JP6342101B1 - 膜分離装置および膜分離方法 - Google Patents

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Abstract

膜面曝気風量を抑制でき、運転コストを低減可能な膜分離装置を提供する。膜分離槽1内の被処理水をろ過する分離膜2と、分離膜下部に設置した散気管7より膜面曝気を行う膜面曝気装置5と、被処理水中の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段19と、分離膜の膜間差圧を測定する圧力測定部17と、有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度と圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度とを比較する膜間差圧上昇速度比較手段15と、膜面曝気装置5の膜面曝気風量を制御する制御部16を備え、膜間差圧上昇速度比較手段15で得られた膜間差圧上昇速度の差異に基づいて制御部16により膜面曝気風量を変動させるようにした。

Description

この発明は、有機物含有の排水に浸漬して配置された分離膜に向けて散気しながら分離膜を透過した処理水を得る膜分離装置および膜分離方法に関するものである。
有機物含有の排水(以下「被処理水」という)を処理する方法として、微生物を用いて被処理水中の有機物を分解するとともに、分離膜によるろ過処理をして、固液分離を行う膜分離活性汚泥法(MBR:Membrane Bio Reactor)が用いられている。分離膜を用いたろ過処理では、分離膜の継続的な使用に伴い、分離膜の表面または分離膜の孔中に汚濁物質が付着して目詰まりが生じた場合、ろ過性能が徐々に低下する。
そのため、分離膜の下部に散気装置を設け、この散気装置から分離膜に向けて空気等を曝気し、気泡および被処理水の上昇流によって分離膜表面の付着物を剥離させて目詰まりを抑制する方法が用いられている。この曝気に要するエネルギーコストは全運転コストの約半分にも達すると算出されていることから、曝気量を抑制する技術が種々開発されている。
特許文献1には、ろ過膜の膜間差圧(TMP:Trans Membrane Pressure)を測定し、膜間差圧が事前に設定した所定の上昇速度に維持されるように曝気風量を制御する方法が提案されている。具体的には膜間差圧の基準値を一定時間毎に自動的に増加するように更新設定し、そのときどきの膜間差圧の基準値と測定値との差分値に基づいて、次の曝気風量の目標値を設定し、目標値に合わせて曝気風量を制御している。
特許文献2には、圧力計によって平膜ユニットの内部の負の運転差圧を測定し、この運転差圧の上昇速度の変化率に基づいて、散気装置からの散気量及び吸引ポンプの稼働と停止の間欠運転時間比を制御することが提案されている。また、散気量及び間欠運転時間比の最適なパターンを推測し、この推測に基づいて自動的に制御するようにしている。
特開2013−202472号公報 特開2000−300968号公報
しかし、上述した特許文献1、2のように、ろ過膜の膜間差圧(以下、適宜TMPという)に基づいて曝気風量を制御する方法では、分離膜で固液分離を行う被処理水の水質を測定していないため、曝気風量の目標値に維持するために過大な曝気風量を必要とすることがある。そのため、このような条件では過剰な曝気風量を要求している虞がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、膜面曝気風量の抑制により運転コストを低減することを目的とした膜分離装置および膜分離方法を得ることにある。
この発明に係わる膜分離装置は、膜分離槽内の被処理水をろ過する分離膜と、分離膜の膜面曝気を行うための空気を供給する膜面曝気装置と、被処理水中の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段と、分離膜の膜間差圧を測定する圧力測定部と、有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度Rと圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rとを比較する膜間差圧上昇速度比較手段と、膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御する制御部を備え、膜間差圧上昇速度比較手段で得られた有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度Rと圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rとの差異に基づいて制御部により膜面曝気風量を変動させるようにしたものである。
また、この発明に係わる膜分離装置は、膜分離槽内の被処理水をろ過する分離膜と、分離膜の膜面曝気を行うための空気を供給する膜面曝気装置と、被処理水中の有機物濃度を測定する第1の有機物濃度測定手段と、分離膜でろ過されたろ過水中の有機物濃度を測定する第2の有機物濃度測定手段と、分離膜の膜間差圧を測定する圧力測定部と、第1の有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から第2の有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値を差し引いた有機物濃度差から選定された膜間差圧上昇速度Rと圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rとを比較する膜間差圧上昇速度比較手段と、膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御する制御部を備え、膜間差圧上昇速度比較手段で得られた有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度Rと圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rとの差異に基づいて制御部により膜面曝気風量を変動させるようにしたものである。
また、この発明に係わる膜分離方法、膜分離槽内の被処理水を分離膜でろ過し、分離膜の下方から散気管で気泡を供給する膜面曝気を行う際、被処理水中の有機物濃度を測定し、その測定値から目標とする膜間差圧上昇速度を選定し、目標膜間差圧上昇速度と分離膜の膜間差圧の上昇速度とを比較して、その差異が小さくなるように膜面曝気の風量を設定するようにしたものである。
この発明によれば、膜分離槽内の被処理水に含まれる有機物濃度に基づいて膜面曝気風量を変動させることによりTMP上昇速度を変化させるようにしたから、曝気に要する運転コストを低減することができる、といった従来にない顕著な効果を奏するものである。
この発明の実施の形態1に係わる膜分離装置の構成図である。 この発明の実施の形態1における膜分離装置で使用される有機物濃度測定手段の説明図である。 TMP上昇速度と膜面曝気風量と有機物濃度の関係図である。 有機物濃度によらず設定した目標TMP上昇速度と膜面曝気風量との説明図である。 有機物濃度に基づいて設定した目標TMP上昇速度と膜面曝気風量との説明図である。 この発明の実施の形態1における目標TMP上昇速度設定方法の説明図である。 この発明の実施の形態1における膜面曝気風量の制御手順のフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係わる膜分離装置の構成図である。 変曲点が変化した場合のTMP上昇速度と膜面曝気風量と有機物濃度の関係図である。 この発明の実施の形態2におけるデータベース更新手段の構成図である。 この発明の実施の形態2におけるデータベース更新方法の説明図である。 この発明の実施の形態2におけるデータベース更新方法の説明図である。 この発明の実施の形態2における膜面曝気風量の調整手順のフローチャートである。 この発明の実施の形態2におけるデータベース更新手順のフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係わる膜分離装置の構成図である。 この発明の実施の形態4における膜分離装置で使用される有機物濃度測定手段の説明図である。 この発明の実施の形態5における膜分離装置で使用される目標TMP上昇速度設定手段の説明図である。 膜面曝気風量とTMP上昇速度と紫外線吸光度との関係を示すデータベースの図である。 膜面曝気風量とTMP上昇速度と水温との関係を示すデータベースの図である。 膜面曝気風量とTMP上昇速度と曝気槽内混合液中の浮遊物質との関係を示すデータベースの図である。 膜面曝気風量とTMP上昇速度とろ過フラックスとの関係を示すデータベースの図である。 この発明の実施の形態6における膜分離装置で使用される目標TMP上昇速度設定手段の説明図である。 実施例1と実施例2と比較例における膜分離装置である。 比較例における膜分離装置の説明図である。 実施例1のデータベースを説明する図である。 実施例2のデータベースを説明する図である。 この発明の実施の形態1等におけるTMP上昇速度変化手段のハードウエアの一例を示す図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る膜分離装置について、図1から図7に基づいて説明する。図1は膜分離装置の構成図、図2は膜分離装置に使用される有機物濃度測定手段の説明図である。
