JP3017257B2 - 潤滑性ゴム組成物 - Google Patents

潤滑性ゴム組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は潤滑性ゴム組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、潤滑性ゴム材としてウレタン系ゴムおよびジエ
ン系ゴムが優秀な耐油性、耐摩耗性、ゴム弾性、機械的
強度等を生かして、オイルシール、グラスラン、等速ジ
ョイントなどのダストブーツ、各種バルブ、トナーシー
ル等その使用される分野は多岐にわたっているが、近
年、機械や自動車の高性能化、高速化などに伴い、摺動
部に使われるものにはさらに優れた潤滑性が要求される
ようになった。また、複写機、プリンタ、ファクシミ
リ、コンピュータ等の情報関連機器のように室内で使用
するものについては、それらが作動するときに発生する
音が騒音として大きい問題となっており、そのため消音
機能を有し摺動特性に優れたゴム成形品の要求が高まっ
て来た。さらに最近は、半導体レーザを利用したコンパ
クトディスク、ビデオディスク、光ファイル等の光関連
機器において、集光レンズによって結ばれるスポットで
正しくディスク面上のビットの情報を読み取るために
は、外部からこれら機器に加えられる振動に対して良好
な制振作用も兼ね備えた潤滑性に優れた摺動材料が要求
されるようになった。
これらの諸要求を満たす目的で、摺動性の良い合成樹
脂、たとえばポリアミド、ポリアセタール、ポリオレフ
ィン、フッ素樹脂等を用いるか、またはこれら樹脂に各
種エラストマーを配合するなど多くの試みがなされた
が、従来のゴム自体が有するシール性、追従性、制振
性、消音性等の特性が殆んど生かされず、また従来の配
合のジエン系ゴム組成物においては摺動特性について決
して満足出来るものとはいえないので、大きい駆動力を
必要としたり、摩擦音を発したり、スティックスリップ
を起こしたりするばかりでなく、使用時間の長期化につ
れて摩擦抵抗は増大し、摩耗は激しくなり、さらには摺
動部における発熱も大きくなって、ゴム状弾性体自体の
変形をも招くなど多くの問題があった。一般にゴム状弾
性体を有する摺動材料の摩擦抵抗を小さくするために
は、ゴム状弾性体の表面に、たとえば、特公昭46−2368
1号公報に示されているように、フッ素樹脂フィルムを
貼り合わせる方法(貼着法と略記)、また、たとえば、
特公昭57−32950号公報に示されているように、オレフ
ィン系樹脂を熱融着させる方法(融着法と略記)、造膜
性重合体を溶解した有機溶剤中にフッ素樹脂等の固体潤
滑剤を分散させた液を塗布して焼き付ける方法(塗布法
と略記)またはフッ素樹脂等の固体潤滑剤もしくはシリ
コーンオイル等の潤滑油を別個にまたは同時にゴム弾性
体に配合するなどの方法(混入法と略記)が採られて来
たが、これら方法にはそれぞれつぎのような欠点があ
る。すなわち、貼着法または融着法においては、フッ素
樹脂フィルムもしくはオレフィン系樹脂フィルムの基材
に対する接着性が非常に悪く、特にフッ素樹脂フィルム
の場合は予め表面処理(アルカリ金属もしくはイオンス
パッタリング等による処理)をする必要があり、たとえ
表面処理が施されているフッ素樹脂フィルムであって
も、またオレフィン系樹脂の場合であっても、接着性は
不充分であって、使用中にフィルムはよく剥離するし、
複雑な形状の成形体には利用しにくく、フィルムの膜厚
が大きいため、ゴム状弾性体が本来持っている優れたシ
ール性、追従性、制振性などの諸特性に悪影響を及ぼす
などの欠点がある。そして、つぎの塗布法においては、
接着力の点では前記の貼着法、融着法よりは勝っている
が、元来潤滑性を有しない重合体を使用するために、充
分な潤滑性を発揮させることは困難であり、さらに混入
法においては、固体潤滑剤を配合する場合、少量では潤
滑性が劣り、多量のときにはゴム状弾性体本来の諸特性
を妨害し、潤滑油を配合する場合には、摺動時に潤滑油
を浸み出させることにより摺動特性を発現させようとす
るものであるが、摩擦係数が安定しないこと、温度が高
くなると油が浸出してしまうこと、成形性が悪いこと、
