JP2024070843A - ゴム組成物および弾性複合材 - Google Patents

ゴム組成物および弾性複合材 Download PDF

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弘志 川崎
Hiroshi Kawasaki
智和 小越
Tomokazu Ogoshi
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Abstract

【課題】正・逆両回転の作動においても良好にオイルを密封し続けることを可能にする両回転用オイルシールに最適なゴム組成物を提供する。【解決手段】本発明は、正・逆両回転用オイルシール1の弾性体部2を形成するゴム組成物として、ゴム100重量部に対して、珪藻土を3~18重量部と金属酸化物を3~30重量部配合せしめたゴム組成物を用いる。また、ゴム組成物は、ゴムがフッ素ゴムで、金属酸化物が弁柄である。弾性複合材は、ゴム組成物を金属材と接着し、正・逆両回転用オイルシールである。【選択図】図1

Description

本発明はゴム組成物に関し、さらに詳しくは、弾性複合材、特に正・逆両回転用オイルシールに使用して最適なゴム組成物に関する。
一般にガソリンエンジンを搭載した自動車においては、エンジンの回転をギアによって正方向から逆方向に切り替えて車をバックさせるようにしているので、エンジンに使用されるオイルシールは、正方向の一方向にのみ対応する通常のオイルシールが用いられる。
従来は、かかるガソリンエンジン用オイルシールの材料として、珪藻土を含有したフッ素ゴムやNBR組成物が主として用いられていた。この珪藻土は珪藻と呼ばれる非常に小さな藻の化石からなり、主成分は二酸化ケイ素で、平均粒度が5~50μmの無機充填材である。
オイルシール用ゴム組成物に珪藻土が用いられる理由は、表面が多孔質であるため吸油性に優れ、オイルが適度に保持されるので、オイルシールのリップ部が接触する回転軸との界面に存在する油膜によってオイルを良好に密封できるためである。
しかしながら近年、自動車においては電動化の流れが加速しており、この場合モーターで駆動する電気自動車ではバック用のギアがなくモーターの回転方向を正方向から逆方向に切り替えて車をバックさせるようにしているので、正・逆両方向の回転に対応した両回転用オイルシールが必要となる。
このような正・逆両回転用オイルシールの材料として、従来の珪藻土を含有したゴム組成物を用いると、オイルシールと接触している回転軸を正方向で回転駆動させた後、逆回転させた場合、これが繰り返されるにつれて逆回転時にオイル漏れが生じる不具合があった。
かかる不具合を回避させるための構造として、例えば特許文献1では、シールリップの傾斜面に、回転軸の正回転時および逆回転時における回転方向に対し特定の傾斜角を有するねじ部をそれぞれ複数本づつ群として交互に設けた両回転用のオイルシールが提案されている。
特開2006-125454号公報
しかしながら、このようなねじ部を交互に設けた構造のみの両回転用オイルシールでは、正転・逆転が繰り返された場合に、ねじ部の摩耗によってオイル漏れを起こすという不具合があった。
そこで、本発明は、かかる不具合を解消することを目的として本発明者らは、鋭意研究の結果、正・逆両回転用オイルシールに好適なゴム組成物として、特定の配合を採用することにより、両回転時のオイル漏れを回避できることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
かかる目的を達成するために、第一の発明は、ゴム100量部に対して、珪藻土を3~18重量部と金属酸化物を3~30重量部配合したことを特徴とするゴム組成物である。
第二の発明は、第一の発明において、この場合、上記ゴムにはフッ素ゴムを用いることを特徴とする。
第三の発明は、第一の発明において、前記金属酸化物には弁柄(三二酸化鉄)を用いることを特徴とする。
第四の発明は、第一の発明又は第二の発明において、ゴム組成物を金属材と接着してなる弾性複合材であることを特徴とする。
第五の発明は、第一の発明又は第三の発明において、ゴム組成物を金属材と接着してなる弾性複合材であることを特徴とする。
第六の発明は、第四の発明において、正・逆両回転用オイルシールに適用することを特徴とする。
第七の発明は、第五の発明において、正・逆両回転用オイルシールに適用することを特徴とする。
本発明によれば、ゴム100量部に対して、珪藻土を3~18重量部と金属酸化物を3~30重量部配合したゴム組成物を正・逆両回転用オイルシールに適用することで、正・逆いずれの回転においても良好にオイルを密封し続けることを可能とする両回転用オイルシールを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るゴム組成物の適用例である両回転用オイルシールの片側縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明によるゴム組成物の適用例である正・逆両回転用オイルシールの片側縦断面図を示す。ここでオイルシール1は、弾性体部2と補強環3とで構成される弾性複合材である。弾性体部2はゴム材料により形成され、これを金属材によりなる補強環3と接着して一体化している。
このように構成されるオイルシール1は、弾性体部2の外周面2bにおいてハウジングに嵌合固定されると共に、弾性体部2の内周側に形成されたシールリップ2aが回転軸5に所要の圧力(緊迫力)で摺接し、これによって潤滑オイルを密封するようにしている。ここで回転軸5は、例えばモーターの駆動軸であり、正・逆両方向に回転駆動するものである。
また弾性体部2においてシールリップ2aの外周側にはガータースプリング4が嵌着されており、これによって回転軸5に対するシールリップ2aの緊迫力を補助し、より確実にオイルを密封するようにしている。
そして、上述の如く構成されるオイルシール1において、弾性体部2を形成するゴムに、本発明によるゴム組成物が好適に採用される。
本発明によるゴム組成物は、ゴムに珪藻土と金属酸化物を所定量で配合したことを骨子とする。すなわち本発明者らは、両回転用オイルシールに最適なゴム組成物について研究を重ねた結果、ゴムに珪藻土と金属酸化物を所定量で配合することで、正・逆両方向の回転に対応できる密封効果を見出したものである。ここで、ゴムに対する珪藻土と金属酸化物の効果的な配合量については後述する。
本発明のゴム組成物において、原料となるベースゴムには、フッ素ゴムが好適に採用される。フッ素ゴムの種類としては特に限定されるものではないが、例えば、フッ化ビリニデン系、テトラフルオロエチレン-プロピレン系、テトラフルオロエチレン-パーフルオロメチルビニルエーテル系などが例示される。
前記フッ化ビニリデン系のフッ素ゴムとしては、二元系(フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体)や三元系(フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレンの三元共重合体)などが挙げられ、これらのフッ素ゴムとしては、バイトンA-100、A-200、A-361C、A-500、A-700、A-HV、B、B-202、B-600(以上、ケマーズ株式会社製商品名)や、ダイニオンFC2120、FC2122、FC2123、FC2127、FC2144、FC2152、FC2174、FC2176、FC2177A、FC2177D、FC2179、FC2181(以上 ,3M社製商品名)、ダイエル G-201、G-501、G-701、G-702、G-751、G-801、G-901、G-902、G-912、G-952(以上、ダイキン工業株式会社製商品名)や、テクノフロン TN、TN50、TN80、T538、T938、P457、P757、P459、P959(以上、ソルベイ(イタリア)社製商品名)やフルオノックス KR220、KR235、KR250、KR325、KR370、KR435、KR470、KR320P、KR340P、KR520P、KR545P、KR565P、KR525LP(以上、グジャラートフロロケミカル(インド)社製商品名)、DTR-7820、DTR-7840、DTR-7920、DTR-7945、DTR-7960、DTR-7650GAL、DTR-7845GL,DTR-7745GL(以上、ダウホン(中国)社製商品名)などが例示される。
前記テトラフルオロエチレン-プロピレン系のフッ素ゴムとしては、アフラス 100H、100S、150E、150L、150P、200(以上、旭硝子株式会社製商品名)が例示される。
前記テトラフルオロエチレン-パーフルオロメチルビニルエーテル系のフッ素ゴムとしては、バイトンGLT、バイトンGFLT(以上、ケマーズ株式会社製商品名)、LT-302(ダイキン工業株式会社製商品名)、PL458、PL958、PL557、PL455、PL855(以上、ソルベイ(イタリア)社製商品名)が例示される。
ここで、ゴム硬度は特に制限されるものではないが、オイルシールの場合には緊迫力などとの関係で、ゴム硬度が60~90(タイプ A:JISK 6253-3)の範囲のものが主として用いられる。
ゴムに配合される珪藻土は本発明の肝要な成分の一つで、平均粒径が5~50μmの無機充填剤である。この珪藻土としては、Celite 503、535、545、SSC、(Johns-Manville(アメリカ)社製商品名)やラジオライト#100、#200、#300、#500、#500S、#600、#700、#800、#800-S、#900、F、ファインフローA、ファインフローB、マイクロファイン(以上、昭和化学工業株式会社製商品名)などが例示され、ゴム100重量部に対して3~18重量部の範囲で添加される。ここで珪藻土の配合量が3重量部より少ないと有効性が認められず、18重量部を超えると耐摩耗性の低下により密封性が悪くなるので好ましくない。
珪藻土と共にゴムに配合される金属酸化物は本発明の肝要な成分の一つで、弁柄(ベンガラ(三二酸化鉄))、黒弁柄(四三酸化鉄)、酸化クロムなどが例示されるが、特に弁柄の使用が好ましい。
弁柄としては、TAROXR-110P(チタン工業株式会社製商品名)、EP-15W、天賞印(日本弁柄工業株式会社製商品名)、七宝印、千寿印(森下弁柄工業株式会社製商品名)、トダカラー100ED、120ED、130ED、200(戸田工業株式会社製商品名)、バイフェロックス110M、120M、120NM、130M(ランクセス社製商品名)などが例示され、ゴム100重量部に対して3~30重量部の範囲で添加される。ここで弁柄の配合量が3重量部より少ないと効果が認められず、30重量部を超えるとゴムの物性が低下するので好ましくない。
