
れており、その後端に型開閉ナット42が一体に固定さ
れている。この型開閉ナット42は、型開閉ねじ軸41
に螺合するものであり、ボールねじナットとなってい
る。このように、型開閉ねじ軸41が型締軸31の中空
穴に同軸上にコンパクトに収容されており、型開閉ねじ
軸41が回転することによって型締軸31が移動するよ
うに型開閉機構が構成されている。
【0015】支持プラテン3には、型締シリンダ穴50
が形成されており、型締ラム51が進退可能に収容され
ている。そして前面支持部材30が型締シリンダ穴50
を液封して塞ぐとともに、型締ラム51を液封状態に支
持している。型締ラム51のピストン部51aの前後に
は、油室91と油室92とが形成されており、図示省略
した油圧装置から、圧油が選択的に供給される。
【0016】図3に示すように、型締ラム51の前端面
には、半割ナット装置20、20が型締軸31を両側か
ら挟み込むように取り付けられている。それぞれの半割
ナット装置20には、半割ナット21が案内レール23
によってガイドされており、これが型締軸31に向かっ
て進退するように、エアーシリンダ22のロッドが半割
ナット21と結合されている。上側の半割ナット装置2
0は、半割ナット21が後退している状態を示し、下側
の半割ナット装置20は、半割ナット21が前進してい
る状態を示している。半割ナット21の先端には、型締
軸31の環状凸部31aに歯合する歯21aが形成され
ており、この歯21aは、環状凸部31aにできるだけ
大きな面積で歯合するように、ほぼ半円状の歯に形成さ
れている。そして歯21aは、環状凸部31aと歯合し
たとき、型締軸31の軸方向に適正な隙間が確保される
ような歯厚に形成されており、確実に半割ナット21が
係脱するように、かつ、型締め状態に切り替わってこれ
らが型締軸31に対して前進するときに衝突するショッ
クが少ないようになっている。エアーシリンダ22に
は、半割ナット21が前進して型締軸31に歯合したこ
とを検出するセンサ22bと、半割ナット21が後退し
て半割ナット21の型締軸31との歯合が解除されたこ
とを検出するセンサ22aが取り付けられている。この
ように、型締軸31と型締ラム51とその前端に取り付
けられた半割ナット装置20とが同軸上にコンパクトに
まとめられており、型締ラム51によって1組の半割ナ
ット21を介して型締軸31を同軸上に押圧して型締め
が行われる、きわめてシンプルな型締機構が構成されて
いる。
【0017】図3(b)の左側に、また図3(a)の下
側に仮に示すように、型締ラム51aの前方の側面に
は、型締軸31の環状凸部31aに対向して近接スイッ
チ24が取り付けられている。環状凸部31aの型締ラ
ム51に対する位置、すなわち環状凸部31aの半割ナ
ット21に対する位置を検出することによって、歯21
aと環状凸部31aとが正しく歯合する位置が検出され
るように、近接スイッチ24の位置が予め調整されてい
る。
【0018】図4に示すように、型厚調整装置60が背
面支持部材40のフランジ部40fに取り付けられてい
る。このフランジ部40fには、ロータリエンコーダと
ブレーキとを一体に有するモータ61が固定されてお
り、その出力軸がカップリング62を介して中間軸63
に連結している。中間軸63は一対のベアリング66に
よって回転自在に支持されており、軸頭には平歯車65
が固定してある。背面支持部材40の内側へ延びる膨出
部の根元付近には、ねじ40bが刻設されており、この
ねじ40bに円環部材64が螺合している。そしてこれ
に対向して、型締ラム51の後端面に突き当て凸部51
bが形成されている。さらに円環部材64の外周には、
平歯車65に螺合する平歯64aが刻設してある。
【0019】円環部材64と型締ラム51との位置関係
およびそれらの移動距離の関係は、次のように構成され
ている。 1)円環部材64が後退限にある位置で、型締ラム51
が未だ後退限に達していないこと、すなわち型締ラム5
1の後退限が円環部材64によって常に規制されている
こと、 2)円環部材64の移動可能な距離が、型締軸31の環
状凸部31aの1ピッチ分を超えていること、 3)型締ラム51の移動可能な距離が、型締軸31の環
状凸部31aの1ピッチ分と最大型締め力による型締め
代Tとの和を少なくとも上回っていること、が必要であ
る。
【0020】以上のように構成された型厚調整装置60
によって、いわゆる型厚調整が行われる。固定プラテン
2と支持プラテン3との間隔が一定であるから、取り付
けられる金型6、7の厚さによっては、型閉じ後の半割
ナット21の歯21aと型締軸31の環状凸部31aと
の相互の位置が変化し、半割ナット21が型締軸31に
歯合しない場合が生じる。そこで、取り付ける金型の厚
さが変わっても、その厚さに応じて半割ナット21が係
脱できるように、半割ナット21の位置が以下のように
調整される。
【0021】図2、図3および図4に示すように、先ず
モータ61が回転して平歯車65が回転し、円環部材6
4が後退限まで後退する。このとき油室91に低圧の作
