JP3924919B2 - 水ろ過処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浄水場における水ろ過処理装置に関し、詳しくは膜モジュールの膜間差圧によって、膜モジュールの物理洗浄頻度を制御するようにした水ろ過処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来の水ろ過処理装置を用いた浄水場における全体の処理フローを示す図である。まず、河川水等の原水を着水井13で受水した後、前処理装置14および膜ろ過処理装置15にて原水中の細菌類を含む懸濁成分を除去する。前処理装置14は、原水中の夾雑物を除去する目的で配置されており、凝集剤添加装置やオートストレーナのような簡易型回転固液分離器が用いられている。
【0003】
また、原水中の溶解性有機物を除去する目的として、例えば、生物処理、オゾン処理、活性炭処理のような高度処理装置を、前処理装置14あるいは後処理装置として組み合わせて水処理を行うことが考えられている。膜ろ過処理装置15から得られた膜ろ過水は、塩素消毒を行うか、あるいは、膜ろ過水を、さらにその後処理を行った後に塩素消毒して、水道水とし給水需要者に供給される。一方、膜ろ過処理装置15から排出される膜洗浄排水は、排水池17に送られ、その上澄水は着水井13に返送され、汚泥は濃縮槽18に送られる。汚泥は濃縮槽18で濃縮され、その上澄水は着水井13に返送され、濃縮汚泥は脱水機19で脱水処理がなされる。
【0004】
従来の膜ろ過処理装置の処理フローは、図10,図11に示した通りである。図10は、デッドエンド(全量)ろ過の場合の処理フローであり、図11は、クロスフローろ過の場合の処理フローである。まず、図10で説明すると、被処理水は、供給ポンプ1によって供給水配管7を経て膜モジュール2へ送られ、透過水配管8から膜ろ過水が得られる。被処理水の供給水配管7には、供給水圧力センサ3、透過水配管8には透過水圧力センサ4がそれぞれ配置されている。洗浄手段11からの洗浄水は、洗浄水配管16を経て膜モジュール2に供給され、洗浄排水配管10から洗浄排水が排出される。図11では、さらに循環タンク6を備え、循環タンク6と膜モジュール2とが循環水圧力センサ5を備える循環配管9で接続されている。
【0005】
これらの膜ろ過処理装置では、膜モジュール2のろ過膜の目詰まりおよび固形物の堆積量を、供給水圧力センサ3と透過水圧力センサ4とでそれぞれ検出した供給水圧力と透過水圧力との差である膜間差圧を指標として、ろ過膜の洗浄工程を実施している。ろ過膜の目詰まり物質および堆積した固形物は、膜モジュール2を定期的に物理洗浄することによって、そのほとんどが除去される。このような物理洗浄操作を継続しながら、連続的に水ろ過処理が実施されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の膜ろ過処理装置では、水ろ過処理の連続運転の開始当初、膜の目詰まりの進行が少ない場合も、連続運転開始後長期間を経て目詰まりが進行した場合も、一律に定期的に物理洗浄を実施するという洗浄方法が採られている。その結果、連続運転開始当初の目詰まりの少ない場合も不必要に物理洗浄が実施されて、物理洗浄ポンプを駆動させるための動力コストが嵩むという問題があった。さらに、膜モジュールの運転を開始してから長期間が経過して、膜モジュールの目詰まりが進行し、それまでの物理洗浄頻度では目詰まりの十分な回復が図れなくなり、膜間差圧が急速に上昇する。このような状態を回避するには、膜モジュールの薬品洗浄もしくは膜モジュールの交換が必要となり、薬品費用や膜モジュールの交換費用を要することからランニングコスト高となるという問題があった。
【0007】
上記のような膜の目詰まり等により生じるこれらの問題点を解決するために、例えば図12に示したような水浄化システムがある。図12は、特開平7−204475号公報に開示された水浄化システムであり、原水が逆止弁20を経てポンプ21で昇圧されて膜モジュール22に送り込まれ、その透過水が透過水自動弁23を経て透過水タンク27に送り込まれる。透過しなかった供給水は、循環経路26を通り原水に合流される。膜モジュール22を透過した透過水は、フラックス測定器34を備える経路を経て透過水タンク27に送り込まれる。