図1に示すように、この発明の膜分離装置は、被処理水9を貯留する膜分離槽1と、膜分離槽1に浸漬して配置された分離膜2と、被処理水9が分離膜2によりろ過された処理水10を流通するろ過水配管3と、処理水10を流出するろ過ポンプ4と、分離膜2に付着した汚濁物質を剥離するための空気を供給する膜面曝気装置5と、膜面曝気装置5から供給される空気を流通する曝気配管6と、曝気配管6からの空気により分離膜2の下方から上方に向かって流れる気泡11を供給する散気管7と、膜分離槽1内の被処理水9に含まれる有機物濃度に基づいて膜間差圧(TMP)上昇速度を変化させる膜間差圧上昇速度変化手段(以下、TMP上昇速度変化手段という)12とで構成されている。
ここでは被処理水9中に活性汚泥が含まれる場合について説明するが、必ずしも活性汚泥が被処理水9中に存在する必要はない。
膜分離槽1には流入水8が流入するようになっており、分離膜2を介してろ過水配管3が接続されている。膜分離槽1としては流入水8を受入れて被処理水9が貯留できればよく、材質もコンクリート、ステンレス、樹脂等、水漏れしない材質および構造であればよい。分離膜2としては、中空糸膜や平膜等の固体と液体を分離できる手段であればよく、RO膜、NF膜、UF膜、MF膜等に限らない。また、ろ過水配管3を介して分離膜2がろ過ポンプ4と接続されている。分離膜2は膜分離槽1に浸漬されており、膜分離槽1の下部の分離膜2の真下に散気管7が配置されている。
散気管7は気泡11を供給できる能力があればよく、ガラス、ステンレス、焼結金属、樹脂等の材質を使用できる。散気管7は膜面曝気装置5と曝気配管6を介して接続されている。膜面曝気装置5はブロワー等空気を圧送できる装置であればよい。膜分離槽1内の被処理水9には有機物濃度測定手段19が配置されている。有機物濃度測定手段19は総有機炭素濃度計、紫外線吸光度計、蛍光強度計等、水中の有機物を直接、もしくは間接的に測定できればよい。膜分離槽1内に総有機炭素濃度計、紫外線吸光度計、蛍光強度計等の有機物濃度センサーを浸漬させて測定してもよく、また膜分離槽1内の被処理水9を有機物濃度センサーに供給して測定してもよい。
また、分離膜2とろ過ポンプ4の間のろ過水配管3に圧力測定部17が配置されている。圧力測定部17は圧力を測定できる計器であり、デジタルもしくはアナログどちらでも使用可能であるが、経時的に測定した圧力値を保存できる機構があることが好ましい。有機物濃度測定手段19および圧力測定部17はTMP上昇速度変化手段12に含まれており、TMP上昇速度変化手段12は信号線54を介して膜面曝気装置5と接続されている。
続いてTMP上昇速度変化手段12の構成について説明する。TMP上昇速度変化手段12内には目標TMP上昇速度設定手段13、TMP上昇速度測定手段14、TMP上昇速度比較手段15、および膜面曝気風量制御部16が配置されている。膜面曝気風量制御部16は信号線70を介して後述するデータベース20と接続されている。
目標TMP上昇速度設定手段13内には、有機物濃度測定手段19、データベース20、目標TMP上昇速度選定部21があり、有機物濃度測定手段19と目標TMP上昇速度選定部21は信号線56で、データベース20と目標TMP上昇速度選定部21は信号線57で接続され、目標TMP上昇速度選定部21は信号線51を介してTMP上昇速度比較手段15と接続されている。
データベース20はこれまでの水処理で取得した水質、TMPの時間変化等がデータベースとして記憶、保管されている。目標TMP上昇速度選定部21では、データベース20に保管されているデータと有機物濃度測定手段19で取得したデータを比較し、目標とするTMP上昇速度Rを選定するところである。目標TMP上昇速度Rとしては0.01〜40kPa/hであることが好ましい。
有機物濃度測定手段19は、図2に示すように、UV(紫外線吸光度)、TOC(全有機炭素)、COD(化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)、フミン酸濃度、糖濃度、タンパク質濃度の少なくともいずれか1つ以上の有機物指標を測定する有機物指標測定手段27を備えている。
膜分離槽1内の被処理水9を有機物指標測定手段27に供給することで、UV、TOC、COD、BOD、フミン酸濃度、糖濃度、タンパク質濃度の少なくともいずれかの有機物指標を測定することができる。これらの物質は分離膜2に捕捉されやすく、目詰まりの指標として使用できることを確認しており、膜の閉塞の原因となる有機物を正確に測定できる。
このとき、UV値は0〜10Abs/cm、TOC値は1〜500mg/L、CODおよびBODの値はいずれも1〜500mg/L、フミン酸濃度、糖濃度およびタンパク質濃度はいずれも0〜500mg/Lの範囲でこの発明が実施される。
また、TMP上昇速度測定手段14内には、圧力測定部17とTMP上昇速度算出部18があり、これらは信号線55を介して接続されている。またTMP上昇速度算出部18は信号線52を介してTMP上昇速度比較手段15と接続されている。TMP上昇速度算出部18は圧力測定部17で測定した圧力からTMPを算出し、そのTMPの時間変化を基にTMP上昇速度Rを算出するところである。
TMP上昇速度比較手段15は信号線53を介して膜面曝気風量制御部16と接続されている。また、TMP上昇速度比較手段15は目標TMP上昇速度選定部21と信号線51を介して、TMP上昇速度算出部18と信号線52を介して接続されている。TMP上昇速度比較手段15では、TMP上昇速度算出部18で算出したTMP上昇速度Rと目標TMP上昇速度選定部21で選定した目標TMP上昇速度Rとを比較し、その差を膜面曝気風量制御部16に信号線53を介して送る。
膜面曝気風量制御部16では膜面曝気装置5の膜面曝気風量をTMP上昇速度比較手段15から得た信号を基に制御するところである。さらに制御に使用したデータは信号線70を介してデータベース20に送付され、膜面曝気風量に関するデータが蓄積される。
以下に膜面曝気風量の制御手順について説明する。分離膜2の下部に設置された散気管7から空気等の気体を曝気し、気泡11および気泡により発生した被処理水9の上昇流によって分離膜2表面の付着物を剥離させて、分離膜2の目詰まりを抑制する。目詰まりを抑制する程度によってTMP上昇速度が変化し、膜面曝気風量が大きいほど目詰まりしにくくなる。この際、分離膜2の膜面積あたりの膜面曝気風量は0.01〜10m/hr/(膜ろ過面積m)で制御することが好ましい。
分離膜2の目詰まりの程度は圧力測定部17の値により把握することができる。ろ過ポンプ4で膜ろ過処理を継続すると徐々に分離膜2が目詰まりし、TMPが上昇する。TMP上昇速度算出部18で圧力測定部17から信号線55を介して送られてきたTMPと時間のデータから把握し、その時間変化をTMP上昇速度Rとして算出する。TMP上昇速度を算出するためのTMPの測定間隔としては一秒に一回から一日に一回の範囲であることが好ましく、一分間から一ヵ月間の範囲のTMPの時間変化からTMP上昇速度Rを算出することが好ましい。このTMP上昇速度Rは信号線52を介してTMP上昇速度比較手段15に送られる。
一方、有機物濃度測定手段19で被処理水9中の有機物濃度を経時的に測定する。測定間隔は一分に一回から一時間に一回、さらには一日に一回のいずれの範囲でもよい。測定した有機物濃度の値は信号線56を介して目標TMP上昇速度選定部21に送付される。目標TMP上昇速度選定部21では、有機物濃度測定手段19から得られた有機物濃度と、過去の有機物濃度、水温、固形物濃度等の水質とTMP上昇速度との関連をデータとして保管したデータベース20のデータから目標とするTMP上昇速度Rを選定する。選定したTMP上昇速度Rは信号線51を介してTMP上昇速度比較手段15に送られる。
TMP上昇速度比較手段15では、TMP上昇速度算出部18で算出されたTMP上昇速度Rと目標TMP上昇速度選定部21で選定されたTMP上昇速度Rとが比較され、この差が信号線53を介して膜面曝気風量制御部16に送られる。膜面曝気風量制御部16では、この差が小さく、もしくはゼロとなるよう膜面曝気風量の値が設定され、その値が信号線54を介して膜面曝気装置5に送付される。
TMP上昇速度算出部18で算出されたTMP上昇速度Rの値が目標TMP上昇速度選定部21で選定されたTMP上昇速度Rよりも大きい場合は、膜面曝気風量を増大させる必要がある。逆にTMP上昇速度算出部18で算出されたTMP上昇速度Rの値が目標TMP上昇速度選定部21で選定されたTMP上昇速度Rよりも小さい場合は、膜面曝気風量を減少させる必要がある。
