JPH10156354A - 水処理用膜分離装置 - Google Patents

水処理用膜分離装置

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JPH10156354A
JPH10156354A JP31784296A JP31784296A JPH10156354A JP H10156354 A JPH10156354 A JP H10156354A JP 31784296 A JP31784296 A JP 31784296A JP 31784296 A JP31784296 A JP 31784296A JP H10156354 A JPH10156354 A JP H10156354A
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water
membrane
pressure
backwash
backwashing
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JP31784296A
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English (en)
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Tadashi Takadoi
忠 高土居
Moriyuki Hirota
守之 広田
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜モジュールの薬品洗浄頻度を低減する。 【解決手段】 圧力計P−1,P−2,P−3によって
膜モジュール4の差圧を検出すると共に、流量計F−1
によって透過水量を検出し、温度計T−1によって水温
を検出する透過水量を基準差圧及び基準温度の水量に換
算し、この換算水量に基づいて逆洗水圧を制御する。 【効果】 膜汚染が進行しても逆洗流速を一定として効
果的な逆洗を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水処理用膜分離装置
に係り、特に、膜モジュールの透過水量(フラックス)
の低下量に応じて、適正な逆洗水圧で逆洗し透過水量を
安定に維持することができるようにした水処理用膜分離
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MF(精密濾過)膜分離装置又はUF
(限外濾過)膜分離装置等の膜分離装置を固液分離手段
として用いる場合、膜の目詰りにより低減した透過水量
を回復させるために、一般に、数分〜数時間の原水通水
工程と、数秒〜数分の処理水又は別の洗浄用水による膜
の逆流洗浄(逆洗)工程とを交互に繰り返し行うことに
より運転が行われている。
【0003】また、膜分離装置の運転時間の経過と共
に、逆洗を行っても透過水量が十分には回復しないよう
になる。そこで、例えば数十日〜数百日毎に膜を薬品で
洗浄し、透過水量を新膜と同等程度まで回復させるよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来では、膜モジュー
ルの2次側から1次側へ処理水又は別の洗浄用水を逆流
させて逆洗する逆流圧力(逆洗水圧)は、1次側の圧力
よりも0.5〜2.0kg/cm2 程度高い一定圧力と
されている。
【0005】このように一定の圧力で洗浄水を逆流させ
た場合、この逆洗時における膜層内流速(以下「膜層内
逆洗流速」と称す。)は、薬品洗浄直後の通水再開直後
(運転期間初期)では大きいが、次の薬品洗浄直前の運
転期間終期に近づくほど膜汚染で逆洗水の流通が妨害さ
れるため、次第に小さくなる。そして、膜層内逆洗流速
が小さくなることにより、逆洗効果が弱くなり、逆洗に
よる膜の回復率が低下し、透過水量低下がますます進行
するようになる。
【0006】本発明はこのような問題点を解決し、逆洗
によって透過水量を十分に回復させることができ、薬品
洗浄頻度も大幅に低減させることができる水処理用膜分
離装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の水処理用膜分
離装置は、1次側に原水が流通され、2次側から透過水
が取り出される膜モジュールと、該膜モジュールの2次
側へ逆洗水を供給して該膜モジュール内の分離膜を逆洗
する逆洗手段とを備えてなる水処理用膜分離装置におい
て、該分離膜の透過差圧又は透過水量に応じて、前記逆
洗手段の逆洗水圧を調節するようにしたことを特徴とす
る。
【0008】かかる本発明においては、膜モジュールの
透過差圧又は透過水量(フラックス量)に応じて逆洗手
