JP4079082B2 - 膜ろ過水処理装置の逆洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、河川水や湖沼水等の表流水および地下水などを精密ろ過膜あるいは限外ろ過膜などのろ過膜を用いて処理するための水処理装置におけるろ過膜の逆洗浄方法に関する。特に、原水中あるいは逆洗浄水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合を指標として逆洗浄条件を設定することを特徴とする水処理装置における逆洗浄方法に関する。更に、原水中あるいは逆洗浄水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合を指標として薬液洗浄時に用いる薬剤の種類を決めることを特徴とする水処理装置におけるろ過膜の逆洗浄方法に関する。更に詳しくは、原水中あるいは逆洗浄水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合を指標として薬液洗浄のタイミングや使用する薬剤の種類等の最適な逆洗浄条件を予測し、該洗浄条件を設定することを特徴とする水処理装置におけるろ過膜の逆洗浄方法に関する。
古くから、河川や湖沼水等から上水を得るための処理として、凝集沈殿→砂ろ過→塩素滅菌という方法が用いられてきたが、凝集の際に沈殿池が必要なため大きな設置スペースを要するという問題があった。さらに近年、塩素に耐性を持つクリプトスポリジウム等の原虫が水道原水に混入し、処理水に漏洩するという問題も懸念されている。
これに対し、最近では膜ろ過技術に関する研究開発が進み、精密ろ過膜や限外ろ過膜等を用いた上水処理がなされるようになってきた。この方法によれば、膜の破損等の問題がない限りにおいて、膜孔径以上の大きさの成分は膜により完全に遮蔽され、数μmの大きさのクリプトスポリジウム原虫はほぼ完全に除去することが可能である。さらに、膜自体も中空糸状等にモジュール化され設置スペースも凝集沈殿→砂ろ過にくらべてコンパクト化を図ることができる。
水のろ過膜処理において、重要な解決すべき課題の1つに目詰まり(ファウリング)からの回復を図る水逆洗浄および薬液洗浄の最適化がある。通常は予め設定されたスケジュールに従い、例えば定期的に膜分離工程が30分〜1時間実施され、次いで逆洗浄工程が30秒〜1分間実施される。これらのサイクルを繰り返し、膜差圧の上昇が回復しなくなった場合はある薬液中に浸漬洗浄し、次いで異なる薬液中に浸漬洗浄したり、あるいは薬品を含有した水により逆洗浄し、同じろ過膜をできるだけ長く使用するという方法が採られる。
そして、薬液洗浄を行っても、ろ過膜内部などの付着物が取り除けなくなり、膜間差圧が予め設定されている上限値を越えたままで回復しないときには、ろ過膜が劣化したと判断して、ろ過膜を交換することになる。
このように、薬液洗浄、濾過膜の交換などを行わせる毎に、膜ろ過処理を停止しなければならないことから、上記薬液洗浄の回数、ろ過膜の交換回数をなるべく少なくして、膜ろ過方法の運転コストを低減し、膜ろ過の稼働率を高くすることが強く望まれている。
膜ろ過の稼働率を高くする一つの方法として、薬液洗浄の実施時期やその回数(以下、タイミングということがある)および使用する薬剤の種類や量等といったろ過膜の逆洗浄条件を効率的に行うことが挙げられるが、ろ過膜の最適逆洗浄条件を予測するのは困難であり、ろ過膜を備えた水処理装置の運転管理という面からみる問題となっている。
そこで、効率的な薬液洗浄のタイミングや使用する薬剤の種類や量等といったろ過膜の最適逆洗浄条件を予測し、決定する方法の提供が求められている。上記運転管理面からの問題を解決するために、例えば、分離膜モジュールにより原水を膜分離して、処理水を得るようにした膜処理装置において、分離膜モジュール間の膜間差圧を測定し、膜間差圧の上昇により処理水の流量を制御する技術が知られている(特許文献1を参照)。この技術はそれなりの目的を達成することができるが、しかしながら、その技術は、膜差圧の上昇から処理水量を制御し薬液洗浄の頻度を少なくするといったいわば事後的な対策であり、ろ過の前段階である原水の水質から膜洗浄の条件をあらかじめ予測し制御するものではない。
