JP2018008191A - 水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】劇物等の試薬の使用頻度を減らして、固液分離膜に影響するファウラントを定量することが可能な、ファウラント定量方法を提供する。【解決手段】ファウラント含有溶液13中にファウラント定量用膜分離装置5を浸漬させ、該膜分離装置5で定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定して、該膜分離装置5の濾過速度を設定する。別途、膜分離装置を用いない手法で、ファウラント含有溶液13中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線と、ファウラント定量用膜分離装置5を用いて測定した吸引圧の上昇率から、ファウラント含有溶液13中のファウラント濃度を定量しておく。ファウラント含有溶液13中に浸漬した水処理用膜分離装置2で水処理を行う工程において、予め定量した前記ファウラント量が所定の閾値に到達した時に、水処理用膜分離装置の運転制御を行う水処理方法。【選択図】図1
Description
本発明は、水処理方法に関する。
従来、有機性排水などの被処理水を処理する方法として、微生物を用いた浄化(活性汚泥処理)とともに、被処理水を固液分離する方法が広く実施されている。固液分離の方法としては、砂濾過や重力沈殿等が行われている。しかし、これらの固液分離方法では、得られる処理水のSS(浮遊物質)濃度が高くなりやすいという問題や、広大な敷地を要するといった問題があった。
このような問題を解決する方法として、近年、精密濾過膜、限外濾過膜等の分離膜を備えた分離膜モジュール(膜分離装置)を用いて、被処理水を固液分離する方法が用いられている。このような分離膜を用いて被処理水を濾過処理すると、SSをほとんど含まない処理水が得られる。活性汚泥処理した後、分離膜を用いて固液分離を行う一連の排水浄化処理は膜分離活性汚泥法と呼ばれ、この方法を行う装置は膜分離活性汚泥装置と呼ばれている。
ところが、膜分離活性汚泥装置を使用する場合、処理を継続して行っていると分離膜が汚染され、目詰まりすることがある。このような分離膜の汚染をファウリングと呼び、これにより分離膜の処理能力が低下することが知られている。ファウリングが生じると、排水が分離膜を通過し難くなり、分離膜の膜間差圧が上昇する。特に、BOD(生物化学的酸素要求量)負荷が急激に増大した場合、又は、冬季等の低温期に微生物に環境ストレスがかかる場合、微生物による有機物の分解が十分に行われなくなるので、分離膜を汚染する濾過阻害成分が分離膜に堆積し、それにより膜間差圧が急激に上昇して、処理能力が極端に悪化する。
ここで、ファウラントとは、分離膜を汚染し、ファウリングを生じさせる濾過阻害成分を意味する。ファウラントとは、溶解性ファウラント及び/又は非溶解性ファウラントを含む。溶解性ファウラントとしては、例えば、高分子の溶質(糖、タンパク質等)、無機塩類等が挙げられ、非溶解性ファウラントとしては、難溶性成分、コロイド、微小固形物等が挙げられる。
ここで、ファウラントとは、分離膜を汚染し、ファウリングを生じさせる濾過阻害成分を意味する。ファウラントとは、溶解性ファウラント及び/又は非溶解性ファウラントを含む。溶解性ファウラントとしては、例えば、高分子の溶質(糖、タンパク質等)、無機塩類等が挙げられ、非溶解性ファウラントとしては、難溶性成分、コロイド、微小固形物等が挙げられる。
膜間差圧が急激に上昇した場合、分離膜を洗浄して処理能力を回復させる必要がある。一般的には、一度運転を中断し、濾過に対して逆方向となるように分離膜に水や薬液を流すことによって分離膜を洗浄する方法が知られている。また、汚染程度が高い場合には、分離膜を活性汚泥槽から引き上げ、分離膜を薬液に浸漬させることによって洗浄する方法が知られている。しかし、いずれの洗浄方法であっても、膜分離活性汚泥装置の運転を継続して行うことはできないという課題があった。
そこで、従来、活性汚泥中のファウラント増大による活性汚泥性状の悪化(膜間差圧の上昇)をモニタリングする手法として、活性汚泥を濾紙で濾過することによって得られる活性汚泥の濾過特性との相関を用いた溶解性微生物代謝産物(SMP)の定量(例えば、特許文献1参照)、TOC計、COD計、紫外線吸光光度計を用いた活性汚泥上澄み液及び分離膜透過液中に含まれる有機物(全糖、全タンパク質、ウロン酸)の定量(例えば、特許文献2参照)、フェノール硫酸法を用いた活性汚泥上澄み液に含まれる全糖の定量(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、濾紙で濾過することによって得られた活性汚泥の濾過特性は、膜分離活性汚泥装置に用いる分離膜で濾過するときの濾過特性と本質的に異なっているため、分離膜のファウラントとして作用するSMPを正確に定量できないという課題があった。
また、特許文献2及び特許文献3に記載の方法では、活性汚泥上澄み液中のみのファウラントを定量しているため、分離膜のファウラントとして作用する有機物濃度を過小評価してしまうという課題があった。
全糖の定量方法として用いられているフェノール硫酸法は、フェノール及び濃硫酸といった劇物指定の試薬を用いる点で、作業安全性を確保するためには充分な配慮が必要となり、排気設備や測定機器の点から、膜分離活性汚泥装置の運転現場での実施は最低限の実施とすることが求められていた。
また、特許文献2及び特許文献3に記載の方法では、活性汚泥上澄み液中のみのファウラントを定量しているため、分離膜のファウラントとして作用する有機物濃度を過小評価してしまうという課題があった。
全糖の定量方法として用いられているフェノール硫酸法は、フェノール及び濃硫酸といった劇物指定の試薬を用いる点で、作業安全性を確保するためには充分な配慮が必要となり、排気設備や測定機器の点から、膜分離活性汚泥装置の運転現場での実施は最低限の実施とすることが求められていた。
本発明者らは、固液分離膜をファウラント含有溶液に浸漬させて定量濾過した時の吸引圧の上昇率と、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度との間に相関関係があることを見出した。本発明によれば、固液分離膜に影響するファウラントのみ定量が可能であり、劇物等の試薬の使用頻度を減らすことが可能であり、更に、膜分離装置の運転現場での実施が可能であることから、ファウラント濃度の定量方法(以下、ファウラント定量方法とも言う)として高い効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、膜分離装置の運転現場でのファウラント濃度の定量が可能であることから、ファウラント増大による活性汚泥性状の悪化(膜間差圧の上昇)を即時把握することができる。つまり、ファウラント濃度が所定の閾値に到達した時に、膜分離装置の曝気量増加、連続処理の濾過速度低下、分離膜の洗浄実施、の中から少なくとも一つ以上の操作を行うことによって、ファウリングを抑制する水処理方法を提案する。
本発明によれば、膜分離装置の運転現場でのファウラント濃度の定量が可能であることから、ファウラント増大による活性汚泥性状の悪化(膜間差圧の上昇)を即時把握することができる。つまり、ファウラント濃度が所定の閾値に到達した時に、膜分離装置の曝気量増加、連続処理の濾過速度低下、分離膜の洗浄実施、の中から少なくとも一つ以上の操作を行うことによって、ファウリングを抑制する水処理方法を提案する。
