JP6342101B1 - 膜分離装置および膜分離方法 - Google Patents
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以下、この発明の実施の形態1に係る膜分離装置について、図1から図7に基づいて説明する。図1は膜分離装置の構成図、図2は膜分離装置に使用される有機物濃度測定手段の説明図である。
図1に示すように、この発明の膜分離装置は、被処理水9を貯留する膜分離槽1と、膜分離槽1に浸漬して配置された分離膜2と、被処理水9が分離膜2によりろ過された処理水10を流通するろ過水配管3と、処理水10を流出するろ過ポンプ4と、分離膜2に付着した汚濁物質を剥離するための空気を供給する膜面曝気装置5と、膜面曝気装置5から供給される空気を流通する曝気配管6と、曝気配管6からの空気により分離膜2の下方から上方に向かって流れる気泡11を供給する散気管7と、膜分離槽1内の被処理水9に含まれる有機物濃度に基づいて膜間差圧(TMP)上昇速度を変化させる膜間差圧上昇速度変化手段(以下、TMP上昇速度変化手段という)12とで構成されている。
ここでは被処理水9中に活性汚泥が含まれる場合について説明するが、必ずしも活性汚泥が被処理水9中に存在する必要はない。
膜分離槽1内の被処理水9を有機物指標測定手段27に供給することで、UV、TOC、COD、BOD、フミン酸濃度、糖濃度、タンパク質濃度の少なくともいずれかの有機物指標を測定することができる。これらの物質は分離膜2に捕捉されやすく、目詰まりの指標として使用できることを確認しており、膜の閉塞の原因となる有機物を正確に測定できる。
膜面曝気風量制御部16では膜面曝気装置5の膜面曝気風量をTMP上昇速度比較手段15から得た信号を基に制御するところである。さらに制御に使用したデータは信号線70を介してデータベース20に送付され、膜面曝気風量に関するデータが蓄積される。
TMP上昇速度算出部18で算出されたTMP上昇速度RMの値が目標TMP上昇速度選定部21で選定されたTMP上昇速度RTよりも大きい場合は、膜面曝気風量を増大させる必要がある。逆にTMP上昇速度算出部18で算出されたTMP上昇速度RMの値が目標TMP上昇速度選定部21で選定されたTMP上昇速度RTよりも小さい場合は、膜面曝気風量を減少させる必要がある。
図3より、膜面曝気風量を小さくすると急激にTMP上昇速度が高くなることが明らかとなった。急激にTMP上昇速度が高くなる点をここでは変曲点と言う。膜面曝気風量が小さくなると、分離膜表面から膜面曝気で与えられた気泡や気泡による被処理水9の流れが小さくなり、微生物、濁質等の分離膜2を透過できない物質が分離膜表面に付着して膜ろ過を阻害し、TMP上昇速度が高くなりやすい。
によって被処理水9内の有機物濃度が変化する。その有機物濃度の高、中、低に応じて目標とするTMP上昇速度RT、すなわち図6内の変曲点の膜面曝気風量QTを設定することで、膜分離装置の膜面曝気に要するエネルギーコストを最小限に維持することが可能である。
有機物濃度測定手段19で被処理水9中の有機物濃度を測定する。目標TMP上昇速度選定部21において、データベース20のデータから測定された有機物濃度に基づいた目標TMP上昇速度RTを選択する。また、圧力測定部17でTMPを測定し、圧力測定部で測定されたTMPからTMP上昇速度RMをTMP上昇速度算出部18で算出する。次にTMP上昇速度算出部18で算出されたTMP上昇速度RMと目標TMP上昇速度選定部21で選定された目標TMP上昇速度RTとを比較する。
次に、この発明の実施の形態2における膜分離装置を図8に基づいて説明する。図8はこの発明の実施の形態2における膜分離装置の構成図である。
図8に示すように、この発明の実施の形態2における膜分離装置は、実施の形態1の目標TMP上昇速度設定手段13に、有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度における新たな目標TMP上昇速度を算出しデータベース20に保管された被処理水中の有機物濃度とTMP上昇速度との関係を更新するデータベース更新手段40を追加したものである。
[運転コスト]=f(TMP上昇速度、膜面曝気風量)
図13に示すように、この発明の実施の形態2における膜面曝気風量の調整手順のフローチャートは、実施の形態1のフローチャートにデータベースの更新手順を追加したものである。その他の手順は実施の形態1と同じにつき、説明を省略する。つまり、発明の実施の形態2における膜面曝気風量の調整手順は、有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度の値から選定されたTMP上昇速度RTと圧力測定部17で測定されたTMPから算出されたTMP上昇速度RMとが等しくなるように膜面曝気風量を制御し、さらにその値が等しくなるように制御された際にデータベースの更新を行う。