【0008】
逆洗浄では、透過水タンク27の透過水がポンプ28で昇圧されて、逆洗自動弁29を備える逆洗経路30から膜モジュール22の透過水側に供給され、膜モジュール22を透過した濃縮水が洗浄水排出自動弁24を経て排出される。この物理洗浄設備以外に、膜モジュール22に付着する面付着物を分解除去する薬剤タンク31、薬品ポンプ32、逆止弁33からなる殺菌剤注入設備を備えている。膜モジュール22を透過した透過水流量(フラックス)は、フラックス測定器34からの出力を演算制御装置35に入力して測定される。このフラックスに対応して、逆洗水流量を変化させて逆洗工程が実施されている。
【0009】
この水浄化システムでは、膜の目詰まりにより生じるフラックスの変化によって物理洗浄水流量を変化させる方法が提示されている。しかし、この膜ろ過処理では、定流量ろ過運転ではないために得られる透過水流量が一定ではなく、浄水場等のように絶え間なく、安定した水量を処理して、確保しなければならない用途には適切ではない。さらに、膜モジュールの目詰まりが進行して透過水流量が減少した場合には、物理洗浄水流量を増加させるために、得られる正味の処理水量がさらに減少するという問題点もあった。
【0010】
また、同種の水浄化システムとして、特開平7−204476号公報に開示されたシステムがある。この水浄化システムでは、フラックスの減少率によって逆洗浄条件を演算する演算制御装置を有することが開示されている。しかし、この水浄化システムは、図12の水浄化システムと同様に、定流量ろ過運転ではないために得られる透過水量が一定ではなく、浄水場等のように絶え間なく、安定的な水量を得る必要がある場合には適切ではないという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を克服すべく鋭意研究の結果完成されたものであって、安定的に膜ろ過処理による処理水量を確保し得るとともに、目詰まりの進行が抑制され、膜ろ過処理における長期間経済的な連続運転を可能とする水ろ過処理装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、請求項1の発明は、被処理水を膜ろ過処理する水ろ過処理装置が、被処理水の膜に対する供給側圧力を検出する第1圧力センサと、被処理水の膜に対する透過側圧力を検出する第2圧力センサと、前記第1と第2圧力センサの出力が入力される制御装置と、前記制御装置からの制御信号に基づいて動作する前記膜の洗浄手段とを具備し、
前記制御装置が、前記第1圧力センサからの供給水圧力と前記第2圧力センサからの透過水圧力とによって膜間差圧を算出する膜間差圧算出手段と、
単位時間当たりの膜間差圧の変化率による膜間差圧上昇速度を算出する膜間差圧上昇速度算出手段と、
前記膜間差圧上昇速度算出手段から得られる膜間差圧の上昇速度に応じて、前記洗浄手段による膜の物理洗浄間隔を設定する物理洗浄間隔設定手段と、
を備えることを特徴とする水ろ過処理装置である。
この構成によれば、第1と第2圧力センサで供給水圧力と透過水圧力とを検出して、膜間差圧を計測するとともに、膜間差圧算出手段によって、膜間差圧上昇速度を算出し、膜間差圧膜と膜間差圧上昇速度とから物理洗浄頻度を変更して、最適な物理洗浄条件で物理洗浄が実施できるので、必要以上に膜を洗浄することによる膜の損傷が低減できるとともに、長期間に渡って一定の透過水量を確保することができる。
【0018】
上記のように、本発明の水ろ過処理装置は、一定量の処理水を確保し得ることを目的とし、被処理水を膜モジュールの膜の供給水側と透過水側の圧力を、各圧力センサより出力される各圧力値を制御装置に入力して、膜間差圧と膜間差圧上昇速度を算出し、それらの値を用いて最適な物理洗浄頻度を決定して、物理洗浄を実施するようにして、長期間に渡って一定量のろ過水量を確保するようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1,図2は、本実施形態の処理フローとその運転方法を説明するための制御系とが図示されている。図1の水ろ過処理装置は、デッドエンド(全量)ろ過の場合を示し、図2はクロスフローろ過の場合を示している。これらの水ろ過処理装置が処理する被処理水は、河川水や地下水や湖沼水または浄水場内で発生する沈殿池汚泥、砂ろ過逆洗排水、活性炭逆洗排水、膜ろ過逆洗排水等の各種排水を対象としている。