すなわち本発明は下記態様を有する。
[1] 下記工程を有する水処理方法。
<検量線作成工程>
(i)ファウラント含有溶液中にファウラント定量用膜分離装置を浸漬させる工程;
(ii)前記ファウラント定量用膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(iii)前記工程(ii)において、前記ファウラント定量用膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(iv)膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程;
<ファウラント定量工程>
(v)ファウラント含有溶液中にファウラント定量用膜分離装置を浸漬させる工程;
(vi)前記ファウラント定量用膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(vii)前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(viii)前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程;
<水処理工程>
(xi)ファウラント含有溶液中に、水処理用膜分離装置を少なくとも一基以上浸漬させる工程;
(x)前記水処理用膜分離装置で水処理を行う水処理工程;
(xi)前記工程(vii)で定量したファウラント量が所定の閾値に到達した時に、水処理用膜分離装置の運転制御を行う、制御工程;
[2] 前記工程(xi)の運転制御が、水処理用膜分離装置の曝気量増加、連続処理の濾過速度低減及び分離膜の洗浄のうち少なくとも一つ以上の操作である、[1]記載の水処理方法。
[3] 前記工程(ii)及び(vi)において、LV0.2〜2.0m/dayの範囲で濾過速度を設定し、一分以上かけて定量濾過する、請求項1又は2記載の水処理方法。
[4] ファウラント定量用膜分離装置と、水処理用膜分離装置と、前記ファウラント定量用膜分離装置及び水処理用膜分離装置を各々定量濾過するポンプと、前記ファウラント定量用膜分離装置に配される吸引圧の測定部及び演算部と、前記水処理用膜分離装置に配される吸引圧の測定部又は流量計と、前記ファウラント定量用膜分離装置で得られたデータを、前記水処理用膜分離装置へフィードバックし、当該水処理用膜分離装置の運転を制御する制御部を有する、水処理装置。
[1] 下記工程を有する水処理方法。
<検量線作成工程>
(i)ファウラント含有溶液中にファウラント定量用膜分離装置を浸漬させる工程;
(ii)前記ファウラント定量用膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(iii)前記工程(ii)において、前記ファウラント定量用膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(iv)膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程;
<ファウラント定量工程>
(v)ファウラント含有溶液中にファウラント定量用膜分離装置を浸漬させる工程;
(vi)前記ファウラント定量用膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(vii)前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(viii)前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程;
<水処理工程>
(xi)ファウラント含有溶液中に、水処理用膜分離装置を少なくとも一基以上浸漬させる工程;
(x)前記水処理用膜分離装置で水処理を行う水処理工程;
(xi)前記工程(vii)で定量したファウラント量が所定の閾値に到達した時に、水処理用膜分離装置の運転制御を行う、制御工程;
[2] 前記工程(xi)の運転制御が、水処理用膜分離装置の曝気量増加、連続処理の濾過速度低減及び分離膜の洗浄のうち少なくとも一つ以上の操作である、[1]記載の水処理方法。
[3] 前記工程(ii)及び(vi)において、LV0.2〜2.0m/dayの範囲で濾過速度を設定し、一分以上かけて定量濾過する、請求項1又は2記載の水処理方法。
[4] ファウラント定量用膜分離装置と、水処理用膜分離装置と、前記ファウラント定量用膜分離装置及び水処理用膜分離装置を各々定量濾過するポンプと、前記ファウラント定量用膜分離装置に配される吸引圧の測定部及び演算部と、前記水処理用膜分離装置に配される吸引圧の測定部又は流量計と、前記ファウラント定量用膜分離装置で得られたデータを、前記水処理用膜分離装置へフィードバックし、当該水処理用膜分離装置の運転を制御する制御部を有する、水処理装置。
本発明によれば、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、固液分離膜に影響するファウラントのみを定量することが可能となる。また、膜分離装置の運転現場での実施が可能であることから、ファウラント増大による活性汚泥性状の悪化(膜間差圧の上昇)を即時把握することができるので、曝気量の増加、連続処理の濾過速度低下、膜分離装置の洗浄といった差圧上昇の抑制策を適切なタイミングで効果的に実施することができ、より効率的な水処理を実施することができる。
以下、本発明の、水処理方法について、実施形態を示して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は下記工程を有する、水処理方法である。
<検量線作成工程>
(i)ファウラント含有溶液中にファウラント定量用膜分離装置を浸漬させる工程;
(ii)前記ファウラント定量用膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(iii)前記工程(ii)において、前記ファウラント定量用膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(iv)膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程;
<ファウラント定量工程>
(v)ファウラント含有溶液中にファウラント定量用膜分離装置を浸漬させる工程;
(vi)前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(vii)前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(viii)前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程;
<水処理工程>
(ix)ファウラント含有溶液中に、水処理用膜分離装置を少なくとも一基以上浸漬させる工程;
(x)前記水処理用膜分離装置で水処理を行う水処理工程;
(xi)前記工程(viii)で定量したファウラント量が所定の閾値に到達した時に、水処理用膜分離装置の運転制御を行う、制御工程;
<検量線作成工程>
(i)ファウラント含有溶液中にファウラント定量用膜分離装置を浸漬させる工程;