算出された新たな目標TMP上昇速度RT´と、新たな目標TMP上昇速度RT´の際の膜面曝気風量QT´をデータベース20に送り、データベースを更新する。最後に膜面曝気風量が膜面曝気風量QT´となるように膜面曝気風量を制御し、データベースの更新手順を終了する。
次に、この発明の実施の形態3における膜分離装置を図15に基づいて説明する。図15はこの発明の実施の形態3における膜分離装置の構成図である。
図15に示すように、この発明の実施の形態3における膜分離装置は、実施の形態1の目標TMP上昇速度設定手段13に、ろ過水配管3中のろ過水の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段22と有機物濃度差分値算出部23を追加したものである。なお、有機物濃度測定手段22は、図2に示すような被処理水9の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段と全く同じ構成のものでよい。
次に、この発明の実施の形態4における膜分離装置を図16に基づいて説明する。図16はこの発明の実施の形態4における膜分離装置に使用される有機物濃度測定手段の説明図である。
この発明の実施の形態4における有機物濃度測定手段19は、膜分離槽1内の被処理水9の浮遊物を、ろ過分離、遠心分離、沈殿分離のいずれかの方法により固液分離を行う固液分離部24と、固液分離部24で固液分離した液相中の有機物濃度を測定する有機物濃度測定部25で構成されている。
膜分離槽1内の被処理水9が固液分離部24に供給されて、ろ過分離、遠心分離、沈殿分離のいずれかの方法により固液分離され、固液分離液26が得られる。固液分離部24で得られた固液分離液26を有機物濃度測定部25に供給して固液分離液26の有機物濃度を測定する。
なお、膜分離槽1内の被処理水9を固液分離部24で固液分離した固液分離液26を、実施の形態1に記載した有機物濃度測定手段19の有機物指標測定手段27に供給してもよい。このようにすることで、UV、TOC、COD、BOD、フミン酸濃度、糖濃度、タンパク質濃度の少なくともいずれかの有機物指標を測定することができる。これらの物質は分離膜に捕捉されやすく、目詰まりの指標として使用できることを確認している。
また、図16では有機物濃度測定部25で測定した有機物濃度を目標TMP上昇速度選定部21に出力しているが、図15の実施の形態3で説明した有機物濃度差分値算出部23に出力してもよい。
次に、この発明の実施の形態5における膜分離装置を図17および図18に基づいて説明する。図17は実施の形態5における膜分離装置に使用される目標TMP上昇速度設定手段13の構成図である。
水温測定手段28は信号線65を介して、MLSS測定手段は信号線66を介して、フラックス測定手段は信号線67を介して目標TMP上昇速度選定部21と接続されている。その他の構成は実施の形態1〜4と同様であるので、説明を省略する。
水温測定手段28は、被処理水9の水温を測定する手段であり、膜分離槽1に水温センサーを設置し測定して測定する、もしくは被処理水9を水温センサーに供給し、測定してもよい。MLSS測定手段29は、被処理水9のMLSS濃度や濁度、SS(Suspended Solid)等を測定する手段であり、膜分離槽1にMLSS濃度センサーや濁度計等を設置して測定する、もしくは被処理水をMLSS濃度センサーや濁度計等に供給し、測定してもよい。また、被処理水9を採取して、MLSS濃度、SS濃度、濁度等を手分析で測定してもよい。
データベースとしては図18A〜18Dに示すものが使用される。即ち、図18Aは膜面曝気風量とTMP上昇速度と紫外線吸光度との関係を示すデータベースの図、図18Bは膜面曝気風量とTMP上昇速度と水温との関係を示すデータベースの図、図18Cは膜面曝気風量とTMP上昇速度と曝気槽内混合液中の浮遊物質との関係を示すデータベースの図、図18Dは膜面曝気風量とTMP上昇速度とろ過フラックスとの関係を示すデータベースの図である。なお図中の○印が変曲点である。
その際、全てのデータが揃っていなくても、それぞれのデータを補間することでデータベースとして使用可能である。例えば、水温15℃と水温30℃のデータベースはあるが、水温25℃で運転する場合はそれぞれの水温での各膜面曝気風量と各TMP上昇速度の値の平均値を採用してデータベースとすることも可能である。このようにある現存するデータベースに沿って補間しても新たなデータベースとしてもよいし、予め今あるデータベースから補間した関係を構築して、新たなデータベースとしてもよい。