その点、特許文献2には「蛍光分析計により原水の懸濁物質を測定し、その測定値により水処理量を最適化し、物理洗浄回数、薬液洗浄回数、ろ過膜の交感回数を低減する」技術が開示され、特許文献3では「被処理水の濁度と膜透過流速から分離膜で除去した単位膜面積当たりの、不純物量を算出し」、「一定量の不純物を分離膜で除去する毎に物理洗浄、または薬液洗浄」を行う技術が開示されている。これら技術は被処理水に含まれる懸濁物質に着目し、工夫する技術であるものの、前者では懸濁物質の測定値から処理する水の量を最適化する技術であり、後者は懸濁物質を不純物として扱い、不純物の量を基にして洗浄時期を定める技術であり、両者とも懸濁物質の成分の検討にまで踏み込み、完成された技術ではない。これら技術は薬液洗浄回数の最適化という点では不十分であり、改善される余地が残されている。
特開平11−123380号公報 特開2003−126855号公報 特開2000−140585号公報
そこで、本発明の課題は、ろ過膜を備えた水処理装置内のろ過膜の逆洗浄方法において、薬液洗浄のタイミングとその際に使用する薬剤の種類等のろ過膜の最適逆洗浄条件を予測し、決定する方法を提供することである。また、原水や逆洗浄水の水質に基づいて、薬液洗浄のタイミングや使用する薬品の種類等の逆洗浄条件を簡単にしかも適切に効率よく見計らうことができ、それらを設定するろ過膜の逆洗浄方法を提供することである。
河川、湖沼や地下水等の原水から上水を得るために膜処理をすると、原水中に含まれる懸濁成分などの成分によるろ過膜の目詰まりが進むため、定期的に水や薬液による洗浄が必要となる。本発明者は、上記課題を解決すべく工夫するうちに、上記原水を膜処理する場合に、原水濁度がほぼ同じ場合でも、浮遊物質の種類が異なれば膜の目詰まり度合いが異なることを見出した。また、原水水質の懸濁成分や有機物濃度が高いと膜差圧の上昇が早くなり、結果として逆洗浄や薬液洗浄の回数を増やさなければならないことを、見出した。すなわち、上記原水を膜処理すると、藻類等の有機性濁質成分が高い季節には、水逆洗浄だけでは膜差圧上昇(膜目詰まり)は極めて速く、一方、降雨等により河川の砂等の成分が巻き上がり無機性の浮遊物質の割合が高くなった場合には、膜目詰まりの上昇は遅いという知見を得た。これらの原因については、解明されてはいないが、有機性懸濁成分のほうがろ過膜との親和性が高く、通常の水洗浄だけでは剥離されにくく、ろ過膜に残留してしまい、結果として膜目詰まりに繋がったのではないかと推測できる。
上記知見等から、河川、湖沼や地下水等の原水を膜処理する場合に、原水あるいはろ過膜の逆洗浄水中に含まれる懸濁成分中の有機物の割合を指標として薬液洗浄の条件を予測し、決定、制御することが有効であることに気づき、さらに検討を重ね終に本発明を完成した。
したがって、本発明の請求項1に係る発明は、ろ過膜を備える水処理装置内のろ過膜の逆洗浄方法において、原水中又は逆洗浄水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合を指標にして上記ろ過膜の逆洗浄条件としての薬液洗浄処理するタイミング及び使用する薬剤の種類を決定することを特徴とするろ過膜を備える水処理装置内のろ過膜の逆洗浄方法である。
請求項2に係る発明は、請求項1のろ過膜の逆洗浄方法において、請求項1記載の指標に、原水中の濁度、逆洗浄水中の濁度および膜差圧の上昇値から選ばれる少なくとも一つを指標として組み合わせることを特徴とする。