このようにフッ素ゴムに珪藻土と弁柄を配合してなる本発明のゴム組成物を正・逆両回転用オイルシールに適用した結果、回転軸の正回転時はもとより、逆回転時においてもオイルの漏れが生じることなく良好な密封性が維持されることが確認された。これは、珪藻土によるオイルの保持力が金属酸化物である弁柄の添加によってさらに向上し、逆回転時においてもシールリップと回転軸との間に存在する油膜が確実に保持されるからであると推察される。なお、本実施形態において、珪藻土と弁柄の具体的な配合例とその効果については後述する実施例において明らかにされる。
前記ゴムの種類としては、フッ素ゴムに限ることなく、他にも例えばNBR、HNBR、シリコーンゴム、アクリルゴムなどを採用することができる。
前記NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)は、ブタジエンとアクリロニトリルのランダムコポリマーで乳化重合をもって製せられる。このNBRとしては、JSR N215SL、N222L、N222SH、N220S、N220SH、N224SH、N235S、N230SV、N230SL、N230S、N230SH、N232S、N232SH、N238H、N231L、N231H、N237、N237H、N239SV、N236H、N241、N241H、N240S、N242S、N251H、N250S、N260S、N520、N530、N640H、N640、N202S、N201、N210S、N211SL(以上、株式会社ENEOSマテリアル製商品名)、Nipol DN002、DN003、DN009、1041、1041L、1031、1001、DN101、DN101L、DN103、DN115、1042、1042AL、1052J、1032、DN200、DN201、DN202、DN202H、DN206、DN207、DN211、DN212、DN215、DN219、DN223、DN225、1043、DN300、DN302、DN302H、DN306、DN315、DN401、DN401L、DN401LL、DN402、DN406、1072J、DN631、DN1105、DN1205、DN1305(以上、日本ゼオン株式会社製商品名)、KRYNAC 50.75、45.50、41.80、40.50、829、825、826、E34.38、X7.50、X7.40、X1.46、827、29.80、27.50、XL31.25、XL41.20、XL35.20、X1.60、X9.50、KRYNAC 50.75、826、827、19.65、20H35、22.67、25E65、40E65、34E80、843、PERBUNAN N3807NS、N3801、N3302NS、N1807NS、N3305NS、N3307NS、N3308、N3310、N3312NS、N2802NS、N2807NS、N2810、N2818NS(以上、アランセオ(ドイツ)社製商品名)、CHEMIGUM N206、N5、N386B、N300、N318B、N328B、N7、N8、N8X、N608、N612B、N683B、N615B、N615、HR662、HR665、N628B、N634、N624B、N685B、N386B、PCG-6517、PCG-7158、N783B、N765、N715、N756、N715B、N785B、N926、N984B、N917、PCG-4908、N687B、N689B、NX775、HR967(以上、Eliochem(アメリカ)社製商品名)、NANCAR 1041、1051、1031、1042、1052、1052M80、1052M43、1052M30、1032、32M80、043、043M65、053、053X26、004、072(以上、南帝化学工業股分有限公司(台湾)製商品名)などが例示される。
前記HNBR(水素化ニトリルゴム)は、NBRの炭素-炭素不飽和結合を水素化し高度に飽和された主鎖をもつゴムであり、このHNBRとしては、Zetpol 1020、1010、2020、2020L、2010、2000(以上、日本ゼオン株式会社製商品名)、THERBAN 3406、3407、3446、3467、3496、3607、3027、3629、3907、4307、4309、4367、4369、5008VP、LT2007、LT2157、LT2568(以上、アランセオ(ドイツ)社製商品名)などが例示される。
前記シリコーンゴムとしては、ビニル基を含有したポリオルガノシロキサン組成物が一般的であり、例えば、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンの如き、従来公知の過酸化物により加硫可能なものが用いられる。これには、SH745U、SH746U、SH747U、SH748UN、SH35U、SH55UA、SH75UN、SH52U、SH82UD、SH831U、SH841U、SH851U、SH861U、SH871U、SH881U、SRX517U、SH520UA.B、SH1447UA、SE1120U、SE1136U、SE1125U、SE955U、SH1603U、SRX530U、SE1630U、SE1607U、SRX505U、SE1602U、SE1184U、SE1185U、SE1186U、SE1187U、SE1188U、SRX39U、SRX539U、SE6758U、SE6770U-P、SE4704U、SE4705U、SE4706U、DY32-152U、DY32-305U、DY32-308U、DY32-310U、DY32-315U、DY32-337U、DY32-338U、DY32-339U、DY32-420U、DY32-421U、DY32-433U、DY32-474U、DY32-475U、DY32-476U、DY32-522U、DY32-534U、DY32-540U、DY32-541U、DY32-542U、DY32-576U、DY32-580U、DY32-623U、DY32-638U、DY32-643U、DY32-645U、DY32-663U、DY32-800U、DY32-802U、DY32-803U、DY32-839U、32-842U、Y32-843U、Y32-903U、Y32-904U、Y32-910U、Y32-911U、Y32-912U、Y32-913U、Y32-914U、Y32-915U、Y32-916U、Y32-922U、Y32-923U、Y32-924U、Y32-925U、Y32-926U、Y32-927U、Y32-931U、Y32-932U、Y32-933U、Y32-934U、Y32-935U、Y32-936U、Y32-946U、Y32-2007U(以上、ダウ・東レ株式会社製商品名)、KE650U、E655U、E660U、E670U、E675U、E742U、E752U、E762U、E772U、E782U、E850U、KE870U、KE880U、KE890U、KE520U、KE530U、KE540U、KE550U、KE552U、KE552BU、KE568U、KE582U、KE554U、KE555U、KE574U、KE575U、KE152U、KE153U、KE167U、KE172U、KE174U、KE1260U、KE1261U、KE1551U、KE1571U、KE4605U、KE4607U、KE4609U、KE7001U、KE7002U、KE7003U、KE7004U、KE7005U、KE7006U、KE7007U、KE7008U、KE7009U、KE7010U、KE7011U、KE7012U、KE7013U、KE7014U、KE7015U、KE7016U、KE7017U、KE7018U、KE7019U、KE7020(以上、信越化学工業株式会社製商品名)、TSE221-3U、TSE221-4U、TSE221-5U、TSE221-6U、TSE221-7U、TSE221-8U、TSE2122-4U、TSE2122-5U、TSE2122-6U、TSE2122-7U、TSE2122-8U、TSE270-4U、TSE270-5U、TSE270-6U、TSE270-7U、TSE270-8U、TSE260-3U、TSE260-5U、TSE260-7U、TSE261-4U、TSE261-5U、TSE261-6U、TSE261-7U、TSE2323-5U、TSE2323-6U、TSE2323-7U、TSE217U、TSE2181U、TSE2183U、TSE2184U、TSE2501U、TSE2502U、TSE2425U、TSE2427U、TSE2461U、TSE2571-5U、TSE2571-7U、TSE2575U、TSE2577U、YE3465U、TCM5406U、TCM5407U、TCM5417U、YE3452UB、YE3120U、YE5246U、YE5158U、TSE2911U、TSE2913U、TSE2961U、TSE2963U、TSE2971U(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製商品名)、EL1300、EL1301、EL1351、EL1400、EL1401、EL1414、EL1416、EL1500、EL1501、EL1502、EL1510、EL1527、EL1535、EL1600、EL1601、EL1602、EL1609、EL1623、EL1626、EL1700、EL1701、EL1711、EL1718、EL1726、EL1729、EL1800、EL1801、EL1823、EL5203、EL5251、EL5300、EL5305、EL5307、EL5308、EL5351、EL5355、EL5400、EL5409、EL5412、EL5414、EL5416S、EL5424、EL5454、EL5500、EL5502、EL5503、EL5504、EL5508、EL5600、EL5606N、EL5700、EL5701、EL5703、EL5800、EL6400、EL6500、EL6501、EL6600、EL6700、EL6701、EL7553、EL7451、EL7553、EL7554、EL7603A、EL7611、EL7615、EL7706、EL7718、EL8502、EL8550、EL8751、R263/40、R263/50、R263/60、R263/70、R263/80、R300/80、R401/40、R401/50、R401/60、R401/70、R401/80、R401/90、R411/50、R411/60、R411/70、R420/30、R420/40、R420/50、R420/60、R420/70、R520/70、R750/30、R750/40、R750/50、R750/60、R800/20、R800/30、R701/40、R701/80、R806/75(以上、ワッカーケミカルズイーストアジア株式会社製商品名)などが例示される。
前記各ゴムの加硫(架橋)は通常の加硫方法を適用することができ、フッ素ゴムにおいてはポリオール加硫、過酸化物加硫、アミン加硫、NBRおよびHNBRにおいては硫黄加硫、過酸化物加硫、シリコーンゴムにおいては過酸化物加硫、アクリルゴムにおいてはアンモニウムベンゾエート加硫、ジチオカルバミン酸塩加硫、アミン加硫、鉛丹/2-メルカプトイミダゾリン加硫、金属石けん/硫黄加硫などを例示することができる。