膜面曝気装置5は、インバータで制御されて膜面曝気風量制御部16からの値に応じた膜面曝気風量となるよう曝気配管6から空気等の気体を散気管7へ送り、膜面曝気が実施される。定期的にTMP上昇速度Rおよび被処理水9内の有機物濃度が測定され、上記の運転が繰り返される。これらのデータは全て、膜面曝気風量制御部16から信号線70を介してデータベース20に蓄積される。TMPがある値、例えば25kPaに到達した場合、膜ろ過運転を停止し、分離膜2を洗浄する。具体的な曝気風量の値を決定する方法については以降で述べる。
本発明者らはTMP上昇速度、膜面曝気風量、被処理水の水質との関係について鋭意検討した結果、TMP上昇速度、膜面曝気風量、および膜分離槽1内の被処理水9の水質、特に被処理水9に含まれる有機物濃度との間には図3のような関係が成立することを明らかにした。
図3より、膜面曝気風量を小さくすると急激にTMP上昇速度が高くなることが明らかとなった。急激にTMP上昇速度が高くなる点をここでは変曲点と言う。膜面曝気風量が小さくなると、分離膜表面から膜面曝気で与えられた気泡や気泡による被処理水9の流れが小さくなり、微生物、濁質等の分離膜2を透過できない物質が分離膜表面に付着して膜ろ過を阻害し、TMP上昇速度が高くなりやすい。
一方、膜面曝気風量が大きくなると微生物、濁質等が分離膜表面に付着しにくくなるため、TMP上昇速度は低く抑えることができる。急激にTMP上昇速度が高くなる点、すなわち変曲点が存在することは一つの発見であり、TMP上昇速度をモニタリングすることで分離膜表面への微生物、濁質等の付着状況を間接的に把握することができる。さらに、TMP上昇速度が高くなるのは、二つの要因で生じていることを本結果より明らかにした。
すなわち、分離膜表面への微生物、濁質等の付着、および分離膜内部への有機物の付着である。分離膜表面への微生物、濁質等の付着は分離膜表面を急速に閉塞させるため、変曲点以下の膜面曝気風量でのTMP上昇速度の急激な上昇に寄与している。一方、分離膜内部への有機物の付着の速度は緩やかなため、変曲点以上の膜面曝気風量でのTMP上昇速度の緩やかな変化に寄与している。この発見はTMP上昇速度を制御する上で大変重要な知見である。
さらに、被処理水9中の有機物濃度が高いほど同じTMP上昇速度を抑制するために必要な膜面曝気風量が大きくなり、さらに被処理水9中の有機物濃度が高いほど変曲点の膜面曝気風量も大きくなること、さらにまた被処理水9中の有機物濃度が高いほど変曲点以上の膜面曝気風量でのTMP上昇速度が大きくなることを発見した。膜面曝気風量が小さいほど分離膜表面への微生物、濁質等の付着量が多く、さらにその厚みも大きくなる。その際、被処理水9や微生物、濁質の間隙に存在する有機物がバインダとなり、分離膜表面の付着物が膜面曝気で供給した気泡や気泡による被処理水9の流れによって分離膜表面から剥離されにくくなる。従って、被処理水9中の有機物濃度が高くなると、分離膜表面の付着物を除去するのに必要な膜面曝気風量も大きくなる。
変曲点より小さい膜面曝気風量では、上記の有機物のバインダとしての働きが変曲点より大きい膜面曝気風量のときの有機物のバインダとしての働きと比較して顕著となるため、分離膜表面の付着物によるTMP上昇速度が急激に増大する。一方、変曲点より大きい膜面曝気風量では、分離膜表面の付着物量が低減されてそれによるTMP上昇速度への寄与は小さくなるが、それと相対的に分離膜内部への有機物の付着による分離膜の目詰まりが進行する。以上によって被処理水9中の有機物濃度が高いほど分離膜が目詰まりしやすくなり、TMP上昇速度が高くなり、また変曲点の膜面曝気風量も大きくなることが説明できる。
ここで有機物濃度は濁質、濁度を除いた値とするのが好ましい。すなわち、予め遠心分離やろ過等によって、濁質、濁度を除いた後に有機物濃度を測定することで、上記の各有機物濃度に対する膜面曝気風量とTMP上昇速度の関係性について、その精度を高めることができる。
ここで図4および図5を用いて、被処理水9中の有機物濃度を測定することの効果を説明する。被処理水9中の有機物濃度が高かったにも拘わらず、有機物濃度を測定していなかったため、その値が中程度とした場合、TMP上昇速度が一定となるように膜面曝気風量を変更した。すなわち、有機物濃度が中→高に増加した場合、有機物濃度が中の変曲点での曝気風量で運転を継続するとTMP上昇速度が増大する。そこでTMP上昇速度が一定となるように膜面曝気風量を増大させた結果(図4)、実際には有機物濃度が中の場合の膜面曝気風量の変曲点も大幅に大きい値となってしまうため(図5)、消費エネルギーが増大する。
すなわち、被処理水9中の有機物濃度を測定し、それに基づいた膜面曝気風量を設定することで、僅かにTMP上昇速度は上昇するものの、膜面曝気風量を大幅に低減することが可能となる。膜面曝気に要するエネルギーコストは、洗浄等の運転コストと比較して大幅に大きいため、図4、5で示した僅かなTMP上昇速度の増大によって洗浄頻度が増加しても、全体システムとして本法によって運転コストを低減できる。
以下に図6を使用して、有機物濃度測定値に対応する目標TMP上昇速度から膜面曝気風量の算出方法について説明する。図6は有機物濃度の高、中、低に応じて膜面曝気風量とTMP上昇速度の関係をまとめた図であり、図1に示した膜分離装置を運転して得られたデータベースである。これらのデータは上述したとおり、圧力測定部17、有機物濃度測定手段19から得られた値、および膜面曝気装置5の膜面曝気風量から得られた値とで構成されている。
流入水8は時々刻々と変化し、それに応じて、膜分離装置のSRT(Solid Retention Time:汚泥滞留時間)や被処理水9内の溶存酸素濃度等の運転条件
によって被処理水9内の有機物濃度が変化する。その有機物濃度の高、中、低に応じて目標とするTMP上昇速度R、すなわち図6内の変曲点の膜面曝気風量Qを設定することで、膜分離装置の膜面曝気に要するエネルギーコストを最小限に維持することが可能である。
有機物濃度の高、中、低としては、例えば波長220〜270nmのいずれかの波長における紫外線吸光度として、高:2.000Abs/cm以上、中:0.001〜1.999Abs/cm以上、低:0.000〜0.001Abs/cmが挙げられる。紫外線吸光度測定時の波長としては、254nm、260nmを使用することが第一優先候補として考えられる。また、膜面曝気風量としては0.01m/hr/mから10m/hr/mに設定される。また分離膜2の1本もしくは1枚当たりのろ過面積は0.01〜100mである。
図7には、実施の形態1における膜面曝気風量の制御手順のフローチャートを示す。
有機物濃度測定手段19で被処理水9中の有機物濃度を測定する。目標TMP上昇速度選定部21において、データベース20のデータから測定された有機物濃度に基づいた目標TMP上昇速度Rを選択する。また、圧力測定部17でTMPを測定し、圧力測定部で測定されたTMPからTMP上昇速度RをTMP上昇速度算出部18で算出する。次にTMP上昇速度算出部18で算出されたTMP上昇速度Rと目標TMP上昇速度選定部21で選定された目標TMP上昇速度Rとを比較する。
TMP上昇速度Rと目標TMP上昇速度Rが等しい、またはTMP上昇速度Rと目標TMP上昇速度Rとの差の絶対値が任意に設定した値aよりも小さければ膜面曝気風量を維持する。TMP上昇速度Rが目標TMP上昇速度Rより大きい、またはTMP上昇速度Rが目標TMP上昇速度Rよりも任意に設定した値a以上に大きい場合は、膜面曝気風量をΔQだけ増加させる。TMP上昇速度Rが目標TMP上昇速度Rより小さい、またはTMP上昇速度Rが目標TMP上昇速度Rよりも任意に設定した値a以上に小さい場合は、膜面曝気風量をΔQだけ減少させる。任意に設定した値aは膜面差圧上昇速度の測定誤差や風量制御における運転の簡便さを考慮して任意に設定することができる。膜面曝気風量の変化量ΔQは任意に設定でき、TMP上昇速度Rと目標TMP上昇速度Rの差やTMP上昇速度Rの変化率に基づいて設定してもよいし、有機物濃度や有機物濃度の変化量に基づいて設定してもよい。
膜面曝気風量を維持する、または増減させたのち、再びTMP上昇速度Rを算出する。さらにTMP上昇速度Rと目標TMP上昇速度Rとを比較し、前述の方法で膜面曝気風量の調整を行う。この手順を次の有機物濃度を測定する工程に到達するまで繰り返し行う。したがってTMP上昇速度Rと目標TMP上昇速度Rが等しい、またはその差の絶対値が任意に設定した値a以内に制御されるように膜面曝気風量の値が設定される。次の有機物濃度を測定する工程に到達したら、有機物濃度を測定し、上記工程を繰り返す。
以上のように実施の形態1の発明は、被処理水9に含まれる有機物濃度に基づいて目標TMP上昇速度Rを設定し、その目標TMP上昇速度Rに維持されるように膜面曝気風量を制御するようにしているから、膜面曝気風量を抑制でき、装置全体の運転コストを低減することができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2における膜分離装置を図8に基づいて説明する。図8はこの発明の実施の形態2における膜分離装置の構成図である。