以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で言うろ過膜とは、一般的な膜であれば全て使用できるのであり、たとえば精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)、ナノろ過膜(NF膜)、逆浸透膜(RO膜)などが使用可能である。これらの膜の中ではとくにMF膜あるいはUF膜が好適である。
また、上記膜を含む膜モジュールも特に制限されないのであるが、具体的には平膜型モジュール、スパイラル型モジュール、中空糸型モジュールなどが使用可能である。
上記ろ過膜を透過させて水処理するのであるが、本発明ではこの処理される水(原水)は、河川水、湖沼水、地下水などが好ましい。これら原水をそのまま使用してもよいが、前処理を施してもよい。たとえば、あらかじめ原水を放置して沈降物を除去する処理、あるいは凝集剤を加え、攪拌処理して、原水から汚濁物質などをある程度除去する処理を施し、その後に膜ろ過処理してもよい。
この原水中にはいろいろな種類の物質が溶解し、あるいは懸濁している。原水を一定量膜ろ過処理すると、ろ過膜に懸濁物などが堆積・残留し、ろ過膜は目詰まり、円滑な膜ろ過処理が行われなくなるので、ろ過膜に水洗浄などの物理洗浄を施してろ過膜を元の目詰まりのない状態に回復させ、再度このろ過膜を用いて原水を膜ろ過処理する。この操作を繰り返し行った後に、物理洗浄を施してもろ過膜を元の目詰まりのない状態に回復できなくなると、ろ過膜を薬液洗浄処理し、ろ過膜を元の目詰まりのない状態に回復させることになる。
本発明では、上記薬液洗浄処理するタイミングや使用する薬剤の種類を決定するに際し、とくに原水中の浮遊物質に着目し、その浮遊物質を構成する成分の違いにより、洗浄条件を決定することに一つの大きな特徴がある。すなわち、原水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合を指標にして上記ろ過膜の逆洗浄条件を設定することに特徴があり、上記指標を基にすると、薬液洗浄処理するタイミングや使用する薬剤の種類を効率的に決定し、設定することができる。また、本発明では、原水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合を指標にして、上記ろ過膜の逆洗浄条件を制御することもできる。さらに、本発明では、原水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合である指標の変動に応じて、設定する上記ろ過膜の逆洗浄条件を変動させることにより、ろ過膜の逆洗浄条件を制御することも可能である。
本発明で言う浮遊物質(以下、SSということがある)とは、水中に懸濁している不溶解性物質のことである。また、平均孔径が1μmであるろ過剤上に残留する物質ということもできる。原水中に存在するSSの定量方法としては、特に制限されないのであり、一般的には一定量の原水を1μmのろ紙でろ過し、ろ紙上の残留物を100℃前後で乾燥後、その重量をはかりmg/Lとして求める。また、本発明で言う有機性浮遊物質(以下、VSSということがある)とは、600℃で燃えてしまう成分ということができ、原水中に存在する有機物を表す指標として用いられる。VSSの定量方法としては、例えば一定量の原水からのSSを、600℃で熱処理し、残存分の重量をはかり、600℃で燃焼消滅したものをmg/Lとして求める。従って、600℃で燃焼しない成分は、金属等の無機成分ということができる。上記、SSとVSSとの測定値から、本発明でいう指標、すなわち、原水中の浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合(以下、VSS/SSということがある)を容易に算出することができる。