前記過酸化物加硫に用いられる過酸化物は、特に限定されるものではなく、通常の過酸化物加硫に用いられるものであれば使用可能である。この過酸化物としては、パーオキシケタールとしてパーヘキサ3M(日油株式会社製商品名:90%品)やパーヘキサ3M-40(日油株式会社製商品名:40%品)やトリゴノックス29A(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:90%品)やトリゴノックス29-40(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:40%品)やサンペロックスCY-11(四国化学株式会社製商品名:95%品)やルパーコ231XL(アルケマ吉富株式会社製商品名:40%品)やVarox231XL(Can Carb(カナダ)社製商品名:40%品)の如きl,l-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、パーヘキサC(日油株式会社製商品名:70%品)の如きl,l-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、パーヘキサO(日油株式会社製商品名:70%品)やパーヘキサO-40(日油株式会社製商品名:40%品)の如き2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、パーヘキサV(日油株式会社製商品名:90%品)やパーヘキサV-40(日油株式会社製商品名:40%品)やトリゴノックス17-40(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:40%品)の如きn-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、パーヘキサCD(日油株式会社製商品名:98%品)の如きl,l-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジアルキルパーオキサイドとしてパーブチルD(日油株式会社製商品名:97%品)やカヤブチルD(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:97%品)やサンペロックスDT(四国化学株式会社製商品名:98%品)の如きジ-t-ブチルパーオキサイド、パーブチルC(日油株式会社製商品名:90%品)やカヤブチルC(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:90%品)やサンペロックスCT(四国化学株式会社製商品名:90%品)の如きt-ブチルクミルパーオキサイド、パークミルD(日油株式会社製商品名:99%品)やパークミルD-40(日油株式会社製商品名:40%品)やカヤクミルD(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:97%品)やカヤクミルD-40(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:40%品)や三井DCP(三井石油化学株式会社製商品名:98%品)やサンペロックスDCP-98(四国化学株式会社製商品名:98%品)やルペロックス500-40C(アルケマ吉富株式会社製商品名:40%品)やDi-Cup40KE(Hercules Inc.(アメリカ)製商品名:40%品)やVaroxDCP-40C(Can Carb(カナダ)社製商品名:40%品)の如きジクミルパーオキサイド、パーブチルP(日油株式会社製商品名:95%品)やペロキシモンF-40(日油株式会社製商品名:40%品)やパーカドックス14(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:96%品)やパーカドックス14-40(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:40%品)やサンペロックスTY-13(四国化学株式会社製商品名:98%品)やルパーコ802XL(アルケマ吉富株式会社製商品名:40%品)やVul-cup40KE(Hercules Inc.(アメリカ)製商品名:40%品)やVaroxVC-40KE(Can Carb(カナダ)社製商品名:40%品)の如きα,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、パーヘキサ25B(日油株式会社製商品名:90%品)やパーヘキサ25B-40(日油株式会社製商品名:40%品)やカヤヘキサAD(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:90%品)やカヤヘキサAD-40(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:40%品)やルパーコ101XL(アルケマ吉富株式会社製商品名:45%品)やVaroxDBPH-50(Can Carb(カナダ)社製商品名:45%品)の如き2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、パーヘキシン25B(日油株式会社製商品名:90%品)やパーヘキシン25B-40(日油株式会社製商品名:40%品)やカヤヘキサYD(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:90%品)やカヤヘキサYD-50(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:50%品)やサンペロックスYPO(四国化学株式会社製商品名:90%品)やルパーコ130XL(アルケマ吉富株式会社製商品名:45%品)の如き2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン-3、パーオキシエステルとしてのパーブチルO(日油株式会社製商品名:97%品)やカヤエステルO(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:97%品)やサンペロックスTO(四国化学株式会社製商品名:97%品)やルパゾールPDO(アルケマ吉富株式会社製商品名:97%品)の如きt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、パーブチル355(日油株式会社製商品名:97%品)やトリゴノックス42(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:94%品)の如きt-ブチルパーオキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエート、パーヘキサ25Z(日油株式会社製商品名:90%品)やサンペロックスAPB(四国化学株式会社製商品名:90%品)やルペロックス118(アルケマ吉富株式会社製商品名:90%品)の如き2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、パーブチルI(日油株式会社製商品名:95%品)やカヤカルボンBIC-75(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:75%品)やルパゾールTBIC-M75(アルケマ吉富株式会社製商品名:75%品)の如きt-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどが例示される。また、ポリーマーへの分散性改良や飛散防止を目的として、EPTなどをベースとした過酸化物マスターバッチを使用してもよく、これには、トリゴノックス29-40MB G R(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:l,l-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,5,5-トリメチルシクロヘキサンの40%品)、トリゴノックス17-40MB G R(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレートの40%品)、パーカドックスBC-40MB G R(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:ジクミルパーオキサイドの40%品)、パーカドックス14-40MB G R(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンの40%品)、トリゴノックス101-40MD G R(化薬ヌーリオン株式会社製商品名:2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンの40%品)などが例示される。
なお、加硫剤としてα,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンを用いる場合には、ブルームを誘発する場合があるので、そのときにはPEG4000S(三洋化成株式会社製商品名)の如きポリエチレングリコールを0.5~1重量部併用するとよい。
また、過酸化物加硫の場合には、物性や加硫速度改善などを目的として、必要に応じて、適宜な共架橋剤を0.5~5重量部程度使用することができ、これには、金華印微粉硫黄150mesh、200mesh、300mesh、325mesh、サルファックスA、200S、MC、PS、PMC(以上、鶴見化学工業株式会社製商品名)やセイミ硫黄(日本乾溜工業株式会社製商品名)やサンフェル、サンフェル90(以上、三新化学工業株式会社製商品名)の如き硫黄(S)、ブレンマーG(日油株式会社製商品名)の如きグリシジルメタクリレート(GMA)、クリスタルマン(日油株式会社製商品名)の如き無水マレイン酸(MA)、亜鉛華1号(堺化学工業株式会社製商品名)の如き酸化亜鉛(ZnO)、アクターPBM-R(川口化学工業株式会社製商品名)の如きN,N’-m-フェニレンビスマレイミド、アクターQ(川口化学工業株式会社製商品名)の如きp-キノンジオキシム(GM)、アクターDQ(川口化学工業株式会社製商品名)の如きp,p’-ジベンゾイルキノンジオキシム(DGM)、アクセルM(川口化学工業株式会社製商品名)の如き2-メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、アクセルDM(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジベンゾチアゾールジサルファイド(MBTS)、アクセルTMT(川口化学工業株式会社製商品名)の如きテトラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、アクセルNS(川口化学工業株式会社製商品名)の如きN-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、アクセルCZ(川口化学工業株式会社製商品名)の如きN-シクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、NissoPB(日本曹達株式会社製商品名)の如き1,2-ポリブタジエン(1,2PB)、ブレンマーPDE-100(日油株式会社製商品名)の如きポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDM)、ジアリルフタレート(DAP)、タイク(日本化成株式会社製商品名)の如きトリアリルイソシアヌレート(TAIC)、タック(株式会社武蔵野化学研究所製商品名)の如きトリアリルシアヌレート(TAC)、アクリエステルTHF(三菱レーヨン株式会社製商品名)の如きメタクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFMA)、サンエステルEG(三新化学工業株式会社製商品名)やアクリエステルED(三菱レーヨン株式会社製商品名)の如きジメタクリル酸エチレン(EDMA)、アクリエステルBD(三菱レーヨン株式会社製商品名)の如きジメタクリル酸1,3-ブチレン(BDMA)、サンエステルTMPMA(三新化学工業株式会社製商品名)やアクリエステルTMP(三菱レーヨン株式会社製商品名)やハイクロスM(精工化学株式会社製商品名)の如きトリメタクリル酸トリメチロールプロパン(TMPMA)などが例示される。