図8に示すように、この発明の実施の形態2における膜分離装置は、実施の形態1の目標TMP上昇速度設定手段13に、有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度における新たな目標TMP上昇速度を算出しデータベース20に保管された被処理水中の有機物濃度とTMP上昇速度との関係を更新するデータベース更新手段40を追加したものである。
データベース更新手段40は、信号線71を介して膜面曝気風量制御部16と接続され、信号線72を介してデータベース20と接続されている。その他の構成は実施の形態1と同じにつき、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
ろ過運転の継続に伴い、ろ過膜の性状変化や無機物の蓄積等が発生する。これらは被処理水9中の有機物濃度に依存せずにTMP上昇速度を変化させる要因となる。そのため、図9に示すように被処理水9中の有機物濃度とTMP上昇速度との関係は変化し、変曲点の膜面曝気風量を設定することが困難になることがある。
そこで、データベース20に保管されている被処理水9中の有機物濃度とTMP上昇速度の関係と実運転下での被処理水9中の有機物濃度とTMP上昇速度の関係とを比較し、適宜データベースを更新する必要がある。
データベース更新手段40は、図10に示すように、有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度の値から選定されたTMP上昇速度Rと圧力測定部で測定されたTMPから算出されたTMP上昇速度Rとが等しい値に制御された際の膜面曝気風量Qとデータベースに保管されている目標TMP上昇速度Rの際の膜面曝気風量Qを比較する膜面曝気風量比較手段41と、膜面曝気風量比較手段41において膜面曝気風量Qと膜面曝気風量Qの値が異なる場合に膜面曝気風量制御部16にて膜面曝気風量を変動させて新たな目標TMP上昇速度R´を算出する目標TMP上昇速度算出手段42と、目標TMP上昇速度算出手段42により算出された新たな目標TMP上昇速度R´とその際の膜面曝気風量Q´と有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値を前記データベースに保管するデータベース更新部43で構成させている。さらに、目標TMP上昇速度算出手段42は、膜面曝気風量を変動させるよう膜面曝気風量制御部16に指令を送る膜面曝気風量変動指令部44と、膜面曝気風量変動指令部44から送られた指令により膜面曝気風量を変動させた際の膜面曝気風量とその際のTMP上昇速度の関係に基づき目標TMP上昇速度R´を算出する目標TMP上昇速度算出部45で構成させている。
膜面曝気風量比較手段41は、信号線71aを介して膜面曝気風量制御部16と接続され、信号線72aを介してデータベース20と接続され、信号線73を介して目標TMP上昇速度算出手段42と接続されている。膜面曝気風量変動司令部44は信号線71bを介して膜面曝気風量制御部16と接続されている。目標TMP上昇速度算出部45は信号線74を介してTMP上昇速度算出部18と接続されている。データベース更新部43は信号線75を介して目標TMP上昇速度算出手段42と接続され、信号線72bを介してデータベース20と接続されている。
続いて実施の形態2におけるデータベースの更新手順について説明する。膜面曝気風量制御部16では、有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度の値から選定されたTMP上昇速度Rと圧力測定部17で測定されたTMPから算出されたTMP上昇速度Rとが等しくなるように制御する。
有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度の値から選定されたTMP上昇速度Rと圧力測定部17で測定されたTMPから算出されたTMP上昇速度Rとが等しい値に制御された際の膜面曝気風量Qの値は信号線71aを介して膜面曝気風量比較手段41に送られる。データベースに保管されている目標TMP上昇速度Rの際の膜面曝気風量Qの値は信号線72aを介して膜面曝気風量比較手段41に送られる。膜面曝気風量比較手段41では、有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度の値から選定されたTMP上昇速度Rと圧力測定部17で測定されたTMPから算出されたTMP上昇速度Rとが等しくなるように制御された際の膜面曝気風量Qとデータベースに保管されている目標TMP上昇速度Rの際の膜面曝気風量Qを比較し、この差を目標TMP上昇速度算出手段42に信号線43を介して送る。
目標TMP上昇速度算出手段42では、有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度の値から選定されたTMP上昇速度Rと圧力測定部17で測定されたTMPから算出されたTMP上昇速度Rとが等しくなるように制御された際の膜面曝気風量Qとデータベースに保管されている目標TMP上昇速度Rの際の膜面曝気風量Qの値が等しければ、データベースの更新を行わないが、その値が異なっていれば、新たな目標TMP上昇速度R´および新たな目標TMP上昇速度R´の際の膜面曝気風量Q´を算出し、その値を信号線75を介してデータベース更新部43に送る。
目標TMP上昇速度算出手段42は膜面曝気風量変動司令部44と目標TMP上昇速度算出部45を備えている。膜面曝気風量変動司令部44では、膜面曝気風量Qが膜面曝気風量Qよりも小さい場合は、膜面曝気風量を増大させるように信号線71bを介して膜面曝気風量制御部16に指令を送る。逆に膜面曝気風量Qが膜面曝気風量Qよりも大きい場合は、膜面曝気風量を減少させるように信号線71bを介して膜面曝気風量制御部16に指令を送る。膜面曝気風量制御部16にて膜面曝気風量を変更後、TMP上昇速度算出部18にてTMP上昇速度Rを算出し、その値を信号線74を介して目標TMP上昇速度算出部45に送る。膜面曝気風量の増減およびTMP上昇速度Rの算出を膜面曝気風量が膜面曝気風量Qに到達するまで繰り返し行う。
目標TMP上昇速度算出部45では、上記の運転により得られたTMP上昇速度と膜面曝気風量との関係から変曲点を算出し、前述のとおりその変曲点におけるTMP上昇速度を新たな目標TMP上昇速度R´と、その変曲点における膜面曝気風量を新たな目標TMP上昇速度R´の際の膜面曝気風量Q´と算出する。変曲点の算出方法は、TMP上昇速度の変化量を膜面曝気風量の変化量で割った値、つまり膜面曝気風量の変化量に対するTMP上昇速度の変化率を算出した値に基づいて変曲点を算出してもよいし、膜面曝気風量とTMP上昇速度をパラメータとして運転コストを算出する式を用いて、変曲点を算出してもよい。例えば、以下のような式がある。以下の式を用いて算出された運転コストが最小となるTMP上昇速度および膜面曝気風量を変曲点とすればよい。

[運転コスト]=f(TMP上昇速度、膜面曝気風量)
ここで、図11および図12を用いて、データベース更新手段について説明する。被処理水9中の有機物濃度を測定し、その値に基づいてデータベースから目標TMP上昇速度Rを選定する。さらにTMP上昇速度Rがその目標TMP上昇速度Rになるように膜面曝気風量を制御する。その際の膜面曝気風量はデータベースのデータでは膜面曝気風量Qであるが、実際には膜面曝気風量Qである場合、その有機物濃度における膜面曝気風量とTMP上昇速度の関係図を更新する必要がある。図11のように膜面曝気風量Qが幕面曝気風量Qより小さい場合、膜面曝気風量をQからQまで徐々に増加させ、図12のように膜面曝気風量Qが幕面曝気風量Qより大きい場合、膜面曝気風量をQからQまで徐々に減少させ、その都度、TMP上昇速度を算出する。さらに新たに算出された膜面曝気風量とTMP上昇速度との関係図から前述のような変曲点の算出方法を用いて、変曲点を算出し、その変曲点を新たな目標TMP上昇速度R´およびその際の膜面曝気風量Q´と算出する。
データベース更新部43では、目標TMP上昇速度算出手段42で算出された新たな目標TMP上昇速度R´と、新たな目標TMP上昇速度R´の際の膜面曝気風量Q´を信号線72bを介してデータベース20に送り、データベースを更新する。さらに膜面曝気風量変動司令部44では、膜面曝気風量が膜面曝気風量Q´となるように信号線71bを介して膜面曝気風量制御部16に指令を送る。膜面曝気風量が膜面曝気風量Q´となるように膜面曝気風量制御部16で制御したのち、データベースの更新手順を終了する。
図13には、実施の形態2における膜面曝気風量の調整手順のフローチャートを示す。