例えば河川水を対象とする膜処理プラントの実際の運転に際し、原水中のVSS/SSが高い水を膜ろ過したときには、ろ過膜に有機物が堆積・残留し膜差圧を上昇させていると推測されるので、ろ過膜の逆洗浄時には有機物に洗浄効果を示す薬液での薬液洗浄を行う必要があり、有機物に効果のある薬液洗浄を導入する。また、原水中のVSS/SSが低い水を膜ろ過したときには、ろ過膜の堆積・残留物内に無機物が存在している割合が高いと予測されるので、無機物に洗浄効果を示す薬液での洗浄回数を増やすことが有効である。なお、原水中に含まれる懸濁物質は有機物のみとか、無機物のみであることは極めて稀である。したがって、薬液洗浄条件を決定するときには、有機物に洗浄効果を示す薬液での薬液洗浄回数と無機物に洗浄効果を示す薬液での洗浄回数を上記指標に基づき決定することになり、その条件に従ってろ過膜の逆洗浄処理を行うこととなる。
上記、有機物に洗浄効果を示す薬液としては、一般的に使用できる薬液であれば特に制限されないのであるが、代表例としては次亜塩素酸ナトリウム溶液などが挙げられる。また、上記、無機物に洗浄効果を示す薬液としては、一般的に使用できる薬液であれば特に制限されないのであるが、代表的には硫酸、塩酸、シュウ酸、クエン酸などのような酸が挙げられる。
本発明では、原水の他、逆洗浄水に着目し、その逆洗浄水中の浮遊物質を構成する成分の質や量の違いにより、ろ過膜の逆洗浄条件を制御してもよい。すなわち、逆洗浄水中のVSS/SS指標を算出し、その指標を基にして、上記原水の時と同様にして、ろ過膜の逆洗浄条件を設定してもよいし、逆洗浄を制御してもよい。さらに、原水と逆洗浄水とに着目し、その原水と逆洗浄水中の浮遊物質を構成する成分の質や量の違いにより、ろ過膜の逆洗浄条件を設定してもよいし、逆洗浄を制御してもよい。
指標VSS/SSと組合わせる他の指標として、原水中の濁度、逆洗浄水中の濁度および膜差圧の上昇値から選ばれる少なくとも一つを挙げることができる。原水中の濁度、逆洗浄水中の濁度および膜差圧の上昇についてはすでに広く知られている。それらの値は一般的な方法により測定することができる。また、これらの指標と上記VSS/SS指標との組合わせは、特に制限されないのであり、必要に応じて、適宜選択して、組合わせればよい。例えば、原水のVSS/SSと原水の濁度、原水のVSS/SSと逆洗浄水の濁度、原水のVSS/SSと膜差圧の上昇値などを組合わせて、ろ過膜の逆洗浄条件を制御してもよい。
本発明では、原水の水質を測定し、先行試験を行い、予め原水の情報を集めておき、それらの情報を洗浄条件の決定の際に参照することもできる。これにより、より最適な洗浄条件を規定することができることになる。
かくして、ある原水を膜ろ過処理したときの、最適なろ過膜の薬液洗浄条件が容易に決定され、効率的な薬液洗浄が行われることになり、膜差圧の変動が著しく安定した原水処理が可能となり、極めて好ましい効果をもたらすことができる。
本発明により、ろ過膜のファウリングに関して最適な薬液洗浄と頻度を設定することが可能となり、膜ファウリング抑制という膜処理システムに有効となる。逆洗浄や薬液洗浄の適切なタイミングを見計らい、洗浄する条件を、ろ過の前段階である原水の水質の分析・検討結果から判断して、決定することができれば、処理する原水水質が変化した場合でも本制御方法を用いれば、薬液洗浄の最適条件決めが可能である。そのうえ、水処理においては、一般的に原水の水質を常に測定しているのであるから、それら原水の水質に基づいて、逆洗浄や薬液洗浄の適切なタイミングを見計らことができれば、その点だけでも有利である。また、原水だけでなく、逆洗浄水に基づいて逆洗浄や薬液洗浄の適切なタイミングを見計らことができる。
さらに、圧力が急激に変化することがないように制御できるため、ろ過膜に対するダメージも最小限にすることができる。
発明の実施の態様
以下、図を用いて本発明を具体的に説明する。
図1に示される水処理装置は、原水を中空糸状の限外ろ過膜で膜分離する分離膜モジュールを備え、分離膜モジュールにより原水を膜分離して、処理水を得るようにした水処理装置である。
