JPH10157017A - 弾性複合材及びその製造方法 - Google Patents

弾性複合材及びその製造方法

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JPH10157017A
JPH10157017A JP33441296A JP33441296A JPH10157017A JP H10157017 A JPH10157017 A JP H10157017A JP 33441296 A JP33441296 A JP 33441296A JP 33441296 A JP33441296 A JP 33441296A JP H10157017 A JPH10157017 A JP H10157017A
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JP
Japan
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manufactured
trade name
composite material
elastic composite
rubber
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JP33441296A
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English (en)
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Susumu Iwasaki
進 岩崎
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Arai Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Arai Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリフェニレンスルフィド樹脂とゴムとの接
着信頼性に優れた弾性複合材及びこの弾性複合材を効率
よく製造することのできる製造方法を提供する。 【解決手段】 一方の表面が活性化されたポリフェニレ
ンスルフィド樹脂からなる基体、前記基体の活性化表面
上に形成されたシラン処理層、エポキシ樹脂系及び/ま
たはフェノール樹脂系接着剤からなる接着剤層、並びに
ゴムからなる弾性体層が、順次積層かつ一体化されてな
る弾性複合材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性複合材及びそ
の製造方法に関し、特にバルブパッキン、オイルシー
ル、バルブステムシール、フリクションダンパーなどに
好適な弾性複合材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にふっ素ゴムは、耐熱、耐油性に優
れ、広い温度範囲で良好な圧縮復元性を示す弾性体であ
り、これらの特性を利用して種々の工業分野で使用され
ている。ポリフェニレンスルフィド樹脂と未加硫ふっ素
ゴムとを接着剤を用いて加硫接着することにより一体化
した弾性複合材は、優れた耐熱性や柔軟性を有する。し
かしながら、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その分
子構造上、特異な、撥水性、撥油性、非粘着性を有して
おり、そのままではふっ素ゴムと接着させることは困難
である。そのためポリフェニレンスルフィド樹脂成形体
にアンダーカット部を設け、その部分にゴムを回し脱落
防止をしている。近年、ポリフェニレンスルフィド樹脂
とふっ素ゴムなどを接着させてなる弾性複合材に対する
信頼性の向上が求められており、例えば、ロングライフ
クーラント(不凍液:以下LLCと記す)に対する弾性
複合材の接着耐久性などの改善が求められている。そこ
で、ポリフェニレンスルフィド樹脂とふっ素ゴムなどの
接着信頼性に優れた弾性複合材及びこの弾性複合材を効
率よく製造することのできる製造方法が求められてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はポリフェニレ
ンスルフィド樹脂とふっ素ゴムなどの接着信頼性に優れ
た弾性複合材及びこの弾性複合材を効率よく製造するこ
とのできる製造方法を提供することを目的とする。さら
に、本発明は、熱的及び化学的耐久性ならびに機械的強
度に優れた弾性複合材及びこの弾性複合材を効率よく製
造することのできる製造方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため、本発明者は、ポリフェニレンスルフィド樹脂とゴ
ムとの接着信頼性に優れた弾性複合材及びこの弾性複合
材を効率よく製造することのできる製造方法を得るべく
鋭意研究を行った結果、ポリフェニレンスルフィド樹脂
とゴムとの接着に用いる接着剤を選択することにより熱
的及び化学的耐久性ならびに機械的強度に優れた弾性複
合材を得ることができることを見出し、本発明を完成し
たものである。
【0005】即ち、本発明は、一方の表面が活性化され
たポリフェニレンスルフィド樹脂からなる基体、前記基
体の活性化表面上に形成されたシラン処理層、エポキシ
樹脂系及び/またはフェノール樹脂系接着剤からなる接
着剤層、並びにゴムからなる弾性体層が、順次積層かつ
一体化されてなる弾性複合材に係わる。また本発明は、
上記弾性複合材の製造方法にも係わり、前記方法は、ポ
リフェニレンスルフィド樹脂からなる基体の一方の表面
を活性化処理し、この基体表面にシラン処理を施し、そ
の上にエポキシ樹脂系及び/またはフェノール樹脂系接
着剤を塗布した後、この接着処理を施した基体と未加硫
ゴムを加硫接着させて一体化させることからなるもので
ある。さらに本発明は、ポリフェニレンスルフィド樹脂
からなる基体の一方の表面を活性化処理し、この基体表
面にシラン処理を施し、その上にエポキシ樹脂系及び/
またはフェノール樹脂系接着剤を塗布した後、この接着
処理を施した基体と未加硫ゴムを加硫接着させることか
らなる、該基体と該ゴムとの接着方法にも関する。
【0006】図1に本発明に係る弾性複合材の積層構成
を示す。本発明の弾性複合材1の態様は、図1に示すよ
うに、ポリフェニレンスルフィド樹脂からなる基体2の
表面を活性化する処理を行っており、この表面上には本
発明に係るシラン処理層3が形成されており、この処理
層3の表面には、本発明に係るエポキシ樹脂系及び/ま
たはフェノール樹脂系接着剤からなる接着剤層4を介し
てゴムからなる弾性体層5が一体化されて形成されてい
る。なお、シラン処理層3を形成する材料の種類は、接
着剤層4を形成する接着剤の種類に応じて選択されるよ
うになっている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。まず、本発明の弾性複合材1の基体2に用
いるポリフェニレンスルフィド樹脂について説明する。
本発明の弾性複合材1の基体2に用いるポリフェニレン
スルフィド樹脂は、当業者に公知のものであればよく、
特に限定されるものではない。現在市販されているポリ
フェニレンスルフィド樹脂には、例えば、あさひPPS
RG−40JA,RG−60JA,RE−03,RE
−04,RE−101JA,RFG−1530JA,R
FE−JA,RW−106JA(以上、旭硝子株式会社
製商品名)、出光PPS C−100SG,C−100
HG,C−1000SG,C−130SG,C−200
SG,S−210SG,C−234SS,C−2000
SG15,C−500SG,C−508SF,C−60
0SG,C−640SG,C−7010SG,C−70
75SG,C−7040SG,C−1030SG,C−
140SG,C−160SL,C−230SG,C−2
30SE,C−230SI,C−240SI,C−71
9SG(以上、出光石油化学株式会社製商品名)、UB
EPPS GR−8,GR−8F,GM121,GM1
21F,G−12E,GM121W,FR−8FG,F
R−8FC(以上、宇部興産株式会社製商品名、ルプリ
コンプ OFL−4036(以上、川崎製鉄株式会社製
商品名)、スミコンFMMK113,MK104MK1
66C,MK152C,EK400C,MK510MK
910,MK106,MK115S,MK201,MK
205,MK21C,MK21E,LK256,LK2
58,LK300,CK200CK203,MK60