図13に示すように、この発明の実施の形態2における膜面曝気風量の調整手順のフローチャートは、実施の形態1のフローチャートにデータベースの更新手順を追加したものである。その他の手順は実施の形態1と同じにつき、説明を省略する。つまり、発明の実施の形態2における膜面曝気風量の調整手順は、有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度の値から選定されたTMP上昇速度Rと圧力測定部17で測定されたTMPから算出されたTMP上昇速度Rとが等しくなるように膜面曝気風量を制御し、さらにその値が等しくなるように制御された際にデータベースの更新を行う。
図14には、実施の形態2におけるデータベースの更新手順のフローチャートを示す。有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度の値から選定されたTMP上昇速度Rと圧力測定部17で測定されたTMPから算出されたTMP上昇速度Rとが等しくなるように膜面曝気風量制御部16にて制御する。データベース20のデータから目標TMP上昇速度Rの際の膜面曝気風量Qの値を選択する。また、有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度の値から選定されたTMP上昇速度Rと圧力測定部17で測定されたTMPから算出されたTMP上昇速度Rとが等しい値に制御された際の膜面曝気風量Qの値をTMP上昇速度算出部18で算出する。
次に膜面曝気風量Qと膜面曝気風量Qとを比較する。膜面曝気風量Qと膜面曝気風量Qが等しい、または膜面曝気風量Qと膜面曝気風量Qとの差の絶対値が任意に設定した値bよりも小さければデータベースの更新を行わない。膜面曝気風量Qが膜面曝気風量Qより小さい、または膜面曝気風量Qが膜面曝気風量Qよりも任意に設定した値b以上に大きい場合は、膜面曝気風量をΔQだけ増加させる。膜面曝気風量Qが膜面曝気風量Qより大きい、または膜面曝気風量Qが膜面曝気風量Qよりも任意に設定した値b以上に大きい場合は、膜面曝気風量をΔQだけ減少させる。任意に設定した値bは膜面曝気風量の制御誤差や風量制御における運転の簡便さを考慮して任意に設定することができる。膜面曝気風量の変化量ΔQは任意に設定でき、膜面曝気風量Qと膜面曝気風量Qの差分に基づいて設定しもよいし、TMP上昇速度の変化率に基づいて設定してもよい。膜面曝気風量を増減させたのち、TMP上昇速度を算出する。この膜面曝気風量の変更とTMP上昇速度Rの算出を膜面曝気風量が膜面曝気風量Qに到達するまで繰り返し行う。したがって膜面曝気風量を膜面曝気風量Qから膜面曝気風量Qまで変化させ、その時々のTMP上昇速度を測定していることになる。
上記の運転により得られたTMP上昇速度Rと膜面曝気風量Qとの関係から目標TMP上昇速度算出部45にて、変曲点を算出し、前述のとおりその変曲点におけるTMP上昇速度を新たな目標TMP上昇速度R´と、その変曲点における膜面曝気風量を新たな目標TMP上昇速度R´の際の膜面曝気風量Q´と算出する。
算出された新たな目標TMP上昇速度R´と、新たな目標TMP上昇速度R´の際の膜面曝気風量Q´をデータベース20に送り、データベースを更新する。最後に膜面曝気風量が膜面曝気風量Q´となるように膜面曝気風量を制御し、データベースの更新手順を終了する。
以上のように実施の形態2の発明は、データベースに保管された被処理水中の有機物濃度とTMP上昇速度との関係を更新し、正確に目標TMP上昇速度を設定できるようにしているから、膜面曝気風量を抑制でき、装置全体の運転コストを低減することができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3における膜分離装置を図15に基づいて説明する。図15はこの発明の実施の形態3における膜分離装置の構成図である。
図15に示すように、この発明の実施の形態3における膜分離装置は、実施の形態1の目標TMP上昇速度設定手段13に、ろ過水配管3中のろ過水の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段22と有機物濃度差分値算出部23を追加したものである。なお、有機物濃度測定手段22は、図2に示すような被処理水9の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段と全く同じ構成のものでよい。
膜分離槽1内の被処理水9の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段19は、信号線58を介して有機物濃度差分値算出部23と接続され、ろ過水配管3中のろ過水の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段22は信号線59を介して有機物濃度差分値算出部23と接続されている。有機物濃度差分値算出部23は信号線60を介して目標TMP上昇速度選定部21に接続されている。その他の構成は実施の形態1と同じにつき、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
続いて実施の形態3における膜分離装置の動作について説明する。有機物濃度測定手段22では、分離膜2でろ過された処理水がろ過水配管3を通る途中でろ過水中の有機物濃度を測定する。有機物濃度測定手段22で測定された有機物濃度の値は信号線59を介して有機物濃度差分値算出部23へ送られる。有機物濃度差分値算出部23では、有機物濃度測定手段19と有機物濃度測定手段22のそれぞれで測定された有機物濃度との差分、具体的には、有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度から有機物濃度測定手段22で測定された有機物濃度を差し引いた値が有機物濃度差分値算出部23から信号線60を介して、目標TMP上昇速度選定部21へ送られる。
有機物濃度測定手段22はろ過水に含まれる有機物濃度を測定する手段であり、ろ過水配管3に有機物濃度センサーを設置し測定してもよく、ろ過水を有機物濃度センサーに供給し、測定してもよい。また、ろ過ポンプ4により排出されたろ過水を採取し、有機物濃度を測定してもよい。データベース20は信号線57を介して目標TMP上昇速度選定部21と接続されている。データベース20はこれまでの水処理で取得した水質、例えば、有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度から有機物濃度測定手段22で測定された有機物濃度を差し引いた値やTMPの時間変化等がデータベースとして記憶、保管されている。
目標TMP上昇速度選定部21では、データベース20に保管されているデータと有機物濃度差分値算出部23で算出された濃度差(有機物濃度測定手段19で測定された有機物濃度から有機物濃度測定手段22で測定された有機物濃度を差し引いた値)に基づき、目標とするTMP上昇速度Rを選定するところである。目標TMP上昇速度Rとしては0.01〜40kPa/hであることが好ましい。その他の動作は実施の形態1と同じである。
ここで、膜分離槽1内の被処理水9に含まれる有機物がすべて分離膜2の閉塞の原因になるとは限らず、有機物の一部は分離膜2を透過し、ろ過された処理水10中に含有される。そのため、分離膜2前後の有機物濃度の差分を検出することで、すなわち膜分離槽1内の被処理水9に含まれる有機物濃度とろ過された処理水10に含まれる有機物濃度の差分値を求めることで、ろ過した水量と併せて分離膜2に捕捉された有機物量を把握することができる。すなわち、間接的に分離膜2の閉塞の原因となる有機物量を算出することができ、特に有機物濃度として紫外線吸光度を用いた場合、分離膜2に捕捉された有機物量を精度よく、かつ吸光度測定は瞬間的に実施できるため、迅速に算出することができる。
以上のように実施の形態3の発明は、膜分離槽1内の被処理水9に含まれる有機物濃度とろ過水に含まれる有機物濃度の差分値を求めることで膜の閉塞の原因となる有機物濃度を正確に算出することができ、この差分値に応じて目標TMP上昇速度Rを設定し、その目標TMP上昇速度Rに維持されるように膜面曝気風量を制御するようにしているから、膜面曝気風量を抑制でき、装置全体の運転コストを低減することができる。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4における膜分離装置を図16に基づいて説明する。図16はこの発明の実施の形態4における膜分離装置に使用される有機物濃度測定手段の説明図である。
この発明の実施の形態4における有機物濃度測定手段19は、膜分離槽1内の被処理水9の浮遊物を、ろ過分離、遠心分離、沈殿分離のいずれかの方法により固液分離を行う固液分離部24と、固液分離部24で固液分離した液相中の有機物濃度を測定する有機物濃度測定部25で構成されている。
膜分離槽1内の被処理水9が固液分離部24に供給されて、ろ過分離、遠心分離、沈殿分離のいずれかの方法により固液分離され、固液分離液26が得られる。固液分離部24で得られた固液分離液26を有機物濃度測定部25に供給して固液分離液26の有機物濃度を測定する。