原水槽1に貯められた原水は、原水ポンプ2を介して、6本の膜モジュール3それぞれに送られる。原水は、限外ろ過膜により処理され、処理水槽4に送られる。30分〜1時間程度のろ過時間が経過すれば、水による逆洗浄が必要となる。水による逆洗浄は、膜透過水で行うのが一般的である。水による逆洗浄は、処理水槽4から逆洗浄水ポンプ5を介して膜モジュール3に送られ行われる。逆洗浄の速度は、ろ過速度の2〜3倍程度とされる。逆洗浄処理により発生する逆洗浄排水は逆洗浄水タンク10を経て、そのままもしくは何らかの処理がなされた後に排出される。
さらに、一定量の原水を量りとり、専用のろ紙を用いてろ過し、ろ紙上に残った固形物を105℃〜110℃の乾燥器中で2時間乾燥し、次いでデシケーター中で放冷したのち、その重量を量り、mg/Lとして求める。また、一定量の原水を量りとり、専用のろ紙を用いてろ過し、ろ紙上に残った固形物を105℃〜110℃の乾燥器中で原水を2時間乾燥し、次いでデシケーター中で放冷したのち、600℃で熱処理し、残存分の重量を量り、mg/Lとして求める。これらの測定値から指標VSS/SSの値を算出する。この指標値から、薬品洗時に用いる薬品の種類とその薬品を用いた洗浄頻度を決定することができる。
例えば、有機物の洗浄に効果のある次亜塩素酸ナトリウム溶液6と無機成分に効果のある硫酸8を利用できる。これらの薬品はそれぞれ次亜塩素酸ナトリウム送液ポンプ7と硫酸送液ポンプ9を介して膜モジュール逆洗浄に供される。なおこれらの薬品の濃度は、膜の耐薬品性からみて最適な範囲を選択する。例えば次亜塩素酸濃度は数百mg/L程度であり硫酸については1〜3%程度である。
上記指標と組合わせるもう一つの指標の例として、原水の濃度を用いて具体的に説明する。原水の濁度を一般的な濁度計を用いて測定する。この濁度を指標にして、例えば濁度が10度以上と、10度未満との二つのグループに分けるように、幾つかのグループに分ける。この指標に、上記VSS/SS指標とを組合わせると、薬液洗浄頻度と用いる薬品の種類をより詳細に規定でき、より最適な逆洗浄条件を決定することができる。
この濁度、および上記VSS/SS値、およびその他の必要な情報を、制御部11に入力し、処理水量、原水透過時間、水による逆洗浄時間とその回数、薬液洗浄頻度と用いる薬品の種類などを制御し、効率的な水処理を行うことができる。
[実施例]
以下に実施例をあげて、本発明を説明する。本発明は、この実施例に何ら限定されない。
原水槽1に貯められた原水を、原水ポンプ2を介して、6本の膜モジュール3それぞれに約1.5m/dayで送った。原水は、限外ろ過膜により処理され、処理水槽4に送られた。1時間程度ろ過処理を続けた後、処理水槽4から逆洗浄水ポンプ5を介して膜モジュール3にろ過速度の約2.5倍の速度で膜透過水を送った。逆洗浄排水は逆洗浄水タンク10を経て、系外に排出した。
薬液洗浄の頻度および使用する薬品の種類を、原水のVSS/SS値および原水の濁度を指標として、表1および表2に記載したように設定し、ろ過膜の薬液洗浄を行い、水による逆洗浄では除去できなかったろ過膜に堆積・残量する成分の除去を図った。なお、ここで示している値は一例であるので、使用する膜の材質、原水の水質、ろ過条件を鑑みて、最適条件をフレキシブルに対応していくことができる。
本実施例では、有機物の洗浄に効果のある次亜塩素酸ナトリウム溶液6と無機成分に効果のある硫酸8を使用した。これらの薬品はそれぞれ次亜塩素酸ナトリウム溶液送液ポンプ7と硫酸送液ポンプ9を介して膜モジュール逆洗浄に供した。なお本実施例で使用する次亜塩素酸濃度は200mg/L程度、硫酸は2%程度であった。
原水濁度が10度以上20度未満の場合
表1
Figure 0004079082
なお、使用する膜の特性にもよるが、原水濁度が20度以上のときには、何らかの前処理を施し、濁度を20度未満に下げてから使用することが望ましい。
(2)原水濁度が10度未満の場合
表2