成形時もしくは混練時に油が分離しやすいこと、基材の
諸特性が阻害されること、摺動した面が油で汚染されて
ほこり等が付着しやすいこと、一旦油が切れると異常摩
耗を起こすなど非常に多くの問題を抱えている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来の技術においては、シール性、追従
性、消音性、制振性などのゴム状弾性体が元来有してい
る機能を低下させず、しかも摩擦係数が経時的に低く安
定し、かつ摩耗係数の小さいゴム状弾性を有する摺動材
料は得られないという問題点があり、これを解決するこ
とが課題であった。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するためにこの発明は、ジエン系ゴ
ムと、熱可塑性フルオロ樹脂と、平均分子量50000以下
の低分子量含フッ素重合体とを配合してなる潤滑性ゴム
組成物を採用したものである。以下その詳細を述べる。
まず、この発明におけるジエン系ゴムとしては、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレンのような共役二重結
合を有する単量体を主体とするジエン重合体であり、ゴ
ム状弾性を有する分子量5万以上のものが望ましい。ま
た可及的に高分子量のものが良好な結果を示すことか
ら、より望ましくは7万以上、特に望ましくは10万〜25
万程度のものを用いる。以上の条件に該当する代表例と
しては、ブタジエンゴム(以下BRと略記する)日本合成
ゴム社製JSR BR01、イソプレンゴム(以下IRと略記す
る)、クロロプレンゴム(以下CRと略記する)東洋曹達
工業社製B−11または昭和電工・デュポン社製ネオプレ
ン、スチレン−ブタジエンゴム(以下SBRと略記する)
日本合成ゴム社製JIS 1502または日本ゼオン社製Nipol
SBR、ニトリル−ブタジエンゴム(以下NBRと略記する)
日本合成ゴム社製JSR 237Hまたは日本ゼオン社製Nipol
が挙げられる。
また、この発明における熱可塑性フルオロ樹脂とは、
主鎖に炭素鎖を持ち、側鎖にフッ素の結合をもつポリマ
ーであって、たとえば、テトラフルオロエチレン重合体
(以下PTFEと略記する)、テトラフルオロエチレン・パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下PFA
と略記する)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオ
ロプロピレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体(以下EPFと略記する)、テトラフルオロエチレ
ン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下FEPと略
記する)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体
(以下ETFEと略記する)、トリフルオロクロロエチレン
重合体(以下CTFEと略記する)、トリフルオロクロロエ
チレン・エチレン共重合体(以下ECTFEと略記する)、
ポリビニルフルオライド(以下PVFと略記する)おおび
ポリビニリテンフルオライド(以下PVDFと略記する)か
らなる群から選ばれる1種以上の重合体であることが望
ましい。
上記いずれの樹脂も触媒乳化重合、懸濁重合、触媒溶
液重合、気相重合および電離性放射線照射重合などの各
種重合方式が製造段階で採用でき、その分子量は50000
以下のものが望ましく、5000を越えほぼ2000以下のもの
が特に望ましい。
以上の条件に該当する代表例としては、前記したPFA
の三井・デュボンフロロケミカル社製PFAMP10、FEPであ
る三井・デュポンフロロケミカル社製テフロンFEP100、
ETFEである旭硝子社製アフロンCOP、CTFEであるダイキ
ン工業社製ネオフロンCTFE、PVDFである呉羽化学社製KF
ポリマー、PVFであるポン社製Tedlarが挙げられる。
上記したジエン系ゴムおよび熱可塑性フルオロ樹脂を