【0020】
図1の水ろ過処理装置は、被処理水をろ過する膜モジュール2と、被処理水を昇圧して膜モジュール2へ供給するための供給ポンプ1と、供給水の圧力を測定するための供給水圧力センサ3と、透過水の圧力を測定するための透過水圧力センサ4と、膜モジュール2を洗浄する洗浄手段11と、各圧力センサの出力信号を取り込んで各圧力値を計測して膜間差圧を算出し、洗浄手段11をそれぞれ定められた頻度で実行するための制御信号を出力する制御装置12と、膜モジュール2の供給側2aに接続される供給水配管7と、膜モジュール2の給水側2bに接続される透過水配管8と、洗浄排水を排出する洗浄排水配管10とで構成されている。
【0021】
また、図2の実施形態の水ろ過処理装置では、循環水圧力センサ5と、循環タンク6と、循環配管9とが設けられ、一旦被処理水は、循環タンク6に供給されて、循環タンク6の被処理水を供給ポンプ1で供給水配管7から膜モジュール2に供給している。余剰被処理水は、循環水として、循環配管9から循環タンク6に戻される。循環配管9には、循環水圧力センサ5が設けられている。供給水配管7には供給水圧力センサ3、透過水配管8に透過水圧力センサ4が備えられている。これらセンサ3〜5の出力は、制御装置12に入力されて演算処理がなされ、その処理結果に基づいて、洗浄手段11により、膜モジュール2の洗浄がなされている。
【0022】
図1,図2の実施形態において、膜モジュール2は、定流量ろ過による運転がなされ、そのろ過膜は、精密ろ過膜または限外ろ過膜が用いられる。膜モジュール2の形態は、物理洗浄が可能な構造であることを条件とし、プレートアンドフレーム型、プリーツ型、スパイラル型、チューブラー型もしくは中空糸型等のいずれの形態でもよい。なお、膜モジュール2が小型であって、良好な物理洗浄効果が得られるという点から中空糸型が最も好ましい。
【0023】
これら実施形態の制御装置12は、制御部と演算部としての機能を有する中央処理装置(CPU)および記憶装置を備えている。制御装置12では、供給水圧力センサ3と透過水圧力センサ4とからの出力信号が処理され、制御装置12からの制御出力によって洗浄手段11、薬品洗浄手段11aが操作され、異常検出による制御信号によって、膜モジュール交換表示11bがなされている。図2の水ろ過処理装置では、さらに循環水圧力センサ5からの出力信号が制御装置12に入力されている。制御装置12は、図3に示したように、膜間差圧算出手段12aと、膜間差圧上昇速度算出手段12bと、物理洗浄間隔設定手段12cと、洗浄後回復判定手段12dとを備えている。制御装置12には、供給水圧力センサ3と透過水圧力センサ4とからの出力信号が入力され、供給水圧力値と透過水圧力値とが計測され、膜間差圧算出手段12aによって供給水圧力値と透過水圧力値とから膜間差圧が算出されている。膜間差圧上昇速度算出手段12bによって、膜間差圧上昇速度が算出されている。そして、物理洗浄間隔設定手段12cでは、膜間差圧と膜間差圧上昇速度とから膜モジュール2の洗浄水を注入する物理洗浄頻度を設定している。洗浄後回復判定手段12dでは、物理洗浄後の膜間差圧から膜モジュール2の回復度合いを検出して、薬品洗浄による回復が不十分な場合は、薬品洗浄手段11aによって薬品洗浄や膜モジュール交換表示11bに基づいて、膜モジュール2の交換を実施する。
【0024】
膜間差圧上昇速度算出手段12bでは、所定の経過時間(ΔX)と膜間差圧上昇値(ΔY)によって膜間差圧上昇速度Vが算出される。例えば、図4に示したように、単位時間毎の膜間差圧から膜間差圧上昇曲線(イ)を求めて、所定運転時間(例えば、34時間運転時)における膜間差圧上昇曲線(イ)の接線(ロ)が求められる。接線(ロ)に基づく、所定運転時間における経過時間(ΔX)と膜間差圧上昇値(ΔY)とを、演算式(V=ΔY/ΔX)に代入して、膜間差圧上昇速度Vを算出する。即ち、膜間差圧上昇速度Vは、単位時間における膜間差圧の変化率である。従って、膜間差圧レベル毎の膜間差圧上昇速度に応じて、物理洗浄頻度を設定して洗浄することにより、必要以上に膜を洗浄することによる損傷が防止され、長期間に渡って一定の透過水を給水需要者に供給することができる。
【0025】