0,EK501,TK300(以上、住友ベークライト
株式会社製商品名)、DIC・PPS FZ−1130
−D5,FZ−1140,FZ−1140B2,FZ−
1140−D5,FZ−3000,FZ−3600,F
Z−3360,FZ−3700,FZ−3500,FZ
L−4033,FZ−2140,FZ−2140−B
2,FZ−6600,FZ−3600D5,ZL−13
0,Z−230,SE−740,CZ−1130,CZ
−1030,CZL−2000,CZL−5000,C
ZL−4033,CZE−1100,CZE−120
0,EC−10,EC−20,EC−40,EC−50
A(以上、大日本インキ化学株式会社製商品名)、サス
ティールGS−30,GS−40,G−4F,G−1
0,GM−61,GM−70,GW−60,GE−6
0,F−2,FG,FC,FC−2,FC−3,FC−
5,FC−60,MC−50,C−30,CH−30,
MB−2(以上、東ソー・サスティール株式会社製商品
名)、東燃PPS GB6301,GL2301,GK
4401GK2401,GT4401,GB6401,
GB1401,GL2401,GT2501,GL25
01,HT1301,HT1311,HT1401,H
T1321−D,HT1331−E,CT4301−
S,CT4302−S,GT4302−S,HH140
1,LD−10P(以上、東燃化学株式会社製商品
名)、東洋紡PPS樹脂 TS401,TS401H
S,TS301,TS501,TS201,TS201
HS,TS201HF,TS101,TS721,TS
941,LD7P(以上、東洋紡績株式会社製商品
名)、トレリナA504,A504X02,A504X
35,A504X90,A504X95,A503X0
1,A503X03,A503X05,A503X06
A602,A604,A604X95,A310MX0
4,A310MX06,A310M,A400MX0
1,A400MX03,A610M,A610MX0
1,A610MX02,A610MX03,A310
E,A337A395,A515,A315,A533
X01,A674M1,A674M2,A675M,A
756MX02A756MX03,B672X01B、
ライトン R−4,R−4−04,R−4XT,R−1
0 7006A,R−10 5002C,R−1050
04A(以上、東レ株式会社製商品名)、Ryton
R4,R4−XT,R4−1091N,R3−02,R
−7,R−8,R−9−02,R10−5004A,A
100,BR42B,BR61B,BR83,BR92
A,BR101(以上、フィリップス石油株式会社製商
品名)、フォートロン 1140A1,1140A6,
1140T11,6165A4,6165A6,656
5A6,2115A1,2130A1,6345A4,
7140A4,1130A6,1140A61,114
0A62,1150A6,6465A62,1140A
64,3130A1(以上、ポリプラスチックス株式会
社製商品名)、ノバップス 704G40,710F
1,710F2,770G40−6,770G40K
1,770G40K3,770G40T,770F1−
X2,770F2,770R20(以上、三菱エンジニ
アリングプラスチックス株式会社製商品名)、ポチコン
RT8,RT72,AM−2,AM−4、ウィスタッ
ト RBA313,RBA514,RBC336(以
上、大塚株式会社製商品名)、エスブリッド SCM−
550,SCMW−646(以上、新日鐵化学株式会社
製商品名)などがある。
【0008】本発明の弾性複合材1の基体2は、充填材
として、ガラスファイバーまたはミネラルパウダー等の
無機物、チタン酸カリウム等のウィスカ、テフロン(三
井フロロケミカル株式会社製商品名)等のふっ素樹脂、
二酸化モリブデンなど当業者に公知の物質を含有するこ
とも可能である。これら充填材の形状、大きさ等は当業
者が目的、樹脂の種類等に応じて適宜選択することがで
きる。前記ポリフェニレンスルフィド樹脂からなる基体
2は、前記原料素材を射出成形法により射出成形して成
形品とされたものを用いるのが一般的であり、例えば、
ポリフェニレンスルフィド樹脂を約120℃〜約160
℃にて約4〜約2時間以上予備乾燥し、所定の射出成形
機に投入する。シリンダー温度は約300℃〜約340
℃に、金型温度は約130℃〜約160℃に設定する。
射出圧力は約500〜約1000kgf/cm2 とし、スクリ
ュー回転数は約40〜約200rpm が適当である。つい
で、背圧は約5〜約10kgf/cm2 、冷却時間は約10〜
約30秒で成形品を得ることが出来る。
【0009】本発明の弾性複合材1の基体2の表面活性
化処理は、該基体2とシラン処理層3または接着剤層4
との接着性を高めるために行うものであり、物理的、化
学的等の各種処理方法にて行うことができるが、表面削
除等の物理的な表面活性化処理が好ましい。前記表面削
除処理は、例えば、ポリフェニレンスルフィド樹脂から
なる基体2の表面を削除して該表面を粗くするものであ
り、前記基体2がガラスファイバーまたはミネラルパウ
ダー等の無機充填材を含有する場合には、該無機充填材
を表面に浮き出させるのが好ましい。表面削除処理に
は、サンドペーパーやショットブラスト等を用いること
ができる。表面粗さは、一般に粗いほどよく、約30μ
m(Rmax)以上、好ましくは約50μm以上、さらに好
ましくは約100μm以上である。
【0010】つぎに、本発明の弾性複合材1の弾性体層
5を形成するゴムについて説明する。本発明の複合材1
の弾性体層5を形成するゴムのゴム硬度は特に制限され
るものではないが、弾性複合材1をピストンリングやオ
イルシールなどに用いる場合には、緊迫力などとの関係
で、ゴム強度が40〜90(JIS A:JIS K6
301)の範囲のものが主として用いられる。本発明の
弾性複合材1の弾性体層5を形成するゴムの種類として
は、ふっ素ゴムが好適である。ふっ素ゴムの種類として
は特に限定されるものではなく、当業者に公知のものを
使用することができる。例えば、フッ化ビニリデン系、
テトラフルオロエチレン−プロピレン系、及びテトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル系
などが例示される。
【0011】前記フッ化ビニリデン系のふっ素ゴムとし
ては、二元系(フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレン
の共重合体)や三元系(フッ化ビニリデン、六フッ化プ
ロピレン、四フッ化エチレンの三元共重合体)などがあ
げられ、現在市販されているこれらのふっ素ゴムの具体
例としては、フローレル FC−2120、FC−21
21、FC−2122、FC−2123、FC−214
4、FC−2145、FC−2152、FC−217
0、FC−2174、FC−2176、FC−217
7、FC−2178、FC−2180、FC−218
1、FC−2211、FC−2230、FC−225
0、FC−2260、FC−3009、FLS−253
0、FLS−2650、FLS−2690、FT−23
20、FT−2350、FT−2430、FT−248
1、FX−6792、FX−9038、FX−9143
(以上、住友スリーエム株式会社製商品名)やバイトン
A、A−35、A−100、A−200、A−201
C、A−202C、A−203C、A−401C、A−
402C、A−500、A−HV、B、B−401、B
−50、B−600、B−70N、B−910、E−4
30、E−45、E−60、E−60C、GF(以上、
昭和電工・デュポン株式会社製商品名)や、ダイエルG
−201、G−501、G−601、G−602、G−
603、G−621、G−701、G−702、G−7
04、G−751、G−755、G−763、G−80
1、G−901、G−902、G−912(以上、ダイ
キン工業株式会社製商品名)や、テクノフロン TN、
TN50、TN80、N215、N535、N605
K、N935、FOR421、FOR423、FOR5
31、FOR532、FOR70、FOR45、FOR
70BI、FOR65BI、FOR45BI、FOR4
5C1 、FOR45C2 、FOR60K、FOR60K
1、FOR800HE、FOR50E、FORLHF、
FORTF、FORTF50、FOR9350、FOR
9352、FOR9550、FORTHF(以上、モン