段の逆洗強さを調節することにより、膜汚染が進行して
も、膜層内逆洗流速を大きくすることができ、透過水量
を効果的に回復させ、次の薬品洗浄に到る運転期間を大
幅に増大させることができる。
【0009】請求項2の水処理用膜分離装置は、1次側
に原水が流通され、2次側から透過水が取り出される膜
モジュールと、該膜モジュールの2次側へ逆洗水を供給
して該膜モジュール内の分離膜を逆洗する逆洗手段と、
該膜モジュールの透過水の流量を検出する透過水量検出
手段と、該膜モジュールの1次側と2次側との差圧を検
出する差圧検出手段と、原水又は透過水の温度を検出す
る温度検出手段と、前記透過水量検出手段で検出された
透過水量を基準差圧及び基準温度における透過水量に換
算する演算手段と、該演算手段で演算された透過水量に
基いて、前記逆洗手段の逆洗水圧を制御する逆洗水圧制
御手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0010】請求項2の水処理用膜分離装置では、膜の
目詰りの程度を基準条件下透過水量として演算手段で算
出し、この値に基いて逆洗手段の逆洗水圧を制御する。
【0011】従って、膜の汚染の程度に応じて逆洗水圧
を調節することにより、膜層内逆洗流速を大きくして透
過水量を効果的に回復させ、次の薬品洗浄に到る運転期
間を大幅に増大させることができる。
【0012】即ち、通水を継続することで膜汚染が進行
し、膜の目詰りが著しくなったときには、膜汚染が少な
い運転期間初期よりも高い逆洗水圧で逆洗を行うことに
より、透過水量の回復率を高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の水
処理用膜分離装置の実施例を詳細に説明する。
【0014】図1は本発明の水処理用膜分離装置の実施
の形態を示す系統図である。
【0015】本実施例の水処理用膜分離装置は、排煙脱
硫排水の凝集処理液を固液分離するクロスフロー型膜モ
ジュールを備えるものであり、図中、1は凝集槽、2は
循環槽、3は循環ポンプ、4は膜モジュール、5は逆流
水ポット、6はコンプレッサー(圧縮空気源)、7は演
算部、8は制御部であり、P−1,P−2,P−3は圧
力計、T−1は温度計、F−1は流量計、20は自動圧
力調節バルブを示す。11〜18の各符号は配管を示
す。
【0016】原水は配管11より凝集槽1に導入され、
配管12より水酸化カルシウム(Ca(OH)2 )等の
pH調整剤、必要に応じてポリ塩化アルミニウム(PA
C)等の凝集剤が添加されて凝集処理される。凝集処理
液は、配管13、循環槽2、及び、循環ポンプ3を備え
る配管14を経て膜モジュール4に導入される。
【0017】この膜モジュール4内は、膜4cによって
1次側4aと2次側4bとに区画されている。
【0018】膜モジュール4の透過水は、配管15、逆
洗水ポット5、配管18を経て処理水として系外に排出
され、更に必要に応じて高度処理されるか、回収再利用
される。
【0019】膜モジュール4の循環水は配管16より抜
き出され、配管16Aより循環槽2に循環される。この
循環水の一部は配管16Bより凝集槽1に返送しても良
い。循環槽2からは、配管17より汚泥が引き抜かれ、
汚泥処理工程へ送られる。
【0020】このような原水の通水処理を数分〜数時間
行う毎に、膜モジュール4の逆洗を行う。膜モジュール
4の逆洗に当っては、逆洗水ポット5内の透過水を、自
動圧力調節バルブ20を介して設けられたコンプレッサ
ー6等で所定の圧力に昇圧して膜モジュール4に逆流さ
せて、膜の洗浄を行う。この逆洗は、別途逆洗ポンプを
用いて行っても良い。
【0021】膜モジュール4の原水流入配管14、循環
水の流出配管16及び透過水の取出配管15に、各々、
圧力計P−1,P−2,P−3が設けられている。ま
た、処理水の流出配管18には温度計T−1,流量計F
−1が設けられている。この流量計F−1としては、透
過水側の圧力の変動に耐え得る定流量弁内蔵型のものが
好ましい。なお、透過水側の圧力計P−1,温度計T−
1,流量計F−1の設置順位には特に制限はなく、圧
力、温度及び流量は同一箇所で検出するようにしても良
い。
【0022】これら圧力計P−1,P−2,P−3,温
度計T−1及び流量計F−1の検出値は、演算部7に入
力され、演算部7の演算結果は制御部8に入力され、制
御部8から自動圧力調節バルブ20の制御信号が出力さ
れる。
【0023】この実施の形態においては、操作圧力や水
温などが変動しても的確な逆洗圧力制御を行うために、
膜モジュールのフラックス量(透過水量)を基準状態
(透過膜差圧0.5kg/cm2 ,温度25℃)に換算