また、フッ素ゴムに使用される過酸化物としてはパーオキシケタールやジアルキルパーオキサイドが適用でき、パーオキシケタールとしてはパーヘキサ3Mやその含有量40%品のパーヘキサ3M-40(日油株式会社製商品名)のようなl,l-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、パーヘキサVやその含有量40%品のパーヘキサV-40(日油株式会社製商品名)のようなn-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレートが例示され、ジアルキルパーオキサイドとしてはパークミルDやその含有量40%品のパークミルD-40(日油株式会社製商品名)のようなジクミルパーオキサイド、パーブチルPやその含有量40%品のペロキシモンF-40(日油株式会社製商品名)のようなα,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、パーヘキサ25Bやその含有量40%品のパーヘキサ25B-40(日油株式会社製商品名)のような2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンなどが例示される。
また、熱加硫型シリコーンゴムの場合には、通常はシリコーンゴム用の有機過酸化物を用いることができ、ベンゾイルパーオキサイド、ビス2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ・t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーベンゾエート、パラモノクロルベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)-ヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルパーオキシ3,3,5-ヘキサノエートなどを例示することができ、このうちジクミルパーオキサイドもしくは2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)-ヘキサンが一般的に使用される。
また、シリコーンゴムの加硫系として上記のような有機過酸化物を用いた熱加硫系ではなく、白金触媒の存在下で、ビニル基含有ポリシロキサンとハイドロポリシロキサンとからなる付加型としてもよいことは勿論である。
前記硫黄加硫に用いられる硫黄は、原料ゴム100重量部に対して5重量部程度以下添加される。この硫黄としては、回収硫黄を粉砕し、微粉としたものが使用され、これには、金華印微粉硫黄150mesh、200mesh、300mesh、325mesh(以上、鶴見化学工業株式会社製商品名)が例示される。また、分散性などを改良した表面処理硫黄も適宜使用され、これには、サルファックスA、200S、MC、PS、PMC(以上、鶴見化学工業株式会社製商品名)などが例示される。また、未加硫ゴムからのブルームを避けるためには不溶性硫黄が使用され、これには、セイミ硫黄(日本乾溜工業株式会社製商品名)やサンフェル、サンフェル90(以上、三新化学工業株式会社製商品名)が例示される。
また、特に低圧縮永久歪みが要求される場合には、硫黄を全く使用しないかわりに、含硫黄有機化合物が加硫剤(架橋剤)として使用され、これには、アクターR(川口化学工業株式会社製商品名)の如きモルフォリンジスルフィド、アクセルTMT(川口化学工業株式会社製商品名)の如きテトラメチルチウラムジサルファイド、アクセルTET(川口化学工業株式会社製商品名)の如きテトラエチルチラウムジサルファイド、アクセルTRA(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジペンタメチレンチウラムテトラサルファイドなどが例示され、ベースゴム100重量部に対して0.5~5重量部程度添加される。
また、通常、硫黄加硫では加硫物特性、特に、圧縮永久歪みや加工安定性を改善するために1~6種類程度の加硫促進剤がそれぞれベースゴム100重量部に対して0.5~3重量部程度併用して添加される。これには、チアゾール類やチオウレア類やチラウム類やジチオカルバミン酸塩類やグアニジン類が例示される。チアゾール類としては、アクセルM(川口化学工業株式会社製商品名)の如き2-メルカプトベンゾチアゾール、クセルDM(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジベンゾチアゾールジサルファイド、クセルCZ(川口化学工業株式会社製商品名)の如きN-シクロヘキシルベンゾチアゾール、クセルNS(川口化学工業株式会社製商品名)の如きN-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、クセルBNS-R(川口化学工業株式会社製商品名)の如きN-t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、クセルDZ-G(川口化学工業株式会社製商品名)の如きN,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどが例示される。チオウレア類としては、アクセルEUR(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジエチルチオウレア、クセル22-S(川口化学工業株式会社製商品名)の如きエチレンチオウレアなどが例示される。チラウム類としては、アクセルTMT(川口化学工業株式会社製商品名)の如きテトラメチルチウラムジサルファイド、クセルTET(川口化学工業株式会社製商品名)の如きテトラエチルチウラムジサルファイド、クセルTBT(川口化学工業株式会社製商品名)の如きテトラブチルチウラムジサルファイド、クセルTRA(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド、クセルTS(川口化学工業株式会社製商品名)の如きテトラメチルチウラムモノサルファイドなどが例示される。ジチオカルバミン酸塩類としては、アクセルPZ(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、クセルEZ(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、クセルBZ(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、クセルTL-PT(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジチオカルバミン酸テルリウムなどが例示される。グアニジン類としては、アクセルD(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジフェニルグアニジンなどが例示される。
前記フッ素ゴムの加硫剤としては、過酸化物以外では、従来公知の加硫剤が適用でき、ポリオール加硫系、アミン加硫系などが例示される。
前記ポリオール加硫のフッ素ゴムとしては、予め加硫剤を内添したタイプ、例えば、ダイニオンFC-2120、FC-2121、FC-2122、FC-2123、FC-2144、FC-2152、FC-2170、FC-2174、FC-2176、FC-2177、FC-2181、FC-3009、FT-2320、FT-2350、FX-9143(以上、スリーエムジャパン株式会社製商品名)、バイトンE-60C(ケマーズ(アメリカ)社製商品名)、ダイエルG-602、G-603、G-607、G-621、G-655、G-701、G-702、G-704、G-751、G-755、G-763(以上、ダイキン工業株式会社製商品名)、テクノフロンFOR70、FOR70BI、FOR45、FOR45BI、FOR65BI、FOR45C1 、FOR60K、FOR50E、FORLHF、FORTF、FORTHF(以上、ソルベイ社(イタリア)製商品名)などでは加硫剤や加硫促進剤を特に添加する必要はないが、加硫剤および加硫促進剤を添加していない生ゴムタイプのフッ素ゴム、例えば、FC-2145、FC-2178、FC-2230、FT-2430、FT-2481(以上、スリーエムジャパン株式会社製商品名)、バイトンB、B-70、E-45、E-60(以上、ケマーズ(アメリカ)社製商品名)、ダイエルG-201、501、801(以上、ダイキン工業株式会社製商品名)、テクノフロンNH、NM、NMB、NML、NMLB、TN、TN50、TH(以上、ソルベイ(イタリア)社製商品名)ではハイドロキノンやビスフェノールのような加硫剤を添加する必要がある。このポリオール加硫剤は通常は貯蔵安定性や分散性を考慮して含有量が50%程度のフッ素ゴムマスターバッチであり、キュラティブ#30(ケマーズ(アメリカ)社製商品名)、加硫剤V-5(ダイキン工業株式会社製商品名)、テクノフロンM1 (ソルベイ(イタリア)社製商品名)、AC-30(旭化成工業株式会社製商品名)が例示され、4級フォスフォニウム塩例えば、フォスフォニウムクロライドのような加硫促進剤と併用使用される。この加硫促進剤も通常は含有量が25%程度のフッ素ゴムマスターバッチとなっており、キュラティブ#20(ケマーズ(アメリカ)社製商品名)、テクノフロンM2(ソルベイ(イタリア)社製商品名)が例示され、これらの加硫剤がフッ素ゴム100重量部に対して0.2~6重量部、加硫促進剤がフッ素ゴム100重量部に対して0.5~4.5重量部の範囲で添加される。