ただし、全てのパラメータの総和ではなく、乗算、除算、累乗算、対数が入り混じった式を構築してもよく、過去の運転データを再現できる式を構築することが重要である。
[TMP上昇速度]=α[膜面曝気風量]+β[有機物濃度]+γ[水温]+δ[MLSS濃度]+ε[ろ過フラックス]
(α、β、γ、δ、εは定数)・・・・・(1)
次に、この発明の実施の形態6における膜分離装置を図19に基づいて説明する。図19はこの発明の実施の形態6における膜分離装置に使用される目標TMP上昇速度設定手段13の説明図である。
図19において、有機物濃度差分値算出部23に信号線59を介して有機物濃度測定手段22が接続されている以外は実施の形態5と同じである。
図20に示した膜分離装置により、3本の分離膜2a〜2c(区別するため、添字a、b、cを付す。以下、同様)を同時に浸漬して、分離膜2のそれぞれの下部に散気管7a〜7cを配置して膜ろ過処理を実施した。その際、1本の分離膜2aに図1に示したTMP上昇速度変化手段12を、もう1本の分離膜2bには図15に示したTMP上昇速度変化手段12を、さらにもう1本の分離膜2cには図21に示す膜面曝気風量制御を実施した。なお、被処理水の水温は30℃であり、MLSS濃度は9000mg/Lであった。
実施例1では膜面積1m2の分離膜2により膜分離槽1内の被処理水9をろ過フラックス2.0m/日でろ過した。被処理水中の有機物濃度を測定するために被処理水9を孔径1μmのフィルターでろ過し、そのろ液の波長254nmの吸光度(UV254)を測定した。さらに測定したUV254値に基づいてデータベース20から得た図22に示す膜面曝気風量とTMP上昇速度の関係から目標TMP上昇速度を選定し、TMP上昇速度測定値が目標TMP上昇速度RTに維持されるように膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御した。
実施例2では流入水8を膜分離槽1に供給し、膜面積1m2の分離膜2により膜分離槽1内の被処理水9をろ過フラックス2.0m/日でろ過した。被処理水中の有機物濃度を測定するために被処理水9を孔径1μmのフィルターでろ過し、そのろ液のUV254を測定した。さらに、ろ過された処理水10に含まれる有機物濃度を測定するためにろ過水のUV254を測定した。被処理水9のろ液のUV254とろ過水のUV254を有機物濃度差分値算出部23に出力し、有機物濃度差分値に基づいてデータベース20から図23に示す膜面曝気風量とTMP上昇速度の関係から目標TMP上昇速度を選定し、TMP上昇速度測定値が目標TMP上昇速度に維持されるように膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御した。
比較例では被処理水9中の有機物濃度を測定することなく事前に目標TMP上昇速度RTを固定値に設定した以外は、実施例1と同様のろ過運転とした。目標TMP上昇速度入力手段31にて、目標TMP上昇速度RTを0.4kPa/hに固定し、TMP上昇速度比較手段15に出力した。さらにTMP上昇速度測定値が目標TMP上昇速度RTに維持されるように膜面曝気装置の膜面積当たりの膜面曝気風量を0.6m3/h/m2に制御した。しかし、ろ過開始さらに1時間後、流入水水質が変動したため膜分離槽1内の被処理水9の水質も変化し、目標TMP上昇速度を0.4kPa/hを維持できるように設定した膜面曝気風量は図22および図23の破線丸印から1.2m3/h/m2とした。この値は実施例1、実施例2の膜面曝気風量0.72m3/hr/m2よりも大幅に大きくなった。
Claims (16)
- 膜分離槽内の被処理水をろ過する分離膜と、前記分離膜の膜面曝気を行うための空気を供給する膜面曝気装置と、前記被処理水中の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段と、前記分離膜の膜間差圧を測定する圧力測定部と、前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度RTと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度RMとを比較する膜間差圧上昇速度比較手段と、前記膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御する制御部を備え、前記膜間差圧上昇速度比較手段で得られた前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度RTと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度RMとの差異に基づいて前記制御部により前記膜面曝気風量を変動させることを特徴とする膜分離装置。