混合すると、潤滑性組成物は、弾性体としての特性を得
ることができる。そして、優れた摺動特性を付与するた
めに、低分子量含フッ素重合体を配合するのである。
ここで低分子量含フッ素重合体とは、テトラフルオロ
エチレン(TFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフルオロオレフ
ィン重合体、主要構造単位−CnF2n−O−(nは1〜4
の整数)を有するフルオロポリエーテル、主要構造単位 CF3(CF2、H(CF2 などを有するポリフルオロアルキル基含有化合物(炭素
数2〜20)のうち分子量50000以下のものをいうが、前
記優れた摺動特性を付与するため分子量5000以下のもの
が特に望ましい。そして、これらのうち、平均粒径5μ
m以下の次式 で示されるテトラフルオロエチレン低次重合体が最も好
ましく、たとえば、デュポン社製バイダックスAR、旭硝
子社製フルオンルブリカントL169などを挙げることがで
きる。
つぎに、−CnF2n−O−(nは1〜4の整数)の主要
構造単位を有する平均分子量50000以下のフルオロポリ
エーテル化としては、 伊国モンテフルオス社製:フォンブリンZ25 CF3OC2F4OCF2OnCF3、 同上社製:フォンブリンY25 ダイキン工業社製:デムナム などを例示することができる。そしてこのような重合体
について他の配合材料および添加材に対する親和性(密
着性)の向上のために、イソシアネート基、水酸基、カ
ルボキシル基、エステル等の官能基を含む単位を有する
ものが望ましい。したがって、このようなフルオロポリ
エーテルの具体例としては、 が挙げられ、これらを単独使用しても併用してもよい。
また、官能基に活性化水素が含まれているフルオロポリ
エーテルとポリフルオロポリエーテル基を含有しないイ
ソシアナート化合物とを併用しても、また、イソシアネ
ート基を有するフルオロポリエーテルと、各種のフルオ
ロポリエーテル基を含有しないジアミン類、トリアミン
類または各種のフルオロポリエーテル基を含有しないジ
オール類、トリオール類を併用するなどの方法を採用し
てもよい。特に官能基同志が反応して分子量の増大が起
こるようなフルオロポリエーテルを組み合わせて使用す
ることが好ましく、たとえばイソシアネート基を含む単
位を有するものと、水酸基を含む単位を有するものとを
組み合わせるなどは同じように望ましい。
また、ポリフルオロアルキル基含有化合物としては、
たとえば のようなポリフルオロアルキル基(炭素数2〜20)を有
し、平均分子量が50000以下のものが挙げられる。具体
的には、 など、反応性基およびポリフルオロアルキル基を有する
化合物と、その反応性基と反応する基を有するエチレン
性不飽和化合物との反応物(たとえば、フルオロアルキ
ルアクリレートなど)の重合体や、前記反応性基および
ポリフルオロアルキル基を有する化合物とその反応性基
と反応する基を有する各種重合体との反応物、または前
記化合物の重縮合物などが挙げられる。このようにポリ
フルオロアルキル基含有化合物は、前記フルオロポリエ
ーテルと同様に他の配合材料および添加剤の親和性(密
着性)の向上のために親和性の高い官能基、たとえばイ
ソシアネート基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル
基、エポキシ基、アミノ基、スルフォン基等を含む単位
を有する化合物が好ましい。
なお、これらのポリフルオロアルキル基含有化合物
は、単独使用または併用のいずれでもよく、また、活性
化水素を有する反応基を有するポリフルオロアルキル基
含有化合物と、ポリフルオロアルキル基を有しないイソ
シアナート化合物とを併用してもよい。また、イソシア
ネート基を有するポリフルオロアルキル基含有化合物
と、各種のポリフルオロアルキル基を含有しないジアミ
ン類、トリアミン類または各種のポリフルオロアルキル
基を含有しないジオール類、トリオール類を併用するな
どの方法を採用してもよい。官能基同志の組み合わせは
強度増加のうえから好ましく、具体的には炭素数2〜20
のポリフルオロアルキル基を有し、かつ、水酸基、メル