さらに、ポリオール加硫のフッ素ゴムの場合には、加硫の際に生じる酸性物質を中和するための受酸剤と水酸化カルシウムを添加する必要がある。受酸剤としてはキョーワマグ150(協和化学工業株式会社製商品名)やスターマグ-H(神島化学工業株式会社製商品名)やMagliteD(シー.ピー.ホール(C.P.Hall:アメリカ)社製商品名)のような高活性酸化マグネシウム、キョーワマグ30(協和化学工業株式会社製商品名)やスターマグ-L(神島化学工業株式会社製商品名、)やMaglite A(シー.ピー.ホール社(アメリカ)製商品名)のような低活性酸化マグネシウム、リサージY(三井金属鉱業株式会社製商品名)のような一酸化鉛、酸化カルシウム、酸化亜鉛-二塩基性亜リン酸鉛などが例示され、フッ素ゴム100重量部に対して3~30重量部の範囲で添加される。
また、水酸化カルシウムは加硫をよりタイトにするために添加されるポリオール加硫系では必須成分で、カルビット(近江化学工業株式会社製商品名)やRhenofitCF(レイン・ケミー(Rhein・Chemie(ドイツ)社製商品名)などが例示され、通常フッ素ゴム100重量部に対して2~8重量部の範囲で添加される。
前記アミン加硫系のフッ素ゴムとしては、加硫剤を含まない生ゴムタイプのフッ素ゴム、例えば、ダイニオンFC-2145、FC-2178、FC-2230、FC-2430、FC-2481(以上、スリーエムジャパン株式会社製商品名)、テクノフロンN、T、TN、TN50(以上、ソルベイ(イタリア)社製商品名)、バイトンA、A-35、A-HV、B、B-50(以上、ケマーズ(アメリカ)社製商品名)、ダイエルG-201、G-501(以上、ダイキン工業株式会社製商品名)100重量部に対しアミン加硫剤1.5~5重量部と必要に応じて受酸剤3~25重量部とが添加される。アミン加硫剤としては、Diak No.1(ケマーズ(アメリカ)社製商品名)や加硫剤V-1(ダイキン工業株式会社製商品名)やケミノックスAC-6(NOKユニマテック株式会社製商品名)等のヘキサメチレンジアミンカルバメート、Diak No.3(ケマーズ(アメリカ)社製商品名)や加硫剤V-3(ダイキン工業株式会社製商品名)等のN,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、Diak No.4(ケマーズ(アメリカ)社製商品名)や加硫剤V-4(ダイキン工業株式会社製商品名)やケミノックスAC-9(NOKユニマテック株式会社製商品名)等の4,4’-ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメートなどが例示される。
また、受酸剤としてはポリオール加硫系と同様に高活性酸化マグネシウム、低活性酸化マグネシウム、リサージ(一酸化鉛)、酸化カルシウムなどが例示される。
前記パーオキサイド加硫系のフッ素ゴムとしては、加硫剤の添加されていない生ゴムタイプのフッ素ゴム例えば、ダイエルG-801、G-901、G-902、G-912(以上、ダイキン工業株式会社製商品名)、ダイニオンFC-2260、FC-2690、FLS-2650(以上、スリーエムジャパン株式会社製商品名)、バイトンGF、GFLT、GLT(以上、ケマーズ(アメリカ)社製商品名)100重量部に対してジ-t-ブチルパーオキシアルカンのような過酸化物0.5~6重量部程度とトリアリルイソシアヌレート(TAIC)2~8重量部程度との組み合わせで構成される。この加硫系は熱により過酸化物が分解し、生成したメチルラジカルがタイクと反応し、これがフッ素ゴムポリマー中のハロゲンを引き抜き架橋点を形成するものである。
前記アクリルゴムの加硫剤としては、アンモニウムベンゾエート加硫の場合には、バルノックAB(大内新興化学工業株式会社製商品名)の如き安息香酸アンモニウムなどが例示され、ベースゴム100重量部に対して0.5~4重量部程度添加される。ジチオカルバミン酸塩加硫の場合には、アクセルPZ(川口化学工業株式会社製商品名)の如きジメチルジチオカルバミン酸亜鉛などが例示され、ベースゴム100重量部に対して0.5~2重量部程度添加される。アミン加硫の場合には、Diak No.1(ケマーズ(アメリカ)社製商品名)の如きヘキサメチレンジアミンカルバメート、Diak No.3(ケマーズ(アメリカ)社製商品名)の如きN,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、ノクセラーH(大内新興化学工業株式会社製商品名)の如きヘキサメチレンテトラミンなどが例示され、アクリルゴム100重量部に対して0.3~3重量部程度添加される。鉛丹/2-メルカプトイミダゾリン加硫の場合には、鉛丹(四酸化三鉛,Pb)をアクリルゴム100重量部に対して5重量部程度とアクセル22-S(川口化学工業株式会社製商品名)の如きエチレンチオウレア(2-メルカプトイミダゾリン)をアクリルゴム100重量部に対して2~4重量部程度とが共に添加される。金属石けん/硫黄加硫の場合には、金属石鹸としてSNA-100(堺化学工業株式会社製商品名)の如きステアリン酸ナトリウムおよびSPO-100(堺化学工業株式会社製商品名)の如きステアリン酸カリウムの少なくとも一方をアクリルゴム100重量部に対して2~4重量部程度と硫黄をアクリルゴム100重量部に対して0.2~0.6重量部程度とが共に添加される。なお、アクリルゴムの加硫系としては、これらの組み合わせに限定されるものではなく、周知の加硫剤がしようできることは勿論である。
前記各ゴムには、配合剤の混合・分散を助け、圧延、押し出しなどの成形作業を容易にし、未加硫ゴムの粘着性を増し、成形しやすくするために、必要に応じて、ベースゴム100重量部に対して0~30重量部程度の軟化剤もしくは可塑剤が添加される。この軟化剤もしくは可塑剤は、ゴムとの相溶性に配慮する必要があり、そのため、パラフィン系オイルやナフテン系オイルや芳香族系オイルなどの使用が良好である。
前記パラフィン系オイルの軟化剤としては、ダイアナプロセスオイルPW-32、PW-90、PW-150、PW-380、PS-32、PS-90、PS-430、PX-32、PX-90(以上、出光興産株式会社製商品名)、スタノール40、43N、52、69、149、LP40、LP69、フレクソン845(以上、エッソ石油株式会社製商品名)、シンタックPA-95、PA-100、PA-140(以上、神戸油化学工業株式会社製商品名)、コスモプロセス10、40、40C(以上、コスモ石油株式会社製商品名)、ルブフレックス26、100、400(以上、シェルジャパン株式会社製商品名)、共石プロセスP-200、P-300、P-500(以上、日鉱共石株式会社製商品名)、サンパー(Sunper)110、115、120、130、150、180、2100、2210、2280(以上、日本サン石油株式会社製商品名)、フッコールP-200、P-400、P-500(以上、富士興産株式会社製商品名)、三菱10、三菱12(以上、三菱石油株式会社製商品名)などが例示される。
前記ナフテン系オイルの軟化剤としては、ダイアナプロセスオイルNS-24、NS-100、NM-26、NM-68、NM-150、NM-280、NP-24、NU-80、NF-90(以上、出光興産株式会社製商品名)、エッソプロセスオイル725、765(以上、エッソ石油株式会社製商品名)、シンタックN-40、N-60、N-70、N-75、N-85(以上、神戸油化学工業株式会社製商品名)、シェルフレックス371JY、371N、451、N-40、22、22R、32R、100R、100S、100SA、220RS、220S、260、320R、680(以上、シェルジャパン株式会社製商品名)、共石プロセスR-50、R-200、R-1000(以上、日鉱共石株式会社製商品名)、サンセン(Sunthene)310、380、410、415、420、430、450、480、3215、4130、4240、CiroLight R.P.O.(以上、日本サン石油株式会社製商品名)、コウモレックス2号(日本石油株式会社製商品名)、フッコール1150N、1400N(以上、富士興産株式会社製商品名)、三菱20(三菱石油株式会社製商品名)、ナプレックス32、38(以上、モービル石油株式会社製商品名)、ペトレックスPN-3(山文油化株式会社製商品名)などが例示される。
前記芳香族オイルの軟化剤としては、ダイアナプロセスオイルAC-12、AC-460、AE-24、AE-50、AE-200、AH-16、AH-58(以上、出光興産株式会社製商品名)、エッソプロセスオイル110、120(以上、エッソ石油株式会社製商品名)、シンタックHA-10、HA-15、HA-30、HA-35(以上、神戸油化学工業株式会社製商品名)、コスモプロセス40A(コスモ石油株式会社製商品名)、デュートレックス729UK、739(以上、シェルジャパン株式会社製商品名)、共石プロセスX100-A、X100(以上、日鉱共石株式会社製商品名)、JSO Aroma790(日本サン石油株式会社製商品名)、コウモレックス300、700(以上、日本石油株式会社製商品名)、アロマックス#1、#3、#5(以上、富士興産株式会社製商品名)、ヘビープロセス油 三菱34、三菱38、三菱44(以上、三菱石油株式会社製商品名)、モービルゾール K、22、30、130(以上、モービル石油株式会社製商品名)、ペトレックスLPO-R、LPO-V、PF-1、PF-2(以上、山文油化株式会社製商品名)などが例示される。
前記可塑剤としては、レオフレックス9P(シェルジャパン株式会社製商品名)やダイヤサイザー11,99(以上、三菱化成ビニル株式会社製商品名)の如き高級アルコール・フタレート、DIOP(Wacker-Chemie(ドイツ)社製商品名)の如きジイソオクチル・フタレート(DIOP)、サンソサイザーDOS(新日本理化株式会社製商品名)の如きジ-(2-エチルヘキシル)セバケート、Alizona208(Alizona Chem(アメリカ)社製商品名)の如きイソオクチル・トール油脂肪酸エステル、TBP(大八化学工業株式会社製商品名)の如きトリエチル・フォスフェート(TBP)、TBEP(大八化学工業株式会社製商品名)の如きトリブトキシエチル・フォスフェート(TBEP)、サンソサイザーTCP(新日本理化株式会社製商品名)の如きトリクレジル・フォスフェート(TCP)、CDP(大八化学工業株式会社製商品名)の如きクレジル・ジフェニクル・フォスフェート(CDP)、Koremoll CE5422(BASF(ドイツ)社製商品名)の如きジフェニルアルカン、チオコール TP-95(Morton International(アメリカ)社製商品名)の如きジ(ブトキシエトキシエチル)アジペートなどが例示される。
前記軟化剤および可塑剤は、通常1~2種類が適時使用される。また、黒サブ、白サブ、飴サブ、ゴールデンファクチス、ネオファクチス、無硫黄ファクチス(以上、天満サブ化工株式会社製商品名)の如きサブ(ファクチス)も併用使用できる。