テフルオス(Montefluos:イタリア)社製商
品名)などがある。
【0012】前記テトラフルオロエチレン−プロピレン
系のふっ素ゴムとしては、現在市販されている具体的例
として、アフラス 100H、100S、150E、1
50L、150P、200(以上、旭硝子株式会社製商
品名)やフローレルII(住友スリーエム株式会社製商品
名)がある。前記テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロメチルビニルエーテル系のふっ素ゴムとしては、バイ
トンGLT、GLT−505、GLT−305、バイト
ンGFLT、バイトンGFLT−600、GFLT−3
00、GFLT−501、GFLT−301(以上、昭
和電工・デュポン株式会社製商品名)が現在市販されて
いるものとして例示される。また、本発明では、ふっ素
ゴムの加硫(架橋)は当該技術分野で周知の通常の加硫
系を適用することができ、ポリオール加硫、過酸化物加
硫、及びアミン加硫を例示することができる。
【0013】前記ポリオール加硫のふっ素ゴムとして
は、予め加硫剤を内添したタイプ、例えば、フローレル
FC−2120、FC−2121、FC−2122、F
C−2123、FC−2144、FC−2152、FC
−2170、FC−2174、FC−2176、FC−
2177、FC−2181、FC−3009、FT−2
320、FT−2350、FX−9143(以上、住友
スリーエム株式会社製商品名)、バイトンE−60C
(昭和電工・デュポン株式会社製商品名)、ダイエルG
−602、G−603、G−607、G−621、G−
655、G−701、G−702、G−704、G−7
51、G−755、G−763(以上、ダイキン工業株
式会社製商品名)、テクノフロンFOR70、FOR7
0BI、FOR45、FOR45BI、FOR65B
I、FOR45C1 、FOR60K、FOR50E、F
ORLHF、FORTF、FORTHF(以上、モンテ
フルオス社(イタリア)製商品名)などでは加硫剤や加
硫促進剤を特に添加する必要はないが、加硫剤及び加硫
促進剤を添加していない生ゴムタイプのふっ素ゴム、例
えば、FC−2145、FC−2178、FC−223
0、FT−2430、FT−2481(以上、住友スリ
ーエム株式会社製商品名)、バイトンB、B−70、E
−45、E−60(以上、昭和電工・デュポン株式会社
製商品名)、ダイエルG−201、501、801(以
上、ダイキン工業株式会社製商品名)、テクノフロンN
H、NM、NMB、NML、NMLB、TN、TN5
0、TH(以上、モンテフルオス(イタリア)社製商品
名)ではハイドロキノンやビスフェノールのような加硫
剤を添加する必要がある。このポリオール加硫剤は通常
は貯蔵安定性や分散性を考慮して含有量が50%程度の
ふっ素ゴムマスターバッチであり、キュラティブ#30
(昭和電工・デュポン株式会社製商品名)、加硫剤V−
5(ダイキン工業株式会社製商品名)、テクノフロンM
1 (モンテフルオス(イタリア)社製商品名)、AC−
30(旭化成工業株式会社製商品名)が例示され、4級
フォスフォニウム塩例えば、フォスフォニウムクロライ
ドのような加硫促進剤と併用使用される。この加硫促進
剤も通常は含有量が25%程度のふっ素ゴムマスターバ
ッチとなっており、キュラティブ#20(昭和電工・デ
ュポン株式会社製商品名)、テクノフロンM2 (モンテ
フルオス(イタリア)社製商品名)が例示される。これ
らの加硫剤はふっ素ゴム100重量部に対して通常約
0.2〜約6重量部、加硫促進剤はふっ素ゴム100重
量部に対して通常約0.5〜約4.5重量部の範囲で添
加される。
【0014】さらに、ポリオール加硫のふっ素ゴムの場
合には、加硫の際に生じる酸性物質を中和するための受
酸剤と水酸化カルシウムを添加する必要がある。受酸剤
としてはキョーワマグ150(協和化学工業株式会社製
商品名)やスターマグ−H(神島化学工業株式会社製商
品名)やMaglite D(シー.ピー.ホール
(C.P.Hall:アメリカ)社製商品名)のような
高活性酸化マグネシウム、キョーワマグ30(協和化学
工業株式会社製商品名)やスターマグ−L(神島化学工
業株式会社製商品名)やMaglite A(シー.ピ
ー.ホール社(アメリカ)製商品名)のような低活性酸
化マグネシウム、リサージY(三井金属鉱業株式会社製
商品名)のような一酸化鉛、酸化カルシウム、酸化亜鉛
−二塩基性亜リン酸鉛などが例示され、ふっ素ゴム10
0重量部に対して通常約3〜約30重量部の範囲で添加
される。また、水酸化カルシウムは加硫をよりタイトに
するために添加されるポリオール加硫系では必須の成分
で、カルビット(近江化学工業株式会社製商品名)やR
henofit CF(レイン・ケミー(Rhein・
Chemie(ドイツ)社製商品名)などが例示され、
ふっ素ゴム100重量部に対して通常約2〜約8重量部
の範囲で添加される。
【0015】前記アミン加硫系のふっ素ゴムとしては、
加硫剤を含まない生ゴムタイプのふっ素ゴム、例えば、
フローレルFC−2145、FC−2178、FC−2
230、FC−2430、FC−2481(以上、住友
スリーエム株式会社製商品名)、テクノフロンN、T、
TN、TN50(以上、モンテフルオス(イタリア)社
製商品名)、バイトンA、A−35、A−HV、B、B
−50(以上、昭和電工・デュポン株式会社製商品
名)、ダイエルG−201、G−501(以上、ダイキ
ン工業株式会社製商品名)100重量部に対しアミン加
硫剤が通常約1.5〜約5重量部と必要に応じて受酸剤
が約3〜約25重量部添加される。アミン加硫剤として
は、Diak No.1(昭和電工・デュポン株式会社
製商品名)や加硫剤V−1(ダイキン工業株式会社製商
品名)やケミノックスAC−6(NOK株式会社製商品
名)等のヘキサメチレンジアミンカルバメート、Dia
k No.3(昭和電工・デュポン株式会社製商品名)
や加硫剤V−3(ダイキン工業株式会社製商品名)等の
N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミ
ン、Diak No.4(昭和電工・デュポン株式会社製商
品名)や加硫剤V−4(ダイキン工業株式会社製商品
名)やケミノックスAC−9(NOK株式会社製商品
名)等の4,4’−ビス(アミノシクロヘキシル)メタ
ンカルバメートなどが例示される。また、受酸剤として
はポリオール加硫系と同様に高活性酸化マグネシウム、
低活性酸化マグネシウム、リサージ(一酸化鉛)、及び
酸化カルシウムなどが例示される。
【0016】前記過酸化物加硫系のふっ素ゴムとして
は、加硫剤の添加されていない生ゴムタイプのふっ素ゴ
ム、例えば、ダイエルG−801、G−901、G−9
02、G−912(以上、ダイキン工業株式会社製商品
名)、フローレルFC−2260、FC−2690、F
LS−2650(以上、住友スリーエム株式会社製商品
名)、バイトンGF、GFLT、GLT(以上、昭和電
工・デュポン株式会社製商品名)100重量部に対して
ジ−t−ブチルパーオキシアルカンのような過酸化物通
常約0.5〜約6重量部程度とトリアリルイソシアヌレ
ート(TAIC)のような共架橋剤約2〜約8重量部程
度との組み合わせで構成される。この加硫系は熱により
過酸化物が分解し、生成したメチルラジカルがタイク
(TAIC)と反応し、これがふっ素ゴムポリマー中の
ハロゲンを引き抜き架橋点を形成するものである。
【0017】ふっ素ゴムに使用される過酸化物としては
パーオキシケタールやジアルキルパーオキサイドが適用
でき、パーオキシケタールとしてはパーヘキサ3Mやそ
の含有量40%品のパーヘキサ3M−40(日本油脂株
式会社製商品名)のようなl,l−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、パ
ーヘキサVやその含有量40%品のパーヘキサV−40
(日本油脂株式会社製商品名)のようなn−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレートが例
示され、ジアルキルパーオキサイドとしてはパークミル
Dやその含有量40%品のパークミルD−40(日本油
脂株式会社製商品名)のようなジクミルパーオキサイ
ド、パーブチルPやその含有量40%品のペロキシモン
F−40(日本油脂株式会社製商品名)のようなα,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピ
ル)ベンゼン、パーヘキサ25Bやその含有量40%品
のパーヘキサ25B−40(日本油脂株式会社製商品
名)のような2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサンなどが例示される。前記ふっ素
ゴムには、配合剤の混合・分散を助け、圧延、押し出し
などの成形作業を容易にし、未加硫ゴムの粘着性を増
し、成形しやすくするために、必要に応じて、ベースゴ
ム100重量部に対して0〜30重量部程度の当業者に
公知の軟化剤もしくは可塑剤が通常1種または2種添加
される。この軟化剤もしくは可塑剤は、ゴムとの相溶性
に配慮する必要があり、そのため、パラフィン系オイ
ル、ナフテン系オイル、及び芳香族系オイルなどの使用
が好適である。
【0018】前記パラフィン系オイルの軟化剤として
は、ダイアナプロセスオイルPW−32,PW−90,
PW−150,PW−380,PS−32,PS−9
0,PS−430,PX−32,PX−90(以上、出
光興産株式会社製商品名)、スタノール40,43N,
52,69,149,LP40,LP69,フレクソン
845(以上、エッソ石油株式会社製商品名)、シンタ
ックPA−95,PA−100,PA−140(以上、
神戸油化学工業株式会社製商品名)、コスモプロセス1
0,40,40C(以上、コスモ石油株式会社製商品
名)、ルブフレックス26,100,400(以上、シ
ェルジャパン株式会社製商品名)、サンパー(Sunp
er)110,115,120,130,150,18
0,2100,2210,2280(以上、日本サン石
油株式会社製商品名)、フッコールP−200,P−4
00,P−500(以上、富士興産株式会社製商品
名)、三菱10,三菱12(以上、三菱石油株式会社製
商品名)などが例示される。
【0019】前記ナフテン系オイルの軟化剤としては、
ダイアナプロセスオイルNS−24,NS−100,N
M−26,NM−68,NM−150,NM−280,
NP−24,NU−80,NF−90(以上、出光興産
株式会社製商品名)、エッソプロセスオイル725,7
65(以上、エッソ石油株式会社製商品名)、シンタッ
クN−40,N−60,N−70,N−75,N−85
(以上、神戸油化学工業株式会社製商品名)、シェルフ
レックス371JY,371N,451,N−40,2
2,22R,32R,100R,100S,100S
A,220RS,220S,260,320R,680
(以上、シェルジャパン株式会社製商品名)、サンセン
(Sunthene)310,380,410,41
5,420,430,450,480,3215,41
30,4240,Ciro Light R.P.O.
(以上、日本サン石油株式会社製商品名)、コウモレッ
クス2号(日本石油株式会社製商品名)、フッコール1
150N,1400N(富士興産株式会社製商品名)、
三菱20(三菱石油株式会社製商品名)、ナプレックス
32,38(以上、モービル石油株式会社製商品名)、
ペトレックスPN−3(山文油化株式会社製商品名)な
どが例示される。
【0020】前記芳香族オイルの軟化剤としては、ダイ
アナプロセスオイルAC−12,AC−460,AE−
24,AE−50,AE−200,AH−16,AH−
58(以上、出光興産株式会社製商品名)、エッソプロ
セスオイル110,120(以上、エッソ石油株式会社
製商品名)、シンタックHA−10,HA−15,HA
−30,HA−35(以上、神戸油化学工業株式会社製
商品名)、コスモプロセス40A(コスモ石油株式会社
製商品名)、デュートレックス729UK,739(以
上、シェルジャパン株式会社製商品名)、JSO Ar
oma790(日本サン石油株式会社製商品名)、コウ
モレックス300,700(以上、日本石油株式会社製
商品名)、アロマックス#1,#3,#5(以上、富士
興産株式会社製商品名)、ヘビープロセス油 三菱3
4,三菱38,三菱44(以上、三菱石油株式会社製商
品名)、モービルゾール K,22,30,130(以
上、モービル石油株式会社製商品名)、ペトレックスL
PO−R,LPO−V,PF−1,PF−2(以上、山
文油化株式会社製商品名)などが例示される。
【0021】前記可塑剤としては、DOP(大八化学工
業株式会社製商品名)やビニサイザー80(花王株式会
社製商品名)の如きジ−(2−エチルヘキシル)フタレ
ート(DOP)、レオフレックス9P(シェルジャパン
株式会社製商品名)やダイヤサイザー11,99(以
上、三菱化成ビニル株式会社製商品名)の如き高級アル
コール・フタレート、DIOP(Wacker−Che
mie(ドイツ)社製商品名)の如きジイソオクチル・
フタレート(DIOP)、サンソサイザーDOS(新日
本理化株式会社製商品名)の如きジ−(2−エチルヘキ
シル)セバケート、Alizona208(Alizo
na Chem(アメリカ)社製商品名)の如きイソオ
クチル・トール油脂肪酸エステル、TBP(大八化学工
業株式会社製商品名)の如きトリブチル・フォスフェー
ト(TBP)、TBEP(大八化学工業株式会社製商品
名)の如きトリブトキシエチル・フォスフェート(TB
EP)、サンソサイザーTCP(新日本理化株式会社製
商品名)の如きトリクレジル・フォスフェート(TC
P)、CDP(大八化学工業株式会社製商品名)の如き
クレジル・ジフェニクル・フォスフェート(CDP)、
Koremoll CE5422(BASF(ドイツ)
社製商品名)の如きジフェニルアルカン、チオコール
TP−95(Morton Internationa
l(アメリカ)社製商品名)の如きジ(ブトキシエトキ
シエチル)アジペートなどが例示される。
【0022】前記ふっ素ゴムには、適度の高強度加硫物
を得るために、必要に応じて、ベースゴム100重量部
に対して0〜200重量部程度、好ましくは10〜13
0重量部程度の補強性充填剤が添加される。前記補強性
充填剤としては、カーボンブラックが一般的で、これに
は、ショウブラックN330(昭和キャボット株式会社
製商品名)の如きHAFカーボン(ASTM N33
0)、シースト116(東海カーボン株式会社製商品
名)の如きMAFカーボン、旭#60(旭カーボン株式
会社製商品名)やシーストSO(東海カーボン株式会社
製商品名)の如きFEFカーボン(ASTM N55
0)、旭#55(旭カーボン株式会社製商品名)の如き
GPFカーボン(ASTMN660)、旭#50(旭カ
ーボン株式会社製商品名)の如きSRFカーボン(AS
TM N774)、旭サーマル(旭カーボン株式会社製
商品名)やHTC#20(中部カーボン株式会社製商品
名)やTharmax MT(R.T.Vanderb
ilt(アメリカ)社製商品名)の如きMTカーボン
(ASTM N990)などが例示される。
【0023】また、補強性充填剤としてカーボンブラッ
ク以外に無機補強剤を単独もしくは併用使用でき、これ
には、アエロジル130,200,300,380,O
X50,TT600,MOX80,MOX170,CO
X84,R972,R974(以上、日本アエロジル株
式会社製商品名)やレオロシールQS13,QS30,
QS38,QS102(以上、株式会社トクヤマ製商品
名)の如き乾式シリカ、カープレックス#67,#8
0,#100,#1120,XR,22S,CS−5,
CS−7(以上、シオノギ製薬株式会社製商品名)やシ
ルトンA,R−2(以上、水沢化学工業株式会社製商品
名)やトクシールAL−1,Gu,U,UR,US(以
上、株式会社トクヤマ製商品名)やニップシールAQ,
ER,LP,NA,NP,NS−K,VN−3(以上、
日本シリカ株式会社製商品名)やUltrasil V
N3(Degussa(ドイツ)社製商品名)やHi−
Sil233(PPG Industries(アメリ
カ)社製商品名)の如き湿式シリカ、白艶華CC,D
D,O,U(以上、白石工業株式会社製商品名)の如き
活性化炭酸カルシウム、白艶華A,AA(以上、白石工
業株式会社製商品名)の如き特殊炭酸カルシウム、ミス
トロンペーパー(日本ミストロン株式会社製商品名)の
如きマグネシウム・シリケート、ハイトロン,ハイトロ
ンA,ミクロライト,US−100,US−150S,
US−150SS,ハイラック,ハイラックSS(以
上、竹原化学工業株式会社製商品名)の如きけい酸マグ
ネシウム、ウィンナークレーA(ハードクレー:川茂株
式会社製商品名)やハードトップクレー,ソフトクレ
ー,クラウンクレー(以上、白石カルシウム株式会社製