続いて、制御装置12は、図5〜図7の制御フローに基づいて、膜モジュールの物理洗浄動作が実行されている。図5では、ステップS1において、供給水圧力センサ3からの出力を取り込んで供給水圧力が計測され、ステップS2において、透過水圧力センサ4からの出力を取り込んで透過水圧力が計測される。ステップS3において、供給水圧力と透過水圧力とによって膜間差圧Vdが算出される。ステップS4では、上記の演算式(V=ΔY/ΔX)に基づいて、膜間差圧上昇速度Vが算出される。続いて、ステップS5に進み、膜間差圧上昇速度Vが所定値以上であると判定された場合、膜の物理洗浄を実施する。その後、ステップS6において、膜モジュール2の洗浄後の膜間差圧から目詰まりの回復がなされたか否かを判定し、回復が不十分な場合は薬品洗浄が実施される。また、異常が検出された場合は、膜モジュール2の交換を実施する。
【0026】
図6は、膜の物理洗浄工程の詳細を示しており、膜間差圧Vdがどの範囲に存在しているか否かを、ステップS7,S9,S11,S13で判断して、かつ膜間差圧上昇速度Vが所定値以上であるか否かを、ステップS8,S10,S12,S14で判断して、ステップS15に進む。ステップS15では、物理洗浄間隔が設定される。続いて、ステップS16に進み、膜間差圧が正常値に回復したか否かを判断して、正常な場合はステップS1に戻る。また、異常であれば、ステップS17に進み、膜モジュール2の膜の薬品洗浄を実施し、再びステップS18で膜間差圧が正常値に回復したか否かを判断して、回復したと判断される場合は、ステップS1に戻る。異常であると判断されれば、ステップS19に進み、膜モジュール2の交換を実施し、ステップS1に戻る。
【0027】
図7は、所定範囲の膜間差圧と膜間差圧上昇速度とに対応して、物理洗浄間隔を設定する制御フローの一例を示している。例えば、膜間差圧Vdが0〜40kPaで、膜間差圧上昇速度が4kPa/時以上であれば、ステップS21に進み、洗浄手段11によって、物理洗浄間隔を2時間に設定して、膜モジュール2の洗浄を実施する。また、同様の過程で、ステップS22〜S24の何れかに進み、ステップS22〜S24の何れかで定められる物理洗浄間隔で、洗浄手段11を作動させて、膜モジュール2に洗浄水を供給して、膜に付着する目詰まり物質や堆積物を洗浄する。続いて、先に説明したステップS16からS19の工程に進み、膜モジュール2の物理洗浄または薬品洗浄を実施して、その回復度合いを判定して、回復不能の場合は、膜モジュールを交換する。
【0028】
なお、上記実施形態において、膜モジュール2の膜の物理洗浄に当たり、空気や水、あるいはその両者を併用して実施する。物理洗浄頻度は、膜の性質や物理洗浄に空気や水、あるいはその両者を併用といった物理洗浄方法と、物理洗浄工程で使用する洗浄水量等によって異なるが、概ね5分から数10時間に1回程度とし、好ましくは30分から10時間に1回程度の範囲で設定する。また、上記実施形態に限定されることなく、このような頻度で物理洗浄を実施することにより、90%以上の水回収率を得ることができる。
また、逆洗を実施するための膜間差圧上昇速度は、同様に使用する膜の性質や物理洗浄方法や、物理洗浄工程での使用水量等によって異なるが、概ね0.1〜1000kPa/時間程度、好ましくは1〜200kPa/時間の範囲で設定する。
【0029】
【実施例】
本発明の水ろ過処理装置の実施例について、従来装置と比較して説明する。
本実施例は、図1の水ろ過処理装置を、図9に示した浄水場の処理設備に使用したものであり、詳しくは、図1の水ろ過処理装置が浄水場の処理設備の前処理装置14の後段に設置されている。また、膜モジュール2は、表1に示した仕様による膜モジュールを使用し、表に示したろ過方法、並びに物理洗浄方式として、膜モジュールを空気逆洗法で洗浄して、被処理水のろ過処理を実施した。また、本実施例の水ろ過処理装置と従来装置の場合の物理洗浄条件は、表2に示した膜間差圧と膜間差圧上昇速度とによって物理洗浄条件を設定して実施した。本実施例の水ろ過処理装置は、先に示した図5〜図7の処理フローに従って運転を行った。
無論、本発明の水ろ過処理装置は、本実施例に限定するものではないことは明らかである。
【0030】
【表1】
Figure 0003924919
【0031】
【表2】
Figure 0003924919