- 前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から膜間差圧上昇速度RTを選定する際に、予め取得された被処理水中の有機物濃度と膜間差圧上昇速度との関係が保管されたデータから選定することを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置。
- 前記圧力測定部で測定された膜間差圧から膜間差圧上昇速度RMを算出する際に、前記分離膜の膜間差圧の時間変化から算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膜分離装置。
- 膜分離槽内の被処理水をろ過する分離膜と、前記分離膜の膜面曝気を行うための空気を供給する膜面曝気装置と、前記被処理水中の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段と、前記分離膜の膜間差圧を測定する圧力測定部と、前記被処理水中の有機物濃度の値から目標膜間差圧上昇速度RTを設定する目標膜間差圧上昇速度設定手段と、前記分離膜の膜間差圧から膜間差圧上昇速度RMを算出する膜間差圧上昇速度測定手段と、前記目標膜間差圧上昇速度設定手段からの目標膜間差圧上昇速度RTと前記膜間差圧上昇速度測定手段からの膜間差圧上昇速度RMとを比較する膜間差圧上昇速度比較手段と、前記膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御する制御部を備え、前記膜間差圧上昇速度比較手段で得られた前記被処理水中の有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度RTと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度RMとの差異に基づいて前記制御部により前記膜面曝気風量を変動させることを特徴とする膜分離装置。
- 前記目標膜間差圧上昇速度設定手段は、予め取得された被処理水中の有機物濃度と膜間差圧上昇速度との関係が保管されたデータベースと、前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値と前記データベースのデータとから目標膜間差圧上昇速度RTを選定する目標膜間差圧上昇速度選定部を備えた請求項4に記載の膜分離装置。
- 前記膜間差圧上昇速度測定手段は、前記圧力測定部で測定された膜間差圧から膜間差圧上昇速度RMを算出する膜間差圧上昇速度算出部を備えた請求項4または請求項5に記載の膜分離装置。
- 前記制御部は、前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度RTが前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度RMよりも大きい場合に前記膜面曝気風量を減少させ、前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度RTが前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度RMよりも小さい場合に前記膜面曝気風量を増加させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の膜分離装置。
- 前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度における新たな目標膜間差圧上昇速度RT´を算出し、前記データベースに保管された被処理水中の有機物濃度と膜間差圧上昇速度との関係を更新するデータベース更新手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の膜分離装置。