カプト基、カルボキシル基、アミノ基から選ばれる少な
くとも1種類を含む含フッ素重合体との組み合わせ、ま
たは炭素数2〜20のポリフルオロアルキル基を有し、か
つ、イソシアネート基を含む単位を有する含フッ素重合
体と、炭素数2〜20のポリフルオロアルキル基を有し、
さらに活性化水素を有する反応基を含む単位を有する含
フッ素重合体との組み合わせを挙げることができる。
これら低分子量含フッ素重合体のうち、フルオロオレ
フィン重合体またはフルオロポリエーテルを用いると、
潤滑性において優れた結果が得られ、特にフルオロオレ
フィン重合体を用いると、最も望ましい結果を得ること
が判明している。
上記のジエン系ゴム、熱可塑性フルオロ樹脂および低
分子量含フッ素重合体の配合比は、ジエン系ゴムと熱可
塑性フルオロ樹脂の重量比にて50:50から95:5が望まし
い。なぜならば熱可塑性フルオロ樹脂の配合重量比が50
/100を越える多量で目的の組成物に充分な弾性特性が得
られず、5/100未満の少量では充分な耐摩耗性が得られ
ないからである。また、ジエン系ゴムと熱可塑性フルオ
ロ樹脂の合計100重量部に対して低分子量含フッ素重合
体5〜50重量部が好ましい。なぜならば、低分子量含フ
ッ素重合体の配合比が5重量部未満では充分な摺動特性
が得られず、50重量部を越えるとゴム状弾性特性が損な
われるからである。
なお、この発明の目的を損なわない範囲で上記成分の
他に各種添加剤が配合されていてもよい。たとえば、ジ
エン系ゴムに一般的に用いられる充填材(カーボンブラ
ック、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、タル
ク、マイカ、カオリナイト、ベントナイト、シラス、炭
化ケイ素、アラミッド繊維、フェノール樹脂等の粉末ま
たは単繊維など)、加硫助剤(亜鉛華、脂肪酸など)、
加硫促進剤(グアニジン類、サルファイド類、アルデヒ
ド−アミン類など)、安定剤(ステアリン酸亜鉛、亜リ
ン酸鉛、亜リン酸バリウムなど)、可塑剤(ジメチルフ
タレート、ジオクチルフタレートなど、老化防止剤(ア
ミン類、フェノール類など)、酸化防止剤(2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾールなど)、紫外線吸収剤(ア
クリロニトリル誘導体など)、難燃剤(酸化アンチモ
ン、酸化ジルコンなど)、着色剤(カドミウムイエロ
ー、フタロシアニンブルー、チタンホワイトなど)等を
便宜配合してもよい。
以上の各種原料を混合する方法は特に限定するもので
はなく、通常広く用いられている方法、例えば、主原料
になるエラストマー、その他諸原料をそれぞれ個別に順
次、または同時にロール混合機その他混合機により混合
すればよい。なお、このとき摩擦による発熱を防止する
意味で温調器を設けることが望ましい。また、ロール混
合機を使用する場合には、仕上げの混合として、ロール
間隔を3mm以下程度に締めて薄通しを行なうとさらに良
い。
〔作用〕
以上述べたこの発明の組成物はジエン系ゴム、熱可塑
性フルオロ樹脂および低分子量含フッ素重合体を併用す
ることにより、弾性体の特性と同時に良好な摺動特性を
有することができる。
〔実施例〕
まず、実施例および比較例に用いた諸原料を一括して
示すと以下のとおりである。なお、各成分の配合割合は
すべて重量%であるが、〜に示す原料については
〜に示す原料の総重量100に対する重量%である。
NBR(日本合成ゴム社製:JSR0230SH) CR(東洋曹達工業社製:B−11) SBR(日本合成ゴム社製:JSR1502) PFA(三井・デュポンフロロケミカル社製:PFA MP10) FEP(三井・デュボンフロロケミカル社製:FEP100) 低分子量含フッ素重合体(旭硝子社製:ループリカン
トL169) 低分子量含フッ素重合体(日本エニモント社製:フォ
ンブリンZ−Doll) カーボン(キャンカーブ社製:MTカーボン) タルク(日本滑石精練社製:タルク) 炭酸カルシウム(白石鉱業社製:炭酸カルシウム) 酸化マグネシウム(キョウワマグネシウム社製:酸化