(ii)前記ファウラント定量用膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(iii)前記工程(ii)において、前記ファウラント定量用膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(iv)膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程;
<ファウラント定量工程>
(v)ファウラント含有溶液中にファウラント定量用膜分離装置を浸漬させる工程;
(vi)前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(vii)前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(viii)前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程;
<水処理工程>
(ix)ファウラント含有溶液中に、水処理用膜分離装置を少なくとも一基以上浸漬させる工程;
(x)前記水処理用膜分離装置で水処理を行う水処理工程;
(xi)前記工程(viii)で定量したファウラント量が所定の閾値に到達した時に、水処理用膜分離装置の運転制御を行う、制御工程;
<検量線作成工程>
[工程(i)]
本発明における工程(i)は、ファウラント含有溶液中にファウラント定量用の膜分離装置を浸漬させる工程である。
[工程(i)]
本発明における工程(i)は、ファウラント含有溶液中にファウラント定量用の膜分離装置を浸漬させる工程である。
(ファウラント含有溶液)
本発明における、ファウラントとは、膜面吸着する物質であれば特に限定されない。一般的に溶解性ファウラントとして、高分子の溶質(糖、タンパク質等)、無機塩類等が挙げられる。また、非溶解性ファウラントとしては、難溶性成分、コロイド、微小固形物等が挙げられる。
膜分離装置に用いられる分離膜の孔内部にファウラントが付着すると、孔径が小さくなるため、通水時の膜抵抗が増大する。時間が増加するにつれて、孔閉塞による圧力損失は急激に増大し、吸引圧の急上昇につながる。実施例では活性汚泥中の糖の定量を実施しているが、他のファウラントに関しても、分離膜に捕捉される成分であれば、分離膜の圧力損失増大及び吸引圧の上昇が見られるため、同様の方法で定量が可能である。
本発明における、ファウラントとは、膜面吸着する物質であれば特に限定されない。一般的に溶解性ファウラントとして、高分子の溶質(糖、タンパク質等)、無機塩類等が挙げられる。また、非溶解性ファウラントとしては、難溶性成分、コロイド、微小固形物等が挙げられる。
膜分離装置に用いられる分離膜の孔内部にファウラントが付着すると、孔径が小さくなるため、通水時の膜抵抗が増大する。時間が増加するにつれて、孔閉塞による圧力損失は急激に増大し、吸引圧の急上昇につながる。実施例では活性汚泥中の糖の定量を実施しているが、他のファウラントに関しても、分離膜に捕捉される成分であれば、分離膜の圧力損失増大及び吸引圧の上昇が見られるため、同様の方法で定量が可能である。
(ファウラント定量用膜分離装置)
本発明に用いられるファウラント定量用膜分離装置は、分離膜を有する。
分離膜の種類としては、特に限定されないが、水処理性能の観点から、精密ろ過膜(MF膜)又は限外ろ過膜(UF膜)が好ましい。
また、分離膜の形状としては、中空糸膜、平膜、管状膜、袋状膜等が挙げられる。これらのうち、容積ベースで比較した場合に膜面積の高度集積が可能であることから、中空糸膜が好ましい。
本発明に用いられるファウラント定量用膜分離装置は、分離膜を有する。
分離膜の種類としては、特に限定されないが、水処理性能の観点から、精密ろ過膜(MF膜)又は限外ろ過膜(UF膜)が好ましい。
また、分離膜の形状としては、中空糸膜、平膜、管状膜、袋状膜等が挙げられる。これらのうち、容積ベースで比較した場合に膜面積の高度集積が可能であることから、中空糸膜が好ましい。
分離膜の材質としては、有機材料(セルロース、ポリオレフィン、ポリスルフォン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等)、金属(ステンレス等)、無機材料(セラミック等)が挙げられる。加工性、耐薬品性、排水の性状等に応じて適宜選択される。
分離膜の孔径は、処理の目的に応じて適宜選択すればよい。例えば、膜分離活性汚泥法(MBR)において、分離膜の孔径は、0.001〜3μmが好ましい。孔径が0.001μm未満では、膜の抵抗が大きくなりやすい。孔径が3μmを超えると、汚泥を完全に分離することができないため、処理水(透過水)の水質が悪化するおそれがある。分離膜の孔径は、精密ろ過膜の範囲とされる0.04〜1.0μmがより好ましい。
[工程(ii)]
本発明における工程(ii)は、前記ファウラント定量用の膜分離装置7の濾過速度を設定する工程である。
ここで、濾過速度(LV)は、0.2〜2.0m/dayの範囲で設定することが好ましく、0.4〜1.5m/dayの範囲で設定することがより好ましい。LVが0.2m/day以上であると、ファウラントがファウラント定量用膜分離装置7に補足されるため、ファウラント定量用膜分離装置7の吸引圧の上昇率から溶解性ファウラントの検知が可能となる。また、LVが2.0m/day以下であると、活性汚泥中の懸濁物質は膜面に捕捉されにくい(クロッギングが起こりにくい)ため、ファウラントだけが膜分離装置2に捕捉され、溶解ファウラントの正確な定量が可能となる。
また、ファウラント定量用膜分離装置7の分離膜面積から濾過流量を算出し、ファウラント定量用定量濾過ポンプ8の流量を設定する。以下に算出方法の一例を示す。
濾過流量[m3/day]=LV[m/day]×分離膜面積[m2]
尚、LVとは、単位時間及び単位面積あたりに分離膜を通過する処理水の速度を意味する。
本発明における工程(ii)は、前記ファウラント定量用の膜分離装置7の濾過速度を設定する工程である。
ここで、濾過速度(LV)は、0.2〜2.0m/dayの範囲で設定することが好ましく、0.4〜1.5m/dayの範囲で設定することがより好ましい。LVが0.2m/day以上であると、ファウラントがファウラント定量用膜分離装置7に補足されるため、ファウラント定量用膜分離装置7の吸引圧の上昇率から溶解性ファウラントの検知が可能となる。また、LVが2.0m/day以下であると、活性汚泥中の懸濁物質は膜面に捕捉されにくい(クロッギングが起こりにくい)ため、ファウラントだけが膜分離装置2に捕捉され、溶解ファウラントの正確な定量が可能となる。
また、ファウラント定量用膜分離装置7の分離膜面積から濾過流量を算出し、ファウラント定量用定量濾過ポンプ8の流量を設定する。以下に算出方法の一例を示す。
濾過流量[m3/day]=LV[m/day]×分離膜面積[m2]
尚、LVとは、単位時間及び単位面積あたりに分離膜を通過する処理水の速度を意味する。
[工程(iii)]
本発明における工程(iii)は、前記工程(ii)において、前記ファウラント定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程である。
本発明における工程(iii)は、前記工程(ii)において、前記ファウラント定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程である。