Figure 0004079082
図2には、上記逆洗浄条件に記載したような、原水濁度と、VSS/SSを指標に膜洗浄頻度等を制御し、定流量で膜処理を行った場合(予測制御した場合)の膜差圧上昇の例を示す。また比較として、上記逆洗浄処理で用いた同じ薬液を用い、一定頻度条件(例えば、次亜塩素酸ナトリウム1回/4day、硫酸1回/20day)で逆洗浄をした場合も併せて示す。ここで、膜差圧の測定は膜モジュール入口圧と膜モジュール出口圧との差圧に基づくのであり、膜差圧の測定法はオンラインでの圧力計により測定する一般的な方法を用いた。
このグラフに示すように、本制御方法を用いれば、膜差圧の変動が少ないように逆洗浄処理条件を設定し、制御することが可能となり、水処理薬液洗浄の最適条件決めが可能であることがわかった。また、原水水質が変化した場合でも本制御方法を用いれば、薬液洗浄の最適条件決めが可能であることがわかった。さらに、膜自体についても圧力が急激に変化することがないように制御できるため、膜に対するダメージも最小限にすることができる。
上記記載から、本発明を次のように記載することもできる。
(1)ろ過膜を備える水処理装置を用いる水処理方法において、原水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合を指標にして上記ろ過膜の逆洗浄条件を設定することを特徴とするろ過膜を備える水処理装置を用いる水処理方法。
(2)ろ過膜を備える水処理装置を用いる水処理方法において、逆洗浄水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合を指標にして上記ろ過膜の逆洗浄条件を設定することを特徴とするろ過膜を備える水処理装置を用いる水処理方法。
(3)ろ過膜を備える水処理装置を用いる水処理方法において、上記(1)記載の指標に、原水中の濁度、逆洗浄水中の濁度および膜差圧の上昇値から選ばれる少なくとも一つを指標として組み合わせることを特徴とするろ過膜を備える水処理装置を用いる水処理方法。
(4)ろ過膜を備える水処理装置を用いる水処理方法において、上記(2)記載の指標に原水中の濁度、逆洗浄水中の濁度および膜差圧の上昇値から選ばれる少なくとも一つを指標として組み合わせでることを特徴とするろ過膜を備える水処理装置を用いる水処理方法。
(5)逆洗浄条件が、薬液洗浄時に用いる薬品の種類についての条件であることを特徴とする上記(1)〜(4)から選ばれたいずれかに記載のろ過膜を備える水処理装置を用いる水処理方法。
(6)逆洗浄条件が、薬液洗浄の頻度と用いる薬品の種類についての条件であることを特徴とする上記(1)〜(4)から選ばれたいずれかに記載のろ過膜を備える水処理装置を用いる水処理方法。
本発明の逆洗浄方法を行う水処理装置の概念図である。 本発明の逆洗浄方法を行ったときのろ過膜の膜差圧の変動を示す図である。
符号の説明
原水槽
原水ポンプ
膜モジュール
処理水槽
逆洗浄水ポンプ
次亜塩素酸ナトリウム溶液タンク
次亜塩素酸ナトリウム溶液送液ポンプ
硫酸タンク
硫酸送液ポンプ
逆洗浄水タンク
制御部


Claims (2)

  1. ろ過膜を備える水処理装置内のろ過膜の逆洗浄方法において、原水中又は逆洗浄水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合を指標にして上記ろ過膜の逆洗浄条件としての薬液洗浄処理するタイミング及び使用する薬剤の種類を決定することを特徴とするろ過膜を備える水処理装置内のろ過膜の逆洗浄方法。
  2. ろ過膜を備える水処理装置内のろ過膜の逆洗浄方法において、請求項1記載の指標に、原水中の濁度、逆洗浄水中の濁度および膜差圧の上昇値から選ばれる少なくとも一つを指標として組み合わせることを特徴とする請求項1記載のろ過膜の逆洗浄方法。
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