商品名)やシルカナイト,NNクレー,スペシャル・カ
オリンクレー,ハードブライト,5号クレー,SPMA
クレー,ユニオンクレーRC−1,グロッマクスLL,
ハイドライトPX(以上、竹原化学工業株式会社製商品
名)やJP−100カオリン,5Mカオリン,NNカオ
リン,ハードシル,STカオリン,カルタボ(以上、土
屋カオリン工業株式会社製商品名)の如きクレー(けい
酸アルミニウム)、ST−100,ST−200,ST
−301(以上、白石カルシウム株式会社製商品名)や
Nulok321,Nucap100,Nucap19
0,Nucap200,Nucap390(以上、J.
M.Huber(アメリカ)社製商品名)やBurge
ss KE,CB,5178,2211(以上、Bur
gess Pigment(アメリカ)社製商品名)の
如きシラン改質クレーなどが例示される。
【0024】前記ふっ素ゴムには、寸法安定性や低価格
などを目的として、必要に応じて、ベースゴム100重
量部に対して通常約5〜200重量部、好ましくは10
〜100重量部程度の増量充填剤が添加される。前記増
量充填剤としては、Green Ball(井上石灰工
業株式会社製商品名)やタマパールTP−121,TP
−121R,TP222H,TP−222HS,TP−
123,TP−123CS(以上、奥多摩工業株式会社
製商品名)やシルバーW(白石工業株式会社製商品名)
の如き軽質炭酸カルシウム、ホワイトロンSSB,S
B,S(以上、白石カルシウム株式会社製商品名)やサ
ンライト#100,#300,#700,#800,#
1000,#1500,#2000,#2200,#2
500(以上、竹原化学工業株式会社製商品名)やNS
#100,NS#200,NS#400,NS#60
0,NS#1000,NS#2300,NS#250
0,NS#2700,NS#3000,SS#30,S
S#80,NN#200,NN#500(以上、日東粉
化工業株式会社製商品名)やスーパーS,SS,SS
S,4S,#1500,#1700,#2000(以
上、丸尾カルシウム株式会社製商品名)の如き重質炭酸
カルシウム、JET−S(浅田製粉株式会社製商品名)
やタルクGTA,CTA1,CTA2,微粉タルク(以
上、クニミネ工業株式会社製商品名)やMS,MS−
P,MS−A,ND,SW,SW−E,SWA,SW
B,SSS,SS,S(以上、日本タルク株式会社製商
品名)などのタルク(滑石)、クリスタライトAA,V
X−S,VX−S−2,VX−SR(以上、株式会社龍
森製商品名)やMin−U−Sil 5,10,15,
30(以上、U.S.Silica(アメリカ)社製商
品名)やImsil A−10,A−15,A−25,
A−108(以上、Illinois Mineral
s(アメリカ)社製商品名)の如き石英粉、JA−30
W,325M(以上、浅田製粉株式会社製商品名)やハ
イコンA−60,S−4(以上、土屋カオリン工業株式
会社製商品名)やNYAD325,400,1250,
G(以上、NYCO(アメリカ)社製商品名)の如きウ
ォラストナイト(メタけい酸カルシウム)、Celit
e 270,281,501,503,505,53
5,545,560,577,FC,SSC,Supe
r Floss,Snow Floss(Johns−
Manville(アメリカ)社製商品名)やラジオラ
イト#100,#200,#300,#500,#50
0S,#600,#700,#800,#800−S,
#900,F,SPF,ファインフローA,ファインフ
ローB(以上、昭和化学工業株式会社製商品名)の如き
けい藻土、亜鉛華1号(堺化学工業株式会社製商品名)
の如き酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫
酸カルシウム、酸化チタン、二流化モリブデンなどが例
示され、通常は1〜数種類が補強性充填剤と共に併用さ
れる。
【0025】さらに前記ふっ素ゴムには、ゴム練り性や
押し出し性の改善のために、必要に応じて、ベースゴム
100重量部に対して0.3〜5重量部程度の滑剤や内
部離型剤を添加することができるが、あまり多量の添加
はブルームやブリードや融合不良などを引き起こすの
で、種類にもよるが、通常は0.5〜1重量部程度添加
される。
【0026】前記滑剤や内部離型剤としては、三井ハイ
ワックス100P,110P,200P,210P,2
20P,320P,420P(以上、三井石油化学工業
株式会社製商品名)の如き低分子ポリエチレン、ルナッ
クS−20,S−30,S−40(以上、花王株式会社
製商品名)やFA−KR(日本油脂株式会社製商品名)
やアデカ脂肪酸SA−20,SA−300,SA−40
0(以上、旭電化株式会社製商品名)の如きステアリン
酸、プラストロジン,プラストロジンS(以上、藤沢薬
品工業株式会社製商品名)の如き脂肪酸アミド、アーモ
ワックスEBS(ライオン・アクゾ株式会社製商品名)
の如き脂肪酸窒素誘導体、Aflex42(Rein
Chemil(ドイツ)社製商品名)の如き極性化合物
と界面活性剤の混合物、Struktol A60(S
chill & Seillacher(ドイツ)社製
商品名)の如き高級不飽和脂肪酸亜鉛、Strukto
lEF44(Schill & Seillacher
(ドイツ)社製商品名)の如き特殊脂肪酸亜鉛、Str
uktol WB16(Schill & Seill
acher(ドイツ)社製商品名)の如き脂肪酸カルシ
ウムと脂肪酸アミドの混合物、Struktol WB
42(Schill&Seillacher(ドイツ)
製商品名)の如き脂肪酸エステルと脂肪酸金属塩の混合
物、Struktol WB212(Schill &
Seillacher(ドイツ)社製商品名)の如き
高級脂肪酸エステル水和物と無機キャリアの混合物、S
truktol WB222(Schill & Se
illacher(ドイツ)社製商品名)の如き多価ア
ルコール脂肪酸エステル、Struktol WS18
0(Schill & Seillacher(ドイ
ツ)社製商品名)の如き有機シリコーン縮合物、Str
uktol W33FL(Schill & Seil
lacher(ドイツ)社製商品名)の如き高分子量天
然脂肪族アルコールと脂肪族石鹸を不活性フィラーに処
理した混合物、パラフィンワックス、モンタンワックス
などが例示される。
【0027】つぎに、表面が活性化されたポリフェニレ
ンスルフィド樹脂からなる基体2の上に形成されるシラ
ン処理層3について説明する。このシラン処理層3は、
接着剤層としてエポキシ樹脂系及び/またはフェノール
樹脂系接着剤を使用した場合に、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂からなる基体2とゴムからなる弾性体層5との
接着性を高めるものであり、この層を形成する材料とし
ては当業者に公知のシラン系接着剤が例示される。前記
シラン系接着剤とは、シランカップリング剤をメタノー
ルなどの有機溶剤に1〜20重量%程度溶解させたもの
である。なお、シラン系接着剤には、被着体との接着性
を向上させるためにチタンカップリング剤を0.5〜1
0重量%程度添加して使用してもよい。
【0028】前記シランカップリング剤としては、ゴム
と被着体とを接着させるために、ゴムと反応する官能基
を有するものであればよく、特に、限定されるものでは
ない。シランカップリング剤としては、ビニルシラン、
アミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、ク
ロロプロピルシラン、アルコキシシラン、及びクロロシ
ラン等が例示される。この種のシランカップリング剤の
具体例をあげると、例えば、ビニルシランとしては、ビ
ニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ジメチ
ルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラ
ン、メチルビニルジメトキシシラン、及びメチルビニル
ジエトキシシラン等が例示される。
【0029】そして、アミノシランとしては、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−ビス(β−ヒドロキシエチル)
−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−〔N´−β−(アセトキシエチル)−β−ア