後述する本発明の実施形態では、定量濾過ポンプを用いている。ファウラント定量用定量濾過ポンプは、ファウラント定量用膜分離装置に接続される。前記ファウラント定量用定量濾過ポンプにより、ファウラント定量用膜分離装置内が減圧とされ、ファウラント含有溶液と透過水とが固液分離される。
ファウラント定量用膜分離装置がファウラント定量用定量濾過ポンプで吸引されることにより減圧となると、吸引時間に伴って吸引圧が上昇する。ファウラント定量用定量濾過ポンプには、ファウラント定量用膜分離装置の吸引圧上昇に伴って濾過流量が低下しないものを選択することが好ましい。濾過流量が吸引圧の変動の影響を受けないポンプ選択することによって、安定した定量濾過が可能となり、吸引圧の上昇率測定及びファウラント含有溶液中のファウラント定量の精度が向上する。例えば、シリンジポンプ等である。
ファウラント定量用膜分離装置がファウラント定量用定量濾過ポンプで吸引されることにより減圧となると、吸引時間に伴って吸引圧が上昇する。ファウラント定量用定量濾過ポンプには、ファウラント定量用膜分離装置の吸引圧上昇に伴って濾過流量が低下しないものを選択することが好ましい。濾過流量が吸引圧の変動の影響を受けないポンプ選択することによって、安定した定量濾過が可能となり、吸引圧の上昇率測定及びファウラント含有溶液中のファウラント定量の精度が向上する。例えば、シリンジポンプ等である。
[工程(iv)]
本発明における工程(iv)は、膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程に関する。
本発明における工程(iv)は、膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程に関する。
ここで、ファウラント濃度と吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線作成工程について説明する。
検量線を作成するため、本発明による吸引圧の上昇率測定と併せて、膜分離装置を用いない方法で、ファウラント含有溶液中のファウラントの定量を実施する。
ここで、膜分離装置を用いない方法とは、膜分離装置を用いず、かつ、ファウラント濃度を定量できる方法であれば特に限定されず、例えば、TOC計、COD計、紫外線吸光光度計、フェノール硫酸法等が挙げられる。
ここで、本発明の検量線作成工程においては、少なくともサンプル3点以上で、吸引圧の上昇率と、前記膜分離装置を用いない方法でファウラントの定量を実施し、ファウラント濃度と吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する。
検量線作成後は、前記膜分離装置を用いない方法を用いることなく、膜分離装置の吸引圧の上昇率からファウラント濃度を算出することが可能となる。
検量線を作成するため、本発明による吸引圧の上昇率測定と併せて、膜分離装置を用いない方法で、ファウラント含有溶液中のファウラントの定量を実施する。
ここで、膜分離装置を用いない方法とは、膜分離装置を用いず、かつ、ファウラント濃度を定量できる方法であれば特に限定されず、例えば、TOC計、COD計、紫外線吸光光度計、フェノール硫酸法等が挙げられる。
ここで、本発明の検量線作成工程においては、少なくともサンプル3点以上で、吸引圧の上昇率と、前記膜分離装置を用いない方法でファウラントの定量を実施し、ファウラント濃度と吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する。
検量線作成後は、前記膜分離装置を用いない方法を用いることなく、膜分離装置の吸引圧の上昇率からファウラント濃度を算出することが可能となる。
<ファウラント定量工程>
[工程(v)]
本発明における工程(v)は、ファウラント含有溶液中にファウラント定量用の膜分離装置を浸漬させる工程である。
前記工程(v)は、前述の工程(i)と同様の方法で実施することができる。
[工程(v)]
本発明における工程(v)は、ファウラント含有溶液中にファウラント定量用の膜分離装置を浸漬させる工程である。
前記工程(v)は、前述の工程(i)と同様の方法で実施することができる。
[工程(vi)]
本発明における工程(vi)は、前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程である。
前記工程(v)は、前述の工程(ii)と同様の方法で実施することができる。
本発明における工程(vi)は、前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程である。
前記工程(v)は、前述の工程(ii)と同様の方法で実施することができる。
[工程(vii)]
本発明における工程(vii)は、前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程である。
前記工程(vii)は、前述の工程(iii)と同様の方法で実施することができる。
本発明における工程(vii)は、前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程である。
前記工程(vii)は、前述の工程(iii)と同様の方法で実施することができる。
[工程(viii)]
本発明における工程(viii)は、前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程である。
これにより、
前記工程(iv)で作成した検量線は、例えば、図2又は3に示す通り、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との間に相関関係がある。したがって、最初に検量線を作成すれば、その後は、記膜分離装置を用いない方法を用いることなく、膜分離装置の吸引圧の上昇率からファウラント濃度を算出することが可能となる。
これにより、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、分離膜に影響するファウラント含有溶液(例えば、活性汚泥中)のファウラントを定量することが可能となる。
本発明における工程(viii)は、前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程である。
これにより、
前記工程(iv)で作成した検量線は、例えば、図2又は3に示す通り、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との間に相関関係がある。したがって、最初に検量線を作成すれば、その後は、記膜分離装置を用いない方法を用いることなく、膜分離装置の吸引圧の上昇率からファウラント濃度を算出することが可能となる。
これにより、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、分離膜に影響するファウラント含有溶液(例えば、活性汚泥中)のファウラントを定量することが可能となる。
<水処理工程>
[工程(ix)]
本発明における工程(ix)は、ファウラント含有溶液中に、水処理用膜分離装置を少なくとも一基以上浸漬させる工程である。
尚、水処理効率の観点から、少なくとも二基以上の水処理用膜分離装置を浸漬させることが好ましい。
[工程(ix)]
本発明における工程(ix)は、ファウラント含有溶液中に、水処理用膜分離装置を少なくとも一基以上浸漬させる工程である。
尚、水処理効率の観点から、少なくとも二基以上の水処理用膜分離装置を浸漬させることが好ましい。