固液分離部24においてろ過分離を行う場合、ろ過分離で使用するろ紙もしくはろ過膜の孔径は0.2〜10μmであることが好ましい。ただし、分離膜2の孔径よりも大きくする必要がある。分離膜2よりもろ過分離の孔径が小さい場合、ろ過分離時に分離膜2以上の量の有機物がろ過分離で使用するろ紙に捕捉されてしまい、分離膜2に捕捉される有機物量を正確に把握することができない。ろ過膜の孔径が0.2μmよりも小さい場合も同様である。また、ろ過膜の孔径が10μmよりも大きい場合、固形物や濁度成分がろ過分離で使用するろ紙もしくはろ過膜を通過して有機物濃度を正確に測定することができない。
また、固液分離部24において遠心分離を行う場合、1000〜10000Gの重力加速度で遠心分離することが好ましい。重力加速度が1000Gより小さい場合は固液分離が不十分で、固形物や濁度成分がろ過分離で使用するろ紙もしくはろ過膜を通過して有機物濃度を正確に測定することができない。重力加速度が10000Gよりも大きい場合、装置が大掛かりになり膜分離装置の横に設置することができない。
また、固液分離部24において沈殿分離を行う場合、沈殿時間は15分〜2時間とするのがよい。沈殿時間が15分未満では固液分離が不十分で、固形物や濁度成分がろ過分離で使用するろ紙もしくはろ過膜を通過して有機物濃度を正確に測定することができない。また沈殿時間が2時間を超えると被処理水9の性状が変化して、有機物濃度を正確に測定することができない。
活性汚泥などの被処理水9中に存在する固形物が膜面に堆積することにより膜の閉塞が発生するが、膜面曝気を行うことでこれを抑制している。被処理水9中の有機物には、そのサイズが大きいために分離膜2表面に留まって分離膜2内にまで入れない有機物があり、これは膜面曝気で除去できる。それよりもサイズが小さい有機物は分離膜2内に入り込み、一部は分離膜2で捕捉され、一部は分離膜2を通過してろ過された処理水10と共にろ過ポンプ4を通って排出される。この分離膜2で捕捉される有機物が目詰まり物質であり、TMP上昇要因となる。分離膜2で捕捉される有機物を上述の方法で測定することができ、すなわち膜表面に留まって分離膜2内にまで入れない被処理水9中の有機物は、ろ過分離、遠心分離、沈殿分離等で予め取り除き、それらを取り除いた被処理水9の有機物濃度を測定することでTMPの上昇速度を精度よく選定できる。
以上のように実施の形態4の発明は、膜分離槽内の被処理水を、ろ過分離、遠心分離、沈殿分離のいずれかの方法により固液分離し、固液分離した液相中の有機物濃度を測定することで、膜の閉塞の原因となる有機物をより正確に測定することができる。
なお、膜分離槽1内の被処理水9を固液分離部24で固液分離した固液分離液26を、実施の形態1に記載した有機物濃度測定手段19の有機物指標測定手段27に供給してもよい。このようにすることで、UV、TOC、COD、BOD、フミン酸濃度、糖濃度、タンパク質濃度の少なくともいずれかの有機物指標を測定することができる。これらの物質は分離膜に捕捉されやすく、目詰まりの指標として使用できることを確認している。
また、図16では有機物濃度測定部25で測定した有機物濃度を目標TMP上昇速度選定部21に出力しているが、図15の実施の形態3で説明した有機物濃度差分値算出部23に出力してもよい。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5における膜分離装置を図17および図18に基づいて説明する。図17は実施の形態5における膜分離装置に使用される目標TMP上昇速度設定手段13の構成図である。
この発明の実施の形態5における目標TMP上昇速度設定手段13は、データベース20、有機物濃度測定手段19、目標TMP上昇速度選定部21に加えて、膜分離槽1中の被処理水の水温を測定する水温測定手段28、MLSS(曝気槽内混合液中の浮遊物質:Mixed Liquor Suspended Solid)濃度を測定するMLSS測定手段29、分離膜2のろ過フラックスを測定するフラックス測定手段30のいずれか一つ以上を備えている。
水温測定手段28は信号線65を介して、MLSS測定手段は信号線66を介して、フラックス測定手段は信号線67を介して目標TMP上昇速度選定部21と接続されている。その他の構成は実施の形態1〜4と同様であるので、説明を省略する。
続いて実施の形態5における膜分離装置の動作について説明する。
水温測定手段28は、被処理水9の水温を測定する手段であり、膜分離槽1に水温センサーを設置し測定して測定する、もしくは被処理水9を水温センサーに供給し、測定してもよい。MLSS測定手段29は、被処理水9のMLSS濃度や濁度、SS(Suspended Solid)等を測定する手段であり、膜分離槽1にMLSS濃度センサーや濁度計等を設置して測定する、もしくは被処理水をMLSS濃度センサーや濁度計等に供給し、測定してもよい。また、被処理水9を採取して、MLSS濃度、SS濃度、濁度等を手分析で測定してもよい。
フラックス測定手段30は、分離膜2のろ過フラックスを測定する手段であり、ろ過水配管3に流量センサーを設置して測定する、もしくは一定時間のろ過水量を測定して流量を算出する。さらにその流量値を分離膜2の膜面積で除することで、ろ過フラックスを測定できる。水温測定手段28、MLSS測定手段29、フラックス測定手段30で得られた値はそれぞれ信号線65、66および67を介して目標TMP上昇速度選定部21に送られる。
目標TMP上昇速度選定部21において、データベース20から送られてきたTMP上昇速度、膜面曝気風量、有機物濃度等の過去データ、また水温測定手段28、MLSS測定手段29、フラックス測定手段30に関する過去の運転データ、さらに過去の実験等で得られたこれらのデータ等から現在の膜分離装置の被処理水9の水質に適した膜面曝気風量を選定する。膜分離装置の運転において、水温は1〜50℃であることが好ましい。水温1℃以下では、また水温50℃以上では分離膜2の耐久性が低下し、安定した膜分離装置の運転が困難である。MLSS濃度、SS濃度は1〜30000mg/Lであることが好ましい。
また被処理水9の濁度は0.1〜10000度が好ましい。MLSS濃度、SS濃度が1mg/L未満、もしくは濁度が0.1未満の場合はろ過処理が不要となる。また、MLSS濃度、SS濃度が30000mg/以上、もしくは濁度が10000度以上の場合、分離膜2がすぐに目詰まりしてしまい、このような水質の被処理水9はろ過処理に適さない。分離膜2のろ過フラックスは0.01〜10m/日であることが好ましい。ろ過フラックスは0.01m/日未満では分離膜2の必要量が膨大となり、水処理として現実的ではない。またろ過フラックス10m/日以上では分離膜2がすぐに目詰まりし、分離膜2を洗浄してもTMPを回復できないため、ろ過処理を実現できない。
以下、具体的な膜面曝気風量の制御方法について説明する。水温はそれが低いほど水の粘性が高くなるため、TMP上昇速度が大きくなる。また、MLSS濃度、SS濃度、濁度等が高くなると分離膜2が目詰まりしやすくなるため、TMP上昇速度が大きくなる。また、ろ過フラックスが大きくなるほど分離膜2を水が透過する速度が大きくなり、目詰まりしやすくなってTMP上昇速度が大きくなる。従って、これらの水質項目を測定することは、TMP上昇速度を適切な値に保ちつつ膜分離装置を安定して、すなわちTMP上昇速度を制御しながら膜分離装置を運転するために重要である。
従って、水温が低いほど、MLSS濃度、SS濃度、濁度が高いほど、ろ過フラックスが大きいほどTMP上昇速度は高くなる。なお、水温測定手段28、MLSS測定手段29、フラックス測定手段30のいずれか一つ、もしくは複数、全てを組み合わせて使用することも可能である。
データベースとしては図18A〜18Dに示すものが使用される。即ち、図18Aは膜面曝気風量とTMP上昇速度と紫外線吸光度との関係を示すデータベースの図、図18Bは膜面曝気風量とTMP上昇速度と水温との関係を示すデータベースの図、図18Cは膜面曝気風量とTMP上昇速度と曝気槽内混合液中の浮遊物質との関係を示すデータベースの図、図18Dは膜面曝気風量とTMP上昇速度とろ過フラックスとの関係を示すデータベースの図である。なお図中の○印が変曲点である。
図18A〜18Dに示すように、各有機物濃度(波長254nmの紫外線吸収光度UV)、各水温、各MLSS濃度(本値はSS濃度、濁度でもよい)、および各ろ過フラックスの組み合わせにおいて、過去の運転データもしくは実験データを基に膜面曝気風量とTMP上昇速度の関係をデータベース20に保管しておく。
その際、全てのデータが揃っていなくても、それぞれのデータを補間することでデータベースとして使用可能である。例えば、水温15℃と水温30℃のデータベースはあるが、水温25℃で運転する場合はそれぞれの水温での各膜面曝気風量と各TMP上昇速度の値の平均値を採用してデータベースとすることも可能である。このようにある現存するデータベースに沿って補間しても新たなデータベースとしてもよいし、予め今あるデータベースから補間した関係を構築して、新たなデータベースとしてもよい。
すなわち、膜面曝気風量、有機物濃度、水温、MLSS濃度、ろ過フラックスをパラメータとして、TMP上昇速度を算出する式を構築してもよい。例えば、以下のような式である。