した値にて扱うものとする。そこで、まずこの基準状態
への換算方法について説明する。
【0024】一次側に原水が導入され、濃縮水は循環水
として循環され、透過水が二次側から取り出される膜モ
ジュールにおいて、原水流入側圧力P1 ,濃縮水(循環
水)流出側圧力P2 及び透過水流出側圧力P3 を測定
し、原水流入側圧力P1 と濃縮水流出側圧力P2 との平
均値((P1 +P2 )/2)を求める。この平均値から
下記(I)式の如く、透過水流出側圧力P3 を差し引い
て、時刻tにおける差圧ΔPt を求める。
【0025】
【数1】
【0026】この差圧ΔPt から、任意の基準差圧、例
えば0.5kg/cm2 に換算した透過水量Ft-0.5
求める。即ち、透過水量は差圧にほぼ比例することか
ら、下記(II)式により、膜差圧ΔPt 下での透過水量
の測定値Ft を膜差圧0.5kg/cm2 下での透過水
量Ft-0.5 に換算する。
【0027】
【数2】
【0028】一方、透過水量は、水温により影響を受け
るため、これを水温に基いて標準化するために、温度補
正を行う。この場合、温度変化による生成フロック(ケ
ーキ)の特性変化は小さく、主として温度変化に伴う液
粘性の増減による濾過抵抗の増減が透過水量に影響す
る。そこで、任意の基準温度(この場合、25℃)にお
ける透過水の粘度ρ25に対する検出時の温度における透
過水の粘度ρt の比によって透過水量を補正する。具体
的には、前記(II)式で求めた差圧0.5kg/cm2
に換算したときの透過水量Ft-0.5 に対し、下記(III)
式のようにこの比(ρ25/ρt )を乗算することによ
り、温度25℃,差圧0.5kg/cm2 の基準条件下
に換算した透過水量Ft-stand を算出する。
【0029】
【数3】
【0030】式(II)を式(III) に代入することによ
り、基準条件下での透過水量Ft-stand は下記(IV)式
の通りとなる。
【0031】
【数4】
【0032】この実施の形態においては、膜4cが経時
的に汚染してきた場合でも、逆洗時に汚染前と同量の逆
洗水が膜を通過するように逆洗水圧を高めるよう制御す
る。
【0033】一般に、膜の通水抵抗は通過水量(濾過運
転中であれば透過水量。逆洗時においては逆洗水の通過
水量)に反比例する。従って、膜が汚染して通水抵抗
(逆洗抵抗)が増大してきた場合でもそれまでと同一の
逆洗通過水量を確保するためには、膜通水抵抗に比例し
て逆洗差圧を増大させれば良い。
【0034】そこで、この実施の形態では、膜汚染によ
る逆洗抵抗増大量を透過フラックスの減少量によって算
出し、透過フラックス減少量に反比例して逆洗差圧を増
大させる。
【0035】具体的には、膜が目詰りして膜通水抵抗が
t時間後に初期値ΔP0 のnt 倍となった場合には、増
大した通水抵抗(nt −1)・ΔP0 分だけ逆洗差圧を
高める。つまり、逆洗水ポット5から膜モジュール4へ
供給する逆洗圧力を(nt −1)・ΔP0 分だけ高め
る。これにより、膜層内逆洗流速が常に一定となる。
【0036】これを数式で表すと、次の通りである。 (逆洗圧力)=(初期逆洗圧力)+(nt −1)・ΔP0 ………(V) この通水抵抗の増大は透過フラックス量(0.5at
m,25℃の基準状態に換算した透過フラックス量F
stand )によって算出される。薬品洗浄直後の時刻0か
ら時刻tまでにおける通水抵抗の増大比率nt は次の通
りである。
【0037】 nt =(F0-stand )/(Ft-stand ) ………(VI) ここで、F0-stand :t=0のときのフラックス量 Ft-stand :t=tのときのフラックス量 (V) 式を(VI)式に代入すると、次の(VII) 式の通りとな
る。 PBt=PB0+(n−1)・ΔP0 =PB0+[(F0-stand )/(Ft-stand )−1]・ΔP0 ……(VII) PBt: 時刻tで逆洗する場合の逆洗圧力 PB0: t=0(薬品洗浄直後)の逆洗圧力。このPB0
は原水水質、膜モジュールの型式等に応じて適宜設定し
ておけば良い。 ΔP0: t=0の透過差圧。なお、前記(I)式の通
り、ΔP0 =(P1 +P2 )/2−P3 であり、この場
合のP1 ,P2 ,P3 はt=0のときの圧力計P−1,
P−2,P−3の各検出値である。
【0038】時刻tにおいて、逆洗を行うときには、逆
洗圧力PBtは次のようにして設定される。まず、流量計
F−1の検出値Vt (m3 /日)と、膜モジュール4の
膜面積S(m2 )とから、時刻tにおける透過水量Ft
を次式によって算出する。 Ft =Vt /S(m3 /m2 ・日) そして、圧力計P−1,P−2,P−3の各検出値
1 ,P2 ,P3 と、温度計T−1で検出された温度か