[工程(x)]
本発明における工程(x)は、前記水処理用膜分離装置で水処理を行う水処理工程である。
水処理方法及び水処理用膜分離装置に関しては、後述する実施形態にて説明する。
本発明における工程(x)は、前記水処理用膜分離装置で水処理を行う水処理工程である。
水処理方法及び水処理用膜分離装置に関しては、後述する実施形態にて説明する。
[工程(xi)]
本発明における工程(x)は、前記工程(viii)で定量したファウラント量が所定の閾値に到達した時に、水処理用膜分離装置の運転制御を行う、制御工程である。
制御工程に関しては、後述する実施形態にて説明する。
本発明における工程(x)は、前記工程(viii)で定量したファウラント量が所定の閾値に到達した時に、水処理用膜分離装置の運転制御を行う、制御工程である。
制御工程に関しては、後述する実施形態にて説明する。
ここで、図1を用いて本発明の実施形態について、具体的に説明する。
図1は、本発明のファウラント定量方法において、好適に使用される装置の一例を示すものである。
本発明の実施形態は、水処理用膜分離槽1およびファウラント定量用膜分離槽6と、水処理用膜分離槽1およびファウラント定量用膜分離槽6内に設置され、分離膜を具備した水処理用膜分離装置2およびファウラント定量用膜分離装置7と、水処理用膜分離装置2およびファウラント定量用膜分離装置7を吸引する水処理用濾過ポンプ3およびファウラント定量用定量濾過ポンプと、水処理用膜分離装置2およびファウラント定量用膜分離装置7の吸引圧を測定する水処理用吸引圧測定部4およびファウラント定量用吸引圧測定部9と、ファウラント定量用膜分離装置7に配される演算部10と、被測定液13を備えて構成されている。
ファウラント定量用膜分離装置7の下方にはファウラント定量用曝気装置11又はファウラント定量用撹拌装置12を設置し、被測定液13が試験中に沈降しないように、かつ処理用膜分離槽1又はファウラント定量用膜分離槽6内での被測定液13の流動が一定となるように構成されている。
図1は、本発明のファウラント定量方法において、好適に使用される装置の一例を示すものである。
本発明の実施形態は、水処理用膜分離槽1およびファウラント定量用膜分離槽6と、水処理用膜分離槽1およびファウラント定量用膜分離槽6内に設置され、分離膜を具備した水処理用膜分離装置2およびファウラント定量用膜分離装置7と、水処理用膜分離装置2およびファウラント定量用膜分離装置7を吸引する水処理用濾過ポンプ3およびファウラント定量用定量濾過ポンプと、水処理用膜分離装置2およびファウラント定量用膜分離装置7の吸引圧を測定する水処理用吸引圧測定部4およびファウラント定量用吸引圧測定部9と、ファウラント定量用膜分離装置7に配される演算部10と、被測定液13を備えて構成されている。
ファウラント定量用膜分離装置7の下方にはファウラント定量用曝気装置11又はファウラント定量用撹拌装置12を設置し、被測定液13が試験中に沈降しないように、かつ処理用膜分離槽1又はファウラント定量用膜分離槽6内での被測定液13の流動が一定となるように構成されている。
水処理用膜分離装置2を用いた水処理方法では、まず、原水槽(図示略)に貯留された排水が、水処理用膜分離槽1に供給される。処理用膜分離装置2としては、前述の分離膜を備えた膜分離装置を用いることができる。
水処理用膜分離槽1において、処理用曝気装置5から気体を吐出し、活性汚泥中の微生物に酸素を供給しながら活性汚泥処理法による水処理が行われる。処理用曝気装置5としては、特に限定されないが、散気管やブロワー等が挙げられる。散気管の材質としては、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂、ステンレス等の金属が挙げられる。処理用膜分離装置2に対して当たる曝気が測定毎に均一となるように、処理用曝気装置5の設置位置を固定し、かつ曝気量を一定とすることが好ましい。
さらに、水処理用濾過ポンプ3で処理用膜分離装置2を吸引することによって、水処理用膜分離槽1内の被処理液を分離膜(濾過膜)により固液分離し、処理水(透過水)が得られる。処理用濾過ポンプ3は、特に限定されない。この際、水処理用曝気装置5からの気体を、水処理用膜分離装置2の分離膜表面に接触させることによって、分離膜の表面を洗浄しながら、効率よく固液分離を行うことができる。
また、水処理用膜分離装置2と水処理用濾過ポンプ3との間に、水処理用吸引圧測定部4を配し、水処理用膜分離装置2の吸引圧を測定することによって、分離膜のファウリング挙動を把握することができる。水処理用吸引圧測定部4は特に限定されないが、デジタル圧力センサー等が挙げられる。
前記処理水は水処理用膜分離槽1の外へ排出され、河川等に放流、工業用水等として再利用される。
水処理用膜分離槽1において、処理用曝気装置5から気体を吐出し、活性汚泥中の微生物に酸素を供給しながら活性汚泥処理法による水処理が行われる。処理用曝気装置5としては、特に限定されないが、散気管やブロワー等が挙げられる。散気管の材質としては、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂、ステンレス等の金属が挙げられる。処理用膜分離装置2に対して当たる曝気が測定毎に均一となるように、処理用曝気装置5の設置位置を固定し、かつ曝気量を一定とすることが好ましい。
さらに、水処理用濾過ポンプ3で処理用膜分離装置2を吸引することによって、水処理用膜分離槽1内の被処理液を分離膜(濾過膜)により固液分離し、処理水(透過水)が得られる。処理用濾過ポンプ3は、特に限定されない。この際、水処理用曝気装置5からの気体を、水処理用膜分離装置2の分離膜表面に接触させることによって、分離膜の表面を洗浄しながら、効率よく固液分離を行うことができる。
また、水処理用膜分離装置2と水処理用濾過ポンプ3との間に、水処理用吸引圧測定部4を配し、水処理用膜分離装置2の吸引圧を測定することによって、分離膜のファウリング挙動を把握することができる。水処理用吸引圧測定部4は特に限定されないが、デジタル圧力センサー等が挙げられる。
前記処理水は水処理用膜分離槽1の外へ排出され、河川等に放流、工業用水等として再利用される。
ファウラント定量用膜分離装置7は、水処理用膜分離槽1又はファウラント定量用膜分離槽6内に配置され、被測定液13(活性汚泥)中に浸漬させる。
ファウラント定量用前記膜分離装置7としては、前述の分離膜を備えた膜分離装置を用いることができる。
なお、水処理用膜分離装置2で選択している分離膜と同じ分離膜を選択して本発明を実施すると、水処理用膜分離装置2で分離膜に捕捉されるファウラントのみを検出することが可能となるので、より好ましい。
ファウラント定量用膜分離装置7の分離膜は、ファウラント定量性を高めるために、未使用膜を使用、又は、測定毎に薬品洗浄を実施し、ファウラント定量に用いる分離膜にファウラントが蓄積していない状態とすることが好ましい。
ここで、薬品洗浄を実施した分離膜を使用する場合は、分離膜の透水性が未使用膜と同等まで回復していることを事前に確認することがより好ましい。
なお、水処理用膜分離装置2で選択している分離膜と同じ分離膜を選択して本発明を実施すると、水処理用膜分離装置2で分離膜に捕捉されるファウラントのみを検出することが可能となるので、より好ましい。