動油が供給され油室92が図示省略した油圧装置のタン
ク側に開放されて、型締ラム51が円環部材64に当接
する位置まで後退している。そして仮型閉じが行われ金
型6、7が閉じられる。次に、近接スイッチ24が環状
凸部31aの近接を検出しながら、円環部材64が前進
して型締ラム51が前進する。近接スイッチ24が環状
凸部31aを検出するとモータ61が停止し、その位置
でエアーシリンダ22によって半割ナット21が型締軸
31に向けて前進する。このとき半割ナット21の歯2
1aと型締軸31の環状凸部31aとが一致していれ
ば、それらが歯合するまで半割ナット21が前進する。
この動作がエアーシリンダ22のセンサ22bによって
検出されると、円環部材64の位置がモータ61のエン
コーダで検出され、図示省略された制御装置に記憶され
る。そして円環部材64がその位置に保持されるよう
に、モータ61にブレーキがかけられ、以後モータ61
はその回転角度の位置に維持される。そして半割ナット
21が後退して係合が解除されて、型厚調整が完了す
る。なお、歯21aと環状凸部31aとが正確に一致し
ない場合には、半割ナット21の前進が途中で止まり、
エアーシリンダ22のセンサ22bが歯合完了を検出し
ない。このときは、エアーシリンダ22が半割ナット2
1を弱く押し出しながら、歯合が完了するまで円環部材
64が前後する。所定回数この動作が実行されても半割
ナット21が歯合しなければ、制御装置がエラーとして
処理する。また、モータ61が円環部材64を所定の距
離移動させても近接スイッチ24が環状凸部31aを検
出しない場合にも、制御装置がエラー処理する。
【0022】このようにして、円環部材64の位置が予
め調整されることによって、半割ナット21と一体の型
締ラム51の後退位置が調整されて型厚調整が行われ
る。1個の型厚調整装置と型締ラム51と1組の半割ナ
ット装置20とが型締軸31と同軸にコンパクトにまと
められているので、型厚調整が一軸上の調整で正確に、
かつ容易に行える。
【0023】以上のように構成された型締装置の型開閉
動作及び型締動作を以下説明する。図2の状態で型開き
しているとき、油室91に低圧が作用し油室92がタン
ク側に開放されて、型締ラム51が円環部材64で規制
される位置に後退している。また半割ナット21が後退
しており、型締軸31がフリーになっている。この状態
でサーボモータ11を高速回転すると、その回転がプー
リ12からタイミングベルト14を経てプーリ13に伝
導され、型開閉ねじ軸41が高速回転する。すると型開
閉ナット42が高速前進し、これと一体の型締軸31が
前進して、可動プラテン4が高速で型閉じされる。この
とき、型締軸31の後端が、背面支持部材40の内筒面
40hの中で滑り軸受ブッシュ34によって案内されて
おり、かつ空室32の潤滑油で油浴潤滑されているの
で、型締軸31が背面支持部材40の内筒面40h上で
真直に、かつ小さい摩擦抵抗で摺動する。従って可動プ
ラテンの型閉じ運動が真直に、かつ僅少の摩擦抵抗で行
われる。勿論サーボモータ11に内蔵されているエンコ
ーダからのフィードバック信号によって、可動プラテン
4の速度、位置が精密に制御される。
【0024】こうして型閉じが行われ、可動プラテン4
が型閉じ位置に達すると、サーボモータ11の回転が停
止して可動プラテン4が停止する。型閉じが完了する
と、半割ナット21が前進して型締軸31に歯合する。
このとき、型締ラム51が円環部材64で規制される後
退位置に保持されており、この位置で半割ナット21が
型締軸31に歯合するように円環部材64の位置が予め
調整されていることは、前述したとおりである。こうし
て図5(a)の状態になる。
【0025】次に、油室92に高圧がかけられ油室91
がタンク側に開放されると、型締ラム51が前進し、半
割ナット21が型締軸31を押しつけて可動プラテン4
が押圧され、型締めが完了する。図5(b)の状態であ
る。このとき、型締め力は型締軸31に負荷されるだけ
で、ベアリング43や型開閉ねじ軸41に負荷されるこ
とがない。また型締め力が型締軸31の環状凸部31a
の全面に負荷されるから、環状凸部31aや半割ナット
21の歯21aの損耗が少ない。このように、1つの型
締ラム51と1組の半割ナット装置20だけによって、
型締軸31が型締装置の軸芯に同軸に押圧されるので、
半割ナット装置20の調整が容易であるだけでなく、型
締めが正確に均等に行われる。勿論、油圧力によって型
締め力が制御されるので、正確で安定した型締め力が得
られる。
【0026】型締め代Tは、次のようにして検出され
る。型締め力によってタイバー5が伸長し、支持プラテ
ン3が固定プラテン2に対して型締め代Tだけ後退す
る。そこで、支持プラテン3が型締軸31に対しても後
退し、型開閉ねじ軸41が型締軸31に対して後退す
る。型開閉ナット42が回転不能に型締軸31取り付け
られているので、結局、型開閉ねじ軸41が型締め代T
に相当する分だけ回転することになる。この回転量がサ