ら求めた粘度から、前記(IV)式により、差圧0.5k
g/cm2 ,温度25℃に換算した基準条件下透過水量
0-stand 及びFt- stand を求める。また、t=0のと
きのP1 ,P2 ,P3 値からΔP0 を演算する。予め設
定しておいたPB0(初期逆洗圧力)と共にこれらの数値
を前記(VII)式に代入し、時刻tにおいて逆洗する際に
設定される逆洗圧力PBtを演算する。
【0039】この逆洗水ポット5内の圧力がこの逆洗圧
力PBtとなるように自動圧力調節バルブ20を制御す
る。
【0040】これにより、薬品洗浄後の経過時間(膜汚
染の進行)に係わらず、一定の膜層内逆洗流速による逆
洗を行って、膜の透過水量を効果的に回復させることが
できる。このため、薬品洗浄に到る運転期間は、大幅に
延長され、これにより、薬品洗浄の頻度が低減されて薬
品洗浄コストの低減を図ることが可能となる。
【0041】なお、本発明においては、基準条件下透過
水量Ft-stand の推移から、将来の基準条件下透過水量
を予測することができ、予め薬品洗浄が必要な基準条件
下透過水量を設定しておき、基準条件下透過水量F
t-stand がこの設定値にまで低下するときに薬品洗浄を
行うようにすることにより、膜の状況に応じた適切な薬
品洗浄を行える。また、基準条件下透過水量の低下を予
測して、薬品洗浄時期を予測し、的確な運転管理を行え
る。
【0042】なお、図示の水処理用膜分離装置は、本発
明の水処理用膜分離装置の一例であって、本発明は図示
のものに限定されるものではない。例えば、透過水の温
度の代りに原水の温度を測定して、或いは、透過水と原
水との両方の温度を測定して温度補正を行うことも可能
である。また、基準条件下透過水量に換算する際の基準
差圧や基準温度は0.5kg/cm2 ,25℃に限定さ
れず、例えば、1kg/cm2 ,20℃、その他の条件
でも良い。更に、逆洗は透過水を逆流させて行う他、洗
浄水ポットを別の用水源と連動させて、他の用水を洗浄
水として行っても良い。
【0043】上記説明では、逆洗時の膜層内逆洗流速が
一定となるように逆洗圧力を制御する方法を示したが、
この膜層内逆洗流速が次第に大きくなるように、即ち、
膜汚染の程度が増大する運転期間終期ほど大きな膜層内
逆洗流速で逆洗するように、逆洗圧力を制御するように
することもできる。
【0044】本発明の水処理用膜分離装置は、固液分離
のためのUF膜モジュール又はMF膜モジュールを備え
る水処理用膜分離装置、特にクロスフロー型膜モジュー
ルを備える水処理用膜分離装置に好適である。この膜モ
ジュールの型式には特に制限はなく、チューブラ型、浸
漬型等を採用できる。
【0045】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げて本発明をより
詳細に説明する。
【0046】実施例1 石炭火力発電所のスーツ分離型排煙脱硫排水(pH:
1.7,SS:370mg/L,SO4 :4800mg
/L,F:310mg/L)を原水とする凝集、膜分離
処理に当り、図1に示す水処理用膜分離装置を用いて逆
洗圧力の制御を行った。
【0047】凝集槽(容量20L)への原水流入量は2
00L/日とし、凝集槽においてはCa(OH)2 を添
加してpH6.2に調整して凝集処理した。凝集処理液
は、循環槽(容量20L)を経て、循環ポンプにより膜
モジュール(膜面積0.036m2 ,内径5.5mm×
長さ700mmのMF膜3本装填)に通水した。この膜
モジュールへの通水流速は2m/秒とし、濃縮液は、一
部(400L/日)を凝集槽へ返送し、残部を循環槽へ
戻した。循環槽からは、汚泥を20L/日で引き抜い
た。透過水は定流量弁で制御して5m3 /m2 ・日の一
定流量で取り出した。そして、このような原水の通水を
15分行う毎に、処理水(透過水)による逆洗を5秒間
行って運転を継続した。なお、初期逆洗圧力は2kg/
cm2 とした。
【0048】原水流入側圧力P1 ,濃縮水流出側圧力P
2 及び透過水流出側圧力P3 、透過水温度並びに透過水
流量を測定し、透過水流量の測定値と膜モジュールの膜
面積とから計算により各時点の透過水量Ft を求め、こ
の値と、圧力P1 ,P2 ,P3 の測定値、及び、各温度
における粘度とから、前記式(IV)より各時点での基準
条件下透過水量Ft-stand を算出した。
【0049】初期逆洗圧力PB0=2kg/cm2 ,初期
原水流入側圧力P1 と初期濃縮水流出圧力P2 との平均
値(P1 +P2 )/2=0.87kg/cm2 、初期透
過水流出側圧力P3 =0.685kg/cm2 、従っ
て、初期透過差圧ΔP0 =0.87−0.685=0.