ファウラント定量用膜分離装置7の分離膜は、ファウラント定量性を高めるために、未使用膜を使用、又は、測定毎に薬品洗浄を実施し、ファウラント定量に用いる分離膜にファウラントが蓄積していない状態とすることが好ましい。
ここで、薬品洗浄を実施した分離膜を使用する場合は、分離膜の透水性が未使用膜と同等まで回復していることを事前に確認することがより好ましい。
ファウラント定量用膜分離装置7の下方に、ファウラント定量用曝気装置11又はファウラント定量用撹拌装置12を設置する。水処理用膜分離槽1又はファウラント定量用膜分離槽6内の被測定液13が試験中に沈降しないように、かつ、被測定液13の流動が一定となるように構成されることが好ましい。
ファウラント定量用曝気装置11としては、前述の散気管やブロワー等を用いることができる。ファウラント定量用膜分離装置7に対して当たる曝気が測定毎に均一となるように、ファウラント定量用曝気装置11の設置位置を固定し、かつ曝気量を一定とすることが好ましい。
ファウラント定量用撹拌装置12としては、特に限定されないが、マグネチックスターラー等が挙げられる。水処理用膜分離槽1又はファウラント定量用膜分離槽6内での被測定液13の流動が測定毎に一定となるように、ファウラント定量用撹拌装置12の回転数を一定とすることが好ましい。
ファウラント定量用曝気装置11としては、前述の散気管やブロワー等を用いることができる。ファウラント定量用膜分離装置7に対して当たる曝気が測定毎に均一となるように、ファウラント定量用曝気装置11の設置位置を固定し、かつ曝気量を一定とすることが好ましい。
ファウラント定量用撹拌装置12としては、特に限定されないが、マグネチックスターラー等が挙げられる。水処理用膜分離槽1又はファウラント定量用膜分離槽6内での被測定液13の流動が測定毎に一定となるように、ファウラント定量用撹拌装置12の回転数を一定とすることが好ましい。
ファウラント定量用膜分離装置7とファウラント定量用定量濾過ポンプ8の間に、ファウラント定量用吸引圧測定部9を接続し、演算部10にて単位時間当たりの吸引圧の上昇率を測定する。ファウラント定量用吸引圧測定部9は特に限定されないが、デジタル圧力センサー等が挙げられる。演算部10は、ファウラント定量用吸引圧測定部9での測定データを単位時間当たりの変化率に換算可能なものを選択する。演算部10としては、データロガー等が挙げられる。演算部10にて検量線として換算する場合、単位時間当たりの吸引圧の変化率(検量線の直線部分の傾き)が吸引圧の上昇率となる。
ファウラント定量用膜分離装置7をファウラント定量用定量濾過ポンプ8で吸引し、一分以上かけて定量濾過する。その間の吸引圧をファウラント定量用吸引圧測定部9及び演算部10で測定する。
吸引開始から一分以上経過した範囲でのグラフは、ポンプの空運転、分離膜内のエアーによる吸引圧のぶれ等の影響を受けないため、安定した直線となる。安定した直線が得られる範囲で、吸引圧の上昇率を算出することによって誤差が減り、活性汚泥中の溶解性ファウラント定量の精度向上につながる。そのため、吸引開始から一分以上経過した範囲で、吸引圧の上昇率を算出することが好ましい。
ファウラント定量用膜分離装置7をファウラント定量用定量濾過ポンプ8で吸引し、一分以上かけて定量濾過する。その間の吸引圧をファウラント定量用吸引圧測定部9及び演算部10で測定する。
吸引開始から一分以上経過した範囲でのグラフは、ポンプの空運転、分離膜内のエアーによる吸引圧のぶれ等の影響を受けないため、安定した直線となる。安定した直線が得られる範囲で、吸引圧の上昇率を算出することによって誤差が減り、活性汚泥中の溶解性ファウラント定量の精度向上につながる。そのため、吸引開始から一分以上経過した範囲で、吸引圧の上昇率を算出することが好ましい。
ファウラント定量用膜分離装置7の吸引圧の上昇率が、所定の閾値に到達した時に、処理用膜分離装置2の曝気量増加、連続処理の濾過速度低下、分離膜の洗浄実施、のうち少なくとも一つ以上の操作を行うことによって、分離膜のファウリングを抑制し、水処理用膜分離装置2の安定運転の継続が可能となる。
例えば、曝気量の増加により、曝気によって発生する気泡流によって膜面に生じるせん断応力が大きくなり、膜面に堆積した活性汚泥を剥離しやすくなる。
また、連続処理の濾過速度低下により、分離膜にかかる負荷を軽減することができ、ファウリングが抑制される。
また、分離膜の洗浄を実施することで、分離膜に蓄積したファウラントを取り除き、分離膜の通水抵抗を減少させることができる。ここで、分離膜の洗浄方法としては、公知な洗浄方法が用いられるが、例えば、可逆的ファウラントを除去する物理洗浄と、不可逆的ファウラントを除去する薬品洗浄がある。物理洗浄の例として、スポンジ等を用いた汚泥ケークの除去や、濾過方向と逆方向に濾過水を流す逆洗等が挙げられる。薬品洗浄では、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硫酸等が用いられ、薬品に分離膜を浸漬、又は、薬品で分離膜を逆洗することによってファウラントが除去される。これらのファウリング抑制策は、組み合わせて実施することにより、更に効果が増大する。
例えば、曝気量の増加により、曝気によって発生する気泡流によって膜面に生じるせん断応力が大きくなり、膜面に堆積した活性汚泥を剥離しやすくなる。
また、連続処理の濾過速度低下により、分離膜にかかる負荷を軽減することができ、ファウリングが抑制される。
また、分離膜の洗浄を実施することで、分離膜に蓄積したファウラントを取り除き、分離膜の通水抵抗を減少させることができる。ここで、分離膜の洗浄方法としては、公知な洗浄方法が用いられるが、例えば、可逆的ファウラントを除去する物理洗浄と、不可逆的ファウラントを除去する薬品洗浄がある。物理洗浄の例として、スポンジ等を用いた汚泥ケークの除去や、濾過方向と逆方向に濾過水を流す逆洗等が挙げられる。薬品洗浄では、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硫酸等が用いられ、薬品に分離膜を浸漬、又は、薬品で分離膜を逆洗することによってファウラントが除去される。これらのファウリング抑制策は、組み合わせて実施することにより、更に効果が増大する。
本発明によれば、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、分離膜に影響するファウラント含有溶液(例えば、活性汚泥中)のファウラントを定量することが可能となる。
また、膜分離活性汚泥装置の運転現場での実施が可能であることから、ファウラント含有溶液中のファウラント増大による被測定液(例えば、活性汚泥性状)の悪化(例えば、膜間差圧の上昇)を即時把握することができるので、曝気量の増加、連続処理の濾過速度低下、膜分離装置の洗浄等といった差圧上昇の抑制策を適切なタイミングで効果的に実施することができる。
また、膜分離活性汚泥装置の運転現場での実施が可能であることから、ファウラント含有溶液中のファウラント増大による被測定液(例えば、活性汚泥性状)の悪化(例えば、膜間差圧の上昇)を即時把握することができるので、曝気量の増加、連続処理の濾過速度低下、膜分離装置の洗浄等といった差圧上昇の抑制策を適切なタイミングで効果的に実施することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(透水性評価)
ファウラント定量用膜分離装置7の分離膜の透水性評価の指標として、WFを用いる。WFとは、単位時間、単位面積、単位圧力あたりの純水透過量を表す。分離膜に一定圧力をかけた時の、単位時間当たりの純水の透過量から算出する。以下に算出方法の一例を示す。