ーボモータ11のエンコーダによって検出されることに
よって、型締め代Tが検出される。
【0027】型開きは、上記の逆の順序で以下のように
して行われる。先ず半割ナット21が後退して型締軸3
1との歯合が解除される。次に油室92が開放されると
ともに油室91に低圧の圧油がかけられて型締め力が解
除される。この状態でサーボモータ11が型閉じ時と反
対に回転して、型開きが行われる。このとき、型締軸3
1が背面支持部材40の内筒面40h上で真直に、かつ
低摩擦で摺動することは、勿論である。
【0028】以上のように、この型締装置では、型開閉
ねじ軸41と型開閉ナット42とで代表される型開閉機
構、型締軸31と型締ラム51と半割ナット21とで代
表される型締機構、および円環部材64と型締ラム51
と一組の半割ナット装置20とで代表される型厚調整機
構が、すべて型締装置の軸芯上に集中して、同軸上にコ
ンパクトにまとめられている。したがってこれら機構の
調整は、組み立て時は勿論、運転時においても、それぞ
れ1箇所の調整で済むから容易であり、保守管理も容易
である。そしてまた、可動プラテン4の開閉動作におい
て型移動が真直にかつ低摩擦で行われ、型締動作におい
て金型に型締め力が偏心することなく負荷される。
【0029】
【発明の効果】以上、本発明によれば、型開閉機構およ
び型締機構がすべて型締装置の軸芯上に同軸にコンパク
トにまとめられているので、これら機構の調整は、組み
立て時は勿論、運転時においても、それぞれ1箇所の調
整で済むから容易であり、保守管理も容易である。そし
てまた、開閉動作において可動プラテン4の移動が低摩
擦でかつ真直に行われ、型締動作において型締め力が均
等に負荷される。
【0030】また、型厚調整機構がすべて型締装置の軸
芯上に集中して、同軸上にコンパクトにまとめられてい
るので、型厚調整が、組み立て時は勿論、運転時におい
ても、それぞれ1箇所の調整で済むから容易であり、保
守管理も容易である。
【0031】また、型締軸の後端が背面支持部材の中で
滑り軸受ブッシュを介して案内されており、かつ油浴式
に潤滑されているので、型締軸が型締装置の軸芯に沿っ
て真直に、かつ抵抗なく摺動して、可動プラテンの型閉
じ運動の真直性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】型締装置の全体概略側面図
【図2】型開きしている型締装置の可動プラテンより後
方の要部を断面で示す側面図
【図3】半割ナットおよび半割ナットと型締軸との取り
合いを示す詳細図
【図4】型厚調整装置の詳細図
【図5】型閉じ時および型締め時の型締装置の要部断面
【符号の説明】
2 固定プラテン 3 支持プラテン 4 可動プラテン 11 サーボモータ 20 半割ナット装置 21 半割ナット 31 型締軸 31a 型締軸の環状凸部 40 背面支持部材 40h 背面支持部材の内筒面 41 型開閉ねじ軸 42 型開閉ナット 51 型締ラム 64 円筒部材 T 型締め代 11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機によって型開閉ねじ軸を回転させ
    て型開閉ナットを移動させ、該型開閉ナットと一体の型
    締軸を移動させて型開閉が電動式に行われ、型締ラムに
    よって前記型締軸を押圧して型締めが油圧式に行われる
    射出成形機の型締装置において、4角または台形の環状
    凸部が一定ピッチに形成された型締軸が可動プラテンの
    軸芯上に同軸に備えられ、該型締軸に係脱する半割ナッ
    ト装置が、支持プラテンに内蔵された型締ラムの先端に
    同軸上に取り付けられ、前記可動プラテンの開閉を行う
    ときには、前記半割ナット装置が開いて半割ナットと前
    記型締軸との歯合が開放され、前記型締ラムが前進して
    型締めするときには、前記半割ナット装置が閉じて前記
    半割ナットと前記型締軸とが歯合して、前記半割ナット
    によって前記型締軸が押圧されて型締めが行われること
    を特徴とする射出成形機の型締装置。
  2. 【請求項2】 前記支持プラテンの中の前記型締ラムの
    後端に対向した位置に、進退可能に位置決め調整可能な
    円筒部材が内蔵され、型閉じ完了時に前記半割ナットが
    閉じるときに、前記型締軸に該半割ナットが確実に歯合
    するように、前記円筒部材が前記型締ラムの後退位置を
    規制することにより型厚調整が行われることを特徴とす
    る請求項第1項記載の射出成形機の型締装置。
  3. 【請求項3】 前記型締軸の後端が前記支持プラテンに
    備えられた背面支持部材の内筒面上で摺動し、前記型締
    軸の後端より後方の前記内筒面内の空間に潤滑剤が貯留
    されていることを特徴とする請求項第1項または請求項
    第2項記載の射出成形機の型締装置。
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