ただし、全てのパラメータの総和ではなく、乗算、除算、累乗算、対数が入り混じった式を構築してもよく、過去の運転データを再現できる式を構築することが重要である。
[TMP上昇速度]=α[膜面曝気風量]+β[有機物濃度]+γ[水温]+δ[MLSS濃度]+ε[ろ過フラックス]
(α、β、γ、δ、εは定数)・・・・・(1)
以上のように実施の形態5の発明によれば、膜分離槽1中の被処理水9の有機物濃度、水温、MLSS濃度、分離膜2のろ過フラックスのいずれか一つ以上が変化した場合でも、目標TMP上昇速度をより正確に設定できる。
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6における膜分離装置を図19に基づいて説明する。図19はこの発明の実施の形態6における膜分離装置に使用される目標TMP上昇速度設定手段13の説明図である。
図19において、有機物濃度差分値算出部23に信号線59を介して有機物濃度測定手段22が接続されている以外は実施の形態5と同じである。
上述したとおり、膜分離槽1内の被処理水9に含まれる有機物がすべて分離膜2の閉塞の原因になるとは限らず、有機物の一部は分離膜2を透過し、ろ過された処理水10中に含有される。そのため、分離膜2前後の有機物濃度の差分を検出することで、すなわち膜分離槽1内の被処理水9に含まれる有機物濃度とろ過された処理水10に含まれる有機物濃度の差分値を求めることで、ろ過した水量と併せて分離膜2に捕捉された有機物量を把握することができる。これにより直接的に分離膜2に捕捉される有機物量を確認することができるため、被処理水9の有機物濃度の変動に対して分離膜2の目詰まり程度の把握が容易となり、水処理負荷を低下させる、SRTを大きくする、溶存酸素濃度を高める等の被処理水9の有機物濃度を低減する方策を取り易くなる。
以下、この発明を実施例に基づき詳細に説明する。ただし、この発明は、以下の実施例に制約されるものではない。
図20に示した膜分離装置により、3本の分離膜2a〜2c(区別するため、添字a、b、cを付す。以下、同様)を同時に浸漬して、分離膜2のそれぞれの下部に散気管7a〜7cを配置して膜ろ過処理を実施した。その際、1本の分離膜2aに図1に示したTMP上昇速度変化手段12を、もう1本の分離膜2bには図15に示したTMP上昇速度変化手段12を、さらにもう1本の分離膜2cには図21に示す膜面曝気風量制御を実施した。なお、被処理水の水温は30℃であり、MLSS濃度は9000mg/Lであった。
(実施例1)
実施例1では膜面積1mの分離膜2により膜分離槽1内の被処理水9をろ過フラックス2.0m/日でろ過した。被処理水中の有機物濃度を測定するために被処理水9を孔径1μmのフィルターでろ過し、そのろ液の波長254nmの吸光度(UV254)を測定した。さらに測定したUV254値に基づいてデータベース20から得た図22に示す膜面曝気風量とTMP上昇速度の関係から目標TMP上昇速度を選定し、TMP上昇速度測定値が目標TMP上昇速度Rに維持されるように膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御した。
ろ過開始1時間後のUV254は0.05Abs/cmであり、変曲点のTMP上昇速度は0.4kPa/hであった。そこで、TMP上昇速度測定値が目標TMP上昇速度Rに維持されるよう膜面曝気装置の膜面曝気風量を0.60m/hr/mに制御した。さらにろ過開始1時間後、流入水水質が変動したため膜分離槽1内の被処理水9の水質も変化し、UV254が0.10Abs/cmに上昇した。そのときの目標TMP上昇速度Rは、図22に示したデータベースより0.7kPa/hであり、膜面積当たりの膜面曝気風量は0.72m/hr/mであった。
(実施例2)
実施例2では流入水8を膜分離槽1に供給し、膜面積1mの分離膜2により膜分離槽1内の被処理水9をろ過フラックス2.0m/日でろ過した。被処理水中の有機物濃度を測定するために被処理水9を孔径1μmのフィルターでろ過し、そのろ液のUV254を測定した。さらに、ろ過された処理水10に含まれる有機物濃度を測定するためにろ過水のUV254を測定した。被処理水9のろ液のUV254とろ過水のUV254を有機物濃度差分値算出部23に出力し、有機物濃度差分値に基づいてデータベース20から図23に示す膜面曝気風量とTMP上昇速度の関係から目標TMP上昇速度を選定し、TMP上昇速度測定値が目標TMP上昇速度に維持されるように膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御した。
ろ過開始1時間後の被処理水9とろ過された処理水10のUV254の差分ΔUV254は0.02Abs/cmであり、変曲点のTMP上昇速度は0.4kPa/hであった。そこで、TMP上昇速度測定値が目標TMP上昇速度Rに維持されるよう膜面曝気装置の膜面曝気風量を0.6m/hr/mに制御した。しかし、ろ過開始さらに1時間後、流入水水質が変動したため膜分離槽1内の被処理水9の水質も変化し、被処理水9と膜ろ過水3のUV254の差分が0.07Abs/cmに上昇した。そのときの目標TMP上昇速度Rは、図23に示したデータベースより0.7kPa/hであり、膜面積当たりの膜面曝気風量は0.72m/hr/mであった。
(比較例)
比較例では被処理水9中の有機物濃度を測定することなく事前に目標TMP上昇速度Rを固定値に設定した以外は、実施例1と同様のろ過運転とした。目標TMP上昇速度入力手段31にて、目標TMP上昇速度Rを0.4kPa/hに固定し、TMP上昇速度比較手段15に出力した。さらにTMP上昇速度測定値が目標TMP上昇速度Rに維持されるように膜面曝気装置の膜面積当たりの膜面曝気風量を0.6m/h/mに制御した。しかし、ろ過開始さらに1時間後、流入水水質が変動したため膜分離槽1内の被処理水9の水質も変化し、目標TMP上昇速度を0.4kPa/hを維持できるように設定した膜面曝気風量は図22および図23の破線丸印から1.2m/h/mとした。この値は実施例1、実施例2の膜面曝気風量0.72m/hr/mよりも大幅に大きくなった。
実施例1および実施例2では、比較例と比べて、被処理水の有機物濃度または被処理水の有機物濃度とろ過水の有機物濃度の差分値に応じて目標TMP上昇速度を変化させることができた。そのため、膜分離槽1の被処理水の性状が変化した後の実施例1および実施例2の膜面曝気風量は比較例のそれよりも小さい値でTMP上昇速度を維持することができ、膜分離装置の省エネ運転が可能であった。
なお、TMP上昇速度変化手段12は、ハードウエアの一例を図24に示すように、プロセッサ100と記憶装置101から構成される。記憶装置は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ100は、記憶装置101から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ100にプログラムが入力される。また、プロセッサ100は、演算結果等のデータを記憶装置101の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
以上、この発明の実施の形態を記述したが、この発明は実施の形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を行うことが可能であり、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1:膜分離槽、2:分離膜、3:ろ過水配管、4:ろ過ポンプ、5:膜面曝気装置、6:曝気配管、7:散気管、8:流入水、9:被処理水、10:処理水(ろ過水)、11:気泡、12:TMP上昇速度変化手段、13:目標TMP上昇速度設定手段、14:TMP上昇速度測定手段、15:TMP上昇速度比較手段、16:膜面曝気風量制御部、17:圧力測定部、18:TMP上昇速度算出部、19:有機物濃度測定手段、20:データベース、21:目標TMP上昇速度選定部、22:有機物濃度測定手段、23:有機物濃度差分値算出部、24:固液分離部、25:有機物濃度測定部、27:有機物指標測定手段、28:水温測定手段、29:MLSS測定手段、30:フラックス測定手段、31:目標TMP上昇速度入力手段。

Claims (16)

  1. 膜分離槽内の被処理水をろ過する分離膜と、前記分離膜の膜面曝気を行うための空気を供給する膜面曝気装置と、前記被処理水中の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段と、前記分離膜の膜間差圧を測定する圧力測定部と、前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度Rと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rとを比較する膜間差圧上昇速度比較手段と、前記膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御する制御部を備え、前記膜間差圧上昇速度比較手段で得られた前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度Rと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rとの差異に基づいて前記制御部により前記膜面曝気風量を変動させることを特徴とする膜分離装置。