WF[m3/m2/hr/MPa]=透過水量[m3/hr]÷分離膜面積[m2]÷測定圧力[MPa]
ファウラント定量用膜分離装置7の分離膜の透水性評価の指標として、WFを用いる。WFとは、単位時間、単位面積、単位圧力あたりの純水透過量を表す。分離膜に一定圧力をかけた時の、単位時間当たりの純水の透過量から算出する。以下に算出方法の一例を示す。
WF[m3/m2/hr/MPa]=透過水量[m3/hr]÷分離膜面積[m2]÷測定圧力[MPa]
(実施例1)
生活系排水の膜分離活性汚泥処理を行っている排水試験場で用いている活性汚泥を使用した。
膜分離装置の分離膜として、公称孔径0.05μmの精密濾過用ポリビニリデンフルオライド製中空糸膜を用いた。前記分離膜の透水性評価の指標としてWFを用いた。分離膜に圧力をかけながら純水を通水したときの、単位時間及び単位面積あたりの透水性を評価した。未使用状態での前記分離膜のWFは30m3/m2/hr/MPaであった。
ファウラント定量用定量濾過ポンプは、(株)ワイエムシィ製のシリンジポンプを用いた。ファウラント定量用吸引圧測定部は(株)キーエンス製のデジタル圧力センサー、演算部はグラフテック(株)製のデータロガーを用いた。
ファウラント定量用膜分離装置の下方に曝気装置を配し、ポリカーボネート製の散気管からの散気を常時実施した。散気量は中空糸膜部の投影面積当たり100Nm3/m2・hrとした。
ファウラント含有溶液(被測定液)として、活性汚泥濃度6000〜10000mg/Lの活性汚泥を用いた。
ファウラント定量用膜分離装置のLVは1.0m/dayとし、濾過時間は10分間とした。ファウラント定量用膜分離装置を10分間定量濾過し、その間の吸引圧を測定した。その後、演算部にて単位時間当たりの吸引圧の上昇率を算出した。測定毎に薬品洗浄を実施、又は、未使用膜を使用した。薬品洗浄の条件は、0.3%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に分離膜を浸漬させ、60℃で4時間保温した。
吸引圧の上昇率と、活性汚泥中の溶解性ファウラント濃度との相関関係を把握するため、活性汚泥を濾紙濾過した後の濾液中の糖濃度を測定した。糖濃度測定は、フェノール硫酸法にて行った。
図2に示すように、活性汚泥を定量濾過した時の吸引圧の上昇率と、フェノール硫酸法を用いて測定した活性汚泥濾紙濾液中の糖濃度との間には相関関係が確認された。図2の検量線作成後は、吸引圧の上昇率から糖濃度を算出することができる。よって、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、固液分離膜に影響する糖のみを定量することができる。
生活系排水の膜分離活性汚泥処理を行っている排水試験場で用いている活性汚泥を使用した。
膜分離装置の分離膜として、公称孔径0.05μmの精密濾過用ポリビニリデンフルオライド製中空糸膜を用いた。前記分離膜の透水性評価の指標としてWFを用いた。分離膜に圧力をかけながら純水を通水したときの、単位時間及び単位面積あたりの透水性を評価した。未使用状態での前記分離膜のWFは30m3/m2/hr/MPaであった。
ファウラント定量用定量濾過ポンプは、(株)ワイエムシィ製のシリンジポンプを用いた。ファウラント定量用吸引圧測定部は(株)キーエンス製のデジタル圧力センサー、演算部はグラフテック(株)製のデータロガーを用いた。
ファウラント定量用膜分離装置の下方に曝気装置を配し、ポリカーボネート製の散気管からの散気を常時実施した。散気量は中空糸膜部の投影面積当たり100Nm3/m2・hrとした。
ファウラント含有溶液(被測定液)として、活性汚泥濃度6000〜10000mg/Lの活性汚泥を用いた。
ファウラント定量用膜分離装置のLVは1.0m/dayとし、濾過時間は10分間とした。ファウラント定量用膜分離装置を10分間定量濾過し、その間の吸引圧を測定した。その後、演算部にて単位時間当たりの吸引圧の上昇率を算出した。測定毎に薬品洗浄を実施、又は、未使用膜を使用した。薬品洗浄の条件は、0.3%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に分離膜を浸漬させ、60℃で4時間保温した。
吸引圧の上昇率と、活性汚泥中の溶解性ファウラント濃度との相関関係を把握するため、活性汚泥を濾紙濾過した後の濾液中の糖濃度を測定した。糖濃度測定は、フェノール硫酸法にて行った。
図2に示すように、活性汚泥を定量濾過した時の吸引圧の上昇率と、フェノール硫酸法を用いて測定した活性汚泥濾紙濾液中の糖濃度との間には相関関係が確認された。図2の検量線作成後は、吸引圧の上昇率から糖濃度を算出することができる。よって、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、固液分離膜に影響する糖のみを定量することができる。
(実施例2)
膜分離装置の下方に撹拌装置を配した点以外は、実施例1と同じ条件で試験を実施した。撹拌装置の撹拌速度は、500rpmとした。
図3に示すように、活性汚泥を定量濾過した時の吸引圧の上昇率と、フェノール硫酸法を用いて測定した活性汚泥濾紙濾液中の糖濃度との間には相関関係が確認された。図3の検量線作成後は、吸引圧の上昇率から糖濃度を算出することができる。よって、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、固液分離膜に影響する糖のみを定量することができる。
膜分離装置の下方に撹拌装置を配した点以外は、実施例1と同じ条件で試験を実施した。撹拌装置の撹拌速度は、500rpmとした。
図3に示すように、活性汚泥を定量濾過した時の吸引圧の上昇率と、フェノール硫酸法を用いて測定した活性汚泥濾紙濾液中の糖濃度との間には相関関係が確認された。図3の検量線作成後は、吸引圧の上昇率から糖濃度を算出することができる。よって、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、固液分離膜に影響する糖のみを定量することができる。
(実施例3)
小型MBRを用いて、ファウラント定量用の膜分離装置の吸引圧上昇率が所定の閾値に到達した時に、処理用膜分離装置の洗浄を実施する水処理を実施した。処理用膜分離装置の分離膜として、公称孔径0.05μmの精密濾過用ポリビニリデンフルオライド製中空糸膜を用いた。処理用濾過ポンプは、東京理化器械(株)製のチューブポンプを用いた。処理用吸引圧測定部は(株)キーエンス製のデジタル圧力センサーを用いた。処理用膜分離装置の下方に曝気装置を配し、ポリカーボネート製の散気管からの散気を常時実施した。
散気量は中空糸膜部の投影面積当たり100Nm3/m2・hrとした。ファウラント含有溶液(被測定液)として、活性汚泥濃度6000〜10000mg/Lの活性汚泥を用いた。処理用膜分離装置のLVは0.6m/dayとし、7分吸引+1分停止の間欠運転を実施した。
ファウラント定量用膜分離装置に関しては、実施例1と同じ条件で試験を実施した。ファウラント定量用膜分離装置の吸引圧上昇率が70×10−3kPa/sに到達したときに、処理用膜分離装置の逆洗および薬品洗浄を実施した。逆洗の条件は、処理水をLV0.6m/dayで濾過方向と逆方向に2時間流した。薬品洗浄では、分離膜を0.3%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に4時間浸漬した。