前記各ゴムには、適度の高強度加硫物を得るために、必要に応じて、ベースゴム100重量部に対して0~200重量部、好ましくは10~130重量部程度の補強性充填剤が添加される。
前記補強性充填剤としては、カーボンブラックが一般的で、これには、ショウブラックN330(昭和キャボット株式会社製商品名)の如きHAFカーボン(ASTM N330)、シースト116(東海カーボン株式会社製商品名)の如きMAFカーボン、旭#60(旭カーボン株式会社製商品名)やシーストSO(東海カーボン株式会社製商品名)の如きFEFカーボン(ASTM N550)、旭#55(旭カーボン株式会社製商品名)の如きGPFカーボン(ASTMN660)、旭#50(旭カーボン株式会社製商品名)の如きSRFカーボン(ASTM N774)、旭サーマル(旭カーボン株式会社製商品名)やHTC#20(中部カーボン株式会社製商品名)やTharmax MT(Can Carb(カナダ)社製商品名)の如きMTカーボン(ASTM N990)などが例示される。
また、補強性充填剤としてカーボンブラック以外に無機補強剤を単独もしくは併用使用でき、これには、アエロジル130、200、300、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COX84、R972、R974(以上、日本アエロジル株式会社製商品名)やレオロシールQS13、QS30、QS38、QS102(以上、株式会社トクヤマ製商品名)の如き乾式シリカ、カープレックス#67、#80、#100、#1120、XR、22S、CS-5、CS-7(以上、シオノギ製薬株式会社製商品名)やシルトンA、R-2(以上、水沢化学工業株式会社製商品名)やトクシールAL-1、Gu、U、UR、US(以上、株式会社トクヤマ製商品名)やニップシールAQ、ER、LP、NA、NP、NS-K、VN-3(以上、日本シリカ株式会社製商品名)やUltrasil VN3(Degussa(ドイツ)社製商品名)やHi-Sil233(PPG Industries(アメリカ)社製商品名)の如き湿式シリカ、白艶華CC、DD、O、U(以上、白石工業株式会社製商品名)の如き活性化炭酸カルシウム、白艶華A、AA(以上、白石工業株式会社製商品名)の如き特殊炭酸カルシウム、ミストロンペーパー(日本ミストロン株式会社製商品名)の如きマグネシウム・シリケート、ハイトロン、ハイトロンA、ミクロライト、US-100、US-150S、US-150SS、ハイラック、ハイラックSS(以上、竹原化学工業株式会社製商品名)の如きけい酸マグネシウム、ウィンナークレーA(ハードクレー:川茂株式会社製商品名)やハードトップクレー、ソフトクレー、クラウンクレー(以上、白石カルシウム株式会社製商品名)やシルカナイト、NNクレー、スペシャル・カオリンクレー、ハードブライト、5号クレー、SPMAクレー、ユニオンクレーRC-1、グロッマクスLL、ハイドライトPX(以上、竹原化学工業株式会社製商品名)やJP-100カオリン、5Mカオリン、NNカオリン、ハードシル、STカオリン、カルタボ(以上、土屋カオリン工業株式会社製商品名)の如きクレー(けい酸アルミニウム)、ST-100、ST-200、ST-301(以上、白石カルシウム株式会社製商品名)やNulok321、Nucap100、Nucap190、Nucap200、Nucap390(以上、J.M.Huber(アメリカ)社製商品名)やBurgess KE、CB、5178、2211(以上、Burgess Pigment(アメリカ)社製商品名)の如きシラン改質クレーなどが例示される。
前記各ゴムには、寸法安定性や低価格などを目的として、必要に応じて、ベースゴム100重量部に対して5~200重量部、好ましくは10~100重量部程度の増量充填剤が添加される。
前記増量充填剤としては、Green Ball(井上石灰工業株式会社製商品名)やタマパールTP-121、TP-121R、TP222H、TP-222HS、TP-123、TP-123CS(以上、奥多摩工業株式会社製商品名)やシルバーW(白石工業株式会社製商品名)の如き軽質炭酸カルシウム、ホワイトロンSSB、SB、S(以上、白石カルシウム株式会社製商品名)やサンライト#100、#300、#700、#800、#1000、#1500、#2000、#2200、#2500(以上、竹原化学工業株式会社製商品名)やNS#100、NS#200、NS#400、NS#600、NS#1000、NS#2300、NS#2500、NS#2700、NS#3000、SS#30、SS#80、NN#200、NN#500(以上、日東粉化工業株式会社製商品名)やスーパーS、SS、SSS、4S、#1500、#1700、#2000(以上、丸尾カルシウム株式会社製商品名)の如き重質炭酸カルシウム、JET-S(浅田製粉株式会社製商品名)やタルクGTA、CTA1、CTA2、微粉タルク(以上、クニミネ工業株式会社製商品名)やMS、MS-P、MS-A、ND、SW、SW-E、SWA、SWB、SSS、SS、S(以上、日本タルク株式会社製商品名)などのタルク(滑石)、クリスタライトAA、VX-S、VX-S-2、VX-SR(以上、株式会社龍森製商品名)やMin-U-Sil 5、10、15、30(以上、U.S.Silica(アメリカ)社製商品名)やImsil A-10、A-15、A-25、A-108(以上、Illinois Minerals(アメリカ)社製商品名)の如き石英粉、JA-30W、325M(以上、浅田製粉株式会社製商品名)やハイコンA-60、S-4(以上、土屋カオリン工業株式会社製商品名)やNYAD325、400、1250、G(以上、NYCO(アメリカ)社製商品名)の如きウォラストナイト(メタけい酸カルシウム)、亜鉛華1号(堺化学工業株式会社製商品名)の如き酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、二流化モリブデンなどが例示され、通常は1~数種類が補強性充填剤と共に併用される。
前記各ゴムには、ゴム練り性や押し出し性の改善のために、必要に応じて、ベースゴム100重量部に対して0.3~5重量部程度の滑剤や内部離型剤を添加することができるが、あまり多量の添加はブルームやブリードや融合不良などを引き起こすので、種類にもよるが、通常は0.5~1重量部程度添加される。
前記滑剤や内部離型剤としては、三井ハイワックス100P、110P、200P、210P、220P、320P、420P(以上、三井石油化学工業株式会社製商品名)の如き低分子ポリエチレン、ルナックS-20、S-30、S-40(以上、花王株式会社製商品名)やFA-KR(日油株式会社製商品名)やアデカ脂肪酸SA-20、SA-300、SA-400(以上、旭電化株式会社製商品名)の如きステアリン酸、プラストロジン、プラストロジンS(以上、藤沢薬品工業株式会社製商品名)の如き脂肪酸アミド、アーモワックスEBS(ライオン・ヌーリオン株式会社製商品名)の如き脂肪酸窒素誘導体、Aflex42(Rein Chemil(ドイツ)社製商品名)の如き極性化合物と界面活性剤の混合物、StruktolA60(Schill&Seillacher(ドイツ)社製商品名)の如き高級不飽和脂肪酸亜鉛、StruktolEF44(Schill&Seillacher(ドイツ)社製商品名)の如き特殊脂肪酸亜鉛、Struktol WB16(Schill&Seillacher(ドイツ)社製商品名)の如き脂肪酸カルシウムと脂肪酸アミドの混合物、Struktol WB42(Schill&Seillacher(ドイツ)製商品名)の如き脂肪酸エステルと脂肪酸金属塩の混合物、Struktol WB212(Schill&Seillacher(ドイツ)社製商品名)の如き高級脂肪酸エステル水和物と無機キャリアの混合物、Struktol WB222(Schill&Seillacher(ドイツ)社製商品名)の如き多価アルコール脂肪酸エステル、Struktol WS180(Schill&Seillacher(ドイツ)社製商品名)の如き有機シリコーン縮合物、Struktol W33FL(Schill&Seillacher(ドイツ)社製商品名)の如き高分子量天然脂肪族アルコールと脂肪族石鹸を不活性フィラーに処理した混合物、パラフィンワックス、モンタンワックスなどが例示される。
本実施形態において図1に示すオイルシール1は、前記ゴム組成物を所定構造の金型を用いて加硫成型することにより作製される。ここで前記ゴム組成物によりなる弾性体部2は、金型内において金属製の補強環3と一体に加硫接着される。この場合、補強環3に予め接着剤を塗布しておくことで、加硫成型と同時に当該接着剤によって弾性体部2と補強環3とが接着される。
この弾性体部2と金属製の補強環3の接着に用いられる接着剤の選択は肝要であり、ゴムの種類との組み合わせに注意する必要がある。この接着剤としては、フェノール樹脂系接着剤とシラン系接着剤が例示される。
前記フェノール樹脂系接着剤とは、フェノール樹脂であるノボラックやレゾールをイソシアネートやヘキサメチレンテトラミンなどの硬化剤と充填剤を加えて20~40重量%程度のケトンあるいはアルコール系溶液としたものであり、ゴムの種類としてNBR、HNBR、アクリルゴムなどに適用可能である。このフェノール樹脂系接着剤としては、ケムロック205、218、タイプライBN、TS1677-13(以上、ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド製商品名)、シクソンP6-1、P-7、P-15S、715、715A/B、718/720(以上、株式会社モートン・インターナショナル製商品名)、メタロックN-10、N-20、P(以上、株式会社東洋化学研究所製商品名)などが例示される。
前記シラン系接着剤とは、シランカップリング剤をメタノールなどの有機溶剤に1~20重量%程度溶解させたものであり、接着剤組成にもよるがゴムの種類としてシリコーンゴム、フッ素ゴム、過酸化物加硫のNBR、過酸化物加硫のHNBR、過酸化物加硫のEPDM、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴムなどに適用可能である。
このシラン系接着剤としては、ケムロック 5150、607、608、7701、AP131、AP132、AP133、AP134、AP1751、Y1520A、Y1530、Y1540、KP1001、KP1002、Y4310、Y5323(以上、ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド製商品名)、メタロック S-2、S-5、S-7、S-10A(以上、株式会社東洋化学研究所製商品名)、シクソン AN-187、304、305(以上、株式会社モートン・インターナショナル製商品名)、ビスロック#150、#170、#180、#181、#200(以上、株式会社日栄化学製商品名)、モニカス CF-5M、QZR-48、100(以上、株式会社横浜高分子研究所製商品名)、DY39-011、DY39-012、DY39-051A/B、DY39-067、DY39-089、DY39-092、DY39-095、SH2260、プライマーX/Y(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製商品名)、プライマーNo.4、No.8、No.16、No.16T、No.18B、No.101A/B(以上、信越化学工業株式会社製商品名)などが例示される。