  2. 前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から膜間差圧上昇速度Rを選定する際に、予め取得された被処理水中の有機物濃度と膜間差圧上昇速度との関係が保管されたデータから選定することを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置。
  3. 前記圧力測定部で測定された膜間差圧から膜間差圧上昇速度Rを算出する際に、前記分離膜の膜間差圧の時間変化から算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膜分離装置。
  4. 膜分離槽内の被処理水をろ過する分離膜と、前記分離膜の膜面曝気を行うための空気を供給する膜面曝気装置と、前記被処理水中の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段と、前記分離膜の膜間差圧を測定する圧力測定部と、前記被処理水中の有機物濃度の値から目標膜間差圧上昇速度Rを設定する目標膜間差圧上昇速度設定手段と、前記分離膜の膜間差圧から膜間差圧上昇速度Rを算出する膜間差圧上昇速度測定手段と、前記目標膜間差圧上昇速度設定手段からの目標膜間差圧上昇速度Rと前記膜間差圧上昇速度測定手段からの膜間差圧上昇速度Rとを比較する膜間差圧上昇速度比較手段と、前記膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御する制御部を備え、前記膜間差圧上昇速度比較手段で得られた前記被処理水中の有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度Rと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rとの差異に基づいて前記制御部により前記膜面曝気風量を変動させることを特徴とする膜分離装置。
  5. 前記目標膜間差圧上昇速度設定手段は、予め取得された被処理水中の有機物濃度と膜間差圧上昇速度との関係が保管されたデータベースと、前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値と前記データベースのデータとから目標膜間差圧上昇速度Rを選定する目標膜間差圧上昇速度選定部を備えた請求項4に記載の膜分離装置。
  6. 前記膜間差圧上昇速度測定手段は、前記圧力測定部で測定された膜間差圧から膜間差圧上昇速度Rを算出する膜間差圧上昇速度算出部を備えた請求項4または請求項5に記載の膜分離装置。
  7. 前記制御部は、前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度Rが前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rよりも大きい場合に前記膜面曝気風量を減少させ、前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度Rが前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rよりも小さい場合に前記膜面曝気風量を増加させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の膜分離装置。
  8. 前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度における新たな目膜間差圧上昇速度R´を算出し、前記データベースに保管された被処理水中の有機物濃度と膜間差圧上昇速度との関係を更新するデータベース更新手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の膜分離装置。
  9. 前記データベース更新手段は、前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度Rと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rとが等しくなるように制御された際の膜面曝気風量Qとデータベースに保管されている目標膜間差圧上昇速度Rの際の膜面曝気風量Qを比較する膜面曝気風量比較手段と、前記膜面曝気風量比較手段において膜面曝気風量Qと膜面曝気風量Qの値が異なる場合に前記制御部にて前記膜面曝気風量を変動させて新たな目標膜間差圧上昇速度R´を算出する目標膜間差圧上昇速度算出手段と、前記目標膜間差圧上昇速度算出手段により算出された新たな目標膜間差圧上昇速度R´とその際の膜面曝気風量Q´と前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値を前記データベースに保管するデータベース更新部を備えた請求項8に記載の膜分離装置。
  10. 前記目標膜間差圧上昇速度算出手段は、前記膜面曝気風量を変動させるよう前記制御部に信号を送る膜面曝気風量変動指令部と、前記膜面曝気風量変動指令部から送られた指令により前記制御部にて前記膜面曝気風量を変動させた際の膜面曝気風量とその際の膜間差圧上昇速度の関係に基づき新たな目標膜間差圧上昇速度R´を算出する目標膜間差圧上昇速度算出部を備えた請求項9に記載の膜分離装置。
  11. 前記膜面曝気風量変動指令部において、膜面曝気風量Qが膜面曝気風量Qよりも大きい場合に前記膜面曝気風量を減少させ、膜面曝気風量Qが膜面曝気風量Qよりも小さい場合に膜面曝気風量を増加させる指令を前記制御部に送り、前記目標膜間差圧上昇速度算出部において、膜面曝気風量をQからQまで変動させた際の膜面曝気風量とその際の膜間差圧上昇速度の関係に基づき新たな目標膜間差圧上昇速度R´を算出することを特徴とする請求項10に記載の膜分離装置。
  12. 膜分離槽内の被処理水をろ過する分離膜と、前記分離膜の膜面曝気を行うための空気を供給する膜面曝気装置と、前記被処理水中の有機物濃度を測定する第1の有機物濃度測定手段と、前記分離膜でろ過されたろ過水中の有機物濃度を測定する第2の有機物濃度測定手段と、前記分離膜の膜間差圧を測定する圧力測定部と、前記第1の有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から前記第2の有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値を差し引いた有機物濃度差から選定された膜間差圧上昇速度Rと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rとを比較する膜間差圧上昇速度比較手段と、前記膜面曝気装置の膜面曝気風量を制御する制御部を備え、前記膜間差圧上昇速度比較手段で得られた前記有機物濃度測定手段で測定された有機物濃度の値から選定された膜間差圧上昇速度Rと前記圧力測定部で測定された膜間差圧から算出された膜間差圧上昇速度Rとの差異に基づいて前記制御部により前記膜面曝気風量を変動させることを特徴とする膜分離装置。
  13. 前記有機物濃度の測定は、前記膜分離槽中の被処理水を、ろ過分離、遠心分離、沈殿分離のいずれかの方法により固液分離し、前記固液分離した後の液中の有機物濃度を測定することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の膜分離装置。
  14. 前記有機物濃度は、紫外線吸光度、総有機炭素濃度、生物化学的酸素要求量、化学的酸素要求量、フミン酸濃度、糖濃度、蛋白質濃度の少なくともいずれか一つ以上を測定するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の膜分離装置。
  15. 前記有機物濃度から膜間差圧上昇速度Rを選定する際に、前記被処理水中の水温、浮遊物質濃度、前記分離膜のろ過フラックスの少なくとも一つ以上の値を用いて膜間差圧上昇速度Rを選定することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の膜分離装置。
  16. 膜分離槽内の被処理水を分離膜でろ過し、前記分離膜の下方から散気管で気泡を供給する膜面曝気を行う際、前記被処理水中の有機物濃度を測定し、その測定値から目標とする膜間差圧上昇速度Rを選定し、前記膜間差圧上昇速度Rと前記分離膜の膜間差圧の上昇速度Rとを比較して、その差異が小さくなるように前記膜面曝気の風量を設定することを特徴とする膜分離方法。
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