【0032】
図8は、本実施例と従来例との比較結果を示しており、本実施例による水ろ過処理装置の場合と、従来の装置の場合の、それぞれの膜間差圧の経時変化を示したものである。因みに、図8の横軸が通水日数[日]を示し、縦軸が平均ろ過圧力[kPa]を示している。
【0033】
図8に示した膜間差圧の経時変化から明らかなように、運転開始後の初期は、従来の洗浄間隔が1時間間隔で物理洗浄が実施されていることもあって、膜間差圧の上昇も小さかったが、80日目付近から本実施例によるものよりも膜間差圧が高くなり、最終的に100kPaに到達するまでの時間は、従来方法が120日であったのに対して、本実施例では、180日となり、従来方法よりも改善された。また、平均の水回収率は、100kPaに至るまでに、従来方法が94%であったにに対し、本実施例では95%であり、両者の間には大差は見られなかった。しかし、本実施例の水ろ過処理装置を浄水場で使用した場合、空気による物理洗浄、または空気と水による物理洗浄によって、水回収率が向上することは明らかである。
【0034】
なお、本発明の水ろ過処理装置は、上水道のみならず下水道の処理施設に設置してもよいことは明らかである。
【0035】
【発明の効果】
上述記載のように、本発明によれば、制御装置によって膜モジュールを自動的に洗浄して、被処理水の膜ろ過処理が実施され、安定的に処理水量を確保することができるとともに、膜の目詰まりの進行を自動的に抑制することにより、必要以上の洗浄を行うことなく、長期間に渡って膜ろ過処理の連続運転を可能として、膜モジュールの薬品洗浄または交換に要するランニングコストを抑制することができる等の効果を有する。
【0036】
また、本発明によれば、被処理水としては、河川水または浄水場内で発生する沈殿池汚泥、砂ろ過逆洗排水、活性炭逆洗排水、膜ろ過逆洗排水等の各種排水を用いることができるので、既存の浄水場に使用することによって、高い水回収率を達成することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水ろ過処理装置の一実施形態の処理フローを示す図である。
【図2】本発明に係る水ろ過処理装置の他の実施形態の処理フローを示す図である。
【図3】本発明の制御装置の機能ブロック図である。
【図4】本発明に係る膜間差圧上昇速度の算出方法を説明するための図である。
【図5】本発明に係る水ろ過処理装置のろ過処理を説明するための主制御フローの概略を示す図である。
【図6】物理洗浄頻度を設定するための制御フローを示した図である。
【図7】物理洗浄頻度を設定するための制御フローを示した図である。
【図8】本発明の実施例の運転結果をグラフで示した図である。
【図9】従来技術における構成図である。
【図10】従来の浄水処理装置を示す図である。
【図11】従来の膜ろ過処理装置における図である。
【図12】従来の膜ろ過処理装置における図である。
【符号の説明】
1 供給ポンプ
2 膜モジュール
3 供給水圧力センサ
4 透過水圧力センサ
5 循環水圧力センサ
6 循環タンク
7 供給水配管
8 透過水配管
9 循環配管
10 洗浄排水配管
11 洗浄手段
12 制御装置
13 着水井
14 前処理装置
15 膜ろ過処理装置
16 洗浄水配管
17 排水池
18 濃縮槽
19 脱水機

Claims (1)

  1. 被処理水を膜ろ過処理する水ろ過処理装置が、被処理水の膜に対する供給水圧力を検出する第1圧力センサと、被処理水の膜に対する透過水圧力を検出する第2圧力センサと、前記第1と第2圧力センサの出力が入力される制御装置と、前記制御装置からの制御信号に基づいて動作する前記膜の洗浄手段とを具備し、
    前記制御装置が、前記第1圧力センサからの供給水圧力と前記第2圧力センサからの透過水圧力とによって膜間差圧を算出する膜間差圧算出手段と、
    単位時間当たりの膜間差圧の変化率による膜間差圧上昇速度を算出する膜間差圧上昇速度算出手段と、
    前記膜間差圧上昇速度算出手段から得られる膜間差圧の上昇速度に応じて、前記洗浄手段による膜の物理洗浄間隔を設定する物理洗浄間隔設定手段と、
    を備えることを特徴とする水ろ過処理装置。
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