マグネシウム) イオウ(細井化学社製:イオウ) 加硫助剤−1(三井金属社製:亜鉛華) 加硫助剤−2(一般工業剤:ステアリン酸) 加硫促進剤−1(大内新興化学鉱業社製:N−シクロヘ
キシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド) 加硫促進剤−2(大内新興化学鉱業社製:テトラメチ
ルチウラムジスルフィド) 加硫促進剤−3(三新化学工業社製2−メルカプトイ
ミダゾリンNA−22) 可塑剤(黒金製油社製:ジオクチルフタレートDOP) 老化防止剤−1(大内新興化学工業社製:サンノック
CW) 老化防止剤−2(大内新興化学工業社製:6−エトキシ
−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリンAW) 実施例1〜3 まず、ロール間隔5〜10mm程度に調整したロール混合
機にNBRをそれぞれ巻き付け、第1表に示した割合で無
機充填剤、老化防止剤、MTカーボン、可塑剤、イオウ、
加硫助剤、加硫促進剤、熱可塑性フルオロ重合体を混合
した。その後、ロール間隔を約1mmに調整し、薄通しを1
0回行なった。なお、この時の摩擦熱を防止する目的
で、常時、ロール内に冷却水を通し、ロール温度を60℃
以下に保った。つぎに冷却水を止め、ロール内にスチー
ルを通し、ゴム温度が70℃以上90℃以下になるように調
整し、その後、ロール間隔を5〜10mm程度に戻し、低分
子量含フッ素重合体を少量ずつ添加しながら混合した。
その後、再びロール間隔を1mmに狭めて薄通しを10回行
ない、それぞれ約10kgのコンパウンドを得た。
縦300mm、横300mm、厚み1mmのシート状に形成された
各コンパウンドに対して、1次加硫(150℃、10分間、
プレス圧7kg f/cm2)および2次加硫(フリー加熱180
℃、5時間)を行い、加硫を終わった各シートについて
摩擦・摩耗特性、弾性体 特性を求めた。各試験方法は以下のとおりである。
1)摩擦試験: 得られたシートを外径21mm、内径17mm、厚み1mmの環
状に打ち抜き、外径21mm、内径17mm、厚み10mmの環状ア
ルミ製治具に接着し、摩擦試験片とした。条件として滑
り速度1m/分、面圧3kg f/cm2にてスラスト型摩擦摩耗試
験機(自社製)で摩擦係数の経時変化(100時間)を測
定した。相手材となるディスクの材質は軸受鋼(SUJ2)
とした。得られた結果は第2表に示した。ここで、摩擦
係数の経時変化が0.1以内のものを○印、0.1を越えて変
化量の大きいものを×印とする二段段評価を行ない第2
表中に併記した。
2)摩擦試験: 得られたシートを外径21mm、内径17mm、厚み1mmの環
状に打ち抜き、外径21mm、内径17mm、厚み10mmの環状ア
ルミ製治具に接着し、摩擦試験片とした。条件として滑
り速度30m/分、面圧3.3kg f/cm2にてスラスト型摩擦摩
耗試験機(自社製)で測定した。相手材となるディスク
の材質は軸受鋼(SUJ2)とした。得られた結果は第2表
に示した。
3)弾性体特性 得られたシートに対して、JIS−K6301に準じ、引っ張
り破断強度、引っ張り破断伸び、表面硬度(JIS−A)
を調べ、それらの結果を第2表に示した。
実施例4および5 実施例4においてはジエン系ゴムをCRし、実施例5に
おいては同じくSBRにし、それぞれ第1表に示す原料の
配合割合にて実施例1〜3と全く同様な方法にて混合、
シート成形、加硫を行なった。また、試験片の調整およ
び試験方法も実施例1〜3と全く同様な方法を用いた。
それらの結果を第2表に示した。
比較例1〜4 比較例においてジエン系ゴムに対して、それぞれ第1
表に示す割合にて実施例1〜5と全く同様な方法にて混
合、シート成形、加硫を行なった。また、試験片の調整
および試験方法も実施例1〜5と全く同様な方法を用い
た。それらの結果を第2表に示した。
第2表から明らかなように、比較例1〜3では、摩擦
係数が摩擦試験開始時に既に本試験機の測定限界である
1.5を越えていた。また、比較例4では、試験開始5時
間後に摩擦係数1.5を越え、測定時にはスティックスリ
ップして摺動状態が不良であった。
しかし、ジエン系ゴム、熱可塑性フルオロ樹脂および