- 前記データベース更新手段は、前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度RTと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度RMとが等しくなるように制御された際の膜面曝気風量QMとデータベースに保管されている目標膜間差圧上昇速度RTの際の膜面曝気風量QTを比較する膜面曝気風量比較手段と、前記膜面曝気風量比較手段において膜面曝気風量QMと膜面曝気風量QTの値が異なる場合に前記制御部にて前記膜面曝気風量を変動させて新たな目標膜間差圧上昇速度RT´を算出する目標膜間差圧上昇速度算出手段と、前記目標膜間差圧上昇速度算出手段により算出された新たな目標膜間差圧上昇速度RT´とその際の膜面曝気風量QT´と前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値を前記データベースに保管するデータベース更新部を備えた請求項8に記載の膜分離装置。
- 前記目標膜間差圧上昇速度算出手段は、前記膜面曝気風量を変動させるよう前記制御部に信号を送る膜面曝気風量変動指令部と、前記膜面曝気風量変動指令部から送られた指令により前記制御部にて前記膜面曝気風量を変動させた際の膜面曝気風量とその際の膜間差圧上昇速度の関係に基づき新たな目標膜間差圧上昇速度RT´を算出する目標膜間差圧上昇速度算出部を備えた請求項9に記載の膜分離装置。
- 前記膜面曝気風量変動指令部において、膜面曝気風量QMが膜面曝気風量QTよりも大きい場合に前記膜面曝気風量を減少させ、膜面曝気風量QMが膜面曝気風量QTよりも小さい場合に膜面曝気風量を増加させる指令を前記制御部に送り、前記目標膜間差圧上昇速度算出部において、膜面曝気風量をQMからQTまで変動させた際の膜面曝気風量とその際の膜間差圧上昇速度の関係に基づき新たな目標膜間差圧上昇速度RT´を算出することを特徴とする請求項10に記載の膜分離装置。
- 膜分離槽内の被処理水をろ過する分離膜と、前記分離膜の膜面曝気を行うための空気を供給する膜面曝気装置と、前記被処理水中の有機物濃度を測定する第1の有機物濃度測定手段と、前記分離膜でろ過されたろ過水中の有機物濃度を測定する第2の有機物濃度測定手段と、前記分離膜の膜間差圧を測定する圧力測定部と、前記第1の有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から前記第2の有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値を差し引いた有機物濃度差から選定された膜間差圧上昇速度RTと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度RMとを比較する膜間差圧上昇速度比較手段と、前記膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御する制御部を備え、前記膜間差圧上昇速度比較手段で得られた前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度RTと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度RMとの差異に基づいて前記制御部により前記膜面曝気風量を変動させることを特徴とする膜分離装置。
- 前記有機物濃度の測定は、前記膜分離槽中の被処理水を、ろ過分離、遠心分離、沈殿分離のいずれかの方法により固液分離し、前記固液分離した後の液中の有機物濃度を測定することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の膜分離装置。
- 前記有機物濃度は、紫外線吸光度、総有機炭素濃度、生物化学的酸素要求量、化学的酸素要求量、フミン酸濃度、糖濃度、蛋白質濃度の少なくともいずれか一つ以上を測定するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の膜分離装置。
- 前記有機物濃度から膜間差圧上昇速度RTを選定する際に、前記被処理水中の水温、浮遊物質濃度、前記分離膜のろ過フラックスの少なくとも一つ以上の値を用いて膜間差圧上昇速度RTを選定することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の膜分離装置。
- 膜分離槽内の被処理水を分離膜でろ過し、前記分離膜の下方から散気管で気泡を供給する膜面曝気を行う際、前記被処理水中の有機物濃度を測定し、その測定値から目標とする膜間差圧上昇速度RTを選定し、前記膜間差圧上昇速度RTと前記分離膜の膜間差圧の上昇速度RMとを比較して、その差異が小さくなるように前記膜面曝気の風量を設定することを特徴とする膜分離方法。
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