なお、シラン系接着剤には、被着体との接着性を向上させるためにチタンカップリング剤を0.5~10重量%程度添加して使用してもよい。
前記シランカップリング剤としては、ゴムと被着体とを接着させるために、ゴムと反応する官能基を有するものであればよく、特に限定されるものではない。
例えば、過酸化物加硫型シリコーンゴムに対しては、ビニル基やメルカプト基等の官能基を有するシランカップリング剤、付加型シリコーンゴムに対しては、ビニル基やアルコキシ基等の官能基を有するシランカップリング剤、過酸化物加硫型EPDMに対しては、ビニル基、メルカプト基およびアミノ基等の官能基を有するシランカップリング剤等を使用し得る。
この種の官能基を有するシランカップリング剤としては、ビニルシラン、アミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、クロロプロピルシラン、アルコキシシラン、クロロシラン等が例示される。
この種のシランカップリング剤の具体例をあげると、例えば、ビニルシランとしては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が例示される。
そして、アミノシランとしては、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-〔N´-β-(アセトキシエチル)-β-アミノエチル〕-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-〔N´-β-(アミノエチル)-β-(アミノエチル)〕-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(フェニルメチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等が例示される。
さらに、エポキシシランとしては、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が例示される。
また、メルカプトシランとしては、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が例示される。
また、クロロプロピルシランとしては、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ-クロロプロピルメチルジエトキシシラン等が例示される。
また、アルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が例示される。
また、クロロシランとしては、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルクロロジシラン、トリフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等が例示される。
また、上述した各種のシランカップリング剤の部分加水分解縮合物等も使用し得る。
さらに、上述したシランカップリング剤を数種類組み合わせても使用し得る。例えば、ビニルトリエトキシシランの如きビニルシランとγ-アミノプロピルトリエトキシシランの如きアミノシランを併用することにより、過酸化物加硫型シリコーンゴム、過酸化物加硫型フッ素ゴム、アミン加硫型フッ素ゴム、過酸化物加硫型EPDM、過酸化物加硫型NBR、過酸化物加硫型HNBR、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴムなどと接着させることができる。
なお、ゴムの種類、例えば、付加型のシリコーンゴムなどにおいては、必ずしもシランカップリング剤を必要としないで、チタンカップリング剤を主体としたプライマー組成物により強固な接着が可能である。勿論、この場合においても、シランカップリング剤を併用してもよい。
一方、過酸化物加硫型のシリコーンゴム等では、通常シランカップリング剤を併用しなければ強固な接着は得られない。
前記チタンカップリング剤は、水の存在ですみやかに加水分解を受け、重縮合物を生成し、透明な酸化チタン膜を形成することにより被着体への接着性を向上させる作用を有するアルコキシチタニウムエステル、チタニウムキレートおよびチタニウムアシレートなどを使用し得る。
この種のチタンカップリング剤の具体例としては、テトラ-i-プロピルチタネート、テトラ-n-ブチルチタネート、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート、チタニウムラクテートアンモニウム塩、チタニウムラクテートエチルエステル、オクチレングリコールチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジ-トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が例示され、それぞれ単独もしくは2種以上混合して用いられる。
上述した接着剤は、図1に示すオイルシール1の加硫成型工程において、先に金属製の補強環3に塗布されるものであるが、このとき補強環3は、予めサンドブラストなどで表面を活性化させるか、リン酸処理皮膜を形成させた後にメチレンクロライドなどで脱脂した状態で接着剤が塗布され、必要に応じて80~190℃で10~120分程度で焼成してから使用される。
続いて、本発明の実施形態であるオイルシールのより具体的な実施例を以下に示す。
[実施例1]
本発明によるゴム組成物として、フッ素ゴム(FC2176:スリーエムジャパン株式会社製商品名)を100重量部、カーボンブラックとしてTharmax MT(Can Carb(カナダ)社製商品名)を10重量部、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を5重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を18重量部、高活性酸化マグネシウムとしてキョーワマグ150を3重量部、水酸化カルシウムとしてカルビット(近江化学工業株式会社製商品名)を6重量部をそれぞれの割合で計量し、これらを周知のゴムロールで混練りして未加硫のゴムを用意した。
そして、当該ゴムを所定構造の金型を用いて加硫成型することにより、図1に示す如きオイルシール(内径:30mm、外径:47mm、厚さ:7mm)を作製した。なお、このオイルシールにおいて弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は78度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例2]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を18重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を5重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は81度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例3]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を15重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を8重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は80度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例4]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を8重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を15重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は79度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例5]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を3重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を20重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は78度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例6]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)は5重量部のままで、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を3重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は75度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例7]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)は5重量部のままで、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を5重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は75度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例8]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)は5重量部のままで、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を10重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は76度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