ミノエチル〕−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−〔N´−β−(アミノエチル)−β−(アミノ
エチル)〕−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、及びN−β−(フェニルメチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等が例示され
る。さらに、エポキシシランとしては、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が例
示される。また、メルカプトシランとしては、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトト
リエトキシシラン、及びγ−メルカプトプロピルメチル
ジメトキシシラン等が例示される。
【0030】また、クロロプロピルシランとしては、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチル
ジメトキシシラン、及びγ−クロロプロピルメチルジエ
トキシシラン等が例示される。また、アルコキシシラン
としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポ
キシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキ
シシラン、ジメチルエトキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン、及びフェニルトリエトキシシラン等
が例示される。また、クロロシランとしては、トリメチ
ルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリ
クロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロ
シラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルビニルジ
クロロシラン、メチルクロロジシラン、トリフェニルク
ロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、ジフェニ
ルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、フ
ェニルトリクロロシラン、及びクロロメチルジメチルク
ロロシラン等が例示される。
【0031】また、上述した各種のシランカップリング
剤の部分加水分解縮合物等も使用し得る。さらに、上述
したシランカップリング剤を数種類組み合わせても使用
し得る。例えば、ビニルトリエトキシシランの如きビニ
ルシランとγ−アミノプロピルトリエトキシシランの如
きアミノシランを併用することにより、過酸化物加硫型
ふっ素ゴムや、アミン加硫型ふっ素ゴムと接着させるこ
とができる。任意にシラン系接着剤に添加される前記チ
タンカップリング剤としては、水の存在ですみやかに加
水分解を受け、重縮合物を生成し、透明な酸化チタン膜
を形成することにより被着体への接着性を向上させる作
用を有するアルコキシチタニウムエステル、チタニウム
キレート及びチタニウムアシレートなどを使用し得る。
【0032】この種のチタンカップリング剤の具体例と
しては、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n
−ブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チ
タネート、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリ
ルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、チタ
ニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセト
アセテート、チタニウムラクテート、チタニウムラクテ
ートアンモニウム塩、チタニウムラクテートエチルエス
テル、オクチレングリコールチタネート、イソプロピル
トリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリド
デシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルト
リス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テ
トライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタ
ネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイ
ト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチ
ル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイト
チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オ
キシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホ
スフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオ
クタイノルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソ
ステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイ
ルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチ
ルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミル
フェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエ
チル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオ
キシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレ
ンチタネート等が例示され、それぞれ単独もしくは2種
以上混合して用いられる。
【0033】上述のシラン系接着剤の現在市販されてい
る具体例としては、ケムロック 5150,607,6
08,7701,AP131,AP132,AP13
3,AP134,AP1751,Y1520A,Y15
30,Y1540,KP1001,KP1002,Y4
310,Y5323(以上、ロード・ファー・イースト
・インコーポレイテッド製商品名)、メタロック S−
2,S−5,S−7,S−10A(以上、株式会社東洋
化学研究所製商品名)、シクソン AN−187,30
4,305(以上、株式会社モートン・インターナショ
ナル製商品名)、ビスロック#150,#170,#1
80,#181,#200(以上、株式会社日栄化学製
商品名)、モニカス CF−5M,QZR−48,10
0(以上、株式会社横浜高分子研究所製商品名)、DY
39−011,DY39−012,DY39−051A
/B,DY39−067,DY39−089,DY39
−092,DY39−095,SH2260,プライマ
ーX/Y(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン株
式会社製商品名)、プライマーNo.4,No.8,N
o.16,No.16T,No.18B,No.101
A/B(以上、信越化学工業株式会社製商品名)などが
例示される。
【0034】つぎに、本発明の弾性複合材1のポリフェ
ニレンスルフィド樹脂からなる基体2の表面に形成され
たシラン処理層3と弾性体層5との間に形成され、弾性
体層5を形成するゴムと基体2とをゴムの加硫時に接合
する接着剤層4を形成する接着剤について説明する。本
発明の弾性複合材1のポリフェニレンスルフィド樹脂か
らなる基体2と弾性体層5を形成するゴムとの接着に用
いる接着剤の選択は肝要である。本発明の弾性複合材1
のポリフェニレンスルフィド樹脂からなる基体2と弾性
体層5を形成するゴムとの接着に用いる接着剤として