185kg/cm2 より、初期逆洗差圧=1.13(=
2−0.87)kg/cm2 である。
【0050】この初期逆洗差圧=1.13kg/cm2
を維持できるように、前記(VII)式より逆洗圧力Px
算出し、自動圧力調節バルブ20を調節した。
【0051】即ち、例えば、薬品洗浄直後の基準条件下
透過水量F0-stand =12.0、通水開始30日後の基
準条件下透過水量F30-stand -t1=8.1であるから、
前記(VII)より、通水開始30日後の逆洗圧力P
B30 は、下記のように求めることができる。 PB30 =PB0+[(F0-stand )/(F30-stand)−1]・ΔP0 =2+[(12.0/8.1)−1]・0.185 =2+0.089 =2.089 従って、30日後においては、逆洗圧力2.089kg
/cm2 となるように自動圧力調節バルブ20を調節し
た。
【0052】このようにして逆洗圧力を制御した場合
の、基準条件下透過水量の経時変化及び逆洗圧力の設定
値を表1に示す。
【0053】また、1日当りの基準条件下透過水量の低
下量を算出し、基準条件下透過水量低下速度として表1
に併記した。
【0054】比較例1 実施例1において、逆洗圧力を2kg/cm2 で一定と
したこと以外は同様にして運転を行い、この場合の基準
条件下透過水量の経時変化、逆洗圧力の設定値(=2k
g/cm2 )及び基準条件下透過水量低下速度を表1に
示した。
【0055】
【表1】
【0056】表1より、本発明の水処理用膜分離装置に
よれば、膜モジュールの差圧又は透過水量に応じて逆洗
強さを調節して逆洗時の膜層内流速の低下を防止するこ
とにより、透過水量の低下速度を低減することができ、
これにより薬品洗浄に到る運転期間を延長して薬品洗浄
頻度を低減することができることがわかる。
【0057】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の水処理用膜
分離装置によれば、逆洗により膜を効果的に回復させて
透過水量を安定させることができ、これにより、薬品洗
浄に到る運転期間を実質的に延長することで薬品洗浄頻
度を低減することができる。このため、膜分離装置の稼
働効率の向上、薬品コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理用膜分離装置の実施の形態を示
す系統図である。
【符号の説明】
1 凝集槽 2 循環槽 3 循環ポンプ 4 膜モジュール 5 逆洗水ポット 6 コンプレッサー 7 演算部 8 制御部 20 自動圧力調節バルブ P−1,P−2,P−3 圧力計 T−1 温度計 F−1 流量計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次側に原水が流通され、2次側から透
    過水が取り出される膜モジュールと、該膜モジュールの
    2次側へ逆洗水を供給して該膜モジュール内の分離膜を
    逆洗する逆洗手段とを備えてなる水処理用膜分離装置に
    おいて、 該分離膜の透過差圧又は透過水量に応じて、前記逆洗手
    段の逆洗水圧を調節するようにしたことを特徴とする水
    処理用膜分離装置。
  2. 【請求項2】 1次側に原水が流通され、2次側から透
    過水が取り出される膜モジュールと、 該膜モジュールの2次側へ逆洗水を供給して該膜モジュ
    ール内の分離膜を逆洗する逆洗手段と、 該膜モジュールの透過水の流量を検出する透過水量検出
    手段と、 該膜モジュールの1次側と2次側との差圧を検出する差
    圧検出手段と、 原水又は透過水の温度を検出する温度検出手段と、 前記透過水量検出手段で検出された透過水量を基準差圧
    及び基準温度における透過水量に換算する演算手段と、 該演算手段で演算された透過水量に基いて、前記逆洗手
    段の逆洗水圧を制御する逆洗水圧制御手段と、を備えて
    なる水処理用膜分離装置。
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