低分子量フルオロ重合体を併用した実施例1〜5では、
いずれも摩擦係数の経時的変化が0.41〜0.51という低い
値で安定し、摩耗量も耐摩耗性の目安となる100以下で
良好であった。また、これら各実施例は、弾性体として
引張り強度、伸び、硬度いずれも充分な特性を有してい
た。
〔効果〕
以上述べたように、この発明の潤滑性ゴム組成物は、
充分な弾性体特性を有し、耐摩耗性も優れており、しか
も優れた潤滑特性を有するものであるから、シール性、
追従性、消音性、および制振性などのゴム特性の機能と
ともに低摩擦係数、耐摩耗性が要求される摺動材料とし
て良好なものである。したがって、自動車、事務機器、
情報機器、自動制御機器、航空・宇宙機器、医療機器、
その他電気・電子機器、一般産業機械機器などあらゆる
分野の機器類部品として利用することができ、なかで
も、複写機用途として給紙ローラ、トナーシール、マグ
ローラシール、クリーニングブレード、分離爪、消音ギ
ヤ等、食品用途として練り込みローラ、蛇口パッキン、
また自動車部品用途としてジョイントのダストブーツ、
安全パット、グラスラン、ワイパーブレード等の材料と
して適当で産業上の利用価値が高い。したがって、この
発明の意義はきわめて大きいといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−197518(JP,A) 特開 昭62−109839(JP,A) 特公 昭47−6505(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 27/12 - 27/20 C08L 7/00 - 21/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジエン系ゴムと、熱可塑性フルオロ樹脂
    と、平均分子量50000以下の低分子量含フッ素重合体と
    を配合してなる潤滑性ゴム組成物。
  2. 【請求項2】ジエン系ゴが、ブタジエンゴム、イソプレ
    ンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
    ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムからなる群から
    選ばれる1種以上のゴムである請求項1記載の潤滑性ゴ
    ム組成物。
  3. 【請求項3】ジエン系ゴムの分子量が、10万〜25万であ
    る請求項1記載の潤滑性ゴム組成物。
  4. 【請求項4】熱可塑性フルオロ樹脂が、テトラフルオロ
    エチレン重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオ
    ロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
    チレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロアル
    キルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン
    ・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロ
    エチレン・エチレン共重合体、トリフルオロクロロエチ
    レン重合体、トリフルオロクロロエチレン・エチレン共
    重合体、ポリビニルフルオライドおよびポリビニリデン
    フルオライドからなる群から選ばれる1種以上の重合体
    である請求項1記載の潤滑性ゴム組成物。
  5. 【請求項5】低分子量含フッ素重合体が、分子量5000以
    下の重合体である請求項1記載の潤滑性ゴム組成物。
  6. 【請求項6】ジエン系ゴムと熱可塑性フルオロ樹脂の重
    量比が50:50から95:5の範囲であり、かつその合計100重
    量部当りの低分子量含フッ素重合体が5〜50重量部であ
    る請求項1記載の潤滑性ゴム組成物。
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