処理用膜分離装置のファウリング進度を表す指標として、膜抵抗を用いた。膜抵抗は、処理用膜分離装置の膜間差圧と分離膜の濾過LVから算出した。以下に膜抵抗の算出方法の一例を示す。
膜抵抗[kPa/(m/day)]=膜間差圧[kPa]÷濾過LV[m/day]
図4に示すように、ファウラント定量用膜分離装置の吸引圧上昇率が増加するにつれて、処理用膜分離装置のファウリングが進行し、分離膜の膜抵抗が増大した。逆洗後および薬品洗浄後は、処理用膜分離装置の分離膜の膜抵抗が減少し、通水性が回復した。
小型MBRを用いて、ファウラント定量用の膜分離装置の吸引圧上昇率が所定の閾値に到達した時に、処理用膜分離装置の洗浄を実施する水処理を実施した。処理用膜分離装置の分離膜として、公称孔径0.05μmの精密濾過用ポリビニリデンフルオライド製中空糸膜を用いた。処理用濾過ポンプは、東京理化器械(株)製のチューブポンプを用いた。処理用吸引圧測定部は(株)キーエンス製のデジタル圧力センサーを用いた。処理用膜分離装置の下方に曝気装置を配し、ポリカーボネート製の散気管からの散気を常時実施した。
散気量は中空糸膜部の投影面積当たり100Nm3/m2・hrとした。ファウラント含有溶液(被測定液)として、活性汚泥濃度6000〜10000mg/Lの活性汚泥を用いた。処理用膜分離装置のLVは0.6m/dayとし、7分吸引+1分停止の間欠運転を実施した。
ファウラント定量用膜分離装置に関しては、実施例1と同じ条件で試験を実施した。ファウラント定量用膜分離装置の吸引圧上昇率が70×10−3kPa/sに到達したときに、処理用膜分離装置の逆洗および薬品洗浄を実施した。逆洗の条件は、処理水をLV0.6m/dayで濾過方向と逆方向に2時間流した。薬品洗浄では、分離膜を0.3%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に4時間浸漬した。
処理用膜分離装置のファウリング進度を表す指標として、膜抵抗を用いた。膜抵抗は、処理用膜分離装置の膜間差圧と分離膜の濾過LVから算出した。以下に膜抵抗の算出方法の一例を示す。
膜抵抗[kPa/(m/day)]=膜間差圧[kPa]÷濾過LV[m/day]
図4に示すように、ファウラント定量用膜分離装置の吸引圧上昇率が増加するにつれて、処理用膜分離装置のファウリングが進行し、分離膜の膜抵抗が増大した。逆洗後および薬品洗浄後は、処理用膜分離装置の分離膜の膜抵抗が減少し、通水性が回復した。
ファウリング制御運転を実施するタイミングを判断するための、ファウラント定量用膜分離装置の吸引圧上昇率の閾値は、原水の水質、膜種、運転条件(LV、曝気装置の散気量、など)により異なる。そのため、予め予備試験を行い、吸引圧上昇率の閾値を設定する必要がある。本実施例では吸引圧上昇率が70×10−3kPa/sに到達したときに、分離膜の洗浄を行ったが、例えば吸引圧上昇率の閾値を30×10−3kPa/sに設定すれば、通水性が低下する前にファウリングを制御することが可能となる。
ファウラント定量用膜分離装置において、処理用膜分離装置で選択している分離膜と同じ分離膜を選択することによって、処理用膜分離装置で分離膜に捕捉されるファウラントのみを検出することが可能となる。
ファウラント定量用膜分離装置において、処理用膜分離装置で選択している分離膜と同じ分離膜を選択することによって、処理用膜分離装置で分離膜に捕捉されるファウラントのみを検出することが可能となる。
1:処理用膜分離槽
2:処理用膜分離装置
3:処理用濾過ポンプ
4:処理用吸引圧測定部
5:処理用曝気装置6:ファウラント定量用膜分離槽
7:ファウラント定量用膜分離装置
8:ファウラント定量用定量濾過ポンプ
9:ファウラント定量用吸引圧測定部
10:演算部
11:ファウラント定量用曝気装置
12:ファウラント定量用撹拌装置
13:ファウラント含有溶液(被測定液)
2:処理用膜分離装置
3:処理用濾過ポンプ
4:処理用吸引圧測定部
5:処理用曝気装置6:ファウラント定量用膜分離槽
7:ファウラント定量用膜分離装置
8:ファウラント定量用定量濾過ポンプ
9:ファウラント定量用吸引圧測定部
10:演算部
11:ファウラント定量用曝気装置
12:ファウラント定量用撹拌装置
13:ファウラント含有溶液(被測定液)
Claims (4)
- 下記工程を有する水処理方法。
<検量線作成工程>
(i)ファウラント含有溶液中にファウラント定量用膜分離装置を浸漬させる工程;
(ii)前記ファウラント定量用膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(iii)前記工程(ii)において、前記ファウラント定量用膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(iv)膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程;
<ファウラント定量工程>
(v)ファウラント含有溶液中にファウラント定量用膜分離装置を浸漬させる工程;
(vi)前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(vii)前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(viii)前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程;
<水処理工程>
(ix)ファウラント含有溶液中に、水処理用膜分離装置を少なくとも一基以上浸漬させる工程;
(x)前記水処理用膜分離装置で水処理を行う水処理工程;
(xi)前記工程(viii)で定量したファウラント量が所定の閾値に到達した時に、水処理用膜分離装置の運転制御を行う、制御工程; - 前記工程(xi)の運転制御が、水処理用膜分離装置の曝気量増加、連続処理の濾過速度低減及び分離膜の洗浄のうち少なくとも一つ以上の操作である、請求項1記載の水処理方法。
- 前記工程(ii)及び(vi)において、LV0.2〜2.0m/dayの範囲で濾過速度を設定し、一分以上かけて定量濾過する、請求項1又は2記載の水処理方法。
- ファウラント定量用膜分離装置と、
水処理用膜分離装置と、
前記ファウラント定量用膜分離装置及び水処理用膜分離装置を各々定量濾過するポンプと、
前記ファウラント定量用膜分離装置に配される吸引圧の測定部及び演算部と、
前記水処理用膜分離装置に配される吸引圧の測定部又は流量計と、
前記ファウラント定量用膜分離装置で得られたデータを、前記水処理用膜分離装置へフィードバックし、当該水処理用膜分離装置の運転を制御する制御部を有する、
水処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016137426A JP2018008191A (ja) | 2016-07-12 | 2016-07-12 | 水処理方法 |
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-
2016
- 2016-07-12 JP JP2016137426A patent/JP2018008191A/ja active Pending
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