例9]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)は5重量部のままで、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を20重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は78度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例10]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)は5重量部のままで、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を30重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は80度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例11]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を15重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を3重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は79度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例12]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を15重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を5重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は79度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例13]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を15重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を10重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は80度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例14]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を15重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を20重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は82度(JIS A、3秒後)であった。
[実施例15]
実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を15重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を30重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は84度(JIS A、3秒後)であった。
[比較例1]
前記実施例との比較のために、実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を20重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を3重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は82度(JIS A、3秒後)であった。
[比較例2]
前記実施例との比較のために、実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土は0重量部、弁柄を23重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は77度(JIS A、3秒後)であった。
[比較例3]
前記実施例との比較のために、実施例1のゴム組成物の配合から、カーボンブラックとしてTharmax MT(Can Carb(カナダ)社製商品名)を35重量部、珪藻土と弁柄は0重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は81度(JIS A、3秒後)であった。
[比較例4]
前記実施例との比較のために、実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を5重量部、弁柄は0重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は74度(JIS A、3秒後)であった。
[比較例5]
前記実施例との比較のために、実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を5重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を40重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は83度(JIS A、3秒後)であった。
[比較例6]
前記実施例との比較のために、実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を15重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を0重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は78度(JIS A、3秒後)であった。
[比較例7]
前記実施例との比較のために、実施例1のゴム組成物の配合から、珪藻土としてラジオライト マイクロファイン(昭和化学工業株式会社製商品名)を15重量部、弁柄としてバイフェロックス120M(ランクセス社製商品名)を40重量部に変更した。なお、この場合オイルシールの弾性体部を形成するフッ素ゴムのゴム硬度は87度(JIS A、3秒後)であった。
以上の実施例1~15、比較例1~7につき、オイルシールの性能試験(試験1)およびゴムの常態物性試験(試験2)を行った。
オイルシールの性能試験(試験1)は、オイルシールを高速回転試験機に取り付けて正回転で16,000rpmの条件で回転試験を行った後、逆回転で1,600rpmの条件で回転試験を行い、その後にオイル漏れの有無を目視で確認した。
ゴムの常態物性試験(試験2)は、JIS K6251,JIS K6253に準拠して、2mm厚のゴムのテストピースにより、硬さ、引張強さ、伸び、100%応力を評価した。
その試験結果を表1~3に示す(表が大きいため3分割)。
表1~3は、フッ素ゴム、配合材(MTカーボン、珪藻土、弁柄)の数値を、上記説明した実施例1~15毎に表している。また、表1の試験2は、実施例1~15における硬さ(ShoreA)、引張強さ(Mpa)、伸び(%)、100%応力(Mpa)の数値を表している。
Figure 2024070843000002
Figure 2024070843000003
Figure 2024070843000004
表1~3に示す試験1に表されている試験結果から明らかなように、特定の配合を採用することにより、本発明に係る実施例1~15のオイルシールでは、逆回転の作動後にオイル漏れは認められなかった(一部の実施例では極く僅かなオイル滲み(★印参照)があったものの、オイル漏れは認められなかった。)。従って、いずれの実施例においても良好な密封性を維持できていることが判明した。
表4~5は、フッ素ゴム、配合材(MTカーボン、珪藻土、弁柄)の数値を、上記説明した比較例1~7毎に表している。また、表1の試験2は、比較例1~7における硬さ(ShoreA)、引張強さ(Mpa)、伸び(%)、100%応力(Mpa)の数値を表している。
Figure 2024070843000005
Figure 2024070843000006
本発明に係る実施例1~15に対して、表4~5に示す(表が大きいため2分割)、比較例1~7のオイルシールでは、いずれも逆回転の作動後にオイル漏れが認められ、良好な密封性を維持することが困難であることが判明した。
以上の実施例および比較例の結果から、ゴム100重量部に対する珪藻土の配合量を3~18重量部(好ましくは5~15重量部)、弁柄の配合量を3~30重量部(好ましくは5~20重量部)とすることで、両回転用オイルシールにおいて良好な密封性を維持できることが確認された。
以上に説明した如く本発明は、ゴム100重量部に対して、珪藻土を3~18重量部(好ましくは5~15重量部)と金属酸化物を3~30重量部(好ましくは5~20重量部)配合したゴム組成物であり、これを両回転用オイルシールに適用することで、正・逆いずれの回転においてもオイル漏れが生じることがなく、良好にオイルを密封し続けることが可能な信頼性の高い両回転用オイルシールを提供することができる。
なお、本発明は、両回転用オイルシールに限ることなく、一方向のみの回転に対応した通常のオイルシールに適用しても密封性の向上に大きな効果が得られるものである。
さらに本発明は、オイルシール以外にも、例えばピストンリング、バルブパッキン、バルブステムシール、フリクションダンパー、弾性軸受などの各種製品における摺動部位に適用することができる。
1 オイルシール(弾性複合材)
2 弾性体部(ゴム)
3 補強環(金属材)
4 ガータースプリング
5 回転軸(両回転)

Claims (7)

  1. ゴム100重量部に対して、珪藻土を3~18重量部と金属酸化物を3~30重量部配合したことを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記ゴムがフッ素ゴムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記金属酸化物が弁柄であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物を金属材と接着してなることを特徴とする弾性複合材。
  5. 請求項1又は請求項3に記載のゴム組成物を金属材と接着してなることを特徴とする弾性複合材。
  6. 正・逆両回転用オイルシールであることを特徴とする請求項4に記載の弾性複合材。
  7. 正・逆両回転用オイルシールであることを特徴とする請求項5に記載の弾性複合材。
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