は、エポキシ樹脂系接着剤及び/またはフェノール樹脂
系接着剤が使用され、金型を用いてゴムを加硫する際
に、ゴムの加硫と同時に基体2と弾性体層5とが接着さ
れるようになっている。前記エポキシ樹脂系接着剤と
は、エポキシ樹脂20〜50重量%程度のケトン系溶液
としたものである。このエポキシ樹脂系接着剤として
は、シクソン 300/311(株式会社モートン・イ
ンターナショナル製商品名)、S−10(東亜合成化学
工業株式会社製商品名)などが例示される。
【0035】前記フェノール樹脂系接着剤とは、フェノ
ール樹脂であるノボラックやレゾールをイソシアネート
やヘキサメチレンテトラミンなどの硬化剤と充填剤を加
えて20〜40重量%程度のケトンあるいはアルコール
系溶液としたものである。このフェノール樹脂系接着剤
としては、ケムロック205,218,タイプライB
N,TS1677−13(以上、ロード・ファー・イー
スト・インコーポレイテッド製商品名)、シクソンP6
−1,P−7,P−15S,715,715A/B,7
18/720(以上、株式会社モートン・インターナシ
ョナル製商品名)、メタロックN−10,N−20,P
(以上、株式会社東洋化学研究所製商品名)などが例示
される。エポキシ樹脂系・フェノール樹脂系接着剤と
は、接着剤組成物中にエポキシ樹脂分とフェノール樹脂
分及び硬化剤、有機溶剤などを混合したものである。こ
のエポキシ樹脂系・フェノール樹脂系接着剤としては、
メタロック PH−22(株式会社東洋化学研究所製商
品名)などが例示される。
【0036】本発明の弾性複合材1の製造方法は、ポリ
フェニレンスルフィド樹脂からなる基体2を形成する基
体形成工程、この基体形成工程により形成された基体2
の一方の表面を活性化する活性化表面形成工程、この表
面形成工程により形成された表面にシラン処理を施して
シラン処理層3を形成するシラン処理層形成工程、シラ
ン処理層3の表面に接着剤を塗布して接着剤層4を形成
する接着剤層形成工程、並びに接着剤層4を形成した基
体2と未加硫ゴムとを金型を用いて加硫することにより
未加硫ゴムの加硫及び基体2とゴムとの接着を同時に行
う成型工程からなる。接着剤層4を形成した基体2と未
加硫ゴムとの接着(加硫接着)は、当業者に公知の方法
で行うことができる。なお、必要に応じて、成型工程の
後に仕上げ加工工程を加えてもよい。本発明の弾性複合
材1は、オイルシールだけでなく、バルブパッキン、バ
ルブステムシール、フリクションダンパー、弾性軸受な
どの各種の摺動部位として応用することができる。オイ
ルシールやバルブステムシールなどに適用する場合に
は、ポリフェニレンスルフィド樹脂からなる補強環の表
面を予めサンドブラストなどで活性化させ、メチレンク
ロライドなどで脱脂した後接着剤を塗布し、必要に応じ
て約80〜約190℃で10〜120分程度焼成してか
ら接着を行うとよい。
【0037】以下、本発明をより具体的な実施例に基づ
いて記述するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【実施例】実施例1 まず、充填材としてのガラスファイバーを30重量%含
有するポリフェニレンスルフィド樹脂(トレリナA50
4:東レ株式会社)を厚さ3mmに調整したシート状の
基体2を用意し、この基体2の片面にショットブラスト
により表面粗さ100μmRmax 程度の表面活性化処理
を行い、その面にシラン系接着剤(シクソンAN−18
7:モートン・インターナショナル製商品名)を塗布し
てシラン処理層3を形成し、このシラン処理層3の上に
エポキシ樹脂系接着剤(シクソン300/311:モー
トン・インターナショナル製商品名)を塗布して接着剤
層4を形成し、その後適宜な加工を施して所定形状の接
着処理を施した基体2を形成した。一方、弾性体層5を
形成するためのゴムとして、ふっ素ゴム(フローレルF
C2174:住友スリーエム株式会社製商品名)を10
0重量部、酸化マグネシウムとしてキョーワマグ150
(協和化学工業株式会社製商品名)を3重量部、水酸化
カルシウムとしてカルビット(近江化学工業株式会社製
商品名)を6重量部、カーボンブラックとしてThar
max MT(R.T.Vanderbilt(アメリ
カ)社製商品名)を20重量部からなるものとをそれぞ
れ計量し、それぞれを周知のゴムロールで混練りして未
加硫のゴムを用意した。なお、弾性体層5を構成するふ
っ素ゴムのゴム硬度は70(JIS A)であった。そ
して、所定形状の金型を用いて加硫成型することによ
り、基体2の表面にシラン処理層3及び接着剤層4を介
してゴムからなる弾性体層5が一体化された本発明の弾
性複合材1からなり、JIS K 6301の90°方
向に剥離する試験に準拠した試験片を作成し、接着試験
を行ってゴム残率(R:%)を測定した。接着試験は、
弾性複合材1において、刃物により長さ15mm程度に
わたり弾性体層5を基体2から剥がし、基体2から剥が
した弾性体層5の部位をプライヤなどでチャッキングし
て90度方向に引っ張って、基体2と弾性体層5との接
着性を目視で評価した。
【0038】実施例2 シラン処理層3を形成するためのシラン系接着剤をメタ
ロックS−7(株式会社東洋化学研究所製商品名)に、
接着剤層4を形成するための接着剤をエポキシ樹脂系・
フェノール樹脂系接着剤(メタロックPH−22:株式
会社東洋化学研究所製商品名)に変更した以外は、実施
例1と同様に本発明の弾性複合材からなる試験片を作成
し、接着試験を行った。実施例3 シラン処理層3を形成するためのシラン系接着剤をケム
ロックAP133(ロード・ファー・イースト・インコ
ーポレイテッド製商品名)に、接着剤層4を形成するた
めの接着剤をエポキシ樹脂系接着剤(S−10:東亜合
成化学工業株式会社製商品名)に変更した以外は、実施
例1と同様に本発明の弾性複合材からなる試験片を作成
し、接着試験を行った。
【0039】実施例4 シラン処理層3を形成するためのシラン系接着剤をケム
ロック 607(ロード・ファー・イースト・インコー
ポレイテッド製商品名名)に変更した以外は、実施例1
と同様に本発明の弾性複合材からなる試験片を作成し、
接着試験を行った。実施例5 シラン処理層3を形成するためのシラン系接着剤をケム
ロック 607(ロード・ファー・イースト・インコー
ポレイテッド製商品名名)に変更した以外は、実施例2
と同様に本発明の弾性複合材からなる試験片を作成し、
接着試験を行った。実施例6 基体2を形成するためのポリフェニレンスルフィド樹脂
として、充填材がガラスファイバーとミネラルパウダー
を併せて65重量%含有するもの(トレリナA504:
東レ株式会社)に変更した以外は、実施例1と同様に本
発明の弾性複合材からなる試験片を作成し、接着試験を
行った。
【0040】実施例7 基体2を形成するためのポリフェニレンスルフィド樹脂
として、充填材がガラスファイバーとミネラルパウダー
を併せて65重量%含有するもの(トレリナA504:
東レ株式会社)に変更した以外は、実施例2と同様に本
発明の弾性複合材からなる試験片を作成し、接着試験を
行った。実施例8 基体2を形成するためのポリフェニレンスルフィド樹脂
として、充填材がガラスファイバーとミネラルパウダー
を併せて65重量%含有するもの(トレリナA504:
東レ株式会社)に変更した以外は、実施例3と同様に本
発明の弾性複合材からなる試験片を作成し、接着試験を
行った。実施例9 シラン処理層3を形成するためのシラン系接着剤をケム
ロック 607(ロード・ファー・イースト・インコー
ポレイテッド製商品名名)に変更した以外は、実施例6
と同様に本発明の弾性複合材からなる試験片を作成し、
接着試験を行った。実施例10 シラン処理層3を形成するためのシラン系接着剤をケム
ロック 607(ロード・ファー・イースト・インコー
ポレイテッド製商品名名)に変更した以外は、実施例7
と同様に本発明の弾性複合材からなる試験片を作成し、
接着試験を行った。
【0041】比較例では、以下に記載する各条件下で、
実施例と同様に弾性複合材からなる試験片を作成して接
着試験を行った。比較例1 実施例1との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わなかった。比較例2 実施例1との比較のために、実施例1のシラン系接着剤
(シクソンAN−187:モートン・インターナショナ
ル製商品名)を塗布せずシラン処理層3を形成しなかっ
た。比較例3 実施例1との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わず、シラン系接着剤(シクソンAN−187:
モートン・インターナショナル製商品名)を塗布せずシ
ラン処理層3を形成しなかった。比較例4 実施例1との比較のために、接着剤層4を形成するため
の接着剤を塩化ゴム系接着剤(ケムロック 205:ロ
ード・ファー・イースト・インコーポレイテッド製商品
名)に変更した。
【0042】比較例5 実施例2との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わなかった。比較例6 実施例2との比較のために、実施例2のシラン系接着剤
(メタロックS−7:株式会社東洋化学研究所製商品
名)を塗布せずシラン処理層3を形成しなかった。比較例7 実施例2との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わず、シラン系接着剤(メタロックS−7:株式
会社東洋化学研究所製商品名)を塗布せずシラン処理層
3を形成しなかった。
【0043】比較例8 実施例3との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わなかった。比較例9 実施例3との比較のために、実施例3のシラン系接着剤
(ケムロックAP133:ロード・ファー・イースト・
インコーポレイテッド製商品名)を塗布せずシラン処理
層3を形成しなかった。比較例10 実施例3との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わず、シラン系接着剤(ケムロックAP133:
ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド製商
品名)を塗布せずシラン処理層3を形成しなかった。
【0044】比較例11 実施例6との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わなかった。比較例12 実施例6との比較のために、実施例6のシラン系接着剤
(シクソンAN−187:モートン・インターナショナ
ル製商品名)を塗布せずシラン処理層3を形成しなかっ
た。比較例13 実施例6との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わず、シラン系接着剤(シクソンAN−187:
モートン・インターナショナル製商品名)を塗布せずシ
ラン処理層3を形成しなかった。比較例14 実施例6との比較のために、接着剤層4を形成するため
の接着剤を塩化ゴム系接着剤(ケムロック 205:ロ
ード・ファー・イースト・インコーポレイテッド製商品
名)に変更した。
【0045】比較例15 実施例7との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わなかった。比較例16 実施例7との比較のために、実施例7のシラン系接着剤
(メタロックS−7:株式会社東洋化学研究所製商品
名)を塗布せずシラン処理層3を形成しなかった。比較例17 実施例7との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わず、シラン系接着剤(メタロックS−7:株式
会社東洋化学研究所製商品名)を塗布せずシラン処理層
3を形成しなかった。
【0046】比較例18 実施例8との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わなかった。比較例19 実施例8との比較のために、実施例8のシラン系接着剤
(ケムロックAP133:ロード・ファー・イースト・
インコーポレイテッド製商品名)を塗布せずシラン処理
層3を形成しなかった。比較例20 実施例8との比較のために、基体2の片面に表面削除処
理を行わず、シラン系接着剤(ケムロックAP133:
ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド製商
品名)を塗布せずシラン処理層3を形成しなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】表−1の接着試験結果に示すように、本発
明の全実施例の弾性複合材1は、良好な接着性を有して
いることが判明した。さらに詳しく説明すると、表−1
から表−3の接着試験結果に示すように、実施例1から
比較例20に示す弾性複合材1においては、弾性体層5
を構成するゴムの種類をふっ素とした場合に、基体2の
表面活性化処理を行わない場合には全く接着しないこと
が判明した。
【0054】したがって、本発明によれば、ポリフェニ
レンスルフィド樹脂からなる基体の表面をショットブラ
スト等により活性化処理し、その表面にシラン処理を施
し、その上にエポキシ樹脂系及び/またはフェノール樹
脂系接着剤を組み合わせることにより、初期の接着強度
を確実に向上させることができる。言い換えると、ポリ
フェニレンスルフィド樹脂とふっ素ゴムとの接着信頼性
に優れた弾性複合材1を効率よく製造することができ
る。本発明は、上記実施の形態に限定されるものではな
く、必要に応じて変更することができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂とゴムとの接着信頼性に優れた
弾性複合材及びこの弾性複合材を効率よく製造すること
ができるという極めて優れた効果を奏する。また、本発
明は、熱的及び化学的耐久性ならびに機械的強度に優れ
た弾性複合材及びこの弾性複合材を効率よく製造するこ
とができるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る弾性複合材の一例を示す模式
図。
【符号の説明】
1 弾性複合材 2 (ポリフェニレンスルフィド樹脂からなる)基体 3 シラン処理層 4 接着剤層 5 弾性体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/10 C09K 3/10 M F16J 15/10 F16J 15/10 X

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の表面が活性化されたポリフェニレ
    ンスルフィド樹脂からなる基体、前記基体の活性化表面
    上に形成されたシラン処理層、エポキシ樹脂系及び/ま
    たはフェノール樹脂系接着剤からなる接着剤層、並びに
    ゴムからなる弾性体層が、順次積層かつ一体化されてな
    る弾性複合材。
  2. 【請求項2】 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂から
    なる基体が、無機充填材を少なくとも1種含有する請求
    項1に記載の弾性複合材。
  3. 【請求項3】 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂から
    なる基体の表面が、物理的に活性化されている請求項1
    に記載の弾性複合材。
  4. 【請求項4】 前記ゴムがふっ素ゴムである請求項1な
    いし請求項3のいずれか一項に記載の弾性複合材。
  5. 【請求項5】 ポリフェニレンスルフィド樹脂からなる
    基体の一方の表面を活性化処理し、この基体表面にシラ
    ン処理を施し、その上にエポキシ樹脂系及び/またはフ
    ェノール樹脂系接着剤を塗布した後、この接着処理を施
    した基体と未加硫ゴムを加硫接着させて一体化させるこ
    とを特徴とする弾性複合材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂から
    なる基体が、無機充填材を少なくとも1種含有する請求
    項5に記載の弾性複合材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂から
    なる基体の表面を物理的に活性化させる請求項5に記載
    の弾性複合材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ゴムがふっ素ゴムである請求項5な
    いし請求項7のいずれか一項に記載の弾性複合材の製造
    方法。
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